JP2752865B2 - 脱調予測検出方法及び脱調予測検出装置 - Google Patents
脱調予測検出方法及び脱調予測検出装置Info
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Description
効電力及び無効電力の変化を、直交する平面座標にと
り、その有効・無効電力軌跡(例えば、これら電力の推
移軌跡であるPQ(以下、有効電力をP、無効電力をQ
と略していう。)ローカスによって脱調を予測する脱調
予測検出方式及び脱調予測検出装置に関するものであ
る。
気学会全国大会の講演論文集〔12〕(昭和59年3月
発行)の「1133 脱調予測系統分離方式の開発研
究」に記載された従来の脱調検出方式の説明図である。
これらの図の内、図9は、2機系のモデル系統の図を示
し、図10は脱調時のPQローカス推移図を示す。ま
た、図11,図12はPQローカスを真円にする為の電
圧補正の方法を示す図、図13,図14はPQローカス
の方向により脱調中心位置の判定方法を示す図である。
図10の系統脱調時の電源端におけるPQローカスで示
すように、PQの推移軌跡は安定動揺時には、円の一部
を弧状に振動しているだけであるが、脱調時には円に沿
って回転運動をする。そして、図9の発電機間相差角が
90°となる地点が図10の点Dに相当し、この点を通
過した時に脱調に至ると判定する。ただし、実際にリレ
ーの設置される系統途中では、電源端に比べて電圧低下
が認められる為、その地点の電圧、電流を用いてP,Q
を演算すると図11のO’に示すようにQ軸方向に圧縮
された楕円形のPQローカスとなる。PQローカスが楕
円形になると、脱調判定機能が低下する為、計測電圧を
電源電圧に補正し、図11のOに示すようにPQローカ
スを真円に近づける。この補正は次のように行う。
効電力,無効電力、Pb,QbはB電源側の有効電力,
無効電力、点Cは両電源の中心点、点S,点S’はリレ
ーの設置点(計測点)を示す。この計測点が電気的中心
点(脱調中心点)より加速側(A電源側)に存在すれ
ば、電圧VSを電圧VAに補正し、減速側(B電源側)
に存在すれば、電圧VS’を電圧VBに補正する(図1
2参照)。また、計測点が加速側か減速側か既知で、そ
の計測点の性質が固定化される場合は、あらかじめVA
側に補正するかVB側に補正するか決めておく。一方、
計測点が加速側か減速側か未知またはその性質が固定化
されない場合は、脱調する動揺において、計測している
PQの移動方向と補正されたPQローカスの移動方向が
一致するように電圧補正を行う。なお、図13,図14
に示すように、リレーの極性を送電線内向側を正に統一
すると、脱調中心点Mを有する区間ではPQローカスは
Q軸対称に移動し、脱調中心点を有しない区間では原点
対称に移動する。この原理を使用すれば、脱調中心点M
の位置を判定し、この中心点をもつブランチで系統分離
することも可能となる。
よる脱調予測検出方式は、以上のように構成されている
ので、あらかじめPQローカスの補正が既知の場合や過
渡第1波で脱調するようなP,Qの動揺方向が直ちに脱
調時の方向と一致する現象に対しては適用可能であった
が、振動発散による脱調のように、最終的なP,Q動揺
方向が直ちに把握できない現象に対しては、ローカスの
補正が決定できず、真円に補正したPQローカスが描け
ないため脱調予測検出できないという問題点があった。
めになされたものであり、PQローカス法による脱調予
測検出を振動発散現象にも適用可能な脱調予測検出方法
及び脱調予測検出装置を提供することを目的とする。
検出方法は、電力系統における有効電力および無効電力
の変化を直交する平面座標に、有効・無効電力軌跡を描
き、描いた有効・無効電力軌跡が系統脱調時に円運動す
ることをとらえて脱調を予測する脱調予測検出方法にお
いて、故障除去直後の有効電力及び無効電力の動揺波形
(図1のようなP−t図,Q−t図)における動揺第1
