JP2785912B2 - 硬化増強剤を含有する潜在的に硬化性の結合剤組成物の製造方法 - Google Patents

硬化増強剤を含有する潜在的に硬化性の結合剤組成物の製造方法

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JP2785912B2 JP63242623A JP24262388A JP2785912B2 JP 2785912 B2 JP2785912 B2 JP 2785912B2 JP 63242623 A JP63242623 A JP 63242623A JP 24262388 A JP24262388 A JP 24262388A JP 2785912 B2 JP2785912 B2 JP 2785912B2
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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願の相互参照 本願は、1986年9月3日に米国に出願され、ボーデン
インコーポレーテツドに讓渡されている出願係属中の米
国特許出願第903,253号(特開昭63−153102号)に関連
している。この共に出願中の出願は、フエノール系樹脂
に硬化剤を添加する方法を記載し、参考文献としてここ
に組み入れられる。
発明の背景 本発明は、次のものを包含する固体の網目を結合する
ための潜在的に硬化性の結合剤組成物に関する:鋳物の
製造における鋳型及び中子等のような耐火材料;合板の
製造におけるハードボード、パーテイクルボード、フア
イバーボード、ウエーフアボード、配向型ストランドボ
ード等のようなリグノセルロース性材料;並びにガラス
繊維、金属やすり粉、セラミツク粉末等のような他の固
体。本発明は又、これらの結合剤組成物の製法及びこれ
らの結合物を使用する方法に向けられる。更に詳細に
は、この潜在的に硬化性の結合剤組成物は、固体材料を
結合する際常用されるフエノール系樹脂の硬化速度を増
強するためのエステル官能をもつ結合剤を含有する。こ
の結合剤は、迅速な攪拌下少ない有効量で樹脂中に配合
される。本発明の安定な結合剤組成物は、高水分リグノ
セルロース性材料の結合を可能にする。
発明の背景 フエノール系樹脂は、次のものを包含する多くの製品
において接着剤及び結合剤として広く使用される:鋳
型、摩擦エレメント(ブレーキシユーズ)、紙、セラ
ミツクス、繊維マツト及び合板、パーテイクルボード、
フアイバーボード、ハードボード、ウエーフアボード及
び配向型ストランドボードのような構造木材製品。液状
フエノール−ホルムアルデヒドレゾール(PF)結合剤
は、結合剤の硬化速度によつて制限されることが多い。
他の普通使用される結合剤に比して、これらの製品の固
有におそい硬化速度のために、又硬化の間に系から水分
を除く必要性のために、このことがいえる。フエノール
系樹脂の硬化は、ホルムアルデヒド供与体、ヘキサメチ
レンテトラミン又は種々の有機及び無機の酸を添加する
ことによつて加速することができることが知られてい
る。しかし、ヘキサメチレンテトラミンは、レゾールの
場合比較的効率がわるく、又酸は、処理装置及び金属フ
アスナーの腐食の問題をおこすので、これらの方法は現
在の目的には十分には適していない。
1957年、オースらは、木材の接着に適しているPF結合
剤を硬化させるためラクトン結合剤を使用することがで
きることを開示した(DAS1,065,605)。鋳型において使
用するのに適しているPF結合剤を硬化させるための硬化
剤としてラクトンの使用は、米国特許第4,426,467号中
クイストらによつて開示された。
これらの方法においては、これらのラクトンが環境温
度においてPF結合剤の硬化(又はゲル化)を生じるの
で、ラクトン及びPF結合剤は、使用の直前2つの別々の
成分として保たれる。結合剤組成物の末端使用者は、製
造操作からは別である方法及び装置によつて適当な混合
を準備しなければならないという点で、このような2成
分系は不利である。1986年9月3日出願され、ボーデン
・インコーポレーテツドに譲渡されている出願係属中の
米国出願第903,253号は、製造処理と同調して硬化剤を
フエノール系樹脂と合し、かくして別々の処理工程を避
ける方法を開示している。
本発明は、使用に十分先立つてフエノール樹脂溶液に
硬化剤が添加される結合剤組成物を提供する。従つて、
末端使用者は2成分を混合する必要がない。本発明の前
には、直ちに硬化することなしにフエノール系樹脂に硬
化剤を添加することは困難であつた。米国特許第3,949,
149号中チエルビムらによつて開示されているように、
結合剤組成物中コロイド粒子を生成することが多い点
で、アルキレンカーボネートのような、高反応性硬化剤
を添加することは特に困難であつた。本発明の方法は、
コロイドの生成なしに硬化剤の迅速な分配を提供する。
得られる硬化剤の分配は、高い安定性の結合剤組成物を
提供するのに十分である。
エステル硬化剤で改変されたフエノール系樹脂溶液
は、合板、複合ボード、パーテイクルボード、ハードボ
ード、フアイバーボード、ウエーフアボード、配向型ス
トランドボード等の製造において有用であることが知ら
れている。
合板は、バランスのとれた構成を得るため奇数のプラ
イにおいて隣接する層の木目をもつ比較的うすい層、或
いはプライより組み立てられている接着された木材のパ
ネルである。プライとして厚い木材の層が使用される場
合には、互に平行の木目方向をもつ2つの対応する層が
使用されることが多い;このように構成されている合板
は、4プライ又は6プライと称されることが多い。外側
の片は、面又は面及び背面プライであり、内側のプライ
はしん又は中心であり、内側及び外側のプライの間のプ
ライはクロスバンドである。しんはベニア、材木又はパ
ーテイクルボードであつてよく、全パネルの厚さは、典
型的には1/8インチよりうすく、2インチ以下である。
一般に、合板パネルは、乾燥して接着処理が受け入れ
られるレベルまで水分を除く。パネルは、グルースプレ
ツダを用い、適当に前及び(又は)後で、液状接着剤で
被覆される。ホツトプレス中熱及び圧力を施して接着剤
を硬化させ、パネルを合せて結合させて合板を形成す
る。本発明の方法は、高い水分レベルをもつベニアの使
用の用意をし、既存の乾燥機からより大量のベニアを製
造者が製造することができるようにする。
発明の要約 本発明は、エステル官能基(ester functionality)
を有し、そして24時間を超える期間の貯蔵が可能である
