JP2775918B2 - オルソ―第3級アルキルフェノール類の精製方法 - Google Patents

オルソ―第3級アルキルフェノール類の精製方法

Info

Publication number
JP2775918B2
JP2775918B2 JP29244489A JP29244489A JP2775918B2 JP 2775918 B2 JP2775918 B2 JP 2775918B2 JP 29244489 A JP29244489 A JP 29244489A JP 29244489 A JP29244489 A JP 29244489A JP 2775918 B2 JP2775918 B2 JP 2775918B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tertiary
distillation
acid
crude product
ortho
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29244489A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03153642A (ja
Inventor
勝治 高橋
実 山本
弘 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP29244489A priority Critical patent/JP2775918B2/ja
Publication of JPH03153642A publication Critical patent/JPH03153642A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2775918B2 publication Critical patent/JP2775918B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアルミニウムアリールオキサイドを触媒とし
てフェノール類を第3級オレフィンでアルキル化して得
られたオルソ第3級アルキルフェノール粗生成物を精製
する方法に係り、特に該粗生成物からあらかじめ触媒成
分を分離除去することなく、該粗生成物を蒸留し、精製
する方法に関する。
(従来の技術) フェノールにイソブチレンを反応させて得られる2,6
−ジ第3級ブチルフェノールは酸化防止剤や殺虫剤を製
造する際の中間体として、またメタクレゾールにイソブ
チレンを反応させて得られる6−第3級ブチル−3−メ
チルフェノールは香料の中間体として使用されている。
この様なオルソ第3級アルキルフェノール類を製造す
る方法としてはアルミニウムフェノキシドを使用してフ
ェノール類のオルソ位を第3級オレフィンでアルキル化
する方法(特公昭33−7535号公報等)がアルキル化のオ
ルソ位への選択性が優れているため、特に有利な方法と
されている。
この方法によれば、主生成物である目的のオルソ第3
級アルキルフェノールは、少量の副生物、触媒等とが混
在した粗生成物として得られる。そこで目的とするオル
ソ第3級アルキルフェノールをより高純度で得るには精
製が必要である。
粗生成物の精製方法として、特開昭47−4416号公報で
は、粗生成物に水または水酸化アルカリを加えて触媒を
分解し、分解残渣を含んだ粗生成物をそのまま蒸留する
方法が提案されている。
又、特開昭61−50934号、特開昭61−50935号公報に
は、粗生成物に脂肪族アミンを加えて触媒と反応させ、
失活させた触媒を含んだ粗生成物をそのまま蒸留させる
方法が提案されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら特開昭47−4416号公報に記載の方法を工
業的に実施しようとした場合、触媒の分解残渣のアルミ
ニウム成分に由来する不融不溶の固形物が生じ、蒸留装
置の加熱器管壁等に堆積するという欠点があった。
又、特開昭61−50934号および同61−50935号公報の方
法では、残渣の流動性はあるものの蒸留時の熱によりア
ミン付加物が解離し易く、そのため特に分子量の小さい
脂肪族アミンでは蒸発と共に失活した触媒が再生され、
蒸留中にブチル基の脱離により、ガスが発生して蒸留が
困難になる。また、蒸留が上手くいっても製品中にアミ
ンが混入し、着色等の製品品質を損うという問題があっ
た。更に、脂肪族アミンは臭気がひどく、作業環境上の
問題もあった。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、上記実情に鑑みて鋭意検討した結果、
脂肪族アミンに代えてモノカルボン酸を用いオルソ第3
級アルキルフェノール粗生成物を蒸留すると、蒸留残渣
が液状で流動性のあるものとなり、反応装置内から容易
に取り出せ、更に、脱離アルキレンガスの発生を招くこ
とがなく、更に製品着色及び臭気の問題も解決できるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、フェノール類と第3級オレフィンとを
アルミニウムアリールオキサイドの存在下で反応せしめ
て得られるオルソ第3級アルキルフェノール粗生成物の
系内にモノカルボン酸を加えて蒸留を行うことを特徴と
するオルソ−第3級アルキルフェノール粗生成物の精製
方法を提供するものである。
本発明におけるオルソ第3級アルキルフェノール粗生
成物とは、アルミニウムアリールオキサイドとオルソ第
3級アルキルフェノールを少なくとも有しているものを
いい、通常それは、フェノール類と第3級オレフィンと
をアルミニウムアリールオキサイドの存在下で反応せし
めて得られるオルソ第3級アルキルフェノールを主成分
とする、アルミニウムオキサイドを必須として含有し、
原料成分、副生成物を含んでいてもよい粗生成物をい
う。
該粗生成物は、上記条件を満たしているものであれば
その製造方法は特に制限されるものではないが、例えば
原料のフェノール類100重量部に対してアルミニウムア
リールオキサイドを0.05〜30重量部好ましくは1〜3重
量部、反応温度10〜300℃好ましくは30〜200℃、反応圧
力大気圧〜100kg/cm2好ましくは2〜50kg/cm2の条件で
行われ、通常0.5〜10時間で反応を終了する。この様に
して得られる粗生成物は例えば、未反応フェノール,2−
第3級アルキルフェノール、2,6−ジ第3級アルキルフ
ェノール、2,4,6−トリ第3級アルキルフェノール及び
触媒成分等からなる混合物である。
例えばフェノール類としてフェノール、第3級オレフ
ィンとしてイソブチレンを用いた場合における粗生成物
の製造方法としては、フェノールにその重量の0.1〜5
重量%に相当する重量のアルミニウムを加え、150〜170
℃に加熱してアルミニウムフェノキサイドとし、これに
フェノールの1.5〜3.0倍モルに相当する量のイソブチレ
ンを加えて50〜120℃の温度で反応させればよい。この
方法によれば、主生成物である2,6−ジ第3級ブチルフ
ェノールのほか、少量の2−第3級ブチルフェノール、
2,4,6−トリ第3級ブチルフェノール、触媒等を含む均
一な液体状の粗生成物が得られる。
本発明におけるフェノール類としては、フェノール、
オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、
オルソエチルフェノール、メタエチルフェノール、パラ
エチルフェノール、ビスフェノールF、ビスフェノール
A等を例示することができ、なかでもフェノールが多用
される。
また、第3級オレフィンとしては、イソブチレン、イ
ソアミン、イソオクテン、α−メチルスチレンなどを挙
