JP2763819B2 - 音源特徴量抽出方法 - Google Patents

音源特徴量抽出方法

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JP2763819B2 JP2174872A JP17487290A JP2763819B2 JP 2763819 B2 JP2763819 B2 JP 2763819B2 JP 2174872 A JP2174872 A JP 2174872A JP 17487290 A JP17487290 A JP 17487290A JP 2763819 B2 JP2763819 B2 JP 2763819B2
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、空間に任意に存在する音源信号(音源波)
の特徴量、例えば振幅、周波数、方位等を抽出する音源
特徴量抽出方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、例えば水中において目標の探索、計測、類別等
を行うために音源からの音源波を受信してその信号処理
を行う装置としてソーナがある。
このようなソーナで用いられる信号処理としては、例
えば文献「沖電気研究開発53[4]p.53−p.58」に記載
される技術があった。
上記文献に記載されるように、ソーナの信号処理は、
信号の時間的な特徴、即ち波形、スペクトル等を抽出す
るために用いる時間的処理と、信号の空間的な特徴、即
ち位置、形状、移動速度等を抽出するために用いる空間
的処理に分けられる。
時間的処理には、例えば信号の周波数に対する強度を
測定するスペクトル推定がある。
空間的処理には、例えば受波器アレイを設け、その各
受波器の出力を用いて音源の方位推定等を行うビームフ
ォーミングがある。
以上のような時間的処理及び空間的処理を実現するた
めに音源波の持つ特徴量(音源の特徴量)の抽出(処
理)が行われる。
次に、ビームフォーミングの場合を例にとって、従来
の音源特徴量抽出方法について説明する。
第2図は、従来の音源特徴量抽出方法を説明するため
のビームフォーマの構成図である。
このビームフォーマ10は、ビームフォーミングとして
例えば方位推定を行うものであり、音源からの音源波を
受信して電気信号(受信信号)に変換する複数の受波器
(受波器アレイ)を有する信号受信部11と、各受波器か
ら出力される受信信号に対して、遅延補償あるいは位相
補償等を行い、かつ加算を行うなどの処理機能を有し、
例えば遅延回路あるいは高速フーリエ変換(以下、FFT
という)回路等を用いて構成される整相処理部12と、整
相処理部12の出力により例えば方位θ毎に強度(パワ
ー)を算出する機能を有し、例えば加算器等で構成され
るパワー算出部13と、パワー算出部13の出力を検出して
表示し、例えばディスプレイ及びその駆動回路等で構成
される検出部14とで構成されている。
次に、ビームフォーマ10により音源の方位推定を行う
場合の動作を説明する。
音源からの音源波が信号受信部11の各受波器に入力さ
れると、その音源波は各受波器により受信信号に変換さ
れ整相処理部12へ出力される。信号受信部11からの各受
信信号を入力した整相処理部12は、例えば各受信信号に
対して、遅延補償あるいは位相補償を施し、かつ加算を
行ってその結果をパワー算出部13へ出力する。パワー算
出部13では、整相処理部12の出力を用いて例えば方位θ
毎にパワーを算出し、その算出結果により、検出部14が
ワーの検出及び表示を行う。これにより、検出部14のデ
ィスプレイには、例えば第3図に示すような方位に対す
るパワー分布の結果が表示される。ここで、第3図は、
従来の音源特徴量抽出方法による方位に対するパワー分
布図であり、縦軸にパワーを、横軸に方位をそれぞれと
っている。これは、信号受信部11の受波器アレイを半径
1.5mの半円上に5゜間隔で配置された37個の受波器で構
成し、この時2音源が平面波として到来し、それぞれの
