JP2759859B2 - 車両の出力制御装置 - Google Patents

車両の出力制御装置

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JP2759859B2
JP2759859B2 JP23244992A JP23244992A JP2759859B2 JP 2759859 B2 JP2759859 B2 JP 2759859B2 JP 23244992 A JP23244992 A JP 23244992A JP 23244992 A JP23244992 A JP 23244992A JP 2759859 B2 JP2759859 B2 JP 2759859B2
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動輪のスリップ状態
に応じて駆動トルクを強制的に抑制するようにした車両
の出力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】摩擦係数の低い凍結路や泥濘地等を走行
する場合や、車両の加速時等に駆動輪の過大なスリップ
を抑えることは、この車両の操縦性を確保する上で極め
て重要なことであり、しかもエネルギーロスを抑制する
観点からも有効なことである。
【0003】そこで駆動輪の空転状態を検出し、この駆
動輪のスリップ量が大きく発生した場合には、運転者に
よるアクセルペダルの踏み込み量とは関係なく、強制的
に機関の出力を低下させるようにした出力制御装置が特
開平1−269653号公報等で提案されている。
【0004】この特開平1−269653号公報に開示
された出力制御装置は、従動輪の周速に基づいて車両の
走行速度(以下、これを車速と呼称する)を算出すると
共にこの車速に基づいて目標とする駆動輪の周速を算出
し、この目標とする駆動輪の周速と実際の駆動輪の周速
との差を駆動輪のスリップ量偏差として求め、このスリ
ップ量偏差が大きな場合には、運転者によるアクセルペ
ダルの踏み込み量とは関係なく、スロットル弁の開度を
駆動輪のスリップ量偏差に応じて強制的に小さく抑える
ようにしたものである。
【0005】なお、スロットル弁の開度を強制的に抑え
てから、駆動輪の駆動トルクが実際に低減するまでには
時間的な遅れが発生するため、この特開平1−2696
53号公報の出力制御装置では、スロットル弁の開度を
絞る操作と同時に駆動輪を一時的に制動し、機械的に駆
動輪のスリップ量を抑制するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平1−2
69653号公報等で提案された出力制御装置では、ス
ロットル弁の開度を絞る操作と同時に駆動輪を一時的に
制動しているため、この制動操作に伴って車両に振動が
発生する場合があり、乗員の不快感を招来する虞があ
る。
【0007】このようなことから、スロットル弁の開度
を駆動輪のスリップ量偏差に応じて強制的に小さく抑え
ると同時に点火時期の遅角操作を行って機関側の駆動ト
ルクを迅速に低下させることにより、駆動輪の制動に伴
う車体振動の低減を企図したものが考えられている。
【0008】ところが、点火時期の遅角操作はスロット
ル弁の開度を絞る操作と同様に、左右の駆動輪の駆動ト
ルクを同時に低下させることとなるため、例えば左右の
駆動輪が接地している路面の摩擦係数が左右で極端に相
違するような場合には、高摩擦係数側の路面に接地して
いる駆動輪の駆動トルクを有効に活用することができな
い。
【0009】
【発明の目的】本発明は、スロットル弁の開度を絞る操
作に伴って駆動輪の一時的な制動操作と同時に点火時期
の遅角操作を行う際に、駆動輪の駆動トルクを有効に活
用することができる車両の出力制御装置を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による車両の出力
制御装置は、運転者による操作とは独立に車両の駆動ト
ルクを低減させるトルク低減手段と、前記車両の走行速
度に基づいてこの車両の基準となる駆動トルクを設定す
る基準駆動トルク設定手段と、この基準駆動トルク設定
手段により設定された基準駆動トルクから駆動輪の周速
度に基づいて前記車両の目標となる駆動トルクを設定す
る目標駆動トルク設定手段と、前記車両の駆動トルクが
この目標駆動トルク設定手段により設定された目標駆動
トルクとなるように前記トルク低減手段の作動を制御す
る電子制御ユニットとを有する出力制御装置において、
左右の前記駆動輪の周速度のうちの小さい方の値と前記
車両の走行速度とに基づいて機関の点火時期の目標遅角
量を設定する目標遅角量設定手段を具え、前記電子制御
ユニットは前記トルク低減手段の作動を制御すると同時
に前記目標遅角量設定手段からの出力に基づいて前記機
関の点火時期を遅角するものであることを特徴とするも
のである。
【0011】なお、車両の駆動トルクを低下させるトル
ク低減手段としては、スロットル弁の開度を規制する構
成や駆動輪を強制的に制動する構成に加え、燃料供給量
を少なくしたり、或いは燃料供給を中止したりする構成
の他に機関の圧縮比を下げるようにした構成等も併用す
ることができる。
【0012】
【作用】基準トルク設定手段は、車両の走行速度に基づ
いて車両の基準となる駆動トルクを設定し、目標駆動ト
ルク設定手段はこの基準駆動トルク設定手段により設定
された基準駆動トルクから駆動輪の周速度に基づいて車
両の目標となる駆動トルクを設定し、これを電子制御ユ
ニットに出力する。
【0013】目標駆動トルク設定手段から電子制御ユニ
ットへ車両の目標駆動トルクが出力されると、電子制御
ユニットは車両の駆動トルクがこの目標駆動トルクとな
るように、トルク低減手段の作動を制御し、運転者によ
る操作とは関係なく車両の駆動トルクを必要に応じて低
減させる。
【0014】一方、これと並行して目標遅角量設定手段
は左右の前記駆動輪の周速度のうちの小さい方の値と前
記車両の走行速度とに基づいて機関の点火時期の目標遅
角量を設定し、これを電子制御ユニットに出力する。
【0015】これにより、電子制御ユニットは機関の点
火時期を目標遅角量だけ遅角する結果、機関の駆動トル
クが迅速に低下する。
【0016】
【実施例】本発明による車両の出力制御装置を前進5段
後進1段の手動変速機を組み込んだ前輪駆動形式の車両
に応用した一実施例の概念を表す図1及びその車両の概
略構造を表す図2に示すように、機関11に接続する手
動変速機(以下、単に変速機と略称する)12には、差
動装置13から左右に延びる一対の車軸14を介して左
右一対の前輪15,16が連結されている。
【0017】駆動輪であるこれら前輪15,16には、
ブレーキ液の供給によって前輪15,16の回転を拘束
すると共にブレーキ液の排出によって前輪15,16に
対する回転の拘束力を開放し得るブレーキシリンダ1
7,18がそれぞれ組み付けられている。これらブレー
キシリンダ17,18には、ブレーキ液を貯溜するリザ
ーバタンク19がそれぞれ給排管20及び戻し配管21
を介して連通し、又、このリザーバタンク19内のブレ
ーキ液を前記給排管20から当該ブレーキシリンダ1
7,18側に供給する油圧ポンプ22が供給配管23を
介して連通している。
【0018】前記戻し配管21の途中には、これら戻し
配管21を開閉し得る非通電時閉塞形の電磁開閉弁2
4,25が介装され、同様に供給配管23の途中にもこ
れら供給配管23を開閉し得る非通電時閉塞形の電磁開
閉弁26,27が介装されている。これら電磁開閉弁2
4〜27に対する通電のオン・オフは、運転者による図
示しないブレーキペダルの踏み込み操作とは一切関係な
く、前輪15,16のスリップ状態に基づいて機関11
の運転状態を制御する電子制御ユニット(以下、これを
ECUと記載する)28からの指令によって行われるよ
うになっており、本実施例ではこれら全体で本発明のト
ルク低減手段の一つを構成している。
【0019】なお、電磁開閉弁24,25よりも下流の
戻し配管21と、電磁開閉弁26,27よりも上流側の
供給配管23とは、途中に図示しないリリーフ弁を介装
したバイパス配管を介して連結されている。そして、電
磁開閉弁24〜27が非通電状態の場合のように、供給
配管23内を流れるブレーキ液の液圧が予め設定した値
を越えた場合には、油圧ポンプ22からのブレーキ液が
バイパス配管を介してリザーバタンク19側へ排出され
る。
【0020】又、これら電磁開閉弁24〜27による前
輪15,16の制動機構とは別に、運転者による図示し
ないブレーキペダルの操作によって、前輪15,16及
び後輪29,30の回転を拘束する図示しない通常の制
動機構と、この通常の制動機構によって前輪15,16
及び後輪29,30の回転が拘束された場合に、これら
前輪15,16及び後輪29,30に対する制動力を一時
的に弱める図示しない制動力制御機構(以下、これをA
BSと記述する)とが並列的に組み込まれ、これが前輪
15,16側では上述したブレーキシリンダ17,18に
それぞれ接続している。
【0021】前記機関11の燃焼室31に連結された吸
気管32の途中には、この吸気管32によって形成され
る吸気通路33の開度を変化させ、燃焼室31内に供給
される吸入空気量を調整するスロットル弁34を組み込
んだスロットルボディ35が介装されている。
【0022】図1及び筒状をなすこのスロットルボディ
35の部分の拡大断面構造を表す図3に示すように、ス
ロットルボディ35にはスロットル弁34を一体に固定
したスロットル軸36の両端部が回動自在に支持されて
いる。吸気通路33内に突出するこのスロットル軸36
の一端部には、アクセルレバー37とスロットルレバー
38とが同軸状をなして嵌合されている。
【0023】前記スロットル軸36に対して回転自在に
保持されたアクセルレバー37と一体のケーブル受け3
9には、運転者によって操作されるアクセルペダル40
がケーブル41を介して接続しており、アクセルペダル
40の踏み込み量に応じてアクセルレバー37がスロッ
トル軸36に対して回動するようになっている。
【0024】一方、前記スロットルレバー38はスロッ
トル軸36と一体に固定されており、従ってこのスロッ
トルレバー38を操作することにより、スロットル弁3
4がスロットル軸36と共に回動する。又、前記スロッ
トルレバー38の先端部には、アクセルレバー37と一
体に形成された爪部42に係止し得るストッパ43が形
成されている。これら爪部42とストッパ43とは、ス
ロットル弁34が開く方向にスロットルレバー38を回
動させるか、或いはスロットル弁34が閉まる方向にア
クセルレバー37を回動させた場合に相互に係止するよ
うな位置関係に設定されている。
【0025】前記スロットルボディ35とスロットルレ
バー38との間には、スロットルレバー38のストッパ
43をアクセルレバー37と一体の爪部42に押し付け
てスロットル弁34を開く方向に付勢するねじりコイル
ばね44がスロットル軸36に対して同軸状に介装され
ている。又、スロットルボディ35から突出するストッ
パピン45とアクセルレバー37との間にも、前記爪部
42をスロットルレバー38のストッパ43に押し付け
てスロットル弁34を閉じる方向に付勢し、アクセルペ
ダル40に対してディテント感を付与するためのねじり
コイルばね46がスロットル軸36と同軸状をなして介
装されている。
【0026】前記スロットルレバー38の先端部には、
基端をアクチュエータ47のダイヤフラム48に固定し
た制御棒49の先端部が連結されている。このアクチュ
エータ47内に形成された圧力室50には、前記ねじり
コイルばね44と共にスロットルレバー38のストッパ
43を爪部42に押し付けてスロットル弁34を開く方
向に付勢する圧縮コイルばね51が組み込まれている。
そして、これら二つのばね44,51のばね力の和より
も、前記ねじりコイルばね46のばね力のほうが大きく
設定され、これによりアクセルペダル40を踏み込まな
い限り、スロットル弁34は開かないようになってい
る。
【0027】前記スロットルボディ35の下流側に連結
されて吸気通路33の一部を形成するサージタンク52
