JP2768569B2 - ロストモーション補正機能を有する数値制御装置 - Google Patents

ロストモーション補正機能を有する数値制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーボコントロールを
行なう数値制御装置に関するものであり、特に工作機械
等適切なロストモーション補正を必要とする制御対象に
適用可能な数値制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】数値制御装置の1つの適用対象である工
作機械においては、加工精度及び生産性の向上の両立が
常に求められている。工作機械に実装されているような
送り駆動機構にはロストモーションが発生し工作加工品
位に悪影響を及ぼすため、これを回避するための方策が
考えられている。図9は従来のロストモーション補正機
能を有し、ハイブリッド制御工作機械に使用される数値
制御装置の一例を示すブロック図である。図示しないN
C(数値制御)プログラム読込部及びNCプログラム解
釈部により読込まれて解釈されたNCプログラム1に基
づいて、関数発生部2は当該軸の移動情報(目標位置,
速度等)を算出して主制御部31、制御プログラム記憶
部32、出力部33、入力部34及びロストモーション
補正量データ算出部36から構成されている軸制御部3
に位置指令SPを転送する。
【0003】主制御部31は位置指令SPと、制御プロ
グラム記憶部32に格納されているサーボ制御プログラ
ムSCP及び入力部34を介して入力されるサーボモー
タ5のロータ位置を検出するモータ位置検出器7の位置
検出値DPとに基づいて所望の位置,速度及び電流の各
制御ループの演算を行ない、最終的には出力部33を介
してパワーアンプ4に電流指令値(PWM指令)SIを
転送する。パワーアンプ4は出力部33を介して受取っ
た電流指令値SIに従って公知の技術によりPWM処理
を行ない、サーボモータ5に印加すべき各相電圧を発生
する。この電圧の印加によりサーボモータ5には駆動ト
ルクが発生し、カップリング6を中継してボールネジ8
a,テーブル8b,ベッド8cから成る駆動負荷系を所
望の位置、速度にて駆動する。なお、ハイブリッド制御
とはモータ位置を検出する第1の位置検出器に加えて機
械可動部の位置を検出する第2の位置検出器を具備し、
この第2の位置検出器の検出データに基づいて所望の制
御を行なうものであり、同図の場合は第2の位置検出器
としてインダクトシン9を採用している。入力部34は
モータ位置検出器7及びインダクトシン9の各検出値D
P,PIを同一周期内の検出値読込みタイミングにて読
込んでロストモーション補正量データ算出部36に転送
する。この同一タイミングで読込まれた2つの検出値の
差は、モータ軸端から機械可動部の間のロストモーショ
ン量を表していると考えて、この差のデータに基づいて
ロストモーション補正量データ算出部36はロストモー
ション補正量を算出して位置制御ループ内の所定のタイ
ミングで位置指令SPに加えて可動部移動量を補正して
いる。
【0004】図10は従来のファジィ推論型ロストモー
ション補正機能を有する数値制御装置の一例を示すブロ
ック図であり、同図において図9の従来技術と異なる構
成要素はロストモーション補正量算出部40、ルールマ
ップテーブル41、メンバーシップ関数テーブル42及
びファジィ集合テーブル43である。予め少なくとも可
動部の送り速度、位置及び当該軸の軸潤滑状態の各メン
バーシップ関数FMをメンバーシップ関数テーブル42
に格納しておくと共に、ロストモーション補正量につい
てのファジィ集合データDFをファジィ集合テーブル4
3に格納しておき、ロストモーション補正量算出部40
が制御ルールに基づいて機械運転時に随時測定される速
度,位置及び軸潤滑状態の測定データからファジィ演算
を実行して当該軸のロストモーション量を推定し、この
推定量からロストモーション補正量を算出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図9に示した従来技術
においては、下記に述べる理由によりロストモーション
補正の効果が的確に現れない。すなわち、駆動負荷系に
は、系のガタや遊び、図示しない軸受又は軸受支持部の
ゆるみ、ボールネジ端の遊び、ボールネジ8aとナット
間の遊び等の広義のバックラッシ、系の摩擦力や剛性に
依存するボールネジ8aの伸縮やねじり、ナットの軸方
向の弾性変位、ボールネジ8aを支持する軸受変位、ベ
ッド8cとテーブル8b間の摺動抵抗等のいわゆるロス
トモーション要因が存在する。このうちボールネジ8a
