JP2768807B2 - 薄帯鋼板の製造方法 - Google Patents

薄帯鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は鋼板の製造方法に関し、詳しくは、熱間圧延
工程を省略もしくは簡略化して、連続鋳造鋳片から直接
に、強度−延性バランス等の従来の熱延鋼板で必要とさ
れる機械的性質の優れた鋼板を製造する方法に関するも
のである。
(従来の技術) 近年、連続鋳造機の著しい開発により、鋳片の薄手化
が図られ、従来の熱延工程の省略、簡略化が進みつつあ
る。またこのような薄手化は熱延工程に於けるコスト低
減の観点から注目されている。
しかしながら、最終板厚に近い鋳片からの製造工程で
は、従来の熱延工程のような大きな圧下量が取れないた
め、一般にはフェライト組織が粗大化し、十分な機械的
性質を満足し得ないことが問題点として指摘されてい
る。ちなみに従来工程に於ける熱延圧下率は最低80%と
言われている(橋本嘉男:鉄と鋼72(1986),p.226
3)。
上記の組織の粗大化の原因は、オーステナイトからフ
ェライトに変態する際、オーステナイト組織が粗大なま
まで、その粒界面積が少なく、また変形帯などの欠陥が
少ないため、フェライトの核生成サイトが少ないことに
よる。
このような問題点に対し、近年、酸化物などをフェラ
イトの変態核としてオーステナイトの粒内からも積極的
に変態を行わせる粒内フェライトの活用が厚板鋼板を中
心に検討されている(例えば特開昭61−213322号公
報)。
但し、この方法はその核となる酸化物や析出物を均一
分散させるなどの組織制御の点から成分管理や溶解条件
が難しく、またオーステナイト粒界から生成するフェラ
イトサイドプレートやベイナイトなどが変態時に競合す
るため均一な組織になりにくい。また粒内フェライト組
織そのものが極めて針状のウイッドマンシュテッテンフ
ェライトになり易く、靭性に対しては極めて有効なもの
の、延性や疲労特性などの機械的性質に対してはあまり
その効果はない。またこの技術の最大の問題点はオース
テナイト時の圧下によって上記の組織の不均一化が助長
されることにあり、局部的な現象が重要な延性などには
極めて不利である。
一方、薄鋳片に於ける組織の粗大化に対する、別のア
プローチとしては特開昭61−99630号や特開昭63−62822
号公報などに開示されているインラインでの再熱処理法
が挙げられる。但しこれらはプレス成形性に優れた深絞
り用冷延鋼板を前提としており、いわば冷延素材を得る
ための熱延代替プロセスとして検討されたものである。
そのため、再熱処理によるフェライトからオーステナ
イトへの逆変態の効果も鋳造組織に特有の(100)集合
組織をいかにランダム化するかに焦点が絞られており、
熱延終了時相当における、鋼板の機械的性質については
何も言及されていない。
(発明が解決しようとする課題) 熱間圧延工程を省略もしくは簡略化して、連続鋳造鋳
片から直接に、強度−延性バランス等の従来の熱延鋼板
で必要とされる機械的性質の優れた鋼板を製造する方法
を確立することが、本発明の目的である。
(課題を解決するための手段) 強度−延性バランスや疲労特性などの優れた機械的性
質を有する熱延鋼板に共通して見られる金属組織学的特
徴は、組織が微細であり、均一であり、そして一つ一つ
の結晶粒がポリゴナルであることである。すなわち薄鋳
片から出発するような簡略プロセスにおいても、最終的
にオーステナイトから変態した組織が微細なポリゴナル
フェライト主体となれば必要とする機械的性質を満たす
こととなる。
本発明者らは、上記の実情に鑑み鋭意検討した結果、
