JP2741582B2 - Epd研削切断方法 - Google Patents

Epd研削切断方法

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JP2741582B2
JP2741582B2 JP21513495A JP21513495A JP2741582B2 JP 2741582 B2 JP2741582 B2 JP 2741582B2 JP 21513495 A JP21513495 A JP 21513495A JP 21513495 A JP21513495 A JP 21513495A JP 2741582 B2 JP2741582 B2 JP 2741582B2
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泰弘 谷
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  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液相中に懸濁された
超微細砥粒に電荷を与える電気泳動現象を利用してダイ
ヤモンドブレードにより硬脆材料の切断を行うEPD
(Electorophoretic Deposit
ion)研削切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子計算機、宇宙、エネルギー利
用に関連する産業分野で用いられる精密機械部品の材料
には、セラミックス、結晶材料、ガラス等の硬脆材料が
使用されている。これらの硬脆材料の切断工程において
問題となるのがチッピングと呼ばれる切断溝縁における
材料のかけであり、このチッピングの発生を抑えること
が材料歩留りの向上、研磨工程の省略、短縮化による仕
上げ時間の短縮につながる。
【0003】かかる観点からチッピングを抑制する切断
方法が提案されており、とりわけ電気泳動現象を利用し
たEPD研削切断方法が特開平3−178769号、特
開平5−69287号として提案されている。
【0004】この電気泳動現象を利用したEPD研削切
断方法は図1及び図2に示すように、銅又は鉄を結合剤
としたダイヤモンドブレード(以下、単にブレードと言
う。)の周りには超微細砥粒(シリカ粒子SiO2,φ
10〜20nm)を含んだ加工液(コロイダルシリカ
30wt%)が流れる溝を設けたカバーが取付けられ、
この溝を陰極、ブレード外周の導電性部分を陽極として
常に電気泳動現象によりブレード表面にシリカ砥粒の吸
着層が形成されるようになっている。ここで用いられる
ブレードは銅又は鉄およびその合金を結合剤とした通常
のダイヤモンドブレードである。
【0005】加工機構はダイヤモンド砥粒がその切れ味
の良さから被加工物に溝を創成していく。一方、シリカ
砥粒の吸着層はダイヤモンド砥粒の過剰切込みを物理的
に阻止すると共に、創成された溝側面に対して研磨作用
を行う。また、シリカ砥粒は目づまりが生じる前に脱落
する。そして、脱落(目こぼれ)した分だけ電気泳動現
象で常に外部から砥粒を補給し、固定化することで、ブ
レード表面は見かけ上、常に新しい切れ刃が存在するこ
とになる。以上のようなメカニズムにより、目づまり、
目こぼれを起こさず、チッピングフリー研削切断が安定
して継続できるとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】チッピング現象を説明
するため図3に、銅を結合剤としたダイヤモンドブレー
ドを用いて、加工液に水道水を用いた従来より行なわれ
ている通常の研削切断による切断溝を上から撮影した拡
大写真(80倍)を示す。切断条件は以下の通りであ
る。 ブ レ ー ド: SD600N75MF(結合剤は銅) (D76.2mm H40mm t0.2mm) 切込み深さ : 0.5mm 工作物送り速度: 5mm/min 工具回転数 : 5000rpm 加 工 液: 水道水 1.25L/cm2・min 電 圧: 0V 工 作 物: ソーダガラス これにより切断端縁に問題となる小さなチッピングが多
数観察される。
【0007】次に、加工液にコロイダルシリカ(酸化珪
素(SiO2)のコロイド状溶液)を用いるEPD研削
切断方法により、銅を結合剤としたダイヤモンドブレー
ドを用いて切断を行った場合の切断溝の拡大写真(80
倍)を図4a、図4bとして示す。切断条件は以下の通
りである。 ブ レ ー ド: SD600N75MF(結合剤は銅) (D76.2mm H40mm t0.2mm) 切込み深さ : 0.5mm 工作物送り速度: 5mm/min 工具回転数 : 5000rpm 加 工 液: コロイダルシリカ 30wt% 1.25L/cm2・min 電 圧: 10V 工 作 物: ソーダガラス
【0008】前記図3の写真と図4aの写真を比較する
と自明のように、切断溝縁に見られるチッピングは抑え
られ、切断面が鏡面化している。EPD研削切断方法
は、チッピングを抑え、切断面を鏡面化するのに有効で
あることがわかる。しかし、この良好な切断面の途中に
図4bに示すような大きなチッピングが切断長さ20m
mに対し2、3箇所不規則に発生することも判明した。
この原因はブレード表面を撮影した加工前の図5a、加
工後の図5bの拡大写真(300倍)に示すようにブレ
ード表面に酸化による変色部分やダイヤモンド砥粒の突
き出し量の乱れが見られ、これら現象を分析すると高速
回転するブレードに空気が巻き込まれることによる電解
作用によって結合剤の溶出がおこり、これによるダイヤ
モンド砥粒の脱落が原因であることが判明した。
【0009】換言すれば、ブレードに巻き込まれた空気
は最初の直接的作用として、ブレードの陽極表面で抵抗
となり、シリカ吸着を妨げる。シリカ吸着が悪化するこ
とにより、吸着層の成長速度は抑えられる。したがっ
て、液中電位差の低下が遅れ、電解作用の抑制効果は減
少する。電解作用により、結合剤(銅)の溶出が進行す
る。この溶出により結合剤の保持力が減衰し、ダイヤモ
ンド砥粒の脱落が起こったものと考えられる。溶出した
銅は銅イオンとなり、他のイオンと結合する。この化合
物(酸化物や水酸化物)がブレードの変色部分となって
みられたものと考えられる。変色部分においてシリカ砥
粒の吸着量が少なかったことより、この部分が非導電性
の物質であると考えられる。したがって、結合剤の溶出
はダイヤモンド砥粒を脱落させ易くするのみならず、シ
リカ吸着に影響を及ぼすものと考えられる。この結合剤
の溶出は鉄を結合剤としたブレードにおいても観察され
る。
【0010】以上、要約すると電解作用が活性化される
ほど、銅や鉄の結合剤の溶出が促進され、ダイヤモンド
砥粒はブレードより脱落し、切断溝縁に大きなチッピン
グが発生することが分かった。これより、ダイヤモンド
砥粒は切断時において、電解作用によりブレードより脱
落し、脱落したダイヤモンド砥粒が工作物に衝撃を与
え、大きなチッピングを発生させるに至ったものと考え
られる。
【0011】そこで本発明は、EPD研削切断によって
不規則に切断溝縁に発生するチッピングを抑え、切断溝
端縁の鏡面化を得るチッピングフリーを目的としたEP
D研削切断方法を提案するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】超微細砥粒を混合した加
工液中に導電性のダイヤモンドブレードと被加工物を配
し、このブレードと加工液との間に電荷をかけ、加工液
中に懸濁された超微細砥粒を帯電させてダイヤモンドブ
レードに付着させ乍ら被加工物を研削切断する研削切断
方法において、アルミニウムを結合剤とするダイヤモン
ドブレードを用いるとともに、該ブレードの回転数を3
000〜5000rpm、加工液流量を0.75〜1.
25L/cm2・min、印加電圧を30〜50Vの条
件下で硬脆材料の研削切断を行うものである。
【0013】
【作用】被加工物に対する研削はアルミニウムを結合剤
とするダイヤモンドブレードに電気的に付着した超微細
砥粒(シリカ粒子)により行なわれ、ダイヤモンドブレ
ードに対する超微細砥粒の付着は加工液中に懸濁された
微粒子を帯電させる電気泳動現象を利用することにより
常に行なわれ、固定化することでブレード表面には常に
新しい切れ刃が存在する。この超微細砥粒の吸着層は被
加工物に対するダイヤモンド砥粒の過剰切込みを物理的
に阻止すると共に創成された溝側面に対して研磨作用を
行ない、且つ電解作用による結合剤の溶出を抑制するこ
とによりダイヤモンド砥粒の脱落を防ぐことにより切断
溝縁に発生するチッピングを解消し、切断面の鏡面化を
容易に得る。
【0014】
【発明の実施の形態】図1、図2に本発明方法に使用さ
れるEPD研削切断装置の概略を示す。ブレード(ダイ
ヤモンドブレード)1の周りに超微細砥粒12(シリカ
粒子、SiO2,φ10〜20nm)を含んだ加工液
(コロイダルシリカ 30wt%)2が流れる溝3を設
けたカバー4が取付けられ、この溝3を陰極、ブレード
1の外周の導電性部分1aを陽極として被加工物5の加
工溝6を研削切断する。
【0015】本発明ではブレード1を従来の研削切断及
び従来のEPD研削切断で用いられていた銅又は鉄を結
合剤とするブレードに代えてアルミニウムを結合剤とす
るブレードを採用し、ブレード回転数、加工液流量及び
印加電圧を夫々代えることによりEPD研削切断で不規
則に発生するチッピングを抑制する条件を究明した。
【0016】ブレード1をアルミニウムを結合剤とする
アルミニウムボンドブレードに限定した。アルミニウム
は展延性があるためダイヤモンド砥粒の保持力が非常に
弱く、ダイヤモンドブレードの結合剤としては従来から
用いられていない金属であり、EPD研削切断方法に用
いられることによって効果の発揮する結合剤である。そ
の根拠は、アルミニウム上に生ずるアノード皮膜が相対
的に厚く、しかも気孔性があって絶縁性であることに集
約される。アノード皮膜は金属を適当な電解液中でアノ
ード(陽極)として電解するアノード処理によって金属
上に生ずる酸化物皮膜であることは知られている。図6
にアノード酸化皮膜の断面の概略を示す。この皮膜7は
金属(アルミニウム)8のすぐ表面にまず密なバリヤー
層9を生成し、その上に多孔層10を生じて成長してい
く。多孔層10を構成する気孔11は、シリカ粒子12
の径よりも大きく、気孔11中にシリカ粒子12が埋め
られることにより、多孔層10は、電解作用による結合
剤の溶出を抑制し、シリカ粒子を保持し、ブレードとし
ての工作物に対する研磨効果を奏せしめる。
【0017】本発明者は、上記のアルミニウムボンドブ
レードを用い、通常のEPD研削切断実験において、ブ
レードの回転数、印加電圧、加工液流量を変え、夫々に
おいて切断を行い、これらの影響要因による切断溝の比
較検討を行った。
【0018】実験に用いた工作物はソーダガラスを用い
た。ブレードにはアルミニウム100%の結合剤で#6
00のダイヤモンド砥粒を保持した集中度100のもの
を使用した。切込み深さを0.5mm、工作物送り速度
を5mm/minとし、各条件下において2本ずつ切断
を行った。なお、実験結果で示す切断溝の写真はそれぞ
れの条件下でチッピングの程度が最も大きい部分を80
倍に拡大して撮影したものである。
【0019】a)回転数の影響 EPD研削切断法において、鉄や銅を結合剤とするブレ
ードでは回転数5000rpmがシリカ吸着とブレード
の摩耗の関係上、切断面性状において最適値であった。
しかし、このアルミニウムを結合剤とするブレードにお
いては不明である。ここでは、印加電圧を10V、加工
液流量を通常の1.25L/cm2・minに固定し、
回転数を5000rpmと3000rpmに分けて切断
行った。
【0020】切断結果を図7a、図7bに示す。これよ
り、前記した図4bに示すような大きなチッピングの発
生は消失し、小さなチッピングが僅かに観察される。ブ
レード回転数5000rpmの場合(図7b)にはこの
小さなチッピングがほぼ切断溝縁全域に発生しているの
に対し、ブレード回転数を3000rpmとした場合
(図7a)には鏡面化部分が約6割を占め、残りは極く
小さなチッピング部分となっていることが判明した。こ
れより、ブレード回転数は3000rpmの方が設定回
転数として適していることと言える。
【0021】b)加工液流量の影響 加工液流量はブレードの状態に影響を及ぼし、それがチ
ッピング発生に関係することは知られている。したがっ
て、アルミニウムを結合剤とするブレードにおいても同
様の結果になるか調査する必要がある。回転数を300
0rpm、印加電圧を30Vに固定し、加工液流量を
0.75L/cm2・min、1.25L/cm2・m
inに分けて切断を行った。
【0022】切断結果を図8a、図8bに示す。これよ
り、加工液流量1.25L/cm2・minの場合(図
8b)には極く僅かなチッピングが観察されるが、これ
より流量が少ない0.75L/cm2・minの場合
(図8a)がチッピングが完全に抑えられ、鏡面化した
切断面が約9割得られることが判明した。
【0023】c)印加電圧の影響 鉄や銅を結合剤とするブレードでは電解作用による結合
剤の溶出やシリカ吸着の関係上10Vが最適値であっ
た。アルミニウムにおけるアノード皮膜の電気抵抗は相
対的に高いことが知られている。したがって、アルミニ
ウムを結合剤とするブレードにおいて、必ずしも同様の
結果を得るとは限らない。
【0024】そこで、回転数を3000rpm、加工液
流量を1.25L/cm2・minに固定し、印加電圧
10V、30V、50Vの3段階に分けて切断を行っ
た。切断結果を図9a、図9b、図9cに示す。これよ
り、図9b、図9cに示す印加電圧30V、50Vの場
合において完全にチッピングが抑えられ、鏡面化した切
断面が得られることが判明した。図10a,図10bに
加工前と印加電圧を3段階に分けて行った加工後のブレ
ード表面の様子を示すが、これより、ダイヤモンド砥粒
の突き出し量に乱れが見られず、全体的に摩耗の程度が
小さいことが判明する。
【0025】以上を総括すると次の通りである。アルミ
ニウムに生成されるアノード皮膜がこのEPD研削切断
にどのような特性を示すかを究明するため、上記のよう
に加工条件を試行錯誤的に変え、切断を行った。切断実
験全般において、どの切断溝においても鉄や銅を結合剤
とするEPD研削切断に使用される従来のブレードに比
べ大きなチッピングが完全に抑えられていた。これよ
り、アルミニウムを結合剤とするブレード表面のアノー
ド皮膜には結合剤溶出を妨げ、ダイヤモンド砥粒脱落を
抑制する効果があることが裏付けられた。
【0026】以下、各影響要因による実験結果を考察す
る。 a)回転数 回転数5000rpmよりも3000rpmの方がより
小さなチッピングを抑えられることが明確になった。鉄
や銅の結合剤ではブレードの工作物に対する負荷とシリ
カ吸着特性の関係上、5000rpmが適しているのに
対し、アルミニウムを結合剤とする場合は5000rp
mでもチッピングは従来よりも大巾に抑制できるが、更
に低い回転数の3000rpmで完全にチッピングが抑
えられ、しかも切断面が鏡面化している。これより、ア
ルミニウムを結合剤とするブレードにおいて、回転数に
よる切断面性状はシリカ吸着に大きく影響を受けるもの
と考えられる。
【0027】b)加工液流量 加工液流量が減少すると電解作用が活性化し、それがチ
ッピング発生につながるのが鉄や銅を結合剤とするブレ
ードの性質だが、アルミニウムを結合剤とするブレード
は逆に流量1.25L/cm2・minよりも少ない
0.75L/cm2・minの方において切断面性状に
良い結果をもたらしている。これより、アルミニウムの
アノード皮膜において流量による空気の巻き込みが電解
作用のみならず、皮膜の成長に何らかの影響を及ぼして
いるか、あるいは、異なった成分の皮膜の生成に関係し
ている可能性が考えられる。
【0028】c)印加電圧 鉄や銅を結合剤とするブレードは、印加電圧の増加にし
たがい吸着力が増加する反面、電解作用により結合剤が
溶出し、それがチッピング発生原因につながる。したが
って鉄や銅を結合剤とするブレードは約10Vが妥当で
あった。しかし、アルミニウムの場合では30〜50V
において、チッピングが全くない鏡面化した切断溝が得
られた。アルミニウムにおけるアノード皮膜は成長する
にしたがい、結合剤溶出を抑制する効果を上げるが、そ
の反面、抵抗となることによりシリカ吸着を悪化させ
る。したがって、このブレードでは30〜50Vが結合
剤溶出の抑制及びシリカ吸着の兼ね合いにおいて、最適
な皮膜状態であったものと考えられる。
【0029】以上の結果、アルミニウムを結合剤とした
ブレードによる最適な加工条件は、回転数3000rp
m、加工液流量0.75L/cm2・min、印加電圧
30〜50Vであると言える。これらの条件で切断を行
うことにより、チッピングのない、極めて良好な切断面
を得ることができることが判明した。
【0030】しかし乍、アルミニウムを結合剤としたブ
レードを用いることにより、回転数5000rpm、加
工液流量1.25L/cm2・min、印加電圧30〜
50Vの加工条件下でもチッピングの発生が従来のEP
D研削切断法に比べ大幅に抑制できることも判明した。
【0031】また、加工前後のブレード表面におけるダ
イヤモンド砥粒の突き出し量に大きな変化が見られなか
ったことより、アノード皮膜が電解作用による結合剤溶
出を抑制していることが、切断面性状の調査以外に確認
された。さらに、ブレードの摩耗の程度が鉄や銅に比
べ、極めて小さい。したがって、アルミニウムを結合剤
としたブレードは切断面性状のみならず、耐摩耗性にも
優れた性質をもつことが判明した。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明は、電気泳動現象を
利用したEPD研削切断方法において、アルミニウムを
結合剤とするダイヤモンドブレードを用い、該ブレード
の回転数を3000〜5000rpm、加工液流量を
0.75〜1.25L/cm2・min、印加電圧を3
0〜50Vの条件下で硬脆材料の切断を行うことによ
り、切断溝縁に発生するチッピングは大幅に抑制するこ
とができる。
【0033】更に、前記ブレードの回転数を3000r
pm、加工液流量を0.75L/cm2・min、印加
電圧を30〜50Vの条件下では、チッピングはほぼ完
全に抑制され、切断面の鏡面化が得られ、チッピングフ
リーを達成することができる。
【0034】しかも、本発明方法は1回の切断でチッピ
ングを抑え、切断面の鏡面化を得ることができるので、
従来のEPD研削切断を大幅に改善し、材料歩留まりの
向上、研磨工程の省略、短縮化による仕上げ時間の短縮
につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する装置の概略図である。
【図2】本発明を実施する装置の切断状態の説明図であ
る。
【図3】通常の研削切断によるチッピングの発生を示す
切断溝の80倍の拡大写真である。
【図4a】通常のEPD研削切断による切断溝の80倍
の拡大写真である。
【図4b】通常のEPD研削切断によるチッピングの発
生を示す切断溝の80倍の拡大写真である。
【図5a】通常のEPD研削切断に用いるブレードの加
工前の表面の300倍の拡大写真である。
【図5b】通常のEPD研削切断に用いるブレードの加
工後の表面の300倍の拡大写真である。
【図6】アノード酸化皮膜の概略を示す断面図である。
【図7a】ブレード回転数を3000rpmとしたEP
D研削切断による切断溝の80倍の拡大写真である。
【図7b】ブレード回転数を5000rpmとしたEP
D研削切断による切断溝の80倍の拡大写真である。
【図8a】加工液流量を0.75L/cm2・minと
したEPD研削切断による切断溝の80倍の拡大写真で
ある。
【図8b】加工液流量を1.25L/cm2・minと
したEPD研削切断による切断溝の80倍の拡大写真で
ある。
【図9a】印加電圧を10VとしたEPD研削切断によ
る切断溝の80倍の拡大写真である。
【図9b】印加電圧を30VとしたEPD研削切断によ
る切断溝の80倍の拡大写真である。
【図9c】印加電圧を50VとしたEPD研削切断によ
る切断溝の80倍の拡大写真である。
【図10a】アルミニウムボンドブレードの加工前の表
面の300倍の拡大写真である。
【図10b】アルミニウムボンドブレードの加工後の表
面の300倍の拡大写真である。
【符号の説明】
1・・・ダイヤモンドブレード 2・・・加工液 3・・・溝 4・・・カバー 5・・・被加工物 6・・・加工溝 12・・・シリカ粒子

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超微細砥粒を混合した加工液中に導電性
    のダイヤモンドブレードと被加工物を配し、このブレー
    ドと加工液との間に電荷をかけ、加工液中に懸濁された
    超微細砥粒を帯電させダイヤモンドブレードに付着させ
    乍ら被加工物を研削切断する研削切断方法において、ア
    ルミニウムを結合剤とするダイヤモンドブレードを用い
    て切断を行うことを特徴とするEPD研削切断方法。
  2. 【請求項2】 超微細砥粒を混合した加工液中に導電性
    のダイヤモンドブレードと被加工物を配し、このブレー
    ドと加工液との間に電荷をかけ、加工液中に懸濁された
    超微細砥粒を帯電させダイヤモンドブレードに付着させ
    乍ら被加工物を研削切断する研削切断方法において、ア
    ルミニウムを結合剤とするダイヤモンドブレードを用
    い、該ブレードの回転数を3000〜5000rpm、
    加工液流量を0.75〜1.25L/cm2・min、
    印加電圧を30〜50Vの条件下で切断を行うことを特
    徴とするEPD研削切断方法。
  3. 【請求項3】 超微細砥粒を混合した加工液中に導電性
    のダイヤモンドブレードと被加工物を配し、このブレー
    ドと加工液との間に電荷をかけ、加工液中に懸濁された
    超微細砥粒を帯電させダイヤモンドブレードに付着させ
    乍ら被加工物を研削切断する研削切断方法において、ア
    ルミニウムを結合剤とするダイヤモンドブレードを用
    い、該ブレードの回転数を3000rpm、加工液流量
    を0.75L/cm2・min、印加電圧を30〜50
    Vの条件下で切断を行うことを特徴とするEPD研削切
    断方法。
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