JP2763021B2 - 電流ダイポール推定装置 - Google Patents

電流ダイポール推定装置

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JP2763021B2 JP7224973A JP22497395A JP2763021B2 JP 2763021 B2 JP2763021 B2 JP 2763021B2 JP 7224973 A JP7224973 A JP 7224973A JP 22497395 A JP22497395 A JP 22497395A JP 2763021 B2 JP2763021 B2 JP 2763021B2
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体の体表面頭皮
上で測定された電磁場分布に基づいて、生体内の電流ダ
イポールを推定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内電流ダイポール推定は、従来、特
に人間の頭皮上で測定した電磁場分布から脳内の活動部
位を推定する手法として用いられており、この活動部位
を知ることによって、脳の高次機能や脳内疾患部位に関
する知見を得ることができる。
【0003】被験者の頭皮上で測定した電磁場分布から
脳内電流ダイポールを推定するためには、電流ダイポー
ルによって頭部モデル表面に生ずる電磁場分布の理論値
と、測定した脳波または脳磁場データとの差異を最小に
するパラメータ(位置の3成分および方向の2成分、強
さ)を求める必要がある。これらのパラメータを推定す
る方法としては、従来、図7に示すような方法が知られ
ている。(例えば特開平7−100121号公報)ここ
で説明する従来方法は、測定データを脳磁場に限定した
ものである。
【0004】ステップ16では、電流ダイポール各パラ
メータの単位変化量dPi (i=1,…,n)の初期値
と各パラメータの収束条件εi を設定する。ステップ1
7では、電流ダイポールの数Nd と初期パラメータPi0
を設定し、ステップ18で評価関数の初期値E0 =E
(P10,…,Pn0)を計算する。ここで評価関数は、下
記の数1式で定義される。
【0005】
【数1】 ただし、Bmkはk番目の測定点における磁場の測定値、
ckはk番の測定点における磁場の計算値、Nm は測定
点の数である。
【0006】ステップ19では、変化させるパラメータ
i の指標iが集合Uの要素であるかどうかを調べる。
集合Uとは、電流ダイポールパラメータの方向と強さを
指定する成分(モーメント成分)のうち、値を連動して
変化させることが可能な指標の集合のことを言う。指標
iが集合Uの要素である場合はステップ20〜23に示
した処理を行い、指標iが集合Uの要素でない場合はス
テップ24の処理を行う。これによって新たな評価関数
値Eijを得る。Eijはi番目のパラメータPiを単位変
化量の整数倍だけ変化させて計算した評価関数値であ
り、下記の数2式で表わされる。
【0007】
【数2】 ステップ25では初期値E0 と評価関数値Eijを比較
し、E0 <Eijならばステップ29へ進み、dPi をN
S で割ってこれを新たなdPi とし、ステップ30へ進
む。E0 ijならばステップ26へ進み、全てのパラ
メータ変化の中から評価関数を最小にするパラメータ変
化を選択する。例えば、x成分をydPxだけ変化させ
た時に評価関数が最も小さくなる場合、Px →Px +y
dPx とする。さらにステップ27においてステップ2
1と同様な方法でExy,Erxy を計算し、ExyとErxy
を比較する。このときExy≠Erxy ならばステップ18
へ戻り、Exy=Erxy ならばステップ28でモーメント
qiを変更した後ステップ18へ戻る。
【0008】ステップ30では、dPi が収束条件を満
たしているかを調べ、dPi εiならばステップ18
へ戻り、dPi <εi ならば処理を終了する。
【0009】上に述べた従来手法を簡単にまとめると、
パラメータを単位変化量だけ変化させて残差二乗和の値
が減少したかどうかを調べ、なるべく残差二乗和の値を
小さくするようなパラメータを探索する方法であると言
える。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法には以下に述べるような問題点がある。従来手法で
は、推定したパラメータの評価関数として計算によって
求めた磁場と測定した磁場との残差二乗和を用いている
が、一般にパラメータの数が多くなるほど残差二乗和の
値は小さく出ることが知られている(例えば文献1、中
川ほか、「最小二乗法による実験データ解析」、p.1
50、東京大学出版会、1984)。パラメータの数は
電流ダイポールの数に比例するので、実際の電流ダイポ
ール数よりも多い数の電流ダイポールを用いて推定した
