JP2737150B2 - 活性汚泥プロセス処理状態判定装置 - Google Patents

活性汚泥プロセス処理状態判定装置

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JP2737150B2
JP2737150B2 JP63110209A JP11020988A JP2737150B2 JP 2737150 B2 JP2737150 B2 JP 2737150B2 JP 63110209 A JP63110209 A JP 63110209A JP 11020988 A JP11020988 A JP 11020988A JP 2737150 B2 JP2737150 B2 JP 2737150B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、活性汚泥を利用した汚水処理プロセスの処
理状態の診断や監視制御に用いられ、そのプロセスの運
転管理を微生物の生態やプロセスの外観に関する情報を
使って、より正確に行えるようにした活性汚泥プロセス
処理状態判定装置に関するものである。
B.発明の概要 本発明は活性汚泥プロセス処理状態判定装置におい
て、 知識の更新が可能な知識ベースとその知識による推論
機構を備え、指標となる活性汚泥微生物の出現情報と活
性汚泥プロセスの処理状態に関する知識を蓄積しなが
ら、その知識と出現微生物データやプロセスの外観デー
タ等必要な入力データからそのプロセスの処理状態を推
論,診断し、必要により対処方法を出力することによ
り、 活性汚泥処理プロセスの運転管理を微生物の生態に関
する情報を用いて、より正確に行えるようにしたもので
ある。
C.従来の技術 従来より、活性汚泥を使って汚水を浄化するシステム
が、都市下水の処理等に広く採用されている。活性汚泥
は、汚水中の有機物を分解し資化する微生物の集団で構
成されている。
第10図は従来例の活性汚泥プロセスを示す下水処理シ
ステムの構成図である。1は汚水中の土砂類を除去する
沈砂池、2は微細な浮遊物を除去する最初沈殿池、3は
ブロア4により汚水に空気を混入して酸素を供給し好気
性の微生物を増殖させ汚水中の有機物の生物学的処理を
促進させるエアレーションタンク、5は固液分離を行う
最終沈殿池である。汚水は汚水ポンプ6により送り込ま
れ、エアレーションタンク3内で活性汚泥によって有機
物が除去され、続く最終沈殿池5で活性汚泥と上澄水と
に固液分離され、上澄液は消毒後に処理水としてシステ
ムの系外に放出させる。一方、活性汚泥は、一部が返送
汚泥ポンプ7によりエアレーションタンク3へ戻され再
利用されるが、増殖分は余剰汚泥として余剰汚泥ポンプ
8により最初沈殿池2に供給され、その底部に集められ
て汚泥引抜ポンプ9により汚泥処理系で処理され焼却さ
れる。
上記活性汚泥プロセスでは、処理水質を向上させるた
めに、返送汚泥の量やブロア4によるエアレーションタ
ンク3内の空気混入量を制御する運転管理が行われてい
るが、従来の運転管理は汚水中の溶存酸素濃度(DO)や
見かけの微生物濃度(活性汚泥浮遊物濃度MLSS)を指標
として行われていた。
D.発明が解決しようとする課題 上記従来の技術における活性汚泥による有機物除去と
固液分離能(活性汚泥の沈降性)とは、微生物の生態に
大きく影響されることが明らかになってきているが、シ
ステムに出現する微生物の種類と浄化処理能力の関係に
ついて定量的な取り扱いが困難であるため、微生物の種
類やその固体数分布に関する情報は特定の操作員が顕微
鏡で観察する程度に終わり、運転管理にはほとんど利用
されていないのが現状である。
ところが熟練した操作員のうちで微生物の観察も同時
に行っている間に、処理水質と微生物の種類との間にあ
る種の関係を見い出し、この関係を運転管理に応用する
動きが見られるようになってきた。これらの操作員は限
られた人数でかつ熟練者がほとんどで、その知識を系統
だてて実際に役立てる機会は多いとは言えず、加えて新
人の操作員への知識の継承も困難である。このため微生
物の種類や分布を使った運転管理はその意義が認められ
ているにもかかわらず、一般的に普及するに至っていな
い。このように、従来の活性汚泥プロセスでは、微生物
の生態に関する情報を運転管理に反映させることが課題
となっていた。
本発明は、上記課題を解決するために創案されたもの
で、活性汚泥処理プロセスの運転管理を活性汚泥微生物
の生態やそのプロセスの外観等に関する情報を用いて、