等の弾性変形はテーブル8bの位置やテーブル8bに搭
載される被加工物の重量によって変化し、ベッド8cと
テーブル8b間の摺動抵抗や摺動面の摩擦係数は送り速
度あるいは摺動面の潤滑状態に大きく依存するものであ
る。
【0006】図11はロストモーション量と送り速度の
関係を表した図である。送り速度が大きくなるとロスト
モーション量は減る傾向にある。この減り方は単調減少
であるが線形ではない。また、モータ軸端から機械可動
部(ナット部)までの長さとロストモーション量の関係
を図12に示す。ボールネジ8a等のねじれやたわみと
いった弾性変形はその駆動部からナット部位置までの長
さの関数となることが公知であり、図12も基本的には
1次式のグラフである。更に、摺動面の潤滑状態とロス
トモーション量の関係の一例を図13に示す。工作機械
などの摺動面には焼付きを防ぎ、可動部を安定に案内す
るためにオイル潤滑が行なわれる。この潤滑は、潤滑操
作の時間間隔を表す潤滑インターバル時間Tlint,
軸潤滑用モータを作動させて実際に摺動面に潤滑油を噴
出する時間を定める潤滑時間Tlon等のパラメータを
数値制御装置に設定することによりタイマー運転され
る。
【0007】図13に示すように軸潤滑用モータが作動
して潤滑油が摺動面に出力されるとロストモーション量
は減少し、潤滑油の出力(給油)停止以後は徐々にロス
トモーション量が増加していくのが分る。中型のNC旋
盤の例では、図13におけるロストモーション量の最大
値Lmaxと最小値Lminとの差Lwが10数μmに
なることがある。図13はロストモーション量が前述の
潤滑インターバル時間,潤滑時間及び潤滑油の給油停止
からの経過時間等により複雑に変化することを示してい
る。図9に示した従来技術においては、同一タイミング
で読込まれた2つの検出器の検出値の差がモータ軸端か
ら機械可動部の間のロストモーション量を表していると
考えているが、実際にはこの差のデータだけでは不十分
であり、図13に示すようなロストモーション量の時間
的変化について考えられていない。このため電源投入直
後や位置方向に長い時間をかけて移動した直後には、本
質的にロストモーションの補正ができず、また機械可動
部の位置を検出する第2の位置検出器を必要とするので
セミクローズド制御方式には適用できないという問題が
あった。
【0008】また、図10に示した従来技術においては
実用に耐え得る高精度のロストモーション補正が実現さ
れるが、ファジィ推論に基づいて算出されるロストモー
ション補正量の精度が、現実のロストモーション発生メ
カニズムをいかに忠実にメンバーシップ関数にて表現
し、これに対していかに適切な制御ルールを適用できる
かによって大きく左右されるという問題がある。すなわ
ち、現実のロストモーションの発生は、前述の速度,位
置及び軸潤滑状態などの様々なファクターが非線形的に
複雑に作用しあった結果で決まるものである。従って、
個々のファクターについて他のファクターとは独立して
メンバーシップ関数を決めて各ファクター分のロストモ
ーション量を推論し、これらのロストモーション量を単
純に算術加算することによっては現実のロストモーショ
ン量が精度良く求められるとは限らない。一般に上述の
如く様々なファクターが非線形的に複雑に作用し現象を
メンバーシップ関数にて解析的にきちんと定義する事は
非常に困難な事とされている。このように対象とする現
象の因果関係が明瞭でない限り設定したメンバーシップ
関数の正当性の評価が難かしく、より高精度のロストモ
ーション補正を実現するためには試行錯誤的にメンバー
シップ関数を修正しなければならないという問題があっ
た。本発明は上述した事情から成されたものであり、本
発明の目的は、ロストモーション発生のメカニズムが不
明又は複雑であっても、実装コストを増加することなく
ロストモーションに対する有効な補正処理を行なうこと
ができるロストモーション補正機能を有する数値制御装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、数値制御プロ
グラムの指令と位置帰還信号とに基づいて位置制御を行
なう数値制御装置に関するものであり、本発明の上記目
的は、入力層には機械運転時に随時測定される速度,位
置及び軸潤滑状態の測定データが入力され、出力層から
は前記入力データに基づいて推定演算されるロストモー
ション量あるいはロストモーション係数を出力する多層
ニューラルネット型推論手段と、前記多層ニューラルネ
ット型推論手段から出力されるロストモーション量ある
いはロストモーション係数に基づいてロストモーション
