JP2744618B2 - 音声符号化伝送装置、並びに音声符号化装置及び音声復号化装置 - Google Patents

音声符号化伝送装置、並びに音声符号化装置及び音声復号化装置

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JP2744618B2 JP63158669A JP15866988A JP2744618B2 JP 2744618 B2 JP2744618 B2 JP 2744618B2 JP 63158669 A JP63158669 A JP 63158669A JP 15866988 A JP15866988 A JP 15866988A JP 2744618 B2 JP2744618 B2 JP 2744618B2
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【発明の詳細な説明】 〔目 次〕 概要 産業上の利用分野 従来の技術(第7〜11図) 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段(第1図) 作 用(第1図) 実 施 例(第2〜6図) 発明の効果 〔概 要〕 音声信号を帯域圧縮符号化して伝送し、伝送された符
号を復号する音声符号化伝送装置並びに音声符号化装置
及び音声復号化装置に関し、 音声信号の有声音と無声音とで時間軸圧縮・伸張手法
を変えて行なうものに、帯域分割符号化処理を組み合わ
せた場合において、時間軸圧縮された信号の有声音部の
スペクトラムと無声音部のスペクトラムとの違いを考慮
した帯域分割符号化処理を施すことにより、高い品質の
符号化音声を得るとともに、このようにして得られた符
号化音声の復号を行なえるようにすることを目的とし、 帯域分割符号化部の各符号化部又は帯域分割復号化部
の各復号化部で使用する帯域ごとの情報量の割当量を、
音声信号の有声音の区間では音声音に適した割当量とな
るように制御するとともに、音声信号の無音声の区間で
は無声音に適した割当量となるように制御すべく構成す
る。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、音声信号を帯域圧縮符号化して伝送し、伝
送された符号を復号する音声符号化伝送装置並びに音声
符号化装置及び音声復号化装置に関し、特に音声信号の
ピッチ周期による周期性を利用して時間軸方向に圧縮、
伸張を行なうTDHS(Time Domain Harmonic Scaling)方
式を用いた高能率音声符号化伝送装置並びに音声符号化
装置及び音声復号化装置に関する。
TDHS方式は、音声波形のピッチ周期による周期性を利
用して時間軸方向に圧縮、伸張を行なう符号化方式であ
って、高能率音声符号化伝送装置は、このようなTDHS方
式を用い、音声信号をその品質を保ったまま情報圧縮を
行なう装置である。
ところで、移動体通信や衛星通信あるいは企業内通信
等における音声情報の伝送においては、回線コストの削
減が重要であり、音声蓄積や音声応答システム等におい
て音声情報の蓄積を行なう場合には、蓄積用メモリ容領
の削減が重要であるが、高能率音声符号化伝送装置はこ
れらの要求を可能にするものである。
〔従来の技術〕
第7図は従来のTDHS音声符号化伝送装置の構成を示し
たものであって、1は時間軸圧縮部(TDHC部)、2はピ
ッチ周期抽出部、3は符号化部、4は伝送路、5は復号
化部、6は時間軸伸張部(TDHE部)である。
この第7図において、音声信号入力S(n)はピッチ
周期抽出部2において、そのピッチ周期を抽出される。
時間軸圧縮部1は抽出されたピッチ周期に応じて入力S
(n)を時間軸方向に圧縮し、圧縮信号Sc(n)を生じ
る。圧縮信号Sc(n)は符号化部3に加えられて、任意
の符号化方式で符号化される。
符号化された信号は、伝送路4を経て伝送される。
受信側においては、復号化部5においてこれを復号し
て圧縮再生信号c(n)を生じる。この信号は時間軸
伸張部6に加えられて別に伝送されたピッチ周期の信号