には、接続配管53を介してバキュームタンク54が連
通しており、このバキュームタンク54と接続配管53
との間には、バキュームタンク54からサージタンク5
2への空気の移動のみ許容する逆止め弁55が介装され
ている。これにより、バキュームタンク54内の圧力は
サージタンク52内の最低圧力とほぼ等しい負圧に設定
される。
【0028】これらバキュームタンク54内と前記アク
チュエータ47の圧力室50とは、配管56を介して連
通状態となっており、この配管56の途中には非通電時
閉塞型の第一のトルク制御用電磁弁57が設けられてい
る。つまり、このトルク制御用電磁弁57には配管56
を塞ぐようにプランジャ58を付勢するばね59が組み
込まれている。
【0029】又、前記第一のトルク制御用電磁弁57と
アクチュエータ47との間の配管56には、スロットル
弁34よりも上流側の吸気通路33に連通する配管60
が接続している。そして、この配管60の途中には非通
電時開放型の第二のトルク制御用電磁弁61が設けられ
ている。つまり、このトルク制御用電磁弁61には配管
60を開放するようにプランジャ62を付勢するばね6
3が組み込まれている。
【0030】前記二つのトルク制御用電磁弁57,61
には、前記ECU28が接続し、このECU28からの
指令に基づいてトルク制御用電磁弁57,61に対する
通電のオン,オフがデューティ制御されるようになって
おり、本実施例ではこれら全体で本発明のトルク低減手
段の一つを構成している。
【0031】例えば、トルク制御用電磁弁57,61の
デューティ率が0%の場合、アクチュエータ47の圧力
室50がスロットル弁34よりも上流側の吸気通路33
内の圧力とほぼ等しい大気圧となり、スロットル弁34
の開度はアクセルペダル40の踏み込み量に一対一で対
応する。逆に、トルク制御用電磁弁57,61のデュー
ティ率が100%の場合、アクチュエータ47の圧力室
50がバキュームタンク54内の圧力とほぼ等しい負圧
となり、制御棒49が図1中、左斜め上方に引き上げら
れる結果、スロットル弁34はアクセルペダル40の踏
み込み量に関係なく閉じられ、機関11の駆動トルクが
強制的に低減させられた状態となる。このようにして、
トルク制御用電磁弁57,61のデューティ率を調整す
ることにより、アクセルペダル40の踏み込み量に関係
なくスロットル弁34の開度を変化させ、機関11の駆
動トルクを任意に調整することができる。
【0032】又、本実施例ではスロットル弁34の開度
をアクセルペダル40とアクチュエータ47とで同時に
制御するようにしたが、吸気通路33内に二つのスロッ
トル弁を直列に配列し、一方のスロットル弁をアクセル
ペダル40にのみ接続すると共に他方のスロットル弁を
アクチュエータ47にのみ接続し、これら二つのスロッ
トル弁をそれぞれ独立に制御すること等も可能である。
【0033】一方、前記吸気管32の下流端側には、機
関11の燃焼室31内へ図示しない燃料を吹き込む燃料
噴射装置の燃料噴射ノズル64が機関11の各気筒に対
応してそれぞれ設けられ、ECU28によりデューティ
制御される燃料噴射用電磁弁65を介して燃料が燃料噴
射ノズル64に供給される。つまり、燃料噴射用電磁弁
65の開弁時間を制御することで、燃焼室31に対する
燃料の供給量が調整され、所定の空燃比となって燃焼室
31内で点火プラグ66により点火されるようになって
いる。
【0034】前記ECU28には、機関11に取り付け
られて図示しないクランク軸の回転速度(以下、これを
機関回転速度と呼称する)NEを検出するためのクラン
ク角センサ67と、スロットルボディ35に取り付けら
れてスロットルレバー38の開度を検出するスロットル
開度センサ68と、スロットル弁34の全閉状態を検出
するアイドルスイッチ69の他、吸気管32の先端側に
組付けられて機関11の燃焼室31へと流れる空気量を
検出するカルマン渦流量計等のエアフローセンサ70
と、機関11に組付けられてこの機関11の冷却水温を
検出する水温センサ71と、燃焼室31に連通する排気
管72の途中に組付けられてここを流れる排気ガスの温
度を検出する排気温センサ73と、イグニッションキー
スイッチ74とが接続している。
【0035】そして、これらクランク角センサ67及び
スロットル開度センサ68及びアイドルスイッチ69及
びエアフローセンサ70及び水温センサ71及び排気温
センサ73及びイグニッションキースイッチ74からの
出力信号がそれぞれECU28に送られるようになって
いる。
【0036】又、機関11の目標駆動トルクを算出する
駆動トルク演算ユニット(以下、これをTCLと呼称す
る)75には、前記スロットル開度センサ68及びアイ
ドルスイッチ69と共にスロットルボディ35に取り付
けられてアクセルレバー37の開度を検出するアクセル
開度センサ76と、左右一対の前輪15,16の周速度
をそれぞれ検出する前輪回転センサ77,78と、従動
輪である左右一対の後輪29,30の周速度をそれぞれ
検出する後輪回転センサ79,80と、車両81の直進
状態を基準として旋回時における操舵ハンドル82と一
体の操舵軸83の旋回角を検出する操舵角センサ84と
が接続し、これらセンサ76,77,78,79,80,8
4からの出力信号がそれぞれ送られる。
【0037】ECU28とTCL75とは、通信ケーブ
ル85を介して結ばれており、ECU28からは機関回
転速度やアイドルスイッチ69からの検出信号等の機関
11の運転状態に関する情報がTCL75に送られる。
逆に、TCL75からはこのTCL75にて演算された
目標駆動トルクに関する情報の他、点火時期の目標遅角
量を算出するための基準遅角量に関する情報や、ブレー
キシリンダ17,18に対するブレーキ液の給排を切り
換える電磁切換弁24〜27の目標通電時間に関する情
報がECU28に送られる。
【0038】本実施例では、駆動輪である前輪15,1
6の前後方向のスリップ量が予め設定した量よりも大き
くなった場合、アクチュエータ47の操作により強制的
にスロットル開度を小さくして機関11の駆動トルクを
低下させ、車両81の操縦性を確保すると共にエネルギ
ーロスを防止する制御(以下、これをスリップ制御と呼
称する)を行った際の機関11の目標駆動トルクをTC
L75にて演算し、機関11の駆動トルクを必要に応じ
て低減できるようにしている。
【0039】又、アクチュエータ47を介したスロット
ル弁34の操作によっても、機関11の出力低減が間に
合わない場合を考慮して点火時期を遅らせるための目標
遅角量を設定する遅角制御を行い、機関11の駆動トル
クを迅速に低減できるようにしている。
【0040】更に、上述したスリップ制御によって機関
11の駆動トルクが低下する際の時間的な遅れをこの遅
角制御と共に補うため、前述した電磁開閉弁24〜27
に対して通電を一時的に行い、前輪15,16の回転を
強制的に抑えて過大なスリップを防止する制御(以下、
これをブレーキ制御と呼称する)を行った際のブレーキ
液の給排を切り換える電磁切換弁24〜27の目標通電
時間をTCL75にて演算し、スリップ状態にある前輪
15,16に対して適切な制動を迅速に行えるようにし
ている。
【0041】このような本実施例による制御の大まかな
流れを表す図4に示すように、イグニッションキースイ
ッチ74のオン操作により本実施例の制御プログラムが
開始され、M1のステップにてまず操舵軸83の旋回角
の初期値の読み込みや後述するスリップ制御中フラグ等
のリセット或いは本実施例における制御のサンプリング
周期である15ミリ秒毎の主タイマのカウント開始等の
初期設定が行われる。
【0042】そして、M2のステップにて各種センサか
らの検出信号に基づいてTCL75は車速等を演算し、
これに続いて操舵軸83の中立位置をM3のステップに
て学習補正する。この車両81の操舵軸83の中立位置
は、ECU28やTCL75中の図示しないメモリに記
憶されていないため、前記イグニッションキースイッチ
74のオン操作の度に初期値が読み込まれ、車両81が
直進走行条件を満たした場合にのみ学習補正され、イグ
ニッションキースイッチ74がオフ状態となるまでこの
初期値が学習補正されるようになっている。
【0043】次に、TCL75はM4のステップにて前
輪回転センサ77,78からの検出信号と後輪回転セン
サ79,80からの検出信号と操舵角センサ84からの
検出信号とに基づいて機関11の駆動トルクを規制する
スリップ制御を行う場合の目標駆動トルクを演算する。
【0044】又、急発進時や路面状況が通常の乾燥路か
ら凍結路に急変するような場合には、アクチュエータ4
7を介したスロットル弁34の操作によっても機関11
の出力低減が間に合わない虞があるので、M5のステッ
プにて前輪15,16のスリップ量の変化率に基づいて
点火時期を遅らせる遅角制御を行う場合の目標遅角量を
演算する。
【0045】更に、スリップ制御によって機関11の駆
動トルクを低下させる際の時間的な制御遅れを補うた
め、M6のステップにてブレーキ制御を行う場合の電磁
切換弁24〜27の目標開弁時間を演算する。
【0046】そして、これら目標駆動トルク及び目標遅
角量及び目標開弁時間に関するデータをM7のステップ
にてECU28に出力する。
【0047】車両81には、スリップ制御を運転者が選
択するための図示しない手動スイッチが設けられてお
り、運転者がこの手動スイッチを操作してスリップ制御
を希望している場合には、ECU28は機関11の駆動
トルクがこの目標駆動トルクとなるように、一対のトル
ク制御用電磁弁57,61のデューティ率を制御し、更
に基本遅角量に関するデータに基づき、このECU28
内で目標遅角量を算出する一方、点火時期を必要に応じ
て目標遅角量だけ遅らせ、更に前輪15,16に対する
制動を必要に応じて行って車両81を無理なく安全に走
行させるようにしている。
【0048】なお、運転者が図示しない手動スイッチを
操作してスリップ制御を希望していない場合には、EC
U28は一対のトルク制御用電磁弁57,61のデュー
ティ率を0%側に設定する結果、車両81は運転者のア
クセルペダル40の踏み込み量に対応した通常の運転状
態となる。
【0049】このように、車両81の駆動トルクをM8
のステップにて主タイマのサンプリング周期である15
ミリ秒毎のカウントダウンが終了するまで制御し、M9
のステップにて再び主タイマのカウントダウンを開始
し、これ以降はM2からM9までのステップを前記イグ
ニッションキースイッチ74がオフ状態になるまで繰り
返すのである。
【0050】ところで、本発明ではM4のステップでの
スリップ制御の際に、車両81の旋回中に発生する遠心
力に対応した横向きの加速度(以下、これを横加速度と
呼称する)を後述する推定横加速度として操舵軸83の
旋回角と車速とに基づいて予測し、車両81に発生する
実際の横加速度(以下、これを実横加速度と呼称する)
に対して予め予測可能な推定横加速度を優先的に利用す
ることにより、制御遅れの可能性がほとんどない状態で
後述する機関11の基準駆動トルクを補正するようにし
ている。
【0051】しかし、車両81の整備時に前輪15,1
6のトーイン調整を行った場合や図示しない操舵歯車の
磨耗等の経年変化等によって、操舵軸83の中立位置が
変わってしまうと、操舵軸83の旋回位置と操舵輪であ
る前輪15,16の実際の舵角との間にずれが発生し、
車両81の推定横加速度を正確に算出することができな
くなる。
【0052】このようなことから、操舵軸89の中立位
置をM3のステップにて学習補正する必要があるが、こ
の操舵軸89の中立位置を学習補正する方法について
は、特開平3−189273号公報等ですでに公知であ
るので、その具体的な説明は省略する。
【0053】前記TCL75は、車速の変化率(以下、
これを前後加速度と呼称する)を後輪回転センサ79,
80からの検出信号に基づいて算出し、この前後加速度
の最大値に対応する機関11の基準駆動トルクを、前輪
回転センサ77,78から検出信号に基づいて算出され
る駆動輪速から、車速に対応して設定される目標駆動輪
速を減算した値(以下、これをスリップ量偏差と呼称す