方位が方位θ1=81.0゜、θ2=80.0゜である場合の分
析結果である。
以上のようにして音源の特徴量の1つである方位につ
いての抽出が行われる。他の音源の特徴量、例えば周波
数についての抽出については、例えば信号受信部11等の
信号に対してフーリエ変換を行うことにより、全方位あ
るいは特定の方位について、周波数に対するパワー分布
がそれぞれ求められる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記の音源特徴量抽出方法では、次の
ような課題があった。
(a)従来の音源特徴量抽出方法では、高い空間分解能
を得るためには信号受信部11に設ける受波器の個数を増
やさなければならない。これは、以下のような理由によ
る。
例えば近接した複数の方位にそれぞれ音源がある場
合、空間分解能が低いと、方位に対するパワー分布を見
る場合、本来各音源毎に個別に分布しているワーであっ
て別個に検出されるべきものが、近接した複数の方位付
近で重なり合ってしまうため、各方位毎のパワーの検出
が行えなくなってしまう。そこで、このような問題を解
決するために分解能を高めることが考えられるが、その
ためには受波器アレイの各受波器間の間隔は変えずに開
口長、即ち受波器アレイの配置規模を大きくする必要が
あり、これにより受波器の個数を増やさなければならな
い。
従って、従来の音源特徴量抽出方法では、空間分解能
を上げるために受波器の個数を増加させなければなら
ず、信号受信部11自体が大型化すると共に、受波器の増
加に付随して整相処理部12の構成が増加して、ソーナ等
の装置全体の大型化や、計算の複雑化が生じたりしてし
まう。
(b)従来の音源特徴量抽出方法では、例えばスペクト
ル推定等を行うような場合に信号受信部11などの信号に
対してフーリエ変換を施す方法がとられる場合がある。
このような場合に、周波数分解能を高め、近接した複数
の周波数に位置するパワーのピークを精度よく検出する
ためには、受信信号を稠密にかつ長時間にわたって分析
しなければならず、計算が複雑化し、かつ分析時間が長
くなってしまう。
(c)従来の音源特徴量抽出方法では、例えばビームフ
ォーマ10によって音源の特徴量の抽出処理を行う場合、
信号処理の実処理時間の短縮化を図ったりするために、
例えばFFTによる処理を行う場合がある。ところが、そ
の場合に実処理時間の短縮化は図れるが、FFTを用いる
ことにより受波器アレイの受波器の配置が信号処理に影
響を及ぼしてしまうことがあり、受波器の配置の自由度
が低くなり、装置全体の最適設計が困難になってしまう
おそれがある。
以上のような問題を解決するために、本願出願人は、
次のような趣旨の技術の提案(未公知)を行っている。
その提案の技術は、音源から到来した音源波が受波器に
より変換された受信信号を、音源(波)の持つ特徴量を
パラメータとする非線形結合関数でモデル化し、音源の
推定特徴量の初期値を用いて前記非線形結合関数により
前記受信信号に対する推定値を算出し、該推定値の前記
受信信号に対する推定誤差を評価し、その評価結果に応
じて前記推定特徴量を更新し、前記推定誤差が推定特徴
誤差基準を満たす場合にその推定特徴量を前記音源
(波)の特徴量として抽出するものである。
この提案の技術においては、音源の推定特徴量の初期
値を設定する必要がある。この推定特徴量の初期値の設
定方法としては、アクティブソーナの場合などに考えら
れるように音源からの音源波の持つ特徴量がある程度の
限られた範囲にあることが既知である場合には、その範
囲内の特徴量空間内での特定の座標を初期値として設定
すればよい。ところが、この方法は、音源の特徴量につ
いての情報がない場合には適用できず、音源の特徴量に
ついての情報がない場合に推定特徴量の初期値を設定す
る方法としては、音源の特徴量空間での各座標に対して
検討を行って推定特徴量の初期値の設定を行わなければ
ならず、このための処理を行おうとした場合、装置の大
型化、計算の複雑化、及び分析時間の増加を来してしま