場合、正しい電流ダイポール数を用いて推定した場合よ
りも小さな残差二乗和が得られてしまう。
【0011】例えば実際の電流ダイポール数は2個であ
るのに、3個の電流ダイポールを仮定して推定を行って
も、2個と仮定した場合よりも小さな残差二乗和が得ら
れるので、ダイポールの数は3個であるという誤った判
断を下してしまう可能性がある。このような方法を、例
えば脳内の疾患部位推定に応用すると、正常な部位まで
をも異常部位と診断してしまう可能性があり、深刻な問
題を引き起こす。
【0012】本発明の課題は、上述の問題を克服するた
め、推定すべき電流ダイポールが未知の場合でも、電流
ダイポールの数とパラメータを正確に推定することが可
能な電流ダイポール推定装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による電流ダイポ
ール推定装置は、生体体表面上の複数個所で測定した測
定電磁場分布を入力とし、前記測定電磁場分布の源泉と
して、1個または2個以上の電流ダイポールを生体内部
に仮定し、該電流ダイポールの個数・位置・向き・大き
さを指定するパラメータを推定する装置において、前記
電流ダイポールの数と前記電流ダイポールを表すパラメ
ータに比して十分多数の前記測定電磁場分布の測定点数
から前記電流ダイポール数の増加関数であるコンプレキ
シティを計算し、前記コンプレキシティを用いて前記電
流ダイポールの個数に関する事前分布を計算し、前記電
流ダイポールから計算される理論電磁場分布と、前記測
定電磁場分布から尤度を計算し、前記尤度を最大にする
ようなパラメータ変化を求めて元のパラメータに加える
演算を、前記パラメータ変化が所与の基準値よりも小さ
くなるまで繰返し、前記パラメータ変化が前記基準値よ
りも小さくなった時点で、評価関数を最大にする前記電
流ダイポールの個数とパラメータを出力し、前記評価関
数としては、前記事前分布と前記尤度を用いて計算し
前記コンプレキシティの減少関数である事後分布を用い
ることを特徴とする。この装置は、第1の装置と呼ばれ
ても良い。
【0014】なお、前記評価関数として、前記尤度の対
数に前記コンプレキシティを掛けた関数を用いても良
い。この装置は、第2の装置と呼ばれても良い。
【0015】更に、前記尤度を最大化する演算におい
て、前記パラメータの初期値を複数個用意し、各初期値
に対して推定された複数のパラメータの組から推定パラ
メータの標準偏差または分散を計算し、前記尤度と前記
標準偏差または前記分散との比を取り、これを前記評価
関数として用いても良い。この装置は、第3の装置と呼
ばれても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明で用いられる電流
ダイポール推定装置の原理について説明する。図2は電
流ダイポールモデルを説明するための図であり、被験者
の脳内活動部位14とモデルの電流ダイポール15とを
示している。生体体表面上のn点で測定された電磁場分
布をy=(y1 ,…,yn )と書くと、この電磁場分布
yは、脳内神経細胞の活動(これを真のダイポールと呼
ぶ)によって頭皮上に生じる電磁場分布と、測定中ラン
ダムに混入する雑音から成る確率変数と見なせる。測定
された電磁場分布に対し、その源泉としてs個の電流ダ
イポールの存在を生体内に仮定する。これらの電流ダイ
ポールをモデル電流ダイポールと呼ぶが、以下では特に
必要でない限りモデル電流ダイポールのことを単にダイ
ポールと呼ぶことにする。
【0017】なお、s個のダイポールを仮定する時、j
番目のダイポールの位置ベクトルをrj =(xj 1 ,x
j 2 ,xj 3 )と書き、方向・強さを表すモーメントベ
クトルをMj =(Mj 1 ,Mj 2 ,Mj 3 )と書くもの
とする。また、パラメータθ=(θ1 ,…,θ6s)でs
個のダイポールの全パラメータをまとめて表すことにす
る。この時、j番目のダイポールを指定する6個のパラ
メータは、θ6(j-1)+1,θ6(j-1)+2,…,θ6jと表され
る。
【0018】ダイポール推定方法として従来知られてい
る最尤法では、測定データyに対して下記の数3式で表
わされる確率分布モデルを仮定し、
【0019】
【数3】 このP(y|θ)を最大にするパラメータθL (最尤推
定量と呼ばれる)を推定することによって行われる。た
だし、各データyi は互いに独立に発生しているものと
する。特に、データが平均0,分散σ2 の正規分布に従
って発生している場合、yi の確率分布は下記の数4式
で与えられ、
【0020】
【数4】 P(y|θ)を大きくするためには、次の数5式で表わ
される残差二乗和を小さくするようなパラメータを推定
すればよい。
【0021】
【数5】 ここで、fi (θ)はi番目の測定点で計算される電磁
場分布の理論値である。
【0022】しかしながら、最尤法では、モデルダイポ
