JP2750553B2 - 赤外可視変換素子 - Google Patents

赤外可視変換素子

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JP2750553B2 JP23575291A JP23575291A JP2750553B2 JP 2750553 B2 JP2750553 B2 JP 2750553B2 JP 23575291 A JP23575291 A JP 23575291A JP 23575291 A JP23575291 A JP 23575291A JP 2750553 B2 JP2750553 B2 JP 2750553B2
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  • Optical Filters (AREA)
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  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Photo Coupler, Interrupter, Optical-To-Optical Conversion Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は赤外可視変換素子に関
し、特に分解能,赤外可視変換効率とも高く、シリコン
により可視域の波長を除去し赤外光のみを透過,変換す
ることによりSN比の高い変換画像を得ることを可能と
した赤外可視変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】赤外輝尽蛍光体とは、あらかじめ短波長
の光、あるいはX線,放射線等を照射した後、赤外光を
照射すると可視域の発光を発生するという蛍光体であ
る。アルカリ土類金属の硫化物あるいはセレン化物にユ
ーロピウム(Eu)とサマリウム(Sm)あるいはセリ
ウム(Ce)とサマリウム(Sm)などの2種類以上の
希土類を添加した蛍光体が最も赤外可視変換効率の高い
蛍光体として良く知られている。
【0003】ところで、従来よりこの赤外輝尽蛍光体を
用いた赤外可視変換素子はガラスなどの基板上に粉末蛍
光体をバインダー等と混合し塗布したものや、1対のポ
リマーフィルム間にバインダーに分散した蛍光体粉末を
挟み込んだ構造をしており、半導体レーザ光の検出,光
学系の調整などに利用されている。
【0004】近年、半導体レーザを用いた光通信技術
や、光情報処理技術が発展し、半導体レーザから放射さ
れる赤外光を従来よりも高精度に検出する必要性や、レ
ーザ光のモードパターンなど2次元での光情報を検査す
る必要性が拡大してきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来構造の素
子では粉末蛍光体を用いているため、蛍光体粒子による
光の散乱が生じ解像度が低いという欠点があり、高い精
度で光学軸を調整することや、半導体レーザ光のモード
パターンを検査することは不可能であった。そこで、本
発明者らは素子の高解像度化を図ることを目的とし、真
空蒸着法や、スパッタリング法,CVD法等の薄膜形成
技術を用いて、蛍光体を薄膜化し光散乱の低減を図って
きた。しかし、基板としてガラス等の非晶質基板上に形
成した場合、薄膜は微結晶(以下結晶子と呼ぶ)の集合
体である多結晶膜となるため、やはり光の散乱が生じ充
分に解像度を向上することは困難であった。
【0006】また、透明基板上に赤外輝尽蛍光体層を形
成した赤外可視変換素子を用いて、赤外像を可視化して
観察しようとする場合、観察方向と反対側から赤外光を
入射し蛍光体層上に結像させ像を観察する透過法と、観
察方向側から赤外光を入射し蛍光体層上に結像させ像を
観察する反射法があるが、透過法,反射法いずれも観察
方向と反対側から赤外可視変換素子を通して可視光が透
過し、ノイズとして働くため赤外可視変換画像観察時の
S/Nが著しく低下するという欠点があった。
【0007】本発明は以上の点に鑑み、上記のような問
題点を解決するためになされたものであり、その目的
は、赤外可視変換効率が高く、かつ解像度が高い赤外可
視変換素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、単結晶シリコン基板上に赤外輝尽蛍光体層
