JP2783598B2 - 糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩の製造法 - Google Patents
糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,医薬や酵素基質として重要な糖リン酸化合
物のナトリウム塩又はカリウム塩の製造法に関するもの
である。
物のナトリウム塩又はカリウム塩の製造法に関するもの
である。
(従来の技術) 医薬や酵素基質として利用される糖リン酸化合物のナ
トリウム塩又はカリウム塩は,高純度のものが要求され
る。糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩を純
度良く得る方法としては,従来,塩変換法があり,この
塩変換法は,糖リン酸化合物を陽イオン交換樹脂及び活
性炭で処理してフリーの糖リン酸化合物とした後,水酸
化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液で中和するこ
とにより製造されているが,工業的な規模では,大量の
イオン交換樹脂や活性炭を必要とするだけでなく,これ
らイオン交換樹脂や活性炭の再生のために,大量の酸,
アルカリを必要とする。これを避けるための方法とし
て,一旦水難溶性の糖リン酸化合物のバリウム塩を得た
後,これを硫酸カリウムと反応させることにより,水溶
性の糖リン酸化合物のカリウム塩を得ると同時に,副生
する難溶性の硫酸バリウムを濾過により除くという簡便
な方法が知られている(ジヤーナル・オブ・アメリカン
・ケミカル・ソサイエテイー,72巻,4824頁,1950年)。
トリウム塩又はカリウム塩は,高純度のものが要求され
る。糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩を純
度良く得る方法としては,従来,塩変換法があり,この
塩変換法は,糖リン酸化合物を陽イオン交換樹脂及び活
性炭で処理してフリーの糖リン酸化合物とした後,水酸
化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液で中和するこ
とにより製造されているが,工業的な規模では,大量の
イオン交換樹脂や活性炭を必要とするだけでなく,これ
らイオン交換樹脂や活性炭の再生のために,大量の酸,
アルカリを必要とする。これを避けるための方法とし
て,一旦水難溶性の糖リン酸化合物のバリウム塩を得た
後,これを硫酸カリウムと反応させることにより,水溶
性の糖リン酸化合物のカリウム塩を得ると同時に,副生
する難溶性の硫酸バリウムを濾過により除くという簡便
な方法が知られている(ジヤーナル・オブ・アメリカン
・ケミカル・ソサイエテイー,72巻,4824頁,1950年)。
(発明が解決しようとする課題) しかし,上記の方法では,反応に長時間を要するだけ
でなく,収率も悪いという欠点があった。
でなく,収率も悪いという欠点があった。
本発明は,医薬や酵素基質として用途の広い水溶性の
糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩を収率良
く,短時間で得られる方法を提供することを目的とする
ものである。
糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩を収率良
く,短時間で得られる方法を提供することを目的とする
ものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは,このような課題を解決するために鋭意
研究の結果,糖リン酸化合物のアルカリ土類金属塩を重
硫酸ナトリウム又は重硫酸カリウムと反応させると,糖
リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩が収率良
く,短時間で得られることを見出し,本発明に到達し
た。
研究の結果,糖リン酸化合物のアルカリ土類金属塩を重
硫酸ナトリウム又は重硫酸カリウムと反応させると,糖
リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩が収率良
く,短時間で得られることを見出し,本発明に到達し
た。
すなわち,本発明は,一般式(I) (式中,Rは,糖の活性水素残基を表し,Mは,ナトリウム
又はカリウムを表し,nは,1ないし2の整数を表す。) で示される糖リン酸化合物を製造するに際し,糖リン酸
化合物のアルカリ土類金属塩と,重硫酸ナトリウム又は
重硫酸カリウムとを反応させて上記一般式(I)で示さ
れる糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩と水
難溶性の硫酸アルカリ土類金属塩を含む反応生成物を
得,次いで得られた反応生成物中の水難溶性の硫酸アル