波目の移動方向を判定し、系統脱調時における最終的な
有効電力・無効電力軌跡の推移方向を、上記判定した動
揺第1波目の移動方向に合わせて補正し、この補正した
有効電力・無効電力軌跡により系統脱調を予測するよう
にした。
障除去直後の上記動揺波形における有効電力及び無効電
力の積分値(図2のようなP−t図,Q−t図の斜線部
分)を、上記動揺波形における動揺第1波目の移動方向
を判定する判定指標として用いた。
障除去直後の上記動揺波形における有効電力及び無効電
力の変化率を一定期間平均した平均値(図3のようなP
−t図のDP2i,Q−t図のDQ2i)を、上記動揺
波形における動揺第1波目の移動方向を判定する判定指
標として用いた。
は、電力系統における有効電力および無効電力の変化を
直交する平面座標に、有効・無効電力軌跡を描き、描い
た有効・無効電力軌跡が系統脱調時に円運動することを
とらえて脱調を予測する脱調予測検出装置において、故
障除去直後の有効電力及び無効電力の動揺波形における
動揺第1波目の移動方向を判定する移動方向判定手段4
1と、系統脱調時における最終的な有効電力・無効電力
軌跡の推移方向を、上記移動方向判定手段で判定された
動揺第1波目の移動方向に合わせて補正を決める補正決
定手段42と、この補正による有効電力・無効電力軌跡
により系統脱調を予測する脱調予測手段43とを備えて
いる。また、上記移動方向判定手段41により、故障除
去直後の上記動揺波形における有効電力及び無効電力の
積分値に基づいて、上記動揺波形における動揺第1波目
の移動方向を判定するようにした。 さらにまた、上記移
動方向判定手段41により、故障除去直後の上記動揺波
形における有効電力及び無効電力の変化率を一定期間平
均した平均値に基づいて、上記動揺波形における動揺第
1波目の移動方向を判定するようにした。
去直後の有効電力及び無効電力の動揺波形における動揺
第1波目の移動方向から、脱調時における最終的な上記
有効電力及び無効電力の推移方向の予測をすることによ
って、これから描く有効・無効電力軌跡(PQローカ
ス)を補正するようにした。このため、従来例のように
あらかじめ有効・無効電力軌跡(PQローカス)の補正
が決められているものと比べると、系統状態に応じた理
想的な有効・無効電力軌跡(PQローカス)が描け、振
動発散による脱調現象に対しても、PQローカス法によ
る適切な脱調予測検出、脱調中心位置判定ができる。
は、上記動揺波形の動揺第1波目の移動方向を特定する
ために、この動揺波形における有効電力及び無効電力の
積分値を用いて判定するようにした。
は、上記動揺波形の動揺第1波目の移動方向を特定する
ために、この動揺波形における有効電力及び無効電力の
変化率を一定期間平均した平均値を用いて判定するよう
にした。
ンサ等から故障除去を検出すると、移動方向判定手段4
1により故障除去直後の有効電力及び無効電力の動揺波
形における動揺第1波目の移動方向を判定し、次に、補
正決定手段42により、その移動方向から脱調時におけ
る最終的な上記有効電力及び無効電力の予測をすること
によって有効・無効電力軌跡の補正を決め、脱調予測手
段43により、その補正による有効・無効電力軌跡(P
Qローカス)を用いて脱調予測をする。この装置の機能
を、例えば脱調分離装置、電源制限装置に備えることに
より、精度の高い系統安定化が可能となる。また、移動
方向判定手段41は、この動揺波形における有効電力及
び無効電力の積分値を用いて、又は、この動揺波形にお
ける有効電力及び無効電力の変化率を一定期間平均した
平均値を用いて、動揺波形の動揺第1波目の移動方向を
判定する。
する。図1は、この発明の第1の実施例(実施例1)を
示す脱調予測検出方法を説明する図であり、基本原理を
示す、動揺第1波目のPQ方向と振動発散脱調時のPQ
方向との相関図である。また、図2は上記動揺第1波目
のPQ方向判定要素の定義を示す図である。図1におい
ては、t=0が故障発生時点を示し、t=tfが故障除
