JP2756934B2 - 石炭灰を原料とする焼結体とその製造方法 - Google Patents
石炭灰を原料とする焼結体とその製造方法Info
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- JP2756934B2 JP2756934B2 JP7195746A JP19574695A JP2756934B2 JP 2756934 B2 JP2756934 B2 JP 2756934B2 JP 7195746 A JP7195746 A JP 7195746A JP 19574695 A JP19574695 A JP 19574695A JP 2756934 B2 JP2756934 B2 JP 2756934B2
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P40/00—Technologies relating to the processing of minerals
- Y02P40/60—Production of ceramic materials or ceramic elements, e.g. substitution of clay or shale by alternative raw materials, e.g. ashes
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- Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、石炭灰、すなわち石
炭灰フライアッシュを主原料とする焼結体およびその製
造方法に関するものであり、一層詳細には、道路舗装用
としての保水性と透水性をもつ舗道ブロック、あるいは
多孔質の特性を生かした水質浄化材、植生基板材などの
ような地球環境の改善に役立つ製品を造り出すことので
きる焼結体およびその製造方法に関するものである。
炭灰フライアッシュを主原料とする焼結体およびその製
造方法に関するものであり、一層詳細には、道路舗装用
としての保水性と透水性をもつ舗道ブロック、あるいは
多孔質の特性を生かした水質浄化材、植生基板材などの
ような地球環境の改善に役立つ製品を造り出すことので
きる焼結体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭灰、すなわちフライアッシュは、石
炭火力発電所から年間約500万トンという膨大な量が
排出されており、その多くがセメント原料として使用さ
れている。また、このフライアッシュはセメント原料の
他にも、下層路盤材とか、稲作の床土としての人工培
土、あるいは苛性加里、塩基性苦土を加えて焼成した珪
酸加里肥料などの製造にも使われており、さらにはフラ
イアッシュを焼結体とし、人工軽量骨材などの建設材料
として利用することも開発されている。
炭火力発電所から年間約500万トンという膨大な量が
排出されており、その多くがセメント原料として使用さ
れている。また、このフライアッシュはセメント原料の
他にも、下層路盤材とか、稲作の床土としての人工培
土、あるいは苛性加里、塩基性苦土を加えて焼成した珪
酸加里肥料などの製造にも使われており、さらにはフラ
イアッシュを焼結体とし、人工軽量骨材などの建設材料
として利用することも開発されている。
【0003】このフライアッシュは略球状に凝集された
ガラス質でSiO2 とAl2 O3 を主成分とする標準的
な珪酸組成物であり、陶磁器質焼結体を製造する原料と
しては理想的な原料と考えられている。従って、数十年
来、タイルや瓦、煉瓦などへの使用研究が試みられ、数
多くの特許出願もなされているが、未だ本格的な工業製
品として使用されている例はほとんど見られない。そし
てその理由は、フライアッシュ中に存在する約3〜5重
量%の炭素質にあると考えられる。
ガラス質でSiO2 とAl2 O3 を主成分とする標準的
な珪酸組成物であり、陶磁器質焼結体を製造する原料と
しては理想的な原料と考えられている。従って、数十年
来、タイルや瓦、煉瓦などへの使用研究が試みられ、数
多くの特許出願もなされているが、未だ本格的な工業製
品として使用されている例はほとんど見られない。そし
てその理由は、フライアッシュ中に存在する約3〜5重
量%の炭素質にあると考えられる。
【0004】すなわち、フライアッシュは、その生成過
