JP2775246B2 - 水路用除塵機 - Google Patents

水路用除塵機

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水路用除塵機に関
するものであり、特に従来困難と思われていた低水路用
除塵機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】農業用または工業用に河川より多量の水
を導入する場合、水路を設けて導入しているが多量のゴ
ミ、例えば苅り草、枝葉、ジュ−スの空き缶およびポリ
容器等も流入するため、水路入口に除塵機を設け、これ
らのゴミを取り除き用水のみを導入している。比較的大
規模に除塵を行う場合は、円板型網を回転させ、網によ
り捕集したゴミを噴水により除去する方式または網をベ
ルトコンベア式に垂直方向に回転させ、捕集したゴミを
噴水により除去する方式が採用されているのが一般的で
あるが、何れの場合もコストが嵩み、比較的小規模で行
う場合は採算面で問題があり、小規模、特に低水路用の
除塵機の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題に鑑
みて開発されたものであり、比較的小規模、特に従来は
困難とされていた低水路に用いられてもコスト的に引き
合う水路用除塵機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る水路用除塵機は次の如く構成したこと
を特徴とする。即ち、両端部を固定された半円周形状を
有する複数個のスクリ−ンバ−と、各スクリ−ンバ−間
を回転し、且つスクリ−ンバ−により形成される半円周
形状表面より外方または内方へ出入する機構を有する複
数個のレ−キと、当該出入するレ−キ面に弾性的に接触
する機構を有する複数個のスクレ−パとを備えることに
より、スクリ−ンバ−により塞き止められたゴミを前記
レ−キとスクレ−パにより掻揚げ掻落として除塵できる
ことを特徴とし、具体的には、スクリ−ンバ−により形
成される半円周形状表面より出入する複数個のレ−キの
機構が、電動機によりピニオン、ピンギヤチェ−ンおよ
び円筒体を介して回転するレ−キ支柱側面内をレ−キに
設けたロ−ラによりレ−キが移動し、且つレ−キ支柱の
孔内を貫通してレ−キに設けた軸に取り付けたロ−ラ
が、水路用除塵機の固定された本体側壁に設けたカムレ
−ル内を転動することによりレ−キの移動を制御する機
構であることを特徴とし、更に具体的には、レ−キ面に
弾性的に接触する複数個のスクレ−パの機構が、回転す
る支柱基部に設けた回転板に端部を回動自在に軸支され
たスクレ−パ支柱にスクレ−パが固定され、且つスクレ
−パ支柱がスプリングによりレ−キ支柱に常時付勢され
る機構であることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る水路用除塵機
の実施の形態を図面を参照して詳述する。図1は本発明
の水路用除塵機の除塵機構を示す垂直断面図、図2は本
発明の水路用除塵機の水路入口側より見た要部正面図、
図3は本発明の水路用除塵機のレ−キの駆動機構を示す
説明用斜視図、図4は本発明の水路用除塵機のレ−キと
スクレ−パとの機構を示す説明図である。
【0006】図において1はスクリ−ンバ−、2はレ−
キ、2aはレ−キ、2bは穴、2cはレ−キ支持体、2
dはレ−キ本体、3はピンギヤチェ−ン、4はピニオ
ン、5はカムレ−ル、6はスクレ−パ、6aはスクレ−
パ支持体、7は本体カバ−、8は水路側壁、8aは水路
底、9は掻寄装置、10は本体側壁、11は本体側壁、
12はスクリ−ンバ−固定具、13は電動機、14はレ
−キ支柱、14aは孔、15はスクレ−パ支柱、15a
は軸、16は回転支柱、17は軸、17aは回転板、1
8はロ−ラ、19はロ−ラ、20は軸、21はロ−ラ、
22はスプリング、23はゴミ貯蔵箱、24はゴミ、2
5は水路面を示す。
【0007】本発明に係る水路用除塵機は水路用に用い
られるため、主要材料は全て不錆鋼で構成されている
が、まず本発明に係る水路用除塵機の全体の構成を図1
および図2により説明する。図2は本発明の水路用除塵
機の水路入口側より見た要部正面図であり、水路底8a
上に本発明の水路用除塵機が設置されている。本発明の
水路用除塵機は固定された本体側壁10、11を備え、