ために十分安定である硬化剤を含有する潜在的に硬化性
の結合剤組成物を提供する。用語「潜在的に硬化性」
(latently curable)とは、ここで使用される場合、貯
蔵、輸送及び固体への施用のため十分な時間の後硬化性
であることを意味するものとする。
これらの安定な結合剤組成物は、硬化すると繊維の網
目(network)を結合することができるフエノール系樹
脂溶液よりなる。このフエノール系樹脂溶液は、十分に
安定であつて24時間を超えて貯蔵ができる。
この潜在的に硬化性の結合剤組成物は又、エステル官
能を有する硬化剤を含有する。この硬化剤は、フエノー
ル系樹脂溶液に可溶性である。
使用される硬化剤の量は、アルカリ性縮合型フエノー
ル系樹脂の硬化速度を増強するために十分であるが、尚
液状のまま留まるように24時間を超える期間結合剤組成
物内のゲル化を防止するために十分少ない。
又本発明により、エステル官能基をもつ硬化剤を含有
する潜在的に硬化性の結合剤組成物の製法が提供され
る。この方法により、硬化剤は、約500cps未満の粘度を
有するアルカリ縮合型フエノール−ホルムアルデヒド樹
脂に、迅速な攪拌の区域において約40℃未満の温度にお
いて導入される。硬化剤は、添加の際ゲル又はコロイド
の生成を防止するために十分高い速度で樹脂溶液中に仕
込まれる。
本発明の他の1実施態様は、高い水分の出発物質を使
用することができる、構造木材製品の製造においてリグ
ノセルロース性材料を結合する方法である。
好適な実施態様の詳細な説明 本発明は、固体の網目を結合することができるアルカ
リ性縮合型フエノール系樹脂溶液よりなる潜在的に硬化
性の結合剤組成物に関する。樹脂のゲル化(又は硬化)
の際結合することができる固体は、顆粒、繊維、ストラ
ンド、ウエーフア、フレーク、ベニア及び粉末の形態の
ものを包含する。固体は、アルミナ、マグネシア、ジル
コン、ケイ砂、石英、クロマイトサンド、ジルコンサン
ド又はカンラン石サンドのような耐火材料であつてよ
い。木材のようなリグノセルロース性材料も、木材繊
維、木材フレーク、木材チツプ、木材平けずり機くず、
木材ウエーフア、或いは木材パーテイクルの形態か又は
ベニアとして使用することができる。他の固体は、ガラ
ス繊維、炭素繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、酸化
カルシウムのようなセラミツクス及び摩擦エレメント中
使用される鉄又は銅のような金属やすり粉を包含してい
てよい。
アルカリ性フエノール系樹脂溶液は、環境温度におい
て合成から24時間を超える期間液状のまま留まるために
十分安定であり、かつ約100℃を超え、好適には約150℃
を超える温度に加熱する際ゲル化するために十分反応性
でなければならない。普通使用されるアルカリ性縮合型
フエノール系樹脂の大部分は、これらの判定基準を満足
する。重合が継続する結果溶液粘度が増加するという点
で、アルカリ性縮合型フエノール系樹脂溶液は、環境温
度において完全には安定でないことが多い。環境条件下
反応はおそく、しばしば粘度は、1日あたり約30〜40セ
ンチポアズ増加する。これらのフエノール系樹脂溶液の
粘度が増加することがあるが、それらは液状のまま留ま
り、合成から24時間を超える期間ゲル化を経験しない。
大部分のアルカリ性フエノール系樹脂の場合、24時間を
十分超えるまでゲル化がおこらず、若干の場合には、望
まれるまで環境温度において不可逆的なゲル化は決して
おこらず、長期の貯蔵の後粘度を低下させるために溶媒
の添加が許容される。
アルカリ性縮合型フエノール系樹脂は、少なくとも約
100℃の温度に加熱するとゲル化するため十分反応性で
もなければならない。普通のアルカリ性縮合型フエノー
ル系樹脂の大部分は、100℃よりかなり低い温度におい
て、又100℃を超える温度においてゲル化することがあ
る。
多数のアルカリ性縮合型フエノール系樹脂は、網目中
の固体を結合するのに適当な結合強度を提供する。最も
普通に使用されるものは、溶液法によつて測定して、好
適には700より大きく、更に好適には1,000より大きく、
そして最も好適には約1,000〜2,200の範囲内の重量平均
分子量を有する。
フエノール系樹脂を縮合させるのに使用される適当な
アルカリ性材料は、水酸化ナトリウム、カリウム、カル
シウム及びマグネシウムを包含し、水酸化カリウム及び
ナトリウムが最も好適である。フエノール系樹脂は、フ
エノール、クレゾール、レゾルシノール、3,5−キシレ
ノール、ビスフエノールA、他の置換フエノール、或い
はそれらの混合物をホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、或いはフルフルアルデヒドのようなアルデヒドと反
応させることによつて得ることができる。リグノセルロ
ース性材料を結合させるため好適な反応剤は、1:1〜1:
3.1更に好適には1:2.1〜1:2.8の範囲のフエノール対ホ
ルムアルデヒドモル比で用いられるフエノール及びホル
ムアルデヒドである。
フエノール樹脂溶液は、塩基が水酸化ナトリウムであ
る時、樹脂溶液の重量を基にして、約1%〜約15%、好
適には2.5%〜7%の範囲のアルカリ度含有を有する、
即ち、塩基を含有する。異なつた塩基が用いられる時に
は、アルカリ度含量は比例的に当量である。ここで使用
される「アルカリ度含量」(alkalinity content)は、
塩基に関して明示しないかぎり、当量の水酸化ナトリウ
ムの重量による溶液のパーセントを意味する。例えば、
6.4%の水酸化カリウムのアルカリ度含量は、水酸化ナ
トリウムの当量の重量を基にして、約9%のアルカリ度
含量に均等である。市販の樹脂に追加の塩基を添加して
それを所望の濃度にしてよい。塩基は、水酸化物のよう
なアルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物であつてよ
い。
上記の判定基準を満足する、より普通に使用されるフ
エノール系樹脂は、約40〜75重量%、好適には約40〜60
重量%の固体含量を有する。このような組成物は、典型
的には硬化剤のより簡単な添加を許容するために粘度が
十分低い。これらのフエノール系樹脂溶液の粘度は、LV
Fブルツクフイールド粘度計(2号スピンドルを使用す
る)によつて、30rpmにおいて、25℃において測定し
て、一般に約200〜約1,500センチポアズの範囲である。
好適には、粘度は、約500センチポアズ未満であり、最
も好適には約200〜400センチポアズである。
フエノール−ホルムアルデヒド用硬化剤は、エステル
官能基を有し、フエノール系樹脂溶液中分散性でなけれ
