JP2736798B2 - 改良された耐環境応力亀裂性をもつポリ(アリールエーテルスルホン類)と、それからつくられる医療器具 - Google Patents
改良された耐環境応力亀裂性をもつポリ(アリールエーテルスルホン類)と、それからつくられる医療器具Info
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Description
る医療器具への、よく定義されたあるポリ(アリールエ
ーテルスルホン類)の使用に関する。
4′−ジクロロジフェニルスルホンと、 (a)4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとヒド
ロキノン; (b)4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと4,4′
−ビフェノール; (c)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノール−A)と4,4′−ビフェノール;又は (d)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
とヒドロキノン のいずれかの混合物である芳香族ジヒドロキシ化合物と
に基づいている。
くられる物品は、500psi以上の応力下に水蒸気滅菌で
き、更にこれらは、例えばモルホリンのような腐食低減
化用添加物に影響されない。また、上の材料は一般に使
用される病院用クリーナーと洗剤に接触して良好な化学
的耐性を示す。
ら知られている。これらは、優れた高温耐性、良好な電
気性状、及び非常に良好な加水分解安定性のような幾つ
かの魅力的な特徴をもった強靭な線状重合体である。二
つのポリ(アリールエーテルスルホン類)が市販されて
いる。一つのポリ(アリールエーテルスルホン)はイン
ペリアル・ケミカル・インダストリーズ社から入手でき
る。これは式(1) をもち、例えばカナダ特許第847,963号に記述されてい
るように、4,4′−ジヒドロキシフェニルスルホンと4,
4′−ジクロロジフェニルスルホンとの重縮合によって
つくられる。重合体は脂肪族部分を含有せず、約210℃
の加熱撓み温度をもっている。もう一つの市販のポリ
(アリールエーテルスルホン)はアモコ・パフォーマン
ス・プロダクツ社からUDELRの商標名で入手できる。こ
れは式(2)に相当しており、 約180℃の加熱撓み温度をもっていて、合衆国特許第4,1
08,837号に記述されているとおり、ビスフェノール−A
二ナトリウム塩と4,4′−ジクロロジフェニルスルホン
との親核性重縮合を経由してつくられる。
類)と他のポリ(アリールエーテル類)(以下“PAE"と
称する)の生成と性状について、実質的な数の特許その
他の文献が現われた。広範囲のPAE類が、ジョンソン(J
ohnson)ら、J.of Polymer Science,A−1,5巻、1967
年、2415−2427頁;ジョンソンら、合衆国特許第4,108,
837号と第4,175,175号によって達成された。ジョンソン
らは、非常に広範囲のPAE類が活性化芳香族ジハライド
と芳香族ジオールとの親核性芳香族置換(縮合)反応に
よって形成できることを示している。この方法により、
ジョンソンらは一群の新しいPAE類をつくった。
び熱的性状のため、ポリ(アリールエーテルスルホン
類)は少なくとも10年間、医療市場で種々の目的に利用
されてきた。これらの医療器具は広範囲の物品からなっ
ている。明らかにポリ(アリールエーテルスルホン類)
の主要な属性の一つは、性状を失うことなく繰り返し蒸
気オートクレーブ処理される能力である。蒸気オートク
レーブ処理は非常に苛酷な試験であり、高温と加水分解
安定性を必要とし、湿/乾、熱/冷など周期的な効果を
伴う。
と(2)は、幾つかの重大な欠陥を示している。事実、
これらの材料から成形された部品は、約500psi以上の応
力下に蒸気滅菌する時や、特に水蒸気発生装置で腐食を