補正量を算出するロストモーション補正量算出手段と、
予め測定された速度,位置及び軸潤滑状態のロストモー
ション測定条件データと当該測定条件下におけるロスト
モーション測定量を教師データとして、前記教師データ
から前記多層ニューラルネット型推論手段内の各層間の
結合重み係数を算出する結合重み係数算出手段とを具備
することによって達成される。
【0010】
【作用】本発明にあっては、ロストモーション発生のメ
カニズムを考慮し、予め測定された速度,位置及び軸潤
滑状態のロストモーション測定条件データと当該測定条
件下におけるロストモーション測定量を教師データとし
て多層ニューラルネット型推論部内の各層間の結合重み
係数を算出し、この結合重み係数を用いて多層ニューラ
ルネット型推論部の入力層には機械運転時に随時測定さ
れる速度,位置及び軸潤滑状態の測定データを入力し、
出力層からは上記入力データに基づいて推定演算される
ロストモーション量あるいはロストモーション係数を出
力するようにしてそのロストモーション量あるいはロス
トモーション係数に基づいてロストモーション補正量を
算出するので、対象とするロストモーション発生現象の
因果関係が明瞭でない場合でも1個の位置検出器のみで
ロストモーションに対する高精度の補正処理が実現でき
る。
【0011】
【実施例】図1は本発明のロストモーション補正機能を
有する数値制御装置の一例を図10に対応させて示すブ
ロック図であり、同図において従来技術と異なる構成要
素は多層ニューラルネット型推論部50及び結合重み係
数算出部51である。多層ニューラルネット型推論部5
0は例えば図2の如く構成されるものであり、同図は入
力層への入力として関数発生部2から送られてくる当該
軸移動指令で決まる位置,送り速度及び該時点における
当該軸潤滑情報としての当該軸潤滑面に潤滑油を噴出す
る時間を決める潤滑時間Tlon、当該軸潤滑面におけ
る潤滑油給油停止からの経過時間Tidleを採用した
場合を示している。同図において、ニューラルネットは
入力層、中間層及び出力層各1層ずつの計3層から構成
されており、入力層はIからIの4ニューロン、中
間層はH01〜H15の15ニューロン、出力層はO
の1ニューロンから構成されている。各ニューロンは基
本的には図8の前向き演算処理が行なわれ、該ニューロ
ンの出力値が生成され、この出力が次の層へ入力される
ものである。
【0012】このニューロンの動作を中間層のj番目の
ニューロンHを例にとって説明する。一般に入力層の
ニューロン数がi個設定されているとすると、入力層に
隣接する中間層のニューロンHには零〜i個の入力x
(=x〜x)がそれぞれ異なる結合重み係数wji
を重みとして入力される。中間層ニューロンHにおい
ては、まず数1に示すように各入力xを線形加算して
シナプス加算電位に対応した値Iを求め、数2に示す
ようにその値Iをシグモイド関数と呼ばれる応答関数
に代入することにより出力zを求めている。
【数1】
【数2】 なお、数2中のf( )がシグモイド関数を示してい
る。シグモイド関数としてはいろいろなものが考えられ
るが、図3,4及び5にその例を示す。図3は出力f
(x)の範囲を0〜1の間に設定するものであり、係数
λの大きさにより飽和のスピードを変え得るものであ
る。図4は出力f(x)の値の範囲を−1〜+1の範囲
に拡大したものである。シグモイド関数の特徴である出
力の飽和特性を出すために指数関数等の非線形関数がし
ばしば用いられるが、CPUにとってこれらの演算処理
負担はかなり大きく、実時間制御に於いて各ニューロン
の出力を求める都度このような非線形関数の数値演算を
行なうことがCPU処理能力上問題となることがある。
【0013】図5はこのような場合に適用して好適な離
散化シグモイド関数を示すものである。すなわち、例え
ば各入力xの線形加算値がxn−1≦x<xの範囲
内ならば出力fを0.98と離散的に定義するもので
ある。実際に離散化シグモイド関数の出力を求める際に
は図6の如く入力範囲とこれに対応した出力を定義した
テーブルを用意しておき、非線形関数の数値制御演算を
行なう代りにテーブル参照にてシグモイド関数の出力を
求めるものである。以上は中間層のニューロンについて
の説明であるが、出力層のニューロンについても上記と
同様にしてその動作を説明できる。中間層に隣接する出
力層のニューロンOには各中間層ニューロンからの出
力がそれぞれ異なる結合重み係数wkjを重みとして入
力されるシグモイド関数出力yを数3から生成する。
【数3】y=f(I) なお、Iは数4に示すようになる。
【数4】 出力Oの出力yは図3,4及び5に示した如くシグ