より正確に行えるようにした活性汚泥プロセス処理状態
判定装置を提供することを目的とする。
E.課題を解決するための手段 上記の目的を達成するための本発明の活性汚泥プロセ
ス処理状態判定装置の構成は、 活性汚泥プロセスにおいて観察された活性汚泥微生物
のうち活性汚泥プロセスの処理状態の指標となる指標性
微生物の出現情報と上記処理状態の関係をあらかじめ登
録するとともにその更新が可能な知識ベースと、 現在の出現微生物の種類と固体数を入力するマンマシ
ンインターフェイスと、 上記知識ベースの知識を用いて上記出現微生物の種類
と個体数分布から上記活性汚泥プロセスの処理状態を推
論し診断する推論機構とを備え、上記指標性微生物を活
性汚泥プロセスの各処理状態への寄与率によって微生物
群に分類し、上記推論機構がその微生物群の出現個数ま
たは出現段階と上記寄与率を使って上記活性汚泥プロセ
スの処理状態を推論しその処理状態の確信度を計算して
上記処理状態を診断することを特徴とする。
また、上記の推論機構は活性汚泥プロセスの診断を行
う際に、そのプロセスの外観情報やDO値,pH値,MLSS値等
の環境因子情報をも使用するのが、診断の正確さを増や
すうえで好適であり、 さらに、上記の推論機構は診断結果から対処方法を出
力するのが、運転管理上好適である。
F.作用 本発明は、知識の更新が可能な知識ベースと、この知
識に基づいて推論する推論機構を備え、この知識ベース
に指標となる活性汚泥微生物の生態情報と汚水の処理状
態の関係を登録し、この知識、プロセス内の出現微生物
の個体数または出現段階及び処理状態への寄与率、それ
らより計算した処理状態の確信度やプロセスの外観、環
境因子に関する入力情報から処理状態の推論,診断を行
い、必要により対処方法を出力することによって研究や
経験等で蓄積された活性汚泥微生物の生態とプロセスの
処理状態に関する知識を誰もが活用できるようにして、
より一層正確に活性汚泥プロセスの維持管理を可能に
し、処理水質の向上を図れるようにする。
G.実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図は本発明の一実施例を示す活性汚泥プロセスの
運転管理システムの構成図である。エアレーションタン
ク3,ブロワ4,最終沈殿池5,返送汚泥ポンプ7,余剰汚泥ポ
ンプ8は、第10図の従来例の下水処理システムを構成す
る設備であり、10はこれらの監視制御システムである。
11はエアレーションタンク3へ流入する汚水の流量計、
12は浮遊物質濃度(MLSS)計、13は溶存酸素濃度(DO)
計、13aはペーハー(pH)計、14はブロワ4によりエア
レーションタンク3に供給される空気の風量計、15はそ
の風量を調節するバルブ、16は返送汚泥の流量計、17は
返送汚泥流量を調節するバルブ、18は余剰汚泥の流量
計、19は余剰汚泥流量を調節するバルブである。各計測
器11,12,13,13a,14,16,18は適宜な伝送手段を介して監
視制御システム10へ入力され、監視制御システム10から
はバルブ15が制御されて風量が調節され、返送汚泥ポン
プ7,バルブ17が制御されて返送汚泥流量が調節され、余
剰汚泥ポンプ8,バルブ19が制御されて余剰汚泥流量が調
節される。
本実施例の活性汚泥プロセス処理状態判定装置は、エ
キスパートシステム20で構成される。エキスパートシス
テム20は、上記構成の下水処理システムの運転管理を活
性汚泥微生物とプロセスの処理状態の関係に関する研究
や経験で蓄積された情報を使って行うための装置であ
り、下水処理システムにおいて観察された活性汚泥微生
物のうち活性汚泥プロセスの処理状態の指標となる指標
性微生物の出現情報と、上記処理状態との関係に関する
知識とは、エキスパートシステム20内の知識ベース21に
予め登録され、ルールとして貯えられる。その知識は新
たに追加,削除,変更により、更新が可能となってい
る。22は、操作員等がサンプルの顕微鏡観察等で得た出
現微生物に関する微生物データ等に対して知識ベース内
のルールとマッチングを行い、下水処理システムの処理
状態や水質等を推論し診断を行う推論エンジン(推論機
構)である。23は、上記出現微生物データを操作員が入
力する際に、入力仕様・診察票を表示する場合などに使
用されるマンマシンインターフェイス用のCRTディスプ
レイである。
第2図は上記エキスパートシステム20の構成の一例を
示すブロック図である。21は知識ベース、22は推論エン