を用いて時間軸方向に伸張されて、再生出力(n)を
生じる。
第8図(a),(b)は第7図の符号化伝送装置にお
ける時間軸圧縮と時間軸伸張の例を説明するためのもの
であって、第8図(a)は時間軸圧縮の場合を示し、第
8図(b)は時間軸伸張の場合を示している。
すなわち、時間軸圧縮を行なう場合は、第8図(a)
のように抽出されたピッチ周期Pごとに入力S(n)を
切り出し、2周期を1組として前の周期の信号には重み
窓W(m)をかけ、後の周期の信号には逆特性の重み窓
1−W(m)をかけた出力をそれぞれ発生し、これを平
均化して1周期の信号を得ることによって、1/2に圧縮
が行なわれた圧縮信号Sc(n)が得られる。
一方、時間軸伸張を行なう場合は、第8図(b)のよ
うに圧縮再生信号c(n)を3周期分となり、前の2
周期に重み窓1−W(m)をかけ、後の2周期に重み窓
W(m)をかけた出力をそれぞれ発生し、これを平均化
することによって2周期の再生信号(n)を得ること
によって、もとの帯域に伸張される。
ところで、このようなTDHS方式を用いたものに、帯域
分割符号化処理を組み合わせたものも提案されている。
ここで、帯域分割符号化処理とは、符号化する際に、
音声信号を複数(例えば4つ)の帯域に分割し、各帯域
ごとに量子化ビット数を変えて符号化する処理のことを
いい、例えば4つの帯域に分割した場合は、低い帯域か
ら順に量子化ビット数を5,4,2,2ビットとする。このよ
うに、低い帯域に量子化ビット数を多くしているのは、
音声信号は低い帯域ほどパワーが集中しているからであ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上述の従来のTDHS方式においては、音声信
号の周期性を抽出するための評価関数として、(1)式
のように波形の相関を算出するもの、または(2)式の
ように波形の類似性を算出するものを用い、これによっ
て、最も相関が大きくなる周期をピッチ周期としてい
た。
S1(N)=ΣXj・Xj-N/ΣXj 2 …(1) S2(N)=|ΣXj−Xj-N| …(2) また、このようなピッチ周期の探索の範囲としては、
ピッチ周波数の上限、下限を規定し、例えば16≦N≦20
0程度の範囲で探索を行なっていた。
しかしながら、このような探索手法では、周期性のな
い無声音のような場合、正しく周期の抽出を行なうこと
ができず、従ってランダムな値に設定されたピッチ周期
に応じて圧縮、伸張が行なわれるため、波形の性質が保
存されず、これにより再生音声の明瞭度が悪くなる等の
品質劣化を生じていた。
そこで、第9図に示すごとく、音声信号を帯域圧縮符
号化して伝送し、伝送された符号を復号する音声信号の
符号化装置において、有声・無声判定部9,ピッチ周期抽
出部2,時間軸圧縮部1,間引き部7を送信側にそなえると
ともに、時間軸伸張部6,補間部8を受信側にそなえたも
のが提案されている。
ここで、有声・無声判定部9は音声信号の有声音の区
間と無声音の区間とを識別し、ピッチ周期抽出部2は有
声音の区間において音声信号のピッチ周期を抽出し、時
間軸圧縮部1は複数ピッチ周期分の音声信号から1ピッ
チ周期分を取り出して伝送し、間引き部7は無声音の区
間において複数サンプル周期分の音声信号から1サンプ
ル周期分を取り出して伝送するもので、時間軸伸張部6
は有声音について1ピッチ周期分の信号から元の複数ピ
ッチ周期分に伸張し、補間部8は無声音について1サン
プル周期分の信号から元の複数サンプル周期分に伸張す
るものである。
そして、この第9図に示すものでは、音声信号の有声
音の区間と無声音の区間とを識別し、音声信号の有声音
の区間においては、送信側でピッチ周期を抽出して複数
ピッチ周期分の音声信号から1ピッチ周期分を取り出す
ことによって時間軸方向の圧縮を行なって送出し、受信
側で伝送された1ピッチ周期分の信号から元の複数ピッ
チ周期分に時間軸方向に伸張する。
なお、送信側へ入力された音声信号(有声音)のスペ
クトラム分布を示すと、第10図(a)のようになり、時