従来技術として検討されている粒内フェライト変態のみ
によっては完全なポリゴナルフェライト組織のみを生成
させることが不可能であるとの結論に達した。
また逆変態を付加するプロセスにおいても、その繰り
返し熱処理による細粒化効果は前組織の影響を強く受け
継ぎ、特に前組織が通常の凝固組織のような粗大なフェ
ライト組織では、わずか一回の逆変態によりオーステナ
イト化させ再度二次冷却によりフェライト変態させて
も、その粒径の変化はそれほどないことを確認した。
この後者の現象については特開昭63−115654号公報に
おいても確認されており、発明者らは繰り返し熱処理を
2回以上することが必要としている。
しかしながら、本発明者らはこのような種々の問題点
を回避して、わずか一回の逆変態を付加するのみで微細
なポリゴナルフェライト組織を得るプロセスを種々の実
験により見いだしたのである。
その基本となる原理は、第1図に示すような熱履歴で
フェライトからオーステナイトへの逆変態を行う際、そ
の初期フェライト組織を粒内フェライト組織にすること
にある。
すなわち本発明は、成分及び初期フェライト変態の際
の一次冷却条件を制御することで、凝固からの粗大なオ
ーステナイト組織を粒内フェライトにより一旦微細組織
としておき、その後、逆変態を行わせることにより、微
細なオーステナイト組織を形成せしめるところにその特
徴があり、この結果、本発明によれば最終的な二次冷却
により得られるフェライト組織が微細となり、なおかつ
組織が不均一化、ポリゴナル化する。
このメカニズムの詳細はまだ不明であるが、粒内フェ
ライト組織がオーステナイト変態の際の極めて多数のオ
ーステナイトの核生成サイトを有していること、また粒
内フェライトの方位が各粒で異なるため、逆変態の際、
各々のフェライト粒界から核生成したオーステナイト粒
もまた方位が異なり、オーステナイト化終了時において
も微細粒を保つためと考えられる。
また本発明によれば、逆変態を付加することにより、
従来の粒内フェライト組織で問題となっていた組織の不
均一化を解消することができるため、この不均一化を軽
減するため製造上限定されていた、従来の成分条件、圧
下条件などの緩和を図ることができる。
つまり、本発明はC:0.01〜0.2%、Si:3.0%以下、Mn:
0.5〜3.0%、P:0.10%以下、S:0.003〜0.05%、Al:0.01
〜0.1%を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなる溶
鋼を連続鋳造にて鋳造後、Ae3変態点以上のオーステナ
イト域で無加工もしくは全圧下量で80%以下の一次加工
を施した後、Ae3変態点から平均冷速5℃/s以上で600℃
もしくは(1)式を満たす温度T1の内どちらか高い方の
温度以下まで一次冷却し、粒内フェライト組織を形成せ
しめ、変態が完全に完了した後再びAe3変態点以上まで
加熱しオーステナイト単相組織とし、再度二次冷却する
ことで得られる、異方性が少なくなおかつ微細なポリゴ
ナルフェライト組織よりなる、強度−延性バランス、靭
性、疲労特性、穴広げ性が優れた薄帯鋼板の製造方法で
ある。
T1=Ae3−2000×C(wt%) (1) 又通常の成分としてNb,Ti,V,Ni,Cr,Mo,Bの内1種また
は2種以上を1.0%以下含有する鋼を用いることができ
る。
まず、本発明における化学成分の限定理由について述
べる。
Cはオーステナイトからフェライトへの変態におい
て、その組織形態を決定する最も重要な元素であり、本
発明のように初期の変態組織としてウイッドマンシュテ
ッテンフェライトを安定に得るためには、その下限を0.
