JP2743256B2 - データ圧縮方法 - Google Patents

データ圧縮方法

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JP2743256B2
JP2743256B2 JP7065732A JP6573295A JP2743256B2 JP 2743256 B2 JP2743256 B2 JP 2743256B2 JP 7065732 A JP7065732 A JP 7065732A JP 6573295 A JP6573295 A JP 6573295A JP 2743256 B2 JP2743256 B2 JP 2743256B2
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幹夫 長澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば3次元にデー
タを有するボリュームデータを圧縮するデータ圧縮方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、マルチメディア通信の主役とし
て、音声や画像の高効率通信が研究されている。この中
で、仮想現実感の実現や、遠隔協調科学シミュレーショ
ンの実現には、三次元以上の高次元多変量データの通信
が必要となってくる。特に、Gbit/sクラスの高速
通信網が整備されると、医療品設計に遺伝子や分子原子
の三次元構造データや、遠隔医療の診断に、「CT−S
can」や核磁気共鳴の断層写真から得られたボクセル
を参照したりする大型データアクセスが頻繁に行われる
ことになる。
【0003】しかしながら、現状の科学シミュレーショ
ンが扱うような、数百Mバイトの高次元データを、最大
解像度で生成・転送することには、スーパーコンピュー
ターの高速バス程度の通信帯域が要求されてしまう。そ
のため、高次元科学データの特性を活かした、圧縮方式
の開発が必要となってきている。
【0004】三次元ビデオゲームなどにおいては、幾何
学的オブジェクトの多くは、ポリゴン(多面体)の集合
によって表現されている。そのため、グラフィックスワ
ークステーションにおいて、このポリゴン処理を最適化
する装置設計がなされている。ポリゴンデータは、グラ
フィックスワークステーションでのハードウエアによる
高速処理の研究が進んでいるが、三次元科学シミュレー
ション出力の多くは、ポリゴン集合ではなく、ボリュー
ムデータをそのままの形、つまり三次元スカラー配列ρ
(I,J,K)として表現することが多い。
【0005】その、ボリュームデータとは、密度や温度
のスカラーデータ,速度場や電磁場のベクターデータ,
医学分野の核磁気共鳴ボクセルデータなどである。三次
元科学データの多くは、ポリゴンでなく、ボリュームデ
ータとして表現されることが多い。これらの大規模デー
タも、もし、ボリュームデータの標準表現と効率的な圧
縮方法があれば、ネットワーク環境でのマルチメディア
の中で、重要なメディアの一つとして利用できるように
なる。
【0006】これらのデータ圧縮の技術として、ファク
シミリ伝送で応用されているランレンクス法や、二次元
画像圧縮に用いられる離散コサイン変換などがある。こ
こで、三次元配列で表現される画像データを圧縮する場
合、上述した二次元の圧縮方法を三次元に拡張すること
で対応する方法が考えられる。また、粒子座標を用いて
標本点を生成する(粒子配置する)方法がある。これ
は、三次元データの場合、半径一定の球が二体間力に基
づいて運動する過程を計算し、この力が均衡した状態で
の球の中心座標を、標本点位置とする方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来は以上のように構
成されていたので、まず、二次元画像圧縮に用いられて
いる手法をそのまま三次元問題に用いる場合、二次元問
題と三次元問題でアルゴリズムの複雑性が大きく変化し
てしまうという問題があった。従来の圧縮では、隣あう
データの関連を用いているが、そのデータの順が問題と
なる。三次元,四次元と次元が増えればその隣のデータ
が増えることになり、それらが綺麗にならんでいないと
適用しにくいものとなる。例えば、多面体構造などの非
構造格子のボリュームデータでは、隣が定義しにくく、
このような場合、上述の手法は適用しにくいものとな
る。
【0008】また、それらの従来の手法では、要素の大
きさが固定化されているため、連続的に制御できないと
いう問題があった。そして、有効な再分割法が考慮され
ていないという問題があった。従来では、あるパラメー
タ(判定条件)を与えると、結果として70%なり50
%に圧縮されていた。ここで、従来では、「50%に圧
縮する」ということができない。一方、粒子座標を用い
る標本点生成方式では、ある領域内に標本点を均等に配
置する方式としては、有効であるが、特定の領域の解像
度を抑制するような、適合型の標本点配置を得る方式に
はなっていないという問題があった。
【0009】この発明は、以上のような問題点を解消す
るためになされたものであり、異なる次元においても、
アルゴリズムの複雑性が変化することなく、要素の大き
さを連続的に制御して、必要な部分の解像度は保持した
ままデータを圧縮できるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明のデータ圧縮方
法は、標本点に対応させた粒子を、元データの大きい領
域では大きい負の値を持つ関数形のポテンシャルの勾配
に比例する力,粒子間の斥力,および,速度抵抗を受け
て運動するものと仮定したポテンシャル理論による運動
方程式に基づいて模擬的に緩和運動させて統計的に平均
化された配置とし、このときの粒子の配置状態により標
本点の座標と間隔を決定することを特徴とする。また、
標本点の間隔に相当する粒子の半径を、近傍の平均場勾
配の特徴スケールを利用した粒子のポテンシャルの局所
的な勾配率により決定することを特徴とする。
【0011】
【作用】ポテンシャル理論による運動方程式に基づい
て、標本点に対応する粒子を緩和運動させるので、その
配置が平均化される。その結果、ゆがみの少ない粒子配
置が得られる。また、粒子の半径が、変化率の大きい領
域に対応して変化するので、必要とされる領域では高い
解像度が保持される。
【0012】
【実施例】以下、この発明の1実施例を説明する前に、
この発明の概要について説明する。この発明において
は、前述した高次元データ表現とその圧縮に関し、平滑
粒子によるクラスター表現を用いるようにしたものであ
る。これは、ある与えられた変数に対する元々の配列表
現から、いくつかの圧縮解像度レベルで、ボリュームデ
ータを得るものである。
【0013】ボリュームデータを表現するマクロスコピ
ックなモデルは数多い。これらのモデルは一般に、ボリ
ュームが直交ボクセルに分けられるオイラー形式か、デ
ータ値を粒子分布に割り当てるラグランジ形式を用い
る。また、最近では、ウエーブレット変換が二次元画像
圧縮に用いられている。そのようなスペクトル法の一種
では、関数系の表現が使われる。この発明によるクラス
ター表現で使う平滑粒子も、その核関数の性質が位置座
標と広がりのパラメータをもつ孤立波である点で類似す
る。
【0014】ただし、ウエーブレットの関数系が、純数
学的な基底をなすのに対し、平滑粒子は物理的かつ統計
的な意味付けがなされる。これらは、確率分布関数に対
応する。つまり、比較的一様なデータを主な対象とする
ボクセル表現に対して、平滑粒子によるクラスター表現
は、例えば、「分裂片」,「中空」,「自由表面」,あ
るいは,「多成分系」といった複雑な三次元データ構造
(三次元体積データ)を扱える柔軟性を備えている。
【0015】クラスター表現では、まず第1に、与えら
れたボリュームデータ内に、半径一定の平滑粒子を任意
分布させる。次いで、第2に、高い解像度を要求される
領域に分布する平滑粒子の半径を縮小し、より多くの粒
子を集めてクラスター化する。次いで、第3に、粒子が
従う仮想的な運動方程式を数値積分することにより、粒
子位置と半径の安定状態へ緩和させる。これは、鍵とな
るステップであり、粒子同士に2体間の斥力と粘性抵抗
が働くと仮定するところの、粒子分布の緩和過程計算で
ある。そして、第4に、得られた粒子のクラスター表現
から、統計期待値として、参照したいボリュームデータ
値を算出する。
【0016】このクラスター表現では、図1に示すよう
に、最初、ボリュームデータ(図1(a))は、空間的
に広がりをもつN個の平滑粒子の集合として扱われる
(図1(b))。図1は、高次元データの表現形態を示
す斜視図であり、(a)はボクセルデータによるボリュ
ームデータの表現を示し、(b)は平滑粒子クラスター
による表現を示す。平滑粒子は、等しく分配された仮想
質量m0 =M/Nと存在確率の内部分布関数W(x,
h)を持つ。これらの粒子は、ラグランジ座標系を運動
し、図2に示すように、その粒子x1 ,x2 ,〜,xn
の分布から、オイラー座標系でのボリュームデータ値2
1の期待値〈ρ〉が算出される。
【0017】粒子が、全くのミクロな点である場合に
は、原理的には1023個もの分子動力学の計算結果とし
て、気体の熱力学的なボリュームデータ値が求められる
ことになる。一方、平滑粒子は、マクロスコピックな存
在であり、標本要素あるいは、統計的確率分布と呼べる
ものである。数学的には、平滑化粒子の核関数W(x,
h)の重ね合わせによって、ボリュームデータの期待値
〈ρ〉が以下の数1により計算される。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、確率の正規化条件は、以下の数2
となる。
【0020】
【数2】
【0021】また、離散系における積分は、以下の数3
のように、モンテカルロ法と同様に得られる。
【0022】
【数3】
【0023】ただし、Mは以下の数4で計算される。
【0024】
【数4】
【0025】ここで、i番目の粒子の重心位置でのボリ
ュームデータの期待値がρi で、これは近傍の粒子から
の重ね合わせの寄与を受けている。hi はi番目粒子の
平滑半径(図2)である。クラスター表現では、通常の
格子点間の補間計算は必要がないため、着目する標本点
が格子の変形交差の影響を受けたり、非線形の変形によ
る誤差などの拡大を被ることがない。したがって、クラ
スター表現は、不均一で変形した高次元データの表現に
適しているともいえる。
【0026】以下、符号化について説明する。元データ
であるボクセルデータ(ボリュームデータ)を圧縮する
ために、平滑粒子クラスターによる表現を得る符号化の
(標本点の設定をする)過程において、まず、与えられ
たボリュームデータ領域に対して、平滑粒子の適切な位
置決定を行わなくてはならない。このために、標本点に
相当する平滑粒子は、ポテンシャル力と2体間の斥力、
そして粘性減衰力が作用するとして、それらの運動をシ
ミュレートすることになる。また、この運動方程式系を
閉じさせるために、平滑粒子の物性を決める構成方程式
と、外場となるポテンシャルが必要である。
【0027】このポテンシャルについては、以下の数5
に示すように、符号化すべきボリュームデータρ(x)
をソース項とするポアソンの方程式を解くことによって
決定する。
【0028】
【数5】
【0029】このポテンシャル相互作用を用いることに
よって、複雑な表面計算などが不要となり、非常に一般
的な形で表面条件を取り扱うことが可能になる。平滑粒
子の構成方程式は、ボリュームデータ自体の分布の特徴
を、粒子分布の特徴として反映できるように決定すべき
である。この特徴抽出を可能にするために、隣同士が必
ず重なり合う部分を持ち、ここの平滑粒子の圧縮度に影
響する圧縮パラメータを導入する。これは、粒子ガスの
物理シミュレーションの場合の比熱比に相当するパラメ
ータである。つまり、粒子間斥力となる圧力項を、ポリ
トロピック気体の状態方程式に従うものと仮定し、以下
の数6に示すように、ポリトロピック指数pを用いる。
【0030】
【数6】
【0031】したがって、平滑粒子クラスター表現によ
る符号化は、ρ0 ,pそしてP0 といったパラメータに
依存することになる。ボリュームデータが一様な値を持
つような単純な場合は、この指数pを0とする指定が、
最も適切な符号化を可能とする。なぜなら、ポリトロピ
ック指数p=0は、非圧縮流体の性質をあらわしてお
り、強い圧力勾配力によって、粒子分布もまた均一にな
らざるを得ないからである。
【0032】この場合、ボリュームデータの持つ主な情
報量は、表面構造として現れることになる。指数pを大
きくしていった場合、圧縮性の高い気体が部分的に高密
度の領域を持つことに相当するため、ボリュームデータ
の解像度は、平滑粒子の集中度という形でより深く連続
的な階層構造を持って適合化される。このような性質を
付与された平滑粒子に対する運動方程式は、以下の数7
のようになる。
【0033】
【数7】
【0034】ここで、xj とvj は、各々j番目の粒子
の位置および移動速度である。また、右辺第1項は、粒
子間斥力を起こす圧力勾配、第2項は、数5より得られ
るポテンシャル力である。また、粒子は、緩和過程を経
て、最適配置に落ち着く。このための粘性減衰力が右辺
第3項であり、収束の早さを係数εで制御する。
【0035】次に、復号化について説明する。平滑粒子
クラスター表現から、ボリュームデータを復号するに
は、粒子分布から得られるボクセル上の重みを計算する
ことになる。これにはいくつかの方法がある。最も単純
な方法は、ボクセル内に位置する粒子が持つデータ値を
積算するだけである。
【0036】これに加えて、一次精度の方法では、ボク
セル格子点と粒子座標の距離を考慮した重み付けをし
て、粒子の持つデータ値を各ボクセルに配分する。更
に、二次精度の場合には、粒子位置とボクセル境界で作
るサブボクセルの体積比に応じて、値を配分することに
なる。平滑粒子クラスターからの期待値の求め方は、粒
子とボクセルとの位置でなく、任意の空間座標で期待値
の得られる統計平均の手法に依っている。
【0037】平滑粒子による表現のデータセット{(m
0 ,xi ,hi ,)|i=1,N}から、任意の空間位
置xでのデータ値の復号化は、以下の数8に示す積分計
算によりなされる。
【0038】
【数8】
【0039】この表現変換の特徴として、平滑粒子クラ
スターは、系の積分不変量を保存することができるとい
う性質がある。一般には、符号化と復号化にともなう内
挿補間計算には、数値誤差が入り込む。ところが、平滑
粒子クラスター表現は、局所的な補間誤差とは独立に、
ボリュームデータの復号化が可能となる。例えば、ボリ
ュームデータが質量密度をあらわす場合、系の全質量は
変換の前後において保存される。
【0040】ところで、前述したようにネットワーク環
境でのデータアクセスを考慮した場合、なるべく一定の
通信帯域でデータ伝送できることが望ましい。平滑粒子
を分裂させたり合体させたりすることによって粒子数を
変化させ、解像度を調整することは可能である。しか
し、上述のことにより、粒子数を変化させずに解像度を
向上させる必要がある。
【0041】以下に、一定平滑粒子数で、空間解像度を
向上させる最適化に関して説明する。標本点位置の最適
化を行い、平滑粒子クラスターのダイナミックレンジを
制御できる重要なパラメータの一つは、平滑半径hであ
る。これは、個々の粒子の空間解像度に対応している。
モンテカルロ法のように、一定半径の粒子を使って統計
期待値の計算を行った場合、粒子の集中と散逸が、表現
できるデータの最大最小の比、すなわちダイナミックレ
ンジを制限してしまう。
【0042】粒子の集中度が非常に大きい状況では、粒
子はお互いに接し合う体心立方格子のような配置になる
か、あるいは、圧縮指数pが大きい場合には、完全に重
なり合ってしまう。また逆に、分布が過疎な場合、粒子
間距離が大きくなり、ある打ち切り半径(e.g.R〜
2h)を越える領域での期待値が不定になってしまう
(数9)。
【0043】
【数9】
【0044】粒子が体心立方格子配置となった場合、ダ
イナミックレンジは粒子数Nに依存しなくなる。従っ
て、いくら粒子数を増やしても、空間解像度は向上する
ものの、表現できる値の幅は、相対的に拡大していない
ことになってしまう。
【0045】他方、粒子半径を、以下の数10に示すよ
うに変化させることができれば、ボリュームデータは、
稠密に分布する平滑粒子クラスターによって表現される
ことになる。
【0046】
【数10】
【0047】そして、この適合制御によって、平滑粒子
表現は、非一様なボリュームデータを、高い効率で圧縮
表現できるという長所を持つことになる。しかしなが
ら、ボリュームデータ値のない領域を表現する場合に
は、注意が必要である。標本点の少ない低密度領域の構
造は、平均的な外挿計算によって算出されるという事実
である。
【0048】この領域では、平滑半径hの大きい粒子に
よって期待値計算されるため、より広い領域の情報が含
まれ、局所的な再現性が劣化してしまう。ただし、この
短所に関しても、次のような対策がある。まず、そもそ
も、値の小さい領域は、重要度も小さいと考えられるこ
とである。さもなければ、元々のデータの逆数を用いて
から、平滑粒子クラスター表現を施し、重要度の高い領
域の精度を維持することが可能である。
【0049】以下この発明の1実施例を図を参照して説
明する。図3は、内部境界31と外部境界32の間に、
平滑粒子33を配置した状態を示す平面図である。クラ
スター表現を得る符号化には、外場ポテンシャルの中を
運動する3次元平滑粒子をシミュレートすることにな
る。標準的な初期条件を設定するため、最初、平滑粒子
33は、乱数に従って分布させる(図3(a))。この
ときの標本点系は不均一であり、後で元(ボクセルデー
タ)に戻せなくなるため、三次元ボリュームデータに用
いるには不適当である。
【0050】そこで、半径一定のまま、平滑粒子33を
以下の運動方程式数11と数12の基に、運動させる。
【0051】
【数11】
【0052】
【数12】
【0053】この結果、平滑粒子33間の斥力により、
図3(b)に示すように、ある平均間隔の均一な配置に
近づく。これに、内部境界31と外部境界32の間の領
域の、内部境界31付近での解像度向上が要求される場
合には、内部境界31に極小値をもつようなポテンシャ
ルψを導入して、数12を数値積分する。この際、平滑
粒子33の半径hi は、前述した数10に対応して変化
させる。なお、これに限るものではなく、以下の数13
にしたがって、局所的なポテンシャルψの勾配に対応し
て、平滑粒子33の半径hi を変化させるようにしても
よい。
【0054】
【数13】
【0055】この結果、図3(c)に示すように、生成
される標本点系は、内部境界31に近い領域で、平滑粒
子33aによる細かい標本点間隔となり、解像度の向上
が図れる。一方、外部境界32に近い領域では、平滑粒
子33bによる荒い標本点間隔となる。更に、この適合
型の標本点配置は、上記数12における斥力項に対応す
る以下の数14に示す圧力を調整することで、標本点
(平滑粒子33a,33b)配置の集中度を制御する。
【0056】
【数14】
