JP2760407B2 - 溶接線検出装置 - Google Patents

溶接線検出装置

Info

Publication number
JP2760407B2
JP2760407B2 JP2168218A JP16821890A JP2760407B2 JP 2760407 B2 JP2760407 B2 JP 2760407B2 JP 2168218 A JP2168218 A JP 2168218A JP 16821890 A JP16821890 A JP 16821890A JP 2760407 B2 JP2760407 B2 JP 2760407B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
welding
data
scanning
welding line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2168218A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0459180A (ja
Inventor
豪大 山口
潤 中嶋
信一 猿楽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Keiyo Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Keiyo Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Keiyo Engineering Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2168218A priority Critical patent/JP2760407B2/ja
Publication of JPH0459180A publication Critical patent/JPH0459180A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2760407B2 publication Critical patent/JP2760407B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Numerical Control (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ティーチング・プレイバック方式のロボッ
トを用いた自動溶接装置に係り、特に隅肉溶接、V開先
溶接に好適な溶接線検出装置に関する。
〔従来の技術〕
ロボットを用いた自動溶接装置では、ロボットの位置
制御精度やワークの設置位置精度を考慮して、プレイバ
ック時にワークの開先中心線などの溶接線位置を検出
し、これにより所定の位置補正を施しながら溶接処理を
進めて行くように構成するのが一般的である。
そこで、従来の装置では、例えば特開昭58−187265号
公報に記載のように、溶接トーチが取り付けられている
ロボットの手先に距離計を設置し、この距離計を溶接線
と直角方向に走査させながら一定ピッチごとに、一定回
数、距離データ検出動作を実行させ、これを溶接線に沿
って所定のピッチごとに繰返し、こうして得られた距離
データの中で走査方向の検出位置が同一のデータの集合
の平均値を求め、これを走査方向の各検出位置について
行ない、各検出位置ごとの平均値の集合を走査方向での
真値とし、これにより溶接線の位置や開先形状を検出し
て補正するようにしていた。
また、他の従来装置、例えば特開昭59−212179号公報
に記載の装置では、ロボットの手先に2個の検出器を設
け、一方の検出器で溶接線に垂直な方向から検出を行な
い、他方の検出器では溶接線を垂直から外れた方向から
検出するようにしている。
こうすると、一方の検出器は、垂直方向から溶接線を
眺めることになので、溶接線の継目状態を或る程度、見
通すことができ、他方の検出器では、斜め方向から見る
ことになるので、あまり溶接線の状態が反映されない。
そこで、これら2個の検出器からの信号の差分をとる
とノイズ成分が除かれるので、溶接線を表わす信号を良
好なSN比で得ることができ、位置補正を精度よく行なう
ことができるのである。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来技術のうち、まず前者では、同期加算(アベレー
ジング)の手法を用い、被検体表面粗さに起因する誤差
や白色雑音の影響を除去するようにしているが、このた
めには複数回の走査が必要になるという点について配慮
がされておらず、1回の検出にかなりの時間を要すると
いう問題があった。
次に、後者の従来技術では、複数個の検出器が必要で
ある点について配慮がされておらず、装置が大規模にな
るという問題があつた。
また、これらの従来技術では、誤差や雑音を除去する
方法として、例えば、前者では走査方向で同一位置の複
数のデータを平均化する方法が、また、後者では複数個
