JP2779103B2 - 直流アーク炉の操業方法および炉体プロフィール - Google Patents

直流アーク炉の操業方法および炉体プロフィール

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下部電極を炉壁または
炉底に有する直流アーク炉の操業方法、炉体プロフィー
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、電気炉の操業は、以下のように行
われる。すなわち、炉内に材料を装入した後、上部電極
よりアークを発生させることにより、材料はアークから
の高熱によって溶かされ、それと共に上部電極は徐々に
下降していく。やがて、アークはそれまでに溶かされた
溶融金属が溜っている炉床へ到達する。これまでの期間
をボーリング期と呼んでおり、通常2〜3分位である。
『工業加熱/日本工業炉協会発行第2巻第3号』の18
ページによれば、この期間は炉床耐火物をアーク・スポ
ットから保護するために、電圧、電流とも、その後に続
く溶解期よりも小さくするのが一般的である。
【0003】ところが、このように電圧、電流を絞ると
投入電力が減少するため、溶解時間の増加という弊害が
生じる。また、ここで選定する電圧、電流の各値は、操
業者が長年の経験と実績から得られたものであり、汎用
性がない。さらに、ボーリング期を経過し溶解期に入っ
てすぐ最大電圧、最大電流にて操業をするが、この時点
では、まだ炉床に貯留している溶融金属量は大して多く
ないため、炉床耐火物はアークによる熱ガスの直撃を受
け損耗を受けやすい。直流アーク炉の場合は、アークに
よって発生するアークジェット力は交流アーク炉に比較
して非常に大きく、耐火物への熱影響も顕著である。特
に、炉底に下部電極を有する場合は、この下部電極への
多大な熱影響によって寿命が短くなる恐れがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、ア
ークによる熱ガスの耐火物への直撃を防ぎ、耐火物及び
下部電極への熱影響を極力小さくする操業方法、炉体プ
ロフィールを定量的に提供することを目的としている。
【0005】近年、電気炉における残湯操業が一般的に
なりつつあり、ボーリング期においても上部電極直下の
溶融金属量が比較的多いが、通常の残湯量は出湯量の約
10%であり、耐火物保護の観点からは非常に少ない。
また、この残湯操業は、炉底出湯の場合に炉内のスラグ
を溶融金属と共に排出しないために行われているもの
で、耐火物保護のために行っているものではなく、目的
が異なる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明は、 (1) 下部電極を炉壁または炉底に有する直流アーク炉の
操業方法において、上部電極直下の溶融金属の残湯深さ
が、下記の式にて求まるアークジェットによる窪み深さ
0 以上となるような溶解期のアーク電圧、アーク電流
を選定する
【数4】 ことを特徴とする。ここで、n0 :窪みの深さ、h:溶
融金属面からのアーク長さ(h=Va/Ep;Vaはア
ーク電圧、Epは電位傾度)、ρL :溶鋼比重、g:重
力加速度であり、Tは下記の式によって求められるアー
クジェットの力である。
【0007】
【数5】 ここで、μ0 :真空中の透磁率、I:電流、Rc:上部
電極陰極点半径、Rk:アーク柱半径を示す。
【0008】(2) 下部電極を炉壁または炉底に有する直
流アーク炉の炉体プロフィールにおいて、操業初期の上
部電極直下の溶融金属の残湯深さが、溶解期のアーク電
圧、アーク電流から下記の式にて求まるアークジェット
による窪み深さn0 以上となる炉体プロフィールとす
る。
【数6】 ことを特徴とするものである。上部電極から発生するア
ークは、アークジェットとなって溶融金属面に衝突す
る。その力によって、溶融金属が排除され上部電極の直
下に大きな窪みが生ずる。
【0009】Bowmanは、このアークジェットがノ
ズルジェットと非常に類似していることに着目し、ノズ
ルジェットで得られている窪み深さの式に、アークジェ
ットの力を当てはめて下記の式を提示している。
【数7】 ここで、n0 :窪みの深さ、h:溶融金属面からのアー
ク長さ(h=Va/Ep;Vaはアーク電圧、Epは電
位傾度)、ρL :溶鋼比重、g:重力加速度であり、T
は下記の式によって求められるアークジェットの力であ
る。
【0010】
【数8】 ここで、μ0 :真空中の透磁率、I:電流、Rc:上部
電極陰極点半径、Rk:アーク柱半径を示す。
【0011】本発明者等は、炉底電極の保護対策に上記
式を応用することに着目し、電気炉の炉底電極の寿命延
長という新たな効果を導き出すことに成功した。すなわ