を形成した赤外可視変換素子において、赤外輝尽蛍光体
層が少なくとも、蛍光体母体にユーロピウムとサマリウ
ムの2種、あるいは少なくともセリウムとサマリウムの
2種を添加した単結晶もしくは基板面方位に配向した多
結晶赤外輝尽蛍光体であり、かつ蛍光体母体が硫化カル
シウム,硫化ストロンチウム,セレン化カルシウム,セ
レン化ストロンチウムのうちの1種あるいはそれらの混
晶であることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】したがって本発明においては、基板としてシリ
コンを用いることにより、基板上に形成する蛍光体層の
成長方向を制御し、平滑な蛍光体層を形成できるので、
解像度の高い赤外可視変換素子が得られる。また、赤外
光観察の際に不要な可視光をシリコンにより除去するこ
とによって、高いS/Nで赤外可視変換画像の観察が可
能になる。これについて、図1,図2を参照して詳述す
る。
【0010】本発明の赤外可視変換素子は、基本的には
図1に示すようにシリコン基板1上に前述した蛍光体層
2が形成された構造を有している。シリコンは現在知ら
れている単結晶の中でも最も欠陥が少なく、結晶性が良
好であることが知られている。このため、シリコン基板
上に蛍光体を形成した場合、基板全体にわたって均質で
欠陥の少ない蛍光体薄膜が形成できる。図2は、シリコ
ンと蛍光体母体であるCaS,CaSe,SrS,Sr
Seとの格子定数の関係を示す図である。図2から明ら
かなように、蛍光体母体とシリコンとの格子定数の差は
5%以上で一般に単結晶成長が困難である。
【0011】ところが、本発明者らは種々の実験を繰り
返し調査した結果、シリコン基板上に硫化カルシウム,
硫化ストロンチウム,セレン化カルシウム,セレン化ス
トロンチウムのうちの1種あるいはそれらの混晶である
薄膜を形成した場合、その成長方向は基板面方位に規定
され成長方向の揃った多結晶膜、あるいは単結晶膜とな
ることが明らかになった。このため、得られた蛍光体膜
は優れた平滑性を有し光散乱が極めて少なく、従って解
像度が高くなる。また、成長方向が揃わない多結晶状態
と比較して膜中の欠陥が極めて少ないため、蛍光体の赤
外可視変換変換効率も極めて高いものとなる。
【0012】また、シリコンの基礎吸収波長は約1.1
μmであり、1.1μm以下の光は透過しない。このた
め、透過型で本発明の赤外可視変換素子を用いた場合、
赤外可視変換に必要な赤外光のみが基板を透過し蛍光体
層に達し可視光に変換されるため、変換画像は可視光ノ
イズに妨害されることなく、コントラストよく観察でき
る。また、反射型で本発明の赤外可視変換素子を用いた
場合でも、シリコン基板が黒色をしているため、変換画
像のコントラストは高く観測しやすい。
【0013】
【実施例】以下、本発明の赤外可視変換素子について、
実施例によって更に具体的に説明する。 実施例1 図1において、基板1として面方位が(111)方向で
あるシリコン単結晶基板、蛍光体層2としてユーロピウ
ムとサマリウムを添加した硫化カルシウム蛍光体層から
構成された赤外可視変換素子について説明する。上記素
子を作製するに当たっては、まず、シリコン基板1を沸
騰した硝酸中に浸し表面酸化膜を形成したのち純水で洗
浄し、弗酸中に浸し酸化膜を除去し表面欠陥や汚れを除
去したのち再び純水で洗浄し、塩酸,過酸化水水素,純
水を3:1:1の比率で混合した混酸中に10分浸し良
質な表面酸化膜を形成した後、水洗乾燥する。この後、
分子ビームエピタキシャル装置内に設置し、10-8To
rr以下にまで排気し基板を加熱して表面酸化膜を加熱
蒸発させシリコン清浄表面を出した後、シリコン基板1
上にユーロピウムとサマリウムを添加したCaS蛍光体
膜を20μmの厚さで形成した。
【0014】ここで、このCaS蛍光体層は赤外可視変
換素子を作製するために、ユーロピウム濃度が500p
pm、サマリウム濃度が150ppmとなるように、別
々の蒸発源に充填したCa金属、Eu金属、Sm金属を
それぞれ調節して加熱蒸発させ基板面に堆積させるのと
同時に、硫化水素ガスを基板に照射することによって形
成した。また、この時の基板温度は500℃、薄膜形成
速度は50nm/minとした。
【0015】このようにして形成したCaS蛍光体層2
は反射電子線回折装置,X線回折装置及び透過電子顕微