間軸圧縮されたあとの音声信号(有声音)のスペクトラ
ム分布を示すと、第10図(b)のようになる。
一方、無声音の区間においては、送信側で複数サンプ
ル周期分の音声信号から1サンプル周期分を取り出すこ
とによって時間軸方向の圧縮を行なって送出し、受信側
で伝送された1サンプル周期分の信号から元の複数サン
プル周期分に時間軸方向に伸張する。
ここで、送信側へ入力された音声信号(無声音)のス
ペクトラム分布を示すと、第11図(a)のようになり、
時間軸圧縮されたあとの音声信号(無声音)のスペクト
ラム分布を示すと、第11図(b)のようになる。
また、上記のように音声信号の有声音と無声音とで時
間軸圧縮・伸張手法を変えて行なうものに、上記の帯域
分割符号化処理を単に組み合わせることも考えられる
が、この場合は時間軸圧縮された信号の有声音部のスペ
クトラム[第10図(b)参照]と無声音部のスペクトラ
ム[第11図(b)参照]との違いを考慮していないた
め、無声音部で品質劣化を生じてしまうという問題点が
ある。
本発明は、このような問題点を解決しようとするもの
で、音声信号の有声音と無声音とで時間軸圧縮・伸張手
法を変えて行なうものに、帯域分割符号化処理を組み合
わせた場合において、時間軸圧縮された信号の有声音部
のスペクトラムと無声音部のスペクトラムとの違いを考
慮した帯域分割符号化処理を施すことにより、高い品質
の符号化音声を得るとともに、このようにして得られた
符号化音声の復号を行なえるようにした、音声符号化伝
送装置並びに音声符号化装置及び音声復号化装置を提供
することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は本発明の原理ブロック図である。
本発明は、第1図に示すごとく、音声信号を帯域圧縮
符号化して伝送し、伝送された符号を復号する音声符号
化伝送装置において、送信側に、有声・無声判定部9,ピ
ッチ周期抽出部2,時間軸圧縮部1,間引き部7,帯域分割フ
ィルタ10,帯域分割符号化部3,符号化用情報量制御部11
をそなえるとともに、受信側に、帯域分割復号化部5,復
号化用情報量制御部12,帯域合成フィルタ13,時間軸伸張
部6,補間部8をそなえている。
ここで、有声・無声判定部9は音声信号の有声音の区
間と無声音の区間とを識別するもので、ピッチ周期抽出
部2は有声音の区間において音声信号のピッチ周期を抽
出するもので、時間軸圧縮部1は複数のピッチ周期分の
音声信号から1ピッチ周期分を取り出すもので、間引き
部7は無声音の区間において複数サンプル周期分の音声
信号から1サンプル周期分を取り出すものである。
また、帯域分割フィルタ10は時間軸圧縮部1からの信
号および間引き部7からの信号をそれぞれ複数の帯域ご
との信号に分離するもので、帯域分割符号化部3は帯域
分割フィルタ10からの各帯域ごとの信号について帯域ご
とに割り当てられた所要の情報量に基づき符号化を行な
う複数の符号化部31,32,33を有するもので、符号化用情
報量制御部11は有声・無声判定部9からの識別結果に基
づき帯域分割符号化部3の各符号化部31〜33で使用する
帯域ごとの情報量の割当量を、音声信号の有声音の区間
では有声音に適した割当量となるように制御するととも
に、音声信号の無声音の区間では無声音に適した割当量
となるように制御するものである。
さらに、帯域分割復号化部5は帯域分割符号化部3か
らの各帯域ごとの符号化信号について帯域ごとに割り当
てられた所要の情報量に基づき復号化を行なう複数の復
号化部51,52,53を有するもので、復号化用情報量制御部
12は帯域分割復号化部5の各復号化部51〜53で使用する
帯域ごとの情報量の割当量を、音声信号の有声音の区間
では有声音に適した割当量となるように制御するととも
に、音声信号の無声音の区間では無声音に適した割当量
となるように制御するもので、帯域合成フィルタ13は帯
域分割復号化部5からの各帯域ごとの信号について帯域
合成するものである。
さらにまた、時間軸伸張部6は帯域合成フィルタ13か