01%とする。またその上限としては溶接性を劣化させる
ことのないよう0.2%とする。
Siは鋼の強度−延性バランスを劣化させずに高強度化
するために添加すると共に、変態点を上げてフェライト
の析出を促進させる働きを持つ。しかし過度の添加は延
性及び表面性状の劣化をきたすため、その上限を3.0%
とする。
MnはCと同様、鋼の高強度化を目的に添加される元素
であると共に、粒内フェライト組織形成のために必要不
可欠な元素である。すなわちこれは後述するSと鋼中で
MnSを形成し、Al,SiやMnなどの鋼中の酸化物構成元素よ
り形成される酸化物上に優先的に析出することにより、
有効なフェライトの析出核となり、粒内フェライト変態
を促進させる。このため添加量の下限はこの効果が明瞭
に現れる0.5%とし、また上限については製鋼工程にお
ける組成制御のコストが低く抑えられ、また加工性を劣
化させることのないように3.0%とする。
Pも鋼を高強度化するために添加する元素であるが、
過度の添加は延性及び溶接性を劣化させるため、その上
限を0.10%とする。
SはMnと同様、本発明において重要な役割を果たすMn
Sの構成元素である。しかし過度の添加は熱間割れの原
因となるため、その上限を0.05%とし、また下限につい
ては脱硫コストの上昇などの問題から0.003%とする。
Alは鋼の脱酸のために必要であり、本発明においては
その下限を0.01%とする。一方、過剰の添加はコストの
上昇を招くと共に、鋼中に介在物として残留し割れなど
の原因となることからその上限は0.1%とする。
Nb,Ti,V,Ni,Cr,Mo,Bは鋼の強度を高めるなどの目的で
添加される。特にTi,Vなどは粒内フェライト変態促進元
素としても高い効果がある。このため本発明において
は、これらの元素の内1種または2種以上を1.0%以下
の範囲で添加してもよい。
次に製造方法について述べる。
本発明においては、以上述べたような成分の鋼を連続
鋳造後、鋳造ままもしくはAe3変態点以上の温度におい
て全圧下量で80%以下の一次加工を施した後、最初のフ
ェライト変態を行う。ここで加工量に上限を設けたの
は、これ以上の圧下を行うことは従来の熱延工程と冶金
組織学的にも、また設備コスト及び製造コストの上でも
何ら差異がなくなるためである。一方、鋳片の表面性状
を整えるなどの目的で行われる軽圧下は、すべてこの圧
下量に含まれる。
次に本発明で最も重要な一次冷却条件は、Ae3変態点
から平均冷速5℃/s以上で600℃もしくは(1)式を満
たす温度T1の内どちらか高い方の温度以下まで冷却しな
ければならない。なぜならば上記のAe3から600℃もしく
はT1までの温度範囲は通常の熱延工程におけるフェライ
ト変態開始温度、すなわちオーステナイト粒界や変形帯
などからのいわゆる粒界フェライトと呼ばれる組織の成
形温度にあたり、本発明のように最初の変態において粒
内フェライト組織とする場合、これらの粒界からのフェ
ライト生成は組織の粗大化、および不均一化を招くから
である。
また通常、粒内フェライトの生成温度はT1近傍であ
り、ここまでの急冷はフェライト変態の駆動力を増大さ
せる効果を持つ。ただしこの温度が600℃を超える場合
はベイナイト組織の生成が起こるため、600℃以下まで
のオーステナイト域からの直接の急冷は好ましくない。
さて、本発明法によればこれらの限定温度まで冷却
後、その温度近傍で数分間保持するか、さらに低温まで
冷却することによって容易に粒内フェライト変態を完了
させることができる。なお特に限定はしないがオーステ
ナイト域で加工を行った場合、無加工状態と比較して粒
界フェライトが生成し易くなるため、ここでの冷却速度
はより高めが望ましい。
つづいて本発明ではこの状態から再度加熱しオーステ
ナイト化するが、その際初期の粒内フェライト組織への
変態は完全に終了していなければならない。これはオー
ステナイト化の初期に残留のオーステナイト組織がある
と、新たなオーステナイトの核生成が行われにくくなる
ためである。
また同等の理由により、オーステナイト化する際にも
完全に粒内フェライト組織が消滅するまで加熱すること
が望ましい。ただし限定はしないが、オーステナイト化