モイド関数の最大出力値の絶対値が1と正規化されてい
るため、ロストモーション量(推定値)ではなく、ロス
トモーション量係数(推定値)となる。
【0014】以上述べてきたような各ニューロンを階層
化し、各階層間のニューロンを適当な結合重み係数をつ
けて結合して多層ニューラルネット型推論部を構成す
る。図2では各中間層ニューロンへの入力数を1〜4と
し、入力の組合せが同じ中間層ニューロンを作らせない
ようにしたが、図7に示す如く中間層の各ニューロンへ
の入力はすべて同じであるとしたニューラルネットも考
えられる。結合重み係数算出部51は、予め測定された
速度,位置及び軸潤滑状態のロストモーション測定条件
データと該測定条件下におけるロストモーション測定量
を教師データとして、該教師データから多層ニューラル
ネット型推論部内の各層間結合重み係数を算出するもの
であり、公知の手順(バックプロパゲーション法)にて
図8中の後ろ向き演算の項に基づいて説明する。後ろ向
き演算では、与えられた教師データtと出力層の値y
との誤差Eを逐次的に減少させるように結合重み係数
jiとwkjの修正を行う。この場合、誤差Eは数5
で表されている。
【数5】 すなわち、教師データと出力値の差の自乗和として与え
られる。
【0015】次に、この誤差Eに対応する中間層と出力
層の結合重み係数wkjに対する偏微分を数6により求
め、誤差Eが減少する方向にwkjを変化させる。
【数6】 なお、数6の右辺各項は数7、8、9で表されるので数
6は数10と表される。
【数7】
【数8】
【数9】
【数10】 なお、δは数11で表される。
【数11】δ=(t−y)y(1−y) そこで、結合重み係数の修正量△wkjを数12のよう
に定義する。
【数12】 すなわち、数12に示す偏微分の値がプラスの値をとる
場合には結合重み係数の修正量△wkjをマイナスとし
てwkjを減少させる。また、数12に示す偏微分の値
がマイナスの値を取る場合には結合重み係数の修正量△
kjをプラスとしてwkjを増加させる。数12にお
けるηは学習係数と呼ばれ、結合重み係数の修正量の大
きさを制御するパラメータである。また、数11のδ
は教師データtと出力層の出力値yとの誤差に関連
した値である。数12に示す如く結合重み係数の修正量
△wkjはこれらの値、すなわち学習係数η、誤差関連
項δ及び中間層出力値zで決定される。
【0016】次に、上記と同様にして誤差Eを入力層と
中間層の結合重み係数wjiに対応する偏微分を数13
により求め、誤差Eが減少する方向にwjiを変化させ
る。
【数13】 なお、数13の右辺各項は数14、15、16、17で
表されるので数13は数18と表される。
【数14】
【数15】
【数16】
【数17】
【数18】 なお、δは数19で表される。
【数19】 そこで、結合重み係数の修正量△wjiを数20のよう
に定義する。
【数20】 数20に示す如く、結合重み係数の修正量△wjiはこ
れらの値、すなわち学習系数η、誤差関連項△δ及び
中間層出力値xで決定される。
【0017】実際には学習による収束を考慮して1回前
に求めた結合重み係数の修正量を記憶しておいて数21
及び数22により修正する。
【数21】 △wkj=ηδ+α△wkj(t−1)
【数22】 △wji=ηδ+α△wji(t−1) ここで、αはモーメンタムと呼ばれ、学習の慣性量、す
なわち前回求めた修正量の重みを指定するパラメータで
ある。また、tは学習回数である。以上のようにして、
多層ニューラルネット型推論部50において目的とする
ロストモーション発生量(係数)の推定算出を行なうべ
く、予め結合重み係数算出部51にて多層ニューラルネ
ット型推論部50内各ニューロン間の結合重み係数をオ
フライン学習的に算出するものである。従って、機械稼
動時に上記の如き大量の結合重み係数修正演算を行なう
必要はない。
【0018】いま、ロストモーション補正処理の必要な
移動指令が関数発生部2から軸制御部3内の主制御部3
1に転送されてきたとする。このとき主制御部31にて
前回の移動指令と今回の移動指令から今回の送り速度が
求められてこれらの情報が多層ニューラルネット型推論
部50に転送される。モータ位置検出器7による可動部
現在位置データは入力部34を介して、また、前述の潤
滑時間Tlon及び潤滑油の給油停止からの経過時間T
idleについては図示しない数値制御装置内の設定部
/タイマーより逐次更新されたデータが多層ニューラル
ネット型推論部50に転送される。
【0019】多層ニューラルネット型推論部50の入力
層にはこのようにして機械運転時に随時測定される速
度,位置と軸潤滑状態の測定データである潤滑時間Tl