カリ土類金属塩を除去することを特徴とする糖リン酸化
合物の製造法を要旨とするものである。
又はカリウムを表し,nは,1ないし2の整数を表す。) で示される糖リン酸化合物を製造するに際し,糖リン酸
化合物のアルカリ土類金属塩と,重硫酸ナトリウム又は
重硫酸カリウムとを反応させて上記一般式(I)で示さ
れる糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩と水
難溶性の硫酸アルカリ土類金属塩を含む反応生成物を
得,次いで得られた反応生成物中の水難溶性の硫酸アル
カリ土類金属塩を除去することを特徴とする糖リン酸化
合物の製造法を要旨とするものである。
本発明における一般式(I)中のRで示される糖の活
性水素残基とは,糖分子から水酸基の水素原子を1個な
いし2個除いたものをいい,一般式(I)で示される糖
リン酸化合物としては,例えば,グルセルアルデヒド3
−リン酸,ジヒドロキシアセトリン酸,1,3−ジホスホグ
リセリン酸,3−ホスホグリセリン酸,2−ホスホグリセリ
ン酸,ホスホエノールピルビン酸等のトリオースモノリ
ン酸;リボース5−リン酸,リブロース5−リン酸,キ
シルロース5−リン酸等のペントースリン酸;グルコー
ス1−リン酸,グルコース6−リン酸,6−ホスホグルコ
ノラクトン,フルクトース6−リン酸,フルクトース1,
6−二リン酸,フルクトース2,6−二リン酸,マンノース
1−リン酸,マンノース6−リン酸,ガラクトース1−
リン酸等のヘキソースリン酸があげられ,これらがナト
リウム塩又はカリウム塩となっている。また,これらの
糖部分Rの水酸基が保護基で保護されていてもよい。そ
のような保護基としては,例えば,アセチル,ベンゾイ
ル,ベンジル,メチレンアセタール,エチリデンアセタ
ール,ベンジリデンアセタール,イソプロピリデンアセ
タール等があげられる。さらに,糖部分に置換されたリ
ン酸基の数は,1ないし2のモノあるいはジホスフエート
化合物である。
性水素残基とは,糖分子から水酸基の水素原子を1個な
いし2個除いたものをいい,一般式(I)で示される糖
リン酸化合物としては,例えば,グルセルアルデヒド3
−リン酸,ジヒドロキシアセトリン酸,1,3−ジホスホグ
リセリン酸,3−ホスホグリセリン酸,2−ホスホグリセリ
ン酸,ホスホエノールピルビン酸等のトリオースモノリ
ン酸;リボース5−リン酸,リブロース5−リン酸,キ
シルロース5−リン酸等のペントースリン酸;グルコー
ス1−リン酸,グルコース6−リン酸,6−ホスホグルコ
ノラクトン,フルクトース6−リン酸,フルクトース1,
6−二リン酸,フルクトース2,6−二リン酸,マンノース
1−リン酸,マンノース6−リン酸,ガラクトース1−
リン酸等のヘキソースリン酸があげられ,これらがナト
リウム塩又はカリウム塩となっている。また,これらの
糖部分Rの水酸基が保護基で保護されていてもよい。そ
のような保護基としては,例えば,アセチル,ベンゾイ
ル,ベンジル,メチレンアセタール,エチリデンアセタ
ール,ベンジリデンアセタール,イソプロピリデンアセ
タール等があげられる。さらに,糖部分に置換されたリ
ン酸基の数は,1ないし2のモノあるいはジホスフエート
化合物である。
本発明で原料となる糖リン酸化合物のアルカリ土類金
属塩としては,上記の糖リン酸化合物がアルカリ土類金
属塩となっているもので,そのアルカリ土類金属として
は,マグネシウム,カルシウム,バリウム等があげら
れ,これらは容易に入手することができる。
属塩としては,上記の糖リン酸化合物がアルカリ土類金
属塩となっているもので,そのアルカリ土類金属として
は,マグネシウム,カルシウム,バリウム等があげら
れ,これらは容易に入手することができる。
本発明を実施するには,例えば糖リン酸化合物のアル
カリ土類金属塩と,1ないし2倍モルの重硫酸ナトリウム
あるいは重硫酸カリウムのいずれかとを反応させればよ
い。そのときの反応温度としては,反応溶媒の沸点以下
で行うのが普通であり,加圧容器を用いて沸点以上で反
応を行ってもよいが,0〜60℃で行うことが好ましい。
カリ土類金属塩と,1ないし2倍モルの重硫酸ナトリウム
あるいは重硫酸カリウムのいずれかとを反応させればよ
い。そのときの反応温度としては,反応溶媒の沸点以下
で行うのが普通であり,加圧容器を用いて沸点以上で反
応を行ってもよいが,0〜60℃で行うことが好ましい。
また,このとき,反応の進行が水溶液中のバリウムイ
オン又は硫酸イオン濃度を測定することにより追跡する
ことができるので,この追跡によつて反応時間を測定す
ればよい。この反応は,概ね1時間以内に終了する。
オン又は硫酸イオン濃度を測定することにより追跡する
ことができるので,この追跡によつて反応時間を測定す
ればよい。この反応は,概ね1時間以内に終了する。
さらにpHとしては,0.1〜6が適当であり,1〜4が好ま
しい。
しい。
反応溶媒としては,水単独あるいは水と水に可溶性の