去時刻の時点を示している。この図に示すように、故障
除去後のPQの動揺第1波目の方向(矢印の方向)と脱
調時の最終的な波形の方向(矢印の方向)とは、一致す
る性質がある。従って、この性質を利用して、故障除去
後のPQの動揺第1波目の移動方向から、PQローカス
の補正を決定することができる。次にPQの動揺第1波
目の移動方向を決定する手法を具体的に説明する。ここ
でいう移動方向とは、故障クリア時点を基準としたPと
Qの変化方向(正or負)のことである。従って、その
判定要素として、図2の斜線部分及び以下の式(1),
(2)で定義するDP1,DQ1を使うことができる。
として、故障クリア直後の一定期間(t1〜t2)にお
けるPQのオンラインデータを積分した値DP1,DQ
1(図2の斜線部分)の正負をもって、PQ変化方向の
判定を行う。なお、積分計算については、PQの演算周
期毎に台形近似等を適用して数値的に実行する。また、
t1,t2については、適用する系統の動揺周期から事
前に決めて設定しておく。
施例2)における動揺第1波目のPQ方向判定要素の定
義を示す図である。上記実施例1では、故障クリア時点
のPQを基準とした積分値を判定指標として用いたが、
図3に定義したような故障クリア直後におけるPQ変化
率(期間tp〜tp+△t)DP2i,DQ2iのある
一定期間(t1〜t2)の平均値DP2,DQ2を使用
しても、動揺第一波目のPQ変化方向を判定できる。こ
のDP2,DP2i,DQ2,DQ2iは以下の
(3),(4)式より算出する。
DQ2の正負をもって、PQ変化方向の判定を行う。従
って、この方式によれば故障クリア時点を明確に判定し
なくても動揺第1波目のPQ変化方向が決定できるの
で、実施例1よりも更に容易に実装置に適用できる。ま
た実施例1と比べて、故障クリア時点を明確に判定する
必要がないので実装置への応用がし易い。なお、t1,
t2については実施例1と同じく適用する系統の動揺周
期から事前に決めて設定しておく。
3)を示す脱調予測検出装置の機能ブロック図である。
図4において、41は故障除去直後(計測用センサから
故障除去を検出)の有効電力及び無効電力の動揺波形
(図1〜図3)における動揺第1波目の移動方向を判定
する移動方向判定手段、42はこの移動方向判定手段4
1で判定された移動方向から、系統脱調時における最終
的な上記有効電力及び無効電力の推移方向の予測をする
ことによって、脱調予測手段43の有効・無効電力軌跡
の補正を決める補正決定手段である。脱調予測手段43
は、その補正にもとづいて有効・無効電力軌跡を描き、
この補正した有効・無効電力軌跡にもとづいて系統脱調
を予測する。この様に、この脱調予測装置は、少なくと
も移動方向判定手段41と、補正決定手段42とをその
装置の図示しない制御部に備えている。
3)の一例(応用例1)を示す脱調分離装置の構成図で
ある。図5において、1A,1Bは発電機(又は発電所
でもよい)、2A〜2Cは電力系統内の母線、3A,3
Bは送電線、41A,41B,42A,42Bは脱調分
離装置、51A,51B,52A,52Bは、PとQを
計測するための計測用センサ、61A,61B,62
A,62Bは遮断器、71A1,71A2,71B1,
71B2,72A1,72A2,72B1,72B2は
コントロール・ケーブル、8A,8Bは脱調予測検出情
報のやりとりの為の伝送路である。
電線3A,3Bの有効電力および無効電力は、常時、計
測用センサ51A,51B,52A,52Bで計測さ
れ、電気角30°程度のサンプリング間隔で、コントロ
ール・ケーブル71A2,71B1,72A2,72B
1を介して脱調分離装置41A,41B,42A,42
Bに入力される。脱調分離装置41A,41B,42
A,42Bは、常にこれらのデータを用いて有効電力お
よび無効電力の値を把握しておく。例えば、送電線3A
の片回線で地絡事故が発生した場合、有効電力データ、
