JP2767127B2 - 真空ポンプシステム - Google Patents

真空ポンプシステム

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達治 池上
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Description

【発明の詳細な説明】 (1)産業上の利用分野 本発明は加速器、ストーレジリング、高真空を用いる
分析装置又は分子線エピタキシ装置等において清浄な高
真空或いは超高真空を得るのに好適な真空ポンプシステ
ムに関する。
(2)従来の技術 従来この種の真空ポンプシステムとして、複合分子ポ
ンプとダイヤフラム式真空ポンプとを直列に接続したも
のが知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
この従来の真空ポンプシステムによると前記複合分子
ポンプは球軸受を備えており、かくて運転停止時に該球
軸受の潤滑剤の蒸気によって装置が汚染される危険性が
あり、更に純水素の如き分子量の小さいガスは他のガス
と比べ、前記複合分子ポンプのヘリカル溝ポンプ部の溝
間の山部で逆流が多くて圧縮比が小さくなり十分排気さ
れず残留する問題点がある。
本発明はこれらの問題点を解消し大気圧から高真空ま
で排気可能にした真空ポンプシステムを提供することを
目的とする。
(4)問題点を解決するための手段 この目的を達成すべく本発明は、磁気軸受式渦巻溝真
空ポンプとダイヤフラム式真空ポンプとを直列に接続
し、該磁気軸受式真空ポンプの背圧側又は該ポンプの渦
巻溝のステータの吸引側端部と背圧側端部との中間位置
に、分子量の小さいガスを吸引するときに分子量の大き
いパージガスを導入するガス導入弁を設けたことを特徴
とする。
(作用) ダイヤフラム式真空ポンプにより粗引きしながら磁気
軸受式渦巻溝真空ポンプにより純水素ガスの如き分子量
の小さいガスを排気するが、その排気が十分行えなくな
ったときに、ガス導入弁を開弁して分子量の大きいパー
ジガスを前記渦巻溝真空ポンプの背圧側即ち排気口側に
導入すると該パージガスの一部が該渦巻溝真空ポンプの
中間部に逆流し、該パージガスによって該中間部におい
て排気作用を実現できる所定の圧力に達する。又、パー
ジガスを渦巻溝真空ポンプのステータの吸引側端部と背
圧側端部の中間位置に導入すると、該パージガスは吸気
側から吸入している分子量の小さいガスと混合する。従
って中間位置から背圧側の領域では気体は常に中間流か
ら粘性流となっているから、吸入ガスはパージガスとの
混合した一つの混合気体としてこの領域で圧縮排気作用
を受けることができる。そして中間位置では分子量の小
さい吸気ガス単独でも圧縮排気作用を実現できる所定の
圧力に達する。かくて、該中間部から排気口側はもとよ
り該中間部から吸気口側においても排気作用が行われ、
前記純水素の如き分子量の小さいガスも残留することな
く確実に排気し、清浄な高真空或は超高真空が得られ
る。
(実施例) 本発明のシステムの1実施例を第1図及び第2図に従
って説明する。
(1)は複合分子ポンプを示し、該複合分子ポンプ
(1)は吸気口側のターボ分子ポンプ部と排気口側の渦
巻溝真空ポンプの1種であるヘリカル溝真空ポンプ部と
からなり、これらポンプ部の回動部分が磁気軸受により
支持されている。(2a)(2b)(2c)はダイヤフラム式
真空ポンプを示し、これらダイヤフラム式真空ポンプ
(2a)(2b)(2c)は第2図の如くダイヤフラムヘッド
(3)に形成され下面がダイヤフラム(4)により閉塞
されたポンプ室(5)と、偏心カム(6)から突出し先
端が前記ダイヤフラム(4)に結着したコネクティング
ロッド(7)と、前記ポンプ室(5)に連通し吸気弁
(8)を有する吸気口(9)と、該ポンプ室(5)に連
通し排気弁(10)を有する排気口(11)とからなる。そ
してこれらダイヤフラム式真空ポンプ(2a)(2b)(2
c)は第1図の如く直列に接続され、第1のダイヤフラ
ム式真空ポンプ(2a)の吸気口を前記複合分子ポンプ
(1)の排気口に連通し、該複合分子ポンプ(1)の排
気口にパージガスの導入管(12)を連通接続し、該導入
管(12)にガス導入弁(13)を介在した。尚、(14)は
真空装置、(15)は該真空装置(14)と前記複合分子ポ
ンプ(1)の吸気口との間に連通した主管に介在した主
弁を示す。
かくて、導入弁(13)を閉弁した状態において、ダイ
ヤフラム式真空ポンプ(2a)(2b)(2c)を運転して粗
引きしながら、複合分子ポンプ(1)を運転し、真空装
置(14)内のガスを排気していく。そしてこの排気作用
により分子量の大きいガスについては十分排気される
が、純水素ガスの如き分子量の小さいガスは排気が十分
行われず残留する。そこで導入弁(13)を開弁して少量
の例えば2〜120SCCMの窒素ガス或いは空気等のパージ
ガスを複合分子ポンプ(1)の排気口に導入すると、該