溶媒との混合溶液が用いられる。その水に可溶性の溶媒
としては,例えばメタノール,エタノール,イソプロパ
ノール,アセトン,アセトニトリル,酢酸,酢酸エチル
等があげられるが,特にこれらに限られるものではな
い。反応混合溶液の水と水に可溶性の溶媒の比は,均一
に溶解できるならいかなる割合でもよい。
溶媒との混合溶液が用いられる。その水に可溶性の溶媒
としては,例えばメタノール,エタノール,イソプロパ
ノール,アセトン,アセトニトリル,酢酸,酢酸エチル
等があげられるが,特にこれらに限られるものではな
い。反応混合溶液の水と水に可溶性の溶媒の比は,均一
に溶解できるならいかなる割合でもよい。
このようにして反応させると,反応生成物が得られ,
この反応生成物中には,本発明の目的物である塩変換さ
れた糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩と硫
酸アルカリ土類金属塩が含まれる。一般に硫酸アルカリ
土類金属塩は,水あるいは水と有機溶媒の混合液に対し
難溶性であるので,これを沈澱物として濾過すれば,目
的とする糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩
を得ることができる。
この反応生成物中には,本発明の目的物である塩変換さ
れた糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩と硫
酸アルカリ土類金属塩が含まれる。一般に硫酸アルカリ
土類金属塩は,水あるいは水と有機溶媒の混合液に対し
難溶性であるので,これを沈澱物として濾過すれば,目
的とする糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩
を得ることができる。
(実施例) 次に本発明を実施例により具体的に説明する。
参考例1 0.35%(%は重量%を表す,以下同様)のブドウ糖,
0.30%の酵母エキス,0.10%のペプトン,0.20%のリン酸
一カリウム,0.20%のリン酸二ナトリウム,0.10%の硫酸
マグネシウム,0.005%の硫酸第一鉄,0.0001%の硫酸マ
ンガン,0.0001%のモリブデン酸ナトリウムを含む培地4
00にバチルス・ステアロサーモフイラスNCA−1503株
を接種し,60℃でpH7にて培養した後,遠心分離して菌体
を得,得られた菌体を凍結して保存した。
0.30%の酵母エキス,0.10%のペプトン,0.20%のリン酸
一カリウム,0.20%のリン酸二ナトリウム,0.10%の硫酸
マグネシウム,0.005%の硫酸第一鉄,0.0001%の硫酸マ
ンガン,0.0001%のモリブデン酸ナトリウムを含む培地4
00にバチルス・ステアロサーモフイラスNCA−1503株
を接種し,60℃でpH7にて培養した後,遠心分離して菌体
を得,得られた菌体を凍結して保存した。
このようにして得られた凍結菌体を1Mのブドウ糖,4mM
のEDTAを含む25mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.6)に
懸濁させて40℃で3時間放置させた後,遠心分離により
粗酵素液を得た。この粗酵素液を硫酸アンモニウムで処
理して40〜70%飽和硫酸アンモニウム画分を得た。
のEDTAを含む25mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.6)に
懸濁させて40℃で3時間放置させた後,遠心分離により
粗酵素液を得た。この粗酵素液を硫酸アンモニウムで処
理して40〜70%飽和硫酸アンモニウム画分を得た。
この画分をDEAE−セルロース(ワツトマン社製)カラ
ムに通じ,引続きウルトロゲルACA34(LKB社製)カラム
に通じて精製を行つてグルコキナーゼ及び酢酸キナーゼ
を得た。
ムに通じ,引続きウルトロゲルACA34(LKB社製)カラム
に通じて精製を行つてグルコキナーゼ及び酢酸キナーゼ
を得た。
このようにして得られたグルコキナーゼ及び酢酸キナ
ーゼのそれぞれ10000単位とD−グルコース720g,アデノ
シン5′−三リン酸二ナトリウム塩11g,塩化マグネシウ
ム73g,2−メルカプトエタノール4ml,リン酸二ナトリウ
ム2g,リン酸一ナトリウム30gを含む水溶液14とをpH8
に調製した。この水溶液に1Mのアセチルリン酸ナトリウ
ム3.6を30℃,pH8の条件下で加えてD−グルコース6
−フオスフエートの合成を行った。
ーゼのそれぞれ10000単位とD−グルコース720g,アデノ
シン5′−三リン酸二ナトリウム塩11g,塩化マグネシウ
ム73g,2−メルカプトエタノール4ml,リン酸二ナトリウ
ム2g,リン酸一ナトリウム30gを含む水溶液14とをpH8
に調製した。この水溶液に1Mのアセチルリン酸ナトリウ
ム3.6を30℃,pH8の条件下で加えてD−グルコース6
−フオスフエートの合成を行った。
