JP2732257B2 - 優れた耐光堅牢性を有するポリアミド染色物及びその製造方法 - Google Patents

優れた耐光堅牢性を有するポリアミド染色物及びその製造方法

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JP2732257B2 JP63185463A JP18546388A JP2732257B2 JP 2732257 B2 JP2732257 B2 JP 2732257B2 JP 63185463 A JP63185463 A JP 63185463A JP 18546388 A JP18546388 A JP 18546388A JP 2732257 B2 JP2732257 B2 JP 2732257B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は優れた耐光堅牢性を有するポリアミド染色物
(ポリアミド繊維染色物及びポリアミド繊維構造物染色
物及び成形品)に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
ポリアミド、特に、ナイロン6、ナイロン66は優れた
高強度耐久性を有するため糸条にして衣料用をはじめイ
ンテリア用、産業資材用に広く利用されている。しかし
ながらポリアミドの大きな欠点は染色後、屋外で長時間
曝露された時、光劣化作用によって退色し易いことであ
る。
ポリアミド染色物の耐光劣化を向上させるために古く
から原糸製造段階あるいは染色加工段階において各種検
討が加えられてきた。
原糸製造段階においては、例えば銅或いは銅塩をポリ
アミド中に添加する方法がある。銅がポリアミドの耐熱
酸化及び耐光酸化に効果を有することは古くから知られ
る所である(フランス国特許906893号明細書、英国特許
652947号明細書、ドイツ国特許883644号明細書)。しか
し銅化合物単独では、満足すべき効果を挙げることがで
きなく、また紡糸や成形等の溶融加工次に微量添加した
場合でさえも金属銅が析出するという欠点がある。そこ
で銅化合物の安定化効果を高める為に、特公昭48−1095
6号公報、同48−7700号公報に提案されている如く銅化
合物とヨウ素、ヨウ素化合物とを併用する方法等があ
る。しかし、いずれの場合も、ポリアミド染色物の強伸
度保持率は高いが、ポリアミド染色物の光劣化作用によ
る変退色には、ほとんど効果はなく満足できるものが得
られていないのが実情である。
染色加工段階に行う手段としては、ポリアミド繊維あ
るいは繊維構造物の優れた耐光堅牢度を得るために金属
錯塩染料を用いる方法が一般的である。しかしこれだけ
では、なお不十分なために、さらに染色物の耐光堅牢性
を向上させる方法として例えば、硫酸銅をはじめとする
銅塩を染色時に使用する方法が公知で、例えばアメリカ
ン・ダイスタッフ・リポーター(1980)19および20頁の
I.B.HANESの論文が参照される。
しかしポリアミド繊維の用途によっては、通常の染色
堅牢度を遥かに上回る耐光堅牢性を要求されることも稀
ではなく、その様な用途には上記方法はなお不十分であ
る。例えば或る種のカーシート、カーペットの様にポリ
ウレタンフォームで裏打ちされた製品にあっては、一般
の衣料用耐光性基準(63℃、20〜40時間フェートメータ
ー測定)に比し苛酷な基準が設けられている。この様な
基準として例えば83℃、200時間フェードメーター測定
を用いて評価してみると、前述した様な原糸製造方法で
銅化合物を添加した繊維をミリング染料、レベリング染
料等で染色した場合、JIS−0842のグレースケール法で
は1級であった。またポリアミド繊維を金属錯塩染料で
染色した場合の耐光堅牢度は、1〜2級であった。耐光
堅牢性を向上させるために金属錯塩染料使用時に銅塩を
併用しても耐光堅牢度は高々3級までしか向上しない。
本発明の目的は前述した様な苛酷な基準においても超
耐光堅牢性を有する、例えば4級以上の耐光堅牢度のポ
リアミド繊維染色物を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