うおそれがある。
本発明は、前記従来技術の持っていた課題として高い
空間分解能及び周波数分解能等を得るために、装置が大
型化したり、計算が複雑化したり、分析時間の増大した
りする点についての解決を図るために提案している上記
技術において、推定特微量の初期値の効果的な設定処理
が図られていない点について解決した音源特徴量抽出方
法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 第1の発明は、前記課題を解決するために、音源から
の音源波を受波器により受信信号に変換する信号受信処
理と、前記音源の推定特徴量の初期値を設定する初期値
設定処理と、前記音源の特徴量を所定の非線形結合関数
のパラメータとみなし、前記音源の推定特徴量の初期値
を用いて前記非線形結合関数により前記受信信号に対す
る推定値を算出し、該推定値の前記受信信号に対する推
定誤差を評価し、その評価結果に応じて前記推定特徴量
を更新し、前記推定誤差が推定誤差基準を満たす場合に
その推定特徴量を前記音源の特徴量として抽出する非線
形特徴量推定処理とを、施す音源特徴量抽出方法におい
て、前記初期値設定処理を次のような方法で行うように
したものである。
即ち、前記初期値設定処理は、前記受信信号を前記音
源の特徴量空間にフーリエ変換し、その変換結果に基づ
き前記特徴量空間でのパワースペクトルを算出し、その
パワースペクトルの極大値の内で値の大きいものから音
源数に等しい数の該極大値を選び、その各極大値の前記
特徴量空間内での座標を前記推定特徴量の初期値として
設定するものである。
第2の発明は、第1の発明において、前記パワースペ
クトルは、前記受信信号間の線形予測係数により定まる
伝達関数により算出するものである。
第3の発明は、前記第1及び第2の発明において、前
記初期値設定処理は、前記パワースペクトルの有意義な
極大値が前記音源数よりも少ない場合に、該極大値に対
して前記音源数を割り当てる組み合わせの内、初期最小
2乗誤差が最小となる特定の組み合わせを求め、該特定
の組み合わせにおける前記特徴量空間での座標を前記推
定特徴量の初期値として設定するものである。
(作 用) 第1の発明によれば、以上のように音源特徴量抽出方
法を構成したので、前記信号受信処理により音源からの
音源波が受波器により受信信号に変換されると、前記初
期値設定処理では、前記受信信号に対して時間、空間同
時のフーリエ変換を行い、これから音源の特徴量空間内
でのパワースペクトルを算出し、そのパワースペクトル
の極大値の内で値の大きいものから音源数に等しい数の
該極大値を選び、その各極大値の前記特徴量空間内での
座標が前記推定特徴量の初期値として設定する。これに
より、非線形特徴量推定処理が実行され、前記音源の特
徴量を表わす推定特徴量が抽出される。
第2の発明によれば、第1の発明において前記初期値
設定処理は、前記パワースペクトルを、受信信号間の線
形予測係数により定まる伝達関数を用いてモデル化し、
その線形予測係数を用いて前記伝達関数の値を求め、さ
らに求めたその伝達関数の値によって前記パワースペク
トルを算出する。
第3の発明によれば、第1及び第2の発明において、
前記初期値設定処理は、前記パワースペクトルの有意義
な極大値が前記音源数よりも少ない場合に、該極大値に
対して前記音源数を割り当てる組み合わせの内、初期最
小2乗誤差が最小となる特定の組み合わせを求め、該特
定の組み合わせにおける前記特徴量空間での座標を前記
推定特徴量の初期値として設定する。
従って、前記課題を解決できるのである。
(実施例) 第1図は、本発明の実施例を示す音源特徴量抽出方法
を説明するためのソーナシステムの一構成例を示す部分
的なブロック図、第4図は、第1図のソーナシステムで
の受波器の配置構成例を示す図である。
このソーナシステム20は、音源の特徴量即ち音源波の
持つ特徴量として例えば振幅、角周波数、方位等を抽出
する機能を有し、信号受信処理を行う信号受信部21、初
