JP2767197B2 - 湿式摩擦材 - Google Patents
湿式摩擦材Info
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Description
トランスミッションにおける湿式クラッチ又はロックア
ップクラッチ、マニュアルトランスミッションにおける
シンクロナイザーリング、オートバイ用湿式多板クラッ
チ、産建機車両の湿式クラッチ又は湿式ブレーキ等に使
用される湿式摩擦材に関する。
わゆるペーパー摩擦材が主に用いられている。ペーパー
摩擦材は、パルプに各種の摩擦調整剤などを配合したの
ち、抄紙を行い、更に、フェノール樹脂などの結合用樹
脂を含浸・硬化させて製造されている。このペーパー摩
擦材は、高い動摩擦係数を有し、且つ、良好な静動比
(最終動摩擦係数μoと動摩擦係数μdとの比)を有して
いる。
ー摩擦材は昨今の車両のエンジン出力アップ等による湿
式摩擦材への負荷の増大という条件下では、層間剥離
(いわゆる剥がれ)を生じやすく、摩擦材の層間剥離強
度を維持するのが難しくなって、負荷の増大には対応し
きれなくなっている。この改良として焼結合金、セミメ
タリック系、エラストマー系等の湿式摩擦材が提案され
ているが、それらは動摩擦係数が低く、且つ、静動比も
劣るという欠点があり、まだ満足できるレベルに至るも
のは見い出せない。
としては、特開昭59−140929、特開平2-36392、特開平5
-78648、特開平5-138790が知られている。織布及び不織
布は、摩擦材の強度を得るには適した材料である。しか
しながら、織布を用いた摩擦材では、自動変速機油中で
の使用においては動摩擦係数が低い欠点がある。不織布
を用いた摩擦材では、製品として要求される最終完成摩
擦材の厚みが0.6mm以上になる場合に、基材の目付
け量を管理しにくく、また、最終完成摩擦材の気孔率、
気孔径を管理しにくいために、動摩擦係数を高く且つ摩
耗量を小さくすることが困難であるという欠点がある。
従って、層間剥離を生じることなく負荷の増大に対応で
き、高い動摩擦係数と良好な静動比を有する湿式摩擦材
の開発が強く望まれている。
すべく鋭意研究した結果、不織布と織布を組み合わせ
て、摩擦材基材の目付け量を管理し、最終完成摩擦材の
気孔率及び気孔径を管理することにより、高い動摩擦係
数と良好な静動比を有し、且つ、負荷の増大にも充分に
対応できる湿式摩擦材が得られることを見い出すに至っ
た。
に織布を介在させ、該不織布と織布とを3次元絡合させ
た三層構造からなり、表面に摩擦調整剤が充填され、且
つ、三層全体に熱硬化性樹脂が含浸された摩擦材基材を
圧縮成形した湿式摩擦材により前記課題を解決した。
孔数の75%以上が5〜100μmの気孔径とすること
が望ましい。
布とを3次元に絡合させて得られる。三層構造とするこ
とにより、優れた三次元絡合強度を持つ。また、織布を
介在させることにより、摩擦材基材の目付け量、最終完
成摩擦材の気孔率及び気孔径の管理が容易となる。その
ため、最終完成湿式摩擦材の層間剥離現象を防止でき、
高負荷条件下でも長期対応できる摩擦材を得ることがで
きる。また、基材表面に摩擦調整剤を充填した後に熱硬
化性樹脂を含浸・硬化させて加熱圧縮成形して作製した
摩擦材の気孔率及び気孔径を特定範囲にすることによ
り、高い動摩擦係数と良好な静動比が得られるようにな
る。
アラミド繊維、メタアラミド繊維、カーボン繊維、ガラ
ス繊維、アクリル酸化繊維、カイノール繊維、シリカ繊
維、アルミナ繊維、シリカ・アルミナ繊維、セルロース
繊維等の繊維を単独若しくは2種以上混合させてニード
ルパンチ或いはスパンレース等の不織布製造工法にて三
次元絡合させたものを使用する。
ド繊維、メタアラミド繊維、カーボン繊維、ガラス繊
維、アクリル酸化繊維、カイノール繊維、シリカ繊維、
アルミナ繊維、シリカ・アルミナ繊維等の繊維を単独若
しくは2種以上混合させて形成したものを用いる。
次元絡合させて作製される。
そう土、グラファイト、活性炭、二硫化モリブデン、シ
リカ粉末の如き無機質粉末状物質、カシューダスト、フ
ッ素樹脂粉末、球形フェノール樹脂硬化物粉末の如き有
機質粉末状物質が挙げられる。基材への充填時には、こ
れらを単独若しくは2種以上を併用して使用することが