の検出器からの信号に差分をとる方法がそれぞれ採用さ
れているが、これらの方法では、走査方向の検出データ
列に対して極めて局所的な平滑化が得られに過ぎず、充
分な除去機能が期待出来ないという問題もあった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、妥
当な規模で、しかも充分に短い時間で精度良く溶接線の
検出が可能な、ロボツトによる自動溶接装置における溶
接線検出装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、走査方向の各検出点でのデ
ータ毎にたたみ込み積分処理を施し、このとき、被たた
み込み値として、ティーチング時に取り込んでおいたデ
ータを使用するようにしたものである。
実施例に即して、さらに詳しく説明すると、溶接トー
チに取付けた距離検出器を用い、ワークの溶接線に対し
てほぼ直角に走査しながら、この走査方向に沿って一定
のピッチ毎にデータを取り込み、これを溶接線に沿って
異なる位置で順次繰返し、複数個のデータ結果を得る。
この複数個のデータを時系列的に並べた数列として見
ると、数列全体としては開先の存在をうかがわせる傾向
は見えても、各々の数値にはかなりのバラツキが見ら
れ、このままでは開先形状の精密な検出は不可能に近
い。なお、この数値のバラツキの原因としては、ノイズ
の混入やワークの表面が粗面であること、或いは検出器
自体の精度に限度があること等が考えられる。
そこで、このようなデータの不規則な誤差や変動によ
る成分を取り除き、ワークの表面形状の広域的特徴を代
表する点を求めるため、たたみ込み積分処理を施すので
ある。
〔作用〕
たたみ込み積分処理により、以下の働きが得られる。
ティーチング時(教示時)、予め一走査分のデータ検
出処理を行ない、距離データ列を求め、記憶しておいて
基準値(被たたみ込み値)とする。
一般に、教示時のトーチ位置は、溶接に最適な位置に
教示される筈なので、このようにしてある。
この基準値に、計測によって得られた複数個の検出結
果からなる時系列数列を、第2図(c)に示すように、
時間軸に沿って入力してゆくと、時間の経過とともに2
系列の数列が重なり合ってゆく。そこで、任意の時刻に
おいて、これら2系列の数列の重なり合う部分の各点で
乗算を行なった結果を、その時刻におけるたたみ込み積
分値とすると、各サンプリング時刻について同じ処理を
行なうことにより、1系列の時系列的数列が求められる
ことになる。
こうして得られた時系列的数列の各点の値は、検出結
果そのものではなく、積分値として表現されているの
で、データ値に対する誤差やノイズ成分は相対的に抑え
られたものとなる。つまり、平滑化されることになるの
である。
また、教示時に求めておいたデータ列に、プレイバッ
ク時に計測したデータ列を乗算によってたたみ込んでい
るので、2数列の重なりが多くなればなる程、増幅の度
合いが増し、強調化が強く得られる。
なお、ノイズ成分の除去方法として、よく使用される
手法に、移動平均法がある。
この移動平均法の原理は以下のとおりである。すなわ
ち、対象ワークの広域的な形状の変化は、微視的にはゆ
っくりとした変化であるの対して、雑音成分は比較的早
い変動として現われる。つまり、雑音成分は一般に高周
波成分として現われる。そこで、この高周波成分をカッ
トすれば、雑音成分の除去が可能になるとする考えに基
づくものである。
具体的にいえば、この移動平均法では、計測対象位置
に隣接する複数の位置での検出距離値のを加重平均した
値を、この対象とする位置での検出距離値の代表値とす
るのであり、従って、対象位置近傍のみを反映させるだ
けの局所的(微分的)な手法にすぎず、高周波成分以外
の周波数成分をも含む広域的なノイズ成分の除去には、
あまり有効ではない。例えば、第3図(a)は、実際の
計測値に、比較的低周波と高周波のノイズ成分(Sin
波)を加算して作成したグラフであるが、これを対象と
して、5点の移動平均をとった結果は同図(b)のよう
になり、従って、これらの図を比較してみると明らかな
ように、第3図(b)のグラフでは、同図(a)のグラ
フに表われている高周波成分は除去されているが、比較
的低周波のSin波からなるノイズ成分については、ほと
んどそのまま残ってしまっていることがわかる。
これを隅肉・V開先溶接の場合についてみると、セン
サから見たとき、開先中心位置は最深部になるから、理
論的には、センサ・ワーク間距離が最大値を示す点を開
先位置と見做すことが出来る筈であるが、上記したノイ
ズのため、第3図(b)のグラフに表われているよう
に、開先位置と最大値を示す位置とは一致しない。
また、この第3図(b)から理解出来るように、極値
を示す点も複数現われてしまい、微分の手法も殆ど効果
ないことが判る。
以上のように、局所的(微分的)な手法では、高周波
域のノイズ以外の除去には殆ど効果が無いといえる。
〔実施例〕
以下、本発明による溶接線検出装置について、図示の
実施例により詳細に説明する。
第5図は本発明の一実施例の全体構成を示したもの
