JP2757953B2 - 製塩用晶析装置における缶内結晶懸濁密度測定方法および装置 - Google Patents
製塩用晶析装置における缶内結晶懸濁密度測定方法および装置Info
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Description
る缶内結晶懸濁密度測定方法および装置に関する。
程はせんごう工程である。しかし、現状のせんごう工程
の操作は、他の工程に比べて自動化が立ち遅れ、どちら
かといえば未だ経験的なノウハウに頼って作業が行われ
ている。この理由としては、晶析装置における缶内での
晶析現象が非常に複雑であり、現状では缶内の製品品質
を制御するのに十分な技術や理論が確立されないことな
どが挙げられる。特に、晶析装置で扱う対象物が結晶の
懸濁した高温かつ過飽和状態のスラリーであることか
ら、晶析装置の缶内液にセンサー部が直接曝される計測
機器を設置する場合には、ソルチングアップによってセ
ンサー部に結晶の析出や付着が生じるために正確な測定
値を得ることが困難なこと、また、缶内液中には大量の
塩類が溶解しており、高温下であることも相まってセン
サーが早期に腐食することなどが阻害原因となり、晶析
装置の運転状態を検出する適切な計測器が未確立である
ことも大きな理由となっている。
していくつかの物性値が存在するが、なかでも結晶懸濁
密度は晶析操作因子の中で重要な測定項目の1つであ
る。しかし、それを測定誤差なく連続的に測定すること
は困難であった。通常、結晶懸濁密度の測定は数時間お
きに晶析装置からスラリーをメスシリンダーに採取し、
結晶を沈降させた後、見かけ結晶体積を全体の体積で除
した、いわゆるスラリー濃度を測定する方法が一般的で
ある。
際に冷却によって新たな結晶が析出し測定誤差を生じる
こと、試料の抜き出し操作が測定者によってことなり人
的誤差が伴うこと、試料が非常に高温(60℃〜120
℃)であり採取時に危険を伴うこと、また、測定者が直
接缶内から試料を採取するために測定回数を多くするこ
とが困難であり情報量として不足すること、などの不都
合を有している。
用に設けた循環系に限られる場合が多いため、採取した
試料が晶析装置内の状態を常に代表しているとはいい難
いものである。最近、振動型密度計を用いてインライン
による結晶懸濁密度の測定が試みられている。振動型密
度計は、密度計内のセンサーチューブに与えた振動がチ
ューブ内を通過する溶液密度によって変化することを利
用して密度を測定するものであり、図4に示すように、
母液用振動型密度計aとスラリー用振動型密度計bを別
々の循環ラインに設置し、それぞれの測定値を用いて、
次式(1)から結晶懸濁密度を求めるものである。
換器である。しかし、この方式もスラリーを抜き出す点
では前述の方法と同一であり、抜き出したスラリーが缶
内の代表的なものでないと全体の結晶懸濁密度を把握す
ることができない。例えば、分級型晶析装置のように缶
内で流動層を形成させるタイプの装置では粒径によって
結晶懸濁密度に分布が生じるが、それにより、スラリー
を缶体上部から抜き出した場合と、下部から抜き出した
場合とで結晶懸濁密度の値が異なってくる。すなわち、
結晶粒径が大きい場合、スラリーの抜き出し位置が缶体
下部であると、実際のスラリー密度より大きい値を示
し、逆に抜き出し位置が上部にあると小さい値を示す。
その結果、前記式(1)から分かるように、結晶懸濁密
度の計算結果は、結晶粒径が大きくなると誤差が大きく
なる不都合を含んでいる。
ラリーの流量あるいは抜き出し位置など最適測定条件の
策定が必要となるが、工業装置ではそのための予備的な
実験を行うことが困難であり、結果として測定した結晶
懸濁密度が装置内の代表しているかどうか疑問が残る。
そのような不都合を解消した測定方法として、晶析装置
内の特定部位の差圧を検出して結晶懸濁密度を測定する
方法が提案されている(小西武夫、山根康宏、日本海水
学会第21年会講演要旨集(1970))。この方法は
差圧の検出部位の距離が一定ならば密度と差圧が比例関
係にあることを利用したものであり、多くの利点を有し
ているものの差圧計測手段としてマノメータを用いてい
ることからその挿入位置におけるスラリーの流動の影響