ジン、24は微生物データベース、25はマンマシンインタ
ーフェイス、26はキーボード等の入力装置、23はCRTデ
ィスプレイ等の出力装置であり、エキスパートシステム
20は以上の各部から構成されている。知識ベース21は、
処理水質やSVI(スラッジボリュームインデックス)等
の処理状況を示すデータから予備診断を行い、出現頻度
の高い指標性微生物群を選び出す微生物入力仕様・診断
票作成知識と、これに基づいて入力装置26から入力され
た出現微生物の状況等の入力データから汚水の浄化処理
状態を診断する処理診断知識と、診断された結果から必
要があれば対処方法をガイダンスする対処方法知識の3
部分から構成される。微生物データベース24は、出現の
予想される微生物に関する特徴や形状等のデータが画像
情報などとして貯えられ、微生物同定の補助的役割を果
たす。これらの知識ベース21と微生物データベース24
は、マンマシンインターフェイス25を通して追加,削
除,変更等の更新が自由に行える。推論エンジン22は知
識ベース21から知識(ルール)を取り出し、ルールの前
提部と入力データの内容を照合し、一致すると結論部を
実行して、出力装置23へ上記した微生物入力仕様・診断
票の出力や、図略の監視制御システムへのガイダンス出
力を行う。入力データのうち処理水質はサンプルを分析
器等で調べることにより得られるもので、監視制御シス
テムを介して入力されても良いし、直接入力装置26から
入力しても良い。また、SVIは30分放置したサンプルの
単位容積当たりの汚泥量をMLSS値で除算したもので、監
視制御システム側で演算したものでも良いし、入力デー
タからエキスパートシステム側で演算しても良い。
以上のように構成した実施例の作用を述べる。第3図
は上記エキスパートシステムにおける処理手順を示すフ
ローチャートである。まず、汚水処理水等のデータを監
視制御システムや入力装置26より推論エンジン22に入力
する。推論エンジン22は、この汚水処理水等のデータと
知識ベース21の微生物入力仕様・診断票作成知識によ
り、入力仕様・診断票を作成し、CRTディスプレイ23に
表示する。この入力仕様により、操作員が顕微鏡等で観
察された微生物の種類や出現頻度,固体数分布等の微生
物データを入力するが、この時、必要があれば微生物デ
ータベース24からその微生物の特徴や形状に関するデー
タを呼び出して、初心者や一般操作員等が照合できるよ
うにする。推論エンジンは上記微生物データと知識ベー
ス21の処理診断知識により推論し、予測,診断して、浄
化の処理状態のガイダンスを行う。そのガイダンスの一
例としては、「負荷(汚水の流入量と濃度の積)が高す
ぎる」,「負荷が低すぎる」,「良好」等である。良好
でないと診断されたり、悪化が予想されると診断された
場合、推論エンジン22は知識ベース21の対処方法知識を
基に対処方法を推論し、対処方法ガイダンスを出力す
る。この時、診断に不足するデータがあれば、追加デー
タの入力を操作員に要求して対処方法の推論を行う。対
処方法のガイダンスとしては、返送汚泥流量を調整する
ためのバルブの制御量,エアレーションタンクの空気混
入量を制御するためのバルブの制御量、等があげられ
る。これらのガイダンスは監視制御システムに出力さ
れ、またはマンマシンインターフェイス25を介してCRT
ディスプレイ23に表示されて、例えば操作員に運転操作
を指示するための表示に用いられるほか、ガイダンスさ
れた制御量に基づいて自動的に上記制御を行うことも可
能である。
第4図はエキスパートシステムの他の構成例を示すブ
ロック図である。この構成例のエキスパートシステム2
0′では知識ベース21′の構成が第2図の構成例と異な
っている。即ち、知識ベース21′は、顕微鏡等で観察さ
れた微生物情報から下水処理システムの処理状態を診断
する処理診断知識と、処理水質を予測する水質予測知識
と、これらの推論結果から必要があれば対処方法をガイ
ダンスする対処方法知識の3部分で構成され、これらは
知識ルールとして貯えられる。それ以外の構成は第2図
の場合と同様であり、上記知識ベース21′の知識やデー
タはマンマシンインターフェイス25の機能により追加,
削除,変更等の更新が自由に行える。この構成例におけ
る微生物入力仕様・診断票の作成は、マンマシンインタ
ーフェイス25を例えばディジタル・イクイップメント株
式会社製のVAX STATION IIのようなコンピュータを使用
して行い、エキスパートシステム20′の入出力をCRTデ
