JP2781976B2 - セラミック軸受の製造方法 - Google Patents
セラミック軸受の製造方法Info
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- JP2781976B2 JP2781976B2 JP3593089A JP3593089A JP2781976B2 JP 2781976 B2 JP2781976 B2 JP 2781976B2 JP 3593089 A JP3593089 A JP 3593089A JP 3593089 A JP3593089 A JP 3593089A JP 2781976 B2 JP2781976 B2 JP 2781976B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は摺動面に油溝を有するセラミック軸受の製造
方法に関するものである。
方法に関するものである。
従来より軸受の摺動面に油溝を形成して潤滑剤の円滑
な供給を図ることが行なわれていた(例えば、特公昭39
−2506号、42−15447号公報等参照)。また、耐摩耗
性、耐蝕性の点からアルミナ、ジルコニア、炭化珪素、
窒化珪素等のセラミックスからなる軸受も広く用いられ
ている。
な供給を図ることが行なわれていた(例えば、特公昭39
−2506号、42−15447号公報等参照)。また、耐摩耗
性、耐蝕性の点からアルミナ、ジルコニア、炭化珪素、
窒化珪素等のセラミックスからなる軸受も広く用いられ
ている。
例えば第4図(a)に断面を示す軸受10はくみ上げポ
ンプ用のものであり、炭化珪素又は窒化珪素などのセラ
ミックスからなり、内側の摺動面30に油溝20を形成して
いた。この軸受10は潤滑油を用いずに、くみ上げた水を
潤滑剤とするものであるが、前記油溝20を形成してある
ことによって、潤滑剤である水の供給を円滑にするとと
もに摺動面30に入り込んだ異物を排出させることができ
た。
ンプ用のものであり、炭化珪素又は窒化珪素などのセラ
ミックスからなり、内側の摺動面30に油溝20を形成して
いた。この軸受10は潤滑油を用いずに、くみ上げた水を
潤滑剤とするものであるが、前記油溝20を形成してある
ことによって、潤滑剤である水の供給を円滑にするとと
もに摺動面30に入り込んだ異物を排出させることができ
た。
また、上記油溝20の近傍のみを第4図(b)に示すよ
うに、油溝20と摺動面30との稜線部40は曲面状としてい
た。これは、前記稜線部40が鋭いエッジ状となっている
と、チッピング発生の原因となり、軸受10が異常摩耗し
たり、相手の軸(不図示)を摩耗させやすいためであっ
た。
うに、油溝20と摺動面30との稜線部40は曲面状としてい
た。これは、前記稜線部40が鋭いエッジ状となっている
と、チッピング発生の原因となり、軸受10が異常摩耗し
たり、相手の軸(不図示)を摩耗させやすいためであっ
た。
このような軸受10をセラミックスで形成するために
は、まず油溝20を有する形状に、セラミック原料粉末を
成形し、焼成した後、摺動面30を研摩仕上げし、最後に
稜線部40にR加工を施していた。
は、まず油溝20を有する形状に、セラミック原料粉末を
成形し、焼成した後、摺動面30を研摩仕上げし、最後に
稜線部40にR加工を施していた。
ところが、上記の如き従来のセラミック軸受の製造方
法において、稜線部40のR加工は、手加工により研削し
なければならず、非常に長時間を要するだけでなく、摺
動面30に傷をつけてしまう恐れがあるという問題点があ
った。
法において、稜線部40のR加工は、手加工により研削し
なければならず、非常に長時間を要するだけでなく、摺
動面30に傷をつけてしまう恐れがあるという問題点があ
った。
なお、上記稜線部40のR加工を、焼成前の成形体のと
きに切削加工すれば容易に形成できるが、軸受の場合、
焼成後の摺動面30の研削仕上が不可欠であり、この研削
仕上によって、R加工した稜線部40が削り取られ鋭いエ
ッジが残ってしまうため、結局、前記したように最後に
稜線部40を研削によりR加工しなければならなかった。
きに切削加工すれば容易に形成できるが、軸受の場合、
焼成後の摺動面30の研削仕上が不可欠であり、この研削
仕上によって、R加工した稜線部40が削り取られ鋭いエ
ッジが残ってしまうため、結局、前記したように最後に
稜線部40を研削によりR加工しなければならなかった。
上記に艦みて本発明は、油溝を有するセラミック軸受
の製造において、焼成前の成形体の状態で、油溝と摺動
面の稜線部にR加工ではなく面取り加工を前もって施し
ておいて、焼成後、摺動面のみを研削仕上げしてセラミ
ック軸受を製造するようにしたものである。
の製造において、焼成前の成形体の状態で、油溝と摺動
面の稜線部にR加工ではなく面取り加工を前もって施し
ておいて、焼成後、摺動面のみを研削仕上げしてセラミ
ック軸受を製造するようにしたものである。
このようにすれば、摺動面の研削仕上げによって稜線
部が一部削り取られても、該稜線部には予め面取り加工
が施されていることから、鋭いエッジは形成されず、従
来のR加工を施したものと同様の効果が得られ、製造は
容易になる。
部が一部削り取られても、該稜線部には予め面取り加工
が施されていることから、鋭いエッジは形成されず、従
来のR加工を施したものと同様の効果が得られ、製造は