期値設定処理を行う初期値設定部22、及び非線形特徴量
推定処理を行う非線形特徴量推定部30を有している。
信号受信部21は、音源からの音源波を電気信号に変換
して離散時系列信号として表わされる受信信号sを出力
するものであり、例えばL個の受波器21−i(i=1,2,
…,L)で構成されている。ここで、i番目の受波器21−
iの位置ベクトルはri(i=1,2,…,L)で表わされる。
初期値設定部22は、信号受信部21からの受信信号sを
音源の特徴量空間にフーリエ変換し、音源の特徴量空間
のパワースペクトルを求め、そのパワースペクトルによ
り音源の特徴量と推定される推定特徴量の初期値(初期
推定特徴量)を算出するものである。
非線形特徴量推定部30は、推定信号発生部31、推定誤
差算出部32、正規方程式決定部33、補正量算出部34、推
定誤差判定部35、及び推定特徴量更新部36を有してい
る。
推定信号発生部31は、各受波器21−iで受信された受
信信号に対する推定値(推定信号)を音源の推定特徴量
の非線形結合関数で算出するものである。
推定誤差算出部32は、推定信号発生部31で得られた推
定値の受信信号に対する推定誤差を算出するものであ
る。
正規方程式決定部33は、当該推定誤差と当該推定特徴
量から例えば最小2乗線形Taylor微分補正に基づいて正
規方程式を決定する処理を施す機能を有している。
補正量算出部34は、正規方程式決定部33で決定された
正規方程式から当該推定特徴量に対する補正量を算出す
るものである。
推定誤差判定部35は、推定誤差算出部32により得られ
た推定誤差を用い、その推定誤差が推定誤差基準を満た
すか否かを判定するものである。
推定特徴量更新部36は、推定誤差が推定誤差基準を満
たさない場合の推定特徴量に補正量算出部34で求めた補
正量を加算した結果を新たな推定特徴量として更新して
推定信号発生部31へ出力するものである。
ここで、非線形特徴量推定部30は、推定信号発生部3
1、推定誤差算出部32、正規方程式決定部33、補正量算
出部34、推定誤差判定部35、及び推定特徴量更新部36
が、各処理を推定誤差が推定誤差基準を満たすまで、反
復し、推定誤差が推定誤差基準を満たす時、当該推定特
徴量を音源の最終的推定特徴量として出力するものであ
る。
次に、本実施例の音源特徴量抽出方法について第1図
及び第4図を参照しつつ説明する。
例えばD個の音源があり、その各音源からの音源波は
受波器21−i(i=1,2,…,L)の内、所定のM個(例え
ば5個)の受波器i(i=1,2,…5)により平面波とし
て受信されるものと考え、抽出すべき音源の特徴量ベク
トルPは、各音源の特徴量を成分とし、j番目の音源の
特徴量を例えば振幅aj、角周波数ωj、方位θj(j=
1,2,…,D)として特徴量ベクトルPの各成分をpk(k=
1,2,…,3D)で表記すると、特徴量ベクトルPは、 P=(p1,p2,…,p3D) =(a1,a2,…,aD, ω1,ω2,…,ωD, θ1,θ2,…,θD) で表わされる。
また、特徴量ベクトルPに対する推定特徴量ベクトル
を、各音源の推定振幅をj、推定角周波数をj、
推定方位をjとし、推定特徴量ベクトルの各成分を
k(k=1,2,…,3D)とすると、推定特徴量ベクトル
は、 =(1,2,…,3D) =(1,2,…,D, 1,2,…,D, 1,2,…,D) で表わされる。
以上のような設定において、各音源からの音源波が信
号受信部21の各受波器21−i(i=1,2,…,M)に入力さ
れると、i番目の受波器21−iは、1フレームN個のブ
ロックデータとして、各音源からの音源波を電気信号に
変換して受信信号sを出力する。この時、受信信号s
は、例えば離散時系列信号s(n,i)として出力され
る。ここで、nは、1フレームN個のブロックデータの
n番目のものであることを表わし、iはそれがi番目の
受波器21−iのものであることを表わしている。
信号受信部21の各受波器21−1〜21−Mから受信信号
s(n,i)が出力されると、その受信信号s(n,i)は、