で、本発明をティーチング・プレイバック方式の溶接ロ
ボットにより具体化した実施例の全体構成を示してい
る。なお、この実施例では、溶接法として消耗電極式の
アーク溶接法を用いているが、他の溶接法も含まれてい
る。
この第5図において、1はロボット本体を表わし、6
個のサーボモータにより駆動される。
2はロボット制御装置を示し、ロボット制御用のCPU
ボート、サーボモータ駆動回路等を内蔵し、上部はデー
タ表示用のCRT画面と起動、停止等の各種スイツチが設
けられており、操作盤を形成している。
3はセンサコントローラで、内部にはセンサから送ら
れてくる情報を処理するためのCPUボード、ロボットと
の通信を行う通信ボード、センサの走査、センサ部の回
転機構を駆動させるための駆動部などが備えられてい
る。
4はセンサ部を示したもので、その拡大図を第6図に
示す。すなわち、このセンサ部4には、超音波式距離セ
ンサ21を中心とし、その他に、溶接線探索用のセンサ走
査機構22、センサ部4全体を溶接トーチまわりに回転さ
せるための回転機構23、サーボモータ24、25、センサ走
査位置検出用エンコーダ26などが組み込まれている。そ
して、このセンサ部4は溶接トーチ20にアタツチメント
されており、着脱可能となつている。なお、10はワーク
を表わし、12は距離測定用の走査線を示す。
5はティーチングボックスで、ロボットに作業を教示
する際に用いる。
第5図に戻り、6は溶接機、7はシールドガスボン
ベ、8はワイヤ供給装置、9はワイヤ送給装置を示して
いる。なお、これらはすべて、ロボット制御装置2から
の指令により動作する。
10は上記したように、被溶接接物(ワーク)であり、
11はワーク置き台である。
第7図はセンサコントローラ3とセンサ部4のブロツ
ク図で、30はCPU(中央処理装置)を表わし、センサ関
係の処理やフイードバツクの処理を行うもの、31はROM
を表わし、CPU30で行う処理手順を示すプログラムが格
納されている。
32はRAMでCPUの処理の途中結果などを一時保持するた
めにある。
33は通信用LSIを示し、センサ部とロボット部との間
の情報のやりとりの仲介を行つている。
35はI/Oポートであり、CPU30からの指令で38の送受信
切替制御部にセンサON/OFF信号を送る。そして、この送
受信切替制御部38は、I/Oポート35から送られてくるセ
ンサON信号によつて送受信の実行を開始し、センサOFF
信号によつて実行が終了する。
36はサーボ制御部を表わし、センサ部4のトーチまわ
りの回転を行うサーボモータ(M7)25とセンサを直線走
査させるサーボモータ(M8)24の制御を行なうようにな
っている。
超音波式距離センサ21には一体型の超音波送受信器4
0,39が内蔵されている。
ここで、この超音波式距離センサ21による距離測定の
原理について以下に説明する。まず、送信状態で超音波
送信器40から超音波を1パルス、対象ワークに向かつて
発信する。発信後、受信状態に切替え、ワークに当って
反射されてくる超音波を超音波受信器39で捉える。この
発信から受信までの所要時間を計測すれば、超音波の速
度と所要時間の積からセンサとワークとの間の距離が求
められるのである。
この反射波の受信の際に37の位置検出器によつてサー
ボモータ(M7,M8)の位置が計測され、I/Oポート35へ
送られる。このサーボモータの位置よりロボットとセン
サとの位置関係が規定される。
超音波の送受信は、センサOFF信号がI/Oポート35から
送受信切替制御部38に入るまで繰り返し行われている。
受信されたデータは34のA/D変換器によつてデイジタル
化され、RAM32上へ格納される。同時にサーボモータの
位置データも、このRAM32上へ格納される。
この超音波の送受信による距離計測は、第6図の走査
線12の方向に、順次走査して、各走査ごとに行われ、RA
M32上のバツフアへデータが蓄積されていく。
サーボモータ(M8)24によつて、センサ21による走査
が1スキヤン終えると、CPU30によつてデータが一括処
理され、溶接線位置が計算される。そして、結果が通信
用LSI33を介してロボット側に送信され、ロボットの動
作へと反映される。
第8図は、ロボット本体の制御ブロツク図を示したも
のである。
2−1はロボット制御部で、第5図に示されているロ
ボット制御装置2の内部に格納されているものである。
このロボット制御部2−1の中で、50はCPU−Aを示
し、ロボットの動作制御を主に行つている。51はCPU−
Bを示し、マンマシンインタフエース関係の処理を主に
行つている。
53は共有RAMで、CPU−A50とCPU−B51の双方のデータ
の交換や、計算用のワークエリアとして用いられる。54
はRAM−Aを示し、CPU−A50の処理手順を記述したプロ
グラムが格納されている。55はRAM−Bを示し、CPU−B5
1の処理手順を記述したプログラムが格納されている。
56のROMには、電源ON時、57のバブルメモリよりプロ
グラムをRAM−A50、RAM−B51にローデイングする為の処
理プログラムが格納されている。