上記のD−グルコース6−フオスフエートの合成反応
終了後,得られた反応液18に塩化バリウム200gを加
え,リン酸バリウムを沈澱させてこれを濾過して除去し
た。この濾液17にさらに塩化バリウム1kgを加えてD
−グルコース6−フオスフエートバリウム塩・7水和物
を得た。これを水により再結晶化させて精製し,白色結
晶物540gを得た。
終了後,得られた反応液18に塩化バリウム200gを加
え,リン酸バリウムを沈澱させてこれを濾過して除去し
た。この濾液17にさらに塩化バリウム1kgを加えてD
−グルコース6−フオスフエートバリウム塩・7水和物
を得た。これを水により再結晶化させて精製し,白色結
晶物540gを得た。
なお,上記アセチルリン酸ナトリウム水溶液はザ・ジ
ヤーナル・オブ・オーガニツク・ケミストリー(The Jo
urnal of Organic Chemistry)44巻,864頁(1979年)に
報告されているホワイトサイドらの方法に従ってリン酸
と無水酢酸より合成した。
ヤーナル・オブ・オーガニツク・ケミストリー(The Jo
urnal of Organic Chemistry)44巻,864頁(1979年)に
報告されているホワイトサイドらの方法に従ってリン酸
と無水酢酸より合成した。
実施例1 参考例1で得られたD−グルコース6−ホスフエート
バリウム塩7水和物521g(1モル)と水800mlを反応器
に入れ,20℃に保ち,撹拌した。
バリウム塩7水和物521g(1モル)と水800mlを反応器
に入れ,20℃に保ち,撹拌した。
次に,重硫酸ナトリウム1水和物(和光純薬工業社
製)138g(1モル)を徐々に加えた後,30分間反応させ
て水難溶性の硫酸バリウムを含む反応生成物を得た。こ
のときの反応中のpHは2であった。
製)138g(1モル)を徐々に加えた後,30分間反応させ
て水難溶性の硫酸バリウムを含む反応生成物を得た。こ
のときの反応中のpHは2であった。
得られた反応生成物を濾過させて生成した水難溶性の
硫酸バリウムを除去した。得られた濾液を濃縮後,凍結
乾燥して白色粉末状のD−グルコース6−ホスフエート
モノナトリウム塩248gを得た。このときの収率は88%で
あった。
硫酸バリウムを除去した。得られた濾液を濃縮後,凍結
乾燥して白色粉末状のD−グルコース6−ホスフエート
モノナトリウム塩248gを得た。このときの収率は88%で
あった。
このD−グルコース6−ホスフエートモノナトリウム
塩(分子式:C6H12O9PHa)の元素分析値(重量%)は以
下のとおりであった。
塩(分子式:C6H12O9PHa)の元素分析値(重量%)は以
下のとおりであった。
C H P Na 計算値 25.54 4.29 10.98 8.15 実測値 25.50 4.31 11.01 8.13 比較例1 参考例1で得られたD−グルコース6−ホスフエート
バリウム塩7水和物521g(1モル)と水800mlを反応器
に入れ,20℃に保ち,撹拌した。
バリウム塩7水和物521g(1モル)と水800mlを反応器
に入れ,20℃に保ち,撹拌した。
次に,硫酸ナトリウム142g(1モル)を徐々に加えた
後,反応させたが,反応終了まで24時間を要して水難溶
性の硫酸バリウムを含む反応生成物を得た。このときの
反応中のpHは8であった。
後,反応させたが,反応終了まで24時間を要して水難溶
性の硫酸バリウムを含む反応生成物を得た。このときの
反応中のpHは8であった。
得られた反応生成物を濾過させて生成した水難溶性の
硫酸バリウムを除去した。得られた濾液を濃縮後,凍結
乾燥して白色粉末状のD−グルコース6−ホスフエート
ジナトリウム塩2水和物229gを得た。このときの収率
は,67%と低かった。
硫酸バリウムを除去した。得られた濾液を濃縮後,凍結
乾燥して白色粉末状のD−グルコース6−ホスフエート
ジナトリウム塩2水和物229gを得た。このときの収率
は,67%と低かった。
実施例2 重硫酸ナトリウムの代わりに重硫酸カリウム(和光純
薬工業社製)を136g(1モル)使用した以外は,実施例
1と全く同様に行って,D−グルコース6−ホスフエート
モノカリウム塩268gを得た。このときの収率は90%であ
った。
薬工業社製)を136g(1モル)使用した以外は,実施例
1と全く同様に行って,D−グルコース6−ホスフエート
モノカリウム塩268gを得た。このときの収率は90%であ
った。
このD−グルコース6−ホスフエートモノカリウム塩
(分子式:C6H12O9PK)の元素分析値(重量%)は以下の
とおりであった。
(分子式:C6H12O9PK)の元素分析値(重量%)は以下の
とおりであった。
C H P K 計算値 24.16 4.06 10.38 13.11 実測値 24.08 4.10 10.42 13.08 実施例3 D−フルクトース1,6−ジホスフエートジカルシウム
塩(シグマ社製)600g(1モル,純度70%)と水900ml
