JP2733426B2 - 生分解性積層フィルム - Google Patents

生分解性積層フィルム

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JP2733426B2 JP5106424A JP10642493A JP2733426B2 JP 2733426 B2 JP2733426 B2 JP 2733426B2 JP 5106424 A JP5106424 A JP 5106424A JP 10642493 A JP10642493 A JP 10642493A JP 2733426 B2 JP2733426 B2 JP 2733426B2
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清隆 表
谷口  正幸
和也 八房
徹 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層フィルムに関する
ものであり、更に詳しくは、生分解性機能を有する軟包
装用フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のプラスチック包装材料の使用後の
ゴミ廃棄物問題の解決策の一つとして、自然界の微生物
によって資化され分解される生分解性樹脂が注目され検
討が進められている。更に、この様な生分解性樹脂を用
いて包装材料を作る試みが精力的に行われている。しか
し、従来の汎用合成樹脂を用いた場合は、完全な生分解
性を得ることは不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、完全な生分
解性を有し、かつフィルム包装(軟包装材料)として使
用可能な生分解性積層フィルムを提供することを課題と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、セロハンフィルムと、ジイソシアナート
の存在下でジカルボン酸とグリコールから合成された
(化1)(式中、m,m’≧30、M≧1であり、n,
n’≦10の偶数、Rがジイソシアナート残基である)
の一般式で示される樹脂を含むフィルムとセロハンフィ
ルムを積層してなる生分解性積層フィルムである。
【0005】<発明の詳述>セロハンフィルムは、従来
より未処理又は防湿等のためコティングされたフィルム
として、食品包装分野で広く利用されている。セロハン
フィルムは透明性が大で、光沢がよく、優れた印刷適性
を持ち、しかも適当な腰の強さがあり、帯電性がなく、
滑り性が良い、包装機械適性が良い、耐油性が良い、ガ
ス透過に対して高い抵抗性を有する等大きな物性上の長
所を有しており、かつ、環境微生物により分解されて完
全に消失する(完全生分解性)機能を有している。
【0006】このため、生分解性の包装材料としてセロ
ハンを用いる試みは多くなされて来た。しかし、セロハ
ン単独では、熱接着性が無い。また、熱接着性を付与す
るため、ニトロセルロースを主体とするラッカー、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合物、塩化ビニル−塩化ビニリ
デン共重合物、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合物等を主成分として、コーティングしたフィルムが上
市されている。しかし、得られる接着強度は弱く、内容
物重量の軽い、および液体を含まないものに限定されて
いた。かつ、環境湿度により強度が著しく変化する等の
理由で、汎用的な包装材料としてセロハンフィルムの単
独利用は不可能であった。
【0007】現在は、これらセロハンフィルムの一面で
の長所を生かし欠点を補うため、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等熱接着性を有する樹脂を積層し、複合フィル
ムとして包装材料に多く用いられている。しかし、一方
ポリエチレン、ポリプロピレン等は生分解性が無いた
め、使用後、土中に埋設されても永久的に生分解される
ことなく、また、埋設中に散乱した場合も生分解される
ことなく、強く改良が望まれているのが現状である。
【0008】本発明は、これらの問題点の解決を目標と
したものであり、セロハンフィルムとジカルボン酸とグ
リコールを重縮合して得られる(化1)(式中、m,
m’≧30、M≧1であり、n,n’≦10の偶数、R
がジイソシアナート残基である)の一般式で示される樹
脂(昭和高分子(株)製 ビオノーレ)から成るフィル
ムとを積層複合化して得られる。
【0009】昭和高分子(株)製 ビオノーレフィルム
は、熱可塑性で、かつ、熱接着性を有する強靱なフィル
ムであり、その製法は、特開平4−189822号公
報、特開平4−189823号公報に開示されている。
【0010】ポリエステルは構造から芳香族と脂肪族に
分類され、かつ、芳香族ポリエステルは生分解性は無い
が、脂肪族ポリエステルが生分解性を有することは知ら
れている。(生分解性プラスチックのおはなし、日本規
格協会、P59〜P66、1991)ビオノーレは脂肪
族ポリエステルに分類され、完全生分解性を有すること
が知られている。
【0011】積層方法は、基材であるセロハンフィルム
上に上記分解性樹脂を溶融押出法にて積層する方法およ
び、接着剤を介して積層する方法のいずれも可能であ
る。更に、基材の代替として薄紙又は原紙を用いて、ビ
オノーレを積層することも可能である。この場合には、
紙カップ、紙トレーなどへ応用可能である。
【0012】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。
【0013】<実施例>巻取り状セロハンフィルム(東
京セロハン(株)製 300番手 PTタイプ)の片面
に、Tダイ式溶融押出機にて、加工温度200℃で脂肪
族ポリエステル(昭和高分子(株)製 ビオノーレ #
1000)を20μmの厚さにコーティングし、積層フ
ィルムを得た。本実施例で作製した積層フィルムを用い
て、封緘に熱接着法を用いたピロータイプ包装機にて食
品の包装を行ったところ、良好に包装することができ
た。また、作製した包材を畑土壌中に埋設し、分解製の
試験を行ったところ、3ケ月後に包材はほぼバラバラ状
に分散し、6ケ月後には土壌との判別は不可能であっ
た。
【0014】<比較例>実施例と同様のセロハンフィル
ム片面に、同様の方法で加工温度290℃でポリエチレ
ン(三井石油化学工業(株)製 M16P)を20μm
の厚さでコーティングし、積層フィルムを得た。実施例
と同様な方法で、ピロー包装適性を評価したところ良好
な結果を得たが、畑土壌埋設試験においては、3ケ月、
6ケ月、1年後ともほぼ同様の形状で残っており、分解
性は認められなかった。
【0015】
【発明の効果】本発明のセロハンフィルムと、ジイソシ
アナートの存在下でジカルボン酸とグリコールから合成
された一般式(化1)で示される樹脂を含むフィルムを
積層して成る生分解性積層フィルムを用いると、軟包装
剤として十分な機能有し、使用後土中に埋設するだけで
容易に完全に生分解されるので、環境汚染を防止でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 増田 亮子 (56)参考文献 特開 平6−99555(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジイソシアナートの存在下でジカルボン酸
    とグリコールから合成された 【化1】 (式中、m,m’≧30、M≧1であり、n,n’≦1
    0の偶数、Rがジイソシアナート残基である)の一般式
    で示される樹脂を含むフィルムとセロハンフィルムを積
    層してなる生分解性積層フィルム。
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