JP2752915B2 - 光ファイバケーブル用スペーサおよびこれに使用するためのポリエチレン樹脂 - Google Patents

光ファイバケーブル用スペーサおよびこれに使用するためのポリエチレン樹脂

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JP2752915B2
JP2752915B2 JP7064453A JP6445395A JP2752915B2 JP 2752915 B2 JP2752915 B2 JP 2752915B2 JP 7064453 A JP7064453 A JP 7064453A JP 6445395 A JP6445395 A JP 6445395A JP 2752915 B2 JP2752915 B2 JP 2752915B2
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polyethylene resin
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Showa Denko KK
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバケーブル用
スペーサおよびこれに使用するための特性を備えたポリ
エチレン樹脂に関するものである。さらに詳しくは本発
明は、メルトインデックス、密度および流動比が特定さ
れ、良好な物性、成形性および寸法制御性を有するポリ
エチレン樹脂、ならびにこれを使用して成形され、表面
の平均粗さが小さく、光ファイバの伝送損失特性を損な
うことの極めて少ない光ファイバケーブル用スペーサに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から一般的に用いられているらせん
溝付光ファイバケーブル用ポリエチレンスペーサ(以
下、単にスペーサという)の一例を図2に示す。図2に
おいて、スペーサ20は、その中心にケーブルの荷重を
支えるための中心抗張力体(テンションメンバ)21が
設けられ、この周囲に1条または複数条のらせん溝23
が設けられたポリエチレン樹脂22が、異形押出成形に
より成形されている。
【0003】従来、このスペーサの異形押出成形に用い
られる材料としては、メルトインデックス(以下、MI
という)が0.2g/10分以下のポリエチレン樹脂が用
いられてきた。これは、このような複雑な断面形状を有
する異形押出成形においては、MIの低い材料、すなわ
ち溶融時の粘度の高い材料の方が、寸法形状を制御する
上で有利であり、複雑な断面形状をより高い精度で実現
することができるからである。しかしながら、上記のよ
うな低いMIのポリエチレン樹脂を用いてスペーサを製
造する場合、比較的遅い線引速度(以下線速という)、
例えば線速が5m/分未満で製造している限り、非常に
良好な表面あらさのスペーサが得られるのであるが、線
速を上げていった場合には次のような問題点がある。
【0004】(i)ポリエチレン樹脂の溶融粘度が高い
ため、押出機の圧力が高くなり過ぎる。 (ii)低いMIのポリエチレン樹脂を高い線速で押し出
すことにより、メルトフラクチャ(melt fracture、高
い線速で材料を押出したときにダイス出口部で発生する
表面荒れ現象)が発生し、スペーサの表面状態が荒れ
る。とくに(ii)のスペーサの表面状態が荒れること
は、光ファイバ収納用として伝送特性上重大な問題とな
る。すなわち、スペーサの溝の内部においては、収納さ
れている光ファイバ心線とスペーサを形成するポリエチ
レン樹脂とが直接接していることから、スペーサの表面
状態が荒れていると、光ファイバにいわゆるマイクロベ
ンディングが発生し、とくに長波長側、例えば波長λ=
1.55μmでの伝送損失が増加するという問題がある。
【0005】低いMIのポリエチレンには上記のような
問題があることから、出願人の一人は先に、MIが0.
3g/10分以上のポリエチレンからなり、表面の平均
粗さが1.5μm以下であるようなスペーサーを提案し
た(特開平4-81706号公報)。ここに開示された
ような高いMIのポリエチレンを使用すれば、スペーサ
ー成形時の押出し線速を5m/分以上の高速に上げて
も、表面の平均粗さは良好に保たれ、光ファイバーケー
ブルとしての良好な伝送特性を確保することができ、そ
れなりの効果はある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに高いMIのポリエチレンは、成形速度からみた成形
性は良好であるが、基本的な物性とくに寸法安定性等の
物性においては低MIのポリエチレンよりも劣り、この
面ではなお改良の必要がある。
【0007】本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリエチ
レンの密度および流動比を特定の値に設定することによ
り、低いMIでありながら、成形時の線速を上げてもス
ペーサの表面荒れの少ない、すなわち成形性が良好であ
り、さらに寸法制御性も良好である光ファイバケーブル
用スペーサ用ポリエチレン樹脂、およびこれを用いて形
成された、表面の粗さが小さく保たれ、光ファイバの伝
送特性を損なうことのない光ファイバケーブル用スペー
サを提供できるという驚くべき効果を見いだし、本発明
を完成することができた。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、光フ
ァイバを収納するらせん溝が外周に設けられる光ファイ
バケーブル用スペーサに使用するためのポリエチレン樹
脂において、該ポリエチレン樹脂は、メルトインデック
スが0.01g/10分以上0.30g/10分未満であ
り、密度が0.941〜0.955g/cm3であり、且つ流
動比が20〜55であることを特徴とする、光ファイバ
ケーブル用スペーサに使用するためのポリエチレン樹脂
を提供するものである。〔ここに流動比とは、JIS
K7210に準拠し、シリンダー温度190℃で荷重2
1.6kgで測定した値(HLMI)と、荷重5.0kgで測
定した値(MLMI)の比(HLMI/MLMI)で定
義される〕。
【0009】また本発明は、メルトインデックスが0.
01〜0.1g/10分、密度が0.944〜0.952
g/cm3、流動比が30〜55である、前記のポリエ
チレン樹脂を提供するものである。
【0010】さらに本発明は、メルトインデックスが
0.03〜0.09g/10分、密度が0.944〜0.9
50g/cm3、流動比が35〜53である、前記のポ
リエチレン樹脂を提供するものである。
【0011】さらにまた本発明は、ポリエチレン樹脂1
00重量部に対して、酸化防止剤0.1〜1.0重量部お
よび滑剤0.1〜1.0重量部配合した、上記のポリエチ
レン樹脂を提供するものである。
【0012】また本発明は、上記のポリエチレン樹脂を
用いて異形押出成形され、且つJIS B0601によ
る平均表面粗さが、1.5μm以下であることを特徴とす
る、らせん溝付光ファイバケーブル用スペーサを提供す
るものである。
【0013】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明においては、光ファイバーケーブル用スペーサーを
製造する樹脂としてはポリエチレンを使用する。とくに
本発明においては、上記のようにポリエチレン樹脂のM
I、密度および流動比を特定の値に設定したものであ
る。
【0014】本発明の光ファイバケーブル用スペーサに
使用するためのポリエチレン樹脂は、MIが0.01g/
10分以上0.3g/10分未満、好ましくは0.01g/
10分〜0.1g/10分、さらに好ましくは0.03g/
10分〜0.09g/10分の範囲である。このように低
いMIにすることにより、寸法制御性が達成される。M
Iが0.01g/10分より低いと、スペーサを異形押出
成形した場合、平均表面粗さが大きくなるため製造速度
(線速)が上げられなくなり、また0.3g/10分より
大きくなると良好な寸法制御性が得られない。ここで、
本明細書においてMIとは、JIS K7210に準拠
し、シリンダー温度190℃、荷重2.16kgで測定し
た値である。
【0015】次に、本発明の光ファイバケーブル用スペ
ーサに使用するポリエチレン樹脂の密度は、0.941g
/cm3以上0.955g/cm3未満、好ましくは0.944
〜0.952g/cm3、さらに好ましくは0.944〜0.
950g/cm3の範囲である。密度が0.941g/cm3
り低い場合には、剛性が不充分となり、密度が0.95
5g/cm3を超えると表面平滑性が悪化する。なお、本明
細書において密度とは、JIS K6760に準拠して
測定した値である。
【0016】さらに、本発明においては、光ファイバケ
ーブル用スペーサ用ポリエチレン樹脂の流動比(HLM
I/MLMI)が特定の値に設定される。ここで流動比
とは、JIS K7210に準拠し、シリンダー温度1
90℃で荷重21.6kgで測定した値(HLMI)と、
荷重5.0kgで測定した値(MLMI)の比(HLMI
/MLMI)を意味する。本発明で設定する流動比(H
LMI/MLMI)は、20〜55であり、好ましくは
30〜55、さらに好ましくは35〜53、とくに35
〜45の範囲である。この流動比の設定により、低いM
Iであっても、高い押出機圧力も必要とせず、さらに従
来の課題であったメルトフラクチャの発生も防止され、
平均表面粗さの小さい良好なスペーサーを成形すること
ができる。流動比が20より低いと、高い線速で押し出
した場合にメルトフラクチャが発生し、表面平滑性が悪
化する。逆に55より高いと、押出成形時に低分子量成
分がガス状となり発煙が多くなる。また、高分子量成分
が多くなるために、メルトフラクチャが発生し、表面平
滑性が悪化する。
【0017】また、本発明の光ファイバケーブル用スペ
ーサ用ポリエチレン樹脂に、各種添加剤を適用すること
ができ、このようにすると各種物性がさらに良好となり
好ましい。各種添加剤の例を以下に説明する。酸化防止
剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止
剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。さらに具体的に
は、フェノール系酸化防止剤として、2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール、オクタデシル−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピ
オネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−2−メチル)フェニルブタン、2,2'−メ
チレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4'−チオビス(6−t−ブチル−3−メチル
フェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3
−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌ
ル酸等が挙げられる。また硫黄系酸化防止剤として、ジ
ラウリル−チオジプロピオネート、ジステアリル−チオ
ジプロピオネート、ジミリスチル−チオジプロピオネー
ト、テトラキス(メチレン−3−ドデシル−チオプロピ
オネート)メタン等が挙げられる。さらにリン系酸化防
止剤として、ジ(ジノニルフェニル)−モノ−(p−ノ
ニルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリ
スリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレン−ジ
−ホスホナイト等が挙げられる。
【0018】好ましくは、フェノール系と硫黄系または
リン系酸化防止剤との併用である。とくに、フェノール
系と硫黄系との併用が望ましい。これらの酸化防止剤の
添加量は、使用されるポリエチレン樹脂100重量部に
対して0.01〜1.0重量部、好ましくは0.1〜0.7
重量部、さらに好ましくは0.25〜0.5重量部であ
る。添加量が0.01重量部より少ないと、加工時に樹
脂劣化を起こす場合がある。また1.0重量部を超える
と目ヤニが発生し好ましくない。
【0019】また滑剤としては、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛が好
適に例示される。中でも望ましくはステアリン酸カルシ
ウムである。その添加量はポリエチレン樹脂100重量
部に対して、0.1〜1.0重量部、望ましくは0.2〜
0.7重量部、さらに望ましくは0.3〜0.6重量部で
ある。添加量が0.1重量部より少ないと、メルトフラ
クチャの発生の危険性がある。また1.0を超えると目
ヤニが発生し好ましくない。
【0020】ポリエチレン樹脂に前記各種添加剤を配合
するには、公知の種々の方法、例えば各成分をリボンブ
レンダー、ヘンシェルミキサーで混合後、押出機で造粒
する方法、あるいは直接バンバリーミキサー、ニーダ
ー、2本ロール等で溶融混合後、押出機で造粒する方法
等が挙げられる。また、成形に際し、必要に応じて他の
ブロッキング防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、発錆
防止剤、防かび剤、充填剤、顔料、染料等を配合しても
よい。