上記したバブルメモリ57は不揮発性の外部記憶装置
で、電源遮断時においても消されたくないプログラムや
データが格納されている。
58は溶接機インタフエースを示し、溶接機6に対する
ワイヤ送給量や、電圧、アークONなどの指令の受け渡し
を行つている。
59は通信用LSIで、CPU−B51とのティーチングボック
ス5、69の操作盤、67のCRTコントローラとの通信によ
るインタフエースを行つている。
ここで、ティーチングボックス5ではロボットの動作
教示を行うことができ、操作盤69ではロボットの起動、
停止の他、教示・プレイバックなどのモード切替等の操
作を行う。そして、CRTコントローラ67では、通信用LSI
59から送られてくる情報に基づいてCRT68に各種の情報
を表示する。
また、52の通信用LSIは、CPU−A50で算出されたロボ
ットの位置情報をセンサ側に送り、センサ側から送られ
てくる溶接線の位置情報を取り込む役目をしている。
60のサーボ制御部では、CPU−A50から送られたデータ
に従つて、ロボット本体1にあるサーボモータM1〜M
6(61〜66)を制御している。
本実施例では、ティーチングによつてセンサ制御を指
定したときにセンサ関係の制御プログラムが動作するよ
うになつている。
次に、センサ部分を中心に、この実施例の動作の様子
を説明していく。
第9図は、第7図のCPU30が処理する内容を処理手順
に従つてフローチヤートにしたものである。
この処理がスタートすると、まず判定100によりロボ
ットがセンシング開始点に到達するまで、CPU30は待ち
状態にいる。この処理100でのセンシング開始点かどう
かの判定は、ロボット制御部2−1から送られてくる信
号により判断する。
ロボットがセンシング開始点に到達すると、次に101
の処理に入る。処理101では、CPU30が位置検出器37より
センサ部4の現在位置を取り出し、ティーチング時のセ
ンサ部位置と比較する。そして、ティーチング時の位置
(姿勢)と一致していなければ102の処理に入る。この
処理102では、サーボモータ(M7)25を駆動することに
よつてセンサ部4をトーチ20のまわりに回転させる。
こうしてセンシング姿勢が完了したら103、104の処理
に入る。まず、処理103ではサーボモータ(M8)24を超
音波センサ21による直線走査を始める。こし走査によつ
て、超音波式距離センサ21は、トーチ20を基準にして或
る一定の範囲を可動することになる。
センサ走査が開始されると105の処理に入り、溶接線
の検出が行われる。ここの処理については後で詳しく説
明することにする。
処理106では検出された溶接線がセンシング区間、言
い換えれば、溶接すべき区間であるかどうかを判定す
る。そして、判定の結果、センシング区間外であれば処
理108でセンサ走査を中止し、次のセンシング区間に入
るまでCPU30は待機状態に戻る。しかして、溶接すべき
箇所ならば処理107でロボット側に、いま求めた溶接位
置を送信し、再び、104の処理から繰り返す。
次に第10図によりセンシング処理の内容を詳しく説明
する。
まず、処理110でセンサに内蔵された送信器40から超
音波が1パルス、ワークに向かつて発信される。発信
後、センサは受信器39に切替えられ、受信待ち状態とな
る。発信された超音波はワークにぶつかると反射され、
戻つてくる。
処理111では、反射波が超音波受信器39に捉えられる
まで受信完了待ちを行う。この超音波の発信から受信ま
での所要時間をタイマでカウントしておけば、上記した
ように、超音波の速度と所要時間との積からセンサとワ
ークとの距離が測定される。
受信が完了したら、処理112でセンサの走査が1スキ
ヤンしたかどうかを判定し、再び処理13で超音波が発信
される。
ここで、CPU30は、超音波の発信の指令を出してから
受信するまでの間、実質的に空き時間となつている。そ
こで、この空き時間を利用して、たたみ込み(コンボリ
ユーシヨン)処理を行う。
第1図(a)は、V開先形状のワーク10を対象とし
て、それに対するセンサの位置関係を示したもので、ワ
ーク10の溶接線に超音波式距離センサ21を向け、溶接線
に直交する方向に走査している状態を表わしているもの
であるが、こうして走査(サンプリング点数=256)し
て得られた256個のデータを時系列的に並べで示したの
が同図(b)で、この図において、各データは、計測時
のセンサ走査位置からワークまでの距離を示している。
この第1図(b)データ列を、サンプリング順番iを
変数とする関数f(i)とすると、第1図(a)、
(b)に示されているとおり、関数f(i)が最大値を
とる点が開先位置となつている。
走査機構22は、第1図(a)に示すように、トーチ位
置を中心にして或る一定の範囲で直動走査を行う。
そこで、トーチと超音波センサがクロスするときのセ
ンサ走査位置を基準位置とすると、走査基準位置とV開
先位置がトーチ方向で一致、すなわち最適なる溶接位置
にあれば、データ列は最大点に対して線対称をなす筈で
あるが、第1図(b)の例では、開先位置に対して基準
