JP2755889B2 - 少なくとも1個の電極およびまたはセンサを形成するための物体 - Google Patents

少なくとも1個の電極およびまたはセンサを形成するための物体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、担体と、この担体上に
設けられた金属酸化物層とを備えた、物質にさらされ、
この物質の化学分析中に使用される物体と、この物体を
備えた、液体を電量的に検査するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この物体は例えば導電性液体、すなわち
電解液と接触して、水素イオン(陽子)供与体およびま
たは水素イオン受容体とし作用する電極を形成するため
に設けることができる。物体は例えばpH値を測定する
ために使用可能である。しかし、後述のように、物体は
その代わりにあるいは付加的に、他の目的のための電極
およびまたはセンサを形成または具備していてもよい。
【0003】特開平4−50648号公報は、サファイ
ア小板を備えた生物化学センサを開示している。このサ
ファイア小板はpドーピング材を備えた珪素フィルムを
持っている。珪素フィルムはサファイア小板と反対のそ
の側が、絶縁フィルムによって覆われている。更に、発
光ダイオードが設けられている。この発光ダイオードを
用いて、珪素フィルムの範囲が照明により活性化可能で
ある。すなわち、このセンサは前述の金属酸化物の一つ
からなる層を備えておらず、その珪素フィルムを測定の
ために発光ダイオードによって照明しなければならない
という欠点がある。
【0004】特開昭58−151396号公報は、ガン
マビスマス単結晶の構造体を有するビスマス酸化物およ
び珪素、ゲルマニウム、ガリウムまたはチタンの元素の
酸化物を、電気的抵抗を高めるために加熱し、そして電
気光学的センサを形成するために使用することを開示し
ている。しかしながら、この酸化物は、本発明による物
体の場合の前述の金属酸化物を含んでいない。
【0005】米国特許第3726777号明細書には、
イリジウム酸化物層を備えた物体が記載されている。こ
のイリジウム酸化物層は血液や他の液体のpH値を測定
するための電極としての働きをする。この明細書では、
酸化物層の製作のために、特にイリジウム線材がカリウ
ム溶液または苛性ソーダ溶液に浸漬され、その後酸素雰
囲気内でほぼ800°Cまで加熱される。
【0006】オルスイス(W.Olthuis)、カークホフ(J.
C.van Kerkhof) 、バーグベルド(P.Bergveld)、ボス(M.
Bos) 、リンデン(W.E.van der Linden)著の刊行物" イ
リジウム酸化物の準備およびそのセンサ−アクチュエー
タシステムへの適用 "、センサおよびアクチューエータ
B、4、1991年、第151〜156頁、ElsevierSe
quoiaには、イリジウム酸化物層を備えた物体が開示さ
れている。この物体は水素イオンを放出および受け取る
ための電極としておよび電量滴定のための電極としての
働きをする。この刊行物では、電極を製作するために先
ず最初に、珪素小片とその上に設けられたイリジウムフ
ィルムを備えた担体が作られる。そして、この担体は硫
酸を含む液体内で電気化学的に酸化される。
【0007】オルスイス(Olthuis)等の刊行物には、1
20時間の間電解液に電極を浸漬することが水素イオン
交換率を約18パーセント低下させ、順々に行われた水
酸イオンと水素イオンの2回の濃度測定が、一定の濃度
のときに2パーセントまたは1パーセントの測定値の偏
差を生じると記載されている。前記米国特許第3726
777号明細書または前記オルスイス(Olthuis)等の刊
行物に記載された種類の方法によって製作された電極の
出願人の検査では、このような電極は実際に、その水素
イオン受取り率と水素イオン放出率と測定感度が時間の
経過につれて非常に変動するという欠点がある。公知の
電極の特性のこのような時間的な変化は、pH値の測定
時だけでなく、電極がセンサ、すなわち測定要素とし
て、およびまたは制御要素としておよびまたは励起要素
としての働きをする電極の他の用途のときにも邪魔にな
る。
【0008】米国特許第3726777号明細書では、
この刊行物によって知られているイリジウム酸化物層が
濃紺の色を有する。オルスイス(Olthuis)等の刊行物に
記載された種類の方法による酸化物層の製作は、出願人
の研究および検査では、同様に暗く、ほぼ不透明な酸化
物層を生じる。従って、この刊行物によって知られてい
る種類のイリジウム酸化物層を備えた物体は、酸化物層
が光を通さなければならない光学的な測定方法のための
測定要素としては適していない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の根底をなす課
題は、測定要素およびまたは制御要素およびまたは水素
イオン交換要素およびまたは励起要素としての働きをす
る少なくとも一つの電極およびまたはセンサを形成する
ために適していて、これらの種類の公知の物体の欠点を
除去する、少なくとも一つの金属酸化物層を備えた物体
を提供することである。その際特に、測定要素およびま
たは制御要素およびまたは励起要素として物体を使用す
るために、この物体の重要な特性が安定しており、それ
によって物体が良好に再現可能で正確な測定プロセス、
制御プロセスおよびまたは励起プロセスを可能にするよ
うにすべきである。
【0010】米国特許第3726777号明細書および
オルスイス(Olthuis)等によって引用された刊行物によ
り知られているイリジウム酸化物層の構造体は、これら
の刊行物には詳しく記載されていない。出願人の研究お
よび検査により、公知の方法で製作したイリジウム酸化
物層は無定形および多結晶であり、従って非常に小さ
な、例えば0.01mm以下の寸法を有する多数の小さな結晶
からなっていることが判った。更に、水素イオン交換率
と測定感度の前記変動が酸化物層の無定形および多結晶
構造によって引き起こされることが判った。なぜなら、
このような構造体は時間の経過と共に大きく変化するか
らである。無定形および多結晶の酸化物層では、特に異
なる結晶の間に隙間が存在およびまたは発生し、その寸
法が変化する。隙間を有する酸化物層が電解液に接触す
ると、電解液は隙間に進入し、それによって電流の通る
道を形成する。この道は酸化物層に部分的にまたは完全
に侵入し、電気的な短絡を生じる。更に、個々の小さな
結晶の間の境界面は特に、隙間が存在するときに、光の
屈折、反射および散乱を生じ、それによって酸化物層の
暗い色と不透明の原因となる。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題は本発明に従
い、金属酸化物層が、その厚さ方向に見て増大する複数
の酸化段階と、最高の酸化段階である露出した表面範囲
とを有し、金属酸化物層の金属が、化学的元素の周期表
の第5番目または第6番目の周期と5A,6A,7A,
8族に所属する金属とジルコニウムからなるグループか
ら選択され、少なくとも、金属酸化物層の露出した表面
範囲を形成する金属酸化物層の部分が、単結晶であるこ
とによって解決される。物体を備えた、液体の電量(ク
ーロン)的に検査するための装置の場合には、少なくと