ールの数が真の電流ダイポール数よりも多い場合、正し
い数のダイポールを仮定して推定した場合よりも尤度が
大きく出てしまうという問題点があった。この問題を克
服するため、本発明ではダイポールの個数sからコンプ
レキシティと呼ばれるモデルの複雑さを表す量C(s)
を定義し、このC(s)が大きくなるに従ってダイポー
ル数の事前分布π(s)が小さくなるように設定する。
例えば、事前分布を次の数6式,数7式のように定義す
る。
【0023】
【数6】
【0024】
【数7】 ただし、Nはダイポール数の最大値である。Bayes
の定理を用いれば、ダイポール数の事後分布π(s,θ
|y)が次の数8式で与えられる。
【0025】
【数8】 ただし、p(θ|s)はパラメータに対する事前分布で
ある。
【0026】本発明の第1の装置では、この事後分布を
最大にするsが最適なダイポール数であるとする。ダイ
ポールのコンプレキシティを考慮することによって、ダ
イポール数が過度になるのを防止し、真の電流ダイポー
ル数を推定することが可能となる。
【0027】本発明の第2の装置においては、推定され
たパラメータの良さの尺度として最大対数尤度にC
(s)を掛けた次の数9式で表わされる量L(θL
s)を損失関数とし、
【0028】
【数9】 この損失関数を最小にするsが最適なダイポール数であ
るとする。第1の装置と同様に、コンプレキシティの項
が大きすぎると損失関数の値が大きくなり、過剰なダイ
ポール数で推定してしまうことを防止している。更にこ
の場合、損失関数がコンプレキシティと評価関数の掛算
になっているため、第1の発明で述べた装置よりもダイ
ポール数の選択基準が鋭敏になるという効果がある。
【0029】第3の装置においては、仮定するダイポー
ル数ごとに複数の初期値を用意して最尤推定を行う。各
初期値に対して推定された複数のパラメータの間で標準
偏差または分散を計算し、尤度と標準偏差の比が最も大
きいダイポール数が最適なダイポール数であるとする。
モデルとして仮定したダイポールが真のダイポール数と
異る場合、ダイポールの推定位置が初期値に依存してば
らつくことが知られているため、この標準偏差の値を調
べることによりモデルダイポール数が適切であるかどう
かを判定できる。
【0030】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照しながら
詳細に説明する。はじめに、本発明の第1の装置にかか
る第1の実施例について説明する。図1は第1の装置
おける処理の流れを示したフローチャートである。ステ
ップ1では、ダイポールの個数sを1に初期化し、ダイ
ポールの最大数Nと収束条件εを設定したのちステップ
2に進む。
【0031】ステップ2では、ダイポールの個数sおよ
び測定点の数nに基づいてモデルのコンプレキシティC
(s,n)を算出し、ステップ3に進む。コンプレキシ
ティの定義としては、例えば下記の数10式、あるいは
数11式などを用いるが、ダイポール数sが増えるにつ
れて増加するような関数であればよい。
【0032】
【数10】
【0033】
【数11】 ステップ3では、コンプレキシティCを用いて数12式
で表わされるダイポール数の事前分布を計算し、ステッ
プ4に進む。ただし、αは規格化定数である。
【0034】
【数12】 ステップ4では、繰り返しの回数tの値を0に初期化
し、パラメータの初期値θ0 =(θ0 1 ,…,θ0 m
を設定し、ステップ5に進む。ただし、m=6sはダイ
ポールパラメータの数である。パラメータの初期値は通
常、乱数を用いて定めるが、先見的知識を利用して特定
の値を初期値として用いることもできる。例えば、被験
者の頭皮上で測定された電磁場分布が視覚刺激によって
得られたものならば、脳の視覚野付近にダイポールパラ
メータの初期値を設定した方が良い。
【0035】ステップ5では、尤度P(y|θt ,s)
を計算し、ステップ6に進む。尤度として正規分布を仮
定すれば、以下の数13式となる。
【0036】
【数13】 ただし、fi (θt )はダイポールによって生じる電磁
場分布の理論値である。与えられたダイポールパラメー
タから磁場や電場を計算する方法は周知であり、例えば
磁場に関しては文献2(S.J.Williamson
and L.Kaufman,BIOMAGNETI
SM,Journal of Magnetism a
nd Magnetic Materials 22,
pp.129−201,1981)に示されており、電
場に関しては文献3(JamesP.Ary,Stan
ley A.Klein,Derek H.Fende
r,Location of Sources of
Evoked Scalp Potentials:C
orrections for Skull and
Scalp Thicknesses,IEEE Bi