鏡による検査の結果、基板とエピタキシャル成長した単
結晶膜であることが確認された。また、触針式表面粗さ
計を用いて表面粗さを測定したところ表面の凹凸は10
nm以下で非常に平滑な膜が得られた。表1は上記のよ
うにして作製した赤外可視変換素子とガラス基板上に蛍
光体層を形成して作製した赤外可視変換素子の赤外可視
変換効率と解像度を比較した表である。この結果から、
本発明の赤外可視変換素子が従来構造の赤外可視変換素
子と比較して、赤外可視変換効率が高く、かつ解像度が
高いことが明かである。また、本発明の素子はシリコン
基板を用いており、可視光によるノイズが重畳しないた
め極めてコントラストの高い画像が得られた。
【0016】
【表1】
【0017】実施例2 図1において基板1として面方位が(111)方向であ
るシリコン単結晶基板、蛍光体層2としてユーロピウム
とサマリウムを添加した硫化カルシウム蛍光体層から構
成された赤外可視変換素子について説明する。上記素子
を作製するに当たっては、まず、シリコン基板1を沸騰
した硝酸中に浸し表面酸化膜を形成したのち純水で洗浄
し、弗酸中に浸し酸化膜を除去し表面欠陥や汚れを除去
したのち、再び純水で洗浄した後乾燥する。この後、真
空蒸着装置内に設置し、シリコン基板1上にユーロピウ
ムとサマリウムを添加したCaS蛍光体膜を20μmの
厚さで形成した。ここで、該蛍光体層は赤外可視変換素
子を作製するために、酸化ユーロピウム(Eu23)を
500ppm、酸化サマリウム(Sm23)を150p
pm添加したCaSペレットを蒸発源として電子ビーム
蒸着法により形成した。また、この時の基板温度は30
0℃、薄膜形成速度は50nm/minとした。
【0018】このようにして形成したCaS蛍光体層2
は反射電子線回折装置,X線回折装置及び透過電子顕微
鏡による検査の結果、(111)方向に優先配向した多
結晶と、基板とエピタキシャル成長した単結晶との混在
膜であることが確認された。なお、ここで優先配向と
は、特定の配向をもった結晶子サイズが他の配向をもっ
た結晶子サイズと比較して大きい状態をいう。また、触
針式表面粗さ計を用いて表面粗さを測定したところ表面
の凹凸は10nm以下で非常に平滑な膜が得られた。
【0019】表2は上記のようにして作製した赤外可視
変換素子とガラス基板上に蛍光体層を形成して作製した
赤外可視変換素子の赤外可視変換効率と解像度を比較し
た表である。この結果から、本発明の赤外可視変換素子
が従来構造の赤外可視変換素子と比較して、赤外可視変
換効率が高く、かつ解像度が高いことが明かである。ま
た、本発明の素子はシリコン基板を用いており、可視光
によるノイズが重畳しないため極めてコントラストの高
い画像が得られた。
【0020】
【表2】
【0021】実施例3 図1において基板1として面方位が(100)方向であ
るシリコン単結晶基板、蛍光体層2としてユーロピウム
とサマリウムを添加した硫化カルシウム蛍光体層から構
成された赤外可視変換素子について説明する。上記素子
を作製するに当たっては、まず、シリコン基板1を純
水、酸で洗浄し、真空蒸着装置内に設置し、シリコン基
板1上にユーロピウムとサマリウムを添加したCaS蛍
光体膜を10μmの厚さで形成した。ここで、このCa
S蛍光体層は赤外可視変換素子を作製するために、酸化
ユーロピウム(Eu23)を500ppm、酸化サマリ
ウム(Sm23)を150ppm添加したCaSペレッ
トを蒸発源として電子ビーム蒸着法により形成した。ま
た、この時の基板温度は800℃、薄膜形成速度は50
nm/minとした。
【0022】このようにして形成したCaS蛍光体層2
は反射電子線回折装置,X線回折装置及び透過電子顕微
鏡による検査の結果、基板とエピタキシャル成長した単
結晶膜であることが確認された。また、触針式表面粗さ
計を用いて表面粗さを測定したところ表面の凹凸は10
nm以下で非常に平滑な膜が得られた。
【0023】表3は上記のようにして作製した赤外可視
変換素子とガラス基板上に蛍光体層を形成して作製した
赤外可視変換素子の赤外可視変換効率と解像度を比較し
た表である。この結果から、本発明の赤外可視変換素子
が従来構造の赤外可視変換素子と比較して、赤外可視変
換効率が高く、かつ解像度が高いことが明かである。ま
た、本発明の素子はシリコン基板を用いており、可視光
によるノイズが重畳しないため極めてコントラストの高
い画像が得られた。