らの信号のうち有声音について1ピッチ周期分の信号か
ら元の複数ピッチ周期分に伸張するもので、補間部8は
帯域合成フィルタ13からの信号のうち無声音について1
ピッチ周期分の信号から元の複数ピッチ周期分にサンプ
ル周期単位で伸張するものである。
なお、第1図に示す音声符号化伝送装置の送信側とし
ての機能のみを有する音声符号化装置や、第1図に示す
音声符号化伝送装置の受信側としての機能のみを有する
音声復号化装置を構成することもできる。
即ち、音声符号化装置は、音声信号を帯域圧縮符号化
して送信するものであり、上述した有声・無声判定部9,
ピッチ周期抽出部2,時間軸圧縮部1,間引き部7,帯域分割
フィルタ10,帯域分割符号化部3,符号化用情報量制御部1
1と同様の機能部をそなえてなる。
また、音声復号化装置は、帯域圧縮符号化されて伝送
された音声信号を受信して復号するものであり、上述し
た帯域分割復号化部5,復号化用情報量制御部12,帯域合
成フィルタ13,時間軸伸張部6,補間部8と同様の機能部
をそなえてなる。このときは、帯域分割復号化部5は、
複数のピッチ周期分の音声信号から1ピッチ周期分を取
り出す時間軸圧縮処理及び無声音の区間において複数サ
ンプル周期分の音声信号から1サンプル周期分を取り出
す間引き処理が施されるとともに帯域ごとに割り当てら
れた所要の情報量に基づき符号化された各帯域ごとの信
号について、帯域ごとに割り当てられた所要の情報量に
基づき復号化を行なう複数の復号化部51,52,53を有する
ことになる。
〔作 用〕
このような構成により、音声符号化伝送装置において
は、送信側では、音声信号の有声音部が時間軸圧縮部1
で時間軸圧縮されるとともに、音声信号の無声音部が間
引き部7で適宜間引かれて同様に時間軸圧縮されたあ
と、帯域分割フィルタ10で、有声音,無声音の各信号が
複数の帯域ごとの信号に分割され、その後は、帯域分割
符号化部3の符号化部31〜33で、各帯域ごとの信号につ
いて帯域ごとに割り当てられた所要の情報量に基づき符
号化が行なわれる。このとき、符号化用情報量制御部11
の作用により、有声・無声判定部9からの識別結果に基
づき、有声音と無声音とで、帯域分割符号化部3の各符
号化部31〜33で使用する帯域ごとの情報量の割当量を変
えるように制御する。
そして、受信側では、帯域分割復号化部5の各復号化
部51〜53で、帯域分割符号化部3からの各帯域ごとの符
号化信号について帯域ごとに割り当てられた所要の情報
量に基づき復号化が施される。このとき、復号化用情報
量制御部12の作用により、有声音と無声音とで、帯域分
割復号化部5の各復号化部51〜53で使用する帯域ごとの
情報量の割当量を変えるように制御する。
その後は、帯域合成フィルタ13で、帯域分割復号化部
5からの各帯域ごとの信号について帯域合成し、更に帯
域合成フィルタ13からの信号のうち有声音については、
時間軸伸張部6で、1ピッチ周期分の信号から元の複数
ピッチ周期分に伸張されるとともに、帯域合成フィルタ
13からの信号のうち無声音については、補間部8で、1
ピッチ周期分の信号から元の複数ピッチ周期分に伸張さ
れる。
なお、音声符号化装置においては、音声符号化伝送装
置の送信側と同様の動作が行なわれ、音声復号化装置に
おいては、音声符号化伝送装置の受信側と同様の動作が
行なわれる。
〔実 施 例〕
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第2図は本発明の一実施例を示すブロック図である
が、この第2図において、第1図と同じ符号は同じ部分
を示しているので、実施例として少し詳細に説明する必
要のあるものを除いては、その詳細な説明は省略する。
さて、この音声符号化伝送装置は、第2図に示すごと
く、送信側に、ピッチ周期抽出・有声・無声判定部18,
時間軸圧縮部1,間引き部7,帯域分割フィルタ10,帯域分
割符号化部3,符号化用情報量制御部11,スイッチ14A,14
B,多重化部(マルチプレクサ)16をそなえるとともに、
送信側に、帯域分割復号化部5,復号化用情報量制御部1