る)に基づいて補正し、目標駆動トルクを算出してい
る。
【0054】この機関11の目標駆動トルクを算出する
ための演算ブロックを表す図5及び図6に示すように、
まずTCL75は一対の後輪回転センサ79,80の検
出信号に基づいて平均車速VA(以下、これを単に車速
Aと記述する)を下式(1)により演算すると共に操舵角
センサ84からの検出信号に基づいて前輪15,16の
舵角δを下式(2)より求め、この時の車両81の推定横
加速度GYEを下式(3)よりそれぞれ求めている。 VA=(VRL+VRR)/2 ・・・ (1) δ=δH/ρH ・・・(2) GYE=δ/[ω・{A+(1/VA 2)}] ・・・(3) 但し、VRLは左後輪速、VRRは右後輪速、ρHは操舵歯
車変速比、ωは車両81のホイールベース、Aは車両8
1のスタビリティファクタであり、このスタビリティフ
ァクタAは特開平4−22723号公報等でも説明して
いるように、車両81の図示しない懸架装置の構成やタ
イヤの特性或いは路面状況等によって決まる値である。
【0055】次いで、TCL75はスリップ制御用の車
速VSを後輪回転センサ79,80からの検出信号に基づ
いて算出するが、本実施例では二つの後輪速VRL,VRR
に基づいてスリップ制御用の第一の車速VLを設定する
一方、高車速選択部101にて二つの後輪速VRL,VRR
の内の大きな方の値をそのままスリップ制御用の第二の
車速VHとして設定し、その上でこれら二つの車速VL,
Hの何れかをスリップ制御用の車速VSとして切り換え
スイッチ102により選択的に取り込むようになってい
る。
【0056】本実施例における第一の車速VLは、低車
速選択部103にて選択される二つの後輪速VRL,VRR
の内の小さい方の値と、前記(1)式により算出される車
速VAに対応して予め設定された重み付けの係数KVとを
乗算部104にて乗算し、これと二つの後輪速VRL,V
RRの内の大きい方の値に (1−KV) を乗算部105に
て乗算したものとを加算部106にて加算することによ
り算出され、これが第一の車速VLとして切り換えスイ
ッチ102側へ出力されるようになっている。
【0057】即ち、スリップ制御により実際に機関11
の駆動トルクが低減されている状態では、切り換えスイ
ッチ102により第二の車速VHよりも小さな第一の車
速VLをスリップ制御用の車速VSとして選択し、運転者
がスリップ制御を希望していても機関11の駆動トルク
が低減されていない状態では、二つの後輪速VRL,VR R
の内の大きな方の値をそのままスリップ制御用の車速V
Sとして選択するようになっている。
【0058】これは、機関11の駆動トルクが低減され
ていない状態から、機関11の駆動トルクが低減される
状態へ移行し難くすると同時に、この逆の場合での移行
も難しくするためである。例えば、車両81の旋回中に
おける二つの後輪速VRL,VR Rの内の小さい方の値をス
リップ制御用の車速VSとして選択した場合、前輪15,
16にスリップが発生していないにも係わらずスリップ
が発生していると判断し、機関11の駆動トルクが低減
されてしまうような不具合を避けるためと、車両81の
走行安全性を考慮して、一旦、機関11の駆動トルクが
低減された場合に、この状態が継続されるように配慮し
たためである。
【0059】又、高車速選択部101にて選択される二
つの後輪速VRL,VRRの内の大きい方の値である第二の
車速VHよりも小さな第一の車速VLを算出する場合、二
つの後輪速VRL,VRRの内の小さい方の値に重み付けの
係数KVを乗算部104にて乗算し、これと高車速選択
部101にて選択される二つの後輪速VRL,VRRの内の
大きい方の値に (1−KV) を乗算部105にて乗算し
たものとを加算するのは、例えば交差点等での右左折の
如き曲率半径の小さな旋回路を走行する際に、前輪1
5,16の周速度と低車速選択部103にて選択される
二つの後輪速VRL,V RRの内の小さい方の値とが大きく
相違してしまう結果、後述するフィードバック制御によ
る駆動トルクの補正量が大きすぎてしまい、車両81の
加速性が損なわれる虞があるためである。
【0060】なお、本実施例では前記重み付けの係数K
Vを後輪29,30の周速度の平均である前記(1)式の車
速VAに基づいて図7に示す如きマップから読み出すよ
うにしている。
【0061】このようにして算出されるスリップ制御用
の車速VSに基づいて前後加速度GXを算出するが、まず
今回算出したスリップ制御用の車速VS(n)と一回前に算
出したスリップ制御用の車速VS(n-1)とから、現在の車
両81の前後加速度GX(n)が微分演算部107にて下式
の如く算出される。 GX(n)=(VS(n)−Vs(n-1))/(3.6・Δt・g)
【0062】但し、Δtは本制御のサンプリング周期で
ある15ミリ秒、gは重力加速度である。
【0063】そして、算出された前後加速度GX(n)が0
.6g以上となった場合には、演算ミス等に対する安全
性を考慮してこの前後加速度GX(n)の最大値が0.6g
を越えないように、クリップ部108にて前後加速度G
X(n)を0.6gにクリップする。更に、フィルタ部10
9にてノイズ除去のためのフィルタ処理を行って修正前
後加速度GXFを算出する。
【0064】このフィルタ処理は、車両81の前後加速
度GX(n)がタイヤと路面との摩擦係数と等価であると見
なすことができることから、車両81の前後加速度G
X(n)の最大値が変化してタイヤのスリップ率がタイヤと
路面との摩擦係数の最大値と対応した値或いはその近傍
から外れそうになった場合でも、このタイヤのスリップ
率をタイヤと路面との摩擦係数の最大値と対応した値或
いはその近傍でこれよりも小さな値に維持させるよう
に、前後加速度GX(n)を修正するためのものであり、具
体的には以下の通りに行われる。
【0065】今回の前後加速度GX(n)がフィルタ処理さ
れた前回の修正前後加速度GXF(n-1 )以上の場合、つま
り車両81が加速し続けている時には、今回の修正前後
加速度GXF(n)を GXF(n)=[28・Σ{GX(n)−GXF(n-1) }]/256 として遅延処理によりノイズ除去を行い、修正前後加速
度GXF(n)を比較的早く前後加速度GX(n)に追従させて
行く。
【0066】逆に、今回の前後加速度GX(n)が前回の修
正前後加速度GXF(n-1)未満の場合、つまり車両81が
余り加速していない時には主タイマのサンプリング周期
Δt毎に以下の処理を行う。
【0067】スリップ制御による機関11の駆動トルク
を低減していない状態では、車両81が減速中にあるの
で GXF(n)=GXF(n-1)−0.002 として修正前後加速度GXF(n)の低下を抑制し、運転者
による車両81の加速要求に対する応答性を確保してい
る。
【0068】又、スリップ制御により機関11の駆動ト
ルクを低減している状態でスリップ量偏差SDが正、つ
まり前輪15,16のスリップが多少発生している時に
も、車両81は減速中であることから安全性に問題がな
いので、 GXF(n)=GXF(n-1)−0.002 として修正前後加速度GXFの低下を抑制し、運転者によ
る車両81の加速要求に対する応答性を確保している。
【0069】更に、スリップ制御により機関11の駆動
トルクを低減している状態で前輪15,16のスリップ
量偏差SDが負、つまり車両81が減速している時に
は、修正前後加速度GXFの最大値を保持し、運転者によ
る車両81の加速要求に対する応答性を確保する。
【0070】同様に、スリップ制御による機関11の駆
動トルクを低減している状態で運転者による変速機12
のシフトアップ中には、運転者に対する加速感を確保す
る必要上、修正前後加速度GXFの最大値を保持する。
【0071】そして、フィルタ部109にてノイズ除去
された修正前後加速度GXFは、トルク換算部110にて
これをトルク換算するが、このトルク換算部110にて
算出された値は、当然のことながら正の値となるはずで
あるから、クリップ部111にて演算ミスを防止する目
的でこれを0以上にクリップした後、走行抵抗算出部1
12にて算出された走行抵抗TRを加算部113にて加
算し、更に操舵角センサ84からの検出信号に基づいて
コーナリングドラッグ補正量算出部114にて算出され
るコーナリングドラッグ補正トルクTCを加算部115
にて加算し、下式(4)に示す基準駆動トルクTBを算出す
る。 TB=GFO・Wb・r+TR+TC ・・・ (4) 但し、Wbは車体重量、rは前輪15,16の有効半径で
ある。
【0072】前記走行抵抗TRは平均車速VAの関数とし
て算出することができるが、本実施例では図8に示す如
きマップから求めている。この場合、平坦路と登坂路と
では走行抵抗TRが異なるので、マップには図中、実線
にて示す平坦路用と二点鎖線にて示す登坂路用とが書き
込まれ、車両81に組み込まれた図示しない傾斜センサ
からの検出信号に基づいて、いずれか一方を選択するよ
うにしている。
【0073】又、本実施例では前記コーナリングドラッ
グ補正トルクTCを操舵角センサ83により検出される
操舵軸83の旋回角δHに基づいて図9に示す如きマッ
プから求めており、これによって実際の走行状態と近似
した機関11の基準駆動トルクTBを設定することがで
き、旋回直後の機関11の基準駆動トルクTBが大きめ
になっていることから、旋回路を抜けた後の車両81の
加速フィーリングが向上する。
【0074】なお、前記(4)式により算出される基準駆
動トルクTBに対し、本実施例では可変クリップ部11
6にて下限値TBLを設定することにより、この基準駆動
トルクTBから後述する補正トルクTPIを減算部117
にて減算した値が、負となってしまうような不具合を防
止している。この基準駆動トルクTBの下限値TBLは、
図10に示す如きマップに示すように、スリップ制御の
開始時点からの経過時間に応じて段階的に低下させるよ
うにしている。
【0075】ところで、車両81の加速時に機関11で
発生する駆動トルクを有効に働かせるためには、図11
中の実線で示すように、走行中の前輪15,16のタイ
ヤのスリップ率sが、このタイヤと路面との摩擦係数の
最大値と対応する目標スリップ率sO或いはその近傍で
これよりも小さな値となるように調整し、エネルギーの
ロスを避けると共に車両81の操縦性能や加速性能を損
なわないようにすることが望ましい。
【0076】ここで、前輪15,16のタイヤのスリッ
プ率sは、これら左前輪速をVFL,右前輪速をVFRと記
述すると、 s=(VFL,VFR−VA)/VA である。又、車両81の走行中には路面に対して3%程
度のスリップが駆動輪である前輪15,16に発生して
いるのが普通であるから、この前輪15,16のスリッ
プ状態を勘案して推定前輪速VFEを乗算部118にて下
式の通りに設定する。 VFE=1.03・VS
【0077】そして、TCL75は加速度補正部119
にて図12に示す如きマップから前述した修正前後加速
度GXFに対応するスリップ補正量VKを読み出し、これ
を加算部120にて推定前輪速VFEに加算する。このス
リップ補正量VKは、修正前後加速度GXFの値が大きく
なるにつれて段階的に増加するような傾向を持たせてい
るが、本実施例では走行試験等に基づいてこのマップを
作成している。
【0078】これにより、後述する目標前輪速VFOが増
大し、加速時における前輪15,16のスリップ率sが
図11中の実線で示す目標スリップ率sO或いはその近
傍でこれよりも小さな値となるように設定される。
【0079】一方、旋回中におけるタイヤと路面との摩
擦係数と、このタイヤのスリップ率Sとの関係を前記図
11中の一点鎖線で示すように、旋回中におけるタイヤ
と路面との摩擦係数の最大値となるタイヤのスリップ率
は、直進中におけるタイヤと路面との摩擦係数の最大値
となるタイヤの目標スリップ率sOよりも相当小さいこ
とが判る。従って、車両81が旋回中にはこの車両81
が円滑に旋回できるように、推定前輪速VFEを直進時よ
りも小さく設定することが望ましい。
【0080】そこで、旋回補正部121にて図13の実
線で示す如きマップから前記推定横加速度GYEに対応す
