JP2773855B2 - 床暖房設備の施工方法 - Google Patents

床暖房設備の施工方法

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JP2773855B2
JP2773855B2 JP20961096A JP20961096A JP2773855B2 JP 2773855 B2 JP2773855 B2 JP 2773855B2 JP 20961096 A JP20961096 A JP 20961096A JP 20961096 A JP20961096 A JP 20961096A JP 2773855 B2 JP2773855 B2 JP 2773855B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温水配管方式の床
暖房設備の施工方法に関するものであり、より詳細に
は、温水配管を床暖房設備の施工面に敷設した後、温水
配管を湿式の床施工材料にて被覆し、該温水配管を床材
内に埋設する温水配管方式の床暖房設備の施工方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】温水を循環する温水パイプを使用した温
水配管方式の床暖房設備が実用に供されている。温水配
管方式の床暖房設備は一般に、温水配管を床暖房設備の
施工面に敷設し、しかる後、施工面上の温水配管を湿式
の床施工材料にて被覆し、該温水配管を床材内に埋設す
ることにより、建築物の床部分に施工される。このよう
な床暖房設備において使用される温水パイプとして、銅
材や硬質合成樹脂素材等の剛性素材からなる金属管又は
硬質プラスチック管等の剛性パイプと、EPDM系のゴ
ム、或いは、軟質樹脂等の弾性素材からなるゴム管等の
弾性パイプとが知られている。また、温水配管を被覆す
る湿式材料として、モルタル又はコンクリート等の乾燥
硬化型の湿式材料が、一般に使用される。かかる湿式材
料は、施工面上に温水パイプを配管した後に床に打設さ
れ、表面コテ押え工程及び乾燥硬化工程を経た後に、床
荷重を支持する強度を有する床面ないし床下地面を形成
する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここに、床暖房設備を
構成する温水パイプは、高温水の非通水時ないし非供給
時における常温(低温)・常圧状態と、高温水の通水時
ないし供給時に生じる高温・高圧状態とを暖房運転時に
反復する。従って、殊に弾性パイプにあっては、繰り返
す径方向及び軸方向の管壁の熱伸縮及び圧力膨張が、比
較的大きく温水パイプの管壁に生起する。かかる熱伸縮
及び圧力膨張がパイプ径方向に生じる場合、温水パイプ
の径方向熱伸縮及び圧力膨張は、床面のモルタル又はコ
ンクリート等にクラックを誘発する。また、上記熱伸縮
等がパイプ軸方向に生じる場合、温水パイプの軸方向熱
伸縮等により温水パイプの接続部位等の破損が発生し、
水漏れ等の致命的な問題を生じさせたり、或いは、温水
パイプに沿って延びる配管被覆モルタル等のクラックが
生起する。特に、建築物が半永久的構成を有する以上、
一旦施工した温水パイプの取替え作業又は改修工事等
は、実際上極めて困難であり、床暖房設備の耐久性の維
持は、極めて重要な課題である。また、床暖房設備の温
水パイプは、床面の温度分布を均一化するために、床暖
房領域の床面全域に亘って配管され、一般に比較的高い
配管密度にて床面全域に分布する。このため、床暖房設
備の施工において、床暖房設備を構成する温水パイプを
平均的ないし均一な配管密度をなして、床暖房領域全域
に配管しなればならず、この結果、配管施工作業が煩雑
化し、或いは、配管施工工程が長期化してしまう。
【0004】更に、温水配管方式の床暖房設備に関する
従来の施工方法によれば、温水配管を湿式の床施工材料
にて被覆する前に、温水配管を所定位置に位置決めし、
多数の配管の相互間隔及び相対位置を適切に保持しなけ
ればならない。この種の配管作業は、一般に、床施工材
料内に埋設される配筋(鉄筋)等に各温水パイプを結束
する作業等を伴うことから、温水パイプの被覆工程の前
になされる温水パイプの配管工程が、極めて煩雑化又は
複雑化している。また、従来の施工方法によれば、施工
面の不陸又は凹凸の影響や、温水パイプを施工面に敷設