ばならない。「分散性」(dispersible)とは、可溶
性、混和性又はさもなければ分配性(distributable)
を意味する。好適には、硬化剤は樹脂溶液中可溶性であ
る。硬化剤は、ラクトン類、有機カーボネート類、カル
ボン酸エステル類又はそれらの混合物よりなる群から選
択することができる。一般に、4〜12の炭素原子をもつ
硬化剤を使用することが好適である。樹脂溶液中への添
加を簡単にするためプロピレンカーボネートの反応性よ
り小さいか又はそれに等しい反応性をもつ硬化剤を使用
することが最も好適である。硬化剤は、樹脂溶液中分散
性であるが、添加の際ゲル及びコロイドの生成を防止す
るため特殊な装置を要することがある。プロピレンカー
ボネートより高い分子量をもつ硬化剤は、それより低い
反応性を有することが多い。
フエノール系樹脂の硬化を加速するラクトン類の例
は、ガンマ−ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロ
ラクトン、ベータ−プロピオラクトン、ベータ−ブチロ
ラクトン、ベータ−イソブチロラクトン、ベータ−イソ
ペンチルラクトン、ガンマ−イソペンチルラクトン及び
デルタ−ペンチルラクトンを包含するが、それらに限定
されない。ラクトンが使用される場合にはガンマ−ブチ
ロラクトン(このものは、プロピレンカーボネートより
反応性が低い)を使用することが最も好適である。
フエノール系樹脂の硬化を加速する有機カーボネート
の例は、プロピレンカーボネート、エチレングリコール
カーボネート、グリセロールカーボネート、1,2−ブタ
ンジオールカーボネート、1,3−ブタンジオールカーボ
ネート、1,2−ペンタンジオールカーボネート及び1,3−
ペンタンジオールを包含するが、それらに限定されな
い。有機カーボネートが用いられる場合には、プロピレ
ンカーボネートを使用することが好適である。フエノー
ル系樹脂の硬化を加速するカルボン酸エステルは、酢酸
n−ブチル、ジ酢酸エチレングリコール及びトリアセチ
ン(トリ酢酸グリセロール)を包含するが、それらに限
定されない。カルボン酸エステルが使用される場合に
は、トリアセチンが好適である。トリアセチンは、プロ
ピレンカーボネートより低い反応性を有する。
プロピオネート、ブチレート又はペンタネート等のよ
うな他の脂肪族モノエステルが適していることがある。
適していることがあるその外の脂肪族多エステル類は、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、1,
3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、および1,
4−ブタンジオールのジホルメート、ジアセテート、ま
たは高級ジエステル類を包含する。更に、マロン酸ジメ
チル、グルタール酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、お
よびコハク酸ジメチルのような、ジカルボン酸のジエス
テルが適している。
潜在的に硬化性の結合剤組成物中の硬化剤の量は、ア
ルカリ性縮合型フエノール系樹脂の硬化を加速するため
に十分高い。このような樹脂の硬化を増強する際きわめ
て少量の硬化剤が有効である。結合剤組成物の全固体を
基にして、0.01重量%の低量が認め得る効果を与える。
実際には、硬化剤の量が大きい程、硬化速度の増強は大
きい。しかし、硬化剤の量は、環境温度において少なく
とも24時間、そして好適には少なくとも1週問結合剤組
成物を液状に保持するために十分低くなければならな
い。「液状」(liquid)とは、組成物が流体又は流動可
動であり、実質的にゲル又はコロイドを含まないことを
意味する。このような条件においては、本発明の結合剤
組成物は、少なくとも24時間、そして好適には少なくと
も1週間のポツトライフを有する。
全結合剤組成物の約5重量%(固体を基にして約11
%)に等しいプロピレンカーボネート結合剤の量は、環
境温度において分単位内で硬化する不安定な結合剤組成
物を生じることが見出されている。
固体を基にして約5重量%未満の硬化剤の濃度を保つ
ことが好適である。最も好適には、硬化剤の量は、結合
剤組成物の全固体を基にして約0.1重量%〜1.0重量%の
範囲内にはいるように選択される。このような組成物は
比較的安定であり、ゲル化することなしに3週間を超え
る期間液状のまま留まる。
結合剤組成物の程度は、フエノール系樹脂溶液にこれ
らの量が導入される場合増加し、事実、硬化剤を含有し
ない樹脂溶液より早い速度で増加する。しかし、粘度増
加の速度は、短期の貯蔵、輸送及び結合剤組成物の施用
を許容するためには十分低い。本発明の好適な結合剤組
成物は、生産から1週間後でさえ25℃において約1,000
センチポアズ未満の粘度を示す。
本発明の結合剤組成物は、他の成分、改質剤、増量剤
等を含有していてよいことをノートすることが重要であ
る。例えば、コーンスターチ増量剤が本発明の有害な効
果なしに添加されてよく、尿素もフエノール系レゾール
樹脂の硬化速度に影響なく添加されてよい。
フエノール系レゾール樹脂への硬化剤の添加は硬化を
阻害せず、特に環境温度より十分上の温度において、熱
を加えると、結合剤組成物は迅速に硬化する。
100℃に保たれる本発明の結合剤組成物の場合約10〜2
0分のゲル化時間が普通である。
又本発明により、上述した潜在的に硬化性の結合剤組
成物の製法が提供される。この方法によつて製造された
結合剤組成物は、環境温度において安定性、又加熱する
と反応性を示す。
この方法の初めの工程は、アルカリ性材料によつて縮
合されるフエノール−ホルムアルデヒド樹脂の製造のた
め常用の技術を組み入れる。得られた樹脂は、ゲル化の
際固体の網目を結合することができなければならず、又
樹脂溶液は、25℃において約500センチポアズ未満の粘
度を有さなければならない。このフエノール−ホルムア
ルデヒド樹脂は約40℃未満の温度に冷却して導入される
時の硬化剤の活性を抑える。好適には、樹脂溶液の温度
を約30℃より下に保つ。
フエノール−ホルムアルデヒド樹脂は、硬化剤の添加
の前迅速に攪拌される。攪拌は、硬化剤の添加の際コロ
イド又はゲルの生成を防止するために必要である。じや
ま板型反応器の中で約80〜100rpmで運転されるかきまぜ
羽根が、プロピレンカーボネート硬化剤の添加のために
適当な攪拌を与えることが見出されている。
硬化剤は、迅速均一な分散を得るように迅速な攪拌の
区域においてフエノール−ホルムアルデヒド樹脂溶液に
添加される。常用の反応器においては、硬化剤は、高速