ィスプレイ23の画面上で行う。
以上の構成によるエキスパートシステムの処理手順は
基本的に第3図と同様であるが、下水処理システムの処
理状態の診断処理を第5図に示す診断処理のフローチャ
ートように行う。まず、微生物の種類や固体数分布即ち
出現個数または出現段階等の微生物データをマンマシン
インターフェイスを介して入力する。その入力により処
理状態を推定し、ルールのヒットするたびに処理状態の
確信度計算を行い、処理状態の確信度を変化させてゆ
く。一方、エアレーションタンクや沈殿池の外観データ
がマンマシンインターフェイスから入力され、さらにエ
アレーションタンク内のペーハー値(pH),DO値,MLSS値
等の環境因子データが監視制御システムなどから入力さ
れる。この環境因子データも入力装置26から入力しても
良い。これらの外観データや環境因子データの入力か
ら、上記微生物群によって推定された処理状態の裏付け
計算として確信度計算が行われる。以上の2つの確信度
計算から最終的に処理状態が診断され、その診断結果は
マンマシンインターフェイスを介してCRTディスプレイ
等に表示される。さらに、この診断結果から処理水のBO
D(生化学的酸素要求量)等が予測される。
微生物データによって判定される処理状態としては
(1)高負荷及び処理水の白濁、(2)低DO又は嫌気部
分の存在、(3)低負荷又は硝化、(4)アメーバ等の
増加による汚泥の解体、(5)毒性物質の流入の5種で
ある。これらの現象を推定するため、それぞれの現象に
指標性を持つ微生物24種類を、出現頻度を含めた寄与率
(単位個数が現象に与える影響度)を考慮して16群に分
類する。各群の出現個数は出現しない場合を0とし、多
くになるに従って5段階に分割し、これに1〜5までの
整数を与える。すなわち、微生物n群の出現段階をWnと
すると Wn={0、1、……5}(n=1〜16) となる。例えば上記5段階は、表1のように与える。
また、指標性微生物群の分類例における現象に対する
寄与率を表2に示す。
この表2の分類例では、原則として、同じ寄与率を持
つ微生物どうしを1つの微生物群にまとめる。ただし、
微生物の性質が大きく異なるもの(たとえば、お互いが
離れた属に属する場合や固体の大きさが大きく違うも
の)は同じ微生物群にはまとめず、それぞれ別々の微生
物群に分類する。したがって、A群〜D群までは同じ寄
与率を持っているが微生物の性質が大きく異なるので別
々の微生物群に分類している。これらの分類は活性汚泥
プロセスの処理施設によっても変化することがある。一
般に、微生物の出現個体数はその種類によってさまざま
であり、ある種類の微生物が優占化した場合の最大個体
数もその種類によって違う。また、体長が小さくなるに
従ってその出現個体数は多くなることが知られている。
たとえばO群に分類される微生物がオイコモナスであ
り、A群に分類される微生物がヒルガタワムシであると
する。O群に分類されるオイコモナスは体長が5〜20μ
mであり、水質が悪くなると1ミリリットル当たり1000
個程度出現する場合がある。一方A群に分類されるヒル
ガタワムシは体長が100〜500μmであり、最大で500個
程度出現するにすぎない。従って、同じ100個出現して
いてもO群のオイコモナスとA群のヒルガタワムシとで
はその水質の指標としての重みは違ってくる。出現個体
数だけでその水質を評価することはできない。また同じ
微生物であってもある現象に対して多く出現する場合
と、逆に出現することによってその現象があり得ない可
能性を示すことがある。このように寄与率は、表2のよ
うに分類された指標微生物群が単位個数あたりのその現
象を表したり否定したりする可能性の尺度を表すもので
ある。この寄与率は微生物群の出現個数を0を含めて6
段階に分けた数値を掛けて、その現象に対する確信度の
計算に使われる。
表2中の*印の微生物Fの毒性寄与率は、 Wn(前回)−Wn(現在)=5の時 寄与率+0.5 Wn(前回)−Wn(現在)=4の時 寄与率+0.3 とする。また**印の微生物総数の毒性寄与率は、出現
段階Wnの総和の値によって表3の値とする。
表2,表3において負数は否定の度合を表す。寄与率Xn
mと表すと(mは現象番号)、ある微生物群による現象
の確信度はCFnm=Wn×Xnmとなる。2種の微生物群(n,
k)による確信度は、各確信度CFの符号により別々に次
のように計算する。
CFnm+CFkm−CFnm×CFkm(CFnm>0,CFkm>0) CFnm+CFkm+CFnm×CFkm(CFnm<0,CFkm<0) 以上の計算を順次適用し、最後に異符号同士を加えて
全微生物による確信度とする。
裏付け計算は、上記の微生物群によって推定された現
象をペーハー値(pH),DO等の環境因子や汚泥の色,沈
殿池の透明度等見掛けの状態(外観データ)を考慮する
ことによって、さらにその現象の確信度を計算すること
である。この裏付け計算の確信度は、表4に示す確信度
を各現象の符号別にそれぞれ前述の確信度計算と同様に
して計算される。
表4中*は黒色の汚泥が浮上することを表し、**印
は茶色の汚泥が浮上することを表している。
以下に、確信度の計算例を示す。表5は微生物の入力
例、表6は環境因子および外観データの入力例である。
以上のデータを入力して確信度を計算すると以下の通
りになる。
(1)高負荷の可能性 0.73 (2)低DOで嫌気部分の存在の可能性 0.53 (3)低負荷・硝化の可能性 −0.67 (4)汚泥解体の可能性 −0.28 (5)毒性物質流入の可能性 −0.24 次に上記におけるマンマシンインターフェイスの作用
を述べる。マンマシンインターフェイスは、診断に必要
なデータの入力機能,診断,予測結果の表示機能などの
機能を果たすものである。第6図は微生物データの入力
画面を示す図、第7図は微生物データ入力の説明図であ
る。微生物データの入力の場合、操作員は顕微鏡観察に
よる微生物の出現状況(cc〜−)を例えばマウスによっ
てカーソルを微生物の名前の行の出現リストの該当欄
(例えば第7図のZ)に合わせ、そこで、マウスボタン
を押すことにより入力する。その結果、画面上では第7
図のように*マークが前回の入力された出現リストの欄
から新たに入力された欄Zに移る。出現リストのcc〜r,
−はそれぞれ前記した微生物の出現段階5〜1,0に対応
している。また、出現している微生物がわからない初心
者に対する手助けとして、微生物の名前欄(例えばA)
にカーソルを合わせマウスボタンを押せば、微生物デー
タベースに格納されている微生物の絵及び特徴(微生物
の大きさ・形状etc)が画面上に現れる機能も有してい
る。第8図は外観データ等のデータ入力画面を示す。微
生物データ入力と同様に入力値にカーソルを合わせ、マ
ウスボタンを押すことにより入力できる。数値データの
場合はマウスボタンを押した後数値を入力し、2者択一
の場合はどちらかを選んでマウスボタンを押すとバック
の色が変わるようになっている。
第9図は診断結果等の出力画面を示す。Window1,Wind
ow2,Window3,Window4は同一画面上にある。Window1,2で
は微生物出現情報及び入力データより推論し、ルールの
ヒットするたびに処理状態の確信度が計算され変化す
る。両者の差異はWindow1では任意の処理状態の可能性
があることを示すのに対し、Window2では任意の処理状
態の可能性がないことを示すことである。Window3では
推論過程を表示する。順次ルールのヒットした処理状態
が表示され、その確信度CF3はWindow1またはWindow2の
ヒツトした確信度CFと計算され、CFが(CF+CF3−CF×C
F3)に変わる。Window4では推論の最終結果を表示す
る。ここでは確信度の高い順に処理状態が表示され、さ
らに診断からの処理水の予測BODが表示される。
活性汚泥プロセスで出現する微生物は、光学顕微鏡レ
ベルで観察される原生動物や後生動物に限ってもたいへ
ん多くの種類が存在し、有機物除去能力や固液分離能力
は微生物の種類によって大きく異なる。これらの微生物
の消長は活性汚泥の状態や水質環境に大きく左右され
る。専門的な研究者や熟練した処理システムの操作員の
一部では、これらの微生物の出現状態を調べることによ
って現在の処理状態や処理動向を予測している。上記実
施例は、これら一部の専門的な研究者や熟練した操作員
によって行われていた出現微生物による汚水の処理能力
の診断と、診断結果による処理システムの運転方法を知
識として知識ベースに登録し、一般の操作員や初心者で
も運転管理に反映できるようにする。その知識は更新が
可能であるため、例えば処理システム特有のデータや知
識を追加したり、新たなデータや知識を蓄積することに
より、知識が客観的に整理され、処理システムの維持管
理がより正確に行えるようになる。
なお、本発明はその主旨に沿って種々に応用され、種
々の実施態様を取り得ることは当然である。例えば、推