先ず初期値設定部22へ入力される。
初期値設定部22は、入力された受信信号s(n,i)に
より音源の特徴量ベクトルPに対する推定特徴量ベクト
ルの初期推定特徴量ベクトルを設定する。即ち、初期
値設定部22は、先ず、次式(1)により受信信号S(n,
i)の時間、空間に関するフーリエ変換F(ω,θ)を
計算する。
ここで、ri=R(i)(cosφi,sinφi) k=K(cosθ,sinθ) である。なお、Kは波数であり、R(i),φiは位置
ベクトルriを規定する量である。
次に、(1)式の計算結果から次式(2)によりパワ
ースペクトルSP(ω,θ)を算出する。
SP(ω,θ)=|F(ω,θ)|2 …(2) さらに、初期値設定部22は、(2)式により算出した
パワースエクトルSP(ω,θ)の極大値の内で値の大き
いものから音源数と同数のD個を選び、その座標(ω,
θ)の角周波数ωを推定角周波数jの初期値とし、方
位θを推定方位jの初期値とし、振幅SP(ω,θ)
1/2を推定振幅jの初期値としてそれぞれ設定し、そ
れらを成分とする推定特徴量ベクトルの初期値を設定
してその初期値を推定信号発生部31へ出力する。
推定信号発生部31は、初期値設定部22からの推定特徴
量ベクトルの初期値を用いて受信信号s(n,i)に対
する推定値である推定信号(n,i)を算出する。
即ち、各音源からの音源波が平面波として受波器21−
iへ入射する場合、i番目の受波器21−iの受信信号s
(n,i)に対する推定信号(n,i)は、推定振幅j、
推定角周波数j、推定方位jの非線形結合である次
式(3)でモデル化される。
但し、jは、j番目の音源からの音源波の波数ベク
トルであり、j=Kj(cosj,sinj)である。ここ
で、Kj=j/Cであり、Cは音速である。
従って、音源の特徴量ベクトルPに対する推定量であ
る推定特徴量ベクトルに基づいて推定信号(n,i)
を算出した場合、その推定特徴量ベクトルが音源の特
徴量ベクトルPに対して順当に推定されていれば、それ
に対応して推定信号(n,i)も受信信号s(n,i)に対
して順当に推定された値のものが得られる。
推定信号発生部31が推定信号(n,i)を算出する
と、その推定信号(n,i)が推定誤差算出部32へ出力
される。
推定誤差算出部32は、推定信号発生部31からの推定信
号(n,i)と、信号受信部21からの推定信号(n,i)
に対応した受信信号s(n,i)とにより、その推定信号
(n,i)の受信信号s(n,i)に対する推定誤差パワー
Vを次式(4)に従って算出する。
正規方程式決定部33は、推定誤差算出部32で得られた
推定誤差パワーVを最小にするような推定特徴量ベクト
ルを例えば最小2乗法を用いて求める。
ここで、推定信号(n,i)が推定特徴量j、
j、j(j=1,2,…,D)の非線形結合な関数なので、
例えば最小2乗法の1つである最小2乗線形Taylor微分
補正法を適用する。即ち、s(n,i)を各推定特徴量の
周りで1次の項までTaylor展開し、これを(4)式に代
入すると、最小2乗法の原理から次式(5)が得られ
る。
E=F・δP …(5) 但し、 E=(e1,e2,…,e3D) F=(fkl)(k,l=1,2,…,3D) である。
この(5)式は、推定誤差パワーVを減少させるよう
な推定特徴量ベクトルに対する補正ベクトルδPを決
定する正規方程式である。
補正量算出部34は、正規方程式決定部33で決定された
(5)式の正規方程式を用いて、次式(6)で示される
補正ベクトルδPを求める。
δPh=F-1・E …(6) 推定誤差判定部35は、推定誤差基準として例えば推定
誤差パワーVを最小化するものとし、推定誤差パワーV
が推定誤差基準を満たすか否かを判定し、その判定結果
が推定誤差基準を満たすものであれば、その時の推定特
徴量ベクトルを音源の特徴量ベクトルPとして非線形
特徴量判定部30から出力する。
推定特徴量更新部36は、推定誤差判定部35の判定結果
が推定誤差パワーVが最小でないと判定した場合に、そ