程において、溶融し、凝集する際に粒子内部に微量の炭
素を封入した状態でガラス化されると共に、表面層に
は、部分的に反応固着したと考えられる炭素質が強固に
付着する。そして、これらのフライアッシュを原料とし
て成形し焼成した製品は、その表面層に付着している炭
素質は酸化により消失するが、製品芯部の炭素質は容易
に酸化されず、いわゆる「ブラックコアー」として残存
する。そしてこれらの表面層とブラックコアー層を取出
して、吸水率、強度、熱膨張率などの物性を測定してみ
ると、それらの間に大きい差違が認められる。これらの
表面層とブラックコアー層との間の物性の差異は、特に
焼成過程において大きい内部歪の形成の原因となり、製
品表面層に多数の亀裂が発生する結果となる。従って、
石炭灰を利用して実用的な陶磁器質焼結体を造るために
は、焼結体の芯部におけるブラックコアーの形成を阻止
する必要がある。焼結体中のブラックコアーの形成を阻
止する方法としては、焼成時間を長くすることが考えら
れる。しかし、例えば石炭灰を主原料として成形、乾燥
そして焼結して、厚さ30mmのタイルをブラックコア
ーの無い状態で得ようとすると、少なくとも20時間以
上の加熱が必要であり、経済性を著しく低下させる。す
なわち、厚さが大きい製品を焼成する際、芯部への熱伝
達には数十時間を必要とするものである。
程において、溶融し、凝集する際に粒子内部に微量の炭
素を封入した状態でガラス化されると共に、表面層に
は、部分的に反応固着したと考えられる炭素質が強固に
付着する。そして、これらのフライアッシュを原料とし
て成形し焼成した製品は、その表面層に付着している炭
素質は酸化により消失するが、製品芯部の炭素質は容易
に酸化されず、いわゆる「ブラックコアー」として残存
する。そしてこれらの表面層とブラックコアー層を取出
して、吸水率、強度、熱膨張率などの物性を測定してみ
ると、それらの間に大きい差違が認められる。これらの
表面層とブラックコアー層との間の物性の差異は、特に
焼成過程において大きい内部歪の形成の原因となり、製
品表面層に多数の亀裂が発生する結果となる。従って、
石炭灰を利用して実用的な陶磁器質焼結体を造るために
は、焼結体の芯部におけるブラックコアーの形成を阻止
する必要がある。焼結体中のブラックコアーの形成を阻
止する方法としては、焼成時間を長くすることが考えら
れる。しかし、例えば石炭灰を主原料として成形、乾燥
そして焼結して、厚さ30mmのタイルをブラックコア
ーの無い状態で得ようとすると、少なくとも20時間以
上の加熱が必要であり、経済性を著しく低下させる。す
なわち、厚さが大きい製品を焼成する際、芯部への熱伝
達には数十時間を必要とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明では、
石炭灰を主原料とした焼結体であって、その芯部にブラ
ックコアーを実質的に有することのない焼結体を提供す
ることを目的とするものであり、特に本発明は、石炭灰
を主原料とし、経済性の高い製法で得られる焼結体であ
って、その芯部にブラックコアーを実質的に有すること
のない焼結体を提供することを主な目的とする。
石炭灰を主原料とした焼結体であって、その芯部にブラ
ックコアーを実質的に有することのない焼結体を提供す
ることを目的とするものであり、特に本発明は、石炭灰
を主原料とし、経済性の高い製法で得られる焼結体であ
って、その芯部にブラックコアーを実質的に有すること
のない焼結体を提供することを主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、石炭灰フライ
アッシュとクリンカーアッシュとを両者の合計量で50
〜85重量%、粘土質原料と水硬性セメントとを両者の
合計量で15〜30重量%(ただし、水硬性セメントは
粘土質原料1重量部に対して、0.3〜0.5重量部の
範囲の量で調合する)、そして焼結調整材料0〜20重
量%を加えた原料組成物を成形乾燥した後、焼成してな
る石炭灰を原料とする焼結体にある。上記の原料組成物
中で、クリンカーアッシュは、石炭灰フライアッシュと
クリンカーアッシュとの合計量に対して30〜70重量
%を占める量で用いられることが好ましい。
アッシュとクリンカーアッシュとを両者の合計量で50
〜85重量%、粘土質原料と水硬性セメントとを両者の
合計量で15〜30重量%(ただし、水硬性セメントは
粘土質原料1重量部に対して、0.3〜0.5重量部の