かきまぜ羽根に近接して、底において導入される。
硬化剤は、添加の際ゲル又はコロイドの生成を防止す
るために十分高い速度で導入される。このことは、一般
に約30〜40psiの空気圧を用いて硬化剤を注入すること
によつて行なうことができる。樹脂溶液の重量を基にし
て1重量%の大量の硬化剤を要する場合でさえ、硬化剤
の全仕込が約20〜45秒以内に導入されることが好適であ
る。
使用される硬化剤は、少なくとも1つのエステル官能
基を有し、フエノール−ホルムアルデヒド樹脂溶液に可
溶性である。好適な硬化剤は、プロピレンカーボネー
ト、ガンマ−ブチロラクトン及びトリアセチンから選択
される。樹脂溶液に導入される硬化剤の量は、アルカリ
性縮合型フエノール−ホルムアルデヒド樹脂の硬化を加
速するために十分高くなければならず、同時に、環境温
度において結合剤組成物を液状に保持するために十分低
くなければならない。前に論じたように、これらの効果
を生じる量は、該結合剤組成物の全固体の重量を基にし
て約5重量%未満にはいる。好適な範囲は、該結合剤組
成物の全固体の重量を基にして約0.01重量%〜1重量%
である。
適当な安定性の結合剤組成物を得るためには、フエノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂溶液は、1:1〜1:3.1のフエ
ノール−ホルムアルデヒドモル比を有する樹脂の場合25
℃において約200〜400センチポアズの粘度を有すること
が好適である。更に安定性を確実にするためには、フエ
ノール−ホルムアルデヒド樹脂を約30℃未満の温度に保
つことが好適である。必要な迅速攪拌を提供するために
は、じやま板型容器、高速かきまぜ羽根及び表面下の供
給ラインのような装置を使用することが助けになる。
本発明の方法は、コーンスターチその他の増量剤の添
加の用意をするもののような、追加の工程よりなつてい
てよいことが認められている。
本発明の潜在的に硬化性の結合剤組成物は、現在使用
されている常用の装置のいずれの形態を用いても固体に
施用することができる。このような装置は、噴霧ノズル
(spray nozzle)、噴霧ホイール(atomizing wheel
e)、ロール塗装機(roll coater)、カーテン塗装機、
フオーム塗布機(foam applicator)、混合機(mixe
r)、ロールミル、浸漬タンク(dip tank)等を含む。
又本発明によつて本発明の結合剤組成物を含有する接
着剤混合物によるリグノセルロース性材料(木材)の結
合法が提供される。この方法は、リグノセルロース性材
料に接着剤混合物を施用し、リグノセルロース性材料を
合一し、そして接着剤混合物の中で結合剤組成物を硬化
させることよりなる。好適な結合剤組成物は、プロピレ
ンカーボネート、ガンマブチロラクトン又はトリアセチ
ン硬化剤を用いる。
均一なリグノセルロース性材料からか又は異なつた種
類のこのような材料からつくられるボードは、この方法
によつて得ることができる。例えば、木材パーテイクル
から完全に、或いは木材フレークから完全に、或いは木
材フアイバー、平けずり機くず等から、或いはこれらの
混合物からボードをつくることができる。同様に、多層
を用いて、微細な表面フレーク及び粗いしんフレークを
用いて、ボードを形成してよく、或いはその表面の各々
上繊維のオーバーレイと共に粗いフレーク型のしんを有
していてよい。他の組合せも得ることができる。
リグノセルロース性材料を結合する場合本発明の方法
から合板を製造することが好適である。合板は、多層の
木材ベニアから組み立てられるボードである。ベニアは
通常、隣接するベニアにおいて木材の木目の方向が垂直
となるように配列される。
合板法は、縦に切られ、そしてバツトの加熱効率を増
加させるために水及び表面活性剤を含有する加熱された
バツト中コンデイシヨニングされたまつすぐな丸太を必
要とする。次に加熱された丸太が「ひきはがされ」(pe
eled)、丸太の直径がある点、通常3〜6インチに減小
するまで予め定められた厚さのベニアが連続的に取り出
される。次にベニアをストリツプに止め金でとめ、選別
され、乾燥される。常用の結合法においては、ベニアの
水分含量は、10%又はそれ未満まで減らされる。本発明
においては、それより高い水分含量が許容される。
乾燥後、ベニアを等級別けし、合板パネルに組み合わ
せる。この製造段階においてベニアに接着剤を施用す
る。接着剤は、通常フエノール−ホルムアルデヒド樹
脂、水、水酸化ナトリウムのような塩基性材料、小麦
粉、木材粉、並びに粘土のような、無機及び有機の細粉
より構成される。接着剤は、製造装置、接着されるべき
木材の型、つくられるべき製品の型、並びにパネル製造
時における外部環境条件によつて、個個の使用者のミル
について特定して処方される。接着剤は、通常ロール塗
装機、カーテン塗装機、噴霧ライン又はフオーム押出機
によつてベニアに施用される。接着剤は、通常重量で20
〜40%のレベルにおいてフエノール−ホルムアルデヒド
樹脂を含有する。接着剤は、普通グルーライン1000平方
フイートあたり接着剤50〜110ポンド(ベニアが両側上
塗布される時)、或いは25〜55ポンド(片側上塗布され
る時)の塗布レベルによつて使用される。
接着剤が木材ベニアに施用され、パネルが組み立てら
れて後、加熱及び加圧下にそれらを組み合わせる。この
ことは、約240°〜350゜Fの熱板温度及び約75〜250psiの
圧力を使用して蒸気ホツト−プレス中行なわれる。
合板を得る際、硬化のため最も決定的なグルーライン
は最も内側のものである。このグルーラインは、現在の
条件下では硬化させるのが最も困難である。即ち、他の
グルーラインが硬化される時、最も内側のグルーライン
は完全には硬化されないことが多い。この場合には、ボ
ードに追加のホツトプレス処理を施用してこのグルーラ
インを硬化させることが必要である。本発明の結合剤組
成物のその他の1用途は、それらを最も内側のグルーラ
インに施用することができ、そして常用の樹脂をその他
のグルーラインに施用することである。この加速された
樹脂は、この場合には他のグルーラインを硬化させるの
に要する時間と同じ時間で最も内側のグルーラインにお
いて完全な硬化を生じることができる。
構造木材製品の製造において、本発明の結合剤組成
物、即ち、硬化剤を含有する樹脂を用いることによつて
いくつかの利点が得られることが発見されている。1つ
の利点は、硬化時間を短縮することができることであ
る。例えば、常法による4プライ−1/2″の厚さの合板
の製造において、樹脂が硬化剤を含有しない時には、3.