2,帯域合成フィルタ13,時間軸伸張部6,補間部8,スイッ
チ15A,15B,分離部(デマルチプレクサ)17をそなえてい
る。
ここで、ピッチ周期抽出・有声・無声判定部18は、ピ
ッチ周期抽出と有声・無声判定との両機能を有するもの
で、第3図に示すごとく、共分散算出部181,最大値検出
部182,共分散閾値設定部183,比較部184,判定部185を有
している。
このような構成のピッチ周期抽出・有声・無声判定部
18は、入力S(n)の周期性を検出して、周期性が大き
い有声音の部分に対してはそのピッチ周期P=p(pは
ピッチ周期に対応するサンプリング周期数)を抽出して
出力し、周期性が小さい無声音の部分に対してはピッチ
周期P=1を出力する。
そして、この場合におけるピッチ周期の抽出は次のよ
うにして行なわれる。すなわち共分散算出部181が、入
力S(n)に対して、(3)式で定義される共分散をM1
次からM2次まで算出する。
ここで、通常はM1=16,M2=200程度である。
そして、最大値検出部182により、このようにして求
められたC(M1)〜C(M2)のうちの最大値max C
(i)(i=M1〜M2)を検出して、共分散値C(P)と
する。ここでPはピッチ周期である。
このようにして検出された共分散値C(P)は比較部
184に入力され、共分散閾値設定部183に設定された一定
の閾値Cthと比較される。比較部184は、C(P)<Cth
またはC(P)≧Cthに応じて出力を発生する。ここ
で、C(P)<Cthならば周期性が小さいので無声音で
あり、C(P)≧Cthならば周期性が大きいので有声音
であるから、判定部185は比較部184の出力に応じて無声
音、有声音の判定を行なって、有声音の場合にピッチ周
期P=pを出力し、無声音の場合はP=1を出力する。
なお、この場合、共分散閾値設定部183に設定される
閾値Cthの値は、通常0.3〜0.6程度である。
また、時間軸圧縮部1は複数のピッチ周期分の音声信
号から1ピッチ周期分を取り出すもので、この時間軸圧
縮の処理要領は第8図(a)の場合と同じある。
間引き部7は無声音の区間において複数サンプル周期
分の音声信号から1サンプル周期分を取り出すものであ
るが、間引き部7での間引き処理について簡単に説明す
る。即ち、この間引き処理においては、(4)式に示す
ように2サンプリング周期の音声信号の平均値によっ
て、1サンプリング周期の圧縮信号Sc(n)を発生する
ことによって、1/2に圧縮された圧縮信号Sc(n)を得
る。
Sc(i)={S(i)+S(i+1)}/2 …(4) 第6図(a)はこのような処理を模式的に示してい
る。
また、スイッチ14A,14B;15A,15Bは、ピッチ周期抽出
・有声・無声判定部18から信号を受けて、ピッチ周期P
≠1のとき(有声音のとき)に、時間軸圧縮部1,時間軸
伸張部6の側に切り替えられ、ピッチ周期P=1のとき
(無声音のとき)に、間引き部7,補間部8の側に切り替
えられるものである。なお、ピッチ周期P=1は音声の
サンプリング周期によって処理を行なうことを意味す
る。
また、帯域分割フィルタ10は時間軸圧縮部1からの信
号および間引き部7からの信号をそれぞれ複数の帯域ご
との信号に分割するもので、このために、この帯域分割
フィルタ10はいくつかのフィルタ部分をもったフィルタ
バンクとして構成されている。
帯域分割符号化部3は帯域分割フィルタ10からの各帯
域ごとの信号について帯域ごとに割り当てられた所要の
情報量(量子化ビット数)に基づき予測符号化(量子
化)を行なう複数の予測符号化部31,32,33を有するもの
で、各予測符号化部31,32,33での符号化に際しては、符
号化用情報量制御部11の作用により、ピチ周期抽出・有
声・無声判定部18からの識別結果に基づき、有声音と無
声音とで、帯域分割符号化部3の各予測符号化部31〜33
で使用する帯域ごとの情報量(量子化ビット数)の割当
量を変えるように制御する。
例えば、第4図(a)のように時間軸圧縮された有声
音については、第4図(b)に示すごとく、低域ほど割