でき、充填量は10〜100g/(平方メートル)であ
ることが好ましい。また、摩擦調整剤は、摩擦材基材へ
の充填前にエポキシ樹脂の如く熱硬化性エマルジョン系
樹脂と混合しておく。このときの摩擦調整剤の配合比率
は20〜80重量%であることが好ましい。
しては、フェノール樹脂、油・ゴム・エポキシ樹脂等に
より改質された変性フェノール樹脂、メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂
等が挙げられ、これらは単独若しくは2種以上の樹脂を
併用して使用することができる。そのなかで、フェノー
ル樹脂、変性フェノール樹脂が好適である。熱硬化性樹
脂の含浸量は、摩擦材基材に摩擦調整剤を充填完了した
中間製造品に対して3〜30重量%であることが好まし
い。
布を介在させた三層構造品の表面に、ロールコータ等を
用いて、熱硬化性エマルジョン系樹脂中に摩擦調整剤を
分散させた組成物を充填し、乾燥させた後に、熱硬化性
樹脂を含浸・硬化させて、圧縮成形して得られる。その
後、摩擦材はリング状の如き適宜な形状にして加工さ
れ、芯板にフェノール樹脂系接着剤などを用いて接着さ
れる。
法により求めた。
板ごと長さ3cm 巾1cm程度の大きさに切断し、水
銀圧入式気孔径測定装置(アメリカ合衆国/PMI社
製)に装着し、水銀の侵入圧力・量より気孔径分布を測
定した。また、最終完成湿式摩擦材を、芯板ごと市販の
自動変速機油(DEXタイプ)中で含油処理を行なっ
て、含油量、摩擦材体積、自動変速機油比重より、気孔
率を算出した。本発明の湿式摩擦材は、気孔率が25〜
70%、及び、全気孔数の75%以上が5〜100μm
の分布になるように、使用する乾式不織布目付け量、織
布の目付け量、摩擦調整剤充填量、熱硬化性樹脂含浸量
等を調整することによって容易に製造される。
率が25%以下になると動摩擦係数が低下し且つ静動比
が悪化する。気孔率が70%以上になると摩耗量が大幅
に増加する。また、気孔径に関しては全気孔数の75%
以上が5〜100μmである。気孔径5μm以下のもの
が全気孔数の25%以上になると動摩擦係数が低下し且
つ静動比が悪化する。気孔径100μm以上のものが全
気孔数の25%以上になると摩耗量が大幅に増加し且つ
動摩擦係数が低下する。
る。 実施例1 パラアラミド繊維(繊維長51mm、繊維径12μm)
を、乾式不織布目付け量が450g/(平方メートル)
になるように、ニードルパンチングマシンを用いて三次
元絡合させた。次に、この絡合シートにメタアラミド織
布(100g/(平方メートル))を重ね、さらに、そ
の上にパラアラミド繊維(繊維長51mm、繊維径12
μm)を150g/(平方メートル)積層するように、
ニードルパンチングマシンで三次元絡合させ基材を作製
した。摩擦材基材10は、図1に示されるように、不織
布の層12、織布の層14、不織布16からなる。
重量%、エポキシエマルジョン系樹脂40重量%の割合
でミキサーで攪拌混合した組成物をロールコーターを用
いて基材表面に50g/(平方メートル)(摩擦調整剤
量は30g/(平方メートル))充填し、150℃で1
0分乾燥させた。図1において、符号18は、摩擦調整
剤の充填層である。
ール樹脂を中間製造品に対して10重量%になるように
含浸して、220℃で10分間硬化させた。更に、図2
に示されるように、このシート状中間製造品20から、
プレスと金型を用いて、外径133mm、内径113m
mのリング形状品22を打ち抜いた。別に用意したリン
グ状芯鉄板(図示せず)の両面に接着剤を塗布し、60
℃で20分乾燥した。この接着剤を塗布したリング状芯
鉄板の両面に、摩擦調整剤の層18が表面となるように
リング状形状品22を貼り合わせ、250℃・3分・実
面圧200kg/(平方センチメートル)で加熱プレス
接着を行って、湿式摩擦板を得た。
気孔数の92%が5〜100μmの気孔径であった。
試験機で測定し、層間剥離強度を繰り返し圧縮試験機で
測定した。その条件を表1及び表2に示す。
で20秒間回転させた後、クラッチを係合し、慣性吸収
させて10秒間停止させ、このサイクルを200回繰り
返した。その後、動摩擦係数を測定したところ0.15
4と高い値を示した。更にテストを続行して5000回
繰り返した後、再び動摩擦係数を測定したところ、0.