前記目的を達成する本発明のポリアミド染色物は金属
錯塩染料により染色されたポリアミド染色物において、
該ポリアミドがゼオライト粒子を分散含有することを特
徴とするポリアミド染色物である。
また前記目的を達成する本発明の方法はポリアミドを
金属錯塩染料で染色するポリアミド染色物の製造方法に
おいて、該ポリアミドがゼオライト粒子を含み、該ゼオ
ライト粒子が前記金属錯塩染料の中心金属よりイオン化
傾向の大きな金属を金属イオンとして保持し、該ゼオラ
イト粒子に保持されている上記金属イオンの量が、前記
ポリアミドに対して0.005重量%以上であることを特徴
とする方法である。
本発明において、金属錯塩染料で染色すると、ゼオラ
イトのイオン交換可能な部分に金属錯塩染料の中心金属
が配位結合されると推測される。従って、その結合力は
活性炭やアルミナ等の吸着物質に単に物理的吸着により
保持されるものと異なり極めて大きい。このことは本発
明で提供するポリアミド染色物の耐光堅牢性が非常に長
時間持続することと密接に関連するものと理解される。
ゼオライトは一般に三次元的に発達した骨格構造を有
するアルミノシリケートであって、一般にはAl2O3を基
準にして、XM2/nO・Al2O3・YSiO2・ZH2Oで表わされ
る。Mはイオン交換可能な金属イオンを表わし、通常は
1価〜2価の金属であり、nはこの原子価に対応する。
一方、X、Yはそれぞれ金属酸化物、シリカの係数、Z
は結晶水の数を表わしている。ゼオライトは、その組成
比及び細孔径、比表面積などの異なる多くの種類のもの
が知られている。
本発明で使用するゼオライト粒子の比表面積は150m2/
g(無水ゼオライト基準)以上であって、ゼオライト構
成成分のSiO2/Al2O3モル比は14以下、特に11以下である
ことが好ましい。
ゼオライトの交換基の量、交換速度、アクセスビリテ
ィーなどが金属錯塩染料での染色段階における物理化学
的挙動に帰因するものと考えられる。
ゼオライト粒子に金属錯塩染料を保持させる方法とし
ては、ゼオライト粒子を含有するポリアミドを金属錯塩
染料で染色することにより保持させることができる。該
ゼオライト粒子は染色で用いる金属錯塩染料の中心金属
よりもイオン化傾向の大きい金属のイオンを保持してい
ることが重要である。すなわち本発明で目的としている
超耐光堅牢性を有するポリアミド染色物は、かかるゼオ
ライト粒子を含有するポリアミドを金属錯塩染料にて処
理して初めて得られることを意味する。これは、金属錯
塩染料が、ポリアミド繊維分子中のアミノ基又はカルボ
キシル基と配位結合すると同時に金属錯塩染料の中心金
属が、該ゼオライトが保持する金属イオンとイオン交換
し、前述した様にゼオライトとの配位結合により安定保
持させられるものと考える。
本発明で使用するSiO2/Al2O3のモル比が14以下のゼオ
ライト素材としては天然または合成品の何れのゼオライ
トも使用可能である。例えば天然のゼオライトとしては
アナルシン(Analcime:SiO2/Al2O3=3.6〜5.6)、チャ
バサイト(Chabazite:SiO2/Al2O3=3.3〜6.0及び6.4〜
7.6)、クリノプチロライト(Clinoptilolite:SiO2/Al2
O3=8.5〜10.5)、エリオナイト(Erionite:SiO2/Al2O3
=5.8〜7.4)、フオジャサイト(Faujasite:SiO2/Al2O3
=4.2〜4.6)、モルデナイト(Mordenite:SiO3/Al2O3
8.34〜10.0)、モルデナイトSiO2/Al2O3=9〜10)等が
挙げられるが、これらの合成ゼオライトは本発明のゼオ
ライト素材として好適である。特に好ましいもとは、合
成のA型−ゼオライト、X−型ゼオライト、及びY−型
ゼオライト及び合成又は天然のモルデナイトである。
これらのイオン交換可能な金属はNa+(ナトリウムイ
オン)であるが、以下に述べるイオン化傾向から見て非
常に好適といえる。すなわちイオン化傾向を代表的な金
属について列挙するとK>Na>Ca>Mg>Zn>Cr>FeII