【0021】上記のような本発明の光ファイバケーブル
用スペーサ用ポリエチレン樹脂の優れた各種特性によ
り、これから形成されたスペーサは、平均表面粗さが
1.5μm以下となる。光ファイバケーブル用スペーサ
用ポリエチレン樹脂を用いて、このようなスペーサを形
成するための異形押出成形は、公知の方法を使用するこ
とができ、とくに制限されない。
【0022】なお、スペーサの平均表面粗さRa(roug
hness Average)は、例えばJISB0601や特開平
4-81706号公報にも記載されているような、以下
の公知の手法により定義される。すなわち、 χ:サンプル(この場合はスペーサ)の長さ方向距離、 f(χ):サンプルの表面の凹凸の状態を記述する関
数、 L:表面粗さを測定するときの被測定長、 r1:被測定長の区間内でf(χ)の平均を取った値とす
ると、r1は:
【0023】
【数1】
【0024】で示される。従ってスペーサの平均表面粗
さRaは次式で示される。
【0025】
【数2】
【0026】平均表面粗さRaは、「中心線平均粗さ」
ともいい、その物理的な意味は中心線、すなわちr
らの平均距離である。
【0027】なお、光ファイバケーブルの収納溝内の平
均表面粗さは、収納する光ファイバのマイクロベンディ
ングによる伝送特性の程度、光ファイバの保護被覆の構
成、許容される伝送特性などにより、必要とされる平滑
度が異なるが、一般にRa=1.5μm以下が好ましい。
【0028】
【作用】従来の低いMIを有するポリエチレン材料の押
出線速を上げて行くと、メルトフラクチャが発生し、押
出成形されたスペーサの平均表面粗さRaは増大してい
く。すなわち押出成形されたスペーサの表面が荒れてい
く。本発明は、スペーサ表面の荒れに起因する光ファイ
バ心線の伝送損失増加を抑えるため、とくに線速5m/
分以上で製造されるスペーサについて、ポリエチレン樹
脂のMIを0.01g/10分以上0.30g/10分未
満、密度を0.941〜0.955g/cm、且つ流動
比(HLMI/MLMI)を20〜55に設定すること
により、低いMIでありながらスペーサの平均表面粗さ
Raを1.5μm以下とすることができ、高い生産性と
光ファイバの伝送特性の安定化をはかることができた。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例 1 図1aは、本発明の光ファイバケーブル用スペーサ用ポ
リエチレン樹脂の性能を評価するために製造した光ファ
イバケーブルの断面図である。φ2.6mmの鋼線から
なる中心抗張力体1の周面に、MI=0.05g/10
分、密度=0.948g/cm、流動比(HLMI/
MLMI)=40のポリエチレン樹脂2を異形押出成形
し、幅1.5mm、深さ2.3mmでピッチ500mmの
5条のらせん溝が設けられた、外形φ8.5mmのスペ
ーサ10を成形した。なお、押出線速は15m/分、ス
ペーサの長さは、1000mとした。続いて、この溝部
に4心光ファイバテープ心線3を残留伸び歪み約0.0
4%で集合させ、100心光ファイバケーブルを製造し
た。
【0030】図1bに、収納した4心光ファイバテープ
心線3の断面構造を示す。4心光ファイバテープ心線3
は、φ250μm径の紫外線硬化型樹脂被覆のモードフ
ィルド径9.4〜9.7μm、遮断波長1.18〜1.22
μmのシングルモード光ファイバ5を4心テープ状に紫
外線硬化型樹脂4で被覆した構造で、幅W約1.1m
m、厚さD約0.4mmである。
【0031】得られた光ファイバケーブルのスペーサの
溝底部の平均表面粗さRaを、JIS B0601に従
って測定した。また、ケーブル化後のスペーサの5条の
らせん溝の溝底部にそれぞれ収納された、5枚の4心光
ファイバテープ心線からなる合計20心の光ファイバ心
線のλ=1.55μmにおける伝送損失増Δαを測定し
た。さらに、ランダムな場所でサンプリングしたスペー
サ10の断面10サンプルの溝深さd、溝幅wを測定
し、そのバラツキ(標準偏差)σn-1を算出した。これ
らの結果をまとめて表1に示す。
【0032】実施例 2 MI=0.05g/10分、密度=0.948g/cm3、流
動比(HLMI/MLMI)=53のポリエチレン樹脂
を使用したこと以外は、実施例1と同様に光ファイバケ
ーブルを製造し、各種測定を行った。その結果を表1に
示す。
【0033】比較例 1 MI=0.05g/10分、密度=0.949g/cm3、流
動比(HLMI/MLMI)=57の従来から用いられ
ているポリエチレン樹脂を使用したこと以外は、実施例
と同様に光ファイバケーブルを製造し、各種測定を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0034】比較例 2 MI=0.80g/10分、密度=0.954g/cm3、流
動比(HLMI/MLMI)=23の特開平4−817
06号公報で提案された特性を有する高いMIのポリエ
チレン樹脂を使用したこと以外は、実施例と同様に光フ
ァイバケーブルを製造し、各種測定を行った。その結果