または無効電力データがある設定値以上変化したことを
キックとして、脱調分離装置41A,41B,42A,
42Bが起動状態に入り、図6(41Aの動作を例にと
る。)に示したフローチャートに従って安定化制御(脱
調分離)を行う。
の装置の安定化制御(脱調分離)を具体的に説明する。
計測用センサ51A,51B,52A,52B(図5)
によって故障発生が検出されると、脱調分離装置41
A,41B,42A,42Bが起動される(ステップS
T1)。次に故障発生時点(図1〜図3の故障発生t=
0)を基準時間にするためにこの装置の時刻をリセット
し(ステップST2)、この後、故障除去を計測用セン
サ51A,51B,52A,52Bによって検出する
(ステップST3)。このときの時点は図1〜図3のt
=tf(故障クリア)となる。次に、計測用センサ51
Aから取り込んだPとQの故障除去後におけるある一定
期間(例えば図3のtp〜tp+△Tの期間△T)のオ
ンラインデータと、実施例1,2で述べた判定要素(式
(1),(2),(3),(4))からPとQの動揺第
1波目における変化方向を判定し把握しておく(ステッ
プST4)。そして、脱調分離装置41Aは送電線3A
の相手端の脱調分離装置41Bから、PとQの変化方向
の情報を受信する(ステップST5)。
PとQの変化方向の情報と他装置の脱調分離装置41B
からのその情報を照合し、自己装置(脱調分離装置41
A)のPの変化方向が負、かつQの変化方向が正、か
つ、他装置(脱調分離装置iB)のP,Qの変化方向が
ともに正であれば(YES)、ステップST9に進み、
それ以外であれば(NO)、ステップST7に進む(ス
テップST6)。更に、ステップST7でも、脱調分離
装置41Bは自己装置と他装置のPとQの変化方向の情
報を照合する。そして、自己装置(脱調分離装置41
A)がP,Qの変化方向がともに正、かつ、他装置(脱
調分離装置41B)のPの変化方向が負、かつQの変化
方向が正であれば(YES)、ステップST9に進み、
それ以外であれば(NO)、ステップST8に進む。脱
調分離装置41Aは、電力系統の脱調中心点が自・他装
置(脱調分離装置41A,41B)の保護範囲外と判断
し(ステップST8)、脱調分離装置を停止する(ステ
ップST16)。
毎に時間をカウント(t=t+△t)していく。そし
て、故障除去直後のPQ動揺第1波の方向からPQロー
カスの補正演算(動揺第1波の方向に補正)を行い、こ
の演算結果からPQローカスによる脱調予測演算を行う
(ステップST10)。次に、脱調分離装置41Aは、
ステップST10で得られた脱調予測演算の結果から、
脱調予測検出を行い(ステップST11)、脱調予測検
出されれば(YES)、ステップST13に進み、検出
されなければ(NO)、ステップST12に進む。そし
て、更にステップST12では、あらかじめ自装置(脱
調予測分離装置41B)に設定された動作責務時間内で
あるか否かを判定し、その動作責務時間内であれば(Y
ES)、ステップST9に進み、その動作責務時間外で
あれば(NO)、ステップST16に進み、装置停止と
なる。
置41Aは自装置の脱調予測判定の情報(トリップ信
号)を伝送路8Aを介して脱調分離装置41Bに送信す
る。そして、脱調分離装置41Aは遮断器(CB)61
Aに対してトリップ信号を出力し(ステップST1
4)、トリップさせる。また、脱調分離装置41Aは、
自装置からのトリップ信号又は他装置(脱調分離装置4
1B)からのトリップ信号のOR(論理和)をとり(ス
テップST15)、自装置又は他装置のトリップ信号の
内、早い方のトリップ信号を遮断器61に出力し、送電
線3Aを遮断する。
3)の他の例(応用例2)を示す電源制限装置の構成図
である。図5では、脱調分離装置への応用例(応用例
1)を述べたが、図7のように、計測端末(脱調分離装
置)及び制御端末43A,43Bを設け、さらに中央演
算装置を設けることで、脱調中心点の場所に従って電源