この側壁内面には図1に示すカムレ−ル5を備えてい
る。本体側壁10の内面側には、本体側壁10、11に
設けられた軸受け(図示せず)により回動自在に軸支さ
れた軸17および回転板17aに一端を固定されたレ−
キ支柱14、14および回転支柱16、16を備え、レ
−キ支柱14、14および回転支柱16、16の他端は
ピンギヤチェ−ン3を外周面に有する円筒体を固定して
いる。この円筒体は、固定された本体側壁10に固定さ
れた電動機13によりピニオン4を介して回転する。ま
たスクレ−パ支柱15、15は一端を前記回転板17a
に軸15aにより回動自在に軸支され他端は前記レ−キ
支柱14の長さと同程度の長さを有し、スプリング22
により常時前記レ−キ支柱側に付勢されている。上記レ
−キ支柱14、14、スクレ−パ支柱15、15および
回転支柱16、16は一対有り、片方は本体側壁10側
のピンギヤチェ−ン3を有する円筒体を固定させている
が、他方は本体側壁11側に有り、ピンギヤチェ−ン3
を有さない円筒体(図示せず)を固定させる。本体側壁
10側のレ−キ支柱14、14と本体側壁11側のレ−
キ支柱14、14間には後述するレ−キ2、2が軸17
方向に摺動自在に支持され、本体側壁10側のスクレ−
パ支柱15、15と本体側壁11側のスクレ−パ支柱1
5、15間には後述するスクレ−パ6、6が固定される
【0008】ゴミ24の侵入を防ぐスクリ−ンバ−1、
1・・・ は図2に示す如く、水路幅を塞ぐように設置され
た水路用除塵機の水路底8a近傍に設けられたスクリ−
ンバ−固定具12に一端を固定され、図1に示す如くゴ
ミ貯蔵箱23近傍に設けられたスクリ−ンバ−固定具1
2と同様な固定具(図示せず)に他端を固定される。ス
クリ−ンバ−1、1・・・ 間の設置幅は要望により異なる
が約2〜10cmが適当である。
【0009】図3は本発明の1実施例を示す図であり、
本発明のレ−キ2、2・・・ がスクリ−ンバ−1、1・・・
間を軸17方向へ摺動する状態を示している。レ−キ支
柱14は孔14aを有するコ字状の不錆金属であり、こ
のコ字状内をレ−キ本体2dに軸支されたロ−ラ18、
19が転動し、更にレ−キ支柱14の孔14aを通して
レ−キ本体2dの軸20に回動自在に軸支されたロ−ラ
21が本体側壁10、11に設けられたカムレ−ル5、
5内を転動することによりレ−キ本体2dが軸17方向
へレ−キ支柱14の回転に伴なって移動する。図3にお
いては、レ−キ本体2dとレ−キ2、2・・・ は一体もの
であり、且つ、水路の流れを良くするために穴2bを設
けているが、レ−キ2、2・・・ とレ−キ本体2dとは一
体ものであると重量が重くなるため、図4に示す如くレ
−キ支持体2cに金属板によるレ−キ2aを固定させて
も良い。
【0010】本発明のスクレ−パ6を図4により説明す
る。スクレ−パ6、6・・・ はレ−キ2、2・・・ と同様に
スクリ−ンバ−1、1・・・ 間においてレ−キ2、2・・・
と同様に回転する。このスクレ−パ6、6・・・ は長方形
状の金属板でスクレ−パ支持体6aに固定されており、
スクレ−パ支持体6aは本体側壁10側のスクレ−パ支
柱15および本体側壁11側のスクレ−パ支柱15間に
設けられ、両方のスクレ−パ支柱15、15に固定され
ている。スクレ−パ支持体6aはレ−キ本体2d同様に
水路の流れを良くするため、穴(図示せず)を設けてい
る。スクレ−パ支持体6aを固定するスクレ−パ支柱1
5、15・・・ は1端を回転板17aに軸15aにより回
動自在に軸支されており、スプリング22により常時レ
−キ支柱14側に付勢されている。
【0011】次に、ゴミ貯蔵箱23について説明する。
ゴミ貯蔵箱23は本発明の水路用除塵機の後側に水路用
除塵機の幅一杯に設けられており、ゴミ貯蔵箱23とス
クリ−ンバ−1との間にはゴミ落とし板(図示せず)が
設けられている。図1に示す如く、ゴミ24がゴミ貯蔵
箱23のゴミ落下側に溜ってしまうので、これを防ぐた
め掻寄装置9を回転させゴミ24をゴミ貯蔵箱23の後
方へ移動させる。ゴミ貯蔵箱23に一杯になると、人手
によりスコップを用いて廃棄する。
【0012】上記の如く構成されているので、水路より
流入する刈り草、枝葉、ジュ−ス空缶、ポリ容器等のゴ
ミ24は、水路底部も含めて本発明の水路用除塵機のス
クリ−ンバ−1、1・・・ により塞き止められ、図1に示
す如く水路底位置において徐々にスクリ−ンバ−1、1
