JP2736388B2 - アルミニウムまたはアルミニウム合金の耐摩耗表面処理方法 - Google Patents
アルミニウムまたはアルミニウム合金の耐摩耗表面処理方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子、電気、自動車および一般機械に使用
されるアルミニウムまたはアルミニウム合金部材の耐摩
耗性、耐焼付き性の向上を図り、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金部材のしゅう動部、駆動部の耐摩耗性を
改善する経済的な表面処理方法に関する。
されるアルミニウムまたはアルミニウム合金部材の耐摩
耗性、耐焼付き性の向上を図り、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金部材のしゅう動部、駆動部の耐摩耗性を
改善する経済的な表面処理方法に関する。
アルミニウムまたはアルミニウム合金は各種機械部品
等として広く各方面に使用されているが、鉄系材料と比
較して耐摩耗性が劣るため、使用に際して大きな障害が
あった。そこで、アルミニウムまたはアルミニウム合金
の表面に耐摩耗性を持つ金属被膜を形成させたのち、適
当な熱処理を行う方法が提案されている。
等として広く各方面に使用されているが、鉄系材料と比
較して耐摩耗性が劣るため、使用に際して大きな障害が
あった。そこで、アルミニウムまたはアルミニウム合金
の表面に耐摩耗性を持つ金属被膜を形成させたのち、適
当な熱処理を行う方法が提案されている。
例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面
に銅・インジウム（Cu/In）合金層を析出させた後、熱
拡散処理を施すものであり、具体的には、熱拡散処理を
200℃で行う方法、あるいはアルミニウム合金の機械的
性質の低下を招くことが少ない120〜155℃に低い温度で
行う方法等（特公昭56−10992号公報参照）が提案され
ている。
に銅・インジウム（Cu/In）合金層を析出させた後、熱
拡散処理を施すものであり、具体的には、熱拡散処理を
200℃で行う方法、あるいはアルミニウム合金の機械的
性質の低下を招くことが少ない120〜155℃に低い温度で
行う方法等（特公昭56−10992号公報参照）が提案され
ている。
前記従来の合金めっき浴は化学的に不安定であり、時
間経過とともに劣化する傾向が避けられず、そのため、
一定組成の合金を析出させることが困難であった。
間経過とともに劣化する傾向が避けられず、そのため、
一定組成の合金を析出させることが困難であった。
さらに、熱拡散処理の採用により、母材の高度及び機
械的性質の低下等を招き、摩擦特性の向上を望めない場
合があった。
械的性質の低下等を招き、摩擦特性の向上を望めない場
合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、銅・イ
ンジウム合金めっき浴組成を変更し、熱拡散処理工程を
経ることなく耐摩耗特性を向上させる経済的な表面処理
方法を提供することを目的とするものである。
ンジウム合金めっき浴組成を変更し、熱拡散処理工程を
経ることなく耐摩耗特性を向上させる経済的な表面処理
方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、前記目的を達成するため、銅・インジウム
合金めっき浴であるシアン浴に錯化剤としてブドウ糖を
添加して電気めっきを行い、その後の熱拡散処理を不要
としたものである。
合金めっき浴であるシアン浴に錯化剤としてブドウ糖を
添加して電気めっきを行い、その後の熱拡散処理を不要
としたものである。
本発明では、前記従来例の浴で使用されているグリコ
ン酸、シュウ酸等の錯化剤にかえてブドウ糖を使用して
浴が安定させられる。
ン酸、シュウ酸等の錯化剤にかえてブドウ糖を使用して
浴が安定させられる。
本発明は前記浴によるめっき処理により、銅・インジ
ウム合金の析出物が一定の組成をもった金属間化合物と
なり、耐摩耗特性が向上させられるものであり、従来行
われていた熱拡散処理が不要となり、極めて経済的であ
る。
ウム合金の析出物が一定の組成をもった金属間化合物と
なり、耐摩耗特性が向上させられるものであり、従来行
われていた熱拡散処理が不要となり、極めて経済的であ
る。
なお、本発明によって得られためっき層は熱および電
気伝導性が良好であり、ビツカース硬度は500〜600で硬
く、しかも脆くない合金層であることが確認された。
気伝導性が良好であり、ビツカース硬度は500〜600で硬
く、しかも脆くない合金層であることが確認された。
以下に本発明の一実施例を詳細に説明する。
Al−Mg合金からなる軸受を下記組成の銅・インジウム
合金めっき浴で処理した。
合金めっき浴で処理した。
○銅／インジウム比 0.5〜3.5 ○アルカリ金属シアン化物含有量 銅1gに対して２〜4g ○ブドウ糖添加量 インジウム1gに対して３〜8g ○浴 温 20〜60℃ ○電流密度 ２〜6A/dm2 上記処理により得られためっき層のＸ線回折結果と従
来法（特公昭56−10992号公報の実施例１の浴処理）に
よって得られためっき層のＸ線回折結果を第１図に示
す。
来法（特公昭56−10992号公報の実施例１の浴処理）に
よって得られためっき層のＸ線回折結果を第１図に示
す。
本発明では回折ピークは、すべてCu9In4の一定組成の
金属間化合物であり、均一であるため耐摩耗性に優れて
いるが、従来法の化合物はCu9In4の他にCu7In4，Cu4In
およびInのピークが見られ、不均一なめっき層であるこ
とが判明した。
金属間化合物であり、均一であるため耐摩耗性に優れて
いるが、従来法の化合物はCu9In4の他にCu7In4，Cu4In
およびInのピークが見られ、不均一なめっき層であるこ
とが判明した。
第２図には摩耗試験結果が示されている。
なお、比較例として、Al−Mg合金の未処理品及び無電
解Niめっきの場合を示した。
解Niめっきの場合を示した。
試験条件は下記の通りである。
○試験機 トライボメーター摩擦摩耗試験機 ○リング S45C ○プレート Cu/In合金めっき厚20μｍ 無電解Niめっき厚50μｍ ○面 圧 7kg/mm2 ○すべり速度 1m/sec ○すべり距離 600m（時間10min） 上記試験において、Al−Mg合金未処理材は摩耗量が非
常に大きく、試験を途中で中止した。
常に大きく、試験を途中で中止した。
また、比較の無電解Niめっきは摩耗量が約200mgと大
きな値を示すが、本発明の銅・インジウム合金めっきは
摩耗量が少なく、無電解Niめっきに比べ、耐摩耗性が約
10倍に向上していたことが確認されたものである。第３
図には、他の摩耗試験結果が示されている。この摩耗試
験結果は、Al−Si合金からなるプレートを銅−インジウ
ム合金めっき浴であるシアン浴に錯化剤としてグリコン
酸、シュウ酸を添加して電気めっきを施し、その後200
℃で熱拡散処理を施した「従来例」と前記錯化剤にかえ
てブドウ糖を添加した銅−インジウム合金めっき浴のシ
アン浴にて電気めっきを施しただけの本発明の「Cu/In
合金メッキ」の場合の摩耗試験結果である。
きな値を示すが、本発明の銅・インジウム合金めっきは
摩耗量が少なく、無電解Niめっきに比べ、耐摩耗性が約
10倍に向上していたことが確認されたものである。第３
図には、他の摩耗試験結果が示されている。この摩耗試
験結果は、Al−Si合金からなるプレートを銅−インジウ
ム合金めっき浴であるシアン浴に錯化剤としてグリコン
酸、シュウ酸を添加して電気めっきを施し、その後200
℃で熱拡散処理を施した「従来例」と前記錯化剤にかえ
てブドウ糖を添加した銅−インジウム合金めっき浴のシ
アン浴にて電気めっきを施しただけの本発明の「Cu/In
合金メッキ」の場合の摩耗試験結果である。
同図から明らかなように、本発明のよれば、めっき処
理後の熱拡散処理を必要とせず、耐摩耗性が約２倍向上
することが確認されたものである。なお、前記摩耗試験
は前記試験条件と同様である。
理後の熱拡散処理を必要とせず、耐摩耗性が約２倍向上
することが確認されたものである。なお、前記摩耗試験
は前記試験条件と同様である。
本発明によれば、熱拡散処理を経ることなく耐摩耗特
性を向上させることができ、経済的である効果が得られ
るものである。
性を向上させることができ、経済的である効果が得られ
るものである。
第１図はＸ線回折図、第２図は摩耗試験結果を示すグラ
フである。第３図は他の摩耗試験結果を示すグラフ。
フである。第３図は他の摩耗試験結果を示すグラフ。
Claims (1)
- 【請求項１】銅・インジウム合金めっき浴であるシアン
浴に錯化剤としてブドウ糖を添加して電気めっきを行
い、その後の熱拡散処理を不要としたことを特徴とする
アルミニウムまたはアルミニウム合金表面の耐摩耗表面
処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18126489A JP2736388B2 (ja) | 1989-07-13 | 1989-07-13 | アルミニウムまたはアルミニウム合金の耐摩耗表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18126489A JP2736388B2 (ja) | 1989-07-13 | 1989-07-13 | アルミニウムまたはアルミニウム合金の耐摩耗表面処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0347989A JPH0347989A (ja) | 1991-02-28 |
| JP2736388B2 true JP2736388B2 (ja) | 1998-04-02 |
Family
ID=16097662
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18126489A Expired - Lifetime JP2736388B2 (ja) | 1989-07-13 | 1989-07-13 | アルミニウムまたはアルミニウム合金の耐摩耗表面処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2736388B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4739553B2 (ja) * | 2001-03-12 | 2011-08-03 | 株式会社アクタ | 表示ボード |
| JP2009228078A (ja) * | 2008-03-24 | 2009-10-08 | Fujitsu Ltd | 電解メッキ液、電解メッキ方法、および半導体装置の製造方法 |
| JP5522788B2 (ja) * | 2010-06-07 | 2014-06-18 | 武海 秋元 | 銀表面の硫化変色防止用メッキ液 |
-
1989
- 1989-07-13 JP JP18126489A patent/JP2736388B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0347989A (ja) | 1991-02-28 |
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