位置が走査方向に距離εだけズレているために線対称と
はならない。また、実際に計測されるデータには、ワー
ク表面粗さやノイズ等の誤差分が含まれてしまうため
に、データ列にバラツキが現われている。そのため、関
数f(i)の波形はなまつているのが普通で、このた
め、最大点の位置はきわめて不安定になり、従って、こ
の最大点から開先位置を求めたのでは正確な位置が求ま
らない可能性が高い。
ここで、もう一度第1図(b)を見ると、個々の隣接
するサンプリング点での計測値は離散的でバラツキが見
られるが、データ全体を見渡せば、全体的な傾向から1
つの連続的な関数が浮かび上がつてくる。
そこで、この実施例では、データ間のバラツキを平滑
化し、データ列の特徴量を強調化する処理として、たた
み込み(コンボリユーシヨン)の手法を用いる。言い換
えれば、広域的な特徴量を抽出し、副次的な誤差分を取
り除くことを行う。
まず、第1図(b)のデータ列についてみると、これ
は、V開先近傍で凸形状を呈している。このことから、
容易に理解されるように、一般に開先形状に応じてデー
タ列は独自の特徴を有している。そこで、この特徴のみ
を取り出し、モデル化した関数h(i)を事前に作成
し、用意しておくのである。
しかしながら、この関数h(i)はモデルであり、実
際に存在するものではない。
そこで、V開先の場合には、凸形状に特徴があるの
で、これを強調化して、第1図(c)に示す関数h
(i)を、この実施例では用意した。ここで、関数h
(i)をフイルタ関数と称することにする。
上記説明のように、一般には、あらかじめ事前にフイ
ルタ関数h(i)を検出対象の形状に応じて用意する必
要があるが、本実施例のように、ティーチング・プレイ
バツク型ロボットに適用する場合には、検出開始点での
位置は、ティーチングにより正確に溶接線(検出対象の
特徴点)上に溶接トーチがあり、トーチに取り付けられ
た走査型距離検出センサも、そこに位置していることが
判っている。そこで、溶接開始点で、溶接を行う前に1
度だけ、1パス走査・距離検出を行い、得られたデータ
列をフイルタ関数h(i)として取り込めば、事前に検
出対象に応じたフイルタ関数h(i)を用意する必要が
ない。
まず、フイルタ関数h(i)で表わされるシステムに
入力関数f(i)をたたみ込む。このとき、離散的な時
系列信号に対して、コンボリユーシヨンは次式のように
表わされる。
実際には、入力信号列f(i)は有限時間に定義され
たデータであるから、(1)は次のように表わされる。
経過時刻i=0,1,2,…,2m−1 ただし、mは入力信号総数(サンプリング点数)を表
わし、i≧mでは関数の値を0に定義する。
この(2)式の内容を図式化したものが第2図であ
る。第2図では、フイルタ関数h(i)を1つのシステ
ムの特性を表わすものと考え、このフイルタシステムに
時系列的に信号f(i)を入力し、出力信号CONV(i)
が得られるものとする。ここで、第1図(b)の入力信
号f(i)は、フイルタシステムへ時間の早いほうから
順に入力して出力を計算しなければならない。そこで、
第2図(a)のように入力関数(入力信号)f(i)の
時間軸を逆転させ、フイルタ関数h(i)と同じ時間軸
上に描くようにする。そして、第2図(c)に示すよう
に、入力信号f(i)を時間の正方向へ移動させなが
ら、フイルタ関数h(i)と掛け合わせる。
このとき、入力信号f(i)をずらした量が出力信号
の時間軸、つまり、フイルタシステムへ入力した時刻か
らの経過時間を表わしている。
第2図(c)のように、モデル波形(フイルタ関数)
h(i)に入力波形(入力信号)f(i)を正方向にず
らしていつてたたみ込み積分を行うと、モデル波形h
(i)のパターンと入力波形f(i)のパターンがほぼ
一致するときに積分値が最大値となる。
この最大値を示すときの超音波センサ21の走査線上の
位置についてみると、第4図の走査位置203に開先位置
がある。
第11図は、たたみ込む積分の処理の流れをフローチヤ
ート化したものである。
いま、サンプリング時刻を処理130における120のiと
すると、時刻iにおけるたたみ込み演算は第2図(c)
に示されるように、フイルタシステムを表わす関数h
(i)に計測された関数f(i)が入力し始めてから、
時刻iだけ経過したときの2つの関数の積和を表わす。
区間〔0,i〕までの各点での乗算は、処理130での121
に示す遅延時間τを、時間軸上を動く変数として行わ
れ、各点で求められた乗算結果を処理132でのsum122に
加算していく。
こうして、区間〔0,i〕のすべての点での積和が終了
すると、積和結果sumをたたみ込み積分値として処理134
のCONV(i)に代入され、この値を時刻iにおけるたた
み込み積分値とするのである。
第1図(c)で示されたモデルでは、開先位置が、ま
さしく第4図の202で示す走査範囲の中央線上にあると
想定したものである。このときの走査範囲は、トーチを
中央にして超音波センサが直動走査するよう機構的に構
築されているので、言い換えれば、第1図(c)は溶接
トーチがちようど開先位置にある場合を想定したもので