5分サイクルの硬化時間(プレス及び加熱)が用いられ
る。耐久性その他の重要な性質の損失なしに、固体の重
量を基にして、約0.35〜1重量%の量でプロピレンカー
ボネート硬化剤を有する結合剤組成物によつてこの時間
を2.5分サイクルに短縮することができる。第2の有意
義な利点は、硬化剤の添加が系中水分に対する耐容を増
大させることである。かくして、常法によつて形成され
た合板がしんのシートについて0〜6重量%の水分含量
を有する場合、硬化剤が使用される時には、しんについ
ての水分含量は12重量%まで、面シートについて25重量
%の水分までとすることができる。
より高い水分含量が使用される時でさえ、最小の数の
ブローが生じ、厚さ、膨潤及び耐久性のようなボードの
性質は良好であり、木材破損についての試験に対して影
響はない。プレス及び加熱処理、即ち、樹脂を硬化させ
て後、製品の水分は一般に比較的高い。本発明の結合剤
組成物が使用される時、系は比較的多い水分に耐えるの
で、比較的多い等級内(on−grade)パネルを得ること
が可能である。ボードが厚い程、本発明は有効であり、
利点がより有意義であることが見出されている。
本発明の組成物は、構造木材製品以外の接着剤又は結
合剤を必要とする製品を製造する際使用することができ
ることが認められている。例えば、この組成物は、鋳物
の型又はしんのための結合剤として使用することができ
る。
本発明は、次の実施例によつて示される。これらの実
施例及び明細書のその他全体において、別に明示されな
いかぎり、部及び百分率は重量による。用語「モル比」
は、別示しないかぎり、ホルムアルデヒド対フエノール
のモル比をいう。上に挙げた、又特許請求の範囲中のブ
ルツクフイールド粘度の価はすべて、別に特定されない
かぎり、30rpmにおいて、25℃において2号スピンドル
を使用するLVFブルツクフイールド粘度計について行な
われている。
硬化剤を含有する高安定性の結合剤組成物の製法 例1 じやま板及びモーター出力かきまぜ羽根を備えた5ガ
ロンの反応器に、約80〜100rpmにおいて攪拌下に、フエ
ノール約4680g及びホルムアルデヒド約3285g(50%水溶
液)を添加した。
モル比を確認するために混合物の屈折率を測定した。
この価は、約1.4840〜1.4860の範囲であることが見出さ
れた。
次に水約3240gを添加し、屈折率を測定してモル比を
確認し、それは約1.4350〜1.4360の範囲内にはいること
が見出された。
その後、攪拌下50%水酸化ナトリウム約540gを添加
し、混合物の温度を発熱によつて約95℃に上昇させた。
この溶液の反応の間、カードナー−ホルト気ほう標準と
の比較によつて粘度をモニターした。NaOHの添加後約20
分で、混合物はA−1レーテイング(A−1 rating)
(約30センチポアズに相当する)を有していた。
NaOHの添加後約1時間後に、粘度はA−レーテイング
(40センチポアズ)に増加し、この時混合物を約80℃に
冷却し、50%NaOH溶液約1080gの第2の仕込を添加し
た。発熱反応の間温度を約80℃に保つた。NaOHの添加直
後に、ホルムアルデヒド約3285gを約30分にわたつて添
加した。再び屈折率を測定し、1.4700〜1.4730の範囲に
はいることを見出した。
混合物の温度を発熱反応の熱によつてホルムアルデヒ
ドの添加の終り近くに約90℃に上昇させた。ホルムアル
デヒドの添加が完了のあとで、反応物の温度を90℃に保
ち、粘度は増加してF−レーテイング(140センチポア
ズ)に相当した。次に混合物を約85℃に冷却し、M−レ
ーテイング(320センチポアズ)に相当する粘度が得ら
れるまでこの温度において反応を進行させた。
次いで水約990gを添加し、混合物を約72℃に冷却させ
た。72℃において反応は進行し、粘度がF−レーテイン
グ(400センチポアズ)に増加した。
次に混合物を更に67℃に冷却し、50%NaOH溶液約540g
の追加の仕込を添加した。約67℃において反応は進行し
た。NaOHの添加によつて反応と共に粘度はH−レーテイ
ング(240センチポアズ)に低下した。
J−レーテイングが得られた時、混合物を約50℃に冷
却し、コーンスターチ増量剤約90g及び尿素約90gを添加
した。
約30℃に冷却した時、真空下、かきまぜ羽根に近接し
て5ガロンの反応器の底を通してプロピレンカーボネー
ト約180gを注入した。混合物を25℃に冷却させた。この
バツチの特性は、屈折率約1.4693、比重約1.204、25℃
において、20rpmにおいて3号スピンドルをもつRVFブル
ツクフイールド粘度計によつて測定して、25℃における
ブルツクフイールド粘度約450センチポアズであつた。
このバツチの試料を100℃において硬化させ、約13.2分
でゲル化して固体となつた。
約40分後、尿素(1%溶液)約156gを添加した。屈折
率を再測定して1.4700であり、粘度は、上で測定したと
おりで約450センチポアズであつた。この組成物の試料
を100℃において硬化させ、約13.6分でゲル化して固体
を形成した。
この組成物の残りの部分は、数時間にわたつて液状に
留つた。
この例における尿素の第2の添加は、硬化速度を増強
するのは尿素ではないことを示している。
尿素は硬化速度を増強しない 例2 この例は、尿素が存在する時、硬化速度は影響されな
いことを示す。
フエノール、ホルムアルデヒド及び水の初期混合物が
屈折率1.4394を有することが見出されたこと以外は、例
1の操作をくり返した。ホルムアルデヒドの第2の仕込
の後の混合物は屈折率約1.4734を有していた。
“I"のカードナー−ホルト粘度レーテイング(220セ
ンチポアズ)が得られて後混合物を50℃に冷却すること
によつて例1の方法を改変した。50℃に冷却して後、添
加されたコーンスターチ、尿素及びプロピレンカーボネ
ートの量は同じであつた。
このバツチの特性は、屈折率約1.4695、比重1.204及
び25℃においてブルツクフイールド粘度440(例1にお
いて測定したとおり)であつた。このバツチの試料は、
100℃において13.1分でゲル化して固体になつた。
混合下このバツチに尿素の追加の仕込(均1重量%又
は約156g)を添加した。この組成物の試料は、100℃に
おいて約13.4分でゲル化して固体になつた。
エステル官能基化硬化剤は硬化速度を増強する 例3 この例は、硬化速度を増強する場合のエステル官能基