制限(発電機遮断)対象の最適選択が可能となり、電源
制限による系統安定化装置にも応用できる。図7におい
て、2D〜2Fは系統内の母線、3C〜3Eは送電線、
43A,43Bは制御端末、4Nは中央演算装置、6
A,6Bは発電機用の遮断器、71A,71B,72
A,72B,73A,73Bはコントロール・ケーブ
ル、81A,81B,82A,82B,84A,84B
及び83Nは情報信号伝送路、9は中央給電指令所のシ
ステムである。この他の部分については、応用例1と同
符号を付している。
電線3A,3Bの有効電力および無効電力は、常時、セ
ンサ51A,51B,52A,52Bで計測され、電気
角30°程度のサンプリング間隔でコントロール・ケー
ブル71A,71B,72A,72Bを介して脱調分離
装置41A,41B,42A,42Bに入力される。中
央演算装置4Nは、常に脱調分離装置41A,41B,
42A,42Bからの情報を伝送路81A,81B,8
2A,82Bを通して取り込み、更に中央給電所のシス
テム9から情報信号伝送路83Nを通して発電機1A,
1Bの発電情報をある周期で取り込んでおく。中央演算
装置4Nは、必要に応じて電源制限信号を制御端末43
A,43Bに出力し、制御端末43A,43Bでは、発
電機用の遮断器6A,6Bの中から受信した電源制限信
号に対応したものを選択してトリップ信号を出力する。
例えば、送電線3Aの片回線で地絡事故が発生した場
合、有効電力データ、または無効電力データがある設定
値以上変化したことをキックとして、中央演算装置4N
は起動状態に入り、図8に示したフローチャートに従っ
て安定化制御(電源制限)を行う。
の装置の安定化制御(電源制限)を具体的に説明する。
計測用センサ51A,51B,52A,52B(図7)
によって故障が検出されると、脱調分離装置41A,4
1B,42A,42Bが起動される(ステップST2
1)。次に、これらの装置は、故障発生時点(図1〜図
3の故障発生t=0)を基準時間にするために、それぞ
れの装置の時刻をリセットし(ステップST22)、こ
の後、故障除去を計測用センサ51A,51B,52
A,52Bによって検出する(ステップST23)。こ
の時点は図1〜図3のt=tf(故障クリア)となる。
次に、中央演算処理装置4Nは、それぞれの脱調分離装
置41A,41B,42A,42BからのPQのオンラ
インデータと、実施例1,2で述べた判定要素(式
(1),(2),(3),(4))に基づき、故障除去
直後におけるある一定期間(t=t+△Tの一定期間△
T)の各計測ポイントにおけるPQの変化方向を把握し
ておく(ステップST24)。
把握したPQの変化方向から、送電線3Aに脱調中心が
入るか否かを判定し(ステップST25)、送電線3A
内に脱調中心が入ると判定すれば(YES)、ステップ
ST28に進み、それ以外であれば(NO)、ステップ
ST26に進む。すなわち、脱調分離装置42AのPの
変化方向が負、かつQの変化方向が正、かつ、脱調分離
装置42BのP,Qの変化方向がともに正であれば、ス
テップST28に進み、それ以外であれば、ステップS
T26に進む。なお、ここでは脱調分離装置41B側が
常に加速領域と仮定している。更に、中央処理装置4N
は、ステップST24で把握したPQの変化方向から、
送電線3Bに脱調中心が入るか否かを判定し(ステップ
ST26)、送電線3B内に脱調中心が入ると判定すれ
ば(YES)、ステップST29に進み、それ以外であ
れば(NO)、ステップST27に進む。すなわち、脱
調分離装置42AのPの変化方向が負、かつQの変化方
向が正、かつ、脱調分離装置42BのP,Qの変化方向
がともに正であれば、ステップST29に進み、それ以
外であれば、ステップST27に進む。なお、ここでは
脱調分離装置41Bが常に加速領域と仮定している。
調分離装置42A,42Bにおける予想位置から、電源
制限による安定化制御の保護範囲外と判定し、所定の装
置(例えば発電機1A)を停止する(ステップST3