を受け易く、また、マノメータの封液として水などを流
動させて測定系へのスラリーの混入を阻止することが必
要となるため差圧測定に封液の流動による誤差が生じる
のを避けがたい。さらに、測定端を晶析装置の液中に挿
入するために、測定端へのソルチングアップによって長
時間の測定は困難である。
の測定における前記のような不都合を解消することを目
的としており、特に、製塩用晶析装置における缶内結晶
懸濁密度を、長時間にわたり、精度高く測定する方法お
よび装置を提供することを目的としている。
目的を達成するために、本発明は一つの発明として、製
塩用晶析装置における缶内結晶懸濁密度測定方法におい
て、隔膜式差圧検出器を用い、該隔膜式差圧検出器の2
つの検出端の一方を缶内スラリーの深部である壁面に位
置させ、他方を缶内スラリーの浅部である壁面に位置さ
せて差圧を測定し、該測定値に基づき缶内結晶懸濁密度
を算出することを特徴とする缶内結晶懸濁密度測定方法
を開示する。
る。 (1−ε)=(ΔH/h−ρM )/(ρc−ρM ) ・・・・(2) ただし、 ΔH;差圧 h;検出距離 (1−ε);結晶懸濁密度 ρM ;母液密度 ρc;(塩化ナトリウム)結晶の密度
る缶内結晶懸濁密度測定方法において、隔膜式差圧検出
器の2つの検出端の一方を缶内スラリーの深部である壁
面に位置させ、他方を缶内の気室部である壁面に位置さ
せて差圧を測定し、さらに、缶内スラリーの液面レベル
制御用差圧検出器を利用し、前記隔膜式差圧検出器の差
圧測定値から前記液面レベル制御用差圧検出器の差圧測
定値を減じた値に基づき缶内結晶懸濁密度を算出するこ
とを特徴とする缶内結晶懸濁密度測定方法をも開示す
る。この場合には、前記差圧ΔHは前記隔膜式差圧検出
器の差圧測定値から前記液面レベル制御用差圧検出器の
差圧測定値を減じた値となる。
用晶析装置における缶内結晶懸濁密度測定装置であっ
て、隔膜式差圧検出器を用い、隔膜式差圧検出器の2つ
の検出端の一方が缶内スラリーの深部である壁面に取り
付けられ、他方が缶内スラリーの浅部である壁面に取り
付けられていることを特徴とする缶内結晶懸濁密度測定
装置をも開示し、そこにおいて、検出端には好ましくは
隔膜式差圧検出器の隔膜を洗浄するための洗浄室が付設
される。
る製塩用晶析装置における缶内結晶懸濁密度測定装置で
あって、隔膜式差圧検出器の2つの検出端の一方が缶内
スラリーの深部である壁面に取り付けられ、他方が缶内
の気室部である壁面に取り付けられており、さらに、缶
内スラリーの液面レベル制御用差圧検出器を有すること
を特徴とする缶内結晶懸濁密度測定装置をも開示する。
そこにおいても、缶内スラリーに露出する検出端には好
ましくは該検出器の隔膜を洗浄するための洗浄室が付設
される。
いて計測される差圧に基づきスラリーの結晶懸濁密度を
算出する。従って、検出端の位置にかかわらずスラリー
の流動の影響を受けることはなく、スラリーの差圧を連
続的にかつ高精度で計測することができる。また、検出
端のソルチングアップによる影響も少なく安定した測定
が可能である。検出端に隔膜式差圧検出器の隔膜を洗浄
するための洗浄室を付設することにより、ソルチングア
ップによる影響は完全に阻止できる。
析装置における缶内結晶懸濁密度測定方法および装置を
より詳細に説明する。図1は晶析装置の一例としての従
来知られた噴射混合型晶析装置を示しており、基本的
に、晶析装置の晶析缶1からポンプ2により母液が抜き
出され、熱交換器3で熱交換を受けたのち晶析缶1の下
方のノズルから再び缶内に噴射流により供給し、結晶と
母液の混合を行わせる構成となっている。4は必要時に
塩化ナトリウム結晶を缶内に供給する種晶ポットであ
り、5は晶析装置から回分式により結晶を採取するポッ
トである。晶析缶1から熱交換器3までの母液循環ライ
ンAには、必要に応じて母液の密度を測定するための母
液循環ラインBが設けられ、該母液循環ラインBには、
振動式密度計aなどが配置される。
隔膜式差圧検出器が取り付けられている。一方の差圧検
出器10はスラリーの液面Lを制御するためのものであ
り、一般に製塩工程における晶析缶に設けられているも
のである。差圧検出器10の2つの検出端の内の一方の
検出端SL1は晶析缶1の気室部Gである壁面に取り付け
られ、他方の検出端SL2はスラリーSの液面Lに近い液