も、酸化物層の露出した表面範囲を形成する酸化物層の
部分が、単結晶であり、液体に接触可能な4個の電極が
担体に設けられ、この電極の一つがpH測定電極として
の働きをし、他の一つが水素イオンを液体と交換するこ
とによって液体のpH値を制御するための制御電極とし
ての働きをし、他の一つがpH測定のための標準電極と
しての働きをし、他の一つが制御電極に対する対電極と
しての働きをし、制御電極が前記金属の一つの少なくと
も一つの酸化物からなる単結晶の酸化物層を備え、4個
の電極に電気的に接続された電子的な測定装置が設けら
れ、この測定装置がpH測定電極と標準電極の間の電位
差に基づいて液体のpH値を検出し、制御電極と対電極
の間で液体を通って流れる電流を発生し、かつ測定され
たpH値が目標値と等しくなるようにこの電流を調節す
ることによって解決される。
【0012】物体および装置の好ましい実施形は従属請
求項に記載されている。本発明による物体の酸化物層
は、露出した表面範囲、すなわち露出した空間に直接接
し、固体の材料によって覆われていない表面範囲を有す
る。その際、この露出した表面範囲を形成する酸化物層
の少なくとも一部と、特に酸化物層全体が単結晶であ
り、従って繋がった単結晶の結晶格子を有する。
【0013】酸化物層の露出した表面範囲は例えば、多
角形、例えば四角形の輪郭または円形の輪郭を有してい
てもよいし、環状またはC字状でもよい。酸化物層の露
出した表面範囲の大きさは所定の使用目的に依存して、
例えば少なくとも0.1mm2で、例えば約1000mm2 以下であ
り、多くの目的のためには0.5 〜100mm2の範囲にある。
本発明によらない種類の公知の無定形および多結晶の酸
化物層は、このような表面寸法の場合には、既に多数の
小さな結晶および隙間を有する。
【0014】酸化物層は平らで、いわゆる理想的な表面
を有することができる。この表面は結晶学的な格子平面
によって形成され、この平面内にすべての表面原子が完
全に規則正しく適所に配置されている。この場所の分布
は結晶内部の原子の周期的な配置と一致している。しか
し、実際の表面はこの理想の表面と異なっていてもよ
い。例えば原子の最も上側の層またはグループの層は、
内部の原子に対して全体的に一様にずれていてもよい。
この場合、表面は依然として正確に平らとすることがで
きる。更に、最も上側の層の原子は個々に周期的にずれ
ていてもよく、それによっていわゆる超格子構造が生じ
る。更に、酸化物層の表面と内部の周期性は、異なる種
類の不規則に分布した点の誤差によって妨害され得る。
例えば或る格子の場所では原子は不足していてもよく、
およびまたは少しだけずれていてもよく、およびまたは
取り替え可能である。更に、表面は少なくとも一つの段
を形成していてもよい。
【0015】酸化物層の理想の構造および表面に対する
酸化物層の前述の相違点は勿論、組み合わせることも可
能である。しかし、酸化物層はばらばらにならないよう
になっており、単結晶であり、一般的には規則的であ
る。酸化物層は、異なるように配向された結晶軸を有す
る、認識可能な境界面によって互いに画成された多数の
小さな結晶から構成すべきではない。
【0016】本発明では、酸化物層が化学的元素の周期
表の第5番目または第6番目の周期と5A,6A,7
A,8族に所属する少なくとも一つの金属およびまたは
ジルコンの少なくとも一つの酸化物、すなわち少なくと
も一つの遷移金属酸化物からなっている。その際、酸化
物層は好ましくは上記の一つの金属の一つまたは複数の
酸化物からなっている。
【0017】酸化物層が異なる酸化段階で酸化可能な金
属の酸化物を備えている場合には特に少なくとも、酸化
物層の表面を形成し露出した空間に接する酸化物層の部
分が、最高の酸化段階の酸化物からなっている。これは
酸化物層をそれ以上の酸化に対して保護し、それによっ
て酸化物層の化学的安定性に寄与する。更に、このよう
な層の付着作用が強まる。なぜなら、金属支持材が担体
材料に良好に付着し、酸化程度の連続的な増大によって
個々の酸化物層が良好に連結されるからである。物体の
特に有利な実施形の場合には、酸化物層がイリジウム酸
化物からなっている。その際、前記の課題に相応して、
特に少なくとも、酸化物層の露出した表面範囲を形成す
る酸化物層の部分が、最高の酸化段階の酸化物、すなわ
ちIrO2からなっている。
【0018】しかし、この酸化物層はパラジウム酸化物
からなっていてもよい。物体の所定の使用目的に依存し
て、酸化物層をニオビウム、ルテニウム、タンタル、タ
ングステン、オスミウム、プラチナ、ジルコンの中の一
つまたは複数の金属の少なくとも一つの酸化物によって
形成すると有利である。本発明に従って少なくとも露出
した表面範囲に設けられた単結晶の酸化物層は、安定し
た構造を有する。更に、多結晶の酸化物層と異なり、単
結晶の酸化物層は内部の境界面を有していない。それに
より、酸化物層が緻密であり、隙間や微小隙間が全く無
く、実際の使用時に隙間が無いままである。従って、酸
化物層がその使用時に液体に接触するときに、液体は酸
化物層に侵入しない。単結晶の酸化物層が内部の境界面
を備えておらず、隙間が無いので、場合によってはあり
得る光学的な測定が隙間によって妨害されることはな
い。これらのすべての特性は、単結晶の酸化物を有する
物体が、後述する使用の際に、短期間および長期間にわ
たって、安定した良好に再現可能な挙動を示すために寄
与する。
【0019】本発明による物体の有利な実施形の場合に
は、その担体が導電性材料からなる担体部分を備えてい
る。この導電性材料は少なくとも600°Cの温度ま
で、好ましくは800°Cの温度まで耐熱性があり、安
定している。この担体部分は例えば小板によって形成可
能である。この小板はアルミニウム酸化物のような結晶
材料、すなわち透明で色のついていない人工のサファイ
アの片からなっている。物体は更に、絶縁性小板の表面
範囲に設けられた金属の支持材を備えている。この支持
材上に酸化物層が取付けられ、支持材は例えば一つの金
属または場合によっては複数の金属からなっている。こ
の金属の一つの酸化物が酸化物層を形成しているかまた
は複数の酸化物が酸化物層を形成している。酸化物層は
支持材と反対の側にある、最高の酸化段階の酸化物から
なる層状の部分と、支持材との間に、移行部分を備えて
いる。この移行部分は支持材に接し、低い酸化段階の酸
化物からなっている。このような移行部分の範囲の結晶
格子は同様に、単結晶の理想の構造と相違していてもよ
い。
【0020】酸化物層がイリジウム酸化物からなる場合
には、特に既存の支持材をイリジウムから構成すること
ができる。この場合、酸化物層はその表面のところにあ
る、IrO2からなる範囲とイリジウムからなる支持材との
間に更に場合によってはIr2O3からなる範囲を備えてい
てもよい。本発明による物体の有利な実施形の場合に
は、被覆材が設けられている。この被覆材は、例えば電
気的な測定およびまたは制御およびまたは励起のために
役立つ酸化物層の露出した表面を、酸化物層を上から見
て完全に取り囲み、酸化物層の縁部範囲をこの酸化物層
の全縁に沿って被覆している。物体が電気を絶縁する担
体部分と、この担体部分と酸化物層の間に金属の支持材
を備えていると、被覆材は好ましくは支持材の全縁を被
覆する。被覆材は酸化物層と異なる金属からなり、物体
の用途に応じて、例えば液密およびまたは不透明および
または電気絶縁性であってもよい。被覆材は例えば、ド
ーピングされた純粋な珪素または二酸化珪素からなって
いる。既述のように、酸化物層の内部構造と表面はとこ
ろどころ、単結晶の理想の内部構造および理想の表面と
異なっていてもよい。理想の内部構造や理想の表面に対
するこのようなずれが特に酸化物層の縁部にしばしば発
生するので、前記種類の被覆材は次のような利点を有す
る。すなわち、酸化物層の縁部範囲に存在する、理想の
構造および表面に対するずれが、物体の使用時に作用し
ないという利点を有する。更に、被覆材は金属の支持材
の縁部を、酸化物層に接する空間に対して電気的に絶縁
することができる。
【0021】酸化物層は多少良好に導電するかあるいは
半導体のように、形成、採寸および担体に配置可能であ
る。酸化物層を備えた物体は既述のように、少なくとも
一つの電極を形成している。酸化物層は物体を電極とし
て使用する場合、例えば導電性液体、すなわち電解液に
接触する。電流が酸化物層と電解液を流れるときに、酸
化物層は水素イオン供与体およびまたは水素イオン受容
体としての働きをする。このためには特にイリジウム酸
化物からなる酸化物層が有利である。なぜなら、イリジ
ウム酸化物が水素イオンの交換のために、小さな電位、
すなわち電極と液体の間に存在する小さな電位しか必要
としないからである。これは例えば、液体内に存在する
塩素イオンが酸化され、塩素として遊離する電位以下で
ある。更に、イリジウム酸化物からある層を備えた電極
の場合には、水素イオンの交換のために必要な電極電位
が水の電気分解を生じる電位よりも小さい。パラジウム
酸化物からなる酸化物層も、水素イオン交換のために役
立つ電極の形成に適している。
【0022】電極、すなわち測定電極を形成する、本発
明による物体は、電解液からなる液体のpH値およびま
たはイオンの濃度または活性およびまたは緩衝能を、電
解分析、すなわち例えば電位差分析およびまたは電量分
析およびまたはポーラログラフ式に測定するために、他
の電極、すなわち標準電極と共に、および電気系および
または電子的回路手段と共に使用可能である。標準電極
は例えば少なくとも一部が甘汞または塩化銀からなって
いる。場合によっては、標準電極は同様に本発明による
物体からなり、測定のために液体に接触可能な酸化物層
を備えていてもよい。測定は人体または動物の体の中ま
たは外において例えば血液またはリンパ液または髄液内
で、すなわち脳−脊髄−液体内で行うことができる。更
に、血漿または尿または任意の種類の溶液、例えば乳糖
溶液およびまたはグルコース溶液細胞培養物を含む培養
液内でも測定することができる。
【0023】本発明による物体は更に、他の電極、すな
わち対電極、および電気およびまたは電子制御手段と共
に、水素イオンを交換、すなわち放出およびまたは受け
取ることによって、電解液のpH値を制御、すなわち影
響を与えかつ変更するために、制御要素として、すなわ
ち加工電極およびまたは水素イオン交換電極およびまた
は滴定電極およびまたは制御電極として使用可能であ
る。
【0024】pH値を同時にまたは交互に測定し、制御
するために、例えばpH値のために役立つこのような制
御電極を、対電極やpH値の測定に役立つ対をなした電
極と共に使用することができる。その際、pH値の測定
に役立つ制御電極の酸化物層は例えば、pH値の測定に
役立つ電極の酸化物層よりも大きな表面およびまたは厚
さを有する。更に、pH値の測定および制御のために、
3個またはたったの2個の電極を設けることができる。
更に、pH値を一定の目標値または調節可能な値に調節
するために、異なる電極を電子式測定および調節手段に
接続可能である。更に、物質の化学的反応によっておよ
びまたは物質またはその他の細胞の物質代謝プロセスに
よってpH値が変更する液体に電極が接触すると、反応
の間または物質代謝プロセスの間、pH値の一定保持の
ために消費される電気的な荷電量が測定される。これは
化学的な反応時に変換される前記物質の量の程度あるい
は微生物またはその他の細胞の物質交換プロセスの程度
を示す。
【0025】イリジウム酸化物およびまたはパラジウム
酸化物およびまたは他の前記酸化物の一つを備えた本発
明による物体は、生物学的に活性の蛋白質分子およびま
たはパプチド分子を露出した表面に保持、すなわち吸着
するためおよびまたは化学的な結合によって固定するた
めに使用可能である。その際、前記の分子は例えば酸化
物層に直接堆積してもよいし、およびまたは結合材によ
って酸化物層に物理的およびまたは化学的に結合しても
よい。そして、生物学的に活性の分子は特に液体を通す
分子層を形成し、例えば液体に接触する。この液体には
物質が溶解およびまたは分散している。この物質は生物
学的に活性の分離によって、イオン、特に水素イオンま
たはヒドロオクソニウムイオンまたは水酸化イオンを生
じるように、化学的に変更可能である。本発明による物
体は更に、電気的に制御して水素イオンを受取りおよび
または放出することによってイオンの量に影響を与えお
よびまたは電解分析的に測定するよう、電極としての働
きをする。
【0026】本発明による物体の特に有利な実施形の場
合には、物体の担体が電気的に絶縁する担体部分、例え
ば一体の平らな小板を備え、この小板上に2個以上の電
極が設けられている。この電極の少なくとも一つが、一
つまたは場合によって複数の前記の金属の少なくとも一
つの酸化物を有する単結晶酸化物層を備え、そして例え
ばpH測定電極としてあるいはpH値の制御およびまた
は滴定のために制御電極およびまたは滴定電極としての
働きをする。更に、例えば小板またはその他の担体部分
上に設けられた電極の少なくとも一つが他の材料からな
り、pH測定のための標準電極としておよびまたはpH
値の制御およびまたは電解分析的な滴定およびまたは電
量測定のための対電極としての働きをする。例えば絶縁
する小板の平らな面はpH測定電極、この電極に付設さ
れた標準電極、制御電極およびまたは水素イオン交換電
極およびまたは滴定電極およびこの電極に付設された対
電極を備えることができる。小板からなる担体部分は更
に、少なくとも一つの他の部分と共に、分析すべき液
体、特に微生物またはその他の細胞の培養物を含む培養
液体を収容するための、露出した、すなわち空の空間を
画成している。この空間は固体材料を含まず、特にすべ
ての側が周囲に対して密閉されている。その際、電極が
この空間に接しているので、電極は液体に接触可能であ
る。電極は並べて近づけて配置可能であり、比較的に小
さな寸法とすることができ、例えば包絡円または包絡正
方形内に配置可能である。この包絡円または正方形の直
径または辺の長さはせいぜい10mmまたはそれどころ
かせいぜい5mmである。これは非常に少量の液体およ
びまたは細胞培養物を非常に迅速に検査することができ
る。その際、例えばpH値が一定に保持されたときに、
微生物またはその他の細胞から物質代謝プロセス時に培
養液に放出される酸の量を電量的に測定することができ
る。この酸の量は例えば細胞の活力の程度と薬または環
境有害物質による影響の程度を示す。
【0027】酸化物層は薄く採寸することによって光を
通すようにおよび透明に並びに多少澄んでいて色がつい
ていないようにすることができる。担体または酸化物層
を持つこの担体の少なくとも一つの範囲は同様に、光を
通すようにおよび例えば透明に形成可能である。これに
より、酸化物層を通過する光によって、酸化物に接する
空間内で酸化物層に付着する生物学的に活性の分子およ
びまたは生きた細胞の光学的な測定およびまたは顕微鏡
的な検査を行うことができる。
【0028】電極または電極の一部を形成する本発明に
よる物体の酸化物層は更に、患者または動物の神経索に
直接およびまたは導電液体を介して導電的に接続可能で
ある。そして、この電極は、例えば同様に本発明による
物体を備えた他の電極と協働して、および電子的な測定
手段およびまたは制御手段と協働して使用可能である。
それによって、神経信号の測定量、例えば電圧およびま
たは電流およびまたは時間的な経過を測定することがで
き、およびまたはこのような信号を発生させることがで
きる。その際、酸化物と共に電極を使用すると、せいぜ
い小さなガルヴァーニ分極しか発生せず、従って電極と
神経索の間の接触電位差が小さいかほとんど発生しない
という利点がある。神経信号の測定およびまたは励起は
例えば診断およびまたは治療のために利用可能である。
【0029】単結晶の酸化物層は例えば高真空内で薄膜
技術方法によって作ることができ、同時に担体に取付け
可能である。その際、酸化物層は特に担体の金属支持材
によって形成された表面に取付けられる。イリジウム酸
化物層を製作するために、例えばサファイア小板からな
る電気絶縁性の担体部分上に、最初の蒸着プロセスでイ
リジウムの蒸着によって、純粋なイリジウムからなる金
属の支持材を形成することができる。直接続く第2の蒸
着プロセスで、この金属の支持材上に他のイリジウムを
蒸着し、同時に担体部分を含む空間内に酸素を入れる。
この担体部分は少なくとも第2の蒸着プロセスの間、ほ
ぼ600〜800°Cに加熱される。第2の蒸着の際
に、金属支持材上には単結晶のイリジウム酸化物層が形
成される。同様に、単結晶の金属酸化物層が他の前記金
属の一つによって形成可能である。
【0030】電気絶縁性の担体部分が金属酸化物層を備
えた少なくとも一つの電極に加えて、塩化銀からなる標
準電極およびまたはプラチナからなる対電極を持ってい
ると、銀またはプラチナを担体部分に蒸着可能であり、
銀は後から塩素を含む液体によって塩化銀に変換可能で
ある。同様に、異なる電極に導電的に接続された条導体
が担体部分に蒸着可能である。これは多数の電極を形成
およびまたは具備する物体の低コストの製作を可能にす
る。
【0031】しかし、金属酸化物を蒸着によってではな
く他の方法で製作した担体の金属支持材上に取付け可能
である。更に、酸化物層は酸化物単結晶の育成およびそ
れに続く切断およびまたは研磨によって作ることができ
る。その際形成された板は担体に固定可能である。本発
明による物体の有利な実施形の場合には、酸化物層の厚
さは少なくとも50nm、せいぜい1mmである。酸化
物層が薄膜技術で作られると、その厚さは例えば100
nm以下にすることができる。pH値の測定または緩衝
能の測定のための物体の場合には、酸化物層を例えば1
00〜300nmの厚さに形成すると有利である。この
ような比較的に薄い厚さは、迅速な測定を可能にする。
物体がpH値を変更する働きをする場合には、酸化物層
を厚く形成すると有利である。それによって、酸化物層
は充分な量の水素イオンを放出およびまたは受け取るこ
とができるからである。その際、酸化物層は例えば少な
くとも300nmから、もしかすると約600nm以上
の厚さを有する。光学的な測定のためには、酸化物層を
せいぜい約300nmの厚さにし、それによってできる
だけ光を吸収しないようにすると有利である。
【0032】
【実施例】図に示した実施例に基づいて本発明の対象物
を説明する。図1〜3、図6および図7〜9は略図であ
り、縮尺通りの寸法を有していない。図1と図2に示す
物体1は担体、すなわちキャリア3を備えている。この
担体は小板4を備えている。小板は電気的に絶縁する担
体部分を形成し、酸化アルミニウムの板状の結晶片、す
なわち透明で好ましくは少なくともほぼ無色の人工のサ
ファイア片からなっている。小板4の一方の平らな面上
には、同様に担体3に所属するイリジウム層からなる金
属の支持材5が設けられている。この支持材の輪郭寸法
は、図2の平面図で、例えば小板4の輪郭寸法よりも幾
分小さくなっている。これにより、小板は平面図で見て
すべての側から支持材5を取り囲む縁領域を備えてい
る。支持材5は例えばやや縦長のほぼ長方形の輪郭形状
を有し、その小板4側の表面5aには、それに固定連結
および永久的に連結された、酸化イリジウムからなる単
結晶の酸化物層6を備えている。支持材5と反対側の表
面を形成する酸化物層6の部分は、冒頭で述べたよう
に、IrO2からなっている。これに対して、支持材5に隣
接する酸化物層6の部分は冒頭で述べたように、必要と
あらば弱く酸化することができ、Ir2O3 で作ることがで
きる。酸化物層6は図2において四角形の輪郭を有して
いるが、円形でもよいし、他の形でもよい。酸化物層6
の四角形の縁はその一部が支持材5の縁と面一になって
いる。しかし、酸化物層6は支持材5の一部だけしか覆
っていない。酸化物層6で覆われていない支持材5の部
分には、導電体7が例えばろう付けによって固定されて
いる。電気的な絶縁を行う、例えば他の元素を組み込ま
ない(ドーピングされていない)、蒸着された純粋な珪
素からなる被覆材8は、図2の平面図で見て酸化物層6
を取り囲み、酸化物層の縁範囲をその全周に沿って、物
体1に接する空間に対して液密的に覆う。被覆材8は更
に、少なくも酸化物層の縁と面一になっている支持材5
の縁部分を、物体1に接する空間に対して液密的に覆
う。被覆材8は窓を画成しており、この窓内では酸化物
層6が露出した表面範囲6aを有する。この表面範囲は
物体1を取り囲む空間に直接接している。酸化物層6を
覆っていない、導体7に接続された支持材5の部分は、
被覆材8によって覆われていない範囲内で、例えば接着
剤およびまたは合成樹脂からなる電気的な絶縁物9によ
って覆われている。
【0033】図3に示した、全体を11で示した測定装
置は、二つの測定要素、すなわち電極12,13を備え
ている。両電極12,13は電解液、すなわち溶けた少
なくとも一つの電解質を含む液体15内に挿入されてい
る。この電解液は例えば任意の種類の容器16内に存在
する血液または血漿からなっている。測定電極およびま
たは加工電極としての働きをする電極12は少なくとも
一部が物体1からなり、例えばこの物体を保持するホル
ダーを備えている。その際、電極12は、酸化物層6が
液体15に接触するように配置されている。電極13は
標準電極としての働きをし、例えば甘汞または塩化銀か
らなる、液体15に接触する部分を備えている。
【0034】両電極12,13は導電体によって電子式
測定装置17に接続されている。この測定装置はケーシ
ングを備えた測定機器からなっている。このケーシング
内には、電源と電気的および電子的な回路手段が設けら
れている。測定機器は更に、少なくとも一つの手動操作
可能な操作要素18、例えば複数個の操作要素、表示装
置19および必要とあらば記録装置を備えている。測定
装置11は、液体15のpH値および例えば液体の緩衝
能を測定するよう形成されている。この場合例えば操作
要素18の一つによって、pH値または緩衝能を測定す
るために役立つ運転方法を選択的に調節することができ
る。
【0035】電流が両電極12,13を通って、および
特に電極12に所属する物体1の酸化物層5を通って、
並びに液体を通って流れるときに、酸化イリジウムは酸
化還元反応によって水素イオン(陽子)を受け取るかま
たは放出する。このプロセスは次式によって簡単に表す
ことができる。
【0036】
【化1】 例えば冒頭で挙げた米国特許第3726777号明細書
によって知られているように、電極電位を測定すること
によってpH値を検出することができる。電極12,1
3による電位差測定が行われた。この電極は液体15に
接触する酸化イリジウムまたは甘汞あるいは塩化銀から
なる表面を有する。測定結果は図4のダイヤグラムに示
してある。このダイヤグラムには横軸にpH値が記入さ
れ、縦軸に両電極の間の電位Uが記入されている。pH
値と電位Uの関係は、pH値の少なくともほぼ4〜9の
範囲において線形であり、直線21によって表されてい
る。この場合、pH値は電位が小さくなるにつれて大き
くなる。測定機器17は、測定量として電位Uを測定
し、pH値を直接表示するよう形成されている。測定値
が短期間でも長期間でも正確に再現可能であることが測
定によって判った。
【0037】物体1を備えた電極12は、電量測定、あ
る意味では電解分析的な滴定を行うためおよびその際の
液体の緩衝能を測定するために、液体15のpH値を制
御およびまたは変更するのにも役立つ。電極13は例え
ばpH測定の場合のように、甘汞部分あるいは塩化銀部
分またはこのような部分の代わりに、液体15に接触し
ているプラチナからなる部分を備えることができる。
【0038】電量測定およびまたは電解分析的な滴定を
行うために、冒頭で挙げたオルスイス(Olthuis)の刊行
物等から知られているように、酸化物層6は例えば測定
または滴定の前に、陰極の電流によって減らされ、水素
イオンが飽和される。測定中、両電極12,13と液体
15を通って一定の電流が流れる。この場合、電極12
は陽極として働き、予め水素イオンを備えたその酸化イ
リジウムが水素イオンを液体15に放出する。
【0039】図5のダイヤグラムでは、横軸に時間tが
記入され、縦軸にUT で示した両電極間の電位が記入さ
れている。ダイヤグラムには更に、曲線23が概略的に
記入されている。この曲線は、電解分析式あるいは正確
に言うと電量式の測定およびまたは滴定の場合、時間t
と電位UT の間の関係を示す。測定時に酸化イリジウム
が水素イオンを放出するときに、pH値は時間tの経過
と共に減少し、このpH値の程度を示す電位UT が増大
する。曲線23は湾曲した移行部によって互いに接続さ
れたほぼ真っ直ぐな曲線部分23a,23b,23cを
有する。中央の最も急傾斜の曲線部分23bは、比較的
に塩基性の状態から比較的に酸性の状態への移行に相当
する。液体15の緩衝能は、観察したpH値の範囲で曲
線の傾斜が緩やかであればある程大きい。測定装置17
の電子的な回路手段は例えば次のように形成されてい
る。すなわち、緩衝能を検出するための運転方法におい
て、図5に示した種類の測定または滴定を行うように、
かつpH値の程度を示す電位UT と緩衝能の程度を示す
微分商dUT /dtを検出するよう形成されている。電
子測定装置17は更に、所定のpH値のための微分商か
らあるいは連続的に緩衝能をほとんど連続的に計算し、
その値を表示装置に表示することができる。
【0040】図6に示した装置は全体が測定要素31と
呼ばれ、物体1を備えている。この物体は光学的なセン
サとしておよび電極としての働きをする。図6に示した
物体1は図1に示した物体1と類似するよう形成されて
いる。この場合、両物体の一致部分には同じ参照符号が
付けてある。図1に示した物体1の支持材5はイリジウ
ムによって形成されているが、図6に示した物体1の場
合には導電性の金属製支持材5は例えば光を良好に通す
イリジウムまたは錫製の薄い層からなっている。測定要
素31に所属する物体1の金属製支持材5と酸化物層6
は、サファイアのディスクからなる小板4と同様に、光
を通し、少なくともほぼ透明で透き通って見えるように
薄く形成されている。測定要素31の物体1は概略的に
示したホルダー33に固定され、光線放射器39と受光
器40を備えている、およびまたは光線放射器と受光器
に接続されている。光線放射器39は小板4、支持材5
および酸化物層6を通って光を放射するよう形成されて
いる。その際、放射装置は好ましくは、酸化物層6の露
出した表面領域6aに対して、90°と異なる角度をな
している。受光器40は例えば、光線放射器39から酸
化物層6に放射され、その表面で反射した光を受光し、
電圧に変換するよう形成されている。光線放射器と受光
器は例えば発光ダイオードまたはフォトダイオードと必
要とあらば光導体を備えている。この発光ダイオードお
よびフォトダイオードには導電体41または42が接続
されている。
【0041】測定要素31を使用するために、測定要素
31に所属する物体1の酸化物層6の露出した表面範囲
6aに、生物学的に作用する分子46が塗布されてい
る。その際、分離46は吸着力によって酸化物層に結合
され、およびまたは化学結合によって酸化物層に固定さ
れている。従って、分離は酸化物層6に多少固着され、
液体を通す分子層47をこの酸化物層上に形成する。分
離46は少なくとも一つの蛋白質およびまたはペプチド
からなり、すなわち酵素、例えばグルコース−酸化酵素
を形成する。測定要素31は溶解したグルコースを含む
液体の測定を行うための測定装置の一部としての働きを
する。測定要素31は例えば図3に示す2個の電極1
2,13に加えて、容器16内あるいはこの容器に対応
する容器内に配置可能である。測定要素31の両電極1
2,13と導体7,41,42はグルコースを調べるた
めの測定機器に接続可能である。
【0042】例えば溶解した検査すべきグルコースを含
む液体が容器内で測定要素31に接触すると、溶解した
グルコースは分子46に達し、この分子によって一時的
に結合される。測定を実施する際には、光が光線放射器
39から小板4、支持材5および酸化物層6を通って分
子層47へ放射される。この光は表面範囲6aでは酸化
物層6の屈折率、この酸化物層に接する媒体の屈折率、
放射方向および光の波長に依存して完全に反射するかま
たは一部が反射し、一部が屈折する。分子層47の屈折
率はそれに接する液体の屈折率と異なっており、更に分
子層に一時的に結合されたグルコースによって変更可能
である。従って、放射方向および光の波長を適切に定め
ることにより、分子層47に結合されたグルコースが反
射した光と屈折した光の比を変えることができる。それ
により、光学的または電子光学的測定によって、分子層
47への溶解したグルコースの堆積を検査することがで
きる。
【0043】グルコース酸化酵素からなる分子46は、
それに達したグルコースをグルコン酸に酸化する。それ
により、グルコースを含む液体のpH値は小さくなる。
両電極12,13と測定要素32に連結された測定機器
は両電極12,13によってpH値を測定する。更に、
測定機器は電極13と測定要素31によって形成された
電極との間で液体を通って流れる電流を発生し、この電
流の方向と強さを次のように制御する。すなわち、測定
要素31が水素イオンを受け入れおよびまたは場合によ
っては放出することによってpH値を所定の目標値に調
節するよう制御する。更に、測定機器は、測定の間pH
値の一定保持のために必要な荷電量を測定するよう形成
されている。この荷電量は液体内に元から存在しグルコ
ン酸に酸化されるグルコースの量の程度を表す。
【0044】測定要素31の種類の測定要素はグルコー
スを含む液体の検査のためだけでなく、他の多数の検査
のためにも使用可能である。この検査の場合、酸化物層
に保持された少なくとも一つの蛋白質およびまたはペプ
チドの生物学的に活性である分子が、液体に溶けたおよ
びまたは分散した検査すべき物質に作用する。例えば、
抗体分子または抗原分子を酸化物層に塗布し、免疫検査
を行うことができる。
【0045】電量測定用の測定装置は図7に示した、セ
ンサ50を形成する機器を備えている。このセンサは担
体53を有する本体51を備えている。この担体は電気
的な絶縁を行う、サファイア板からなる四角形の小板5
4によって形成されている。小板54は図7において上
側のその平らな面に、図8に示す4個の電極、すなわち
pH測定電極56、制御−およびまたは水素イオン交換
−およびまたは滴定電極57、標準電極58および対電
極59を備えている。各電極は小板上に設けられた条導
体56aまたは57aまたは58aまたは59aに導電
的に接続されている。測定電極56は図8の平面図で見
て完全な円の形の部分を有する。制御−およびまたは水
素イオン交換−およびまたは滴定電極57は測定電極5
6をほぼ取り囲んでいる。すなわち、条導体56aの通
過を可能にする隙間を除いて取り囲んでいる。従って、
制御−およびまたは水素イオン交換−およびまたは滴定
電極はほぼC字状であり、上記隙間を有する円環を形成
し、測定電極56よりもはるかに大きな表面を有する。
両電極58,59はそれぞれ、電極57と比較して狭
い、ほぼ半円形の弧を形成し、電極57の外側縁部の部
分に沿って延びている。4本の条導体は小板54の四角
形の片を形成する小板の縁部の部分まで延びている。
【0046】測定電極56と、図9に一部を示した制御
−およびまたは水素イオン交換−およびまたは滴定電極
57は、小板54上に直接設けられた、純粋なイリジウ
ムの蒸着層からなる金属の支持材65と、この支持材に
載っている、酸化イリジウムからなる単結晶の酸化物層
66とを備えている。条導体56a,57aは電極56
または57の支持材に接続しているイリジウム層からな
っている。標準電極58は塩化銀からなり、それに接続
された条導体58aは銀からなっている。対電極59と
それに接続された条導体59aはプラチナからなってい
る。電極は冒頭で述べたように、蒸着および付加的な手
段によって作ることができる。条導体は同様に蒸着によ
って形成可能である。
【0047】異なる電極および条導体の間には、これら
を分離する隙間が設けられている。電極56,57を形
成する支持材65と酸化物層66の縁部は更に、図9に
おいて電極57の外側縁部のところに示す、電気的に絶
縁する被覆材68によって、液密に覆われている。この
被覆材は例えば蒸着された、ドーピングされていない純
粋な珪素または二酸化珪素からなっている。
【0048】電極を備えた担体53の側には、小板71
が設けられている。この小板は電極56,57,58,
59のグループに対して同心的な貫通する穴71aを備
えている。この穴の直径は電極のグループの包絡円の直
径とほぼ同じである。更に、同様に小板からなる蓋部材
73が設けられている。この蓋部材は小板54と反対の
小板71の側に載り、この小板の穴71aに挿入された
突起73aを備えている。小板54,71と蓋部材73
は共に、穴71aの露出した部分によって形成されかつ
周囲に対して密閉された、分析すべき液体を収容するた
めの中空室75を画成している。蓋部材73は二つの通
路を備えている。この通路は突起73aの縁部と穴71
aの縁部の間で中空室75に開口し、検査すべき液体の
ための入口73bと出口73cを形成している。
【0049】小板71は電気的な絶縁を行い、例えば合
成樹脂からなっている。しかし、無機質のガラスによっ
て形成してもよい。蓋部材73は例えば合成樹脂からな
っている。小板54と蓋部材73は固定手段、例えば締
付け装置によって取り外し可能に互いに保持されてい
る。小板71は小板54または蓋部材73に取り外し不
能に連結されているかあるいは小板54によっておよび
蓋部材71によって、この蓋部材と小板54の間で取り
外し可能に挟持可能である。更に、小板71は場合によ
っては図7と図9に示すごとく、電極58,59の外側
縁部範囲に載っていてもよい。しかし、この電極は完全
には被覆されないので、すべての電極56,57,5
8,59が中空室75に隣接する。上から見て中空室7
5内にある、イリジウムからなる条導体56aの部分
は、例えば蒸着された珪素からなる絶縁物によって中空
室75に対して被覆されている。しかし、電極56が他
の電極の中心にある円形の部分に加えて、この部分に保
持された、少なくとも中空室75の縁部まで延びる真っ
直ぐな部分を備えていてもよい。この真っ直ぐな部分は
酸化イリジウム層を備え、絶縁物によって被覆されてい
ない。蒸着された電極の厚さは図7と図9において誇張
して示してある。センサを組み立てたときに中空室75
が周囲に対して密閉されるようにするために、場合によ
っては、電気的に絶縁し弾性的に変形可能なシールおよ
び絶縁材料からなる層を、電極58,59を取り囲みか
つ小板71によって覆われた小板54の範囲におよび条
導体の間に並びに条導体に取付け可能である。
【0050】センサ50を有する測定装置は電子的な測
定機器77、すなわち図8においてブロック線図で示し
た測定機器を備えている。条導体56a,57a,58
a,59aは例えばプラグソケットを介して電子的な回
路手段を備えた測定機器77に導電的に接続されてい
る。この測定機器は測定増幅器78を備えている。この
増幅器の入力部はpH測定電極56および標準電極58
に接続されている。測定機器77は更に、電気的に調節
可能な電源79を備えている。この電源の出力部は制御
−およびまたは水素イオン交換−およびまたは滴定電極
57と、対電極59に接続されている。測定機器77に
は更に、測定−および調節回路80が所属している。こ
の測定−および調節回路は例えばデジタルで作動するプ
ロセッサを備えている。更に、表示−およびまたは調節
回路80が測定増幅器78の出力部、電源79の調節接
続部および表示−およびまたは記録装置81に接続され
ている。
【0051】センサ50と電子的な測定機器77を有す
る測定装置は例えば、物質代謝プロセス時に細胞培養の
生きた細胞によって排出される酸の量を測定するために
使用される。測定を行うために、培養液とこの培養液内
に浮遊する細胞とからなる検査すべき懸濁液の試料が、
入口73bから中空室75に入れられる。それによっ
て、懸濁液は中空室75を例えば完全に満たす。その
後、センサ内で或る時間にわたって細胞から放出される
酸の量を測定することができる。その際、測定−および
調節回路80は培養液のpH値の程度を示す、pH測定