範囲の量で調合する)、そして焼結調整材料0〜20重
量%を加えた原料組成物を成形乾燥した後、焼成してな
る石炭灰を原料とする焼結体にある。上記の原料組成物
中で、クリンカーアッシュは、石炭灰フライアッシュと
クリンカーアッシュとの合計量に対して30〜70重量
%を占める量で用いられることが好ましい。
【0007】本発明の石炭灰を原料とする焼結体は、上
記原料組成物を使用して成形し、乾燥したのち、焼成過
程に於いてCaOを含むアルカリ性水蒸気による水熱反
応過程を経て1000〜1200℃の温度に焼成するこ
とを特徴とする製造方法により有利に製造することがで
きる。
記原料組成物を使用して成形し、乾燥したのち、焼成過
程に於いてCaOを含むアルカリ性水蒸気による水熱反
応過程を経て1000〜1200℃の温度に焼成するこ
とを特徴とする製造方法により有利に製造することがで
きる。
【0008】本発明は、原料コストの低い石炭灰フライ
アッシュを主原料としながらも、その焼成に際して、ク
リンカーアッシュ、粘度質原料、そしてポルトランドセ
メントなどの水硬性セメントを併用した原料組成物とす
ることによって、高い経済性で、芯部にブラックコアー
が殆ど形成されない焼結体を得ることができるという本
発明者の新規な知見に基づいて完成されたものである。
アッシュを主原料としながらも、その焼成に際して、ク
リンカーアッシュ、粘度質原料、そしてポルトランドセ
メントなどの水硬性セメントを併用した原料組成物とす
ることによって、高い経済性で、芯部にブラックコアー
が殆ど形成されない焼結体を得ることができるという本
発明者の新規な知見に基づいて完成されたものである。
【0009】本発明の焼結体の原料組成物のうちで水硬
性セメントは20重量%〜30重量%の結晶水を含む水
和化合物であり、加熱によって250℃付近から約50
0℃迄の温度範囲で連続的に脱水反応が起こる。そし
て、その脱水により、水硬性セメントから発生する水蒸
気は少量のCaOを含むpH約10以上のアルカリ性の
水蒸気である。一方、フライアッシュ粒子に固着した炭
素質の酸化作用は、炭素の燃焼開始時期に、有効な量の
水蒸気の存在する事が必要な条件である。
性セメントは20重量%〜30重量%の結晶水を含む水
和化合物であり、加熱によって250℃付近から約50
0℃迄の温度範囲で連続的に脱水反応が起こる。そし
て、その脱水により、水硬性セメントから発生する水蒸
気は少量のCaOを含むpH約10以上のアルカリ性の
水蒸気である。一方、フライアッシュ粒子に固着した炭
素質の酸化作用は、炭素の燃焼開始時期に、有効な量の
水蒸気の存在する事が必要な条件である。
【0010】上記の原料組成物を焼成すると、ガラス質
フライアッシュの粒子とCaOを含むアルカリ性の熱水
蒸気はポゾラン反応を起こして、粒子表面にゲル状の水
和物を生成する際、粒子表面に固着した炭素を剥離さ
せ、容易に酸化される状態にする。なお、フライアッシ
ュに含まれる炭素量と水蒸気の量との関係は研究したと
ころ、炭素含有量とほぼ同量(重量比)の結晶水に於
て、ブラックコアーを消失させることが可能であった。
本発明の焼結体の原料組成物に用いる水硬性セメントの
例として、ポルトランドセメント、高炉セメント、フラ
イアッシュセメント、アルミナセメント、あるいはこれ
らのセメントの硬化物を粉砕した微粉末を挙げることが
できる。これらの水硬性セメントは組合せて用いてもよ
い。
フライアッシュの粒子とCaOを含むアルカリ性の熱水
蒸気はポゾラン反応を起こして、粒子表面にゲル状の水
和物を生成する際、粒子表面に固着した炭素を剥離さ
せ、容易に酸化される状態にする。なお、フライアッシ
ュに含まれる炭素量と水蒸気の量との関係は研究したと
ころ、炭素含有量とほぼ同量(重量比)の結晶水に於
て、ブラックコアーを消失させることが可能であった。
本発明の焼結体の原料組成物に用いる水硬性セメントの
例として、ポルトランドセメント、高炉セメント、フラ
イアッシュセメント、アルミナセメント、あるいはこれ
らのセメントの硬化物を粉砕した微粉末を挙げることが
できる。これらの水硬性セメントは組合せて用いてもよ
い。
【0011】本発明の焼結体の原料組成物の粘土質は、
原料組成物の粉末成形において最も経済的で、かつ有効
な作用をするが、焼成過程に於ては大きい収縮を起こす
などの欠点のあるものである。また、石炭灰のように熱
エネルギーをもつ炭素質を含むものは、効果的な酸素の
供給があると、芯部の炭素質が燃焼し、そこから温度が
上昇して焼成時間の短縮となるものであるが、粘土質を
成形材料として緻密に成形されたものは、炭素の燃焼開
始の350〜400℃では粘土の収縮により緻密化が更
に進み、炉内からの酸素の吸収は殆ど期待できない。
原料組成物の粉末成形において最も経済的で、かつ有効
な作用をするが、焼成過程に於ては大きい収縮を起こす
などの欠点のあるものである。また、石炭灰のように熱
エネルギーをもつ炭素質を含むものは、効果的な酸素の
供給があると、芯部の炭素質が燃焼し、そこから温度が
上昇して焼成時間の短縮となるものであるが、粘土質を
成形材料として緻密に成形されたものは、炭素の燃焼開
始の350〜400℃では粘土の収縮により緻密化が更
に進み、炉内からの酸素の吸収は殆ど期待できない。
【0012】しかし、本発明の焼結体の原料組成物で
は、クリンカーアッシュを併用することにより、炉内か
らの酸素の吸収を高めることができた。すなわち、クリ
ンカーアッシュは多孔質で、およそ0.2〜20μの孔
隙構造を持つものであるところから、焼結過程におい
て、焼結が進行している成形体の内部に外部(炉内)か
らの酸素の供給を円滑にする機能を有する。なお、クリ
ンカーアッシュは、製品として焼結体においても、高い
保水性や透水性を示し、またバクテリア担体としての効
果が期待できるものである。
は、クリンカーアッシュを併用することにより、炉内か
らの酸素の吸収を高めることができた。すなわち、クリ
ンカーアッシュは多孔質で、およそ0.2〜20μの孔
隙構造を持つものであるところから、焼結過程におい
て、焼結が進行している成形体の内部に外部(炉内)か
らの酸素の供給を円滑にする機能を有する。なお、クリ
ンカーアッシュは、製品として焼結体においても、高い
保水性や透水性を示し、またバクテリア担体としての効
果が期待できるものである。
【0013】なお、本発明の焼結体の原料組成物には、
必要に応じて高炉水滓スラグのような焼結調整材料を2
0重量%以内の量で加えてもよい。
必要に応じて高炉水滓スラグのような焼結調整材料を2
0重量%以内の量で加えてもよい。
【0014】すなわち、本発明の原料組成物では、その
水硬性セメントが(更に詳しく言えば、その水和物
が)、焼成過程における芯部の炭素質の効果的な脱離
と、燃焼を可能とし、また多孔質のクリンカーアッシュ
は、外部からの酸素の供給を円滑にすることによって、
炭素質の燃焼を助け、そして粘土質は、成形材料の形成
を容易にするのみでなく、クリンカーアッシュととも
に、焼成体の収縮率の減少、変形、亀裂の防止に有効な
作用を及ぼす。
水硬性セメントが(更に詳しく言えば、その水和物
が)、焼成過程における芯部の炭素質の効果的な脱離
と、燃焼を可能とし、また多孔質のクリンカーアッシュ
は、外部からの酸素の供給を円滑にすることによって、
炭素質の燃焼を助け、そして粘土質は、成形材料の形成
を容易にするのみでなく、クリンカーアッシュととも
に、焼成体の収縮率の減少、変形、亀裂の防止に有効な
作用を及ぼす。
【0015】なお、上記の原料組成物の焼成過程におい
てフライアッシュ表面にポラゾン反応によって生成され
たゲル状のSiO2 −Al2 O3 −CaO等の化合物
は、従来の陶磁器質焼結体の焼結反応過程ではなかった
高温度の水熱反応によって生成されるものであって、そ
れぞれの原料間の反応は、全く新しい焼結反応機構を示
し、強固な効果的な固相反応を短時間に達成し、アノル
サイト(CaO・Al2O2 ・2SiO2 )を結晶相と
し、しかも微細な気孔を均一に分散した構造をもつ焼成
体を形成させる。
てフライアッシュ表面にポラゾン反応によって生成され
たゲル状のSiO2 −Al2 O3 −CaO等の化合物
は、従来の陶磁器質焼結体の焼結反応過程ではなかった
高温度の水熱反応によって生成されるものであって、そ
れぞれの原料間の反応は、全く新しい焼結反応機構を示
し、強固な効果的な固相反応を短時間に達成し、アノル
サイト(CaO・Al2O2 ・2SiO2 )を結晶相と
し、しかも微細な気孔を均一に分散した構造をもつ焼成
体を形成させる。
【0016】そして、従来一般の陶磁器質焼結体である
建築用練瓦は焼成焼結過程における反応時に発生した気
泡か気孔となってなるインクボトル構造を持つもので、
気孔の連結性が少ないが、本発明の焼結体は、連結され
た毛細気孔から成るものである。そして従来の建築用煉
瓦と同等の吸水率を示した本発明の焼結体を、その吸水
特性について比較すると以下の表1に示すとおりであっ
た。
建築用練瓦は焼成焼結過程における反応時に発生した気
泡か気孔となってなるインクボトル構造を持つもので、
気孔の連結性が少ないが、本発明の焼結体は、連結され
た毛細気孔から成るものである。そして従来の建築用煉
瓦と同等の吸水率を示した本発明の焼結体を、その吸水
特性について比較すると以下の表1に示すとおりであっ
た。
【0017】
【表1】 表1 ─────────────────────────── 吸水率 吸水飽和度 ─────────────────────────── 建築用煉瓦 12.5重量% 71.0重量% 本発明焼結体 13.0重量% 87.5重量% ─────────────────────────── 上記の表1の結果から、本発明の焼結体の高い水分保持
性能がわかる。
性能がわかる。
【0018】また、本発明の焼結体を、土質工学会基準
J.SF.T.151によるPF試験により毛管吸引効
果を測定したところ、水頭1m(PF2)までは体積含
水率は殆ど変化のない安定なもので、シルト土壌の特性
に近い保水性を示すものであった。
J.SF.T.151によるPF試験により毛管吸引効
果を測定したところ、水頭1m(PF2)までは体積含
水率は殆ど変化のない安定なもので、シルト土壌の特性
に近い保水性を示すものであった。
【0019】
原料組成物:下記の表2に記載 試験体のサイズ:300mm×300mm×30mm 成形条件:成形水分8重量%、成形圧力200kg/c
m2 焼成:ローラーハースキン使用 焼成温度:1150℃ 常温から1000℃迄の昇温速度:15℃/分 1000〜1150迄の昇温速度:5℃/分 得られた焼結体の物性:下記の表2に記載する。
m2 焼成:ローラーハースキン使用 焼成温度:1150℃ 常温から1000℃迄の昇温速度:15℃/分 1000〜1150迄の昇温速度:5℃/分 得られた焼結体の物性:下記の表2に記載する。
【0019】
【表2】 表2 ─────────────────────────────── 原料組成(重量%) 試料1 試料2 試料3 ─────────────────────────────── フライアッシュ(微粉) 30 45 55 クリンカーアッシュ 40 40 30 (0.5〜1mm) 高炉セメント 3 5 5 木節粘土 10 10 10 高炉水滓スラグ(微粉) 17 ── ── ─────────────────────────────── 得られた焼結体の物性 ─────────────────────────────── かさ比重(g/cc) 1.45 1.48 1.50 吸水率(重量%) 19.2 18.3 16.5 曲げ強度(kg/cm2 ) 78 115 135 吸水飽和度(重量%) 90.5 92 91 透水係数(cm/秒) 6×10-3 1×10-4 25×10-4 体積含水率(%) 41 40.5 40
【0020】上記の結果から、本発明の焼結体の優れた
物性が明らかである。なお、得られた焼結体のいずれに
おいても、ブラックコアーの存在は観察されなかった。
物性が明らかである。なお、得られた焼結体のいずれに
おいても、ブラックコアーの存在は観察されなかった。
【0021】
1)本発明に係る焼結体を利用した保水性と透水性を兼
ね備えた高強度の舗装材料は、地球環境において、水資
源の保護と共に気化熱による地球温暖防止効果が期待す
ることができる。 2)また、従来は陶磁器焼結体の製造に際しては、石炭
灰は、その中に存在する炭素質に起因して形成されるブ
ラックコアーのため、少量しか使用できなかったが、本
発明により見いだされた新しい焼結反応機構により、含
有率が最高85重量%に及ぶ主原料としての使用が可能
となり、また従来使用されなかったクリンカーアッシュ
の気孔特性を効果的に利用する技術も確立することがで
きた。 3)年間500万トンもの発生量をもち、更に増大が予
想される石炭灰の利用開発は産業界の願望であり、本発
明の焼結体への利用により付加価値の高い商品の製造が
可能となった。
ね備えた高強度の舗装材料は、地球環境において、水資
源の保護と共に気化熱による地球温暖防止効果が期待す
ることができる。 2)また、従来は陶磁器焼結体の製造に際しては、石炭
灰は、その中に存在する炭素質に起因して形成されるブ