の時の推定特徴量ベクトルに補正ベクトルδPを加算
したものを新たな推定特徴量ベクトルとして更新し、
即ち推定特徴量ベクトルを←+δPのようにして
更新して推定信号発生部31へ出力する。
以下、非線形特徴量推定部30は、更新された推定特徴
量ベクトルに基づいて、上記処理を当該推定誤差パワ
ーVが推定誤差基準を満たすまで反復し、推定誤差パワ
ーVが最小となると、その時の推定特徴量ベクトルを
音源の特徴量ベクトルとして出力する。
本実施例では、次のような利点を有している。
(A)本実施例の音源特徴量抽出方法では、初期値設定
処理において、受信信号s(n,i)に対してフーリエ変
換を施し、その変換結果に基づく計算により適切な推定
特徴量の算出を行うようにした。そのため、受信信号s
(n,i)を音源波の持つ特徴量の非線形結合でモデル化
し、音源の特徴量を抽出する非線形特徴量推定処理の有
効性を十分に生かすことができる。
即ち、非線形特徴量推定処理において必要な推定特徴
量の初期値を、本実施例のように受信信号に応じて算出
するようにしない場合には、例えば音源についての情報
が既知である必要があったり、あるいは非線形特徴量推
定処理などにおける処理量が大幅に増大したりしてしま
う。ところが、本実施例の初期値設定処理によれば、任
意の音源の特徴量に対する推定特徴量の初期値の算出を
適切に行え、従って非線形特徴量推定処理を用いた音源
の特徴量の抽出処理が効果的に行われる。
さらには、本実施例の音源特徴量抽出方法では、前記
初期値設定処理により設定される推定特徴量は初期値で
あるため、その初期値の算出に必要な離散的時系列信号
である受信信号s(n,i)については、n,iの最大数、即
ち1フレームの分割数N及び受波器数Mは少なくてす
む。
従って、本実施例の音源特徴量抽出方法では、以上の
ような初期値設定処理及び非線形特徴量推定処理での作
用、効果が相乗的に働き、音源の特徴量の抽出にかかわ
る計算が簡単化され、分析時間の短縮化を図れるという
利点が得られる。
(B)本実施例の音源特徴量抽出方法では、受信信号s
(n,i)を音源波の持つ特徴量の非線形結合でモデル化
し、推定特徴量の初期値をフーリエ変換を利用して算出
し音源源の持つ特徴量を抽出するようにしているので、
従来の音源特徴量抽出方法に比べて空間分散能及び周波
数分解能の高分解能化を図ることができる。
例えば、方位推定の場合には、次のような分析結果が
得られる。即ち、第3図の分析結果を得た場合の設定と
同様に、ソーナシステム20で受波器数Lが37でそれらの
受波器21−i(i=1,2,…37)が半径1.5mの半円上に5
゜間隔で配置されているものとし、この時2(=D)個
の音源からの音源波が平面波として信号受信部21に到来
し、それぞれの音源の特徴量が、振幅a1=1V(ボル
ト),a2=1V、周波数f1=2.0kHz,f2=2.0kHz、方位θ1
=81.0゜,θ2=80.0であるものとする。また、ソーナ
システム20では、37個の受波器21−i(i=1,2,…,3
7)の内、80゜〜100゜に配列された隣り合う5個(M=
5)の受波器だけを使用し、分析時間は20msecで各特徴
量の推定を行うものとする。
この時、本実施例のソーナシステム20によって得られ
る初期推定特徴量は、振幅a1=1V,a2=1V、周波数f1=
2.0kHz,f2=2.0kHz、方位θ1=80.5゜,θ2=80.2゜
となり、最終推定値はθ1=81.0゜,θ2=79.9となっ
て、正確な推定値を算出できることが分かる。この分析
結果と第3図の分布図とを比較すれば分かるように、本
実施例によれば、従来に比べて少ない受波器数で、しか
も短時間で高い分解能の方位推定が行える。
(C)本実施例の音源特徴量抽出方法を適用したソーナ
システム20では、短時間でしかも分解能の高い特徴量の
抽出処理を少ない受波器数で実現できるため、装置全体
の小型化を図ることができる。さらに、ソーナシステム
20では、受波器21−1〜21−Mの各位置ベクトルri(i
