JP2756853B2 - 太陽熱利用深夜電気温水器 - Google Patents

太陽熱利用深夜電気温水器

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、太陽熱と深夜電気を利用して給湯に用いる
温水を作る太陽熱利用深夜電気温水器に関する。
〔従来の技術〕
従来、深夜電気温水器に太陽熱エネルギーを利用する
方法として、昼間に太陽熱温水器により給水をある程度
まで昇温させて貯湯槽に貯え、夜間に貯湯槽から太陽熱
で温められた温水を深夜電気温水器に導き、安価な深夜
電気を利用して給湯に必要な温度にまで昇温させて深夜
電気温水器の蓄熱槽に蓄えておき、翌日に蓄熱槽の温水
を給湯するというものがある。この場合、集熱された太
陽熱エネルギーは翌日まで使用されないことになり、特
に夕方以後に給湯の需要が多いことを考慮すると、集熱
してから給湯まで長時間放置され、この間の放熱によ
り、集熱されたエネルギーは大量の熱量を損失すること
になる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のように従来技術においては、集熱された太陽熱
エネルギーは集熱から給湯まで長時間放置されるので、
その間の放熱によって大量に損失するという問題があっ
た。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであって、深
夜電気温水器と太陽熱温水器をひとつの蓄熱槽で結合
し、翌日の日射量の予測値を基に深夜電気により蓄熱槽
の給水に熱量を与え、さらに翌日に太陽熱をあたえて、
給湯に必要な全熱量を得ることにより、集熱した太陽熱
エネルギーをより有効利用できる太陽熱利用深夜電気温
水器を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の太陽熱利用深夜
電気温水器は、翌日の日射量を予測する日射量予測セン
サと、該日射量予測センサの予測値から求められる熱量
を所定熱量から差し引いた差分の熱量を深夜電気を用い
て給水に与えるヒータと、該ヒータにより沸き上げられ
た温水を上部に蓄える蓄熱槽と、翌日の日射量を集める
太陽熱コレクタと、該太陽熱コレクタに循環ポンプを介
して接続しかつ前記蓄熱槽底部に設置されて給水と熱交
換して温水をつくる熱交換器と、前記蓄熱槽に蓄えた温
水をかきまぜる混合ポンプとを備えたことを特徴として
いる。そして、前記混合ポンプは前記蓄熱槽の上部と底
部とを接続する配管経路内に設け、温水を循環させて混
合するようなものがよい。
〔作用〕
本発明の太陽熱利用深夜電気温水器において、日射量
予測センサは翌日の日射量を予測して太陽熱により得ら
れる熱量を設定し、ヒータは設定された太陽熱熱量を所
定熱量すなわち装置の定格熱量から差し引いた差分の熱
量を深夜電気を用いて給水に与えて沸き上げ、蓄熱槽は
沸き上げられて上方に昇ってきた温水を蓄え、一方太陽
熱コレクタは翌日に日射量、換言すれば太陽熱を集熱し
て内蔵する流体を加熱し、加熱された流体を循環ポンプ
が太陽熱コレクタと熱交換器の間を循環させ、この時熱
交換器は蓄熱槽底部に滞留する給水を加熱して温水を作
り、混合ポンプは給湯前に駆動されて蓄熱槽中の温水を
かき混ぜて、全体を均一な温度にする。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面により説明する。第1
図は実施例の太陽熱利用深夜電気温水器の構成図であ
る。この太陽熱利用深夜電気温水器は大別して翌日の日
射量を予測する日射量予測センサと、日射量予測センサ
の予測値を基に消費電力が決定された深夜電気で給水を
加熱する電気温水器と、その電気温水器に翌日集熱した
太陽熱エネルギーを供給する太陽熱コレクタと、それら
を制御する制御装置とから構成されている。
日射量予測センサ1は翌日の昼間の天候をその日の温
度、湿度、気圧等の変化から推定して翌日の日射量を予
測し、その予測値は電気温水器により給水に与える熱量
すなわち深夜電気の電力量を設定する。電気温水器は、
密閉容器である蓄熱槽2と、蓄熱槽2内の下部に設けら
れた内容器3aとその内容器3aから上方に伸びる筒3bとか
らなり筒3bと内容器3aの間を開閉するコントロール弁3c
を設けた循環塔3と、内容器中3aに設けられたヒータ4
と、内容器3aの下に設けられた熱交換器5と、蓄熱槽2
の外側でほぼ頂部と底部を接続する配管経路に設けられ
た循環混合ポンプ6とからなり、そして蓄熱槽2の底部
には給水用配管7が、また蓄熱槽2頂部には給湯用配管
8が設けられている。また内容器3aの底には給水を内容
器内に導く導入孔3dが設けられ、また、内容器3aと蓄熱
槽2の間には上下を導通するすき間2aが設けられてい
る。太陽熱コレクタ9は、蓄熱槽2の中の熱交換器5に
それぞれ配管10,11により往復接続され、そしてその配
管経路には太陽熱コレクタ9中の水温と蓄熱槽2底部の
水温との差を検出する差温計12により駆動制御される集
熱ポンプ13が設置されている。
次に太陽熱利用深夜電気温水器における給水及び温水
等の流体の流れについて説明する。給水配管7から蓄熱
槽2に供給された給水は導入孔3dを通じて内容器3aに入
り、そこでヒータ4により深夜電気で沸き上げられ沸き
上げられた温水は筒3bを通じて循環塔3から対流により
蓄熱槽2の上部に上がり、蓄えられる。なお、コントロ
ール弁3cは、通常“閉”となっており、内容器3aの中の
温水が設定温度に上昇した時に“開”となり、温水を上
方に導く。一方太陽熱コレクタ9で太陽熱により加熱さ
れた流体は往復配管10,11を介して蓄熱槽2の底部に設
けられた熱交換器5との間を集熱ポンプにより循環させ
られて蓄熱槽2の給水と熱交換し、その熱交換により沸
き上げられた温水は蓄熱槽2の下部に滞留する。蓄熱槽
2の下部に滞留するのは、通常、熱交換器により沸き上
げられた温水はヒータ4により沸き上げられた温水より
も低温であるためである。給湯時には、蓄熱槽2の上部
及び下部に蓄えられた温水は循環混合ポンプ6により循
環混合ポンプ6の配管と蓄熱槽2のすき間2aを通って循
環させられながら混合して均一な温度になり、均一な温
度の温水はそれから給湯配管8を通って給湯され、たと
えば風呂に供給される。
ここで、深夜電気により沸き上げられた温水と太陽熱
を利用して沸き上げられた温水を給湯時に混合する理由
について述べておきたい。太陽熱コレクタにおいては低
温の流体を加熱する方が効率が良いことはよくしられて
いる。そのため蓄熱槽では、上部に高温の温水を、下部
に低温の温水を蓄えておき、この低温の温水と太陽熱コ
レクタで加熱された流体との間で熱交換器を介して熱の
授受を行うのが好ましい。もし蓄熱槽に蓄えた温水全体
をかきまぜて均一な温度にしたとすると、太陽熱コレク
タの流体の温度が上がり、太陽熱コレクタにおける集熱
効率が低下する。流体が高温になりいわゆる高温集熱に
なると、太陽熱コレクタの集熱効率が著しく低下して太
陽熱を有効に利用できなくなる。また前記混合を行うこ
とによって太陽熱による沸き上げ温度を給湯温度より低
く設定することができ、この様にして得た給湯温度より
低温の温水を給湯に使用することができる為、太陽依存
率を向上することができる。上記太陽熱コレクタと、太
陽依存率の観点から、給湯時に蓄熱槽の温水を循環混合
するのである。
次に太陽熱利用深夜電気温水器における制御、すなわ
ち日射量予測センサによる予測値を基に電気温水器の給
湯負荷分担がどのように決定されるかを説明する。
太陽熱利用深夜電気温水器が蓄えるべき給湯負荷をQ
とし、この給湯負荷Qは電気温水器により与える熱量QE
と太陽熱集熱により与える熱量Qsとでまかなわれるの
で、(1)式が成り立つ。
Q=QE+QS (1) なお熱量QSの値は日射量予測センサにより与えられる
ものである。さらにQは(2)式のように表すことがで
きる。