152とほとんど変化なく安定した特性が得られた。ま
た、5000回後の摩耗量は20μmと少なく静動比は
0.87と小さく良好な値であった。
/(平方センチメートル)で摩擦材相手板をクラッチに
2秒間押しつけてから、10秒間加圧除去して、このサ
イクルを1とした。このテストを続行して、10,00
0回毎に摩擦材層間剥離の有無を確認して圧縮量を測定
した。1,000,000回テストを行なっても層間剥
離は見られず、圧縮量も25μmと小さく良好であっ
た。
試験を実施した。
5,000回後の動摩擦係数は0.146、摩耗量は4
0μm、静動比は0.95と良好な値を示した。しかし
ながら、繰り返し圧縮試験では、110,000回後に
層間剥離を起こし、以降の試験続行は不可能であった。
に織布を介在させた三層構造としたので、乾式不織布の
目付け量、織布の目付け量、及び、乾式不織布と織布の
比率を変更することにより、最終完成摩擦材の気孔率及
び気孔径を管理することができ、不織布及び織布の持つ
欠点を相補い合うことで、高い動摩擦係数、良好な静動
比を有し、且つ、不織布と織布とを3次元絡合させた三
層構造により、高負荷条件下でも優れた摩擦材層間剥離
強度を有する湿式摩擦材を得ることができる。
%とし、全気孔数の75%以上を5〜100μmの気孔
径とすることによって、より高い動摩擦係数で且つより
良好な静動比の摩擦材を得ることができるとともに、気
孔率及び気孔径をこの数値範囲に特定することで、摩耗
量を低減させることができる。
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 乾式不織布間に織布を介在させ、該不織
布と織布とを3次元絡合させた三層構造からなり、表面
に摩擦調整剤が充填され、且つ、三層全体に熱硬化性樹
脂が含浸された摩擦材基材を圧縮成形したことを特徴と
する、湿式摩擦材。 - 【請求項2】 気孔率が25〜70%であり、全気孔数
の75%以上が5〜100μmの気孔径であることを特
徴とする、第1項の湿式摩擦材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6090716A JP2767197B2 (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 湿式摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6090716A JP2767197B2 (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 湿式摩擦材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07280008A JPH07280008A (ja) | 1995-10-27 |
JP2767197B2 true JP2767197B2 (ja) | 1998-06-18 |
Family
ID=14006271
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6090716A Expired - Lifetime JP2767197B2 (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 湿式摩擦材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2767197B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1750031A2 (en) | 2005-08-05 | 2007-02-07 | Dynax Corporation | Method for manufacturing wet-type friction member |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1180612A1 (en) * | 2000-07-31 | 2002-02-20 | Federal-Mogul Friction Materials GmbH | Disc brake |
Family Cites Families (3)
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---|---|---|---|---|
JPH0619198B2 (ja) * | 1986-05-15 | 1994-03-16 | 住友電気工業株式会社 | 摩擦用板 |
JP2915444B2 (ja) * | 1989-10-26 | 1999-07-05 | 昭和高分子株式会社 | 湿式摩擦材 |
JPH04100885A (ja) * | 1990-08-20 | 1992-04-02 | Hitachi Chem Co Ltd | 摩擦材 |
-
1994
- 1994-04-06 JP JP6090716A patent/JP2767197B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1750031A2 (en) | 2005-08-05 | 2007-02-07 | Dynax Corporation | Method for manufacturing wet-type friction member |
Also Published As
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JPH07280008A (ja) | 1995-10-27 |
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