【0024】
【表3】
【0025】実施例4 図1において基板1として面方位が(111)方向であ
るシリコン単結晶基板、蛍光体層2としてユーロピウム
とサマリウムを添加した硫化ストロンチウム蛍光体層か
ら構成された赤外可視変換素子について説明する。上記
素子を作製するに当たっては、まず、シリコン基板1を
純水、酸で洗浄し、分子ビームエピタキシャル装置内に
設置し、シリコン基板1上にユーロピウムとサマリウム
を添加したSrS蛍光体膜を10μmの厚さで形成し
た。ここで、このSrS蛍光体層は赤外可視変換素子を
作製するために、ユーロピウム濃度が500ppm、サ
マリウム濃度が150ppmとなるように、別々の蒸発
源に充填したSr金属,Eu金属,Sm金属をそれぞれ
調節して加熱蒸発させ基板面に堆積させるのと同時に硫
化水素ガスを基板に照射することによって形成した。ま
た、この時の基板温度は500℃、薄膜形成速度は50
nm/minとした。
【0026】このようにして形成したSrS蛍光体層2
は反射電子線回折装置,X線回折装置及び透過電子顕微
鏡による検査の結果、基板とエピタキシャル成長した単
結晶膜であることが確認された。また、触針式表面粗さ
計を用いて表面粗さを測定したところ表面の凹凸は10
nm以下で非常に平滑な膜が得られた。
【0027】表4は上記のようにして作製した赤外可視
変換素子とガラス基板上に蛍光体層を形成して作製した
赤外可視変換素子の赤外可視変換効率と解像度を比較し
た表である。この結果から、本発明の赤外可視変換素子
が従来構造の赤外可視変換素子と比較して、赤外可視変
換効率が高く、かつ解像度が高いことが明かである。ま
た、本発明の素子はシリコン基板を用いており、可視光
によるノイズが重畳しないため極めてコントラストの高
い画像が得られた。
【0028】
【表4】
【0029】実施例5 図1において基板1として面方位が(111)方向であ
るシリコン単結晶基板、蛍光体層2としてユーロピウム
とサマリウムを添加したセレン化カルシウム蛍光体層か
ら構成された赤外可視変換素子について説明する。上記
素子を作製するに当たっては、まず、シリコン基板1を
純水、酸で洗浄し、分子ビームエピタキシャル装置内に
設置し、シリコン基板1上にユーロピウムとサマリウム
を添加したCaSe蛍光体膜を10μmの厚さで形成し
た。ここで、このCaSe蛍光体層は赤外可視変換素子
を作製するために、ユーロピウム濃度が300ppm、
サマリウム濃度が150ppmとなるように、別々の蒸
発源に充填したCa金属,Eu金属,Sm金属をそれぞ
れ調節して加熱蒸発させ基板面に堆積させるのと同時に
セレン化水素ガスを基板に照射することによって形成し
た。また、この時の基板温度は500℃、薄膜形成速度
は50nm/minとした。
【0030】このようにして形成したCaSe蛍光体層
2は反射電子線回折装置,X線回折装置及び透過電子顕
微鏡による検査の結果、基板とエピタキシャル成長した
単結晶膜であることが確認された。また、触針式表面粗
さ計を用いて表面粗さを測定したところ表面の凹凸は1
0nm以下で非常に平滑な膜が得られた。
【0031】表5は上記のようにして作製した赤外可視
変換素子とガラス基板上に蛍光体層を形成して作製した
赤外可視変換素子の赤外可視変換効率と解像度を比較し
た表である。この結果から、本発明の赤外可視変換素子
が従来構造の赤外可視変換素子と比較して、赤外可視変
換効率が高く、かつ解像度が高いことが明かである。ま
た、本発明の素子はシリコン基板を用いており、可視光
によるノイズが重畳しないため極めてコントラストの高
い画像が得られた。
【0032】
【表5】
【0033】実施例6 図1において基板1として面方位が(111)方向であ
るシリコン単結晶基板、蛍光体層2としてユーロピウム
とサマリウムを添加したセレン化ストロンチウム蛍光体
層から構成された赤外可視変換素子について説明する。
上記素子を作製するに当たっては、まず、シリコン基板
1を純水、酸で洗浄し、分子ビームエピタキシャル装置
内に設置し、シリコン基板1上にユーロピウムとサマリ
ウムを添加したSrSe蛍光体膜を10μmの厚さで形
成した。ここで、このSrSe蛍光体層は赤外可視変換
素子を作製するために、ユーロピウム濃度が500pp
m、サマリウム濃度が150ppmとなるように、別々
の蒸発源に充填したSr金属,Eu金属,Sm金属をそ