パージガスの1部が該複合分子ポンプ(1)のヘリカル
溝真空ポンプ部の中間点まで逆流する。ところがヘリカ
ル溝真空ポンプの如き分子ポンプは長い溝を通る間に連
続的に圧縮が行われており、ポンプとして排気作用を実
現するためにはある点の溝の個所の圧力よりその下流側
即ち排気口側の溝の個所の圧力が低くなければならな
い。そして排気作用を実現するこのような溝に沿った圧
力分布は排気するガスの分子量によって相違し、該溝の
中間点における排気作用を実現する圧力は純水素ガスの
如き分子量の小さいガスに比べて窒素ガスや空気等の如
き分子量の大きいガスの方が格段に高くなる。従って前
述した如く窒素ガスや空気の如き分子量の大きいパージ
ガスの1部が溝の中間点まで逆流するので、純水素ガス
の如き分子量の小さいガスによって達成し得ない排気作
用の実現のための限界圧力に前記パージガスによって達
成でき、かくて前記溝の中間点より排気側はもとより該
中間点より吸気側においても排気作用が実現し、かくて
純水素ガスの如き分子量の小さいガスについても確実に
排気し、高真空が得られる。
又第3図は他の実施例を示し、該実施例においては前
記複合分子ポンプ(1)の渦巻真空ポンプのステータの
吸気側端部と背圧側端部の中間位置にパージガスの導入
管(12)を連通接続し、該導入管(12)にガス導入弁
(13)を介在したものである。かくて前記実施例の如く
ダイヤフラム式真空ポンプ(2a)(2b)(2c)及び複合
分子ポンプ(1)を運転して真空装置(14)内のガスを
排気するが、純水素の如き分子量の小さいガスがその排
気を十分行われず残留したときに、ガス導入弁(13)を
開口すると前記パージガスは吸気側から吸入している分
子量の小さいガスと混合する。
渦巻溝真空ポンプの中間位置から背圧側端部の領域で
は、気体は常に中間流から粘性流状態となっているか
ら、混合されたガスは一つの混合気体としてこの領域で
圧縮排気作用を受け、分子量の小さい吸入気体例えば水
素等に対する排気作用を確実に実現できる所定の圧力に
達して排気され、前記溝の中間点より排気側はもとより
該中間点より吸気側においても排気作用が実現し、かく
て純水素ガスの如き分子量の小さいガスについても確実
に排気し、高真空が得られる。
ここで複合真空ポンプ(1)を磁気軸受式にし且つ補
助ポンプをダイヤフラム式ポンプにしたことにより確実
にオイルレスになり、清浄な真空が得られる。又前記実
施例ではターボ分子部とヘリカル溝真空ポンプ部とから
なる複合分子ポンプの例を示したが、渦巻溝真空ポンプ
に属する単独の磁気軸受式ヘリカル溝真空ポンプ或いは
磁気軸受式スパイラル溝真空ポンプであってもよい。そ
してこのように主ポンプを渦巻溝真空ポンプにしたの
は、該ポンプの排気作用を実現する排気側の背圧以下の
圧力が補助ポンプとしてのダイヤフラム式真空ポンプに
より可能であることによる。又直列に接続した複数のダ
イヤフラム式ポンプを共通1個のモータで駆動すること
によりシステムとしてコンパクト化が図れる。
7)発明の効果 このように本発明によると磁気軸受式渦巻溝真空ポン
プの背圧側又は渦巻溝のステータの吸引側端部と背圧側
端部との中間位置に分子量の大きいパージガスを導入す
るガス導入弁を設けたので、該パージガスを渦巻溝真空
ポンプの背圧側又は中間位置へ導入することにより純水
素ガス等の分子量の小さいガスについても排気が可能と
なって高真空或いは超高真空が得られ、又主ポンプを磁
気軸受式の渦巻溝真空ポンプにすると共に該真空ポンプ
に接続する補助ポンプをダイヤフラム式真空ポンプにし
たので、オイルレスの清浄な真空が得られ、更に簡単な
構成でコンパクトにできると共に制御系を簡単化でき、
又ポンプ軸に関する保守の必要がなく信頼性が高くなる
等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のシステムの1実施例の配管系統図、第
2図はダイヤフラム式真空ポンプの概略断面図、第3図
は他の実施例の配管系統図である。 (1)……磁気軸受式渦巻溝真空ポンプ (2a)(2b)(2c)……ダイヤフラム式真空ポンプ (13)……ガス導入弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04B 37/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気軸受式渦巻溝真空ポンプとダイヤフラ
    ム式真空ポンプとを直列に接続し、該磁気軸受式渦巻溝
    真空ポンプの背圧側又は該ポンプの渦巻溝のステータの
    吸引側端部と背圧側端部との中間位置に、分子量の小さ
    いガスを吸引するときに分子量の大きいパージガスを導
    入するガス導入弁を設けたことを特徴とする真空ポンプ
    システム。
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