するときに生じる温水パイプ自体の上下変位、水平変
位、変形、位置ずれ、或いは、暴れ等の不具合を補償す
るために、温水パイプを被覆する上記湿式材料を比較的
厚く打設せざるを得ない。このような温水パイプ被覆材
料の厚さの増大は、床の固定荷重又は死荷重を増大せし
めるとともに、階高を増大させるので、建築物の構造設
計及び階高設計において、建築物全体の施工費用の増大
をもたらすばかりでなく、日影規制又は高さ規制等を受
ける建築物にとって、建築物の階数の低減又は有効利用
可能な各階階高の制限として顕在化する。従って、従来
の施工方法は、建築物の設計・施工上、極めて不利であ
る。これに対し、一般に極めて薄い厚さ(例えば、20
mm乃至25mm程度以下の厚さ)に設計されるセルフ
レベリング材によって、温水パイプを被覆することによ
り、上記配管被覆材料の厚さを大きく低減し得ることか
ら、セルフレベリング材により温水パイプを被覆するこ
とが、建築物の設計・施工上、望ましい。しかし、上記
弾性パイプからなる温水配管は、パイプ自体の柔軟性に
より設計・施工上の配管経路及び配管敷設位置等の自由
度を所望の如く向上させる反面、セルフレベリング材の
流し延べ工程において作業員が温水パイプ上に載り、温
水パイプを局所的に踏むので、温水パイプが施工時に局
部的に変形したり、或いは、局部的に圧搾してしまう虞
がある。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなれたもの
であり、その目的とするところは、温水配管の管壁の温
度変化及び管内圧力の変動に伴って生じる温水配管の径
方向及び軸方向の熱伸縮及び圧力膨張を抑制し、温水配
管の耐圧性及び耐久性を向上させるともに、温水配管を
被覆するセルフレベリング材のクラックを確実に防止す
ることができ、しかも、温水パイプの配管工程およびセ
ルフレベリング材の流し延べ工程の施工を簡素且つ短期
化することができる床暖房設備の施工方法を提供するこ
とにある。本発明は又、施工面に対する温水配管の位置
決め固定作業を大幅に簡素化し、しかも、温水パイプの
柔軟性による設計・施工上の配管経路及び配管敷設位置
の自由度を確保するとともに、施工時の温水パイプの適
切な柔軟性と、局部的な耐変形強度及び耐圧搾強度とを
所望の如く両立させることができる床暖房設備の施工方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成すべく、温水配管を床暖房設備の施工面に敷設した
後、該温水配管を湿式の床施工材料にて被覆し、前記温
水配管を床材内に埋設する温水配管方式の床暖房設備の
施工方法において、前記温水配管は、一体成形により伸
縮防止材(3c)を弾性素材内に埋設してなる複数の弾性温
水パイプ(2c)と、軸方向に延びる前記温水パイプ(2c)同
士を相互連結するベースシート(10)とにより構成される
ヒータユニット(H1,H2) からなり、前記伸縮防止材(3c)
は、非連続となる多数の細い糸材からなり、該糸材は、
前記温水パイプ(2c)の耐圧性を高めるように、該温水パ
イプ(2c)の横断面において温水パイプ(2c)の管壁の全周
に亘って分布しており、前記ベースシート(10)は、隣合
う温水パイプ(2c)の下部分同士を相互連結し且つ施工面
(23)に敷設可能な平坦な下面を備えており、前記ヒータ
ユニット(H1,H2) を前記施工面(23)上に敷設し、前記ベ
ースシート(10)の下面を前記施工面(23)に接触せしめ、
該ヒータユニット(H1,H2) を前記施工面(23)上に位置決
めすることにより、前記ヒータユニット(H1,H2) の各温
水パイプ(2c)を所定位置に配管し、前記施工面(23)上の
前記ヒータユニット(H1,H2) の各温水パイプ(2c)を覆う
ように、セルフレベリング材(24)を前記ヒータユニット
(H1,H2) の上から流し延べ、前記ヒータユニット(H1,H
2) を前記セルフレベリング(24)材内に埋設し、該セル
フレベリング材(24)にて前記ヒータユニット(H1,H2) を
被覆するとともに、前記セルフレベリング材(24)によっ
て床仕上面又は床仕上材の下地面(25)を構成する平坦な
床面(25)を形成することを特徴とする床暖房設備の施工
方法を提供する。
【0007】
【作用】本発明に係る上記床暖房設備(20)によれば、 弾
性を有するゴム及び/又は合成樹脂等の弾性温水パイプ