るスリップ補正量VKCを読み出し、これを減算部122
にて前記加算部120からの出力に対して減算し、目標
前輪速VFOを算出する。但し、イグニッションキースイ
ッチ74のオン操作の後に行われる最初の操舵軸83の
中立位置の学習が行われるまでは、操舵軸83の旋回角
δHの信頼性がないので、後輪29,30の周速度VRL,
RRにより実横加速GYに基づいて図13の破線で示す
如きマップから前記スリップ補正量VKCを読み出す。
【0081】ところで、前記推定横加速度GYEは操舵角
センサ84からの検出信号に基づいて前記(2)式により
舵角δを算出し、この舵角δを用いて前記(3)式により
求めるようにしている。
【0082】従って、操舵角センサ84に異常が発生す
ると、推定横加速度GYEが全く誤った値となることが考
えられる。そこで、操舵角センサ84等に異常が発生し
た場合には、後輪速差|VRL−VRR|を用いて車両81
に発生する実横加速度GYを算出し、これを推定横加速
度GYEの代わりに用いる。
【0083】具体的には、この実横加速度GYは後輪速
差|VRL−VRR|と車速VAとからTCL75内に組み
込まれた横加速度演算部123にて下式の如く算出さ
れ、これをフィルタ部124にてノイズ除去処理した修
正横加速度GYFが用いられる。 GY=(|VRL−VRR|・VA)/(3.2・b・g)
【0084】但し、bは後輪29,30のトレッドであ
り、前記フィルタ部124では今回算出した実横加速度
Y(n)と前回算出した修正横加速度GYF(n-1)とから今
回の修正横加速度GYF(n)を下式に示すデジタル演算に
よりローパス処理を行っている。 GYF(n)=Σ[(20/256)・{GY(n)−GYF(n-1)}]
【0085】なお、推定横加速度GYEに対応する前記ス
リップ補正量VKCは、運転者の操舵ハンドル84の切り
増しが考えられるので、この推定横加速度GYEが小さな
領域では、修正横加速度GYFに対応するスリップ補正量
KCよりも小さめに設定している。又、車速VAが小さ
な領域では、車両81の加速性を確保することが望まし
く、逆にこの車速VAがある程度の速度以上では、旋回
のし易さを考慮する必要があるので、図13から読み出
されるスリップ補正量VKCに車速VAに対応した補正係
数を図14に示すマップから読み出して乗算することに
より、修正スリップ補正量VKFを算出している。
【0086】これにより、目標前輪速VFOが減少し、旋
回時における前輪15,16のスリップ率sが直進時に
おける目標スリップ率sOよりも小さくなり、車両81
の加速性能が若干低下するものの、良好な旋回性が確保
される。
【0087】これら推定横加速度GYE及び実横加速度G
Yの選択手順を表す図15に示すように、TCL75は
T1のステップにてスリップ補正量VKCを算出するため
の横加速度として前記フィルタ部123からの修正横加
速度GYFを採用し、T2のステップにてスリップ制御中
フラグFSがセットされているか否かを判定する。
【0088】このT2のステップにてスリップ制御中フ
ラグFSがセットされている、即ちスリップ制御中であ
ると判断したならば、前記修正横加速度GYFをそのまま
採用する。これは、スリップ制御中にスリップ補正量V
KCを決める基準となる横加速度を、修正横加速度GYF
ら推定横加速度GYEへ変えた場合に、スリップ補正量V
KCが大きく変化して車両81の挙動が乱れる虞があるた
めである。
【0089】前記T2のステップにてスリップ制御中フ
ラグFSがセットされていないと判断したならば、T3
のステップにて舵角の中立位置の学習が行われたかか否
かを判定する。ここで、舵角の中立位置がまだ学習され
ていないと判断した場合には、やはり前記修正横加速度
YFをそのまま採用する。又、このT3のステップにて
舵角の中立位置が学習済みであると判断したならば、T
4のステップにてスリップ補正量VKCを算出するための
横加速度として前記推定横加速度GYEを採用する。
【0090】以上の結果、目標前輪速VFOは下式の通り
となる。 VFO=VFE+VK −VKF
【0091】次に、前輪回転センサ77,78の検出信
号からノイズ除去などを目的としたフィルタ処理により
得た実前輪速VFと、前記目標前輪速VFOとの偏差であ
るスリップ量偏差SDを減算部125にて算出する。そ
して、このスリップ量偏差SDが負の設定値以下、例え
ば毎時−2.5km以下の場合には、スリップ量偏差SD
して毎時−2.5kmをクリップ部126にてクリップし、
このクリップ処理後のスリップ量偏差SDに対して後述
する比例補正を行い、この比例補正における過制御を防
止して出力のハンチングが発生しないようにしている。
【0092】又、このクリップ処理前のスリップ量偏差
Dに対して後述する積分定数ΔTiを用いた積分補正を
行って補正トルクTPIを算出する。
【0093】前記比例補正としては、乗算部127にて
スリップ量偏差SDに比例係数KPを掛けて基本的な補正
量を求め、更に乗算部128にて変速機12の変速比ρ
mによって予め設定された補正係数ρKPを乗算して比例
補正トルクTPを得ている。なお、比例係数KPはクリッ
プ部126におけるクリップ処理後のスリップ量偏差S
Dに応じて図16に示すマップから読み出すようにして
いる。
【0094】又、前記積分補正としてスリップ量偏差S
Dのゆるやかな変化に対応した補正を実現するため、積
分演算部129にて基本的な補正量を算出し、この補正
量に対して乗算部130にて変速機12の変速比ρm
基づいて予め設定された補正係数ρKIを乗算し、積分補
正トルクTIを得ている。この場合、本実施例では一定
の微小積分補正トルクΔTIを積分しており、15ミリ
秒のサンプリング周期毎にスリップ量偏差SDが正の場
合には前記微小積分補正トルクΔTIを加算し、逆にス
リップ量偏差SDが負の場合には微小積分補正トルクΔ
Iを減算している。
【0095】但し、この積分補正トルクTIには車速VS
に応じて可変の図17のマップに示す如き下限値T
ILと、制御の収束性を高めるために上限値、例えば0kg
mを設定を設定しており、このクリップ処理により車両
81の発進時、特に登り坂での発進時には大きな積分補
正トルクTIを働かせて機関11の駆動力を確保し、車
両81の発進後に車速VAが上昇してからは、逆に補正
が大きすぎると制御の安定性を欠くので、積分補正トル
クTIが小さくなるようにしている。
【0096】なお、前記補正係数ρKPKIは変速機1
2の変速比ρmに関連付けて予め設定された図18に示
す如きマップから読み出すようにしている。
【0097】しかるのち、加算部131にてこれら比例
補正トルクTPと積分補正トルクTIとを加算し、これに
より得られる補正トルクTPIを前記減算部117にて前
述の基準駆動トルクTBから減算し、更に乗算部132
にて機関11と前輪15,16の車軸14,15との間の
総減速比の逆数を乗算することにより、下式(5)に示す
スリップ制御用の目標駆動トルクTOを算出する。 TO=(TB−TPI)/(ρm・ρd・ρT) ・・・ (5) 但し、ρdは差動歯車減速比、ρTは図18に示す如く変
速機12の変速比ρmに関連付けて予め設定されたトル
クコンバータ比である。
【0098】この場合、運転者が変速機12を介してア
ップシフトの変速操作を行う際には、その変速終了後に
高速段側の変速比ρmが出力されるようになっている。
つまり、変速機12のアップシフトの変速操作の場合に
は、変速信号の出力時点で高速段側の変速比ρmを採用
すると、上記(5)式からも明らかなように、変速中に目
標駆動トルクTOが増大して機関11が吹け上がってし
まうため、変速開始の信号を出力してから変速操作が完
了する、例えば1.5秒間は、目標駆動トルクTOをより
小さくできる低速段側の変速比ρmが保持され、変速開
始の信号を出力してから1.5秒後に高速段側の変速比
ρmが採用される。同様な理由から、変速機12のダウ
ンシフトの変速操作の場合には、変速信号の出力時点で
低速段側の変速比ρmが直ちに採用される。
【0099】前記(5)式で算出された目標駆動トルクTO
は当然のことながら正の値となるはずであるから、クリ
ップ部133にて演算ミスを防止する目的で目標駆動ト
ルクTOを0kgm以上にクリップし、スリップ制御の開始
或いは終了を判定するための開始・終了判定部134で
の判定処理に従って、この目標駆動トルクTOに関する
情報がECU28に出力される。
【0100】本実施例におけるスリップ制御用の実前輪
速VFは、前輪回転センサ77,78により検出される二
つの前輪速VFL,VFRから平均駆動輪速演算部135に
て算出されるその平均値と、車両81の運転状態に応じ
て予め設定された重み付けの係数KMとを乗算部136
にて乗算し、これと低駆動輪速選択部137にて選択さ
れる二つの前輪速VRL,VRRの内の大きい方の値に (1
−KM) を乗算部138にて乗算したものとを加算部1
39にて加算することにより算出している。
【0101】この重み付けの係数KMは、図19に示す
如き前記横加速度GYE,GYFに基づいて予め設定された
第一の重み付けの係数KM1、及び図20に示す如きスリ
ップ制御開始後の経過時間に基づいて予め設定された第
二の重み付けの係数KM2、及び図21に示す如き車速V
Aに基づいて予め設定された第三の重み付けの係数KM3
の内の最大のものが選択される。
【0102】なお、この実前輪速VFを算出する場合、
平均駆動輪速演算部135にて算出される二つの前輪速
FL,VFRの平均値に重み付けの係数KMを乗算部136
にて乗算し、これと低駆動輪速選択部137にて選択さ
れる二つの前輪速VFL,VFRの内の小さな方の値に (1
−KM) を乗算部138にて乗算したものとを加算する
のは、上述した図19〜図21からも明らかなように、
車両81の旋回時に発生する横加速度を考慮して直進走
行の場合よりもスリップ量偏差SDに基づく補正トルク
PIを減算部117に対して大きめに出力させ、基準駆
動トルクTBLの低減量を大きくするためと、スリップ制
御開始直後は後述するブレーキ制御の比重を高めて補正
トルクTPIの減算量を少なくし、車両81の加速性を確
保するためと、車両81が高速走行中には機関11側の
目標駆動トルクTOを小さめにしてブレーキ制御による
制動装置の負担を軽減するためである。
【0103】又、平均駆動輪速演算部135にて二つの
前輪速VFL,VFRの内の大きい方の値を採用せずに二つ
の前輪速VFL,VFRの平均値を算出しているのは、車両
81の旋回中における内外輪の周速の差によるスリップ
量偏差の誤検出を防止し、前輪15,16がスリップし
ていないにも係わらず、スリップ制御がなされてしまう
ような不具合を防止するためである。
【0104】前記開始・終了判定部134は下記(a)〜
(e)に示す全ての条件を満足した場合にスリップ制御の
開始と判断し、スリップ制御中フラグFSをセットする
と共に高車速選択部101及び低車速選択部103から
の出力に基づいて算出される前記第一の車速VLをスリ
ップ制御用の車速VSとして選択するように切り換えス
イッチ102を作動させ、目標駆動トルクTOに関する
情報をECU28に出力し、スリップ制御の終了を判断
してスリップ制御中フラグFSがリセットとなるまで
は、この処理を継続する。
【0105】(a) 運転者は図示しない手動スイッチを操
作してスリップ制御を希望している。 (b) 運転者の要求している駆動トルクTDは車両81を
走行させるのに必要な最小の駆動トルク、例えば4kgm
以上である。なお、本実施例ではこの要求駆動トルクT
Dをクランク角センサ67からの検出信号により算出さ
れた機関回転速度NEと、アクセル開度センサ76から
の検出信号により算出されたアクセル開度θAとに基づ
いて予め設定された図22に示す如きマップから読み出
している。 (c) スリップ量偏差SDは毎時2km以上である。 (d) 減算部125にて算出されたスリップ量偏差SD
微分演算部140にて時間微分したスリップ量偏差SD
の変化率GSDは0.2g以上である。 (e) 前記加算部139にて算出された実前輪速VFを微
分演算部141にて時間微分した実前輪加速度GFは0.