を反応器に入れ,30℃に保ち,撹拌した。
塩(シグマ社製)600g(1モル,純度70%)と水900ml
を反応器に入れ,30℃に保ち,撹拌した。
次に,実施例1に用いたものと同じ重硫酸ナトリウム
276g(2モル)を徐々に加えた後,1時間反応させて水難
溶性の硫酸カルシウムを含む反応生成物を得た。このと
きの反応中のpHは2であった。
276g(2モル)を徐々に加えた後,1時間反応させて水難
溶性の硫酸カルシウムを含む反応生成物を得た。このと
きの反応中のpHは2であった。
得られた反応生成物を濾過させて生成した水難溶性の
硫酸カルシウムを除去した。得られた濾液を濃縮後,凍
結乾燥して白色粉末状のD−フルクトース1,6−ジホス
フエートジナトリウム塩5水和物403gを得た。このとき
の収率は85%であった。
硫酸カルシウムを除去した。得られた濾液を濃縮後,凍
結乾燥して白色粉末状のD−フルクトース1,6−ジホス
フエートジナトリウム塩5水和物403gを得た。このとき
の収率は85%であった。
このD−フルクトース1,6−ジホスフエートジナトリ
ウム塩5水和物(分子式:C6H22O17P2Na2)の元素分析値
(重量%)は以下のとおりであった。
ウム塩5水和物(分子式:C6H22O17P2Na2)の元素分析値
(重量%)は以下のとおりであった。
C H P Na 計算値 15.20 4.68 13.06 9.70 実測値 15.15 4.71 13.10 9.64 (発明の効果) 本発明によれば,従来のようなイオン交換樹脂や活性
炭を用いることなく,しかも短時間の反応で,収率良く
高純度な糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩
を簡単な操作で得ることができるので,工業的に非常に
有利である。
炭を用いることなく,しかも短時間の反応で,収率良く
高純度な糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩
を簡単な操作で得ることができるので,工業的に非常に
有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07H 11/04 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】一般式(I) (式中,Rは,糖の活性水素残基を表し,Mは,ナトリウム
又はカリウムを表し,nは,1ないし2の整数を表す。) で示される糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム
塩を製造するに際し,糖リン酸化合物のアルカリ土類金
属塩と,重硫酸ナトリウム又は重硫酸カリウムとを反応
させて上記一般式(I)で示される糖リン酸化合物のナ
トリウム塩又はカリウム塩と水難溶性の硫酸アルカリ土
類金属塩を含む反応生成物を得,次いで得られた反応生
成物中の水難溶性の硫酸アルカリ土類金属塩を除去する
ことを特徴とする糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカ
リウム塩の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17088189A JP2783598B2 (ja) | 1989-06-30 | 1989-06-30 | 糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17088189A JP2783598B2 (ja) | 1989-06-30 | 1989-06-30 | 糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0334989A JPH0334989A (ja) | 1991-02-14 |
JP2783598B2 true JP2783598B2 (ja) | 1998-08-06 |
Family
ID=15913043
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17088189A Expired - Lifetime JP2783598B2 (ja) | 1989-06-30 | 1989-06-30 | 糖リン酸化合物のナトリウム塩又はカリウム塩の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2783598B2 (ja) |
-
1989
- 1989-06-30 JP JP17088189A patent/JP2783598B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0334989A (ja) | 1991-02-14 |
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