Cd>Co>Ni>Sn>Pb>FeIII>(H)>Cu>Ag>Hg>Au
となり本発明で用いられる金属錯塩染料の中心金属が好
ましくはCo、Cr、Ni、Cuのいずれかであることから、ゼ
オライト中の上記金属イオンが、イオン化傾向の大きい
Naイオンであるのは非常に好都合である。
ゼオライトの形状は、粉末粒子状が好ましく粒子径
は、10μ以下が好ましい。平均粒子径が10μを越える
と、分散状態のキメが荒くなり易く、耐光性の効果が乏
しくなる。太デニールの繊維へ適用する場合は数μ〜10
μで良く、一方細デニールの繊維に用いる場合は粒子径
が小さい方が好ましく紡糸性からして5μ以下、更に好
ましくは2μ以下である。
ゼオライト粒子がポリアミド中に占める割合は、0.03
重量%(無水ゼオライト基準)以上である。0.03重量%
未満の場合は、超耐光堅牢性を有するに足る金属錯塩染
料を保持させることが困難である。かかる観点から好ま
しくは0.05重量%以上、更に好ましくは0.10重量%以上
が好適である。
またゼオライト粒子のポリアミドに対する添加量は、
前述の如く0.03重量%以上であるが、ゼオライト粒子の
保持する金属イオンのポリアミドに対する重量%として
は約0.005重量%となる様に調整しなければならない。
すなわちゼオライト粒子をポリアミドに対して0.03重量
%以上添加してもイオン交換可能な金属イオンが、0.00
5重量%未満の場合は、超耐光堅牢性を有するに足る金
属錯塩染料を保持させることができない。かかる観点か
ら好ましい含有量は0.007重量%以上、更に好ましくは
0.01重量%以上である。
本発明のポリアミドとは、ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン11、ナイロン12及び各種ラクタムあるいはジア
ミン類あるいはジカルボン酸類等からなる繊維形成性に
優れたポリアミドである。ゼオライト粒子のポリアミド
への添加混合の時期及び方法は特に限定されるものでは
ない。例えば原料モノマーに添加混合後重合する方法、
反応中間体に添加混合する方法、重量終了時のポリマー
に添加混合する方法、ポリマーペレットに添加混合して
成型する方法、紡糸原液へ添加混合する方法などがあ
る。以下簡単のために、これらの方法を単に「ポリアミ
ドに添加混合する」と言う。要は用いるポリアミドの性
質、工程上の特徴などに応じて最適の方法を採用すれば
よい。通常、成型直前に添加混合する方法が好適であ
る。
本発明で用いられる金属錯塩染料は、その中心金属
が、Co、Cr、Ni、Cuのいずれかである金属錯塩染料であ
り、媒染染料、酸性媒染染料、含金属酸性染料、含銅直
接染料等があるが、本発明で用いられる金属錯塩染料と
しては、予め金属原子が色素分子と配位結合している必
要があり、含金属酸性染料、含銅直接染料が好ましい。
酸性媒染染料の様に染色後重クロム酸塩で処理する方
法、いわゆるクロム後処理法を用いる場合は、本発明に
は不適である。
含金属酸性染料には、1:1金属錯塩染料、1:2金属錯塩
染料があるが、本発明では特に工程上中性または弱酸性
の染浴で染色可能な1:2金属錯塩染料が好ましい。この
系統の染料としては、例えばIrgalan(商業、チバガイ
ギー社製)、Lanasyn(商標、サンド社、三菱化成
(株)製)、Lanyl(商標、住友化学(株)製)、Kayak
alan(商標、日本化薬(株)製)、Aizen Flosan(商
標、保土谷化学(株)製)などがある。
又、含銅直接染料としては、例えばC.I.Direct Red 8
3、C.I.Direct Brown 95、C.I.Direct Blue 90等があ
る。
本発明で用いられる金属錯塩染料による染色方法、使
用量は特に限定されるものでなく、所望の色、濃さによ
り適宜選択して染色すれば良い。ポリアミド繊維及び繊
維材料を染色するための方法は、従来公知の方法で行え
ばよく、染浴は水及び染料以外に、さらに消泡剤、均染
剤、綾染剤、pH調整剤としての塩や酸などさらに若干の
色調を持たせるために他の染料例えば酸性染料、分散染
料を使用し得る。又、金属錯塩染料の使用量は、耐光性