2g以上である。
【0106】一方、前記開始・終了判定部134がスリ
ップ制御の開始を判定した後、下記(f),(g),(h)に示す
条件の内のいずれかを満足した場合には、スリップ制御
終了と判断してスリップ制御中フラグFSをリセット
し、ECU28に対する目標駆動トルクTOの送信を中
止すると共に高車速選択部102からの出力をスリップ
制御用の車速VSとして選択するように切り換えスイッ
チ102を作動させる。
【0107】(f) 目標駆動トルクTOは要求駆動トルク
D以上である。 (g) スリップ量偏差SDが一定値、例えば毎時−2km以
下である状態が一定時間、例えば0.5秒以上継続して
いる。 (h) アイドルスイッチ69がオフからオンに変わった状
態、つまり運転者がアクセルペダル40を開放した状態
が一定時間、例えば5秒以上継続している。
【0108】本実施例におけるスリップ制御の処理の流
れを表す図23に示すように、TCL75はS1のステ
ップにて上述した各種データの検出及び演算処理によ
り、目標駆動トルクTOを算出するが、この演算操作は
前記手動スイッチの操作とは関係なく行われる。
【0109】次に、S2のステップにてまずスリップ制
御中フラグFSがセットされているか否かを判定する
が、最初はスリップ制御中フラグFSがセットされてい
ないので、TCL75はS3のステップにて前輪15,
16のスリップ量偏差SDが予め設定した閾値、例えば
毎時2kmよりも大きいか否かを判定する。
【0110】このS3のステップにてスリップ量偏差S
Dが毎時2kmよりも大きいと判断すると、TCL75は
S4のステップにてスリップ量偏差SDの変化率GSD
.2gよりも大きいか否かを判定する。
【0111】このS4のステップにてスリップ量偏差S
Dの変化率GSDが0.2gよりも大きいと判断すると、T
CL75はS5のステップにて運転者の要求駆動トルク
Dが車両81を走行させるために必要な最小駆動トル
ク、例えば4kgmよりも大きいか否か、つまり運転者が
車両81を走行させる意志があるか否かを判定する。
【0112】このS5のステップにて要求駆動トルクT
Dが4kgmよりも大きい、即ち運転者は車両81を走行さ
せる意志があると判断すると、S6のステップにてスリ
ップ制御中フラグFSをセットし、S7のステップにて
スリップ制御中フラグFSがセットされているか否かを
再度判定する。
【0113】このS7のステップにてスリップ制御中フ
ラグFSがセット中であると判断した場合には、S8の
ステップにて機関11の目標駆動トルクTOとして前記
(5)式にて予め算出したスリップ制御用の目標駆動トル
クTOを採用する。
【0114】又、前記S7のステップにてスリップ制御
中フラグFSがリセットされていると判断した場合に
は、S9のステップにてTCL75は目標駆動トルクT
Oとして機関11の最大トルクを出力し、これによりE
CU28がトルク制御用電磁弁57,61のデューティ
率を0%側に低下させる結果、機関11は運転者による
アクセルペダル40の踏み込み量に応じた駆動トルクを
発生する。
【0115】なお、S3のステップにて前輪15,16
のスリップ量偏差SDが毎時2kmよりも小さいと判断し
た場合、或いはS4のステップにてスリップ量偏差SD
の変化率GSDが0.2gよりも小さいと判断した場合、
或いはS5のステップにて要求駆動トルクTDが4kgmよ
りも小さいと判断した場合には、そのまま前記S7のス
テップに移行し、S9のステップにてTCL75は目標
駆動トルクTOとして機関11の最大トルクを出力し、
これによりECU28がトルク制御用電磁弁57,61
のデューティ率を0%側に低下させる結果、機関11は
運転者によるアクセルペダル40の踏み込み量に応じた
駆動トルクを発生する。
【0116】一方、前記S2のステップにてスリップ制
御中フラグFSがセットされていると判断した場合に
は、S10にて前輪15,16のスリップ量偏差SDが前
述した閾値である毎時−2km以下且つ要求駆動トルクT
DがS1のステップにて算出された目標駆動トルクTO
下の状態が0.5秒以上継続しているか否かを判定す
る。
【0117】このS10のステップにてスリップ量偏差
Dが毎時2kmよりも小さく且つ要求駆動トルクTDが目
標駆動トルクTO以下の状態が0.5秒以上継続してい
る、即ち運転者は車両81の加速を既に希望していない
と判断すると、S11のステップにてスリップ制御中フ
ラグFSをリセットし、S7のステップに移行する。
【0118】前記S10のステップにてスリップ量偏差
Dが毎時2kmよりも大きいか、或いは要求駆動トルク
Dが目標駆動トルクTO以下の状態が0.5秒以上継続
していない、即ち運転者は車両81の加速を希望してい
ると判断すると、TCL75はS12のステップにてア
イドルスイッチ69がオン、即ちスロットル弁34の全
閉状態が0.5秒以上継続しているか否かを判定する。
【0119】このS12のステップにてアイドルスイッ
チ69がオンであると判断した場合、運転者がアクセル
ペダル40を踏み込んでいないことから、S11のステ
ップに移行してスリップ制御中フラグFSをリセットす
る。逆に、アイドルスイッチ69がオフであると判断し
た場合、運転者はアクセルペダル40を踏み込んでいる
ので、再びS7のステップに移行する。
【0120】以上のようにして目標駆動トルクTOを選
択する一方、アクチュエータ47を介したスロットル弁
34の操作によっても機関11の出力低減が間に合わな
い急発進時や路面状況が通常の乾燥路から凍結路に急変
するような場合、TCL75はECU28にて設定され
る点火時期の基本遅角量pBに対して遅角割合を設定す
る遅角制御を行い、これをECU28に出力している。
【0121】前記基本遅角量pBは、機関11の運転に
支障を来さないような遅角の最大値であり、機関11の
吸気量と機関回転速度NEとに基づいて設定されるが、
本発明では低駆動輪速選択部137にて選択される二つ
の前輪速VFL,VFRの内の小さな方の値に減算部122
から出力される目標前輪速VFOを図6に示す減算部16
7にて減算して遅角制御用スリップ量偏差SDPを得、こ
の遅角制御用スリップ量偏差SDPを微分演算部168に
て時間微分することにより得られる遅角制御用スリップ
量偏差SDPの変化率GDPが大きくなるに従って、大きな
遅角量となるような遅角割合のマップがTCL75内に
記憶されている。
【0122】この場合、本実施例では基本遅角量pB
0にする0レベルと、基本遅角量pBを3分の2に圧縮
するIレベルと、基本遅角量pBをそのまま出力するII
レベルとの三つのレベルの遅角割合が設定されている。
又、本発明では遅角制御用スリップ量偏差SDPを低駆動
輪速選択部137にて選択される二つの前輪速VFL,VF
Rの内の小さな方の値に減算部122から出力される目
標前輪速VFOを減算して求めているため、例えば左右の
前輪15,16が接地する路面の摩擦係数が左右で大き
く相違するような場合、遅角制御用スリップ量偏差SDP
が小さく出力されることから、高摩擦係数側の駆動輪の
駆動トルクを有効に路面に伝達することができる。
【0123】この遅角割合を読み出す手順を表す図25
に示すように、TCL75はまずP1のステップにて遅
角制御用スリップ量偏差SDPが毎時0km未満か否かを判
定し、このP1のステップにて遅角制御用スリップ量偏
差SDPが毎時0km未満である、即ち機関11の駆動トル
クを上げても問題ないと判断すると、P2にて遅角割合
を0レベルにセットし、これをECU28に出力する。
逆に、このP1のステップにて遅角制御用スリップ量偏
差SDPが毎時0km以上であると判断した場合には、P3
のステップにて遅角制御用スリップ量偏差SDPの変化率
DPが0.5g以下であるか否かを判定し、このP3の
ステップにて遅角制御用スリップ量偏差SDPの変化率G
DPが0.5g以下であると判断した場合には、P4のス
テップにて遅角割合がIIレベルであるか否かを判定す
る。
【0124】又、前記P3のステップにて遅角制御用ス
リップ量偏差SDPの変化率GDPが0.5gを超える、即
ち急激に前輪15,16がスリップしていると判断した
場合には、P5のステップにて目標駆動トルクTOが4k
gm未満であるか否かを判定し、この目標駆動トルクTO
が4kgm未満である、即ち機関11の駆動トルクを急激
に抑制する必要があると判断した場合には、P6のステ
ップにて遅角割合をIIレベルに設定して前記P4のステ
ップに移行する。逆に、P5のステップにて目標駆動ト
ルクTOが4kgm以上であると判断した場合には、そのま
まP4のステップに移行する。
【0125】 このP4のステップにて遅角割合がIIレベ
ルであると判断したならば、P7のステップにて遅角制
御用スリップ量偏差SDPの変化率GDPが0gを超えるか
否かを判定する。ここで、遅角制御用スリップ量偏差S
DPの変化率GDPが0g以下である、即ち遅角制御用スリ
ップ量偏差SDPが減少傾向にあると判断した場合には、
P8のステップにてこの遅角制御用スリップ量偏差SDP
が毎時8kmを超えているか否かを判定する。
【0126】このP8のステップにて遅角制御用スリッ
プ量偏差SDPが毎時8km以下であると判断した場合に
は、P9のステップにて遅角割合をIIレベルに保持し、
P10にて遅角制御用スリップ量偏差SDPの変化率GDP
が0.5g以下であるか否かを判定する。同様に、前記
P4のステップにて遅角割合がIIレベルではないと判断
した場合にも、このP10のステップに移行する。
【0127】このP10のステップにて遅角制御用スリ
ップ量偏差SDPの変化率GDPが0.5g以下である、即
ち遅角制御用スリップ量偏差SDPの変化が余り急激では
ないと判断した場合には、P11のステップにて遅角割
合がIIレベルであるか否かを判定する。又、P10のス
テップにて遅角制御用スリップ量偏差SDPの変化率G DP
が0.5g以下ではないと判断した場合には、P12の
ステップにて遅角割合をIIレベルに設定し、P11のス
テップに移行する。
【0128】そして、このP11のステップにて遅角割
合がIIレベルであると判断した場合には、P13のステ
ップにて遅角制御用スリップ量偏差SDPの変化率GDP
0gを越えるか否かを判定し、逆に遅角割合がIIレベル
ではないと判断した場合には、P14のステップにて遅
角制御用スリップ量偏差SDPの変化率GDPが0.3g以
下であるか否かを判定する。前記P13のステップにて
遅角制御用スリップ量偏差SDPの変化率GDPが0gを越
えていない、即ち遅角制御用スリップ量偏差S DPが減少
傾向にあると判断した場合には、P15のステップにて
この遅角制御用スリップ量偏差SDPが毎時8kmを超えて
いるか否かを判定する。そして、このP15のステップ
にて遅角制御用スリップ量偏差SDPが毎時8km以下であ