(2c)内には、伸縮防止材(3c)が、一体成形により埋設さ
れる。伸縮防止材(3c)は、弾性素材内に埋設された短繊
維の如く、非連続の多数の細い糸材からなり、多数の細
い糸材は、温水パイプ(2c)の耐圧性を高めるべく、温水
パイプ(2c)の横断面において温水パイプ(2c)の管壁の全
周に亘って分布する。従って、温水パイプ(2c)に対する
高温水の通水/非通水による温水パイプ管壁の温度変化
及び管内圧力の変動に伴って、温水パイプ(2c)の径方向
及び軸方向の熱伸縮及び圧力膨張等が生じ得るとき、上
記構成の床暖房設備は、弾性素材に対する伸縮防止材(3
c)の伸縮防止作用ないし膨張防止作用により、径方向及
び軸方向の双方向における温水パイプ(2c)の伸縮又は膨
張を抑制し、これにより、温水パイプ(2c)及びその接続
部位等の破損や、セルフレベリング材(24)のクラックの
誘発等を確実に防止する。また、上記糸材を混入した弾
性温水パイプ(2c)は、全体的な柔軟性により、設計・施
工の配管自由度を依然として維持するにもかかわらず、
セルフレベリング材の打設時に作用する局所的な作業員
の踏圧に耐える局部的な耐変形強度及び耐圧搾強度を発
現する。更に、上記構成によれば、複数の並列配管(温
水パイプ)の下部分同士が、上記ベースシート(10)にて
相互連結されるとともに、施工面(23)に敷設可能な平坦
な下面を備えたベースプレート(10)が、施工面(23)に対
する上記ヒータユニット(H1,H2) の位置決め手段として
機能するので、多数の温水配管を高密度且つ実質的に均
等に施工面全域に敷設する配管敷設作業を大幅に簡素化
し且つ短期化し、しかも、各温水パイプの相対位置又は
相対間隔を容易に確保し得るので、配管の結束作業等の
省略を可能し、施工面に対する温水配管の位置決め固定
作業を大幅に簡略化ないし簡素化するとともに、引き続
くセルフレベリング材の流し延べ工程における温水パイ
プ(2c)の浮動、相対変位又は不陸等を確実に防止し、一
般に極めて薄い厚さ(一般に20乃至25mm程度以下
の厚さ)に設計・施工されるセルフレベリング材の流し
延べ工程を円滑に施工することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態によれ
ば、上記温水パイプ(2c)と上記ベースシート(10)との境
界部分には、該温水パイプ(2c)とベースシート(10)とを
容易に分離可能な薄肉部分が形成されており、上記ヒー
タユニット(H1,H2) は、所要により上記薄肉部分にて分
割される。かかる構成によれば、温水パイプ(2c)の集合
体として構成されるヒータユニット(H1,H2) は、所望の
本数の温水パイプ集合体として施工時に容易に分割する
ことができるので、ヒータユニット(H1,H2) を構成する
所望の温水パイプ本数の選択自由度及び汎用性を確保し
得るばかりでなく、資材の運搬及び現場搬入時の積載効
率や、作業効率を大幅に向上させることができる。更に
好ましくは、上記糸材は、上記温水パイプ(2c)の管壁内
に一体的に埋設された短繊維からなり、上記ヒータユニ
ット(H1,H2) は、上記温水パイプ(2c)及びベースシート
(10)の基材と上記短繊維とを一体成形してなる一体的な
ベースプレート付きパイプ集合体からなり、該短繊維
は、上記温水パイプ(2c)の管壁の全周に亘って該管壁に
混入される。好適には、上記温水パイプ(2c)及びベース
シート(10)の基材は、ゴムである。本発明の或る好適な
実施形態において、上記施工面は、床基板(21)上に敷設
された断熱材(23)の上面からなる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の好適な実施例に係る床暖房
設備の施工方法について、図面を参照して詳細に説明す
る。第2図は、本発明に係る床暖房設備の施工方法にお
いて使用される温水配管の基本構造を例示する断面図で
ある。温水配管1cは、伸縮防止材3cを含む温水パイ
プ2cにより構成され、温水パイプ2c内の伸縮防止材
3cは、短繊維の如く、多数の細い糸材からなる。多数
の細い糸材は、第2図に示すように、温水パイプ2cの
横断面において温水パイプ2cの管壁の全周に亘って分
布しており、温水パイプ2cの耐圧性を高める。なお、
温水パイプ2cの管壁は、多数の上記糸材を含む一体的