からして被処理繊維類に対して0.01重量%以上が好まし
く、通常0.01〜2.0重量%が望ましい。さらに耐光堅牢
性を向上させるために金属錯塩染料使用時に、銅塩を併
用しても良い。
なお、ゼオライトのイオン交換可能の金属イオン(ナ
トリウムイオン)を他の金属とイオン交換することによ
り、耐光性を向上させるばかりでなく全く別の機能を付
与することが可能となる。例えば銅イオン、銀イオン、
亜鉛イオン等が抗菌性を有することが知られており、こ
れらの金属イオンでナトリウムイオン(Na+)を一部置
換したゼオライトを含有するポリアミドを金属錯塩染料
で染色することにより、耐光染色堅牢性に優れているば
かりでなく、抗菌作用を有するポリアミド染色物を得る
ことも可能である。
さらに、例えばあらかじめ銅イオン(Cu2+)でナトリ
ウムイオン(Na+)を一部置換したゼオライトを含有す
るポリアミドを金属錯塩染料で染色することにより耐光
染色堅牢性に優れているばかりでなく光劣化による強伸
度低下をも大幅に改良したポリアミド染色物を得ること
も可能でなる。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はそ
の要旨を越えぬ限り本実施例に限定されるものではな
い。
実施例中の耐光堅牢度及び強度保持率、抗菌力は以下
の試験方法によって測定した。
(耐光堅牢度測定法) 加工試料を7cm×7cmに切断し、厚さ10cmのポリウレタ
ンフォームを同じ大きさに切断して裏面にあて、フェー
ドメーターに装填、器内を83℃に保ち200時間露光し変
色の程度をグレースケールにて判定した。
(強伸度保持率) 糸試料をフェードメーターに装填、器内を83℃に保ち
200時間露光した後の強度保持率を測定した。
(抗 菌 力) 以下に示す細菌の死滅率で測定。
(細菌の死滅率の測定) Escherichia coli、又はStaphylococcus aureusの懸
濁液を用い、試験菌液が2〜4×105ケ/mlとなる様希釈
調整した。この試験菌液0.2mlを成形体上に滴下し、保
持させたまま37℃で18時間作用させた。18時間後、成形
体を生理食塩水で洗い全体を100mlとした後、その中1ml
を寒天培地に分散させ、37℃で24時間保持し、生存個数
を測定して死滅率を算出した。
実施例において、ゼオライト中でナトリウム、銅及び
銀がイオンとして存在しているが、簡単のためにこれら
を単に、ナトリウムあるいはNa,銅あるいはCu,銀あるい
はAgと夫々言う。
実施例 1〜4 本発明の実施例で使用する天然及び合成ゼオライト粒
子を粉砕・分級して平均粒径0.6〜2.0μのゼオライトZ1
〜Z4を得た。ゼオライトZ1、Z2、Z3及びZ4が含有するNa
の理論含有量は第1表に示す如く無水ゼオライトを基準
として、それぞれ15.7wt%、14.4wt%、11.2wt%、及び
6.0wt%であった。
これらのゼオライトを減圧下200℃で7時間乾燥し
た。95%硫酸で測定した相対粘度(ηrel.)2.3の6ナ
イロンチップに、2重量%の割合になる様にZ1〜Z4のい
ずれか1つのゼオライトを添加混合し溶融紡糸した後延
伸して70デニール/24フィラメントの延伸糸を得た。こ
のときZ1,Z2,Z3及びZ4を含む延伸糸をそれぞれ試料,
,及びとした。これらの試料のNa含有量は第2表
に示す通りであった。
これらの試料〜を常法でナイロントリコット起毛
布として金属錯塩染料(中心金属−Co,Cr)を用い下記
染浴組成及び条件で染色した後耐光堅牢度を測定した。
測定の結果を第2表に示した。
染 浴 1(含金染料) ラナシン イエロー2RL(商標、サンド社製) 0.103 %owf 含金染料(中心金属Co) ラナシン ボルドーRL(商標、サンド社製) 0.0165%owf 含金染料(中心金属Co) ラナシン ブラックBRL(商標、サンド社製) 0.06 %owf 含金染料(中心金属Cr) 硫 安 0.5 g/ ネオゲン S−20(商標、第1工業製) 2.0 %owf セロポールDR−80(商標、三洋化成製) 0.6 %owf 浴 比:30倍 浴 温:60分間かけて30〜90℃まで昇温させながら