ち、この式から上部電極直下の溶融金属の残湯深さがn
0 以上となるようなアーク電圧、アーク電流を選定すれ
ば、アークによる熱ガスの耐火物への直撃を防ぐことが
できる。
【0012】また、操業に用いる最大のアーク電圧、最
大のアーク電流を元に窪みの深さn0 を計算し、ボーリ
ング期初期から、この窪みの深さn0 以上の溶融金属を
炉内に貯留できる炉体プロフィールにしておけば、アー
クによる熱ガスが直接炉床耐火物に衝突して、耐火物を
損傷する恐れはなくなる。いずれにしろ、炉床耐火物保
護のための指針が、定量的にかつ汎用性をもって得られ
るため、操業者の経験、実績に頼ることなく、初心者で
も最適な操業方法あるいは炉体プロフィールを得ること
ができる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてさらに説
明する。図1および図2は、本発明による100ton 直
流アーク炉の炉体プロフィールの例であり、図1は、炉
体側面図を、また図2は、炉体平面図をそれぞれ示す。
100ton 炉で、溶解期に使用する最大電圧が720
V、最大電流が90kAとすると、前記のアークジェッ
トによる窪み深さn0 を求める式を用いて計算すると、
0 は、約340mmとなる。ボーリング期初期からこれ
以上の溶融金属深さを確保するためには、残湯量は、約
30ton 必要となる。これは、出鋼量の30%の量であ
る。この時の、溶融金属の深さ(H)と溶融金属の表面
径(D)との比H/Dは、0.3を選定した。
【0014】図1中、実線で示したのが残湯量を約30
ton 確保した時の溶融金属表面レベルを示す。また、一
点鎖線は、材料が全部溶解した後の残湯量を加えた全溶
融金属表面レベルを示す。通常の溶融金属深さが浅い炉
体プロフィールでは、前記窪み深さ以上の残湯量を確保
するためには、大量の溶融金属を炉内に残す必要があ
る。従って、炉体プロフィールとしては、H/Dを、
0.3程度とした深い炉体プロフィールを選んだ方が良
い。
【0015】図3は、アークジェットによる窪み深さの
計算値と実績値との比較を示したものである。これは、
本発明者らが実際の直流アーク炉におけるアーク挙動を
高速ビデオで撮影して、アークジェットによる窪み深さ
を実測し、それを計算値と比較した例である。計算値と
実績値とは、比較的良く一致している。
【0016】
【発明の効果】以上のように、上部電極直下の溶融金属
の残湯深さを、溶解期のアーク電圧、アーク電流から求
まるアークジェットによる窪み深さn0 以上とすること
により、アークによる熱ガスが直接炉床耐火物に衝突し
て、耐火物を損傷する恐れはなくなる。従って、耐火物
の寿命が向上し、補修材の使用量が減少することにより
コスト削減が図れる。また、ボーリング期初期から最大
電圧、最大電流にて操業が可能となるため溶解時間が短
縮される。それによって、生産量増大、固定費などのコ
スト削減効果が享受できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】直流アーク炉の炉体側面図。
【図2】直流アーク炉の炉体平面図。
【図3】アークジェットによる窪み深さの計算値と実測
値との比較を示した図。
【符号の説明】
1 電気炉本体 2 耐火物 3 上部電極 4 アーク H 溶融金属の深さ D 溶融金属の表面径

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下部電極を炉壁または炉底に有する直流ア
    ーク炉の操業方法において、上部電極直下の溶融金属の
    残湯深さが、下記の式にて求まるアークジェットによる
    窪み深さn0 以上となるような溶解期のアーク電圧、ア
    ーク電流を選定することを特徴とする直流アーク炉の操
    業方法。 【数1】 ここで、n0 :窪みの深さ、h:溶融金属面からのアー
    ク長さ、ρL :溶鋼比重、g:重力加速度であり、Tは
    下記の式によって求められるアークジェットの力であ
    る。 【数2】 ここで、μ0 :真空中の透磁率、I:電流、Rc:上部
    電極陰極点半径、Rk:アーク柱半径を示す。
  2. 【請求項2】下部電極を炉壁または炉底に有する直流ア
    ーク炉の炉体プロフィールにおいて、操業初期の上部電
    極直下の溶融金属の残湯深さが、溶解期の最大アーク電
    圧、最大アーク電流から下記の式にて求まるアークジェ
    ットによる窪み深さn0 以上になるようにしたことを特
    徴とする直流アーク炉の炉体プロフィール。 【数3】
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