な軟質合成樹脂により所定の厚さに一体成形されてい
る。上記細い糸材は、温水パイプ2cの管壁内に非連続
に分散し、例えば、個々の糸材の長さは、数μm〜数m
mに選定し得る。伸縮防止材として、耐熱性及び耐伸縮
性に強く、しかも、薬品等に強い短繊維素材を好ましく
使用し得る。温水配管1cは、かかる糸材の伸縮防止材
3cを含むことにより、温水パイプ2cの熱膨張・伸縮
及び圧力膨張を抑制され、温水パイプ2cの耐圧性及び
耐久性は、かなり高められる。また、温水パイプ2cの
管壁は、伸縮防止材3cを含むことにより補強され、局
所的な作業員の体重又は踏圧等に耐え得る局部的な耐変
形強度及び耐圧搾強度を発揮することができる。なお、
第2図は、伸縮防止材3cを管壁に埋設してなる温水パ
イプ2cの製作形態を例示するためのものであり、従っ
て、本発明の変形例に係る実施形態の適用を妨げるもの
ではない。例えば、断熱材層等を温水パイプ2cの外周
に更に積層し、保温性能を向上させ、或いは、実質的に
保温を要しない温水パイプ2cを形成しても良い。
【0010】第3図〜第5図は、上記温水配管1cと実
質的に同一の構造を備えた温水配管1a、1bを有する
ヒータユニットH1、H2の構造を示す概略断面図であ
る。第3図に示すヒータユニットHlは、一対の温水配
管1a(温水パイプ2c)及び温水配管1b(温水パイ
プ2c)と、第3図に図示する如く温水配管1a、1b
の下部分同士を相互連結するベースシート10とからな
る集合管構造を備えており、所謂ペアチューブを構成す
る。ベースシート10は、施工面に対する接着機能、放
熱及び拡散機能、位置決め機能を有する。なお、各温水
配管1a、lb及びベースシートl0は、第3図に示す
如く、各温水配管1aの下部管壁とベースプレート10
の縁部との境界部分を薄肉形成することにより、 必要に
応じて切離すことができるように構成される。
【0011】このような集合管構造を備えたヒータユニ
ットH1によれば、温水配管1a及び温水配管1bの相
互間隔及び相対位置は、ベースプレート10により所定
間隔及び所定位置に固定される。従って、上記ベースプ
レート10に固定された温水配管1a、1bは、コンク
リート内の鉄筋等に対する配管の結束作業を要しない。
また、 第4図に示すヒータユニットH2は、多数の上記
温水配管1aの各下部分同士をベースシート10にて相
互連結した集合管構造を備えており、 所謂チューブロー
ルとして構成されている。第4図に示すヒータユニット
H2も又、第3図に示すペアチューブと同様に、 必要に
応じて温水配管1aとベースシート10とを分離可能な
薄肉部分を備える。なお、参考として、単一の温水配管
1aに対して上記ベースシート10、 10を両側に配設
してなる配管構造が、第5図に例示されている。
【0012】次に、上記ヒータユニットH1、H2によ
る床暖房設備の配管施工方法について、第1図を参照し
て説明する。第1図は、本発明の実施例に係る施工方法
に従って施工された床暖房設備の全体構造を示す断面構
成図である。第1図に示す如く、断熱材23が、鉄筋2
2を配筋した基礎コンクリート等の床基版21上に敷設
され、上記ヒータユニットH2を含む床暖房設備20
が、施工面を構成する断熱材23の上面に配設される。
即ち、 上記ヒータユニットH2は、断熱材23の上面に
敷設され、セルフレベリング材24が、上記ヒータユニ
ットH2の上方域から流し延べられ、セルフレベリング
材24は、ヒータユニットH2を覆うとともに、 セルフ
レベリング材の自己平滑機能又は自己水準機能により平
坦な上面、即ち、床面25を形成する。なお、床面25
は、一般に、床仕上材料の下地面を構成するが、直仕上
工法の場合には、床仕上面を構成する。また、本例にお
いては、セルフレベリング材24の割れ(クラック)の
発生を更に確実に防止するために、割れ防止用補強ネッ
ト26が、セルフレベリング材24内に埋設される。か
くして、建築物の床暖房設備として機能する床暖房設備
20が、建築物の床部分に形成され、床暖房設備20
は、各温水配管1aに対する温水の通水ないし供給によ
り、床表面を加熱又は加温し、床仕上面又は室内の暖房
負荷対象との熱交換作用を発揮する。
【0013】以上説明した如く、上記構成の床暖房設備
20の施工方法によれば、施工面(本例では、断熱材2
3の上面)上に敷設されるヒータユニットH1、H2