染色し、引き続きその温度で45分間染色した。
比較例 1〜3 ゼオライトを含有しないポリアミド(試料)を染浴
1で染色したもの、並びに試料及びゼオライトZ3を含
む試料を金属錯塩染料でないレベリングタイプ酸性染
料を用いて下記染浴組成及び条件で染色したものについ
て耐光堅牢度を測定した。測定の結果は第2表の如くで
あった。
染 浴2 (レベリングタイプ酸性染料) カヤノール イエローNFG(商標、日本化薬製) 0.12 %owf カヤノール フロキシンNK(商標、日本化薬製) 0.1 %owf アミニール ブルーE−2GL(商標、住友化学製) 0.092%owf 酢 酸 0.5 g/ ネオゲン S−20 2.0 %owf セロポールDR−80 0.6 %owf 浴温及び浴比:実施例1と同様 この結果よりゼオライトを添加した試料〜を金属
錯塩染料で染色した本発明の試料については耐光堅牢度
4級と非常に良好な耐光堅牢度を示したのに対し、ゼオ
ライトを含有しないポリアミド試料については、金属
錯塩染料で染色しても耐光堅牢度が1〜2級で良好な結
果は得られなかった。またゼオライトを含有している試
料及び含有していない試料を金属錯塩染料とは異な
るレベリングタイプ染料で染色した場合にはどちらの場
合も耐光堅牢度1級でやはり不良であった。
すなわち本発明のゼオライトを添加混合したポリアミ
ド繊維を金属錯塩染料で染色した染色物が優れた耐光堅
牢度を有することが分る。
実施例5−1〜5−3及び比較例4 実施例3で用いたゼオライトZ3のポリアミドに対する
添加量を0.018,0.045,9.0及び13.0wt%に変え実施例1
に従って得られたナイロントリコット起毛布をそれぞれ
試料〜とした。このポリアミド繊維中のNa含有量は
第3表の如くであった。これの試料〜を実施例1の
金属錯塩染料(染浴1)で染色して、耐光堅牢度を測定
した。測定の結果は第3表に示した通りである。
これらの結果よりゼオライトが保持するNa含有量が、
ポリアミド全体に対して0.002wt%では耐光堅牢度2級
で効果が不十分であるのに対して0.005wt%含有してい
るものについては、耐光堅牢度は4級で大変良好な効果
を確認できた。このことは、本発明におけるポリアミド
全体中に占める割合は、約0.005wt%以上であることが
好ましいことを意味する。又、ポリアミド全体に対する
Na含有量が1.0wt%以,1.5wt%においても耐光堅牢度4
〜5級で非常に良好だが、1.5wt%添加したものについ
ては紡糸時糸切が多発し製糸困難であった。このことか
ら紡糸性を考慮に入れ、ポリアミド全体に対するゼオラ
イトの添加量は9wt%未満となる様にした方が好ましい
といえる。
実施例6及び比較例5 第1表に示したZ3の微粉末乾燥品250gに1/20M硫酸銅
水溶液1を加えて室温で5時間撹拌した後濾過するイ
オン交換処理を繰返し4回行った。かかるイオン交換法
により得られた銅−ゼオライトを水洗して付着した過剰
の銅イオンを除去した。水洗した銅−ゼオライトを100
〜105℃で乾燥してから粉砕し銅−ゼオライトの微粉末
を得た。得られた銅−ゼオライト乾燥品の銅含有量及び
比表面積は第4表に示す通りであった。この銅−ゼオラ
イトを用いて実施例1と同様にしてポリアミド繊維を得
た。ポリアミド繊維中の理論金属含有量は、それぞれNa
−0.184wt%、Cu−0.055wt%となる。得られたポリアミ
ド繊維を実施例1と同様にしてトリコット起毛布を作
り、これを試料とした。
試料を金属錯塩染料(染浴1)で染色した後、耐光
堅牢度及び強度保持率を測定した。比較例として銅−ゼ
オライトを含有しないポリアミド試料についても、染
浴1で染色した後強度保持率を測定した。試料及び試
料についての測定の結果を比較して第5表に示す。
この結果より、ゼオライトに銅を保持させたものにつ
いては金属錯塩染料で処理すれば耐光堅牢度4級に加え
てポリアミド繊維中のCuの効果により強度保持率は75.0
%であった。銅−ゼオライトを含有しないポリアミドの
場合は、耐光堅牢度1級、強度保持率15.0%であること
から、銅−ゼオライトを含有するポリアミドを金属錯塩
