JP2750320B2 - 静磁場を使用した連続鋳造方法 - Google Patents

静磁場を使用した連続鋳造方法

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JP2750320B2
JP2750320B2 JP4127938A JP12793892A JP2750320B2 JP 2750320 B2 JP2750320 B2 JP 2750320B2 JP 4127938 A JP4127938 A JP 4127938A JP 12793892 A JP12793892 A JP 12793892A JP 2750320 B2 JP2750320 B2 JP 2750320B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造によって得ら
れる鋼スラブの表面及び内部品質を大幅に改善するとと
もに高速鋳造をも可能とする静磁場を使用した連続鋳造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、幅広鋼板の製造に用いられるスラ
ブの如き鋼片の連続鋳造においては、溶鋼を収容したタ
ンディッシュと連続鋳造鋳型との間の溶鋼流路として、
通常耐火物製の浸漬ノズルが使用されている。この浸漬
ノズルは、特にアルミキルド鋼の連続鋳造時にノズル内
面にアルミナが付着し易いため、鋳造時間の経過に伴い
溶鋼流路が狭められ、所望の溶鋼流量を得ることができ
ないという問題が存在した。
【0003】このため、通常は溶鋼の供給する間中、ノ
ズル内にアルゴンなどの不活性ガスを供給してこれに対
処していたが、高スループットになり溶鋼の吐出流速が
大きい場合には、該ガスが流速の大きい溶鋼流に巻き込
まれ鋳型内の湯面上に浮上できずに凝固シェルにトラッ
プされるため、冷延後該ガス起因の膨れ欠陥が発生する
ことがあった。
【0004】また不活性ガスを単に吹き込むだけでは、
ノズル詰まりの回避効果は十分ではなく、ノズル交換の
頻繁な取り替え作業を必要とし、とくに、図7 (a)、
(b)、(c) に示すようにノズルの先端部に左右対称なノ
ズル吐出口7を備えた2孔式浸漬ノズル8においては、
ノズル吐出口7の左右の非対称な閉塞により品質低下を
招く問題があった。ノズル閉塞によって発生する品質低
下の問題としては単にガストラップの問題だけではな
く、ノズル吐出口7の閉塞によって発生する偏流による
介在物の巻き込み及びモールドパウダーの巻き込みも存
在している。
【0005】このような問題を解決する試みとしては、
アルミナと低融点の化合物を作るCaO を含有する浸漬ノ
ズルを用いる試みもあるが、まだ十分な効果は得られて
いない。この他に特開昭60-92064号公報には、浸漬ノズ
ル内の溶融金属流に直流磁場を作用させて溶融金属流を
層流化することによりノズル閉塞を抑制する溶融金属の
注入方法が開示されているが、溶融金属流が鋳型内の溶
融金属クレータの奥深くまで流下するので、随伴する介
在物が浮上できずに凝固シェルにトラップされる恐れが
ある。またストレートノズルの溶鋼吐出流形成領域に静
磁場発生器を設けるものが特開昭62−3857号公報に開示
されているが、静磁場の効果が十分得られておらず、従
来の多孔ノズル程度の品質を有するスラブを得られるに
過ぎずまだ改善の余地が十分にある。また2孔ノズルと
2段式の静磁場を組み合わせたものが特開平2−284750
号公報に開示されているがやはり品質の面でまだ改善の
余地があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】連続鋳造における上述
した様な問題を解消し、表面及び内部品質の良好な鋼ス
ラブを得ることができる静磁場を使用した連続鋳造方法
を提案することが本発明の目的である。特に上記目的を
達成するためにはノズルから吐出した溶鋼が鋳型内で早