げることができ、なかでもイソブチレンが好ましい。こ
れら第3級オレフィンは純粋なものである必要はなく、
例えばナフサ分解によって得られるC4留分からブタジエ
ンを除いた後のC4混合物であってもよい。勿論第3級オ
レフィンの他に、第2級又は第1級オレフィンを含んで
いてもよい。第3級オレフィンは反応性が高いので原料
中に他のオレフィンが存在しても優先的に第3級オレフ
ィンが反応するからである。
本発明におけるアルミニウムアリールオキサイドと
は、フェノール性の水酸基を有する芳香族化合物とアル
ミニウムとの塩をいい、例えばフェノール類にアルミニ
ウム片を加えて加熱することにより容易に得られるもの
である。
アルミニウムアリールオキサイドは上記した各種のフ
ェノール類から誘導され得るが、一般には第3級アルキ
ル化に供されるフェノール類あるいは第3級アルキル化
された生成物であるオルソ第3級アルキルフェノール類
から誘導されるのが好ましい。
勿論必要に応じてアルミニウムアリールオキサイドと
他の触媒成分、例えばフェノール類のアルカリ金属塩等
とを併用してもかまわない。
上記した粗生成物から2,6−ジ第3級アルキルフェノ
ールを分離精製する為に一般に蒸留が行なわれるが、粗
生成物中にアルミニウムアリールオキサイドが活性な状
態で存在すると、蒸留時の加熱によって第3級アルキル
基が脱離したり、オルソ位の第3級アルキル基がパラ位
に転移したりするため、2,6−ジ第3級アルキルフェノ
ールを収率よく得ることができない。そこで、アルミニ
ウムアリールオキサイドを失活させなければならない。
本発明では上記粗生成物にモノカルボン酸を加えてア
ルミニウムアリールオキサイドを失活させた後に蒸留を
行う。モノカルボン酸を添加混合した粗生成物は、予め
触媒を分離することなくそのまま蒸留することができる
が、それを通常80〜100℃で0.5〜1時間加熱してから蒸
留するのが一般的である。蒸留条件は添加するモノカル
ボン酸とアルミニウムアリールオキサイドの種類によっ
て若干の相違があるが、一般的には減圧下に130〜200℃
の温度で蒸留するのが望ましい。蒸留方法としてはフラ
ッシュ蒸留、分留のいずれも可能であり、回分式、連続
式のいずれでも行うことができる。
本発明におけるモノカルボン酸としては、例えば、カ
プロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ノナン酸、カプリ
ン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ナフテン酸、安息
香酸、2−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、4−
メチル安息香酸、4−第3級ブチル安息香酸等が挙げら
れ、また、ヒマシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、トール油脂
肪酸等も挙げられる。これらの中でも炭素原子数6〜25
の脂肪酸が毒性が低く、取扱いやすいので好ましい。
モノカルボン酸の添加量は、添加するアルミニウムア
リールオキサイドの種類によって異なるが、粗生成物中
のアルミニウムアリールオキサイドのアルミニウム原子
1個あたりカルボキシル基が2〜3個となるような量が
好ましい。
次に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 内径7.5cm、容器1000mlのステンレス製円筒形耐圧反
応器に300gのフェノール、3gのアルミニウム片を入れ、
160℃で30分間加熱してアルミニウムフェノオキサイド
のフェノール溶液を調製した。この溶液を100℃に冷却
後、300gのイソブチレンを6時間かけて撹拌しながら加
え、次いで100℃で2時間熟成させた。得られた粗生成
物597gを撹拌しつつ100℃に保ちながらこれにステアリ
ン酸63g加え1時間反応させた。その後40mmHgの減圧下
で蒸留を行った。蒸留中のフラスコの液温は160℃であ
った。蒸留時にイソブチレンガスの発生はなかった。
なお、留出物は590.0g、残留分は70gであり、留出物
はその大部分が92〜155℃の蒸気温度で留出した。蒸留
残渣は、室温では粘性こそ高いが流動性の液体であり、
室温でも固形物の生成は全く認められず、フラスコ内か
らの蒸留残渣の除去は容易であった。
念のため粗生成物及び留出物をガスクロマトグラフィ
ーで組成分析したが、第1表に示す通り、触媒を分離す
ることなく蒸留しても組成が実質的に変化しないことが
わかった。
実施例2〜3 実施例1で得られた粗生成物100gに対し、ラウリン酸
(実施例2)、ヒマシ油脂肪酸(実施例3)を同量用い
る以外は実施例1と全く同様な条件で減圧蒸留した。
上記実施例では、いずれも蒸留時にイソブチレンガス
の発生はなかった。残留残渣はそのいずれもが室温では
粘性こそ高いが流動性の液体であり、室温でも固形物の
生成は認められなかった。
実施例1と同様に粗生成物及び留出物の分析を行った
が、第2表に示す通り、触媒を分離することなく蒸留し
ても組成が実質的に変化しなことがわかった。
比較例1 n−ブチルアミンを同量用いる以外は実施例2と全く
同様の条件で減圧蒸留したが、イソブチレンガスが大量
に発生したために、蒸留ができなかった。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、触媒として用いるアルミニウ
ムアリールオキサイドを失活させるためにモノカルボン
酸を用いるので、オルソ−第3級アルキルフェノール粗
生成物の蒸留後の蒸留残渣は常温付近でも流動性の液体
となり、反応装置内から残渣を取り出す操作が極めて容
易で、反応装置内のスケール除去や洗浄の回数を減らす
ことができる。また、蒸留時に脱離アルキレンガスの発
生を招くことがなく、更に製品着色及び臭気の問題も解
決できる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール類と第3級オレフィンとをアル
    ミニウムアリールオキサイドの存在下で反応せしめて得
    られるオルソ−第3級アルキルフェノール粗生成物の系
    内にモノカルボン酸を加えて蒸留を行うことを特徴とす
    るオルソ−第3級アルキルフェノール粗成物の精製方
    法。
  2. 【請求項2】モノカルボン酸が、脂肪酸である請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】モルカルボン酸が、炭素原子数6〜25の脂
    肪酸である請求項1記載の方法。
JP29244489A 1989-11-13 1989-11-13 オルソ―第3級アルキルフェノール類の精製方法 Expired - Fee Related JP2775918B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29244489A JP2775918B2 (ja) 1989-11-13 1989-11-13 オルソ―第3級アルキルフェノール類の精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29244489A JP2775918B2 (ja) 1989-11-13 1989-11-13 オルソ―第3級アルキルフェノール類の精製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03153642A JPH03153642A (ja) 1991-07-01
JP2775918B2 true JP2775918B2 (ja) 1998-07-16