を有する硬化剤の有効性を示す。
ホルムアルデヒド3240gと共にフエノール約4320gを使
用して初期混合物をつくり、続いて水約3240gを添加し
たこと以外は、例1の操作をくり返した。NaOHの第1の
仕込は558g(50%溶液)であり、第2の仕込は約1260g
であつた。例1におけるとおり20分にわたつてホルムア
ルデヒドの第2の仕込(50%溶液約3076g)を添加し
た。水の第2の仕込は約1566gであり、NaOHの第3の仕
込は540gであつた。
約240センチポアズの所望の粘度が得られて後(J−
レーテイング)、混合物を約30℃に冷却し、プロピレン
カーボネート(約54g、全樹脂を基にして0.36重量%)
を添加した。比重1.198、屈折率1.4610及びブルツクフ
イールド粘度25℃において250センチポアズが認められ
た。試料は、100℃において22.1分でゲル化することが
見出された。
この混合物に追加のプロピレンカーボネート(約54
g)を添加して原混合物の濃度を倍増した(全混合物を
基にして約0.73重量%、或いは固体を基にして約1.2重
量%)。例1において測定したようにしてブルツクフイ
ールド粘度は25℃において410センチポアズであつた。
比重は1.196であり、屈折率は1.4635であつた。試料
は、100℃において17.1分でゲル化した。
商業的規模の結合剤組成物の製造 例4 じやま板、冷却コイル及び25馬力のモーターによつて
出力されるかきまぜ羽根を備えた11,000ガロンの反応器
の最上部を通して、約100rpmの攪拌下に次の成分を添加
した:フエノール―約2684ガロン;ホルムアルデヒド
(50%水溶液)―約1817ガロン。モル比を確認するため
に混合物の屈折率を測定した。次に再循環水(約2154ガ
ロン)を最上部を通して添加し、屈折率を再測定した。
その後、最上部を通してNaOH(50%溶液)約2928ポン
ドを添加し、発熱反応が継続された。冷却コイルによつ
て温度を約93°〜95℃に保つた。約“A"のガードナー−
ホルト粘度レーテイング(約40センチポアズ)が約1.5
時間後混合物に対して得られた。反応器の内容物を80℃
に冷却し、NaOH(50%水溶液)約6614ポンドの第2の仕
込を添加した。NaOHの添加直後、ホルムアルデヒド(50
%溶液)1737gを添加した。品質管理のために屈折率を
測定した。“D"の粘度レーテイング(約100センチポア
ズ)が得られるまで、発熱反応によつて温度を約90℃に
上昇させた。混合物を約85℃に冷却し、反応は継続し
た。“L"の粘度レーテイング(約300センチポアズ)が
得られた時、水987ガロンの追加の仕込を添加し、混合
物を更に約80℃に冷却した。混合物内で反応は継続し、
粘度についてP−レーテイング(400センチポアズ)が
得られ、その後混合物を約70℃に冷却し、追加のNaOH
(50%溶液)を添加した(約2832ポンド)。NaOHを添加
すると粘度がH−レーテイングより下に減小し、約1時
間後、粘度はI−レーテイング(220センチポアズ)に
接近した。混合物を約30℃に冷却し、コーンスターチ
(約700ポンド)、続いてプロピレンカーボネート(約7
00ポンド)を添加した。プロピレンカーボネートは、空
気圧(30〜40psi)を用いてかきまぜ羽根の近くで11,00
0ガロン反応器の底を通して注入した。全仕込時間は30
秒未満であつた。
次に混合物を約25℃に冷却し、このバツチの特性は屈
折率約1.4590、比重約1.194、ブルツクフイールド粘度2
5℃において345センチポアズ(30rpmにおいて2号スピ
ンドルをもつLVFブルツクフイールド粘度計によつて測
定)。このバツチの試料を100℃に加熱することによつ
て硬化させ、約17.1分でゲル化して固体になつた。
残りのバツチを貯蔵タンクに移送し、72時間を超えて
液状のまま留まつた。
製品の均一性 例5 この例は、大規模な本発明の安定な結合剤組成物の生
産に使用される方法のくり返しであり、製品の均一性を
示す。
この例において使用された反応剤及び装置は、フエノ
ール約2724ガロンが例4の2684ガロンの代りに使用さ
れ、又フエノール:ホルムアルデヒド混合物が屈折率約
1.4850を有していたこと以外は例4中と同じであつた。
その外、水2154ガロンは50%の再循環水及び50%の新鮮
水よりなつており、この混合物について屈折率は1.4455
であつた。
例4からの操作の改変は次のとおりであつた。NaOHの
第1の添加の後、粘度をA−レーテイング(ガードナー
−ホルト)よりわずかに高く達しさせ、NaOHの第2の添
加の後、ホルムアルデヒドを20分間にわたつて添加し
(屈折率=1.4704)、粘度についてF−レーテイング
(約140センチポアズ)が得られるまで90℃において反
応させた。
次に混合物を約87℃に冷却し、反応は進行してM−レ
ーテイングに相当する粘度(320センチポアズ)を保つ
た。水の第2の仕込(約987ガロン)を添加し、混合物
を約75℃に冷却し、反応は進行してO−レーテイングよ
りわずかに高い粘度を得た。P−レーテイングが得られ
た時(400センチポアズ)、混合物は約80℃であつた。
次に混合物を67℃に冷却し、続いてNaOH(50%溶液)
の第3の仕込を添加した。次にI−レーテイング(220
センチポアズ)よりわずかに高い粘度が得られるまで反
応が進行した。
次に混合物を30℃に冷却し、この時プロピレンカーボ
ネート700ポンドを例4に記載されているとおり添加し
た。
25℃に冷却して後このバツチの特性は屈折率約1.459
5、比重約1.194、ブルツクフイールド粘度25℃において
400センチポアズ(例4において測定されたとおり)で
あつた。この組成物の試料を硬化させ、約100℃におい
て約17.6分でゲル化して固定になることが見出された。
残りのバツチを貯蔵タンクに移送し、24時間を超える間
液状のまま留つた。
硬化剤の有効及び過剰量 例6〜9 次の例は、過剰量の硬化剤が適当でないことを例示す
る。
これらの例においては、例4中記載された操作に従つ
て樹脂が大規模に製造された。混合物の一部を11,000ガ
ロン反応器から取り出し、例1中記載されたとおりの装
備の5ガロン反応器に移した。
例6及び7の場合には、18,000gの試料(約45重量%
の固体)をNaOHの第3の仕込の後取り出した。これらの
試料を約70℃に冷却し、粘度はN−レーテイング(約34