・・・ 表面より外部へ突出するように構成されたレ−キ
2、2・・・ により持ち上げられ、スクリ−ンバ−1の円
周状の表面に添って後方へ移動する。この時にスクレ−
パ6、6・・・ が常時レ−キ面に摺接するため、持ち上げ
られたゴミ24が落下するのを防いでいる。ゴミ貯蔵箱
23近くにレ−キ2、2・・・ が回転してくると、カムレ
−ル5によりレ−キ2、2・・・ が軸17方向へ引き込む
ので、摺接しているスクレ−パ6、6・・・ によりゴミ2
4は掻き落とされ、ゴミ落とし板に添ってゴミ貯蔵箱2
3に溜めることができる。
【0013】
【発明の効果】以上が本発明に係る水路用除塵機の実施
の形態であるが、本発明によれば次のような顕著な効果
を上げることができる。 1)従来困難と思われていた低水路にも用いることがで
きる除塵機を提供することができる。 2)スクリ−ンバ−を水路底まで完全に接地させる構成
を有するため、スクリ−ン目幅以上のゴミを完全に阻止
できる。 3)カムレ−ルを利用し、レ−キが後方回転時および下
部回転時にはスクリ−ンバ−の内側に移行する構成のた
め、レ−キが水路底に接触することがない。このため、
既設水路底部を改造することなしに本発明の水路用除塵
機を設置することができる。 4)駆動にはピンギヤチェ−ンを円筒体に取付け、サイ
クロ減速機付き電動機のピニオンにより直接回転させる
ため、効率が良く、比較的小容量の電動機を用いること
ができる。 5)工場にて一体化した除塵機を現場に搬入できるた
め、据付け工事を短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水路用除塵機の除塵機構を示す垂直断
面図。
【図2】本発明の水路用除塵機の水路入口側より見た要
部正面図。
【図3】本発明の水路用除塵機のレ−キの駆動機構を示
す説明用斜視図。
【図4】本発明の水路用除塵機のレ−キとスクレ−パと
の機構を示す説明図。
【符号の説明】
1 スクリ−ンバ− 2 レ−キ 2a レ−キ 2b 穴 2c レ−キ支持体 2d レ−キ本体 3 ピンギヤチェ−ン 4 ピニオン 5 カムレ−ル 6 スクレ−パ 6a スクレ−パ支持体 7 本体カバ− 8 水路側壁 8a 水路底 9 掻寄装置 10 本体側壁 11 本体側壁 12 スクリ−ンバ−固定具 13 電動機 14 レ−キ支柱 14a 孔 15 スクレ−パ支柱 15a 軸 16 回転支柱 17 軸 17a 回転板 18 ロ−ラ 19 ロ−ラ 20 軸 21 ロ−ラ 22 スプリング 23 ゴミ貯蔵箱 24 ゴミ 25 水路面

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端部を固定された半円周形状を有する
    複数個のスクリ−ンバ−と、各スクリ−ンバ−間を回転
    し、且つスクリ−ンバ−により形成される半円周形状表
    面より外方または内方へ出入する機構を有する複数個の
    レ−キと、当該出入するレ−キ面に弾性的に接触する機
    構を有する複数個のスクレ−パとを備えることにより、
    スクリ−ンバ−により塞き止められたゴミを前記レ−キ
    とスクレ−パにより掻揚げ掻落として除塵できることを
    特徴とする水路用除塵機。
  2. 【請求項2】 スクリ−ンバ−により形成される半円周
    形状表面より出入する複数個のレ−キの機構が、電動機
    によりピニオン、ピンギヤチェ−ンおよび円筒体を介し
    て回転するレ−キ支柱側面内をレ−キに設けたロ−ラに
    よりレ−キが移動し、且つレ−キ支柱の孔内を貫通して
    レ−キに設けた軸に取り付けたロ−ラが、水路用除塵機
    の固定された本体側壁に設けたカムレ−ル内を転動する
    ことによりレ−キの移動を制御する機構である請求項1
    に記載の水路用除塵機。
  3. 【請求項3】 レ−キ面に弾性的に接触する複数個のス
    クレ−パの機構が、回転する支柱基部に設けた回転板に
    端部を回動自在に軸支されたスクレ−パ支柱にスクレ−
    パが固定され、且つスクレ−パ支柱がスプリングにより
    レ−キ支柱に常時付勢される機構である請求項1に記載
    の水路用除塵機。
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