当ビット数を多くする一方、第5図(a)のように間引
きされた無声音については、第5図(b)に示すごと
く、低域でも高域でも割当ビット数を同じにする。
即ち、符号化用情報量制御部11により、ピッチ周期抽
出・有声・無声判定部18からの識別結果に基づき、帯域
分割符号化部3の各予測符号化部31〜33で使用する帯域
ごとの情報量の割当量を、音声信号の有声音の区間では
有声音に適した割当量となるように制御するとともに、
音声信号の無声音の区間では無声音に適した割当量とな
るように制御するのである。
また、多重化部16は、各予測符号化部31〜33で符号化
された信号を多重化して伝送路4へ送出するものであ
る。
ところで、受信側における分離部17は、伝送路4上を
送られてくる信号を順次分離して帯域分割復号化部5の
各予測復号化部51〜53へ振り分けるものである。
また、帯域分割復号化部5は帯域分割符号化部3から
の各帯域ごとの符号化信号について帯域ごとに割り当て
られた所要の情報量(逆量子化ビット数)に基づき復号
化を行なう複数の予測復号化部51,52,53を有するもの
で、各予測復号化部51,52,53での復号化に際しては、復
号化用情報量制御部12の作用により、有声音と無声音と
で、立息分割復号化部5の各予測復号化部51〜53で使用
する帯域ごとの情報量(逆量子化ビット数)の割当量を
変えるように制御する。
例えば、有声音については、第4図(b)に示したも
のと同様にして、低域ほど割当ビット数を多くする一
方、無声音については、第5図(b)に示したものと同
様にして、低域でも高域でも割当ビット数を同じにす
る。
即ち、復号化用情報量制御部12により、帯域分割復号
化部5の各予測符号化部51〜53で使用する帯域ごとの情
報量の割当量を、音声信号の有声音の区間では有声音に
適した割当量となるように制御するとともに、音声信号
の無声音の区間では無声音に適した割当量となるように
制御するのである。
また、帯域合成フィルタ13は帯域分割復号化部5から
の各帯域ごとの信号について帯域合成するもので、この
ために、この帯域合成フィルタ13もいくつかのフィルタ
部分をもったフィルタバンクとして構成されている。
さらに、時間軸伸張部6は帯域合成フィルタ13からの
信号のうち有声音について1ピッチ周期分の信号から元
の複数ピッチ周期分に伸張するもので、この時間軸伸張
の処理要領は第8図(b)の場合と同じある。
補間部8は帯域合成フィルタ13からの信号のうち無声
音について1ピッチ周期分の信号から元の複数ピッチ周
期分に伸張するものであるが、この補間部8において
は、圧縮再生信号c(i)に対して1サンプリング周
期後の信号を用いて、(5),(6)式に従って補間処
理を行なって、1サンプリング周期の圧縮再生信号c
(n)から2サンプリング周期の再生出力S(n)を発
生することによって、もとの時間幅に伸張する。
Sc(2i−1)={Sc(i−1)+3・Sc(i)}/4 …(5) Sc(2i)={3・Sc(i)+3・Sc(i+1)}/4 …(6) 第6図(b)は、このような処理を模式的に示してい
る。
上述の構成により、送信側では、音声信号の有声音部
が時間軸圧縮部1で時間軸圧縮されるとともに、音声信
号の無声音部が間引き部7で適宜間引かれて同様に時間
軸圧縮されたあと、帯域分割フィルタ10で、有声音,無
声音の各信号が複数の帯域ごとの信号に分割され、その
後は、帯域分割符号化部3の予測符号化部31〜33で、各
帯域ごとの信号について帯域ごとに割り当てられた所要
の量子化ビット数に基づき予測符号化が行なわれる。こ
のとき、符号化用情報量制御部11の作用により、ピッチ
周期抽出・有声・無声判定部18からの識別結果に基づ
き、有声音と無声音とで、帯域分割符号化部3の各符号
化部31〜33で使用する帯域ごとの量子化ビット数の割当
量を変えるように制御する[第4図(b)および第5図
(b)参照]。
このようにして符号化された信号は多重化部16で多重
されて伝送路4を介して受信側へ送られる。