期に均一下降流にすることが必要であり、本発明では吐
出口近傍の溶鋼流れの制御と鋳型内での溶鋼の均一流れ
の制御とを可能とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】炭素濃度が500ppm以下に
なる、主にAlで脱酸したアルミキルド鋼を用いて連続鋳
造の際におけるノズル詰まりについて種々調査、検討を
重ねた結果、溶鋼中の酸素濃度を 30ppm以下、より好ま
しくは 20ppm以下に調整し、浸漬ノズルのノズル本体の
先端を解放して溶鋼の吐出口としたストレートノズルを
用いると、ノズル詰まりがほとんどないことが明らかと
なった。さらに吐出流がすべて下方に向かうことによっ
て湯面の乱れが非常に小さくなることも明らかとなっ
た。但し、このようなストレートノズルにおいては、溶
鋼の吐出流速が鋳型の出側(下方)に向かうため、溶鋼
中の介在物や気泡などがクレータの奥深くまで侵入する
恐れが存在する。この問題を解決するために研究開発を
行った結果、ストレートノズルからの吐出流によって搬
送される介在物や気泡などの侵入を防止する方法とし
て、吐出口を含みかつ鋳型短辺に平行な静磁場を用いる
ことが非常に有効であることが判明した。鋳造条件によ
って該静磁場を以下のようにすることでさらに清浄度の
高いスラブを得られることが判明し、さらにノズル吐出
口をも含む静磁場でまず吐出流速を減速させ、ノズル吐
出口を含んだ静磁場下方に間隙を設けてからまた静磁場
を印加することによって、下方に向かう吐出流をより効
果的に均一下降流に制御することが可能であることを確
認できた。磁極が多段になっており磁極間に間隙が存在
する場合においてそれぞれの磁極における印加磁場をす
べて加えた印加磁場範囲と単に一段だけの磁極による印
加磁場範囲が等しければ、単に磁場で溶鋼流が減速され
るだけでなく、間隙部が存在することによって溶鋼流が
下磁場である程度反射されて流れが拡散され、より早く
下降流が均一化する。
【0008】よって従来の諸問題を解決する方法として
得た本発明は、ストレート浸漬ノズル吐出口を含む範囲
に上記鋳型長辺壁背面に静磁場発生器を配置し、さらに
間隙を設けて下方に少なくとも1段以上の静磁場発生器
を配置して、ノズル吐出口からの最大吐出速度v(m/se
c) により吐出口鉛直下の磁束密度B(T) 及び磁場印加
範囲L(mm)を以下のように設定して、一方の長辺壁から
他方の長辺壁に向かう静磁場を常に発生させながら鋳造
することを特徴とする連続鋳造方法である。
【0009】吐出流速vに応じて磁束密度B及び磁場印
加高さ範囲L(印加磁極の総高さ)の関係が、 v≦0.9(m/sec)でB×L≧16、但しB≧0.05T 、L≧50mm。 v≦1.5(m/sec)でB×L≧18、但しB≧0.07T 、L≧60mm。 v≦2.0(m/sec)でB×L≧19、但しB≧0.08T 、L≧70mm。 v≦2.5(m/sec)でB×L≧20、但しB≧0.09T 、L≧80mm。 v≦3.0(m/sec)でB×L≧21、但しB≧0.1T、L≧90mm。 v≦4.0(m/sec)でB×L≧22、但しB≧0.11T 、L≧100mm 。 v≦5.0(m/sec)でB×L≧24、但しB≧0.12T 、L≧100mm 。 v≦6.0(m/sec)でB×L≧26、但しB≧0.13T 、L≧110mm 。
【0010】また、さらに高い効果を得るための本発明
は上記鋳造条件に加えて静磁場発生器を鋳型長辺壁の幅
方向全域を覆う構造として静磁場を常に発生させながら
鋳造することによって品質の良いスラブを作製可能とす
る連続鋳造方法である。また同時に上記鋳造条件に加え
てノズル吐出口を含む上部の静磁場発生域を湯面をも含
む位置とすることを特徴とした連続鋳造方法とすること
によっても高い効果を得ることができる。
【0011】これまでの鋳造条件において浸漬ノズル内
に不活性ガスを吹き込まないで静磁場を常に発生させな
がら鋳造することを特徴とする連続鋳造方法でも高い効
果が得られる。以上を鋳造条件とする事によって非常に
優れたスラブを得ることが可能となる。
【0012】
【作用】図1 (a)、 (b)に本発明の実施に用いて好適な
連続鋳造装置の要部の構成例を示し、図における符号1
は一対の短辺壁1aと長辺壁1bからなる連鋳鋳型、2
はタンディッシュとつながるストレート浸漬ノズルであ
って、このストレート浸漬ノズル2はノズル本体の先端
部を解放して溶鋼のストレートノズル吐出口4とした構
造になっている。また、3は連鋳鋳型1の長辺壁1bの
背面にて配置されストレート浸漬ノズル2の吐出口及び
メニスカスをも含み、長辺壁1bから他の長辺壁1bへ
短辺壁1aと平行な静磁場発生器である。これによって
ストレート浸漬ノズル2から吐出した溶鋼が減速される
と同時に湯面の変動を抑え、パウダーの巻き込みを防止
する。
【0013】5は減速された溶鋼の流れをさらに均一化
させる無磁場に近い間隙である。この間隙5と下方にあ
る静磁場発生器6によって発生した長辺壁1bから他の
長辺壁1bに向かって短辺壁1aに平行に走る静磁場に
より、静磁場発生器3によって減速した溶鋼は短辺壁1
a方向に進行しながら、下降することになる。この結果
十分減速され、均一化した溶鋼の下降流を得ることがで
きる。
【0014】溶鋼のノズル吐出口7が左右対称になる図
7 (a)、 (b)、 (c)に示すような2孔式浸漬ノズル8
は、特に吐出口近傍においてアルミナ等が付着し易く、
ノズル詰まりを起こし易いが、本発明においては、図1
(a)、 (b)に示したように、ノズル本体の先端が解放さ
れたストレート浸漬ノズル2を用い、連鋳鋳型1内へ供
給する溶鋼に対して、連鋳鋳型1に配置した静磁場発生
器3の磁極領域で制動を加えつつ湯面を沈静化するよう
にし、且つ間隙5で溶鋼の下降流を均一化して鋳造を行
うことにより、アルミナ付着に起因するノズル詰まりを
起こすような不具合がなく、したがって所望の速度で溶
鋼を鋳型内に注入しても介在物が溶鋼の奥深くまで侵入
したり、溶鋼の上昇流が浴面のパウダーを巻き込むよう
なこともない。
【0015】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を説明する。 実施例−1: 2ストランド連鋳機を用いて、酸素濃度28〜34ppm の低
炭アルミキルド鋼を用いて3チャージの連続鋳造実験を
行った。一方のストランドにストレート浸漬ノズルを用
いると共に上、下に静磁場発生器3、6を配置(図1参
照)し、これによって上下二段に静磁場をかけて鋳造実
験を行い、他方のストランドには比較として従来の2孔
式浸漬ノズルを用いて鋳造実験を行った。静磁場を印加
したストランド及び従来の浸漬ノズルを使用したストラ
ンドの双方にノズル詰まり防止用ガスを10Nl/min吹き込
みながら鋳造を行った。鋳造条件はつぎのとおりであ
る。
【0016】 鋳造鋳型のサイズ:厚み方向 220mm、幅方向1600mm、高さ方向 800mm タンディッシュでの溶鋼のスーパーヒート:29〜34℃ スループット: 1.5ton/min 上下二段の静磁場強度及びその発生器は以下の通りである。 上静磁場発生器:幅方向 1700mm 、高さ方向 50〜320mm (L1) 最大磁束密度 0.05〜0.6T 磁極間隔 :上静磁場下端から下静磁場発生器の上端まで300mm 下静磁場発生器:幅方向 1700mm 、高さ方向 50〜320mm (L2) 最大磁束密度 0.05〜0.5T すべての磁極範囲:L1 +L2 = 100〜 640mm 吐出流速vを変化させて磁束密度Bと印加磁極範囲Lを
変化させた結果を得るために、まず吐出流速が0.9m/sec
までについての実験結果を図2に示した。無磁場におけ
る鋳造法で得られた冷延材の欠陥発生率を1として、比
較を行い、0.45未満を○印とし、0.45以上〜 0.7未満を
Δ印、それ以上を×印で示した。図2より明らかなよう
に磁束密度Bと印加磁場範囲Lによって得られる係数k
=B・Lが16以上で欠陥発生率が0.45未満となってい
る。
【0017】吐出流速が0.9m/secより大きくても同様に
二段静磁場を印加することによって溶鋼の流れが制御で
き、表1の結果を得ることが可能となった。これより二
段静磁場を印加することによって、印加磁場範囲及び印
加磁場強度が小さくとも無磁場鋳造より格段に品質の向
上が図られることが明らかとなった。
【0018】
【表1】
【0019】実施例−2: 実施例−1と同等の条件で連続鋳造実験を行った。磁場
の印加方法はこれまでと同じ図1に示した方法と図3に
示した幅方向の一部分に印加する方法で比較した。この
ときそれぞれの比較のため、従来法による鋳造をも行
い、その結果をもとに磁場の印加方法による違いを確認
した。また、2ストランド連鋳機を用いて、酸素濃度20
〜24ppm の低炭アルミキルド鋼を用いた。双方とも10Nl
/minのノズル詰まり防止用ガス吹きを行った。このとき
の鋳造条件を以下に示した。
【0020】 鋳造鋳型のサイズ:厚み方向 220mm、幅方向1600mm、高さ方向 800mm タンディッシュでの溶鋼のスーパーヒート:28〜33℃ 鋳造速度:3.0m/min 部分静磁場発生器の仕様は以下の通りである。 上静磁場発生器:幅方向 800mm、高さ方向 300mm 最大磁束密度 0.31T 磁極間隔 :上静磁場下端から下静磁場発生器の上端まで300mm 下静磁場発生器:幅方向 800mm、高さ方向 300mm 最大磁束密度 0.31T また全幅静磁場発生器の仕様は以下の通りである。
【0021】 上静磁場発生器:幅方向 1700mm 、高さ方向 300mm 最大磁束密度 0.31T 磁極間隔 :上静磁場下端から下静磁場発生器の上端まで300mm 下静磁場発生器:幅方向 1700mm 、高さ方向 300mm 最大磁束密度 0.31T この結果を図4に示した。図4の結果より1700mmの幅に
印加した方が欠陥発生率が非常に小さくなることが明ら
かとなった。そのため全幅磁場印加が品質向上により効
果があることが判明した。但し、このときに部分的に静
磁場を印加した場合でも、無磁場における鋳造法よりは
良いことが明白である。 実施例−3: 本発明のストレートノズルを使用し、間隙を含めて多段
に静磁場を印加する鋳造方法で上段において湯面を含み
吐出口をも含む場合と単に吐出口のみを含む場合による
鋳造について比較実験を行った。実験は2ストランド連
鋳機を用いて行い、そのときの実験条件を下記に示し
た。またそれぞれの比較のため従来法で鋳造を行い、そ
のときの欠陥発生率を1として他を規格化した。
【0022】 鋳造鋳型のサイズ:厚み方向 220mm、幅方向1600mm、高
さ方向 800mm タンディッシュでの溶鋼のスーパーヒート:24〜30℃ 鋳造速度:1.9m/min このとき溶鋼は酸素濃度 28ppmの低炭アルミキルド鋼を
用い、連続3チャージの実験を行った。ノズル詰まり防
止用ガスは12Nl/min吹き込んだ。
【0023】多段式静磁場発生器の仕様を示した。 上静磁場発生器:幅方向 1700mm 、高さ方向 250mm 最大磁束密度 0.27T 磁極間隔 :上静磁場下端から下静磁場発生器の上端まで300mm 下静磁場発生器:幅方向 1700mm 、高さ方向 250mm 最大磁束密度 0.27T このときの上段の磁場発生器が湯面にかかるようにした
場合とかからないようにした比較を図5に示した。図5
より本発明においては湯面を含んだ場合の欠陥発生率が
より小さいことが明かである。但し、無磁場における鋳
造法に比較すると湯面を含まなくても欠陥の発生率が十
分に小さくなっていることが明らかである。 実施例−4: さらに本発明で、ノズル詰まり防止用のガスを吹くこと
なく製造した場合の詰まり方を確認するため、以下の条
件で実験を行った。このときの溶鋼は予め取鍋精錬を行
うことによって溶鋼中の酸素濃度を15〜20ppm に落とし
た低炭アルミキルド鋼を用いた。
【0024】 鋳造鋳型のサイズ:厚み方向 220mm、幅方向1600mm、高
さ方向 800mm タンディッシュでの溶鋼のスーパーヒート:28〜33℃ 鋳造速度:2.2m/min 従来法及び磁場印加でもガス吹きを行った実験において
ノズル詰まり防止用ガスは12Nl/min吹き込んだ。
【0025】多段式静磁場発生器の仕様を示した。 上静磁場発生器:幅方向 1700mm 、高さ方向 270mm 最大磁束密度 0.29T 磁極間隔 :上静磁場下端から下静磁場発生器の上端まで300mm 下静磁場発生器:幅方向 1700mm 、高さ方向 270mm 最大磁束密度 0.29T 本発明ではノズルからのガス吹きを行わない場合でも、
3チャージ連続でノズルを引き上げた時にはノズルに付
着した介在物は1mm程度であり、ガス吹きした結果とほ
ぼ変わりなかった。
【0026】また欠陥発生率の結果を図6に示した。図
6より明らかにガス吹きを行わない場合の欠陥発生率が
低減している。これよりガス吹きを行わず鋳造を行うこ
とにより非常に清浄の良い品質の板を得ることが可能で
ある。但しガス吹きを行った場合の欠陥発生でも十分欠
陥は低減している。よってこれらの実験結果より次のこ
とがいえる。ストレートノズルと静磁場を用いることに
よってノズル詰まりがなく連続鋳造が達成可能となり、
そのことによって生産性が向上され、加えて重要なこと
にはノズル詰まりがないことによって溶鋼流れの偏流を
抑えることが可能となり、清浄なスラブを製造すること
が可能となった。特に磁束密度及び印加磁場範囲を規定
することにより非常に欠陥発生率の少ない冷延材を得る
ことが可能となった。
【0027】また連続鋳造鋳型内の湯面を含む位置に静
磁場を加えることによって湯面の変動を抑えることがで
き、またノズル吐出口を含む範囲に静磁場を加え、且つ
間隙を設けて下方向に静磁場を加えることによって均一
な溶鋼の下降流を得ることができ、よってモールドパウ
ダーの巻き込みのないさらに清浄な鋼スラブを製造可能
とした。
【0028】特にメニスカス近傍では湯面全面を覆うよ
うに静磁場を発生させる事が重要である。例えば溶鋼の
湯面に静磁場が加わらずに単に湯面下部にのみ磁場を発
生させた場合には、湯面下の流れを制動する事は可能で
も溶鋼の湯面の振動は抑えることはできないため、湯面
振動による湯面のモールドパウダー巻き込みが発生して
しまう。
【0029】尚、本発明で磁場が重要な役割を果たして
いるが、この磁場の領域においては以下のようにするこ
とが肝要である。まず静磁場に関して、それはノズルの
先端部を含み、これよりも下方に適用することである。
特にノズル先端部の吐出口部が磁場内に存在した場合、
溶鋼吐出流が、磁場によって十分減速された緩やかな下
降流となる。次に減速された吐出流は間隙及び下方の磁
場によって、さらに均一な下降流となり、内部及び表面
品質の良い鋳片を鋳造する事が可能となる。
【0030】さらにノズル吐出口から溶鋼の噴出してい
る下部には連鋳鋳型を全面にわたって覆うように静磁場
を発生させる方が部分的に静磁場を発生させ鋳造するよ
りも良いことがわかる。
【0031】
【発明の効果】かくして以上述べたように、本発明に従
えば、安定して連続鋳造が可能となり、品質及び生産性
の向上を図ることが可能となる。静磁場を間隙を含んで
多段とする事により従来では得られなかった良質の連鋳
スラブを得ることが可能となる。また、溶鋼の酸素濃度
が低い場合には、ノズル詰まり防止用のガス吹きをする
事無しに連続鋳造することが可能であることが確認で
き、同時にガスによる欠陥をなくすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法で使用する二段静磁場発生器を備えた
連続鋳造装置の要部構成を示す概略断面図である。
【図2】二段静磁場発生器を用いた場合の欠陥発生率を
示すグラフである。
【図3】本発明で使用する二段部分磁場発生器を備えた
連続鋳造装置の要部構成を示す概略断面図である。
【図4】部分静磁場発生器と全幅静磁場発生器と無磁場
との実験結果を比較して示す棒グラフである。
【図5】静磁場発生部に湯面を含む場合と含まない場合
と無磁場の場合との実験結果を比較して示す棒グラフで
ある。
【図6】ガス吹きありの場合とガス吹きなしの場合と無
磁場の場合との実験結果を比較して示す棒グラフであ
る。
【図7】2孔式浸漬ノズルの概略図である。
【符号の説明】
1 連鋳鋳型 1a 短辺壁 1b 長辺壁 2 ストレート浸漬ノズル 3 静磁場発生器 4 ストレートノズル吐出口 5 間隙 6 静磁場発生器 7 ノズル吐出口 8 2孔式浸漬ノズル
フロントページの続き (72)発明者 山崎 久生 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究本部内 (72)発明者 藤井 徹也 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭58−55157(JP,A) 特開 昭62−3857(JP,A) 特公 平3−20295(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディッシュから溶鋼を、一対の短辺
    壁と長辺壁の組み合わせからなる連続鋳造鋳型内に、該
    タンディッシュとつながるノズル先端を解放したストレ
    ート浸漬ノズルを通して供給しつつ鋼スラブを連続鋳造
    するにあたり、ストレート浸漬ノズル吐出口を含む範囲
    に対応する上記鋳型長辺壁背面に静磁場発生器を配置
    し、さらに間隙を設けて下方に少なくとも1段以上の静
    磁場発生器を配置して、ノズル吐出口からの最大吐出速
    度v(m/sec) により吐出口鉛直下の磁束密度B(T) 及び
    磁場印加範囲L(mm)を以下のように設定して、一方の長
    辺壁から他方の長辺壁に向かう静磁場を常に発生させな
    がら鋳造することを特徴とする静磁場を使用した連続鋳
    造方法。吐出流速vに応じて磁束密度B及び磁場印加高
    さ範囲L(印加磁極の総高さ)の関係が、 v≦0.9(m/sec)でB×L≧16、但しB≧0.05T 、L≧50mm。 v≦1.5(m/sec)でB×L≧18、但しB≧0.07T 、L≧60mm。 v≦2.0(m/sec)でB×L≧19、但しB≧0.08T 、L≧70mm。 v≦2.5(m/sec)でB×L≧20、但しB≧0.09T 、L≧80mm。 v≦3.0(m/sec)でB×L≧21、但しB≧0.1T、L≧90mm。 v≦4.0(m/sec)でB×L≧22、但しB≧0.11T 、L≧100mm 。 v≦5.0(m/sec)でB×L≧24、但しB≧0.12T 、L≧100mm 。 v≦6.0(m/sec)でB×L≧26、但しB≧0.13T 、L≧110mm 。
  2. 【請求項2】 静磁場発生器を鋳型長辺壁の幅方向全域
    を覆う構造として静磁場を常に発生させながら鋳造する
    ことを特徴とする請求項1記載の静磁場を使用した連続
    鋳造方法。
  3. 【請求項3】 ノズル吐出口を含む上部の静磁場発生域
    を湯面をも含む位置とすることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の静磁場を使用した連続鋳造方法。
  4. 【請求項4】 浸漬ノズル内に不活性ガスを吹き込まな
    いで静磁場を常に発生させながら鋳造することを特徴と
    する請求項1、2または3記載の静磁場を使用した連続
    鋳造方法。
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