7)。ステップST28では、中央演算処理装置9が予
想される脱調中心位置の情報と、中央給電所のシステム
9から情報信号伝送路83Nを介して受信した発電機情
報に基づき、最適な電源制限対象を発電機1A又は発電
機1Bから選択する。このとき、脱調検出予測に使用す
るPQのデータは、脱調分離装置42A,42Bで計測
されたものを使用する。一方、ステップST29では、
中央演算処理装置4Nが予想される脱調中心位置の情報
と、中央給電所のシステム9から情報信号伝送路を介し
て受信した発電機情報に基づき、最適な電源制限対象を
発電機1Bのみを選択する。このとき、脱調検出予測に
使用するPQデータは脱調分離装置42A,42Bで計
測されたものを使用する。
4Nが、演算周期△t毎に時間をカウント(t=t+△
t)していく。次に、脱調分離装置41A,41B,4
2A,42Bから受信したPQデータに基づき、PQロ
ーカスによる脱調予測演算を行う(ステップST3
1)。そして、その脱調予測演算の結果から、脱調予測
検出を行い(ステップST32)、脱調予測検出されれ
ば(YES)、ステップST34に進み、脱調予測検出
されなければ(NO)、ステップST33に進む。更
に、ステップST33では、中央演算処理装置4Nが、
あらかじめ設定された動作責務時間内であるか否かを判
断し、その動作責務時間内であれば(YES)、ステッ
プST30に進み、その動作責務時間内でなければ(N
O)、装置を停止する(ステップST37)。次に、ス
テップST34では、中央演算処理装置4Nは、電源制
限対象の発電機(PS)が発電機1Bのみであるか否か
を判断し、発電機1Bのみであれば(YES)、制御端
末43Bに対して電源制限信号を出力し(ステップST
36)、発電機1Bのみでなければ(NO)、制御端末
43A,43Bに対して電源制限信号を出力する(ステ
ップST35)。そして、装置を停止する(ステップS
T37)。なお、この図のフローチャートにおいて、具
体的な電源制限量(遮断台数)については、別アルゴリ
ズムで決定できるものとする。
除去直後の有効電力及び無効電力の動揺波形における動
揺第1波目の移動方向から、脱調時における最終的な上
記有効電力及び無効電力の推移方向の予測をすることに
よって、これから描く有効・無効電力軌跡の補正を決め
るようにしたので、この補正された有効・無効電力軌跡
(PQローカス)を用いることにより振動発散現象にも
容易に適用できる効果がある。
移動方向を判定するために、故障直後の動揺波形におけ
る有効電力及び無効電力の、積分値又は変化率を一定期
間平均した平均値を用いるようにしたので、上記発明の
効果に加えて、簡単な演算式だけで動揺第1波目の移動
方向を判定できる効果がある。
正した後の有効・無効電力軌跡を用いて脱調予測をでき
る機能を装置に応用したので、例えば、脱調分離装置や
電源制御装置に応用することによって上記発明の効果に
加えて、精度の高い系統安定化を得ることができる効果
がある。
方向と振動発散脱調時のPQ方向との相関図である。
要素の定義を示す図である。
要素の定義を示す図である。
の装置の機能ブロック図である。
である。
る。
図である。
る。
の2機系モデルの図である。
めの脱調時のPQローカス推移図である。
示す図である。
スの補正方法を示す図である。
スの方向と脱調中心位置の関係を示す図である。
スの方向と脱調中心位置の関係を示す図である。
72A2,72B1,72B2 コントロール・ケーブ
ル 71A,71B,72A,72B,73A,73B 8
1A,81B,82A,82B,84A,84B,83
N 情報信号伝送路
Claims (6)
- 【請求項1】 電力系統における有効電力および無効電
力の変化を直交する平面座標に、有効・無効電力軌跡を
描き、描いた有効・無効電力軌跡が系統脱調時に円運動
することをとらえて脱調を予測する脱調予測検出方法に
おいて、故障除去直後の有効電力及び無効電力の動揺波