は、伸縮防止材3cを弾性温水パイプ2c内に一体成形
にて埋設してなる温水配管1(1a、1b、1c)の集
合管構造を有し、伸縮防止材3cは、管壁の弾性素材内
に埋設された非連続の多数の細い糸材からなり、温水パ
イプ2cの耐圧性を高めるべく、温水パイプ2cの横断
面において温水パイプ2cの管壁の全周に亘って分布す
る。従って、温水パイプ2cに対する高温水の供給/非
供給によるパイプ管壁の温度変化及び管内圧力の変動に
伴って、温水配管1の径方向及び軸方向の熱伸縮及び圧
力膨張等が生じるとき、上記構成の床暖房設備20は、
伸縮防止材3cの伸縮防止作用ないし膨張防止作用によ
り、径方向及び軸方向の双方向における温水配管1の伸
縮又は膨張を抑制し、これにより、温水配管1及びその
接続部位等の破損や、これに伴う水漏れ事故等の発生を
確実に阻止するとともに、セルフレベリング材24のク
ラックの誘発を好適に防止する。また、ヒータユニット
H1、H2は、温水パイプ2cの柔軟性により、所望の
配管経路及び配管敷設位置に比較的自由に敷設し得る反
面、伸縮防止材3cにて補強された上記温水パイプ2c
の管壁は、局所的な作業員の踏圧等に耐え得る局部的な
耐変形強度及び耐圧搾強度を発揮するので、セルフレベ
リング材24の流し延べ工程において作業員の体重等に
より生じる温水配管1の潰れ等は、確実に防止される。
【0014】更に、上記構成によれば、複数の並列配管
(温水パイプ2c)の下部分同士が、ベースシート10
にて相互連結されるとともに、断熱材23に敷設可能な
平坦な下面を備えたベースプレート10が、断熱材23
に対する上記ヒータユニットH1、H2の位置決め手段
として機能する。従って、多数の並列な温水配管1(1
a、1b)を施工面に敷設する配管敷設作業が、大幅に
簡素化されるばかりでなく、施工面に対する多数の温水
配管1の位置決め固定作業が、容易且つ簡易な施工によ
り実施可能となるので、引き続くセルフレベリング材の
流し延べ工程における温水配管1の浮動、相対変位又は
不陸等が、確実に防止され、一般に極めて薄い厚さに設
計されるセルフレベリング材の流し延べ工程が、円滑に
施工される。しかも、このようにして施工された温水配
管1は、床面に均等な相互間隔及び相対位置を確保しつ
つ、実質的に均一且つ高度な配管密度にて床暖房領域の
全域に分布する。
【0015】以上、本発明の好適な実施例について詳細
に説明したが、 本発明は、上記実施例に限定されるもの
ではなく、細部の構成、形状、数量、素材等において本
発明の要旨を逸脱しない範囲内において任意に変更し得
るものである。例えば、上記実施例においては、弾性温
水パイプの素材として合成樹脂を例示したが、EPDM
系等のゴムにより上記構成の弾性温水パイプを成形して
も良い。また、短繊維の糸材を合成ゴム及び/又は合成
樹脂内に混合してなる基材(ペレット)を押出成形機に
て連続押出成形することにより、上記構成の温水パイプ
ヒータないしヒータユニットを製造しても良い。
【0016】
【発明の効果】このように、 本発明に係る床暖房設備の
施工方法によれば、温水配管の管壁の温度変化及び管内
圧力の変動に伴って生じる温水配管の径方向及び軸方向
の熱伸縮及び圧力膨張を抑制し、温水配管の耐圧性及び
耐久性を向上させるともに、温水配管を被覆するセルフ
レベリング材のクラックを確実に防止することができ、
しかも、温水パイプの配管工程およびセルフレベリング
材の流し延べ工程の施工を簡素且つ短期化することがで
きる床暖房設備の施工方法を提供することが可能とな
る。しかも、本発明の施工方法によれば、施工面に対す
る温水配管の位置決め固定作業を大幅に簡素化し、しか
も、温水パイプの柔軟性による設計・施工上の配管経路
及び配管敷設位置の自由度を確保するとともに、施工時
の温水パイプの適切な柔軟性と、局部的な耐変形強度及
び耐圧搾強度とを所望の如く両立させることができる床
暖房設備の施工方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る施工方法に従って施工さ
れた床暖房設備の全体構造を示す床暖房設備の断面図で
ある。
【図2】本発明に係る床暖房設備の施工方法において使
用される温水パイプの基本構造を示す断面図である。
【図3】図2に示す構造の温水配管を備えたヒータユニ
ットの構成を示す概略断面図である。