低減化するためにモルホリンのようなボイラー添加物を
使用するとき、また一般に使用される病院用クリーナー
や洗剤と接触する時に、応力亀裂を生ずる。これらの欠
陥を回避する方法が本発明に記述されている。
を含有する共重合体について記述している。
り返し単位(3)と、相応的に約20ないし90モル%の繰
り返し単位(4)を含めてなる。該出願は、ポリ(アリ
ールエーテルスルホン)(1)への(4)の取込みによ
り、温水ひび割れに対する改良された耐性をもつ材料が
生ずることを記述している。該出願は荷重下の蒸気滅菌
可能性について言及しておらず、モルホリンのようなボ
イラー添加物の存在下に、又は典型的な病院用クリーナ
ーや洗剤との接触時に共重合体が耐応力亀裂性を示すと
の教示もない。
ーテルスルホン類)が、500psi以上の応力下に蒸気滅菌
される時に優れた耐応力亀裂性を示すことが、今や予想
外に発見された。これらの材料は、水蒸気発生装置内の
腐食低減化用添加物によって(例えばモルホリンや同様
な物質によって)、また一般に使用される病院用クリー
ナーや洗剤との接触時に、影響されない。
(6)と(7)の混合物; 又は (b)約60ないし約100モル%、好ましくは約75ないし
約100、及び最も好ましくは約85ないし約100モル%の
(8)を含有する(6)と(8)の混合物; である。
で、(1)又は(2)の割合が50%以下のものも、上記
の応用に満足できることがわかった。
方法、すなわち炭酸塩法とアルカリ金属水酸化物法によ
ってつくることができる。
保持するために、水と共沸物を形成するような溶媒を含
めてなる溶媒混合物中で、実質的に等モル量のヒドロキ
シ含有化合物とジハロジアリールスルホン、例えば4,
4′−ジクロロジフェニルスルホン又は4,4′−ジフルオ
ロジフェニルスルホンを、ヒドロキシ基のモル当たり約
0.5ないし約1.0モルのアルカリ金属炭酸塩と接触させる
ことによって重合体がつくられる。
は約210℃ないし約235℃に、約1ないし15時間保持され
る。
物類から共重合体をつくるのに特に適した変更法では、
該追加ジヒドロキシ化合物以外の反応体を仕込んで、約
120℃ないし約180℃に約1ないし約5時間加熱し、該追
加ジヒドロキシ化合物類を添加し、温度を上げて、混合
物を約200℃ないし約250℃、好ましくは約210℃ないし
約240℃に約1ないし10時間加熱する。この変更法は、1
987年7月1日出願(共同譲渡)されたドナルド・アー
ル・ケルゼイ(Donald R.Kelsey)らの係属中の合衆国
特許出願第068,973号に更に記述されている。
されるが、より高圧又は低圧も使用できる。
のような慣用技術によって回収される。
非プロトン性溶媒とを含めてなる。水と共沸物を形成す
る溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、クロロベンゼン等のような芳香族炭化水素を包含
する。
アリールエーテルスルホン類の製造にこの技術で一般的
に知られている溶媒であり、式 R1−S(O)b−R1 [式中核R1は脂肪族不飽和を含まない1価の低級炭化水
素基を表わし、この基は好ましくは約8個未満の炭素原
子を含有し、一緒に結合されると、2価のアルキレン基
を表わし、bは整数1又は2である]のものなど、硫黄
含有溶媒を包含する。このように、これらの溶媒のすべ
てにおいて、全部の酸素と2個の炭素原子は硫黄原子に
結合される。本発明で使用を意図しているものは、式 [式中R2基は独立にメチル、エチル、プロピル、ブチル
等の低級アルキル基と、フェニルのようなアリール基、
及びトリル基のようなアルキルフェニル基である]をも
つような溶媒類、並びにR2基がテトラヒドロチオフェン
オキシドやジオキシドでのように2価のアルキレン架橋 などによって連絡された溶媒である。特定的には、これ
らの溶媒はジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、
ジフェニルスルホン、ジエチルスルホキシド、ジエチル
スルホン、ジイソプロピルスルホン、テトラヒドロチオ
フェン、1,1−ジオキシド(一般にテトラメチレンスル
ホン又はスルホランと呼ばれるもの)及びテトラヒドロ
チオフェン−1モノオキシドを包含する。
セトアミド、ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロ
リドンを包含する。
ないし約1:1、好ましくは約1:5ないし約1:3の重量比で
使用される。
塩と反応し、その場でアルカリ塩に徐々に転化される。
アルカリ金属炭酸塩は、好ましくは炭酸カリウムであ
る。既述のように、炭酸カリウム及びナトリウムのよう
な炭酸塩混合物も使用できる。
共沸物形成溶媒との共沸物として、反応塊から連続的に
除去される。
必須である。約1%までの水分は許容でき、フッ素化ジ
ハロベンゼノイド化合物類と共に使用される時は幾分有
益でもあるが、水とハロ及び/又はニトロ化合物との反
応はフェノール種の形成をもたらし、低分子量生成物し
か得られないため、これより実質的に多量の水を避ける
のが望ましい。その結果、高分子量を確保するために
は、系は実質的に無水とすべきであり、反応中の水分は
0.5重量%未満が好ましい。
ジルのような活性化芳香族ハライドや脂肪族ハライドで
重合体を処理するのが好ましい。重合体のこのような処
理は、末端ヒドロキシル基をエーテル基に転化し、これ
が重合体を安定化させる。こうして処理された重合体は
良好な溶融及び酸化安定性をもっている。
都合であるが、場合によっては、より高分子量の生成物
のアルカリ金属水酸化物法によってつくることができ
る。ジョンソンらの合衆国特許第4,108,837号と第4,17
5,175号に記述されたアルカリ金属水酸化物法では、二
価フェノールの二重アルカリ金属塩を実質的に無水条件
下に、上記の硫黄含有溶媒の存在下、ジハロベンゼノイ
ド化合物と接触せしめる。
法でつくることができる。その場合、合衆国特許第4,17
6,222号に記述されているとおり、少なくとも一つの二
価フェノールと少なくとも一つのジハロベンゼノイド化
合物が、例えば炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウム
と、ナトリウムの原子数より高い原子番号をもった第二
のアルカリ金属炭酸塩又は重炭酸塩との混合物と一緒に
加熱される。
ルエーテル類)の分子量は、塩化メチレン、クロロホル
ム、N−メチルピロリドン等のような適当な溶媒中で換
算粘度データにより指示される。25℃で100ml当たり0.2
gの濃度で測定される材料の換算粘度は、少なくとも0.3
dl/g、好ましくは0.4dl/gで、典型的には約1.5dl/gを越
えない。
れた透明度並びに顕著な耐応力亀裂性をもった医療器具
の製作を可能としている。これらの器具は500psi以上の
応力下、種々の蒸気ボイラー添加物の存在下に蒸気滅菌
できる。水蒸気発生系で腐食を低減化するために意図さ
れた典型的なボイラー添加物は、モルホリン、ヒドラジ
ン、N,N−ジエチルアミノエタノール(“NALCO 359"や
“BETZ NA−9")、及びオクタデシルアミンのようなア
ミノ化合物類である。蒸気滅菌は、種々の病院用クリー
ナーや洗剤、例えば「キャッスル(Castle)7900」(音
波クリーナー)、「ケムクレスト(Chem Crest)14」
(超音波クリーナー)、「タージトールミンフォーム
(Tergitol Min Foam)2X」(非イオン性表面活性剤)
等の商標名で販売されているものの存在下にも可能であ
る。
他の添加物を包含できる。
医療器具の製作に有用である。これらは、無菌外科用器
具の保存送出用システム(ラッピングに関するコストが
不要)などのオートクレーブ処理可能な保存トレー向け
や、医療品供給業で無菌条件下に移植片、人工装具、そ
の他医療具の出荷保存向けに、またその他多くの同様な
応用に特に有益である。
めのものであるが、いかなる形においても本発明の範囲
を限定する意図のものではない。
テルスルホン)。343.3℃(650゜F)、44psiでのメル トフローは10分間に6.5g。アモコ・パフォー マンス・
プロダクツ社販売。
ルホン)。式中Arはモル比25:75の(6)と(7)の混
合物。25℃、0.2g/100mlの濃度でN−メチルピロリドン
中での測定で、0.5ないし0.55の換算粘度をもつ。
ルピロリドン中0.2g/100mlの濃度での測定で、0.5ない
し0.55の換算粘度をもつ。
も調製し、蒸気滅菌実験に使用した。
ンチ)に成形する。これらのバーを、荷重片持ばり法に
より適用される一定応力下にオートクレーブ処理した。
50ppmモルホリン水溶液を加えたベルトン=クレーン卓
上オートクレーブ中で実験を行なった。各サイクルは27
psi下に270゜Fで30分の水蒸気サイクルに続いて室温で
最小限10分間の冷却サイクルからなるものであった。冷
却試料に欠陥やひび割れ、破損などがあるかどうかを検
査した。
エーテルスルホン類)が、モルホリンの存在下、500psi
以上の応力下に蒸気滅菌可能性をもつことを明瞭に示し
ている。ポリスルホンI/UDEL−P−1700 60:40(重量
比)の配合物でも、1000psiの応力下にUDEL P−1700よ
りかなりよく、500psiの応力下ではUDEL P−1700よりは
るかに優れているのは注目に値する。第1表に認められ
る矛盾は、恐らく配合効率の変動と、それゆえに生ずる
材料の品質に起因するものであろう。
00(比較例C)と一方のポリ(アリールエーテルスルホ
ン類)からつくった1/8インチバーを使用して、82.2℃
(180゜F)で24時間の試験を行なった。種々のクリーナ
ーと洗剤の水溶液を利用した。バーを曲げること(一定
歪)によって応力を適用した。応力値が室温に対して計
算されたことに留意されたい。つまり、82.2℃(180゜
F)での実際の値は低めになる。データを第2表にまと
めた。第2表のデータは、ポリスルホンIとポリスルホ
ンIIがUDEL P−1700よりはるかに優れた性能をもつこと
を明瞭に示している。
Claims (7)
- 【請求項1】式 [式中Arは (a)約20ないし約100モル%のp−フェニレンを含有
するジラジカル、 の混合物;及び (b)約60ないし約100モル%の4,4′−ビフェニレンを
含有するジラジカル の混合物 からなる群から選択される]のポリ(アリールエーテル
スルホン)からつくられ、500psi以上の応力下に水蒸気
滅菌の可能な耐応力亀裂性医療器具。 - 【請求項2】水蒸気発生装置中の腐食低減化用添加物に
影響されない、特許請求の範囲第1項で定義された医療
器具。 - 【請求項3】腐食低減化用添加物がモルホリン、ヒドラ
ジン、N,N−ジエチルアミノエタノール又はオクタデシ
ルアミンの一つ以上である、特許請求の範囲第2項で定
義された医療器具。 - 【請求項4】病院用クリーナーと洗剤に対して耐性のあ
る、特許請求の範囲第2項で定義された医療器具。 - 【請求項5】クリーナーや洗剤が音波クリーナー、超音
波クリーナー及び/又は非イオン性表面活性剤の群から
選ばれる、特許請求の範囲第4項で定義された医療器
具。 - 【請求項6】非イオン性表面活性剤が式 C12-14H25-29O(CH2CH2O)x[CH2CH2O/CH2CH− (CH3)O]yCH2CH(CH3)OH [式中xとyは1以上]のものであり、表面活性剤が約
640の分子量をもつ、特許請求の範囲第5項で定義され
た医療器具。 - 【請求項7】ポリ(アリールエーテルスルホン)が、塩
化メチレン又はクロロホルム中で、25℃、100ml当たり
0.2gの濃度で測定されると、約0.3ないし約1.5dl/gの換
算粘度をもっている、特許請求の範囲第1項で定義され
た医療器具。
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