形における動揺第1波目の移動方向を判定し、系統脱調
時における最終的な有効電力・無効電力軌跡の推移方向
を、上記判定した動揺第1波目の移動方向に合わせて補
正し、この補正した有効電力・無効電力軌跡により系統
脱調を予測するようにしたことを特徴とする脱調予測検
出方法。 - 【請求項2】 故障除去直後の上記動揺波形における有
効電力及び無効電力の積分値を、上記動揺波形における
動揺第1波目の移動方向を判定する判定指標として用い
たことを特徴とする請求項第1項記載の脱調予測検出方
法。 - 【請求項3】 故障除去直後の上記動揺波形における有
効電力及び無効電力の変化率を一定期間平均した平均値
を、上記動揺波形における動揺第1波目の移動方向を判
定する判定指標として用いたことを特徴とする請求項第
1項記載の脱調予測検出方法。 - 【請求項4】 電力系統における有効電力および無効電
力の変化を直交する平面座標に、有効・無効電力軌跡を
描き、描いた有効・無効電力軌跡が系統脱調時に円運動
することをとらえて脱調を予測する脱調予測検出装置に
おいて、故障除去直後の有効電力及び無効電力の動揺波
形における動揺第1波目の移動方向を判定する移動方向
判定手段と、系統脱調時における最終的な有効電力・無
効電力軌跡の推移方向を、上記移動方向判定手段で判定
された動揺第1波目の移動方向に合わせて補正を決める
補正決定手段と、この補正による有効電力・無効電力軌
跡により系統脱調を予測する脱調予測手段とを備えるこ
とを特徴とする脱調予測検出装置。 - 【請求項5】 上記移動方向判定手段は、故障除去直後
の上記動揺波形における有効電力及び無効電力の積分値
に基づいて、上記動揺波形における動揺第1波目の移動
方向を判定することを特徴とする請求項第4項記載の脱
調予測検出装置。 - 【請求項6】 上記移動方向判定手段は、故障除去直後
の上記動揺波形における有効電力及び無効電力の変化率
を一定期間平均した平均値に基づいて、上記動揺波形に
おける動揺第1波目の移動方向を判定することを特徴と
する請求項第4項記載の脱調予測検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4257720A JP2752865B2 (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | 脱調予測検出方法及び脱調予測検出装置 |
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JP4257720A JP2752865B2 (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | 脱調予測検出方法及び脱調予測検出装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06113463A JPH06113463A (ja) | 1994-04-22 |
JP2752865B2 true JP2752865B2 (ja) | 1998-05-18 |
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KR102173655B1 (ko) * | 2020-03-04 | 2020-11-03 | 주식회사 쓰리아이씨 | 발전소 내 장애 발생 방향 결정 방법 |
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- 1992-09-28 JP JP4257720A patent/JP2752865B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06113463A (ja) | 1994-04-22 |
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