容易になる。
以下本発明の実施例を説明する。
第1図に本発明の製造方法によって製造される軸受の
断面図を示す。この軸受1はアルミナ、ジルコニア、炭
化珪素、窒化珪素等のセラミックスからなる略円筒状体
で内側に回転軸(不図示)との摺動面3を有し、該摺動
面3には軸方向に油溝2を形成して、潤滑剤を保持し、
かつ摺動面に適当量を常に供給するようになっている、
また、この油溝2の近傍のみを第2図に示すように、油
溝2と摺動面3との稜線部4は面取り加工が施され、面
取部5が形成されている。
断面図を示す。この軸受1はアルミナ、ジルコニア、炭
化珪素、窒化珪素等のセラミックスからなる略円筒状体
で内側に回転軸(不図示)との摺動面3を有し、該摺動
面3には軸方向に油溝2を形成して、潤滑剤を保持し、
かつ摺動面に適当量を常に供給するようになっている、
また、この油溝2の近傍のみを第2図に示すように、油
溝2と摺動面3との稜線部4は面取り加工が施され、面
取部5が形成されている。
この軸受1の製造方法は以下の通りである。まずアル
ミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒素珪素などのセラミッ
ク原料粉末に公知の焼結助剤や粘結剤を加えたものをプ
レス成形などにより、油溝2を有する形状に成形する。
このとき油溝2近傍の断面図を第3図(a)に示すよう
に油溝2と摺動面3との稜線部4は鋭いエッジとなって
いる。
ミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒素珪素などのセラミッ
ク原料粉末に公知の焼結助剤や粘結剤を加えたものをプ
レス成形などにより、油溝2を有する形状に成形する。
このとき油溝2近傍の断面図を第3図(a)に示すよう
に油溝2と摺動面3との稜線部4は鋭いエッジとなって
いる。
次に、この成形体に対し、第3図(a)に破線で示す
ように、稜線部4の面取り加工を面取部5を形成する
が、この工程は切削加工で容易に行うことができる。こ
のとき第2図に示すように、面取り部5を延長した直線
が軸受1の中心Tと油溝2の中心を結ぶ直径に対する角
度θは、45゜〜75゜の範囲となるようにする。
ように、稜線部4の面取り加工を面取部5を形成する
が、この工程は切削加工で容易に行うことができる。こ
のとき第2図に示すように、面取り部5を延長した直線
が軸受1の中心Tと油溝2の中心を結ぶ直径に対する角
度θは、45゜〜75゜の範囲となるようにする。
最後に上記成形体を所定の条件で焼成した後、摺動面
3のみを研削仕上げするが、このとき第3図(b)に示
すように、摺動面3が破線まで研削され、稜線部4が一
部削り取られても、稜線部4には予め面取り部5を形成
してあることから、この面取部5と摺動面3とのなす角
は鋭いエッジとはならず、チッピング等の発生の少ない
ものとなる。
3のみを研削仕上げするが、このとき第3図(b)に示
すように、摺動面3が破線まで研削され、稜線部4が一
部削り取られても、稜線部4には予め面取り部5を形成
してあることから、この面取部5と摺動面3とのなす角
は鋭いエッジとはならず、チッピング等の発生の少ない
ものとなる。
以上のような製造方法によれば、焼成後の稜線部4の
研削加工をする必要がないため容易に製造することがで
き、摺動面に傷をつけることもない。
研削加工をする必要がないため容易に製造することがで
き、摺動面に傷をつけることもない。
また、第2図において、面取部5を延長した直線が軸
受1の中心Tと油溝2の中心を結ぶ直線に対する角度θ
が45゜より小さいと、面取り部5と摺動面3の境界に鋭
いエッジが形成され、チッピング、摩耗が大きくなって
しまう。従って前記角度θは45゜以上にしなければなら
ないが、θを75゜より大きくすることは形状的に困難で
あった。
受1の中心Tと油溝2の中心を結ぶ直線に対する角度θ
が45゜より小さいと、面取り部5と摺動面3の境界に鋭
いエッジが形成され、チッピング、摩耗が大きくなって
しまう。従って前記角度θは45゜以上にしなければなら
ないが、θを75゜より大きくすることは形状的に困難で
あった。
さらに、前記面取り部5の面取幅δが小さいと耐チッ
ピング性が悪くなるが、種々実験の結果、最終的な面取
幅δが0.5mm以上あれば特に問題はなかった。
ピング性が悪くなるが、種々実験の結果、最終的な面取
幅δが0.5mm以上あれば特に問題はなかった。
実際に、第1図に示すくみ上げポンプ用軸受1を炭化
珪素質セラミックスにより形成した。大きさは、外径10
0mmで、面取部5の面取角度θは60゜とし、最終的な面
取幅δは1.5mmとして、前記した本発明の製造方法によ
って形成した。また、比較例として同じ材質、形状で稜
線部4のみを研削によりR加工したものを用意した。
珪素質セラミックスにより形成した。大きさは、外径10
0mmで、面取部5の面取角度θは60゜とし、最終的な面
取幅δは1.5mmとして、前記した本発明の製造方法によ
って形成した。また、比較例として同じ材質、形状で稜
線部4のみを研削によりR加工したものを用意した。
これらの2種類の軸受1をくみ上げポンプに用いて同
一条件で使用試験を行い、軸受、軸の摩耗量、チッピン
グ量などを比較したところ、本発明の製造方法による軸
受は、従来の稜線部にR加工を施した軸受と同程度に優
れた結果を示した。
一条件で使用試験を行い、軸受、軸の摩耗量、チッピン
グ量などを比較したところ、本発明の製造方法による軸
受は、従来の稜線部にR加工を施した軸受と同程度に優
れた結果を示した。
また、このような軸受1の材質としては、アルミナ、
ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等のさまざまなセラミ
ックスを用いることができるが、前記の如きくみ上げポ
ンプの軸受としては、炭化珪素又は窒化珪素が最も優れ
ていた。
ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等のさまざまなセラミ
ックスを用いることができるが、前記の如きくみ上げポ
ンプの軸受としては、炭化珪素又は窒化珪素が最も優れ
ていた。
叙上のように本発明によれば、油溝を有するセラミッ
ク軸受の製造において、焼成前の成形体の状態で、油溝
と摺動面の稜線部に面取り加工を施しておいて、焼成
後、摺動面のみを研削仕上げする工程によりセラミック
軸受を製造するようにしたことによって、焼成後の稜線
部の研削加工によって面取りを行う必要がないため製造
が容易であり、かつ摺動面に傷つけることも防止できる
とともに、稜線部に面取り加工が施されていることから
軸受使用時のチッピングの発生や摩耗を少なくすること
ができる等の効果を奏することができる。
ク軸受の製造において、焼成前の成形体の状態で、油溝
と摺動面の稜線部に面取り加工を施しておいて、焼成
後、摺動面のみを研削仕上げする工程によりセラミック
軸受を製造するようにしたことによって、焼成後の稜線
部の研削加工によって面取りを行う必要がないため製造
が容易であり、かつ摺動面に傷つけることも防止できる
とともに、稜線部に面取り加工が施されていることから
軸受使用時のチッピングの発生や摩耗を少なくすること
ができる等の効果を奏することができる。
第1図は本発明の製造方法により製造したセラミック軸
受の断面図、第2図は第1図中A部分の拡大断面図であ
る。 第3図(a)(b)はそれぞれ本発明の製造方法を説明
するためのセラミック軸受の油溝近傍のみを示す断面図
である。 第4図(a)は従来の製造方法により製造したセラミッ
ク軸受の断面図、第4図(b)は同図(a)中B部分の
拡大断面図である。 1、10:軸受、2、20:油溝 3、30:摺動面、4、40:稜線部 5:面取部
受の断面図、第2図は第1図中A部分の拡大断面図であ
る。 第3図(a)(b)はそれぞれ本発明の製造方法を説明
するためのセラミック軸受の油溝近傍のみを示す断面図
である。 第4図(a)は従来の製造方法により製造したセラミッ
ク軸受の断面図、第4図(b)は同図(a)中B部分の
拡大断面図である。 1、10:軸受、2、20:油溝 3、30:摺動面、4、40:稜線部 5:面取部
Claims (1)
- 【請求項1】内側の摺動面に油溝を有するセラミック軸
受の製造において、 油溝を有する形状にセラミック原料粉末を成形してなる
成形体に対し、油溝と摺動面のなす稜線部に、軸受の中
心と前記油溝の中心を結ぶ直線に対する角度が45〜75゜
となるように面取り加工を施し、この成形体を焼成した
後、摺動面を研削加工してなるセラミック軸受の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3593089A JP2781976B2 (ja) | 1989-02-14 | 1989-02-14 | セラミック軸受の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3593089A JP2781976B2 (ja) | 1989-02-14 | 1989-02-14 | セラミック軸受の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02217619A JPH02217619A (ja) | 1990-08-30 |
JP2781976B2 true JP2781976B2 (ja) | 1998-07-30 |
Family
ID=12455750
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3593089A Expired - Fee Related JP2781976B2 (ja) | 1989-02-14 | 1989-02-14 | セラミック軸受の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2781976B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007062204A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Diatop Kk | チェーンソー |
-
1989
- 1989-02-14 JP JP3593089A patent/JP2781976B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02217619A (ja) | 1990-08-30 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |