JP2775710B2 - スペクトラム拡散方式通信装置 - Google Patents

スペクトラム拡散方式通信装置

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JP2775710B2 JP22452592A JP22452592A JP2775710B2 JP 2775710 B2 JP2775710 B2 JP 2775710B2 JP 22452592 A JP22452592 A JP 22452592A JP 22452592 A JP22452592 A JP 22452592A JP 2775710 B2 JP2775710 B2 JP 2775710B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動通信やLAN等の
システムに使用するスペクトラム拡散方式通信装置に関
し、特に、復号の誤りを減らすように構成したものであ
る。
【0002】
【従来の技術】スペクトラム拡散多重接続通信方式は、
秘話性、秘匿性、耐妨害性等に優れているため、近年、
移動通信やLANシステム等の分野において注目されて
いる。また、この方式での周波数の有効利用を図るた
め、情報データを複数の拡散符号系列に割り当てる「並
列組合せスペクトラム拡散方式」が提案されている。
【0003】この方式に用いる従来の通信装置は、図3
に示すように、送信装置には、情報データをシリアル信
号からパラレル信号に変換するシリアル・パラレル変換
器12と、送信情報データを拡散するための拡散符号系列
をn種類発生する符号系列発生器11と、適用する拡散符
号系列を選択してシリアル・パラレル変換器12の出力信
号(選択データ)を符号化する符号選択器13と、シリア
ル・パラレル変換器12の出力信号の一部(極性データ)
に基づいて符号選択器13の出力信号の極性を決定する極
性選択器14と、各極性選択器14の出力を加算して多値信
号として出力する加算器15と、送信アンテナ16とを備え
ている。
【0004】一方、受信装置には、受信アンテナ17と、
符号化に使用された拡散符号系列を検出するために受信
信号とn種類の拡散符号系列との間の相関値を算出する
相関器18と、相関値の最大値を検出すると共に最大値を
持つ拡散符号系列によってデータを復号する最大値検出
器19と、この最大値検出器19で検出した相関値の極性を
判定して極性データを復号する極性判定器20と、復号さ
れたそれぞれのデータをシリアル信号に変換するパラレ
ル・シリアル変換器21とを備えている。
【0005】送信装置のシリアル・パラレル変換器12に
入力した情報データは、kビット毎に並列化され、この
並列化されたkビットはr個のグループに分割される。
各グループのk/rビットの内の1ビットは、極性ビッ
トとして極性選択器14に送られ、残りのk/r−1ビッ
トは、選択データとして符号選択器13に送られる。
【0006】一方、符号系列発生器11は、n種類の拡散
符号系列をr個のブロックに分けて出力し、符号選択器
13では、各ブロックに含まれるn/r個の拡散符号系列
の内の1つを選択して、各グループの選択データを符号
化する。
【0007】符号選択器13の出力信号に対しては、極性
選択器14において、極性ビットに応じた+−の極性が付
与される。極性選択器14の出力信号は、加算器15で加算
され、r+1値の多値データに変換されて、送信アンテ
ナ16から送信される。
【0008】受信装置では、相関器18により、受信アン
テナ17から受信した信号とn種類の拡散符号系列との間
の相関値を算出する。相関器18では、送信側の符号系列
発生器11と同様に、n種類の拡散符号系列をr個のブロ
ックに分割して受信信号との相関をとる。受信信号は、
選択データの符号化の際に使用した拡散符号系列と同一
の拡散符号系列に対して最も大きい相関を示すことにな
る。
【0009】各ブロックからはn/r個の相関値が出力
され、これを受信した最大値検出器19では、符号化に使
用された拡散符号系列を判定するために、各ブロックの
中の最大の絶対値を持つ相関値を検出し、この最大の相
関を示す拡散符号系列を用いて受信信号の選択データを
復号化する。
【0010】最大値検出器19が検出した最大の絶対値を
持つ相関値は、極性判定器20に送られ、その極性が判定
され、その結果に基づいて極性ビットが復号される。
【0011】こうして復号された選択ビットおよび極性
ビットのデータは、パラレル・シリアル変換器21により
シリアル信号に変換され、情報データとして再生され
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の並列組
合せスペクトラム拡散方式通信装置では、受信側の最大
値検出器19において、符号化に用いた拡散符号系列の判
定を誤ると、その拡散符号系列と組合わされた選択デー
タの復号が全て誤ることになり、また、極性判定器にお
いても、最大値検出器の検出結果を用いて極性を判定し
ているため、極性データについて、誤った復号を行なう
可能性が大きくなる。
【0013】本発明は、このような状況の改善を図るも
のであり、復号時における拡散符号系列の判定の誤りを
少なくし、また、極性データの選択データに対する誤り
の依存性を減らすようにしたスペクトラム拡散方式通信
装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、
信データを並列化して一定ビット数の情報データのグル
ープに分け、各グループの情報データを選択データと極
性データとに区分し、選択データを予め用意した複数の
拡散符号系列の1つを選んで符号化し、符号化したデー
タの極性を極性データによって決定し、こうして得られ
た各グループのデータを加算して出力する並列組合せス
ペクトラム拡散方式の通信装置において、送信側に、選
択データおよび極性データの各々に対して誤り検出符号
化を行なう符号化手段を設け、受信側に、受信信号と複
数の拡散符号系列との間の相関値を算出し、その相関値
から拡散符号系列および極性を求めてデータを復号し、
復号化したデータの誤り検出されたときに、その相関
値から次に確からしい拡散符号系列および極性を求めて
復号化をやり直す最尤復号化手段を設けている。
【0015】
【作用】そのため、復号した選択データまたは極性デー
タに誤りがある場合には、誤りを除くように最尤復号が
行なわれるので、情報データは、受信側において誤りの
無い状態で再生される。
【0016】
【実施例】本発明の実施例におけるスペクトラム拡散方
式通信装置は、図1に示すように、送信側に、情報デー
タの選択データおよび極性データのそれぞれに対して誤
り検出符号化を行なうための誤り検出符号器を具備する
シリアル・パラレル変換器2を備え、一方、受信側に、
誤りが検出されたときは復号を訂正することにより、選
択データおよび極性データの誤りのない復号化を行なう
誤り訂正・最尤復号器9と、誤り検出符号化したデータ
を情報データだけに復号するための誤り検出復号器を具
備するパラレル・シリアル変換器10とを備えている。そ
の他の構成は、従来の装置(図3)と同じであり、送信
側には、符号系列発生器1、符号選択器3、極性選択器
4、加算器5および送信アンテナ6を備え、また、受信
側には、受信アンテナ7および相関器8を備えている。
【0017】送信装置のシリアル・パラレル変換器2で
は、入力した情報データを、拡散符号系列と組合わせる
ためのデータと、極性を決めるためのデータとに分け、
それぞれのデータに対して誤り検出符号化(例えば、パ
リティ・ビットの付加)を施す。次いで、この処理を施
した双方のデータの合計ビット数がkであるとき、双方
のデータのそれぞれをr個のグループに分割して並列化
する。
【0018】各グループに含まれるk/rビットの内か
ら、極性を決めるための1ビットが極性ビットとして極
性選択器4に送られ、残りのk/r−1ビットが選択デ
ータとして符号選択器3に送られる。
【0019】符号系列発生器1は、n種類の拡散符号系
列をr個のブロックに分けて出力し、符号選択器3で
は、各ブロックに含まれるn/r個の拡散符号系列の内
の1つを選択して、各グループの選択データを符号化す
る。
【0020】符号選択器3の出力信号に対しては、極性
選択器4において、極性データに応じて+−の極性が付
与される。極性選択器4の出力信号は、加算器5で加算
され、r+1値の多値データに変換されて、送信アンテ
ナ6から送信される。
【0021】受信装置では、相関器8において、受信ア
ンテナ7から受信した信号とn種類の拡散符号系列との
間の相関値を算出する。相関器8では、送信側の符号系
列発生器1と同様に、n種類の拡散符号系列をr個のブ
ロックに分割し、各ブロックに含まれるn/r個の拡散
符号系列の各々と受信信号との間の相関値を算出して出
力する。
【0022】相関器8の出力は、誤り訂正・最尤復号器
9に入力され、誤り訂正・最尤復号器9では、次のよう
な方法で復号化すべき拡散符号系列を特定し、受信信号
を復号する。
【0023】n/r本の座標軸を持つn/r次元の座標
上に、受信信号とブロックに含まれるn/r個の拡散符
号系列と間の相関値を成分として持つ相関値X
(x1,‥,xn/r)を表示する。この座標において、中
心から単位長さ離れた座標軸上の点は、その座標軸の表
示する拡散符号系列によって符号化された送信データの
相関値を示している。
【0024】この関係を、n/r=2の場合を例に、図
2を用いて説明する。座標軸X1は拡散符号系列X1との
相関の度合を表示し、座標軸X2は拡散符号系列X2との
相関の度合を表示する。受信信号の拡散符号系列X1
対する相関値がx1、拡散符号系列X2に対する相関値が
2とすると、この受信信号の相関値Xは、座標上で
(x1,x2)の位置に表示される。
【0025】送信データが拡散符号系列X1で符号化さ
れている場合には、その送信データの相関値は、X1
上のA1(1,0)の点に位置し、また、極性が−の場
合にはA3(−1,0)の点に位置することになる。逆
に、送信データが拡散符号系列X2で符号化されている
場合には、その送信データの相関値は、X2軸上のA
2(0,1)の点、または、A4(0,−1)の点に位置
することになる。
【0026】誤り訂正・最尤復号器9では、第1段階と
して、受信信号の相関値Xと最も近い座標上の距離にあ