omedicalEngineering,Vol.B
ME−28,No.6,June,pp.447−45
2,1981)に詳しい。
【0037】以降は尤度が正規分布であるとして説明を
行うが、それ以外の確率分布の場合でも同様な方法で電
流ダイポールを推定することが可能である。分散σ2
未知の場合、尤度を最大にするσ2 は次の数14式で与
えられる。
【0038】
【数14】 ステップ6では尤度P(y|θt ,s)が増加するよう
なパラメータ変化dt を求め、ステップ7へ進む。パラ
メータ変化dt の算出には、例えば最急降下法やガウス
−ニュートン法、ハイブリッド法などを用いることがで
きる。これらの方法の詳細に関しては、例えば文献1に
詳しい。
【0039】ステップ7では、下記の数15式にもとづ
いてパラメータ変化のノルムを計算し、
【0040】
【数15】 ノルムがεより小さければステップ10に進み、そうで
なければステップ8に進む。
【0041】ステップ8では、ステップ7で得られたパ
ラメータ変化dt を元のパラメータθt に加え、ステッ
プ9に進む。
【0042】ステップ9では、t←t+1としてステッ
プ4に戻り、同様の手続きを繰り返す。
【0043】ステップ10では、ステップ3において求
めた事前分布とステップ5で求めた尤度から、下記の数
16式による事後分布π(s|y)
【0044】
【数16】 を計算し、ステップ11へ進む。ここでp(θ|s)は
パラメータの事前分布、Nはダイポール数の最大値であ
る。この事後分布の計算において、尤度はステップ4以
降の演算で求めた最大尤度を用い、パラメータの事前分
布に関しては、特に理由の無い限りp(θ|s)=1と
してよい。
【0045】ステップ11では、現在のダイポール数s
が既定の最大値Nに等しいかどうかを調べ、sがNに等
しくなければステップ12へ進む。ステップ12では、
尤度を最大にするパラメータθと事後分布π(s|y)
を記憶し、ステップ13へ進む。ステップ13ではs←
s+1としてステップ2へ戻る。他方、sがNに等しけ
れば処理を終了する。
【0046】本発明の第1の装置の効果を示すため、シ
ミュレーションデータを用いて実際にダイポールを推定
した結果を示す。本実験に使用したデータは以下のよう
に生成した。半径100[mm]の球内の位置(40,
40,30),(−40,−40,30)に真のダイポ
ールを2個配置し、これらのダイポールによって球面上
に生じる磁場を球面上25点で測定する。モーメント・
ベクトルの値はそれぞれ(−10,0,0),(10,
0,0)とする(位置の単位はmm,モーメントの単位
はnAmである。また、座標系の原点は球の中心とす
る。)。更に、このデータにSN比10.0のランダム
ノイズを付加する。このように生成したデータに対し、
1個から4個のモデルダイポールを用いて推定を行っ
た。
【0047】図3は残差二乗和を評価基準とした従来方
法による結果である。最も小さな残差二乗和を与えてい
るのは4個のモデルダイポールを用いて推定したときで
あるが、真のダイポールの数は2個であるから、この結
果は誤りである。実際、表1に示すように、推定された
ダイポールの位置の誤差は2個のときに最小となってい
る。
【0048】
【表1】 ただし、モデルダイポールが1個の場合、2個ある真の
ダイポールのうち近い方との距離を、2個の場合は、そ
れぞれ近い方のダイポールとの距離を足して2で割った
ものを位置の平均推定誤差とする。モデルダイポールが
3個以上の場合には、真のダイポールに近い2個のダイ
ポールと真のダイポールとの距離を足して2で割ったも
のを位置の平均推定誤差としている。
【0049】これに対し、本発明の第1の装置を用いて
推定した結果を図4に示す。この図4から分かるよう
に、コンプレキシティとしてC1 ,C2 いずれを用いた
場合にもモデルダイポール数が2個の場合に事後分布が
最大となっており、正しい結果が得られている。
【0050】本発明の第2の装置では、評価関数として
以下の数17式による関数を用いる。
【0051】
【数17】 ここで、C3 はコンプレキシティ、P(y|θ,s)は
尤度、βは任意の正数である。以下はβ=1として説明
を行うが、これ以外の正数を用いてもよい。コンプレキ
シティC3 としては、下記の数18式を用いる。
【0052】
【数18】 ここで、ηは誤推定が生じる確率で、ここでは0.00
1とした。コンプレキシティC3 は、ダイポール数とと
もに増加するものであれば、これ以外の量を用いてもよ
い。
【0053】この評価関数を用いてダイポール推定を行
った結果を図5に示す。使用したシミュレーションデー
タは第1の実施例で用いたものと同じである。図5よ
り、ダイボール数が2個のときに評価関数の値Eは最大
となり、真のダイポール数が推定できていることが分か
る。
【0054】本発明の第3の装置では、複数の初期値を