終了時にできるだけ微細組織とするためには、その昇温
速度は大きく、また加熱終了温度やその温度での保定等
もできるだけ低くまた短くすることが望ましい。
このような工程で得られた微細なオーステナイト組織
は、従来の圧延による再結晶を繰り返した結果得られる
組織と基本的な差異はない。すなわちこの時点でオース
テナイトの粒界面積は従来工程材とほとんど変わりはな
くなっている。よって本発明においてもこのオーステナ
イト化終了後、再度二次加工として圧延を施し、再結晶
によりさらなる微細化をしたり転位や変形帯を導入し
て、続く二次冷却時のフェライト変態のサイトを増大さ
せることも可能である。
またこの二次冷却条件も特に従来熱延工程と異なるも
のではない。すなわちここでの冷却条件および巻取り条
件を適宜選ぶことにより、本発明の成分条件内で、微細
なポリゴナルフェライト組織のみとすることはもちろ
ん、フェライトとベイナイトやマルテンサイトやパーラ
イトなどとの混合組織を従来工程同様作り分けることが
可能となり、各種の機械的性質を満足する鋼板の製造が
可能となる。
(実 施 例) 実施例 1 重量%で、C:0.10、Si:0.50、Mn:1.42、P:0.008、S:
0.011、Al:0.034、残部Fe及び不可避的不純物からなる
鋼を転炉出鋼し、連続鋳造にて3〜50mmの薄鋳片とし
た。なおこの成分から推定されるAe3温度は839℃、また
(1)式から計算される定1温度は639℃である。
続いて第1図に示すような熱履歴で、第1表に示すよ
うな圧下・冷却及び加熱を行い、鋳片の板厚を3mmとし
た。熱履歴の内、一次加工温度は1000℃、オーステナイ
ト化のための昇温速度は5℃/s、二次加工は行わず、二
次冷却条件は900〜600℃を7℃/sとし、600℃で巻取っ
た。また最初の冷却停止温度Tc及び加熱終了温度Thでそ
れぞれ2minの保定を行った。
鋼板は酸洗後、以下の機械試験を行った。1)JIS Z
2201,5号試験片に加工し、同2241記載の試験方法に従っ
て引張試験に供し、降伏強度・引張強度・全伸びを測定
した。2)JIS Z 2202,4号試験片(2.5mm)に加工し、
同2242記載の試験方法に従ってシャルピー衝撃試験に供
し、破面遷移温度を測定した。3)JIS Z 2275,1号試験
片に加工し、記載の試験方法に従って疲労試験に供し、
両振り引張時の疲労強度を測定した。4)伸びフランジ
性の評価として初期穴径10mmでの打ち抜き穴広げ試験に
供し、クラックが板厚を貫通した時点での平均穴径を初
期穴径で除した値、いわゆる穴広げ比を測定した。
第2表に光学顕微鏡組織観察結果およびこれらの機械
試験の結果を示す。
本発明条件のNo.1,4,6では組織が微細で均一なポリゴ
ナルフェライトよりなっているため、強度−延性バラン
スは1800以上と高く、また靭性もvTrsで−50℃以下、疲
労特性も疲労限で0.5以上、穴広げ特性も穴広げ比で2.0
以上といった、この成分系を用いて従来熱延工程で製造
される鋼板の最高レベルの特性が得られている。
一方、No.2は一次冷却時の冷速が遅かったため、均一
な粒内フェライト組織が得られず、これがその後の再加
熱−二次冷却によっても解消されなかったために、強度
−延性バランス、及び穴広げ比が劣っている。
またNo.7は圧下量が80%を超えたため、一次冷却時の
組織が粒内フェライト主体と言うよりむしろ粒界フェラ
イト主体となってしまっており、中途半端な初期組織か
らオーステナイト比が進行した結果、オーステナイトも
粗粒となり、最終組織も微細にならなかったものと思わ
れる。このため特に靭性、疲労特性の点で劣っている。
さらにNo.3,5,8は一次冷却及び加熱時にその下限,上
限温度が本発明条件から外れていたため、それぞれフェ
ライト変態が終了していなかったり、オーステナイト単
相組織まで至らず、組織が不均一化している。特にNo.5
では再熱の効果が全く組織に反映されておらず、この材
料の特性値は粒内フェライト組織そのものの持つ特性と
一致している。すなわち強度、靭性などは優れているも
のの、伸び、穴広げ特性は劣っている。
実施例 2 第3表に示した化学成分の鋼を転炉出鋼し、連続鋳造