る送信データの相関値を求め、その相関値によって示さ
れる拡散符号系列および極性を用いて受信信号の選択デ
ータおよび極性データを復号する。図2の場合には、受
信信号の相関値Xに最も近い距離にある送信データの相
関値は、A1(1,0)であるため(距離d1)、受信信
号の選択データを拡散符号系列X1によって復号し、極
性データを+に相当する値に復号する。
【0027】次に、誤り訂正・最尤復号器9は、誤り検
出機能によって、復号した選択データおよび極性データ
の誤りの有無を判定する。
【0028】この判定の結果、復号した選択データまた
は極性データに誤りがある場合には、誤りに応じて、別
の送信データの相関値を選択し、その相関値が示す拡散
符号系列および極性を用いて受信信号の選択データおよ
び極性データを復号する。
【0029】図2の場合では、A1(1,0)に対応す
るデータを用いた復号において、選択データのみに誤り
が生じているときは、A2(0,1)に対応するデータ
を用いた復号に訂正する。また、選択データおよび極性
データに誤りが生じているときは、A4(0,−1)に
対応するデータを用いた復号に訂正する。
【0030】なお、極性データのみに誤りが生じている
場合は、A3(−1,0)に対応するデータを用いた復
号を行なうことになるが、図2から明らかなように、A
3の点は、相関値Xの点から最も遠い距離d3にあり、こ
のように距離が離れていることは、そのようなケースが
実際上は起こり難いことを示している。
【0031】そのため、最初の復号において誤りが判定
された場合は、相関値Xとの距離がその次に近い送信デ
ータの相関値を求め、その相関値によって示される拡散
符号系列および極性を用いて受信信号の選択データおよ
び極性データを復号することが実際的である。
【0032】図2の場合では、相関値Xが座標の第1象
限にあるときは、相関値Xからの距離が2番目に短いA
2(0,1)に対応させて、受信信号の選択データを拡
散符号系列X2によって復号し、極性データを+に相当
する値に復号する。また、相関値Xが第4象限にあると
きは、A4(0,−1)に対応させて、選択データを拡
散符号系列X2によって復号し、極性データを−に相当
する値に復号する。
【0033】こうして、誤り訂正・最尤復号器9におい
て復号された選択データおよび極性データはパラレル・
シリアル変換器10に送られ、シリアル信号に変換された
後、誤り検出の復号化が行なわれ、情報データが再生さ
れる。
【0034】なお、実施例の説明では、符号化したデー
タの極性を決める極性データに、1ビットを割り当てて
いるが、極性データのビット数は1より多くてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明のスペクトラム拡散方式通信装置では、復号
における誤りを減らすことが可能である。また、選択デ
ータと極性データとの依存性が減少するため、選択デー
タの復号に誤りが生じた場合に、極性データの復号も誤
ってしまう、というような関係が断ち切られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信装置における一実施例の構成を示
すブロック図、
【図2】前記実施例における最尤復号の方法を示す説明
図、
【図3】従来のスペクトラム拡散方式通信装置の構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1、11 符号系列発生器 2、12 シリアル・パラレル変換器 3、13 符号選択器 4、14 極性選択器 5、15 加算器 6、16 送信アンテナ 7、17 受信アンテナ 8、18 相関器 9 誤り訂正・最尤復号器 10、21 パラレル・シリアル変換器 19 最大値検出器 20 極性判定器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04J 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信データを並列化して一定ビット数の
    情報データのグループに分け、各グループの情報データ
    を選択データと極性データとに区分し、前記選択データ
    予め用意した複数の拡散符号系列の1つを選んで符号
    化し、符号化したデータの極性を前記極性データによっ
    て決定し、こうして得られた各グループのデータを加算
    して出力する並列組合せスペクトラム拡散方式の通信装
    置において、 送信側に、前記選択データおよび極性データの各々に対
    して誤り検出符号化を行なう符号化手段を設け、 受信側に、受信信号と前記複数の拡散符号系列との間の
    相関値を算出し、前記相関値から拡散符号系列および極
    性を求めてデータを復号し、復号化したデータの誤り
    検出されたときに、前記相関値から次に確からしい拡散
    符号系列および極性を求めて復号化をやり直す最尤復号
    化手段を設けたことを特徴とするスペクトラム拡散方式
    通信装置。
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