ある。
もしトーチが実際に開先位置にあつたとすれば、第1
図(d)の出力関数の最大点はグラフの中央に現われる
はずである。逆に言えば、最大値点の現われる位置が中
央からズレていたときには、そのズレ量ε(第1図
(d))に比例して、トーチも開先位置からズレている
ことを示す。
このとき、求められるズレは、必ず走査方向であると
いう拘束条件があるので、ズレ量は第4図のベクトル
8として求められる。
開先位置を検出したときのセンサの走査位置が上記に
よつて求まるので、そのときのデータからセンサと開先
位置との間の距離もわかる。よつて、センサから開先位
置までのベクトル量は第4図のベクトル9として求め
られる。ここで、トーチ先端を、第4図のロボット制御
点201に設定すれば、制御点と走査範囲中央との関係は
機構的に固定関係にあるので、ベクトル7は容易に求
められる。
従って、ロボットの修正ベクトル300は、第4図のベ
クトル79の合成ベクトルとして求まる。
なお、この第4図で、200はロボット座標系での原点
を表わし、204は開先位置を示している。
従って、この実施例によれば、以上の手順を採用した
ことにより、ロボットの溶接トーチ先端の溶接線への位
置制御が安定的に行える効果がある。
また、検出データの取り込みは、A/Dコンバータによ
つてハード的に取り込むことができるので、空いたCPU
をたたみ込み処理に十分に活用できる利点がある。
なお、以上の実施例では、超音波式距離センサを用い
ているが、本発明はセンサの種類を問わず実施可能なこ
とはいうまでもなく、例えば光学式の距離センサにより
実施例するようにしもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、検出誤差やノイズ等の影響を受けず
に開先位置が検出できるので、溶接トーチの倣い制御が
安定的に行える。
また、たたみ込み積分の手法はソフトウエアで実現す
ることができるので、演算に特別の装置を必要としな
い。よつて経済的にも安価であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はたたみ込み積分の手法を開先位置の検出に適用
した本発明による溶接線検出装置の一実施例の説明図、
第2図はたたみ込み積分の概念を図式化した説明図、第
3図は移動平均の手法を開先位置の検出に適用した従来
技術の説明図、第4図は本発明の一実施例の動作説明
図、第6図は本発明の一実施例におけるトーチ付近の拡
大図、第5図は本発明の一実施例の全体構成図、第7図
及び第8図は本発明の一実施例におけるハードウエアの
ブロツク図、第9図及び第10図は本発明の一実施例にお
けるセンシング処理を示すフローチヤート、第11図では
たたみ込み積分の処理の一例を示すフローチヤートであ
る。 1……ロボット本体、2……ロボット制御装置、3……
センサコントローラ、4……センサ部、10……ワーク、
20……溶接トーチ、21……超音波式距離センサ、22……
センサ部走査機構、23……センサ部回転機構、24、25…
…サーボモータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猿楽 信一 千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号 日立京葉エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−2175(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 9/127 G06F 15/68

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ティーチング・プレイバック方式のロボッ
    トを用い、ティーチングされているワークの溶接線と直
    角方向に走査して取り込んだ距離データにより、溶接線
    位置補正量を算出する方式の自動溶接装置において、た
    たみ込み積分によるデータ演算手段を設け、上記ティー
    チングにより与えられているデータを被たたみ込み値と
    する上記距離データのたたみ込み積分により溶接線位置
    を検出するように構成したことを特徴とする溶接線検出
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1の発明において、上記被たたみ込
    み値が、ティーチング時にワークの溶接線と直角方向に
    走査して取り込んでおいた距離データとなるように構成
    したことを特徴とする溶接線検出装置。
  3. 【請求項3】請求項1の発明において、上記溶接線位置
    がワークの開先中心位置であり、上記たたみ込み積分の
    結果として与えられるデータがピーク値を示す位置、又
    は上記たたみ込み積分の回数の少なくとも一方により上
    記開先中心位置を求めるように構成したことを特徴とす
    る溶接線検出装置。