0センチポアズ)より上に増加した。混合物を30℃に冷
却し、例1中記載された方式で各混合物にプロピレンカ
ーボネート63g(樹脂の全重量を基にして約0.35%)を
添加した。
例6の場合には、混合物は、20rpmにおいて3号スピ
ンドルをもつRVFブルツクフイールド粘度計によつて測
定して、25℃において395センチポアズの粘度を有して
いた。比重1.198及び屈折率約1.470が測定された。試料
は、100℃において約21.4分でゲル化した。
例7の場合には、混合物は、例6中測定されたように
して、25℃において370センチポアズのブルツクフイー
ルド粘度、1.200の比重及び1.4701の屈折率を有してい
た。試料は、100℃において22.0分でゲル化して固体に
なつた。
例7からのバツチの約9,000gを5ガロンの反応器に添
加し、例1中記載されたとおり、プロピレンカーボネー
トの第2の仕込(約16g)を添加して樹脂の全重量を基
にして約0.53重量%(約1.78重量%の固体)を得た。こ
の混合物は、屈折率1.4697、例6中測定されたようにし
て、ブルツクフイールド粘度25℃において550センチポ
アズ及び比重1.153を有していた。試料は、100℃におい
て19.6分でゲル化して固体になつた。
11,000ガロン反応器中混合物の一部(約250g)を、Na
OHの第3の仕込の直後、又プロピレンカーボネートの添
加の前に取り出した。例8の場合この250gの部分から95
gの試料を取り、例9の場合250gの試料から第2の99gの
試料を得た。各試料を250mlのビーカーに入れ、約30℃
に冷却した。木製スパーテルを使用して手で迅速に攪拌
しながら各々にプロピレンカーボネートを添加した。例
8においては、樹脂の試料にプロピレンカーボネート約
5g(全樹脂を基にして約5重量%)を添加し、又例9に
おいては、樹脂の試料にプロピレンカーボネート約1g
(全樹脂を基にして約1重量%)を添加した。攪拌30〜
60秒後、各試料を環境温度(約25℃)に放置した。例8
の試料は、3分未満でゲル化して固体になつていた。同
時に、例9の試料は、数時間粘稠液のまま留つていた。
長期安定性 例10〜12 これらの例は、本発明の結合剤組成物の長期安定性を
示す。
例4中記載された装置を使用して例10、11及び12につ
いて大容積の結合剤組成物をつくつた。
例10〜12の各々において、フエノール約2898ガロン及
びホルムアルデヒド(50%水溶液)約1867ガロンが使用
された。屈折率を調べると1.4865と1.4855の間であつ
た。例10及び11において新鮮水約2074gを使用し、一方
例12において同容の再循環水を使用した。再び屈折率を
調べ、NaOH(50%溶液)約2880ポンドを添加した。73°
〜95℃において反応が進行して粘度(ガードナー−ホル
ト)についてA−レーテイングを得、その後反応混合物
を80℃に冷却し、各例について混合物にNaOH5760ポンド
の第2の仕込、続いてホルムアルデヒド1987ガロンを添
加した。反応を90℃において進行させた。粘度について
例10の場合A−レーテイング、例11の場合G−レーテイ
ングそして例12の場合F−レーテイングが得られた。次
に反応混合物を約85℃に冷却し、粘度は、例10の場合K
−レーテイング、例11の場合L−レーテイングそして例
12の場合G−レーテイングに増加した。各反応混合物に
水約621ガロンを添加した。各混合物を80℃に冷却し、
各々粘度についてP−レーテイングを得た。70℃の温度
が得られて後追加のNaOH(50%溶液)を添加した(約28
80ポンド)。各混合物において粘度についてJ−レーテ
イングまで反応が進行し、その後約50℃においてコーン
スターチ240ポンド及び尿素720ポンドを添加した。次に
各混合物を30℃に冷却し、例10、11及び12の各々にプロ
ピレンカーボネート約700ポンドを添加した。
35℃に冷却した時各混合物の特性を調べた。
例10は、屈折率1.4678及び比重1.202を示し、初期試
料は、30rpmにおいて2号スピンドルをもつLVFブルツク
フイールド粘度計によつて測定して、ブルツクフイール
ド粘度25℃において430センチポアズを示した。試料
は、100℃において16分でゲル化した。他の1試料を保
留した(約100ml)。8日後、この保留試料は、20rpmに
おいて4号スピンドルをもつRVFブルツクフイールド粘
度計によつて測定して、25℃において約750センチポア
ズのブルツクフイールド粘度を有することが見出され
た。この試料の一部を100℃において硬化させ、約14.4
分でゲル化することが見出された。
例11は、屈折率1.4670、比重1.200及び例10の初期試
料について測定されたようにして、ブルツクフイールド
粘度25℃において約345ポアズを示した。試料を100℃に
おいて硬化させ、16.6分でゲル化することが見出され
た。他の1試料を2日間保留した。この保留試料は、第
2日目に、例10の保留試料について測定されたようにし
て、25℃において440センチポアズのブルツクフイール
ド粘度を有していた。
例12は、屈折率について1.4663の価、比重1.200及び
例10の初期試料について測定されたようにして、25℃に
おいて340センチポアズのブルツクフイールド粘度を有
していた。試料を100℃において硬化させ、約17.5分で
ゲル化することが見出された。他の1試料を5日間保留
した(約100ml)。この保留試料は、例10の保留試料に
ついて測定されたようにして、第5日目に25℃において
約560センチポアズのブルツクフイールド粘度を有して
いた。
これらの例は、貯蔵の間に粘度のわずかな増加がある
ことを示す;しかし、この液体はゲル化しておらず、尚
有用であつた。これらの混合物の粘度は、24時間を超え
て貯蔵した後でさえ、常用の装置の中で容易な取扱いが
できるのに十分低いままに留まる。
高水分固体の場合の高強度硬化 例13 この例は、本発明の結合剤組成物が高水分固体を結合
するために適当な強度を与えることを示す。
高せん断(速度)混合機に次の成分を添加することに
よつて例3に従つて製造された結合剤処方物から合板用
接着剤ミツクスをつくつた: ボード製造 約1/8″のベニアを切つて12″×12″のパネルとし、
それらの水分含量を調べた。表面は一般に14%の平均水
分を有し、しんは一般に8%の平均水分を有する。合板