部である壁面に取り付けられる。図示しない制御機構に
より常にこの差圧(SL2値−SL1値)が一定になるよう
液面が制御される。この方法による液面制御では、缶内
液中の不純物濃度や結晶量による影響を受け液面Lが上
下する。
端SM1を気室Gである壁面に取り付け、他方の検出端S
M2をスラリーSの深部となる壁面に取り付けており、液
面Lからの差圧を検出している。したがって、スラリー
の結晶懸濁密度に起因する実差圧ΔHの検出は、差圧検
出器10と差圧検出器20で計測される差圧の差、すな
わち、図示した距離hにおける差圧を検出することによ
り得られる。それに基づき、前記した式(2)により結
晶懸濁密度が算出される。
ナトリウム結晶を持つスラリーについて前記式(2)に
より結晶懸濁密度(1−ε)を算出した。同一試料につ
いて、蒸発量、採塩量、供給かん水量などを用いて次式
(3)により実際の(1−ε)を算出した。
径にかかわりなく晶析装置の結晶懸濁密度が精度よく測
定されることを示している。次に、隔膜式差圧検出器の
2つの検出端の一方を缶内スラリーの深部である壁面に
位置させ、他方を缶内スラリーの浅部である壁面に位置
させて差圧を測定し、該測定値に基づき缶内結晶懸濁密
度を算出する方法および装置について説明する。
場合には一個の隔膜式差圧検出器30のみが用いられる
ことを除いて、他の構成は図1に示すものと同様であ
り、詳細な説明は省略する。隔膜式差圧検出器30の2
つの検出端のうち、一方の検出端S1はスラリーSの液
面Lに近い液部である壁面に位置させ、他方の検出端S
2はスラリーSの深部である壁面に位置させている。こ
の場合に、スラリーの結晶懸濁密度に起因する差圧ΔH
は、S2値−S1値の値として得ることができる。
近傍の液中や過飽和度の高い缶内下部に設置される検出
端はソルチンクグアップの問題が生じることから、その
ままでは長時間の計測は不可能である。従って、本発明
においては、缶内スラリーに露出した検出端には、その
隔膜を洗浄するための洗浄室を付設することが好まし
い。図3はそのための構成を示している。すなわち、図
3は隔膜式圧力検出器の検出端と晶析缶1の壁面41と
の取り付け状態を示す拡大図であり、晶析缶の壁面41
に例えば直径40mm程度の小孔41aを形成し、そこ
を介して缶内液スラリーの圧力を検出端が検出するよう
になっている。すなわち、前記小孔41aに連通する小
孔42aを持つ部材42を壁面41に溶着し、さらに該
部材42に対して大径の円筒43をフランジを介して取
り付け、該円筒43にフランジを介して隔膜式圧力検出
器の検出端を装着する。この円筒43内の空間は後記す
るように洗浄室としての機能を果たす。大径の円筒43
には例えば直径13mm程度の配管44を配設し、該配
管44は適宜の洗浄水供給源に接続される。
筒43の内部に洗浄水(例えば、かん水、ドレン)を注
入し、それにより、検出部の隔膜を洗浄するとともに検
出端の近傍を未飽和状態としてソルチングアップが発生
するのを防止する。壁面に形成される小孔42の径を十
分小さく設計することにより、洗浄水の流量を少なくす
ることができ、それにより圧力測定への洗浄水の流動に
よる影響を阻止することができる。また、晶析装置から
の結晶の流入も阻止される。
式差圧検出器の検出端のうち気室に配置する検出端を除
くすべての検出端に付設するようにしてもよく、図1に
示した例においては検出端SL2、SM2、図2に示す例に
あっては検出端S1、S2に付設することにより、長時
間にわたる測定が可能となる。図2に示す構造の装置に
おいて各検出端に前記した洗浄室を付設したものを用い
て計168時間の連続測定を実施した。その結果を表2
に示す。
ε)は表1の場合と同様にして算出した。表2に示すよ
うにこの装置において、ソルチングアップによる測定誤
差はまったく認められず、本発明の優位性が立証され
る。
内結晶懸濁密度測定方法および装置によれば、長時間に
わたりかつ連続的に精度の高い結晶懸濁密度をインライ
ンで測定することが可能となる。
懸濁密度測定のための方法および装置を説明する図。
施例を示す図。
図。
来例を示す図。
ト、5…採塩器、10…液面用隔膜式差圧検出器、20
…結晶懸濁密度用隔膜式差圧検出器、G…気室、S…ス
