JP2757061B2 - オフセット印刷用湿しローラおよびその胴部の製造方法 - Google Patents

オフセット印刷用湿しローラおよびその胴部の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、オフセット印刷機の湿しローラおよびその
ローラ胴部の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
版の水とインキの反発作用を利用したオフセット印刷
における版の表面には、インキの塗布に先立って湿しロ
ーラによる湿し水が供給される。近時、印刷の高速度化
・高品質化に伴って、版面に対する湿し水の供給は、連
続給水方式が主流となり、その湿しローラとして、胴部
表面にクロムめっきを施したものが主として使用されて
いる。
上記版面における水とインキの適正なバランスの成否
は印刷品質を左右する重要な因子であり、適正なバラン
スを得るには、湿しローラの胴部表面に均一な薄い水膜
を安定に形成して版面に対する給水を行うことが必要で
ある。このため、前記クロムめっきローラを用いる給水
方式では、湿し水として3〜15%のアルコールを添加し
た水が使用されている。クロムめっき膜は親水性に乏し
い(水の接触角:約78゜)ので、アルコールの添加によ
り水の表面張力を下げてクロムめっき膜面に対する濡れ
を高めているのである。
アルコールの使用によりクロムめっき膜面に薄い水膜
をムラなく形成することは可能となるが、労働・安全衛
生の見地から、その使用を極力少なくすることが要望さ
れている。
この要望に応える新たな湿しローラとして、胴部表面
に、アルミナ(Al2O3)やクロミア(Cr2O3)等のセラミ
ックからなる溶射皮膜を形成したローラが提案され、そ
の実用化の試みがなされている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記アルミナやクロミア等の溶射皮膜を表面層とした
湿しローラは、良好な親水性を有し、湿し水のアルコー
ル添加を要することなく、その胴部表面に薄い水膜を一
様に形成することができる。しかしながら、セラミック
溶射皮膜は緻密性に乏しく、その膜面には多数の微小ポ
アが存在しているため、有機物や印刷インキ等の異物の
付着による汚染がはげしく、使用中に濡れ性が著しく低
下してしまう。このため、ローラ表面再生のための洗浄
処理を頻繁に行わねばならず、ローラメンテナンスに多
大のコストと労力を要するとともに、印刷能率の低下を
余儀なくされるという欠点がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、長期に
亘る安定な使用を可能とし、メンテナンスも簡単であ
り、しかも改良された親水性により、版に対するより適
正な給水機能を果たし得る新規湿しローラを提供するこ
とを目的としている。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明のオフセット印刷用湿しローラは、酸化物系セ
ラミック基地に、微細ガラス粒子が分散した複合組成を
有する焼結体からなる胴部を有することを特徴としてい
る。
以下、本発明について詳しく説明する。
第1図は、本発明の湿しローラを模式的に湿してい
る。(11)は酸化物系セラミックからなる基地、(12)
は、基地(11)中に分散相として混在するガラス粒子で
ある。(20)は胴部(10)の中空孔に嵌着されたローラ
軸である。
本発明において、焼結体で構成される胴部の表面に、
ガラス粒子を分散相とする複合組織をもたせたのは、ガ
ラスが極めて良好な親水性(水の接触角は約20〜30゜な
いしそれ以下である)を有しているからである。そのガ
ラスの例として、SiO2を主成分とする珪酸ガラス、Na2O
−CaO−SiO2を主成分とするソーダ石灰ガラス、あるい
はNa2O−B2O3−SiO2を主成分とする硼珪酸ガラス等が挙
げられが、むろんこれに限定されるものでない。
複合組織の基地を構成するセラミックは、例えばアル
ミナ(Al2O3)、チタニア(TiO2)、クロミア(Cr
2O3)、シリカ(SiO2)等、またはそれらの混合物等が
挙げられるが、これに限定されない。基地のセラミック
を酸化物系としたのは、他のセラミックに比べて酸化物
系セラミックは一般に良好な親水性を示す(例えば、ア
ルミナ、チタニアの水の接触角は約40〜50゜である)か