【図4】図2に示す構造の温水配管を多数備えたヒータ
ユニットの構成を示す概略断面図である。
【図5】図2に示す構造の温水配管を備えたヒータユニ
ットの構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c:温水配管 2c:温水パイプ 3c:伸縮防止材 10:ベースシート 20:床暖房設備 23:断熱材 24:セルフレベリング材 25:床面 H1、H2:ヒータユニット

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温水配管を床暖房設備の施工面に敷設し
    た後、該温水配管を湿式の床施工材料にて被覆し、前記
    温水配管を床材内に埋設する温水配管方式の床暖房設備
    の施工方法において、 前記温水配管は、一体成形により伸縮防止材(3c)を弾性
    素材内に埋設してなる複数の弾性温水パイプ(2c)と、軸
    方向に延びる前記温水パイプ(2c)同士を相互連結するベ
    ースシート(10)とにより構成されるヒータユニット(H1,
    H2) からなり、前記伸縮防止材(3c)は、非連続となる多
    数の細い糸材からなり、該糸材は、前記温水パイプ(2c)
    の耐圧性を高めるように、該温水パイプ(2c)の横断面に
    おいて温水パイプ(2c)の管壁の全周に亘って分布してお
    り、前記ベースシート(10)は、隣合う温水パイプ(2c)の
    下部分同士を相互連結し且つ施工面(23)に敷設可能な平
    坦な下面を備えており、 前記ヒータユニット(H1,H2) を前記施工面(23)上に敷設
    し、前記ベースシート(10)の下面を前記施工面(23)に接
    触せしめ、該ヒータユニット(H1,H2) を前記施工面(23)
    上に位置決めすることにより、前記ヒータユニット(H1,
    H2) の各温水パイプ(2c)を所定位置に配管し、 前記施工面(23)上の前記ヒータユニット(H1,H2) の各温
    水パイプ(2c)を覆うように、セルフレベリング材(24)を
    前記ヒータユニット(H1,H2) の上から流し延べ、前記ヒ
    ータユニット(H1,H2) を前記セルフレベリング(24)材内
    に埋設し、該セルフレベリング材(24)にて前記ヒータユ
    ニット(H1,H2) を被覆するとともに、前記セルフレベリ
    ング材(24)によって床仕上面又は床仕上材の下地面(25)
    を構成する平坦な床面(25)を形成することを特徴とする
    床暖房設備の施工方法。
  2. 【請求項2】 前記温水パイプ(2c)と前記ベースシート
    (10)との境界部分には、該温水パイプ(2c)とベースシー
    ト(10)とを容易に分離可能な薄肉部分が形成されてお
    り、 所要により前記ヒータユニット(H1,H2) を前記薄肉部分
    にて分割することを特徴とする請求項1に記載の床暖房
    設備の施工方法。
  3. 【請求項3】 前記施工面は、床基板(21)上に敷設され
    た断熱材(23)の上面からなることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の床暖房設備の施工方法。
  4. 【請求項4】 前記糸材は、前記温水パイプ(2c)の管壁
    内に一体的に埋設された短繊維からなることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1項に記載の床暖房設備の
    施工方法。
  5. 【請求項5】 前記ヒータユニット(H1,H2) は、前記温
    水パイプ(2c)及びベースシート(10)の基材と前記短繊維
    とを一体成形してなる一体的なベースプレート付きパイ
    プ集合体からなり、該短繊維は、前記温水パイプ(2c)の
    管壁の全周に亘って該管壁に混入されていることを特徴
    とする請求項4に記載の床暖房設備の施工方法。
  6. 【請求項6】 前記温水パイプ(2c)及びベースシート(1
    0)の基材は、ゴムであることを特徴とする請求項5に記
    載の床暖房設備の施工方法。
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