【0057】数14において、ポリトロピック指数pを
小さくすると、非圧縮近似に対応するため、密度一定の
粒子配置が得られる。反対に、ポリトロピック指数pを
大きくすると、集中度の高い配置が得られる。
【0058】この実施例では、粒子配置の計算に、ガウ
ス型の分布関数として以下の数15を用い、運動方程式
数12の圧力項の計算に必要な密度分布を示すところの
格子点存在確率を数16で計算する。
【0059】
【数15】
【0060】
【数16】
【0061】同じ分布関数数を用いると、離散粒子配置
から期待できる平均ポテンシャル〈ψ〉が、以下の数1
7を用いて計算できる。
【0062】
【数17】
【0063】与えられたポテンシャルψと、平均ポテン
シャル〈ψ〉との偏差は、粒子緩和運動の計算の収束判
定条件として利用する。また、任意に与えられた標本点
系の平均ポテンシャル〈ψ〉を数17から計算すること
によって、その標本点系の善し悪し(適合度)を判定す
ることができる。さらに、適合型標本点配置の決定にあ
たっては、粒子緩和の初期状態として、図3(a)に示
したような、乱数による配置を用いるのではなく、図3
(b)に示す均一配置を用いることによって、少ない緩
和回数で、図3(c)に示す、適合型標本配置とするこ
とができる。
【0064】ここで、局所的な曲率半径が、ボリューム
データの広がりのスケールRに対して、0.1R程度の
空間構造を持ち、データの最大値が、平均値ρ0 に対し
て、ρmax 〜53ρ0 となっており、クラスター表現
は、N=400個の平滑粒子を標本点として行った場合
を考える。上記実施例と同様にした結果、中心部分で
は、平滑半径hがほぼ0.03Rの高い解像度に相当す
る平滑粒子配位が得られた。これと同等の解像度を、大
きさ一定のボクセル集合で得ようとすると、Nv =30
3 =27000個ものボクセル数が必要となってしま
う。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、標本点に対応させた粒子を、ポテンシャル理論によ
る運動方程式に基づいて模擬的に緩和運動させて統計的
に平均化された配置とするようにした。また、粒子の半
径を、近傍の平均場勾配の特徴スケールを利用した粒子
のポテンシャルの局所的な勾配率により決定するように
した。このため、異なる次元においても、アルゴリズム
の複雑性が変化することなく、必要な部分の解像度は保
持したまま、数値誤差を低減した状態でデータを圧縮で
きるという効果がある。
【0066】また、標本点数を変更することなく、適合
標本点を生成するので、データの配列サイズを動的に変
更する必要をなくし、記憶容量に制限のある計算機上で
の適合標本点計算が可能となる。そして、一度、ある領
域を表現した適合標本点であっても、任意の別領域を表
現する標本点生成の雛形として利用できるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高次元データの表現形態を示す斜視図であ
る。
【図2】 粒子の分布とボリュームデータとの関係を示
す特性図である。
【図3】 平滑粒子を配置した状態を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
31…内部境界、32…外部境界、33,33a,33
b…平滑粒子。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標本点に対応させた粒子を、 元データの大きい領域では大きい負の値を持つ関数形の
    ポテンシャルの勾配に比例する力,前記粒子間の斥力,
    および,速度抵抗を受けて運動するものと仮定したポテ
    ンシャル理論による運動方程式に基づいて模擬的に緩和
    運動させて統計的に平均化された配置とし、 このときの粒子の配置状態により前記標本点の座標と間
    隔を決定することを特徴とするデータ圧縮方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のデータ圧縮方法におい
    て、 前記標本点の間隔に相当する前記粒子の半径を、近傍の
    平均場勾配の特徴スケールを利用した前記粒子のポテン
    シャルの局所的な勾配率により決定することを特徴とす
    るデータ圧縮方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のデータ圧縮方法
    において、 与えられた粒子配置から、平均ポテンシャルを求め、こ
    れと前記標本点に与えられているポテンシャルとを比較
    することで、前記標本点の配置状態の良否を判定するこ
    とを特徴とするデータ圧縮方法。
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