on及び潤滑油の給油停止からの経過時間Tidleが
入力され、出力層からは入力データに基づいて推定演算
されるロストモーション発生量(係数)が出力されてロ
ストモーション補正量算出部40に転送される。ロスト
モーション補正量算出部40においては多層ニューラル
ネット型推論部50から推定演算出力されるロストモー
ション発生量(係数)と、当該制御対象によって予め設
定されるロストモーション補正基準量(絶対値)とに基
づいてロストモーション補正量Lcaが算出され、この
補正量データLcaが主制御部31に転送されて位置制
御ループ内の所定のタイミングで位置指令データに加算
されて可動部移動量が補正される。
【0020】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で下記のよ
うな変形を行なっても良い。潤滑状態に関する評価フ
ァクターとして潤滑時間及び給油停止からの経過時間の
他に、潤滑インターバル時間、潤滑油給油位置からの距
離,潤滑油の粘度,潤滑油温度等についても多層ニュー
ラルネット型推論部の入力とする。駆動部から機械可
動部までの距離(機械可動部位置)のデータを多層ニュ
ーラルネット型推論部の入力とする。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明のロストモーション
補正機能を有する数値制御装置によれば、対象とするロ
ストモーション発生現象の因果関係が明瞭でない場合で
も1個の位置検出器のみで高精度のロストモーションに
対する補正処理が実現できるので、加工精度を向上させ
ることができ、また、機械可動部の位置を検出する第2
の位置検出器を必要としないので、セミクローズド制御
方式やフルクローズ制御方式あるいはハイブリッド制御
方式の如何を問わず広く一般の数値制御装置に適用する
ことができ、その製造コストを低く抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロストモーション補正機能を有する数
値制御装置の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明装置の主要部の詳細例を示す図である。
【図3】本発明装置に用いるシグモイド関数の第1の例
を示す図である。
【図4】本発明装置に用いるシグモイド関数の第2の例
を示す図である。
【図5】本発明装置に用いるシグモイド関数の第3の例
を示す図である。
【図6】図5に示す関数に用いられるデータテーブルの
一例を示す図である。
【図7】本発明装置の主要部の別の詳細例を示す図であ
る。
【図8】本発明装置による結合重み係数の修正方法を説
明する図である。
【図9】従来のロストモーション補正機能を有する数値
制御装置の一例を示すブロック図である。
【図10】従来のロストモーション補正機能を有する数
値制御装置の別の一例を示すブロック図である。
【図11】送り速度とロストモーション量の関係の一例
を示す図である。
【図12】モータ軸端からの機械可動部位置とロストモ
ーション量の関係の一例を示す図である。
【図13】潤滑状態とロストモーション量の関係の一例
を示す図である。
【符号の説明】
40 ロストモーション補正量算出部 50 多層ニューラルネット型推論部 51 結合重み係数算出部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数値制御プログラムの指令と位置帰還信
    号とに基づいて位置制御を行なう数値制御装置におい
    て、入力層には機械運転時に随時測定される速度,位置
    及び軸潤滑状態の測定データが入力され、出力層からは
    前記入力データに基づいて推定演算されるロストモーシ
    ョン量あるいはロストモーション係数を出力する多層ニ
    ューラルネット型推論手段と、前記多層ニューラルネッ
    ト型推論手段から出力されるロストモーション量あるい
    はロストモーション係数に基づいてロストモーション補
    正量を算出するロストモーション補正量算出手段と、予
    め測定された速度,位置及び軸潤滑状態のロストモーシ
    ョン測定条件データと当該測定条件下におけるロストモ
    ーション測定量を教師データとして、前記教師データか
    ら前記多層ニューラルネット型推論手段内の各層間の結
    合重み係数を算出する結合重み係数算出手段とを備えた
    ことを特徴とするロストモーション補正機能を有する数
    値制御装置。
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