=1,2,…,M)が分かればその配置によらずに音源の特徴
量の抽出処理が行え、受波器21−1〜21−Mの配置によ
って音源の特徴量の抽出処理に影響が及ぶことがない。
そのため、ソーナシステム20では、分析時間の短縮化、
空間分解能等の高分解能化、及び装置の小型化等の効果
を持つ最適設計が可能となる。
なお、本発明は、図示の実施例に限定されず、種々の
変形が可能である。その変形例としては、例えば次のよ
うなものがある。
(I)上記実施例において初期値設定処理は、推定特徴
量の初期値を受信信号s(n,i)のフーリエ変換によっ
て算出するようにしたが、初期値設定処理の処理手順等
を適宜変更し、初期値設定処理は、パワースペクトルSP
を受信信号s(n,i)間の線形予測係数により定まる伝
達関数に基づいて算出するようにしてもよい。その予測
理論としては、例えば線形予測法等がある。線形予測法
を予測理論として用いた場合、伝達関数F(ω、θ)
は、次式(7)で与えられる。
ここで、akは、各受波器の受信信号s(n,i)間の線
形予測係数で、次式(8)によって与えられる。
なお、k=ω/C(cosθ、sinθ)、ri=Ri(cosφi,s
inφi)であり、Cは音速である。
パワースペクトルSPの算出に線形予測係数によって定
まる伝達関数を用いた場合、フーリエ変換を用いた場合
よりもさらに分解能が向上するという効果が期待でき
る。
(II)上記実施例では、パワースペクトルSP(ω、θ)
の有意義な極大値の数が音源数以上あるものとして説明
したが、そのパワースペクトルSP(ω、θ)の有意義な
極大値が音源数よりも少ない時には、初期値設定処理に
より、次のようにして推定特徴量の初期値設定が行われ
る。
即ち、その場合の初期値設定処理では、算出されたパ
ワースペクトルの極大値に対して音源数の割り当てる組
み合わせに対してその初期最小2乗誤差が最も小さくな
る組み合わせをみつけ、その組み合わせを推定特徴量の
初期値として設定する。
例えば、3つの音源がある場合にパワースペクトルSP
(ω、θ)の有意義な極大値が2つの場合、一方の極大
値に対して2つの音源を割り当て、他方の極大値に対し
て1つの音源を割り当てる場合と、一方の極大値に対し
て1つの音源を割り当て、その他法の極大値に対して2
つの音源を割り当てる場合と、一方の極大値に対して3
つの音源を割り当て、他方の極大値には音源を割り当て
ない場合と、一方の極大値に対しては音源を割り当て
ず、他方の極大値に対して3つの音源を割り当てる場合
との、4通りの組み合わせが考えられるので、それらに
ついてそれぞれ初期最小2乗誤差を求め、その誤差が最
小となる組み合わせを推定特徴量の初期値として設定す
る。
これはパワースペクトルSPを伝達関数により求める場
合にも適用される。
(III)第1図に示したソーナシステム20は、本発明の
音源特徴量抽出方法の一構成例を示したものであり、そ
の構成は種々の変更が可能である。例えば、受波器21−
iの配列は、第4図では従来との比較を明確にするため
に半円上に配置する構成としたが、本実施例ではその配
列は任意に設定でき、しかもその配列によって音源の特
徴量の抽出処理に影響が及ぶことはない。また、音源波
を受信する受波器21−iの個数も用途等に応じて適宜設
定が可能である。また、ソーナシステム20の構成は、処
理手段に従って便宜的に図示したものであり、構成要素
間の関連は必ずしも図示のものに限定されるものではな
い。
(IV)上記実施例では、本発明をソーナシステム20に適
用した場合について説明したが、本発明は、ソーナシス
テム20以外の水中音響システム、あるいは水中音響シス
テム以外の音響システム等にも幅広く適用が可能であ
る。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、本発明によれば、前記初
期値設定処理では、推定特徴量の初期値をフーリエ変換
または伝達関数に基づき受信信号に応じて算出するよう
にしたので、該推定特徴量の適切な初期値が効果的に設