論機構では出現微生物データ入力だけから活性汚泥プロ
セスの処理状態の推論,診断を行っても本発明の目的は
十分達せられる。また、推論機構による対処方法の出力
やマンマシンインターフェイスにおける微生物データの
照合表示は、操作性を向上させることができ好適である
が、省略しても良い。
H.発明の効果 以上の説明で明らかなように、本発明の活性汚泥プロ
セス処理状態判定装置によれば、以下のような効果を奏
する。
(1)一般の操作員や初心者でも活性汚泥プロセスの運
転管理や活性汚泥の状態の予測,処理状態の予測等を微
生物の生態に関する情報を用いて正確に行うことができ
る。
(2)診断や推論の知識の更新が可能であることから、
処理システム特有の知識を追加したり、データや知識を
蓄積することにより、より詳細な微生物と処理能力の関
係が解明され、知識が客観的に整理されて処理システム
の維持管理がより正確に行えるようになる。
(3)知識が定量的に表現可能となり、より精度の高い
予測が可能となる。
(4)個人差による操作特有のデータの見落としや偏見
による判断,誤操作を防ぐことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す活性汚泥プロセスの運
転管理システムの構成図、第2図はエキスパートシステ
ムの構成の一例を示すブロック図、第3図はエキスパー
トシステムの処理手順を示すフローチャート、第4図は
エキスパートシステムの他の構成例を示すブロック図、
第5図は診断処理のフローチャート、第6図は微生物デ
ータの入力画面を示す図、第7図は微生物データ入力の
説明図、第8図は外観データ等のデータ入力画面を示す
図、第9図は診断結果等の出力画面を示す図、第10図は
従来例の活性汚泥プロセスを示す下水処理システムの構
成図である。 20,20′……エキスパートシステム、21,21′……知識ベ
ース、22……推論エンジン、23……CRTディスプレイ
(出力装置)、24……微生物データベース、25……マン
マシンインターフェイス、26……入力装置。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性汚泥プロセスにおいて観察された活性
    汚泥微生物のうち活性汚泥プロセスの処理状態の指標と
    なる指標性微生物の出現情報と上記処理状態の関係をあ
    らかじめ登録するとともにその更新が可能な知識ベース
    と、 現在の出現微生物の種類と個体数を入力するマンマシン
    インターフェイスと、 上記知識ベースの知識を用いて上記出現微生物の種類と
    個体数分布から上記活性汚泥プロセスの処理状態を推論
    し診断する推論機構とを備えた活性汚泥プロセス処理状
    態判定装置であって、 上記指標性微生物を活性汚泥プロセスの各処理状態への
    寄与率によって微生物群に分類し、上記推論機構がその
    微生物群の出現個数または出現段階と上記寄与率を使っ
    て上記活性汚泥プロセスの処理状態を推論しその処理状
    態の確信度を計算して上記処理状態を診断することを特
    徴とする活性汚泥プロセス処理状態判定装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の活性汚泥プロセス処理状態
    判定装置において、 推論機構が活性汚泥プロセスのエアレーションタンクと
    沈殿池の外観に関する情報および/または該エアレーシ
    ョンタンク内で常時測定する環境因子情報を上記活性汚
    泥プロセスの処理状態の推論と診断に使用することを特
    徴とする活性汚泥プロセス処理状態判定装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2記載の活性汚泥プ
    ロセス処理状態判定装置において、 推論機構が活性汚泥プロセスの処理状態の診断の結果に
    基づいて対処方法を出力することを特徴とする活性汚泥
    プロセス処理状態判定装置。
  4. 【請求項4】マンマシンインターフェイスが診断のため
    のデータ入力の際に、予め記憶した活性汚泥微生物の特
    徴や形状を照合表示することを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれかに記載の活性汚泥プロセス処理状
    態判定装置。
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