らである。
複合組織におけるガラス粒子の割合は、親水性向上効
果の点より、好ましくは30容量%以上、より好ましくは
40容量%以上とする。ガラス粒子の増量に伴って胴部表
面の親水性を増すが、約40容量%までで十分である。ま
た、それを越えると、強度低下等の不利を伴うこともあ
る。
上記ガラス粒子は、基地中の均一分散性と胴部表面の
一様な親水性付与の点から、粗粒の使用は避けるべきで
あり、約0.01〜3mm程度の粒径のものが好ましく用いら
れる。
第1図では、胴部(10)の全肉厚に、ガラス粒子(1
2)が分散した複合組織をもたせた例を示しているが、
親水性は胴部の表面に関する問題であるので、表面層
(a)(例えば、層厚約1〜5mm)にのみ複合組織をも
たせ、その内側層(b)はガラス粒子を含まないセラミ
ック単相の組織としてよい。その場合の内側相(b)の
セラミックは、表面層(a)の基地セラミックと異なっ
て、酸化物系以外のセラミック(例えば、炭化けい素、
窒化けい素、炭化クロム等)であっても構わない。な
お、胴部(10)の内面側に、必要に応じて補強部材とし
て金属スリーブ等を嵌装した構造等をもたせることは任
意である。
酸化物系セラミック基地にガラス粒子が分散混在する
複合組織の焼結体からなる胴部表面を有する本発明の湿
しローラは。良好な親水性により、その胴部表面に均一
な薄い水膜の安定な形成が可能であり、また表面の平滑
緻密性にすぐれ、実使用中の有機物やインキ等の付着汚
染を生じにくい。長期連続使用により付着汚染が進行し
た場合にも、軽い水洗いにより簡単かつ容易に清浄な表
面に回復する。
次に、本発明の湿しローラの製造について説明する。
ローラ胴部は、例えば遠心力泥しよう鋳込み成形と、そ
の鋳込み成形により得られた成形体を焼成処理する工程
により製造される。
泥しよう鋳込み成形に供される原料泥しようは、水等
を分散媒とし、これに基地となるセラミック粒子と分散
相となるガラス粒子を所望の割合で添加して均一に分散
懸濁させ(例えば、水分約15〜25重量%)、必要に応じ
て、解膠剤、バインダ等の泥しよう調整剤を適量添加す
ることにより調製される。また、所望により焼結助剤
(例えば、MgO等)が少量(例えば、1重量%以下)添
加される。
第2図は遠心力泥しよう鋳込み成形を示している。
(1)はモールド、(6,6)はターニングローラであ
る。モールド(1)は、金枠(2)と、これに内嵌され
た吸水型(代表的には石こう型)(3)と、その両開口
端に嵌着された端板(4,4)(各端板の内側層5は石こ
う等の吸水層)からなり、ターニングローラ(6,6)上
に水平担持され、該ローラ(6,6)により水平軸心を回
転中心とする回転運動を行う。
上記モールド(1)の回転下に、ホッパ(7)を介し
て端板(4)の鋳込み孔から泥しようの鋳込みを行う。
鋳込まれた泥しようは遠心力により吸水型(3)の内周
面に押付けられた状態で吸水作用をうけて着肉し、セラ
ミック粒子とガラス粒子の混相着肉層として円筒形状の
成形体(10′)が形成される。
なお、胴部(10)としてガラス粒子を含む表面層
(a)とセラミック単相の内側層(b)を有する二層構
造体を望む場合は、原料泥しようとして、ガラス粒子と
酸化物系セラミック粒子とを所望の割合で含む泥しよう
(混合泥しよう)と、セラミック粒子を含む泥しようの
2種の泥しようを用意しておき、まず混合泥しようの鋳
込みを行ってその泥しようを吸水型(3)の内面に着肉
させ、ついでその着肉層の内面にもう一方の泥しようを
鋳込んで着肉させる二段鋳込み成形を行えばよい。モー
ルド(1)の回転速度は、例えば重力倍数で15〜30G
(吸水型内周面上)である。
上記遠心力鋳込み成形によりモールド内に形成された
成形体をモールドから離脱した後、乾燥・脱脂し、つい
で焼成処理する。焼成処理温度は、使用したガラスおよ
びセラミックの材質等に応じて設定されるが、概ね1400
〜1700℃で適当時間(例えば1〜2Hr)加熱保持するこ
とにより焼成処理を達成する。
焼成処理を終えた後、機械加工を加えて所定サイズに
仕上げ、これに別途用意したローラ軸体(20,20)を嵌
着して第1図に示す湿しローラを組立てる。胴部表面の
機械加工による表面粗さは約1S程度とすればよい。
なお、胴部(10)の製造は、上記遠心力泥しよう鋳込
み生計を利用する方法のほかに、ガラス粉末、およびセ
ラミック粉末の混練物を使用して、圧粉成形体を形成