定されると共に、前記非線形特徴量推定処理により効果
的な音源の特徴量の抽出を行える。
従って、本発明の音源特徴量抽出方法では、分析時間
の短縮化、空間分解能等の高分解能化、及び該方法を実
現する装置の小形化を図れ、かつその装置においては受
波器の配置によらずにこれらの利点を持つような最適設
計が可能であるという効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す音源特徴量抽出方法を説
明するためのソーナシステムの一構成例を示すブロック
図、第2図は従来の音源特徴量抽出方法を説明するため
のビームフォーマの構成を示す図、第3図は従来の音源
特徴量抽出方法による方位に対するパワー分布図、第4
図は第1図のソーナシステムでの受波器の配置構成例を
示す図である。 20……ソーナシステム、21……信号受信部、22……初期
値設定部、30……非線形特徴量推定部、31……推定信号
発生部、32……推定誤差算出部、33……正規方程式決定
部、34……補正量算出部、35……推定誤差判定部、36…
…推定特徴量更新部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 聡 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−66888(JP,A) 特開 平3−54492(JP,A) 特開 平4−64076(JP,A) 特開 平2−280074(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 3/80 - 3/86 G01S 7/52 - 7/66 G01S 15/00 - 15/96

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音源からの音源波を受波器により受信信号
    に変換する信号受信処理と、 前記音源の推定特徴量の初期値を設定する初期値設定処
    理と、 前記音源の特徴量を所定の非線形結合関数のパラメータ
    とみなし、前記音源の推定特徴量の初期値を用いて前記
    非線形結合関数により前記受信信号に対する推定値を算
    出し、該推定値の前記受信信号に対する推定誤差を評価
    し、その評価結果に応じて前記推定特徴量を更新し、前
    記推定誤差が推定誤差基準を満たす場合にその推定特徴
    量を前記音源の特徴量として抽出する非線形特徴量推定
    処理とを、施す音源特徴量抽出方法において、 前記初期値設定処理は、前記受信信号を前記音源の特徴
    量空間にフーリエ変換し、その変換結果に基づき前記特
    徴量空間でのパワースペクトルを算出し、そのパワース
    ペクトルの極大値の内で値の大きいものから音源数に等
    しい数の該極大値を選び、その各極大値の前記特徴量空
    間内での座標を前記推定特徴量の初期値として設定する
    ことを特徴とする音源特徴量抽出方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の音源特徴量抽出方法におい
    て、 前記パワースペクトルは、前記受信信号間の線形予測係
    数により定まる伝達関数により算出する音源特徴量抽出
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1及び2記載の音源特徴量抽出方法
    において、 前記初期値設定処理は、前記パワースペクトルの有意義
    な極大値が前記音源数よりも少ない場合に、該極大値に
    対して前記音源数を割り当てる組み合わせの内、初期最
    小2乗誤差が最小となる特定の組み合わせを求め、該特
    定の組み合わせにおける前記特徴量空間での座標を前記
    推定特徴量の初期値として設定する音源特徴量抽出方
    法。
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