用いて推定を行い、各々の初期値に対して得られた尤度
と、推定パラメータの標準偏差との比を評価関数とし、
これを最大にするダイポール数が最適であるとする。な
お、推定パラメータの標準偏差の代わりに推定パラメー
タの分散を用いても良い。
【0055】モデルダイポール数をs個と仮定して推定
をする時、K個の初期パラメータθ(S,1) ,…,θ
(s,K) を用意し、各々の初期値に対し、尤度P(S,1)
(s,K)と推定パラメータθL (S,1) ,…,θL (s,K)
が得られたとする。これらの推定結果から、推定パラメ
ータの平均値ベクトルμが以下の数19式により計算で
きる。
【0056】
【数19】 この平均値ベクトルを用いて推定パラメータのi成分の
標準偏差ベクトルσsのi成分σs i を以下の数20式
のように計算する。
【0057】
【数20】 ここで、θi (s,K) は、k番目の初期パラメータから推
定を開始して得られたパラメータのi成分、μs i は平
均値ベクトルのi成分である。本発明の第3の装置
は、こうして得られた標準偏差ベクトルのノルムと尤度
を用いて、評価関数E(s)を下記の数21式で定義
し、この評価関数を最大にするsが最適なモデルダイポ
ール数であるとする。
【0058】
【数21】 この評価関数を用いてダイポール推定を行った結果を図
6に示す。使用したシミュレーションデータは第1の
で用いたものと同じである。図6より、ダイポール数
が2個のときにEの値は最大となり、真のダイポール数
が推定できていることが分かる。
【0059】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明装置によれ
ば、モデルダイポールの数が未知の場合でも、適切なモ
デルダイポール数の評価基準が得られるため、過剰な数
のダイポールを用いて誤った推定を行うことがない。し
たがって、本発明の装置をてんかんや脳硬塞などの医療
診断へ応用した場合でも、疾患部位を誤って推定するこ
とが無く、安全で正確な診断が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の装置の処理の流れを示すフロー
チャートである。
【図2】電流ダイポールモデルを説明するための図であ
る。
【図3】従来手法による推定結果である。
【図4】本発明の第1の装置による推定結果である。
【図5】本発明の第2の装置による推定結果である。
【図6】本発明の第3の装置による推定結果である。
【図7】従来手法の処理の流れを示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
14 脳内活動部位 15 電流ダイポール

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体体表面上の複数個所で測定した測定
    電磁場分布を入力とし、前記測定電磁場分布の源泉とし
    て、1個または2個以上の電流ダイポールを生体内部に
    仮定し、該電流ダイポールの個数・位置・向き・大きさ
    を指定するパラメータを推定する装置において、前記電
    流ダイポールの数と前記電流ダイポールを表すパラメー
    タに比して十分多数の前記測定電磁場分布の測定点数か
    前記電流ダイポール数の増加関数であるコンプレキシ
    ティを計算し、前記コンプレキシティを用いて前記電流
    ダイポールの個数に関する事前分布を計算し、前記電流
    ダイポールから計算される理論電磁場分布と、前記測定
    電磁場分布から尤度を計算し、前記尤度を最大にするよ
    うなパラメータ変化を求めて元のパラメータに加える演
    算を、前記パラメータ変化が所与の基準値よりも小さく
    なるまで繰返し、前記パラメータ変化が前記基準値より
    も小さくなった時点で、評価関数を最大にする前記電流
    ダイポールの個数とパラメータを出力し、前記評価関数
    としては、前記事前分布と前記尤度を用いて計算し、前
    記コンプレキシティの減少関数である事後分布を用いる
    ことを特徴とする電流ダイポール推定装置
  2. 【請求項2】 前記評価関数として、前記尤度の対数に
    前記コンプレキシティを掛けた関数を用いることを特徴
    とする請求項1記載の電流ダイポール推定装置
  3. 【請求項3】 前記尤度を最大化する演算において、前
    記パラメータの初期値を複数個用意し、各初期値に対し
    て推定された複数のパラメータの組から推定パラメータ
    の標準偏差または分散を計算し、前記尤度と前記標準偏
    差または前記分散との比を取り、これを前記評価関数と
    して用いることを特徴とする請求項1記載の電流ダイポ
    ール推定装置
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