を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】本発明の実施例1および2においては、平
均表面粗さRaを充分小さく押えることができ、λ=
1.55μmでの伝送損失増Δαをほぼ0とすることが可
能であり、さらに寸法の制御性を表す溝寸法バラツキ
は、溝深さ、溝幅とも充分小さく良好であることが判明
した。しかし、比較例1では、溝寸法バラツキについて
は有意な差が認められなかったが、Raが大きいために
λ=1.55μmで伝送損失の増加が発生し、特性良好な
光ファイバケーブルが得られなかった。さらに比較例2
では、RaおよびΔαについては、有意な差は認められ
なかったものの、溝寸法バラツキは実施例1および2の
2倍以上であり、寸法制御性において劣ることが確認さ
れた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、良好な物性を有し、線
速を上げてもスペーサの表面荒れの少ない、すなわち成
形性が良好であり、さらに寸法制御性も良好である光フ
ァイバケーブル用スペーサに使用するためのポリエチレ
ン樹脂、およびこれを用いて形成された、表面の粗さが
小さく保たれ、光ファイバの伝送特性を損なうことのな
い光ファイバケーブル用スペーサが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1aは、本発明の光ファイバケーブル用スペ
ーサに使用するためのポリエチレン樹脂の性能を評価す
るために製造した光ファイバケーブルの断面図である。
図1bは、収納した4心光ファイバテープ心線の断面構
造を示す図である。
【図2】光ファイバケーブル用スペーサの構成概要図で
ある。
【符号の説明】
1,21 中心抗張力体 2,22 ポリエチレン樹脂 3 4心光ファイバテープ心線 4 紫外線硬化型樹脂 5 光ファイバ 10,20 光ファイバケーブル用スペーサ 23 らせん溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 孝 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (72)発明者 斎藤 孝司 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (72)発明者 佐谷 宏 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (56)参考文献 特開 平2−72311(JP,A) 特開 平4−81706(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 6/44 366

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバを収納するらせん溝が外周に
    設けられる光ファイバケーブル用スペーサに使用するた
    めのポリエチレン樹脂において、 該ポリエチレン樹脂は、メルトインデックスが0.01g
    /10分以上0.30g/10分未満であり、密度が0.
    941〜0.955g/cm3であり、且つ流動比が20〜
    55であることを特徴とする、光ファイバケーブル用ス
    ペーサに使用するためのポリエチレン樹脂:〔ここに流
    動比とは、JIS K7210に準拠し、シリンダー温
    度190℃で荷重21.6kgで測定した値(HLMI)
    と、荷重5.0kgで測定した値(MLMI)の比(HL
    MI/MLMI)で定義される〕。
  2. 【請求項2】 メルトインデックスが0.01〜0.1g
    /10分、密度が0.944〜0.952g/cm3、流
    動比が30〜55である、請求項1に記載のポリエチレ
    ン樹脂。
  3. 【請求項3】 メルトインデックスが0.03〜0.09
    g/10分、密度が0.944〜0.950g/cm3
    流動比が35〜53である、請求項1に記載のポリエチ
    レン樹脂。
  4. 【請求項4】 ポリエチレン樹脂100重量部に対し
    て、酸化防止剤0.1〜1.0重量部および滑剤0.1〜
    1.0重量部配合した、請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載のポリエチレン樹脂。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    のポリエチレン樹脂を用いて異形押出成形され、且つJ
    IS B0601による平均表面粗さが、1.5μm以下
    であることを特徴とする、らせん溝付光ファイバケーブ
    ル用スペーサ。
JP7064453A 1994-04-14 1995-03-23 光ファイバケーブル用スペーサおよびこれに使用するためのポリエチレン樹脂 Expired - Lifetime JP2752915B2 (ja)

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