染料で染色することにより褪色に関する耐光堅牢性に優
れているばかりでなく、光劣化による強伸度低下を大幅
に改良したポリアミド染色物を得ることも可能となるこ
とが判った。
実施例7及び比較例6 ゼオライトZ3を含有する試料及び含有しない試料
を、銅塩を併用した下記染浴3にて染色し、それぞれの
耐光堅牢度を測定した。測定の結果は第6表に示した通
りである。
この結果よりゼオライトを含有したポリアミド繊維
(試料)を金属錯塩染料と耐光向上剤(銅塩)とを併
用した染浴3にて染色すれば、耐光堅牢性は4級から5
級まで向上するが、ゼオライトを含有しないポリアミド
繊維においては、高々3級までしか向上しないことが判
った。
実施例8及び比較例7 第1表に示したZ3の微粉末乾燥品を250gを採取し、こ
れに1/20M硝酸銀水溶液1を加えて得られた混合物を
室温にて3時間撹拌下に保持してイオン交換を行った。
かかるイオン交換法により得られた銀−ゼオライトを濾
過した後、水洗して過剰の銀イオンを除去した。得られ
た銀−ゼオライトを実施例3と同様な方法で硫酸銅水溶
液で処理して銀,銅−ゼオライトを得た。得られた銀,
銅−ゼオライトの銅,銀含有量及び比表面積は第7表の
如くであった。
得られた銀,銅−ゼオライトを実施例1と同様にして
延伸糸(試料11)を得た。原子吸光光度計及び螢光X線
分析にて測定した延伸糸中の金属含有量は第8表に示す
通りであった。
この試料11を用いて実施例1と同様にしてトリコット
起毛布を作成し、下記金属錯塩染料(染浴4)で染色し
た。
得られたポリアミド染色物中の金属含有量は第8表に
示す通りであった。また、このポリアミド染色物につい
て耐光堅牢性、強度保持率及び抗菌力の測定を行った。
比較例として銀,銅−ゼオライトを含有しない試料
についても上記と同様にして染色し、同様な測定を行っ
た。測定の結果は併せて第9表に示す。
第8表の結果より銅,銀−ゼオライトを含有するポリ
アミド繊維を金属錯塩染料で染色することにより、銅、
銀、シリカの含有量はほぼ一定であるのに対しナトリウ
ムのみが0.053wt%から0.022wt%に減少していることが
判る。このことは銀、銅−ゼオライトを含有するポリア
ミド繊維を金属錯塩染料で染色した場合、本発明の通り
銀,銅がイオン交換されることなくナトリウムのみがイ
オン交換されゼオライトが金属錯塩染料を保持している
ことを意味している。
また第9表の結果より銀,銅−ゼオライトを含有する
ポリアミド繊維を金属錯塩染料で染色した染色物は、耐
光堅牢度4級、強度保持率73.5%という超耐光性を有す
るとともに真菌死滅率100%の超抗菌力を有しているこ
とが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06P 5/00 DBG D06P 5/00 DBG 105 105 (56)参考文献 特開 昭63−175117(JP,A) 特開 昭58−117256(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属錯塩染料により染色されたポリアミド
    染色物において、該ポリアミドがゼオライト粒子を分散
    含有することを特徴とするポリアミド染色物。
  2. 【請求項2】ポリアミドを金属錯塩染料で染色するポリ
    アミド染色物の製造方法において、該ポリアミドがゼオ
    ライト粒子を含み、該ゼオライト粒子が前記金属錯塩染
    料の中心金属よりイオン化傾向の大きな金属を金属イオ
    ンとして保持し、該ゼオライト粒子に保持されている上
    記金属イオンの量が、前記ポリアミドに対して0.005重
    量%以上であることを特徴とする方法。
JP63185463A 1988-07-27 1988-07-27 優れた耐光堅牢性を有するポリアミド染色物及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2732257B2 (ja)

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