電極56と標準電極58の電位差を測定する。更に、電
源79は制御−およびまたは水素イオン交換−およびま
たは滴定電極57と対電極59との間で培養液を通って
流れる直流を発生する。この直流は同じ形でもよいし、
連続するパルスからなり、制御−およびまたは水素イオ
ン交換−およびまたは滴定電極57が培養液から水素イ
オンを受け取るようになっていてもよい。電極57の水
素イオン受取りが細胞から放出される酸の水素イオンの
量を補償し、培養液の瞬間的なpH値が手動操作可能な
調節要素によって調節された、細胞の発育にとって所望
である所定の目標値に等しくなるように、測定−および
調節回路80は電源79を調節する。更に、測定−およ
び調節回路80は例えば手動調節可能な所定の測定時間
の間制御−およびまたは水素イオン交換−およびまたは
滴定電極57と対電極との間で培養液を通って流れる電
流を積算し、そして測定時間の間培養液のpH値を一定
保持するためにこの培養液を通って流れる電気的な荷電
量を検出する。この荷電量は細胞から放出される酸の量
の程度を表す。表示−およびまたは記録装置81は例え
ば荷電量またはこの荷電量に比例する量と場合によって
はpH値を表示およびまたは記録する。
【0052】測定を実施した後で、出口73aを経て中
空室75を空にし、中空室75を洗浄することができ、
およびまたは必要な場合には中空室75を画成する部材
を洗浄するために小板54からカバー部材73を一時的
に分離し、その後再び新しい試料を中空室75に入れる
ことができる。培養液が中空室に入れられる前に、例え
ば薬または環境毒からなる物質を、培養液に添加するこ
とができる。細胞に対するこの物質の作用が検査され
る。更に、必要とあらば測定のために、酸素または他の
ガスを培養液に溶かすことができる。更に、センサ50
または測定時にこのセンサ内に存在する少なくとも懸濁
液を、細胞の発育のための望ましい温度に加熱または冷
却することができる。すなわち、センサ50はある意味
では小型のバイオリアクターを形成し得る。このバイオ
リアクターでは細胞が栽培され、その物質代謝が検査さ
れる。
【0053】図10に示す装置90は、多重センサを形
成し、担体93を有する本体91を備えている。この担
体は主構成部分として、サファイア板からなる小板94
を備えている。この小板上には、複数個、すなわち例え
ば4個の電極グループ95と、条導体グループ95aが
取付けられている。各電極グループ95は電極56,5
7,58,59と同様に設けられた4個の電極を備えて
いる。各条導体グループ95aは4本の条導体を備えて
いる。この条導体はそれぞれ電極に接続されている。図
10では例えばすべての条導体が、四角形の小板94の
一つの同じ辺のところで終わっている。小板94は蓋部
材73に一致する蓋部材97、および小板71に一致す
る、各電極グループ95のための見えない小板と共に、
検査すべき液体を収容するための中空室を画成する。更
に、蓋部材97は入口と出口を備えていてもよい。この
入口と出口は入口73bまたは出口73cと同様に所属
の中空室に開口している。装置90は測定機器と共に、
複数の試料を同時に検査することができる。
【0054】本発明による物体はいろいろな観点から変
更可能である。例えば、上記の異なる実施例の特徴を互
いに組み合わせることができる。更に、サファイアによ
って形成された小板4または54または94を、金属材
料またはセラミック材料からなる小板あるいは小板状で
ない部材によって置き換え可能である。更に、支持材5
は既述の金属、すなわちイリジウム、インジウムまたは
錫の一つで作る代わりに、他の金属材料または非金属材
料で作ることができる。支持材65はイリジウムで作る
代わりに同様に、他の金属で作ることができる。
【0055】図7に示したセンサの場合には、入口73
bと出口73cを省略し、分析すべき試料をピペット等
によって、蓋部材73を取り外すことによって一時的に
開放した中空室に入れることができる。これと同じこと
が、図10に示した、多重センサを形成する装置90に
も当てはまる。更に、4個以上、例えば6個または24
個の電極グループが同一の一体の電気絶縁性小板上に配
置されている多重センサを形成する装置を設けられてい
る。更に、蓋部材73,97およびまたは場合によって
は図7と図10に示した装置またはセンサの担体53,
93は透明に形成可能である。それによって、装置また
はセンサ内に存在する細胞を、顕微鏡によっておよびま
たは光学的な分析方法によって検査することができる。
【0056】生物学的に活性である分子を保持、すなわ
ち吸着およびまたは固定するために図6の酸化物層を備
えた物体が電極としての働きをし、光学的な測定が不可
能でもよいときには、支持材5は例えばイリジウムで不
透明に形成することができ、勿論光線放射器39や受光
器40を省略することができる。これに対して、分子の
吸着およびまたは固定のために役立つ酸化物層を備えた
物体が光学的な測定を可能にし、そして電極としての働
きをする必要がないときには、場合によっては支持材6
を電気絶縁材料で形成するかまたは省略することができ
る。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明による物体
は、測定要素およびまたは制御要素およびまたは水素イ
オン交換要素およびまたは励起要素としての働きをする
少なくとも一つの電極およびまたはセンサを形成するた
めに適していて、これらの種類の公知の物体の欠点がな
いという利点がある。その際特に、測定要素およびまた
は制御要素およびまたは励起要素として物体を使用する
ために、この物体の重要な特性が安定しており、それに
よって物体が良好に再現可能で正確な測定プロセス、制
御プロセスおよびまたは励起プロセスを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化物層を備えた、電極としての働きをする物
体の断面図である。
【図2】物体の平面図である。
【図3】2個の電極を備えた測定装置を示す図である。
【図4】pH値に対する電位の依存関係を示すダイヤグ
ラムである。
【図5】電量測定およびまたは電解分析滴定を示すため
のダイヤグラムである。
【図6】電解分析および光学測定のための物体の断面図
である。
【図7】電極のグループを備えた担体と、液体を収容す
るために役立つ空間を備えたセンサの断面図である。
【図8】電極を備えた、図7に示したセンサの担体の面
の平面図と、電子測定機器のブロック線図である。
【図9】図7においてIXで示した部分の拡大図であ
り、図7に示したセンサの付加的な部分を示す図、
【図10】電極の複数のグループを支持する担体を備え
た装置の平面図である。
【符号の説明】
3,53,93 担体 5,65 支持材 6,66 酸化物層 6a 表面範囲 8,68 被覆材 56,57,58,59 電極 75 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/333 G01N 27/416

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物質にさらされ、この物質の化学分析中
    に使用される物体において、担体と、この担体上に設け