そして、受信側では、分離部17で信号を分離したの
ち、帯域分割復号化部5の各予測復号化部51〜53で、帯
域分割符号化部3からの各帯域ごとの符号化信号につい
て帯域ごとに割り当てられた所要の逆量子化ビット数に
基づき復号化が施される。このとき、復号化用情報量制
御部12の作用により、有声音と無声音とで、帯域分割復
号化部5の各予測復号化部51〜53で使用する帯域ごとの
逆量子化ビット数の割当量を符号化の場合と同様にして
変える。
その後は、帯域合成フィルタ13で、帯域分割復号化部
5からの各帯域ごとの信号について帯域合成し、更に帯
域合成フィルタ13からの信号のうち有声音については時
間軸伸張部6で、1ピッチ周期分の信号から元の複数ピ
ッチ周期分に伸張されるとともに、帯域合成フィルタ13
からの信号のうち無声音については、補間部8で、1ピ
ッチ周期分の信号から元の複数ピッチ周期分に伸張され
る。
このように音声信号の有声音と無声音とで時間軸圧縮
・伸張手法を変えて行なうものに、帯域分割符号化処理
を組み合わせた場合において、時間軸圧縮された信号の
有声音部のスペクトラムと無声音部のスペクトラムとの
違いを考慮して、有声音及び無声音のそれぞれに適した
帯域分割符号化処理を施すことにより、高い品質の符号
化音声が得られるのである。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明の音声符号化伝送装置並
びに音声符号化装置及び音声復号化装置によれば、音声
信号の有声音と無声音とで時間軸圧縮・伸張手法を変え
て行なうものに、帯域分割符号化処理を組み合わせた場
合において、時間軸圧縮された信号の有声音部のスペク
トラムと無声音部のスペクトラムとの違いを考慮して、
帯域ごとの情報量の割当量を、音声信号の有声音の区間
では有声音に適した割当量となるように制御するととも
に、音声信号の無声音の区間では無声音に適した割当量
となるように制御することが行なわれるので、高い品質
の符号化音声を得るとともに、このようにして得られた
符号化音声の復号を行なえ、その結果、再生音全体の明
瞭度向上にも寄与しうる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理ブロック図、 第2図は本発明の一実施例を示すブロック図、 第3図はピッチ周期抽出・有声・無声判定部の構成例を
示す図、 第4図は有声音についての符号化・復号化の要領を説明
する図、 第5図は無声音についての符号化・復号化の要領を説明
する図、 第6図(a),(b)はそれぞれ間引き部と補間部の処
理を説明する図、 第7図は従来の符号化伝送装置を示すブロック図、 第8図は時間軸圧縮と時間軸伸張の処理を説明する図、 第9図は従来の他の符号化伝送装置を示すブロック図、 第10図は有声音についての時間軸圧縮の要領を説明する
図、 第11図は無声音についての間引きの要領を説明する図で
ある。 図において、 1は時間軸圧縮部、 2はピッチ周期抽出部、 3は帯域分割符号化部、 4は伝送路、 5は帯域分割復号化部、 6は時間軸伸張部、 7は間引き部、 8は補間部、 9は有声・無声判定部、 10は帯域分割フィルタ、 11は符号化用情報量制御部、 12は復号化用情報量制御部、 13は帯域合成フィルタ、 14A,14B,15A,15Bはスイッチ、 16は多重化部、 17は分離部、 18はピッチ周期抽出・有声・無声判定部、 31〜33は予測符号化部(符号化部)、 51〜53は予測復号化部(復号化部)、 181は共分散算出部、 182は最大値検出部、 183は共分散閾値設定部、 184は比較部、 185は判定部である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海上 重之 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 伊勢旧 外4名「時間軸圧縮符号化を 組み合わせたADPCM−MQ(TC− MQ)」信学技報 SP87−9,PP9 −15,(1987年5月).