JP2168218A 1990-06-28 1990-06-28 溶接線検出装置 Expired - Lifetime JP2760407B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2168218A JP2760407B2 (ja) 1990-06-28 1990-06-28 溶接線検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2168218A JP2760407B2 (ja) 1990-06-28 1990-06-28 溶接線検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0459180A JPH0459180A (ja) 1992-02-26
JP2760407B2 true JP2760407B2 (ja) 1998-05-28

Family

ID=15863981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2168218A Expired - Lifetime JP2760407B2 (ja) 1990-06-28 1990-06-28 溶接線検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2760407B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT502283B1 (de) * 2005-07-15 2007-05-15 Fronius Int Gmbh Schweissverfahren und schweisssystem mit bestimmung der position des schweissbrenners
CN116295191B (zh) * 2023-05-22 2023-07-28 山东津岳环保设备有限公司 一种密封罐v型环焊缝轴向偏移量检测装置和控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0459180A (ja) 1992-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5887122A (en) Tracking control method for robot with weaving action
US6023044A (en) Control method in multi-layer welding
US4508953A (en) Method of multi-layer welding
EP0554464B1 (en) Method of diagnosing real time sensor
US6321139B1 (en) Operation line searching method and robot/sensor system having operation line searching function
JPH10244367A (ja) 溶接ロボットシステム
Estochen et al. Application of acoustic sensors to robotic seam tracking
JPH07266272A (ja) マニピュレータ用追従方法及び装置
JP2760407B2 (ja) 溶接線検出装置
Umeagukwu et al. Robotic acoustic seam tracking: System development and application
JPH05228634A (ja) 溶接線認識方法並びに溶接線認識装置および溶接方法
KR100928318B1 (ko) 엘브이에스에서의 용접비드 에지 검출 방법
JP2502533B2 (ja) センサ付溶接ロボツト
JPS6272475A (ja) 溶接制御装置
JPH08187578A (ja) 多層盛溶接制御における位置補正用データの記憶方法
JP2512716B2 (ja) 自動溶接装置
JP2542615B2 (ja) 加工線テイ−チング方法
JP2542598B2 (ja) ワ−ク加工装置
JPH03123857A (ja) 探触子の速度制御装置
JP2507412B2 (ja) 加工線テイ−チング方法
EP0109068A2 (en) Method and apparatus for controlling industrial robot
JPH03142356A (ja) 超音波探傷装置
JPS60141495A (ja) 溶接ロボツトにおける位置検出方法
JPS59187260A (ja) 超音波探傷装置
JPH0763739A (ja) 自動超音波探傷方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110320

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110320

Year of fee payment: 13