    られた金属酸化物層とを備え、この金属酸化物層が、そ
    の厚さ方向に見て増大する複数の酸化段階と、最高の酸
    化段階である露出した表面範囲とを有し、金属酸化物層
    の金属が、化学的元素の周期表の第5番目または第6番
    目の周期と5A,6A,7A,8族に所属する金属とジ
    ルコニウムからなるグループから選択され、少なくと
    も、金属酸化物層の前記の露出した表面範囲を形成する
    金属酸化物層の部分が、単結晶であることを特徴とする
    物体。
  2. 【請求項2】 担体が金属の支持材を備え、この支持材
    上に金属酸化物層が配置されていることを特徴とする請
    求項1記載の物体。
  3. 【請求項3】 担体がアルミニウム酸化物からなる担体
    部分を備え、この担体部分上に、金属の支持材を形成す
    る金属層が配置されていることを特徴とする請求項2記
    載の物体。
  4. 【請求項4】 少なくとも1個の電極を形成するための
    物体において、担体と、この担体上に設けられた酸化物
    層とを備え、この酸化物層が、その厚さ方向に見て増大
    する複数の酸化段階と、最高の酸化段階である露出した
    表面範囲とを有し、酸化物層がIr,Pd,Ru,T
    a,Nbからなるグループに属する金属の金属酸化物か
    らなり、少なくとも、前記の露出した表面範囲を形成す
    る前記酸化物層部分が、単結晶であることを特徴とする
    物体。
  5. 【請求項5】 担体が金属の支持材を備え、この支持材
    上に金属酸化物層が配置されていることを特徴とする請
    求項4記載の物体。
  6. 【請求項6】 酸化物層が一つの金属の酸化物からな
    り、前記の金属の支持材がこの一つの金属からなってい
    ることを特徴とする請求項5記載の物体。
  7. 【請求項7】 担体がアルミニウム酸化物からなる担体
    部分を備え、この担体部分上に、前記の金属の支持材を
    形成する金属層が配置されていることを特徴とする請求
    項5記載の物体。
  8. 【請求項8】 前記担体部分がサファイア片からなって
    いることを特徴とする請求項7記載の物体。
  9. 【請求項9】 酸化物層と異なる材料からなる電気絶縁
    性の被覆材が設けられ、この被覆材が前記の金属の支持
    材と前記の酸化物層の縁部を被覆し、物体に接する空間
    から金属の支持材と酸化物層を分離していることを特徴
    とする請求項5記載の物体。
  10. 【請求項10】 前記被覆材が珪素または二酸化珪素か
    らなっていることを特徴とする請求項9記載の物体。
  11. 【請求項11】 前記酸化物層が前記の露出した表面範
    囲において光を通すことを特徴とする請求項4記載の物
    体。
  12. 【請求項12】 一つの同一の担体が、前記酸化物層を
    有する少なくとも1個の電極と、少なくとも1個の付加
    的な電極とを支持し、この付加的な電極の被覆されてい
    ない表面が、前記酸化物層と異なる材料によって形成さ
    れていることを特徴とする請求項4記載の物体。
  13. 【請求項13】 少なくとも1個の付加的な電極を形成
    するための、酸化物層と異なる前記材料が、塩化銀、甘
    汞またはプラチナからなっていることを特徴とする請求
    項12記載の物体。
  14. 【請求項14】 前記担体が電気を絶縁する担体部分を
    備え、この担体部分が、互いに離して設けられた、電極
    としての働きをする少なくとも2個の酸化物層を備えて
    いることを特徴とする請求項4記載の物体。
  15. 【請求項15】 液体のpH値の測定、液体のイオン濃
    度の測定、液体の緩衝能の測定、電気的な神経信号の検
    出、電気的な神経信号の誘導の少なくとも一つを行う、
    少なくとも一つの電極を形成するための物体であって、
    担体と、この担体上に設けられた少なくとも一つの酸化
    物層とを備え、この酸化物層が、その厚さ方向に見て増
    大する複数の酸化段階と、最高の酸化段階である露出し
    た表面範囲を有し、酸化物層がIr,Pd,Ru,T
    a,Nbからなるグループに属する金属の金属酸化物か
    らなり、少なくとも、前記の露出した表面範囲を形成す
    る前記酸化物層部分が、単結晶であることを特徴とする
    物体。
  16. 【請求項16】 担体と、この担体上に設けられた、蛋
    白質とペプチドの少なくとも一つの生物学的に活性の分
    子を保持するための酸化物層とを備え、この酸化物層
    が、その厚さ方向に見て増大する複数の酸化段階と、最
    高の酸化段階である露出した表面範囲を有し、酸化物層
    がIr,Pd,Ru,Ta,Nbからなるグループに属
    する金属の金属酸化物からなり、少なくとも、前記の露
    出した表面範囲を形成する前記酸化物層部分が、単結晶
    であることを特徴とする物体。
  17. 【請求項17】 物体を備えた、液体を電量的に検査す
    るための装置であって、物体が担体と、この担体上に設
    けられた酸化物層とを備え、この酸化物層が、その厚さ
    方向に見て増大する複数の酸化段階と、最高の酸化段階
    である露出した表面範囲を有し、酸化物層がIr,P
    d,Ru,Ta,Nbからなるグループに属する金属の
    金属酸化物からなり、少なくとも、前記の露出した表面
    範囲を形成する前記酸化物層部分が、単結晶であり、液
    体に接触可能な4個の電極が担体に設けられ、この電極
    の一つがpH測定電極としての働きをし、他の一つが水
    素イオンを液体と交換することによって液体のpH値を
    制御するための制御電極としての働きをし、他の一つが
    pH測定のための標準電極としての働きをし、他の一つ
    が制御電極に対する対電極としての働きをし、制御電極
    が単結晶の酸化物層からなり、4個の電極に電気的に接
    続された電子的な測定装置が設けられ、この測定装置が
    pH測定電極と標準電極の間の電位差に基づいて液体の
    pH値を検出し、制御電極と対電極の間で液体を通って
    流れる電流を発生し、かつ測定されたpH値が目標値に
    等しくなるようにこの電流を調節することを特徴とする
    装置。
  18. 【請求項18】 pH測定電極が同様に、酸化物の単結
    晶の酸化物層からなり、制御電極がpH測定電極をほぼ
    取り囲み、標準電極と対電極が制御電極の外側に設けら
    れていることを特徴とする請求項17記載の装置。
  19. 【請求項19】 担体がそれに連結された少なくとも一
    つの部材と共に、周囲に対して閉鎖され4個の電極に接
    する中空の空間を画成していることを特徴とする請求項
    17記載の装置。
  20. 【請求項20】 電子的な測定装置が、測定時間の間電
    流を生じる荷電量を検出するよう形成されていることを
    特徴とする請求項17記載の装置。
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