Q=(TE−T0)(S−Vs)+ΔTVs …(2) QE=(TE−T0)(S−Vs) Qs=ΔTVs ここでTE:深夜電気による沸き上げ温度 T0:給水温度 Vs:太陽熱を利用して加熱される給水量 ΔT:太陽熱により給水が昇温する温度幅 S:蓄熱槽容量 である。
太陽熱により給水が昇温する温度幅ΔTは、給水量Vs
の関数であり、(3)式で示される。
ΔT=f1(Vs) …(3) (2),(3)式から(4)式が求まる。
Q=(TE−T0)(S−Vs)+f1(Vs)Vs …(4) 次に太陽熱利用電気温水器が太陽熱に依存する太陽熱
依存率をf2(Qs)とすると 従来の気象データから日射量を推定するソーラーシュ
ミレーションより求められる、日射量Jと太陽熱依存率
f2(Qs)の関係を示す関数をf3(J)とすると、 f2(Qs)=f3(J) 上記2つの式から次の(5)式が得られる。
(6)式に予測される日射量Jxを代入すると、太陽熱
を利用して加熱する給水量Vsとその沸き上げ温度幅ΔT
との関係、すなわちf1(Vs)が決定される。このf1(V
s)と(4)式から、太陽熱を利用して沸き上げる給水
量Vsが求まり、さらに電気温水器で沸き上げるべき給水
量(S-Vs)が求まる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、太陽熱利用深夜電気温水器は、翌日
の日射量を予測する日射量予測センサと、日射量の予測
値から求まる熱量を所定熱量から引いた差分の熱量を深
夜電気を用いて給水に与えるヒータと、ヒータで沸き上
がった温水を上部に蓄え、底部では太陽熱コレクタに接
続した熱交換器で加熱された温水を蓄える蓄熱槽と、温
水をかきまぜる混合ポンプを備えており、(a)従来太
陽熱温水器と深夜電気温水器を組合せて2つの貯湯槽を
用いていたのに対し一つの蓄熱槽を設けるだけでよく、
(b)深夜電気で給水を加熱した後、太陽熱を利用し
て、太陽熱利用から給湯までの経過時間が短くできるの
で、集熱した太陽熱を放熱少く有効に利用でき、(c)
蓄熱槽底部にある低温の給水から太陽熱により温水を作
るので、太陽熱コレクタの集熱効率がよく、(d)翌日
の日射量を予測して深夜電気により給水を沸き上げ、太
陽熱により給水を沸き上げてから、給湯時に作られた温
水をかきまぜるので、蓄熱槽全量の温水を利用できる、
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による実施例の太陽熱利用深夜電気温水
器の構成図である。 1……日射量予測センサ、2……蓄熱槽、2a……すき
間、3……循環塔、3a……内容器、3b……筒、3c……コ
ントロール弁、3d……導入孔、4……ヒータ、5……熱
交換器、6……循環混合ポンプ、7……給水配管、8…
…給湯配管、9……太陽熱コレクタ、10,11……往復配
管、12……差温計、13……集熱ポンプ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】翌日の日射量を予測する日射量予測センサ
    と、該日射量予測センサの予測値から求められる熱量を
    所定熱量から差し引いた差分の熱量を深夜電気を用いて
    給水に与えるヒータと、該ヒータにより沸き上げられた
    温水を上部に蓄える蓄熱槽と、翌日の日射量を集める太
    陽熱コレクタと、該太陽熱コレクタに循環ポンプを介し
    て接続しかつ前記蓄熱槽底部に設置されて給水と熱交換
    して温水をつくる熱交換器と、前記蓄熱槽に蓄えた温水
    をかきまぜる混合ポンプとを備えた太陽熱利用深夜電気
    温水器。
  2. 【請求項2】前記混合ポンプは前記蓄熱槽の上部と底部
    を接続する配管経路内に設けられ、温水を循環させて混
    合することを特徴とする請求項1記載の太陽熱利用深夜
    電気温水器。
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