にて6mmの薄鋳帯に鋳造後、オーステナイト域の1000℃
で一次加工として50%の圧下を加えて3mmの鋳片とし
た。続いて一次冷却として950〜500℃までを15℃/sで冷
却し、500℃で3min保定後、10℃/sで1000℃まで加熱
し、ただちに20℃/sで600℃までの二次冷却を施し、そ
の温度で巻取った。その後、実施例1と同じ方法にて組
織観察及び機械試験を行った。
第4表にその結果を示す。
本発明条件の成分であるNo.1,3,5,6,7は組織が微細で
均一なポリゴナルフェライトよりなっているため、強度
−延性バランスは1600以上と高く、また靭性もvTrsで−
50℃以下、疲労特性も疲労限で0.5以上、穴広げ特性も
穴広げ比で2.0以上といった、それぞれの成分系を用い
て従来熱延工程で製造される鋼板の最高レベルの特性が
得られている。
一方、No.2,8はそれぞれMn及びS量が本発明条件から
外れているために、一次冷却前に粒内フェライト変態の
核となるMnSなどの析出が十分行われず、その結果逆変
態の前の初期組織が不均一になって、最終組織にまでそ
の不均一性が持ちきたされている。このため特に伸び、
穴広げ特性が劣っている。
またNo.4はC量が低く本発明条件から外れているため
やはり初期変態組織として粒内フェライト組織となら
ず、その結果最終組織も粗大となって疲労限などが劣っ
ている。
(発明の効果) 本発明によれば、鋳片を連続鋳造後そのまま、もしく
は軽圧下を施すのみの熱延簡略もしくは省略プロセスに
おいても、従来熱延工程と同様の均一かつ微細なポリゴ
ナルフェライト組織とすることが可能であり、その結
果、従来の熱延鋼板が有する強度−延性バランス、靭
性、疲労特性、穴広げ性などの種々の機械的性質の優れ
た薄帯鋼板の製造が可能となる。
またこのような製鋼−圧延段階での新プロセスにおい
ても従来同等の鋼種の作り分けができることから、飛躍
的な生産性の向上と設備コストの低減が可能となる。
さらに本発明により製造した鋼板は、しばしば通常の
熱延材において圧延により生じる、バンド状の不均一組
織が全く見られないため、完全に等方的な組織として、
異方性が問題となるような用途、例えば曲げ加工やプレ
ス成形性に対しても極めて優れた材料と言える。
また本発明は主として熱延鋼板相当の板厚材に対して
適用されるものであるが、本発明の基本的冶金現象を用
いれば厚み50mm程度の薄鋳片から30mm程度の厚板材を製
造するような工程に対しても、その適用範囲は広げるこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の鋳造後の熱履歴を表した図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−99630(JP,A) 特開 昭63−62822(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で、 C :0.01〜0.2%、 Si:3.0%以下、 Mn:0.5〜3.0%、 P :0.10%以下、 S :0.003〜0.05%、 Al:0.01〜0.1% 残部鉄及び不可避的不純物よりなる溶鋼を連続鋳造にて
    鋳造後、Ae3変態点以上のオーステナイト域で無加工も
    しくは全圧下量で80%以下の一次加工を施した後、Ae3
    変態点から平均冷速5℃/s以上で600℃もしくは(1)
    式を満たす温度T1の内どちらか高い方の温度以下まで一
    次冷却し、粒内フェライト組織を形成せしめ、変態が完
    全に完了した後再びAe3変態点以上まで加熱しオーステ
    ナイト単相組織とし、再度二次冷却することで得られ
    る、異方性が少なくなおかつ微細なポリゴナルフェライ
    ト組織よりなることを特徴とする薄帯鋼板の製造方法。 T1=Ae3−2000×C(wt%) (1)
  2. 【請求項2】通常の成分としてNb,Ti,V,Ni,Cr,Mo,Bの内
    1種または2種以上を1.0%以下含有する鋼を用いる特
    許請求の範囲第1項記載の薄帯鋼板の製造方法。
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