ラックコアーのため、少量しか使用できなかったが、本
発明により見いだされた新しい焼結反応機構により、含
有率が最高85重量%に及ぶ主原料としての使用が可能
となり、また従来使用されなかったクリンカーアッシュ
の気孔特性を効果的に利用する技術も確立することがで
きた。 3)年間500万トンもの発生量をもち、更に増大が予
想される石炭灰の利用開発は産業界の願望であり、本発
明の焼結体への利用により付加価値の高い商品の製造が
可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−315951(JP,A) 特開 平5−194010(JP,A) 特開 昭58−156571(JP,A) 特開 昭57−179068(JP,A) 特開 昭57−166361(JP,A) 特公 平4−9747(JP,B2)
Claims (5)
- 【請求項1】 石炭灰フライアッシュとクリンカーアッ
シュとを両者の合計量で50〜85重量%、粘土質原料
と水硬性セメントとを両者の合計量で15〜30重量%
(ただし、水硬性セメントは粘土質原料1重量部に対し
て、0.3〜0.5重量部の範囲の量で調合する)、そ
して焼結調整材料0〜20重量%を加えた原料組成物を
成形乾燥した後、焼成してなる石炭灰を原料とする焼結
体。 - 【請求項2】 クリンカーアッシュが石炭灰フライアッ
シュとクリンカーアッシュとの合計量に対して30〜7
0重量%を占める請求項1に記載の石炭灰を原料とする
焼結体。 - 【請求項3】 クリンカーアッシュが粒度0.5〜3.
0mmに粉砕整粒された粗粒物である請求項1に記載の
石炭灰を原料とする焼結体。 - 【請求項4】 水硬性セメントが、ポルトランドセメン
ト、高炉セメント、フライアッシュセメント、アルミナ
セメント及びこれらのセメントの硬化物を粉砕した微粉
末のいずれかである請求項1に記載の石炭灰を原料とす
る焼結体。 - 【請求項5】 石炭灰フライアッシュとクリンカーアッ
シュとを両者の合計量で50〜85重量%、粘土質原料
と水硬性セメントとを両者の合計量で15〜30重量%
(ただし、水硬性セメントは粘土質原料1重量部に対し
て、0.3〜0.5重量部の範囲の量で調合する)、そ
して焼結調整材料0〜20重量%を加えた原料組成物を
成形し、乾燥した後、焼成過程に於てCaOを含むアル
カリ性水蒸気による水熱反応過程を経て1000〜12
00℃の温度に焼成することを特徴とする焼結体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7195746A JP2756934B2 (ja) | 1995-07-10 | 1995-07-10 | 石炭灰を原料とする焼結体とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7195746A JP2756934B2 (ja) | 1995-07-10 | 1995-07-10 | 石炭灰を原料とする焼結体とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0925155A JPH0925155A (ja) | 1997-01-28 |
JP2756934B2 true JP2756934B2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=16346284
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7195746A Expired - Fee Related JP2756934B2 (ja) | 1995-07-10 | 1995-07-10 | 石炭灰を原料とする焼結体とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2756934B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005060971A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-10 | Tetra Co Ltd | 多孔質焼結舗装材及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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