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音声信号を帯域圧縮符号化して伝送し、伝
    送された符号を復号する音声符号化伝送装置において、 音声信号の有声音の区間と無声音の区間とを識別する有
    声・無声判定部と、 該有声音の区間において音声信号のピッチ周期を抽出す
    るピッチ周期抽出部と、 複数の該ピッチ周期分の音声信号から1ピッチ周期分を
    取り出す時間軸圧縮部と、 該無声音の区間において複数サンプル周期分の音声信号
    から1サンプル周期分を取り出す間引き部と、 該時間軸圧縮部からの信号および該間引き部からの信号
    をそれぞれ複数の帯域ごとの信号に分割する帯域分割フ
    ィルタと、 該帯域分割フィルタからの各帯域ごとの信号について帯
    域ごとに割り当てられた所要の情報量に基づき符号化を
    行なう複数の符号化部を有する帯域分割符号化部と、 該有声・無声判定部からの識別結果に基づき該帯域分割
    符号化部の該各符号化部で使用する帯域ごとの情報量の
    割当量を、上記音声信号の有声音の区間では該有声音に
    適した割当量となるように制御するとともに、上記音声
    信号の無声音の区間では該無声音に適した割当量となる
    ように制御する符号化用情報量制御部とを送信側にそな
    えるとともに、 該帯域分割符号化部からの各帯域ごとの符号化信号につ
    いて帯域ごとに割り当てられた所要の情報量に基づき復
    号化を行なう複数の復号化部を有する帯域分割復号化部
    と、 該帯域分割復号化部の該各復号化部で使用する帯域ごと
    の情報量の割当量を、上記音声信号の有声音の区間では
    該有声音に適した割当量となるように制御するととも
    に、上記音声信号の無声音の区間では該無声音に適した
    割当量となるように制御する復号化用情報量制御部と、 該帯域分割復号化部からの各帯域ごとの信号について帯
    域合成する帯域合成フィルタと、 該帯域合成フィルタからの信号のうち有声音について該
    1ピッチ周期分の信号から元の複数ピッチ周期分に伸張
    する時間軸伸張部と、 該帯域合成フィルタからの信号のうち無声音について該
    1ピッチ周期分の信号から元の複数ピッチ周期分にサン
    プル周期単位で伸張する補間部とを受信側にそなえてな
    ることを 特徴とする、音声符号化伝送装置。
  2. 【請求項2】音声信号を帯域圧縮符号化して送信する音
    声符号化装置において、 音声信号の有声音の区間と無声音の区間とを識別する音
    声・無声判定部と、 該有声音の区間において音声信号のピッチ周期を抽出す
    るピッチ周期抽出部と、 複数の該ピッチ周期分の音声信号から1ピッチ周期分を
    取り出す時間軸圧縮部と、 該無声音の区間において複数サンプル周期分の音声信号
    から1サンプル周期分を取り出す間引き部と、 該時間軸圧縮部からの信号および該間引き部からの信号
    をそれぞれ複数の帯域ごとの信号に分割する帯域分割フ
    ィルタと、 該帯域分割フィルタからの各帯域ごとの信号について帯
    域ごとに割り当てられた所要の情報量に基づき符号化を
    行なう複数の符号化部を有する帯域分割符号化部と、 該有声・無声判定部からの識別結果に基づき該帯域分割
    符号化部の該各符号化部で使用する帯域ごとの情報量の
    割当量を、上記音声信号の有声音の区間では該有声音に
    適した割当量となるように制御するとともに、上記音声
    信号の無声音の区間では該無声音に適した割当量となる
    ように制御する符号化用情報量制御部とをそなえてなる
    ことを 特徴とする、音声符号化装置。
  3. 【請求項3】帯域圧縮符号化されて伝送された音声信号
    を受信して復号する音声復号化装置において、 複数のピッチ周期分の音声信号から1ピッチ周期分を取
    り出す時間軸圧縮処理及び無声音の区間において複数サ
    ンプル周期分の音声信号から1サンプル周期分を取り出
    す間引き処理が施されるとともに帯域ごとに割り当てら
    れた所要の情報量に基づき符号化された各帯域ごとの信
    号について、帯域ごとに割り当てられた所要の情報量に
    基づき復号化を行なう複数の復号化部を有する帯域分割
    復号化部と、 該帯域分割復号化部の該各復号化部で使用する帯域ごと
    の情報量の割当量を、上記音声信号の有声音の区間では
    該有声音に適した割当量となるように制御するととも
    に、上記音声信号の無音声の区間では該無声音に適した
    割当量となるように制御する復号化用情報量制御部と、 該帯域分割復号化部からの各帯域ごとの信号について帯
    域合成する帯域合成フィルタと、 該帯域合成フィルタからの信号のうち有声音について該
    1ピッチ周期分の信号から元の複数ピッチ周期分に伸張
    する時間軸伸張部と、 該帯域合成フィルタからの信号のうち無声音について該
    1ピッチ周期分の信号から元の複数ピッチ周期分にサン
    プル周期単位で伸張する補間部とをそなえてなることを 特徴とする、音声復号化装置。
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