の製造に普通使用される標準グルースプレツドを使用す
るローラー塗装器によつて接着剤を施用した。グルース
プレツド約58〜60ポンド/ダブルグルーライン1000平方
フイートが一般に使用された。
パネルをレイ−アツプ(合板作業)し、約4〜6分間
プレプレス、続いて2.5〜3.5分間ホツト−プレス処理し
た。次の接着条件が使用された。
厚 さ 1/2インチ プライの数 4 プレス温度 315゜F(157℃) グルースプレツト 50〜60ポンド/ダブルグ ルーライン1000平方フイ ート(MDGL) 組み合せ時間 10〜60分 ミツクス固体 58.3重量% ミツクス中樹脂固体 26.5重量% ミツクス粘度 3000〜7000cps 施用装置 ロールコーター ベニア水分含量 表 面 平均水分14%、範囲9〜22% し ん 平均水分8%、範囲5〜11% ボードをホツト−プレス処理して後、それらを環境温
度に冷却した。プライの隅において、又緑の中間におい
て角ナイフを用いて接着されたパネルを分離することに
よつて接着を試験した。ベニアプライのグルーラインの
分離は、すべて少なくとも85%の木材破損を含んでい
た。
例4及び5の大規模バツチから合板ボードをつくり、
試験されたボードはすべて、ザ・アメリカン・プライウ
ツド・アソシエーシヨンによる商業標準及び承認をパス
した。
他の有効な硬化剤 例14及び15 これらの例は、プロピレンカーボネート以外の硬化剤
の効果を示すために述べられる。
プロピレンカーボネートの代りにガンマーブチロラク
トン及びトリアセチン(夫々例14及び15)180gが使用さ
れること以外は、例1の操作を実質的にくり返す。例1
中測定された各パラメーターについて使用可能な効果が
期待され、結合剤組成物は使用可能な安定性を有するこ
とが期待される。
カリウムフエノールホルムアルデヒド樹脂 例16 この例は、水酸化カリウム縮合型樹脂が本発明に関連
して使用されてよいことを示す。
水酸化ナトリウムの仕込の代りに3回の水酸化カリウ
ム仕込が使用されることの外は、再び実質的に例1の操
作に従う。各々の場合、水酸化ナトリウムに比して約50
%多い水酸化カリウムが使用される。再びプロピレンカ
ーボネートが使用される。例1中測定された各パラメー
ターについて使用可能な価及び結合剤組成物の使用可能
な安定性が再び期待される。
本発明がその特定の実施態様に関連して説明されてい
るが、更に改変することが可能であると理解される。本
出願は、一般に、本発明の原理に従い、かつ本発明が関
係する技術内の既知及び慣用の実地の中にはいるような
本開示からの解離を含むいずれの改変、用途又は適用も
含むものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 61/00 - 61/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ほぼ20〜25℃で少なくとも24時間液体の形
    態を維持するのに十分に安定で、かつ約100℃以上の温
    度に加熱した時ゲル化するのに十分に反応性である、ア
    ルカリ性フェノール−ホルムアルデヒド樹脂の水溶液と
    該樹脂用の有機硬化剤とから本質的になる、潜在的アル
    カリ硬化性の液体フェノール−ホルムアルデヒド樹脂結
    合剤組成物の製造方法であって、 (a)樹脂溶液を急速攪拌する工程、および (b)硬化剤を樹脂溶液中に、急速攪拌域において約30
    psi〜約40psiの圧力下で注入する工程 からなり、添加される硬化剤の量が当該結合剤組成物の
    全固体の重量を基にして約5重量%未満であり、そして
    硬化剤が少なくとも1つのエステル官能基を有しかつ該
    液体樹脂に分散性であることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】樹脂のフェノール:ホルムアルデヒドのモ
    ル比が約1:1〜1:3.1であり、そして液体樹脂が約40〜75
    重量%の固形分を含み、No.2スピンドルを使用するブル
    ックフィールドLVF粘度計により30rpmにおいて測定した
    時、25℃で約200cps〜400cpsの範囲のブルックフィール
    ド粘度を有し、かつ液体樹脂溶液の約2.5〜7重量%の
    水酸化ナトリウムを基準にしたアルカリ度含量を有する
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】硬化剤がプロピレンカーボネート、ガンマ
    ブチロラクトンおよびトリアセチンよりなる群から選択
    される請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】ほぼ20〜25℃で少なくとも24時間液体の形
    態を維持するのに十分に安定であるが、約100℃以上の
    温度に加熱した時ゲル化するのに十分に反応性である、
    潜在的アルカリ硬化性の液体フェノール−ホルムアルデ
    ヒド樹脂結合剤組成物の製造方法であって、 (a)約1:2.1〜1:2.8のフェノール:ホルムアルデヒド
    のモル比、かつ液体樹脂溶液の約2.5〜7重量%の水酸
    化ナトリウムを基準にしたアルカリ度含量を有し、40〜
    60重量%の固形分含量、かつNo.2スピンドルを使用する
    ブルックフィールドLVF粘度計により30rpmおよび25℃で
    測定した時約200cps〜400cpsの粘度を有する水性アルカ
    リ液体フェノール−ホルムアルデヒド樹脂溶液を急速攪
    拌に付す工程、および (b)攪拌された液体樹脂溶液中に該樹脂用のエステル
    官能性有機硬化剤を、約40℃以下の温度、かつ約30psi
    〜約40psiの注入圧力で約20秒〜約45秒の時間の間に、
    ゲルおよび/またはコロイドの生成を防止するのに十分
    に速い注入速度で該樹脂の急速攪拌の領域へ注入する工
    程 からなり、そして硬化剤はフェノール−ホルムアルデヒ
    ド樹脂の硬化を促進しかつ結合剤組成物をほぼ20〜25℃
    で液体の形態に維持するのに十分な量であり、そして硬
    化剤は該液体樹脂に分散性であることを特徴とする方
    法。
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