ると判定した場合には、P16にて遅角割合をIIレベル
からIレベルへ切替え、前記P14のステップに移行す
る。
【0129】前記P14のステップにて遅角制御用スリ
ップ量偏差SDPの変化率GDPが0.3g以下である、即
ち遅角制御用スリップ量偏差SDPが殆ど増加傾向にない
と判断したならば、P17のステップにて遅角割合がI
レベルであるか否かを判定する。逆に、P14のステッ
プにて遅角制御用スリップ量偏差SDPの変化率GDP
0.3gを越えている、即ち遅角制御用スリップ量偏差
DPが多少なりとも増加傾向にあると判断した場合に
は、P18のステップにて遅角割合をIレベルに設定す
る。
【0130】そして、P17のステップにて遅角割合が
Iレベルであると判断した場合には、P19のステップ
にて遅角制御用スリップ量偏差SDPの変化率GDPが0g
を越えているか否かを判定し、これが0g以下である、
即ち遅角制御用スリップ量偏差SDPが減少傾向にあると
判断した場合には、P20のステップにて遅角制御用ス
リップ量偏差SDPが毎時5km未満であるか否かを判定す
る。このP20のステップにて遅角制御用スリップ量偏
差SDPが毎時5km未満である、即ち前輪15,16が殆
どスリップしていないと判断したならば、P21のステ
ップにて遅角割合を0レベルに設定し、これをECU2
8に出力する。
【0131】一方、前記P7のステップにて遅角制御用
スリップ量偏差SDPの変化率GDPが0gを越えている、
即ち遅角制御用スリップ量偏差SDPが増加傾向にあると
判断した場合には、P22のステップにて目標駆動トル
クTOが10kgm未満であるか否かを判定する。
【0132】又、P8のステップにて遅角制御用スリッ
プ量偏差SDPが毎時8kmを越えていると判断した場合
や、前記P13のステップにて遅角制御用スリップ量偏
差SDPの変化率GDPが0g以上である、即ち遅角制御用
スリップ量偏差SDPが増加傾向にあると判断した場合、
又、P15のステップにて遅角制御用スリップ量偏差S
DPが毎時8kmを越えている、即ち遅角制御用スリップ量
偏差SDPが大きいと判断した場合、P17のステップに
て遅角割合がIレベルではないと判断した場合、P19
のステップにて遅角制御用スリップ量偏差SDP変化率G
DPが0gを越えている、即ち遅角制御用スリップ量偏差
DPが増加傾向にあると判断した場合、或いはP20の
ステップにて遅角制御用スリップ量偏差SDPが毎時5km
以上である、即ち遅角制御用スリップ量偏差SDPが比較
的多いと判断した場合にも、それぞれこのP22のステ
ップに移行する。
【0133】そして、このP22のステップにて目標駆
動トルクTOが10kgm以上である、即ち機関11が多少
大きめな駆動力を発生していると判断した場合には、P
23のステップにて遅角割合がIIレベルであるか否かを
判定し、この遅角割合がIIレベルであると判断した場合
には、P24のステップにて遅角割合をIレベルに落と
し、これをECU28に出力する。
【0134】前記P22のステップにて目標駆動トルク
Oが10kgm未満であると判断した場合や、P23のス
テップにて遅角割合がIIレベルではないと判断した場合
には、P25のステップにて変速機12が変速中か否か
を判定する。そして、この変速機12が変速中であると
判断した場合には、P26にて遅角割合がIIレベルであ
るか否かを判定し、このP26のステップにて遅角割合
がIIレベルであると判断した場合には、P27のステッ
プにて遅角割合をIIレベルに落とし、これをECU28
に出力する。又、P25のステップにて変速機12が変
速中ではないと判断した場合、或いはP26のステップ
にて遅角割合がIIレベルではないと判断した場合には、
それぞれP28のステップにて先に設定された遅角割合
をそのままECU28に出力する。
【0135】前記ECU28は、機関回転速度NEと機
関11の吸気量とに基づいて予め設定された点火時期及
び基本遅角量pBに関する図示しないマップから、これ
ら点火時期及び基本遅角量pBをクランク角センサ67
からの検出信号及びエアフローセンサ70からの検出信
号に基づいて読み出し、これをTCL75から送られた
遅角割合に基づいて補正し、目標遅角量pOを算出する
ようにしている。この場合、図示しない排気ガス浄化触
媒を損傷しないような排気ガスの上限温度に対応して目
標遅角量pOの上限値が設定されており、この排気ガス
の温度は排気温センサ74からの検出信号により検出さ
れる。
【0136】なお、水温センサ71により検出される機
関11の冷却水温が予め設定された値よりも低い場合に
は、点火時期を遅角することは機関11のノッキングや
ストールを誘発する虞があるため、以下に示す遅角制御
は中止する。
【0137】この遅角制御における目標遅角量pOの演
算手順を表す図25に示すように、まずECU28はQ
1のステップにてスリップ制御中フラグFSがセットさ
れているか否かを判定し、このスリップ制御中フラグF
Sがセットされている、即ちスリップ制御中であると判
断した場合には、Q2のステップにて遅角割合がIIレベ
ルに設定されているか否かを判定する。そして、このQ
2のステップにて遅角割合がIIレベルであると判断した
場合には、Q3のステップにて目標遅角量pOをマップ
から読み出した基本遅角量pBをそのまま目標遅角量pO
として利用し、点火時期を目標遅角量pOだけ遅角す
る。更に、Q4のステップにてECU28は目標駆動ト
ルクTOの値に応じてトルク制御用電磁弁57,61のデ
ューティ率をQ4にて設定し、運転者によるアクセルペ
ダル40の踏み込み量とは関係なく、機関11の駆動ト
ルクを低減する。
【0138】ここで、ECU28には機関回転速度NE
と機関11の駆動トルクとをパラメータとしてスロット
ル開度θTを求めるためのマップが記憶されており、E
CU28はこのマップを用いて現在の機関回転速度NE
とこの目標駆動トルクTOとに対応した目標スロットル
開度θTOを読み出す。
【0139】次いで、ECU28はこの目標スロットル
開度θTOとスロットル開度センサ68から出力される実
際のスロットル開度θTとの偏差を求め、一対のトルク
制御用電磁弁57,61のデューティ率を前記偏差に見
合う値に設定して各トルク制御用電磁弁57,61のプ
ランジャ58,62のソレノイドに電流を流し、アクチ
ュエータ47の作動により実際のスロットル開度θT
目標スロットル開度θTOにまで下がるように制御する。
【0140】なお、目標駆動トルクTOとして機関11
の最大トルクがECU28に出力された場合、ECU2
8はトルク制御用電磁弁57,61のデューティ率を0
%側に低下させ、運転者によるアクセルペダル40の踏
み込み量に応じた駆動トルクを機関11に発生させる。
【0141】前記Q2のステップにて遅角割合がIIレベ
ルではないと判断した場合には、Q5のステップに移行
して遅角割合がIレベルに設定されているか否かを判定
する。このQ5のステップにて遅角割合がIレベルに設
定されていると判断した場合には、Q6のステップにて
目標遅角量pOを下式の如く設定し、点火時期をこの目
標遅角量pOだけ遅角して前記Q4のステップに移行す
る。 pO=(2・pB)/3
【0142】一方、前記Q5のステップにて遅角割合が
Iレベルではないと判断した場合には、Q7のステップ
に移行して遅角割合が0レベル、即ち目標遅角量pO
0であるか否かを判定し、これが0であると判断した場
合には、Q4のステップに移行して点火時期を遅角せ
ず、目標駆動トルクTOの値に応じてトルク制御用電磁
弁57,61のデューティ率を設定し、運転者によるア
クセルペダル40の踏み込み量とは関係なく、機関11
の駆動トルクを低減する。
【0143】又、前記Q7のステップにて遅角割合が0
レベル、即ち目標遅角量pOが0ではないと判断した場
合には、Q11にて主タイマのサンプリング周期Δt毎
に目標遅角量pOをランプ制御により例えば1度ずつpO
=0となるまで減算させて行き、機関11の駆動トルク
の変動に伴うショックを軽減した後、Q4のステップに
移行する。
【0144】なお、前記Q1のステップにてスリップ制
御中フラグFSがリセットされている、即ちスリップ制
御中ではないと判断した場合には、機関11の駆動トル
クを低減させない通常の走行制御となり、Q9のステッ
プにて0レベル、即ちpO=0として点火時期を遅角さ
せず、Q10のステップにてトルク制御用電磁弁57,
61のデューティ率を0%に設定することにより、機関
11は運転者によるアクセルペダル40の踏み込み量に
応じた駆動トルクを発生する。
【0145】以上のようにしてECU28にて設定され
る点火時期の基本遅角量pBに対して遅角割合を設定す
る遅角制御を行う一方、スリップ制御によって機関11
の駆動トルクが低下する際の時間的な遅れをこの遅角制
御と共に補うため、前輪回転センサ77,78により検
出される前輪速VFL,VFRから後輪回転センサ79,80
からの検出信号に基づいて設定されるブレーキ制御用目
標駆動輪速VBOを減算してブレーキ制御用スリップ量偏
差SBL,SBRを求め、このブレーキ制御用スリップ量偏
差SBL,SBRに基づいて電磁開閉弁24〜27の目標開
弁時間tL,tRを算出し、これを電磁開閉弁24〜27
に出力してスリップ状態にある前輪15,16を適切な
制動力で迅速に制動するブレーキ制御を行う。
【0146】このような本実施例によるブレーキ制御の
演算ブロックを表す図26に示すように、TCL75は
後輪回転センサ79,80からの検出信号に基づき、二
つの後輪速VRL,VRRの内の大きい方の値VHを高車速選
択部101にて選択する。そして、前輪15,16のス
リップ量を勘案して乗算部142にて予め設定された補
正係数を乗算し、ブレーキ制御用推定駆動輪速VEBを算
出するが、この補正係数は、車速VAに応じて予め設定
された図27に示す如きマップから読み出すようにして
いる。
【0147】そして、このブレーキ制御用推定駆動輪速
EBと加算部143にて前記加速度補正部119から出
力されるスリップ補正量VKとを加算してブレーキ制御
用目標駆動輪速VBOを算出する。この場合、修正前後加
速度GXFの大きさに応じて図12に示す如くスリップ補
正量VKを設定したことにより、修正前後加速度GXF
大きい時には、車両81がじゃり道のような悪路を走行
していると判断してブレーキ制御用目標駆動輪速VBO
大きくし、ブレーキ制御用スリップ量偏差SBL,SBR
少なくすることによって車両81の加速性が良くなるよ
うに配慮している。
【0148】なお、加算部143において算出されたブ
レーキ制御用目標駆動輪速VBOがクリップ部144にて
設定された下式に示す最小値VBLよりも小さい場合に
は、このブレーキ制御用目標駆動輪速VBOがクリップ部
144にて設定された最小値V BLにクリップされるよう
になっている。 VBL=(60×2π・NE・r)/(1000・ρm・ρd) 但し、πは円周率である。
【0149】そして、前輪回転センサ77,78によっ
て検出される左右の前輪速VFL,VFRから上述したブレ
ーキ制御用目標駆動輪速VBOが減算部145,146に
てそれぞれ減算され、前輪15,16のブレーキ制御用
スリップ量偏差SBL,SBRが算出される。
【0150】次に、減算部145,146から出力され
るブレーキ制御用スリップ量偏差SB L,SBRは、それぞ
れ乗算部147,148にて重み付けの係数KBが乗算さ
れる一方、乗算部149,150にて(1−KB)がそれ
ぞれ乗算される。そして、加算部151にて前記乗算部
147,150からの出力が加算され、左前輪15の修
正スリップ量偏差SFLが算出される。同様に、加算部1
52にて前記乗算部148,149からの出力が加算さ
れ、右前輪16の修正スリップ量偏差SFRが算出され
る。
【0151】なお、上述のように重み付けの係数KB
利用して左前輪15のブレーキ制御用スリップ量偏差S
BLに右前輪16のブレーキ制御用スリップ量偏差SBR
情報を加味する一方、右前輪16のブレーキ制御用スリ
ップ量偏差SBRに左前輪15のブレーキ制御用スリップ
量偏差SBLの情報を加味するのは、前輪15,16のう
ちの制動力が弱い方に差動装置13を介して機関11か
らの駆動力がより大きく作用してしまい、制動力が弱い
方のスリップ量が増大してしまうのを緩和するためであ
る。
【0152】上述した左前輪15の修正スリップ量偏差
FLは、微分演算部153にて時間微分され、左前輪1
5の修正スリップ量偏差SFLの変化率GSLが算出される
一方、右前輪16の修正スリップ量偏差SFRは、微分演
算部154にて時間微分され、右前輪16の修正スリッ
プ量偏差SFRの変化率GSRが算出されるが、これら修正
スリップ量偏差SFL,SFRの変化率GSL,GSRは、クリッ
プ部155,156にてそれぞれ最大値が3.4gにクリ
ップされると共に最小値が−3.4gにクリップされ
る。
【0153】このようにして最大値と最小値とがクリッ
プされた修正スリップ量偏差SFL,SFRの変化率GSL,G
SRに基づき、ブレーキ液圧変化量算出部157,158
にて図28に示す如きマップから、電磁開閉弁24〜2
7を介してブレーキシリンダ17,18に流入或いは流
出するブレーキ液の変化量であるブレーキ液圧変化量Δ
L,ΔPRがそれぞれ読み出される。この場合、前輪1
5,16のスリップが増加傾向となる修正スリップ量偏
差SFL,SFRの変化率GSL,GSRが正の領域では、変速機
12の変速段が2速以上とそれ以外の場合とでブレーキ
液圧変化量ΔPL,ΔPRを途中から変えている。
【0154】更に、これら左右のブレーキシリンダ1
7,18に対するブレーキ液圧変化量ΔPL,ΔPRは、当
該ブレーキ液圧変化量ΔPL,ΔPRに対応して電磁開閉
弁24〜27の基準開弁時間tBL,tBRを演算する変換
部159,160にそれぞれ出力され、この変換部15
9,160にて上記ブレーキ液圧変化量ΔPL,ΔPRが正
の場合には供給側の電磁開閉弁26,27の開弁時間が
算出され、又、ブレーキ液圧変化量ΔPが負の時には排
出側の電磁開閉弁24,25の開弁時間がそれぞれ算出
される。
【0155】そして、このブレーキ制御の開始及び終了
を切り換えるスイッチ161,162を介してこれら基
準開弁時間tBL,tBRが加算部163,164にて下式に
示す開弁補正時間ΔtBL,ΔtBRにそれぞれ加算され、
前輪15,16の目標開弁時間tL,tRが算出され、これ
がECU28により電磁開閉弁24〜27に出力され
る。 ΔtBL=−ΣtBI+(1/10)ΣtBO ΔtBR=−ΣtBI+(1/10)ΣtBO 但し、tBIは供給側の基準開弁時間tBL,tBR、tBO
排出側の基準開弁時間tBL,tBRであり、ブレーキシリ
ンダ17,18に対するブレーキ液量の増量操作から実
際に制動が始まるまでの時間的な遅れを補正している。
この場合、開弁補正時間ΔtBL,ΔtBRは最大でも40
ミリ秒あれば遅れを補正できるので、これら開弁補正時
間ΔtBL,ΔtBRの最大値を40ミリ秒でクリップして
いる。
【0156】上記スイッチ161,162は以下に示す
(i),(j),(k),(l),(m),(n)の条件が全て満足された場合
に閉じられ、ブレーキ制御が開始される。
【0157】(i) ABSが正常である。 (j) スリップ制御のための手動スイッチがオン。 (k) 要求駆動トルクTDは車両81を走行させるのに必
要な最小の駆動トルク、例えば4kgm以上である。 (l) 前輪回転センサ77,78からの検出信号に基づい
て図26に示す微分演算部165,166にて算出され
る左右の前輪速VFL,VFRの変化率GFL,GFRが0.4g
以上である。 (m) 修正スリップ量偏差SFL,SFRが毎時2km以上且つ
その変化率GSL,GSRが1g以上であるか、或いは修正
スリップ量偏差SFL,SFRが毎時5km以上である。 (n) イグニッションキースイッチ74がオンしてから図
示しないブレーキスイッチのオン状態が所定時間、例え
ば100ミリ秒継続しているか、或いはイグニッション
キースイッチ74がオンしてから図示しないブレーキペ
ダルのストロークが予め設定した所定値以上になってい
る状態が所定時間、例えば100ミリ秒継続している。
【0158】逆に、スイッチ161,162は以下に示
す(o),(p),(q),(r)の条件の何れかがが満足された場合
に開いてブレーキ制御が中止される。
【0159】(o) アクセル開度θAが所定値、例えば2
5%未満である。 (p) アイドルスイッチ69のオフ状態からオン状態への
移行が0.5秒継続している。 (q) 修正スリップ量偏差SFL,SFRが毎時−1.5km未満
となった状態が1秒以上継続している。 (r) ABSが作動中である。
【0160】なお、本実施例では車両81が発進状態で
路面の摩擦係数が大きいと推定された場合には、可変ク
リップ部116にて設定される基準駆動トルクTBの下
限値TBLを例えば200kgmにクリップし、目標駆動ト
ルクT0が大きめに設定されるようにすると共にスリッ
プ制御が開始されてから一定時間の間は遅角制御やブレ
ーキ制御を中止することにより、発進時における車両8
1の加速性を確保している。
【0161】このような本実施例によるスリップ制御の
切り換え操作の流れを表す図29に示すように、L1の
ステップにてスリップ制御中フラグFSがセットされて
いるか否かを判定し、スリップ制御中フラグFSがセッ
トされている、即ちスリップ制御中であることを判断す
るまではこのL1のステップを繰り返す。
【0162】このL1のステップにてスリップ制御中フ
ラグFSがセットされている、即ちスリップ制御中であ
ると判断した場合には、L2のステップにてスリップ制
御を開始してから一定時間、例えば320ミリ秒経過し
たか否かを判定する。
【0163】そして、このL2のステップにてスリップ
制御を開始して320ミリ秒経過していない、即ちスリ
ップ制御が始まったばかりであると判断した場合には、
L3のステップにて現在の変速段が1速であるか否かを
判定する。
【0164】このL3のステップにて現在の変速段が1
速であると判断した場合には、L4のステップにて修正
前後加速度GXFが0.06g以上であるか否かを判定す
る。又、前記L3のステップにて現在の変速段が1速で
はないと判断した場合には、L5のステップにて現在の
変速段が後退となっているか否かを判定し、これが後退
となっていると判断した場合にも、L4のステップに移
行する。
【0165】次に、L4のステップにて修正前後加速度
XFが0.06g以上であることから、車両81が1速
や後退の変速段から加速しつつある、即ち車両81が発
進加速中であると判断した場合には、前記フィルタ部1
09から出力される修正前後加速度GXFに基づいて図5
に示す微分演算部169にて算出される修正前後加速度
XFの変化率αXFが毎秒0.8g以上であるか否かをL
6のステップにて判定する。
【0166】このL6のステップにて修正前後加速度G
XFの変化率αXFが毎秒0.8g以上であることから車両
81が急加速状態である、即ち路面の摩擦係数が大きい
ことから車両81の急発進が可能な状態であると判断し
た場合には、このL6のステップにて修正前後加速度G
XFの変化率αXFが毎秒0.8g以上であると判断してか
ら所定時間、例えば0.7秒経過したか否かをL7のス
テップにて判定する。
【0167】そして、このL7のステップにて修正前後
加速度GXFの変化率αXFが毎秒0.8g以上であると判
断してから0.7秒経過していない、即ち車両81の発
進加速直後であると判断した場合には、L8のステップ
にて修正前後加速度GXFの変化率αXFが毎秒0g以下で
あるか否かを判定する。
【0168】このL8のステップにて修正前後加速度G
XFの変化率αXFが毎秒0gを越えている、即ち車両81
の加速が続いていると判断した場合には、L9のステッ
プにて遅角制御を終了すると共にL10のステップにて
ブレーキ制御を終了し、更にL11のステップにて可変
クリップ部116から出力される基準駆動トルクTB
下限値TBLを200kgmまで引き上げ、再びL7のステ
ップに戻る。
【0169】これにより、スリップ制御中でも車両81
の発進加速性が途中で損なわれるようなことがなくな
り、スリップ制御に対する運転者の違和感をなくすこと
ができる。
【0170】なお、L7のステップにて修正前後加速度
XFの変化率αXFが毎秒0.8g以上であると判断して
から0.7秒経過した、即ち車両81の発進加速がある
程度経過したと判断した場合や、L8のステップにて修
正前後加速度GXFの変化率α XFが毎秒0g以下である、
即ち車両81の加速度の増加割合が減少に転じたと判断
した場合には、通常のスリップ制御に移行する。同様
に、前記L2のステップにてスリップ制御を開始して3
20ミリ秒経過している、即ちスリップ制御が始まって
からしばらく経過していることから、車両81が急発進
状態にはないと判断した場合にも、このスリップ制御の
中断に伴う急激なトルク変動を防止する等の観点から、
このままスリップ制御を継続する。
【0171】又、L4のステップにて修正前後加速度G
XFが0.06g未満であると判断した場合や、L5のス
テップにて現在の変速段が後退となっていないと判断し
た場合、L6のステップにて修正前後加速度GXFの変化
率αXFが毎秒0.8g未満であると判断した場合には、
車両81が急発進加速中ではないので、これらの場合に
も通常のスリップ制御に移行する。
【0172】
【発明の効果】本発明の車両の出力制御装置によると、
目標遅角量設定手段が左右の前記駆動輪の周速度のうち
の小さい方の値と前記車両の走行速度とに基づいて機関
の点火時期の目標遅角量を設定し、この目標遅角量に基
づいて電子制御ユニットが駆動トルク低減手段の作動を
制御すると共に機関の点火時期を遅らせるようにしたの
で、例えば左右の前輪が接地する路面の摩擦係数が左右
で大きく相違するような場合、遅角制御用スリップ量偏
差が小さく出力されることから、高摩擦係数側の駆動輪
の駆動トルクを有効に路面に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両の出力制御装置を前進5段後
進1段の手動変速機を組み込んだ前輪駆動形式の車両に
応用した一実施例の概念図である。
【図2】その概略構成図である。
【図3】そのスロットル弁の駆動機構を表す断面図であ
る。
【図4】その制御の全体の流れを表すフローチャートで
ある。
【図5】図6と共にスリップ制御用の目標駆動トルクの
演算手順を表すブロック図である。
【図6】図5と共にスリップ制御用の目標駆動トルクの
演算手順を表すブロック図である。
【図7】車速と重み付けの係数との関係を表すマップで
ある。
【図8】車速と走行抵抗との関係を表すマップである。
【図9】操舵軸旋回角とコーナリングドラッグ補正トル
クとの関係を表すマップである。
【図10】スリップ制御開始後における基準駆動トルク
の下限値を規制するマップである。
【図11】タイヤと路面との摩擦係数と、このタイヤの
スリップ率との関係を表すグラフである。
【図12】修正前後加速度と加速に伴うスリップ補正量
との関係を表すマップである。
【図13】横加速度と旋回に伴うスリップ補正量との関
係を表すマップである。
【図14】車速と補正係数との関係を表すマップであ
る。
【図15】横加速度の選択手順の流れを表すフローチャ
ートである。
【図16】スリップ量偏差と比例係数との関係を表すマ
ップである。
【図17】車速と積分補正トルクの下限値との関係を表
すマップである。
【図18】手動変速機の各変速段と各補正トルクに対応
する補正係数との関係を表すマップである。
【図19】横加速度と重み付けの係数との関係を表すマ
ップである。
【図20】スリップ制御開始後における重み付けの係数
の変化を表す関係を表すマップである。
【図21】車速と重み付けの係数との関係を表す関係を
表すマップである。
【図22】機関回転速度と要求駆動トルクとアクセル開
度との関係を表すマップである。
【図23】スリップ制御の流れを表すフローチャートで
ある。
【図24】遅角割合の選択操作の流れを表すフローチャ
ートである。
【図25】機関の出力制御の手順を表すフローチャート
である。
【図26】ブレーキ制御用の電磁開閉弁に対する通電時
間の演算手順を表すブロック図である。
【図27】車速と補正係数との関係を表すマップであ
る。
【図28】スリップ量の変化率とブレーキ液圧変化量と
の関係を表すマップである。
【図29】制御条件を切り換える操作の流れを表すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
11は機関、12は変速機、13は差動装置、14は車
軸、15,16は前輪、17,18はブレーキシリンダ、
19はリザーバタンク、20は給排管、21は戻し配
管、22は油圧ポンプ、23は供給配管、24〜27は
電磁開閉弁、28はECU、29,30は後輪、31は
燃焼室、32は吸気管、33は吸気通路、34はスロッ
トル弁、35はスロットルボディ、36はスロットル
軸、37はアクセルレバー、38はスロットルレバー、
39はケーブル受け、40はアクセルペダル、41はケ
ーブル、42は爪部、43はストッパ、44はねじりコ
イルばね、45はストッパピン、46はねじりコイルば
ね、47はアクチュエータ、48はダイヤフラム、49
は制御棒、50は圧力室、51は圧縮コイルばね、52
はサージタンク、53は接続配管、54はバキュームタ
ンク、55は逆止め弁、56は配管、57はトルク制御
用電磁弁、58はプランジャ、59はばね、60は配
管、61はトルク制御用電磁弁、62はプランジャ、6
3はばね、64は燃料噴射ノズル、65は燃料噴射用電
磁弁、66は点火プラグ、67はクランク角センサ、6
8はスロットル開度センサ、69はアイドルスイッチ、
70はエアフローセンサ、71は水温センサ、72は排
気管、73は排気温センサ、74はイグニッションキー
スイッチ、75はTCL、76はアクセル開度センサ、
77,78は前輪回転センサ、79,80は後輪回転セン
サ、81は車両、82は操舵ハンドル、83は操舵軸、
84は操舵角センサ、85は通信ケーブルであり、10
1は高車速選択部、102は切り換えスイッチ、103
は低車速選択部、104は乗算部、105は乗算部、1
06は加算部、107は微分演算部、108はクリップ
部、109はフィルタ部、110はトルク換算部、11
1はクリップ部、112は走行抵抗算出部、113は加
算部、114はコーナリングドラッグ補正量算出部、1
15は加算部、116は可変クリップ部、117は減算
部、118は乗算部、119は加速度補正部、120は
加算部、121は旋回補正部、122は減算部、123
は横加速度演算部、124はフィルタ部、125は減算
部、126はクリップ部、127は乗算部、128は乗
算部、129は積分演算部、130は乗算部、131は
加算部、132は乗算部、133はクリップ部、134
は開始・終了判定部、135は平均駆動輪速演算部、1
36は乗算部、137は低駆動輪速選択部、138は乗
算部、139は加算部、140は微分演算部、141は
微分演算部、142は乗算部、143は加算部、144
はクリップ部、145,146は減算部、147,148
は乗算部、149,150は乗算部、151,152は加
算部、153,154は微分演算部、155,156はク
リップ部、157,158はブレーキ液圧変化量算出
部、159,160は変換部、161,162はスイッ
チ、163,164は加算部、165,166は微分演算
部、167は減算部、168は微分演算部、169は微
分演算部である。又、FSはスリップ制御中フラグ、G
DPは遅角制御用スリップ量偏差の変化率、GFは前輪速
の変化率、GFLは左前輪速の変化率、GFRは右前輪速の
変化率、GSDはスリップ量偏差の変化率、GSLは左前輪
における修正スリップ量偏差の変化率、GSRは右前輪に
おける修正スリップ量偏差の変化率、GXは前後加速
度、GXFは修正前後加速度、GYは実横加速度、GYE
推定横加速度、GYFは修正横加速度、KBは重み付けの
係数、KMは重み付けの係数、KM1は第一の重み付けの
係数、KM2は第二の重み付けの係数、KM3は第三の重み
付けの係数、KPは比例係数、KVは重み付けの係数、N
Eは機関回転速度、pBは基本遅角量、pOは目標遅角
量、ΔPLは左前輪に対するブレーキ液圧変化量、ΔPR
は右前輪に対するブレーキ液圧変化量、rは前輪の有効
半径、SBLは左前輪のブレーキ制御用スリップ量偏差、
BRは右前輪のブレーキ制御用スリップ量偏差、SD
スリップ量偏差、SDPは遅角制御用スリップ量偏差、S
FLは左前輪の修正スリップ量偏差、S FRは右前輪の修正
スリップ量偏差、sはタイヤのスリップ率、sOは目標
スリップ率、TBは基準駆動トルク、TBLは基準駆動ト
ルクの下限値、TCはコーナリングドラッグ補正トル
ク、TDは要求駆動トルク、TIは積分補正トルク、TIL
は積分補正トルクの下限値、TOは目標駆動トルク、TP
は比例補正トルク、TPIは補正トルク、TRは走行抵
抗、tBLは左前輪用の基準開弁時間、tBRは右前輪用の
基準開弁時間、tLは左前輪用の目標開弁時間、tRは右
前輪用の目標開弁時間、ΔtBLは左前輪用の開弁補正時
間、ΔtBRは右前輪用の開弁補正時間、VAは平均車
速、VBOはブレーキ制御用目標駆動輪速、VBLはブレー
キ制御用目標駆動輪速の最小値、VEBはブレーキ制御用
推定駆動輪速、VFは実前輪速、VFEは推定前輪速、V
FLは左前輪速、VFOは目標前輪速、VFRは右前輪速、V
Hは高後輪速、VKはスリップ補正量、VKCはスリップ補
正量、VKFは修正スリップ補正量、VLは低後輪速、V
RLは左後輪速、VRRは右後輪速、VSはスリップ制御用
の車速、Wbは車体重量であり、αXFは修正前後加速度
の変化率、δHは旋回角、ρdは差動歯車減速比、ρKI
補正係数、ρKPは補正係数、ρmは変速機の変速比、ρT
はトルクコンバータ比である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 43/00 301 F02D 43/00 301K 45/00 312 45/00 312M 345 345G F02P 5/15 F02P 5/15 B (72)発明者 西川 進 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 山崎 健 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−269653(JP,A) 特開 平4−232348(JP,A) 特開 平4−214944(JP,A) 特開 昭63−219464(JP,A) 特開 昭63−38071(JP,A) 特開 昭63−31865(JP,A) 特開 平4−12170(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 29/02 311 F02D 9/02 341 F02D 41/04 310 F02D 43/00 301 F02D 45/00 312 F02D 45/00 345

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者による操作とは独立に車両の駆動
    トルクを低減させるトルク低減手段と、前記車両の走行
    速度に基づいてこの車両の基準となる駆動トルクを設定
    する基準駆動トルク設定手段と、この基準駆動トルク設
    定手段により設定された基準駆動トルクから駆動輪の周
    速度に基づいて前記車両の目標となる駆動トルクを設定
    する目標駆動トルク設定手段と、前記車両の駆動トルク
    がこの目標駆動トルク設定手段により設定された目標駆
    動トルクとなるように前記トルク低減手段の作動を制御
    する電子制御ユニットとを有する出力制御装置におい
    て、左右の前記駆動輪の周速度のうちの小さい方の値と
    前記車両の走行速度とに基づいて機関の点火時期の目標
    遅角量を設定する目標遅角量設定手段を具え、前記電子
    制御ユニットは前記トルク低減手段の作動を制御すると
    同時に前記目標遅角量設定手段からの出力に基づいて前
    記機関の点火時期を遅角するものであることを特徴とす
    る車両の出力制御装置。
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