し、焼成処理(常圧焼結、ホットプレス、熱間静水圧加
圧焼結等)する方法を使用することもできる。
〔実施例〕
第2図の遠心力泥しよう鋳込み成形と、その成形体の
焼成処理を経てローラ胴部を製作し、これにローラ軸を
とりつけて湿しローラを組立てる。
(1)遠心力泥しよう鋳込み成形 泥しよう組成 珪酸ガラス粒子(平均粒径:0.1mm) …30重量部 アルミナ粒子(平均粒径:0.4μm) …52.7重量部 解膠剤(中京油脂(株)製「D305」) …0.7重量部 バインダ(中京油脂(株)「WE518」) …0.3重量部 焼結助剤(MgO) …0.3重量部 水 …16重量部 上記泥しようをモールド内に鋳込み、モールドの吸水
作用によりセラミック粒子とガラス粒子との混相を有す
る円筒状成形体を形成。モールド(1)の回転速度は、
吸水型(3)の内周面上の重力倍数が20Gとなる範囲に
設定した。
(2)成形体の焼成処理 上記成形体を抜型後、40℃で乾燥し、脱脂し、つい
で、焼成炉中1600℃で1時間を要して焼成処理を行っ
た。
得られた焼結体(ガラス粒子:50.7容量%)に機械加
工を加え、別途用意した鋼製軸体(20,20)を取付けて
湿しローラを得た(これをローラAとする)。
胴部サイズ(機械加工後):外径100mm、胴長1065m
m、肉厚8mm。表面粗さ:1S。水の接触角:約25゜。
また比較ローラとして、炭素鋼製スリーブ(肉厚6m
m)の外周面に、アルミナセラミック粒子(平均粒径:0.
5μm)のプラズマ溶射により溶射層を形成してローラ
胴部とし、これにローラ軸を取付けて湿しローラを得た
(これをローラBとする)。胴部の外径・胴長:供試ロ
ールAと同じ、溶射層肉厚:0.3mm。表面粗さ(封孔処理
済):1S。水の接触角度:約35゜。
(3)実機使用試験 上記供試ローラA(発明例)および供試ローラB(比
較例)を、同一条件のオフセット平版印刷用湿しローラ
として使用。
供試ローラA(発明例)の表面のインキ付着等による
汚染の進行は、溶射層を表面とする供試ローラのそれに
比し著しく緩慢・軽微であり、長時間に亘って良好な親
水性を保持し、安定な給水機能を果たした。その胴部表
面の洗浄を要するまでの連続使用時間は供試ローラBの
約5倍以上(平均)の実績を納め、またその洗浄処理は
簡単な水洗いにより容易かつ完全に行われ、1回当りの
洗浄所要時間は供試ローラBの約1/10以下であった。
〔発明の効果〕
本発明のオフセット印刷用湿しローラは、胴部表面の
水に対する濡れ性にすぐれ、しかもその表面は有機物や
印刷インキ等の異物の付着汚染の影響が少なく、また汚
染が生じても、簡単かつ完全に清浄な表面に再生するこ
とができるので、ローラメンテナンスの大幅な軽減と印
刷能率および印刷品質の向上等に奏効するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の湿しローラを模式的に示す軸方向断面
図、第2図はローラ胴部の遠心力泥しよう鋳込み成形を
示す軸方向断面説明図である。 10:ローラ胴部,11:セラミック基地,12ガラス粒子,20:ロ
ーラ軸,1:モールド,2:金枠,3:吸水型,6:ターニングロー
ラ,7:泥しようホッパ,10′:着肉層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41N 7/04 B41F 7/24 - 7/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物系セラミック基地に、微細ガラス粒
    子が分散した複合組織を有する焼結体からなる胴部表面
    を有することを特徴とするオフセット印刷用湿しロー
    ラ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の湿しローラの胴部を製造
    する方法において、水平軸心を回転中心とする遠心力泥
    しよう鋳込み成形用モールド内に、微細ガラスとセラミ
    ック粒子を含む泥しようを鋳込んでモールド内面に泥し
    ようを着肉させることにより、ガラス粒子とセラミック
    粒子との混合着肉層からなる円筒状成形体を得、ついで
    その成形体を焼成処理することを特徴とするオフセット
    印刷用湿しローラの胴部の製造方法。
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