れぞれ調節して加熱蒸発させ基板面に堆積させるのと同
時にセレン化水素ガスを基板に照射することによって形
成した。また、この時の基板温度は500℃、薄膜形成
速度は50nm/minとした。
【0034】このようにして形成したSrSe蛍光体層
2は反射電子線回折装置,X線回折装置及び透過電子顕
微鏡による検査の結果、基板とエピタキシャル成長した
単結晶膜であることが確認された。また、触針式表面粗
さ計を用いて表面粗さを測定したところ表面の凹凸は1
0nm以下で非常に平滑な膜が得られた。
【0035】表6は上記のようにして作製した赤外可視
変換素子とガラス基板上に蛍光体層を形成して作製した
赤外可視変換素子の赤外可視変換効率と解像度を比較し
た表である。この結果から、本発明の赤外可視変換素子
が従来構造の赤外可視変換素子と比較して、赤外可視変
換効率が高く、かつ解像度が高いことが明かである。ま
た、本発明の素子はシリコン基板を用いており、可視光
によるノイズが重畳しないため極めてコントラストの高
い画像が得られた。
【0036】
【表6】
【0037】なお、上記実施例においては、蛍光体層と
しては、ユーロピウムとサマリウムを共に添加した硫化
カルシウムあるいは硫化ストロンチウムあるいはセレン
化カルシウムあるいはセレン化ストロンチウムを用い、
蛍光体層形成方法としては電子ビーム蒸着法,分子ビー
ムエピタキシャル法を用い、また素子構成としては基板
上に蛍光体層のみを設けた2層構造のものであるが、本
発明においては、これに限定されるものではなく、蛍光
体としてはCaS,SrS,CaSe,SrSe及びそ
れらの混合物,添加物としてはセリウムとサマリウムを
添加した場合や、蛍光体層形成方法としてはスパッタ
法,MOCVD法,CVD法などの各種薄膜形成法を用
いた場合でも解像度が高く赤外可視変換効率の高い赤外
可視変換素子が実現できる。
【0038】また、素子構成としては反射防止を目的と
する層や、蛍光体の保護を目的とするための層などを更
に加えて形成した多層構造の素子でも解像度が高く赤外
可視変換効率の高い赤外可視変換素子が実現できる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明の赤外可視変
換素子は、基板としてシリコンを用い、蛍光体として蛍
光体母体にユーロピウムとサマリウムの2種、あるいは
少なくともセリウムとサマリウムの2種を添加した赤外
輝尽蛍光体であり、かつ該蛍光体母体が硫化カルシウ
ム,硫化ストロンチウム,セレン化カルシウム,セレン
化ストロンチウムのうちの1種あるいはそれらの混晶を
用いた蛍光体層を形成したことにより、この蛍光体層は
優れた平滑性を有し光散乱が極めて少なくなるので、解
像度が高くなる。
【0040】また、シリコン基板上の蛍光体層は基板面
方位に配向した多結晶膜または単結晶膜となるので、膜
中の欠陥が極めて少なくなり蛍光体の赤外可視変換効率
も高くなる。さらには、赤外光観察の際に不要な可視光
をシリコンによって除去できるので、コントラストよく
観察できる。その結果、赤外可視変換効率が高く、かつ
解像度が高い赤外可視変換素子を実現することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外可視変換素子の基本的構成を示す
断面図である。
【図2】シリコンと蛍光体であるCaS,CaSe,S
rS,SrSeとの格子定数の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 赤外輝尽蛍光体からなる層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶シリコン基板上に赤外輝尽蛍光体
    層を形成した赤外可視変換素子において、前記赤外輝尽
    蛍光体層は少なくとも、蛍光体母体にユーロピウムとサ
    マリウムの2種、あるいは少なくともセリウムとサマリ
    ウムの2種を添加した単結晶もしくは基板面方位に配向
    した多結晶赤外輝尽蛍光体であり、かつ該蛍光体母体が
    硫化カルシウム,硫化ストロンチウム,セレン化カルシ
    ウム,セレン化ストロンチウムのうちの1種あるいはそ
    れらの混晶であることを特徴とする赤外可視変換素子。
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