ラリー、L…液面、SL1、SL2、SM1、SM2、S1、S
2…検出端
Claims (5)
- 【請求項1】 製塩用晶析装置における缶内結晶懸濁密
度測定方法において、隔膜式差圧検出器を用い、該隔膜
式差圧検出器の2つの検出端の一方を缶内スラリーの深
部である壁面に位置させ、他方を缶内スラリーの浅部で
ある壁面に位置させて差圧を測定し、該測定値に基づき
缶内結晶懸濁密度を算出することを特徴とする缶内結晶
懸濁密度測定方法。 - 【請求項2】 製塩用晶析装置における缶内結晶懸濁密
度測定方法において、隔膜式差圧検出器の2つの検出端
の一方を缶内スラリーの深部である壁面に位置させ、他
方を缶内の気室部である壁面に位置させて差圧を測定
し、さらに、缶内スラリーの液面レベル制御用差圧検出
器を利用し、前記隔膜式差圧検出器の差圧測定値から前
記液面レベル制御用差圧検出器の差圧測定値を減じた値
に基づき缶内結晶懸濁密度を算出することを特徴とする
缶内結晶懸濁密度測定方法。 - 【請求項3】 製塩用晶析装置のスラリー晶析缶缶内結
晶懸濁密度測定装置であって、隔膜式差圧検出器の2つ
の検出端の一方が缶内スラリーの深部である壁面に取り
付けられ、他方が缶内スラリーの浅部である壁面に取り
付けられていることを特徴とする缶内結晶懸濁密度測定
装置。 - 【請求項4】 製塩用晶析装置における缶内結晶懸濁密
度測定装置であって、隔膜式差圧検出器の2つの検出端
の一方が缶内スラリーの深部である壁面に取り付けら
れ、他方が缶内の気室部である壁面に取り付けられてお
り、さらに、缶内スラリーの液面レベル制御用差圧検出
器を有することを特徴とする缶内結晶懸濁密度測定装
置。 - 【請求項5】 缶内スラリーに露出する検出端には該検
出器の隔膜を洗浄するための洗浄室が付設されているこ
とを特徴とする請求項3または4いずれか記載の缶内結
晶懸濁密度測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28671893A JP2757953B2 (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 製塩用晶析装置における缶内結晶懸濁密度測定方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28671893A JP2757953B2 (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 製塩用晶析装置における缶内結晶懸濁密度測定方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07140057A JPH07140057A (ja) | 1995-06-02 |
JP2757953B2 true JP2757953B2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=17708112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28671893A Expired - Lifetime JP2757953B2 (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 製塩用晶析装置における缶内結晶懸濁密度測定方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2757953B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106823761A (zh) * | 2016-12-07 | 2017-06-13 | 湖南华电常德发电有限公司 | 一种脱硫吸收塔浆液液位故障应急处理方法 |
-
1993
- 1993-11-16 JP JP28671893A patent/JP2757953B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07140057A (ja) | 1995-06-02 |
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