Family

ID=17781878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29244489A Expired - Fee Related JP2775918B2 (ja) 1989-11-13 1989-11-13 オルソ―第3級アルキルフェノール類の精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2775918B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100282011B1 (ko) * 1998-05-07 2001-02-15 강재헌 고순도 2,6-디이소프로필페놀의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03153642A (ja) 1991-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100716077B1 (ko) 아릴 알킬 에테르의 제조 방법
EP0288582B1 (en) Process for producing alkyl group-substituted aromatic hydrocarbons
RU2628525C2 (ru) Способ получения алкоксифенола и алкоксигидроксибензальдегида
JP4288050B2 (ja) ジフェニルアミンのポリイソブチレンオリゴマーによるアルキル化
JP2775918B2 (ja) オルソ―第3級アルキルフェノール類の精製方法
US3733365A (en) Process for ortho-alkylation
EP1363866B1 (en) Method and apparatus for the preparation of triptane and/or triptene
US4482755A (en) High yield process for preparing 4,4'-biphenol and para-alkylbenzenes
US5430173A (en) Process for preparing alkyl 3-hydroxy-2, 4, 5-trifluorobenzoates and/or alkyl 3-alkoxy-2, 4, 5-trifluorobenzoates
EP0440420B1 (en) Process for preparation of condensed alcohols by alkoxide catalysis
US5288922A (en) Process of preparing diaryl ethers over a dealuminated zeolite catalyst
US6512149B2 (en) Method for removing butyl groups from butyl phenol compounds
US4560809A (en) Alkylation process
JPH0237897B2 (ja)
JPH09208512A (ja) オルソ−アルキルフェノール類の製造方法
US4205017A (en) Hydrodehydroxylation process using a rhenium-fluorided alumina catalyst
JPH0210130B2 (ja)
CA1077063A (en) Liquid phase methylation of ortho cresol
GB2050351A (en) Sters by distillation process for recovering aliphatic carboxylic acids and/or e
JPS5814413B2 (ja) アルミニウム成分の除去方法
US6084124A (en) Method to prepare α-β unsaturated carboxylic acids from epoxides using a cobalt and tin catalyst system
JPS647059B2 (ja)
US3996297A (en) Process for purification of 2,6-xylenol
US3846501A (en) Preparation of alkoxy substituted hydroxy aromatic compounds
JPH0579655B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees