JP2731844B2 - 哺乳動物の細胞にポリヌクレオチドを導入するキャリア及び水溶性高分子複合体並びにその導入方法 - Google Patents

哺乳動物の細胞にポリヌクレオチドを導入するキャリア及び水溶性高分子複合体並びにその導入方法

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JP2731844B2 JP63023633A JP2363388A JP2731844B2 JP 2731844 B2 JP2731844 B2 JP 2731844B2 JP 63023633 A JP63023633 A JP 63023633A JP 2363388 A JP2363388 A JP 2363388A JP 2731844 B2 JP2731844 B2 JP 2731844B2
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Description

【発明の詳細な説明】 背景の技術及び発明の概要 本発明は一般に、哺乳動物の細胞に外部遺伝子を導入
することに関する。より詳細には、斯かる細胞に水溶性
核酸複合体を非組織破壊的に標的化されて受け渡すため
の新規で改良されたキャリア機構及び方法に関する。
ガラス器内で(in vitro)哺乳動物の細胞に外部遺
伝子を導入することは、遺伝子調節研究のためにしばし
ば使われる。それを達成するために様々な技術が使用さ
れてきた。斯かる遺伝子の形質転換のための最も人気の
ある方法は、リン酸カルシウムがDNAと共沈物を形成す
るために使われ不溶性の粒子を形成する沈澱技術を使用
する方法である。これらの粒子或るいは少なくともこれ
らの粒子の或る部分はエンドシトシスによって宿主細胞
内で内部化され、その結果新しい又は外部の遺伝子が発
現される。斯かる内部化は特定の器官の細胞に関しては
非特異的であり、エンドシトシスに対して特異的な認識
部位には依存しない。このような技術はガラス器内で広
く適用されているが、ガラス器内でこの方法を使用する
ことは細胞特異性が欠けることによって制限され、とり
わけ或る種の高度に分化した細胞に於ては比較的効率が
低い。更にこの方法を生体内で(in vivo)使用するこ
とは、生成される沈澱物が不溶性であることによって制
限されるであろう。
他の技術もまた問題を持っている。例えば外部遺伝子
をそのDNA内に組込まれているウイルスがガラス器内又
は生体内で使用されることがある。しかし所望の新しい
遺伝子と共にウイルスの遺伝子もまた同時に受け渡され
るから、望ましくないウイルスの影響が生み出されるこ
とがある。リン酸カルシウム沈澱技術を使う場合には、
ウイルス作用物質の使用は特定の細胞型に対して一般に
特異的ではない。
遺伝子の受け渡しは亦、リポゾームに捕われたDNAを
使用することによってガラス器内及び生体内の両方で実
験的に実施されてきた。リポゾームは膜で覆われた小さ
な球形であり、その内部に捕われた特有のDNAによって
形成されている。しかしこの方法もまた固有の問題を有
する。リポゾームの大きさを制御することが困難であり
従って個々の細胞に均一に受け渡しをすることが困難な
のである。更にリポゾームの含有物の漏洩を防ぐことが
困難であり、他の技術を使う場合同様細胞型特異性を管
理することが困難であった。
エレクトロオペレーション及びDEAE−デキストラン技
術によると生き残った細胞の一部分は形質転換される
が、斯かる技術は細胞にとって毒性がある。
従って本発明の目的は、外部遺伝子を水溶性の非毒性
の細胞特異的な方法によって哺乳動物の細胞に導入する
ことができる新規で改良されたキャリア機構を提供する
ことである。比較的簡単でしかも信頼性のある受け渡し
又はキャリア機構を使う高度な細胞特異性を示す機構及
び方法を提供することが本発明の目的に含まれる。
本発明のキャリアの水溶性は重要な特徴である、とい
うのはガラス器内で細胞の混合物内に存在する特定の細
胞型に対し遺伝子を標的化する可能性を提供するからで
ある。本発明によって以上のことは、ウイルスの遺伝子
を同時に受け渡す必要性なしに及びその結果として望ま
しくないウイルスの影響が生み出されることなしに達成
される。
本発明の他の特徴は、遺伝子受け渡し機構に対して細
胞特異性を付与するためにレセプタ介在エンドシトシス
を使用することである。本発明にはまた、自然に存在す
る遺伝子の特異的な受け渡しのための移入機構である細
胞表面のレセプタの使用が含まれる。本発明の特徴の中
には独特の水溶性のポリヌクレオチド複合体を提供する
ことが含まれており、前記複合体は前記複合体を認識す
る特定のレセプタを有する特定の細胞に対し遺伝子を標
的化する能力を有する。一方当該複合体は、適当なレセ
プタを有する特定の細胞型に前記複合体を導くことがで
きる新規で改良されたDNAのキャリアとして、配位子コ
ンジュゲートを使用している。本発明の特別な特徴は特
殊な型の非共有結合を使用することであり、この結合は
損傷を与えることなしにポリヌクレオチドをコンジュゲ
ートに静電気的に結合させるためのコンジュゲートの成
分によって提供される。更に付け加えられる特徴は、前
記コンジュゲートのポリヌクレオチド結合成分を配位子
に結合することであり、それは続く内部化に先だち配位
子から容易に分離され得る結合によってなされる。
これらの本発明の全ての特徴及び利点は、肝臓細胞型
同様正常な細胞を含む特定の細胞型に対して直接的に効
率性と標的化性に寄与し、以前の機構の不利益を除去し
て効率的で有効な方法でガラス器内に於ける受け渡しの
ための基礎を形成する。水溶性の遺伝子受け渡し機構を
提供することは、遺伝子がどのようにしてガラス器内及
び生体内で制御されるかということの研究にとって特別
に魅力的である。更にこの水溶性及び標的化可能性のた
めに、この機構は生体内の生まれつきの遺伝病を治療す
るために欠陥のある遺伝子を置き換えるための潜在性を
有するかもしれない。
他の特徴及び利点は以下の詳細な説明によって部分的
に明らかであり部分的に指摘されるであろう。
本発明に関するこれらの及び関連した利点は新規で改
良された水溶性のポリヌクレオチドキャリア機構を提供
することによって達成され、前記機構は或る種の特定の
生物学的化合物又は分子を認識し内部化する細胞表面の
レセプタ又は結合部位を使用することに基づいている。
この内部化過程はエンドシトシスとして知られており、
正常な生物学的な機能であり、本発明の方法によると水
溶性のポリヌクレオチド複合体が斯かる特定の標的化さ
れたレセプタ介在エンドシトシス機構に使われるような
機構が提供される。
本発明の特徴及び利点についての更なる理解は、本発
明の適用についての説明からのみならず以下の詳細な説
明及び添付する図面からも得られるであろう。これには
本発明の幾つかの構成部分、それらの構成部分のうち1
又はそれ以上の相互間に関する関係、それらについての
幾つかの段階を含む過程及びそれら相互の関係であって
ここで記述され実施例とされる要素の特徴や特性、組
成、性質及び関係と同様の他の関係が含まれる。
ポリヌクレオチドは配位子と共に細胞内に運ばれ、更
にそれによって外部の又は外因性の遺伝子の発現を生じ
また潜在的に或る種の生物学的又は細胞の欠陥を矯正す
る。しかしながら水溶性の複合体によって、如何なる方
法でも遺伝子に損傷を与えず又は化学的に変化させるこ
となく且配位子がレセプタによって認識されなくなるほ
どまで機能的に変化させることなく、ポリヌクレオチド
が配位子に結合され保持されなければならない。
第1図に簡略化されて図示されているように、本発明
に関する上記の事柄はポリヌクレオチドと水溶性複合体
を形成するコンジュゲートを含むキャリア機構を提供す
ることによって達成される。斯かるコンジュゲートは特
定の哺乳動物の細胞に対してレセプタ特異性である配位
子と、斯かるレセプタ特異性の配位子と共有結合された
ポリヌクレオチド結合成分と、を含む。上記のように斯
かるポリヌクレオチド結合成分は、遺伝子を損傷し化学
的に変化させることなしにポリヌクレオチドと複合体を
形成する能力を持たなければならず、エンドシトシスの
後に容易に分離し得る結合によって配位子と確実に結合
される能力を持たなければならない。我々の発明に於
て、ポリヌクレオチド結合成分とポリヌクレオチドとの
間の結合は非共有結合だが、ポリヌクレオチドとポリヌ
クレオチド結合成分上に存在する反対の荷電による静電
気的な引力に基づいている。ポリヌクレオチド結合成分
と配位子との間の結合は共有結合である。これら二つの
結合は、エンドシトシスの前に分離することを阻止する
には十分な強さであるが、細胞内に於ては適当な条件下
で容易に分離し得る。
かくして理解され得るように本発明の方法に於ては、
選択された哺乳動物の細胞に遺伝子を特異的に受け渡す
ための自然に存在する移入機構として細胞表面のレセプ
タが使われる。更に付け加えると、水溶性ポリヌクレオ
チド複合体によってポリヌクレオチドは前記配位子を認
識する特異的なレセプタを具備するこれらの細胞に標的
化され、それによってレセプタの特定の細胞型に対する
標的化された受け渡しが確実化される。
最適の遺伝子標的化を支配する変数 A.ポリヌクレオチド結合成分 ヌ 既に述べたように生物学的な情報の究極的な源であ
る遺伝子は、ポリヌクレオチド分子の大きさと負の荷電
のために細胞に単に曝すだけでは発現されることはな
い。本発明によると配位子を含むキャリアであるコンジ
ュゲートに遺伝子を結合させることによって水溶性の複
合体が提供され、その結果遺伝子の内部化と発現がなさ
れる。もちろん必須に成功し得る遺伝子の内部化を提供
するには、ポリヌクレオチドとキャリアコンジュゲート
の間の結合又はリンクは遺伝子に損傷を与えたり変化さ
せることのない結合方法である必要がある。これは本発
明によるポリヌクレオチド結合成分を使用することによ
って達成され、前記ポリヌクレオチド結合成分はポリヌ
クレオチド鎖上の負の荷電を利用しており、遺伝子を化
学的に変化させるような共有結合を排除してポリヌクレ
オチド結合因子の正の荷電と強固に結合するために共働
する。本発明によるとこれは負に荷電したポリヌクレオ
チド鎖に結合するポリカチオンを使用することによって
達成される。これらの強く正に荷電したポリカチオンに
よって非共有結合による確実で緊密な複合体の形成が提
供され、それによって当該結合因子を含むコンジュゲー
トとポリヌクレオチド鎖の間に所望の水溶性の標的化さ
れ得る複合体が形成される。ポリカチオンは、内部化の
間複合体を一緒に「にかわ付け」しポリヌクレオチドを
保持するための結合因子として使われており、ポリリジ
ン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、又はヒストン、
アビジン、プロタミンのような塩基性蛋白質等の物質で
ある。他の同様な物質も使われることがある。
われわれの非変形的結合という戦略に一致して使われ
得る他の非共有結合には、水素結合、疎水結合、静電結
合或るいはDNAに結合された抗−DNA抗体(免疫グロブリ
ン)、ビオチニル化されたヌクレオチドその他を含むDN
Aと結合したストレップアビジン又はアビジンのような
結合物に於ける結合も含みしかもそれに限定されること
はない。
B.ポリヌクレオチドとコンジュゲートの比率 水溶性の複合体の形成に影響を与えるポリヌクレオチ
ドとコンジュゲートの相対的両はかなり変化することが
ある。しかしながらコンジュゲートのポリヌクレオチド
に対するモル比は、合成された複合物が水溶性であるこ
とが確実化されるためには1:10から10:1までの広い範囲
内に落ちることが望ましい。更に付け加えるなら、未複
合体化DNAがなくなるためのコンジュゲートのポリヌク
レオチドに対する比の最大値は典型的には1:5から5:1の
範囲内に入り望ましくは1:2から3:1までの範囲内であ
る。第2図には、プラスミドpSV2・CAT・DNAと複合体を
形成する場合のアシアロオロソムコイド(AsOR)−ポリ
リジン・コンジュゲートの割合の増加についての効果、
即ち0.8%アガロースゲルによるDNA移動の変化が示され
ている。パネルAには、一定量のDNA試料(2M NaCl)
に対する高濃度塩(2M NaCl)に於ける125I−AsOR−ポ
リリジン・コンジュゲートの増加する量が示されてい
る。1時間の保温後、混合物は0.15M NaClに対して透
析され、ミリポアフィルタ(Millipore filter)(商
品名)で濾過され0.8%アガロースゲルによって電気泳
動にかけられ、DNAを視覚化し得るように臭化エチジウ
ムによって染色された。レーン1にはDNAだけが含まれ
ており、レーン2から9まではコンジュゲートの割合が
漸進的に増加する場合のDNAが含まれる。
レーン コンジュゲート/DNA比 1 0 2 0.12 3 0.23 4 0.46 5 0.69 6 0.92 7 1.15 8 1.40 9 1.84 レーン10には塩類が含まれており、レーン11には125I
−AsOR−ポリリジン・コンジュゲートが含まれている。
パネルBには同一のレーンが示されており、アガロース
ゲルが乾燥され125I−AsOR−ポリリジン・コンジュゲー
トを検知するためにオートラジオグラフィーにかけられ
た後の結果が示されている。複合体に於けるDNA含有量
は、コンジュゲートのポリヌクレオチドに対する比が1.
15:1(レーン7)及び1.40:1(レーン8)の間に於てこ
の特別なコンジュゲートに対して最大化される。他の遺
伝子及び異なるポリカチオン組成物を含む他のコンジュ
ゲートに対しては、斯かる最適比は異なるかも知れない
ことが理解されるであろう。更に或る種の複合体の場合
には、特定の配位子のより多くの量が適切な細胞レセプ
タによって認識されるために曝されるようにコンジュゲ
ート内の配位子例えばAsORの比率を増加させる必要があ
るかも知れない。
C.配位子とポリヌクレオチド結合成分との間の結合 ポリカチオンのポリヌクレオチド鎖との非共有結合を
利用するために、カチオン性結合因子(ポリカチオン)
と適切な配位子のコンジュゲートを形成する必要があ
る。これはポリカチオンと配位子間の容易に分離し得る
結合を形成することによって達成されてきた。これに付
け加えるならば、ポリカチオンと配位子間でジスルフィ
ド結合のような化学的な共有結合が良好な結果を生み出
し得ることが発見された。もちろんアミド結合又はペプ
チド結合のような他の共有結合が利用され得るがしかし
分離に対する抵抗性が比較的大きいことがある。
D.標的化されたコンジュゲートに於ける配位子のポリヌ
クレオチド結合成分に対する割合 斯かる結合が形成されるとき、ポリカチオンと配位子
の量は使用される特定の物質に依存して変化して使われ
ることがある。ポリカチオンとしてポリリジンが使われ
配位子として露出されたガラストース残基を含む糖蛋白
質、アシアログリコプロテインが使われるときには、斯
かる比率は1:3より大きく例えば20:1から1:1までの比率
が使われることがある。更に付け加えるならコンジュゲ
ートのポリカチオンに対する比率が4:1から7:1までが肝
細胞に特異的なコンジュゲートに対しては有効であるこ
とが発見された。
E.配位子の性質 以上記述されてきたように、水溶性のキャリア機構を
使用して個々の哺乳動物の細胞へ遺伝子を特異的に標的
化して受け渡すことは、全てでなければ大部分の哺乳動
物の細胞がレセプタと呼ばれる一定の表面結合部位を有
しておりそれによって特定の配位子が認識され内部化さ
れるという事実に基づいている。典型的には斯かる配位
子は官能基を有する蛋白質であり、前記官能基は細胞の
レセプタによって認識されるよう充分に曝されている。
使用される特定の蛋白質は特定の標的化細胞によって変
化することがある。典型的には一定の曝された炭水化物
末端基を有する糖蛋白質が使われるが、抗体又はポリプ
ペチドホルモンのような他の配位子も使われることがあ
る。ヘパトサイトス(肝臓細胞)に対して特異的に標的
化するために、末端にシアル酸を末端から二番目にガラ
クトース残基を有するこれらの糖蛋白質を化学的に又は
酵素的に非シアル化することによって、アシアログリコ
プロテイン(ガラクトース末端)配位子が形成されるこ
とがある。別の方法として肝細胞に標的性のあるアシア
ログリコプロテイン配位子は、ラクトースを非ガラクト
ース性蛋白質に還元性ラクトースアミノ化によって結合
することによって作りだされることがある。
哺乳動物の細胞表面には様々な異なるレセプタが存在
するから、他の細胞(肝細胞以外)に対して細胞特異的
に標的化することは、他の配位子構成物例えば繊維芽細
胞に対してはマンノース−6−ホスフェートグリコプロ
テイン、腸細胞に対しては内因子−ビタミンB12、脂肪
細胞に対してはインスリン、等を使用することを基礎と
して可能である。
潜在的な問題及び合理的な解決法 生体内では混合された細胞集合の中の捕捉細胞によっ
て水溶性複合体が非特異的に取り込まれることによっ
て、この機構の特異性が減じられることがある。これは
いろいろな方法によって回避されることができる。例え
ばそれらの特異的なレセプタに対して高度の親和性を有
する配位子が使われることがある。斯かる非特異的な取
り込みは硫酸デキストランのような試剤によって阻止さ
れることがあり、又はより多くの配位子が認識されるた
めに曝されることができるよう複合体内の配位子の割合
が増加されることがある。
説明のためにまた本発明が容易に理解されるために、
これ以後では本発明は主として肝細胞、ヘパトサイトス
に関して記述される、というのはこれらの細胞はガラク
トース末端(アシアロ)糖蛋白質(AsG)を結合し内部
化する特殊なレセプタを有するからである。次の特別な
例は説明のためにだけ、本発明をより十分理解され得る
ためにのみ与えられる。これらの例は本発明の実施を如
何なる意味に於ても制限することは意図されていない。
特記されることがない場合には全ての比率はモル比で表
わされる。
実施例1 AsG−PL−DNA複合体の形成の証明、標的化可能な複合体
に於けるDNA含有量を最大化するための方法 蛋白質即ちオロソムコイドが貯蔵された人間の血清か
ら準備され、アシアロオロソムコイド(AsOR)を形成す
るためにそのガラクトース残基を曝すことによってAsG
に変換された。残存するシアル酸がないことが測定さ
れ、その後キャリアフリーNa 125Iを使用することによ
りヨウ素125によって標識された。当該物質はそこでN
−サクシンイミジル 3−(2 ピリジルジチオ)プロ
ピオネートを使いポリリジン(PL)(分子量50000から1
00000ダルトン)にモル比7対1でジスルフィド結合に
よってコンジュゲート化され、それによって標識された
コンジュゲート、125I−AsOR−PLが形成された。当該コ
ンジュゲートは、0.01M HEPES、2M グアニジンHCl、P
H7.4によって溶離されたBio−Gel A−1.5mコラム(Bi
o−Rad)上で非結合の125I−AsOR及びポリ−L−リジン
から分離された。コンジュゲートのピークは、放射性
125Iと6N HClで100℃、24時間加水分解後アミノ酸分析
によって測定されるAsORだけに起因するよりも過剰のリ
ジン含有量を含むコンジュゲートによって確認される。
コンジュゲートの125I−AsORの特異的活性及びリジン含
有量から、コンジュゲート内のAsORのポリ−L−リジン
に対するモル比は7:1であると計算された。斯かるコン
ジュゲートは−20℃に於て少なくとも4カ月間安定であ
ることが発見された。コンジュゲートの10%ナトリウム
・ドデシル・サルフェート−ポリアクリルアミド・ゲル
は電気泳動後にコーマシ−ブルー(Coomassie Blue)
によって染色され、単一のバンドとして表現され、メル
カプトエタノールの存在下で前記コンジュゲートは完全
にアシアロオロソムコイドとポリ−L−リジン成物に分
解された。
水溶性の複合体を形成するためにコンジュゲートと混
合する最適のDNA比率を決定するために、2M NaClで等
量のDNAを含む各試料は、順次増加する量で2M NaClの
標識されたコンジュゲートと混合された。各試料は25℃
で1時間保温され、当該混合物は限界分子量3500の膜に
よって0.15Mの塩に対して24時間透析された。透析後清
澄な溶液が得られたが、使用されるべき複合体が水溶性
であることを確実化するために全ての試料は0.2μmの
ミリポアフィルタの膜によって濾過された。各試料のア
リコートは熱変性化されDNA含有量は螢光分析によって
測定された。濾過の過程でDNAの深刻な損失はなかっ
た。125I−AsOR−ポリリジン−DNA試料は0.8%アガロー
スゲルの上に装填され50ボルト3時間、電気泳動にかけ
られた。第2図のパネルAに於てはDNAを視覚化するた
めに臭化エチジウム染色が使われており、パネルBに示
されるように同一のゲルの乾燥後のオートラジオグラフ
ィー写真が−70℃に於てコンジュゲートを検知するため
に得られた。コンジュゲートだけの電気泳動ではゲルの
上端部から移動しない単一バンドが示されており第2図
のパネルBに於けるレーン11′に於て示されている。第
2図のパネルAのレーン1では臭化エチジウム染色によ
ってDNAだけが正常にゲル内に入り込みそれによって不
連続な特徴的なバンドを形成していることが示されてい
る。しかしながらパネルAのレーン2からレーン9まで
に於て試料中のDNAに付加されるコンジュゲートの割合
が増加するにつれて、ゲル内のDNAバンドの染色の強さ
が減少しそれに対応して移動せずにコンジュゲートと共
にゲルの上端部に残っているDNAの染色量が増加してい
る。これによると進行するDNA量はコンジュゲートの割
合が増加することに深く関係していることが示される。
第2図に於けるグラフによって、斯かるコンジュゲート
に対してはコンジュゲートのDNAに対する比が1.15:1
(レーン7)と1.40(レーン8)の間が使用される特定
の物質に対して複合物形成を最大化することが発見され
たことを示している。
実施例2 水溶性複合体を造るために必要なコンジュゲートのDNA
に対する比の決定 DNA試料にコンジュゲート量を付加的に増加させるこ
とによって形成されるコンジュゲートのDNA含有量の増
加を確認するために及び複合体の水溶性に限界を与える
比率を決定するために、DNAはまず32Pを使い欠け日翻訳
法(Nick−Translation)によって標識された。蛋白質
即ちオロソムコイドはそのガラクトース残基を曝しそれ
によってアシアロオロソムコイド(AsOR)を形成するこ
とによってAsGに転換された。AsORは精製後実施例1に
記述されているように、ポリリジン(PL)とモル比5対
1で複合体が形成された。標識されたDNAの各一定量
は、順次増加する量で標識されていないコンジュゲート
(AsOR−PL)と混合され、実施例1に記述されているよ
うに濾過された。フィルタに存在するかも知れない不溶
性DNAを測定するために、フィルタの32P放射性が計数さ
れた。
濾液は実施例1で記述されたようにアガロースゲル上
で電気泳動にかけられた。乾燥後オートラジオグラフィ
の写真が得られゲル上の対応する放射性バンドが切出さ
れて計数された。
DNA試料に対するコンジュゲート量の付加的な増加に
よってはDNAに対するコンジュゲートの比が3.27:1より
も大きくなるまでは不溶性のDNAは有意には生じないこ
とがフィルタの放射性計数から明らかとなった。表1を
見られたい。表1に示される斯かる測定値のデータによ
ってコンジュゲートDNA複合体が不溶性になる限界モル
比を決定することが許される。第3図に於けるアガロー
スゲル上の放射性バンドを調べることによって、コンジ
ュゲートのDNAに対する割合がおよそ2.34:1(レーン
7)の比まで増加するとより多くのDNAが上端部に於て
コンジュゲートと複合体化しより少ないDNAがゲル内に
入ったことが確認された。
表1に示されるデータと第3図に示される図によっ
て、斯かるコンジュゲートに対しては水溶性複合体のDN
A含有量は、コンジュゲートのDNAに対する比が1.87:1
(レーン6)と2.34:1(レーン7)の間の比に於て最大
化されることが示されている。この比は実施例1で得ら
れた値と異なる、というのはこのコンジュゲートのAsOR
とPL組成が実施例1に於て使われた値と異なるからであ
る。これにより最大のDNA含有量を有する水溶性複合体
を提供するために最適な比率は、コンジュゲートの組成
と使用されるDNAの性質に依存して変化することがある
ことが説明することができる。
実施例3 標的化された遺伝子の受け渡しの証明 AsOR−PLコンジュゲート(AsORのPLに対する比5:1)
は適当なDNA片と合成モル比2.34:1で複合体化され、ミ
リポアフィルタで濾過された。DNAは細菌のプラスミ
ド、pSV2 CATの形態中に存在し、前記プラスミドには
細菌の酵素であるクロラムフェニコールアセチルトラン
スフェラーゼ(CAT)のための遺伝子が含まれる。斯か
る細菌の酵素CATは、抗生物質クロラムフェニコールの
アセチル化の触媒をなす。前記プラスミドは大腸菌(Es
cherichia Coli)の中で成長し、分離されそして精製さ
れた。その純度は0.8%アガロースゲル電気泳動によっ
て細菌の細胞DNAが存在しないことを示すことによって
確認された。哺乳動物の細胞に発現することを許すため
のCAT遺伝子とSV−40プロモータを含む前記プラスミド
は、AsOR−PL−pSV2 CAT複合体を形成するために使わ
れる。哺乳動物の細胞には酵素CATを形成するための遺
伝子が欠けているから、標的細胞内に於けるCAT酵素の
活性の出現は遺伝子の形質転換の都合のよい指標として
使われることができる。
水溶性複合体を使って標的化された遺伝子の受け渡し
を試験するために、二つの人間の肝細胞系が使われた。
第一の細胞系は正常な肝細胞を代表するHep G2(AsGレ
セプタ−ポジティブ)であってフィラデルフィアのウィ
スター・インスティチュート(Wister Institute)の
ビー・ノールズ(B.Knowles)から入手されたものであ
り、第二の細胞系はSK Hep1(レセプターネガティブ)
でありニューヨーク州ブロンクスのアインシュタイン医
科大学(A.Einstein College of Medicine)のディ
ー・シャフリッツ(D.Shafritz)から入手された。各細
胞系は別個に生育され4分の1の合流形とされ、その後
コンジュゲート−プラスミド複合体を含む培地に於て又
はプラスミドだけから構成された(520pM DNA)、プラ
スミドと1.04nM AsORから構成された及びプラスミドと
200pM PLから構成された各対照試験で37℃、48時間、
5%CO2下で保温された。各対照区内で、前記成分は複
合体内に存在するのと同一の濃度及び比率で付加され
た。
CAT活性を試験するために、培地はガスが抜かれ細胞
は氷で冷却されたリン酸塩で緩衝された塩類で洗浄さ
れ、1分間超音波処理され、10分間4℃で10000rpmで遠
心処理され、その上澄部は14C−クロラムフェニコール
により25℃で保温された。酵素活性は1−又は3−アセ
チルクロラムフェニコール誘導体の存在によって検知さ
れた。細胞抽出物は薄層クロマトグラフ板上に斑点状に
置かれ、クロロホルムとメタノールの比95:5(体積比)
の混合物を使って展開され、乾燥後写真フィルムに露出
された。第6A図で示されるように、SK Hep1(レセプタ
−ネガティブ)細胞では如何なる条件下でも活性が見出
されなかった。しかし第6B図に示されるように、複合体
を受け入れたHep G2(レセプタポジティブ)細胞(レ
ーン2)は容易に検知し得るCAT活性(0.025ユニット)
/107細胞、を生成した。プラスミドのみ(レーン3)、
プラスミド+PL(レーン4)、又はプラスミド+AsOR
(レーン5)に対して曝されたHep G2細胞の対照試験
は各々いずれも検出可能な活性を示さなかった。それゆ
え標的化された複合物の分離した成分によっては形質転
換されなかった。
十倍過剰なAsOR使用したレーン1に於ける対照試験は
形質転換とCATの発現を阻害した、それゆえ複合体の認
識はコンジュゲートのAsOR成分によって管理されるとい
う命題が支持された。
標的化遺伝子受け渡し機構の特異性を証明するための
付加的な対照実験として、他の肝細胞及び非肝細胞(ア
シアログリコプロテインレセプタを保育しない)、すな
わち人間の線維芽細胞、平滑筋細胞、肝細胞が同一条件
で複合体と共に保温された。斯かる細胞のいづれも形質
転換されなかったことがCAT試験によって測定された。
実施例4 ガラス器内の複数の細胞型の混合物に於ける遺伝子標的
化の肝細胞に対する特異性の証明 肝細胞由来の細胞であるHep G2、アシアログリコプ
ロテインAsGレセプタ(+)が、リンパ球由来の細胞で
あるWFu−G1、AsGレセプタ(−)、(ザ・ユニバーシテ
ィ・オブ・コネチカット、D.Greinerから入手)と共に
共培養されて4分の1の合流形とされた。そこで当該培
地は、Hep G2細胞だけを形質転換することが成功し得
るのと同一の濃度でAsOR−PL−DNA複合体を含むよう変
化させられた。リンパ球由来の細胞は肝細胞由来の細胞
のようにプラスチック板に接着することがないから、リ
ンパ球由来の細胞は緩衝液によって皿から当該細胞を簡
単に洗い落すことによって分離されることができた。前
記複合体を48時間保温した後、リンパ球由来の細胞(非
接着性)は肝細胞由来の細胞が接着した皿から洗い落さ
れた。顕微鏡検査によると、二つの細胞型の分離が完全
である(不純物1%以下)ことが明らかにされた。
肝細胞由来の細胞はその後皿から取り剥された。各細
胞型は遠心処理され超音波処理されて、その後実施例3
に於て記述されたように14C−クロラムフェニコールを
使ってCAT活性が試験された。第4図において、レーン
1は14C−クロラムフェニコールだけを含み、レーン2
は0.05U CATスタンダードを含む。第4図のレーン3で
は、肝細胞由来のHep G2レセプタ(+)細胞について
0.022CATユニット/107細胞のアセチル化されたクロラム
フェニコール誘導体の形成が示され、それらは我々の方
法によって形質転換されたことを示している。しかしな
がら第4図のレーン4に於ては、CAT活性は非肝細胞
(リンパ球由来の)レセプタ(−)細胞に於ては検知さ
れなかった。これらの細胞は同一の共培養条件下では形
質転換されなかった。即ち斯かる水溶性遺伝子標的機構
は肝細胞由来の細胞に対して特異的であり一つの細胞混
合物内で細胞特異的で差別的な方法によって標的細胞に
対し遺伝子を受け渡すために使用され得ることが示され
た。
実施例5 「正常な」肝細胞に対しガラス器内での標的化された遺
伝子の受け渡し 我々の水溶性遺伝子標的化機構によって、我々の典型
的なレセプタ(+)肝細胞系(Hep G2)同様「正常
な」肝細胞へ遺伝子の受け渡しができるかどうかを調べ
るために、正常な成育したスプラーグ−ダウレー・ラッ
ト(Sprague−Dawley rat)の肝臓に無菌状態でインシ
ツで(in situ)コラゲナーゼ含有溶液が注がれ、肝細
胞が無菌で分離された。非肝細胞による不純物は10%以
下であったことが顕微鏡的観察によって測定された。か
くして得られた肝細胞はプラスチック製の皿の上に載せ
られ、血清を含む培地内に24時間付着されることが許さ
れた。その後当該培地は限定された培地(血清が含まれ
ない)に変えられCAT遺伝子を含むAsOR−PL−DNA複合体
が加えられた。細胞は前記複合体の取り込みが許される
ように更に24時間保温された。現存する生育した細胞数
は保温によって変化しないことが発見された。これらの
細胞が外部DNAを発現したかどうかを調べるために、細
胞は皿から取外され、超音波処理され、14Cクロラムフ
ェニコールで保温されそして実施例3で記述されたよう
にCAT活性が試験された。このデータは第5図に示され
ており、レーン1は14Cクロラムフェニコールだけを含
む。レーン2では0.01ユニットCATスタンダードを含
み、レーン3では0.05ユニットCATを含む。肝細胞はAsO
R−PL−DNA複合体で処理され、レーン4には0.5mg肝細
胞が、レーン5には2mg肝細胞が含まれ、そして、レー
ン6には酵素阻害剤、フェニルメチルスルフォニルフル
オライド(PMSF)及びN−エチルマレイミド(NEM)の
存在下で試験された2mgの複合体処理された肝細胞が、
レーン7ではPMSFとエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の
存在下で、レーン8にはPMSF、EDTA及びNEMの存在下で
の肝細胞が含まれる。
レーン9はAsOR−PL−DNA複合体に予め曝されること
のない肝細胞である。クロラムフェニコールのアセチル
化された誘導体は容易に検知され、第5図のレーン4及
びレーン5に示されるように0.005CATユニット/mg細胞
の遺伝子形質転換の有効性が明らかにされた。しかしな
がら正常な肝細胞にはCAT酵素機能を妨害し得る数多く
の蛋白質分解酵素を含むから、CATの試験も亦酵素阻害
剤PMSF及びEDTAの存在下に於てなされた、レーン7であ
る。これによると分離された肝細胞に於ける遺伝子の形
質転換の実際の効率はおよそ0.025CATユニット/mg細胞
であることが示される。
試剤NEMはレーン6及び8に示されるようにCAT活性を
阻害する。レーン9の対照試験(予め複合体に肝細胞が
曝されていなかった)ではアセチル化クロラムフェニコ
ール誘導体が生成されなかった。これらの対照試験によ
って、非転換性の分離された肝細胞は本来CAT又はCAT類
似の酵素活性を有さないということを確証するのに役立
った。
標的化可能な複合体と共にされた保温の前後の生育細
胞の数の差が10%以下であったという事実によって、斯
かる複合体は正常な分離された肝細胞に対して毒性を有
さないということが示された。
斯かるデータにより、分離されたばかりの正常な肝細
胞は我々の受け渡し機構によって外部遺伝子によって形
質転換され得ることが示される。更にまた複合体と共に
された保温の前後の生育細胞数の有意な変化がないこと
によって我々の水溶性複合体は受容細胞に対して毒性が
ないことが示される。
実施例6 生体内で肝臓に対して特異的なDNAの標的化塩類中で32P
で標識されたpSV2 CATを含むAsOR−PL−DNA複合体はミ
リポアフィルタで濾過されその後成育したラットに静脈
注射された。15分後にこのラットは犠牲にされて、その
器官が取除かれ試料がホモジェナイズされ32P放射性が
計数された。その結果によると複合体は急速に血液から
取除かれたことが示される。注射された放射性物質の4.
5%だけが15分後の血液に残っており半減期は10分以下
であった。注射された放射性物質量のおよそ75%は肝臓
で発見された。斯かる取り込みの型はコンジュゲートで
ないアシアログリコプロテインに対して記述されたのと
同様であり、アシアログリコプロテインのような複合体
は肝臓のアシアログリコプロテインレセプタに対して標
的化されることが示されている。
かくしてAsGをPLに結合しそれらをプラスミドと混合
することによって、水溶性の蛋白質−DNA複合体が形成
されることがはっきりとした。斯かる複合体によって、
当該蛋白質に対するレセプタを有する細胞内にDNAが導
入され、外因性DNAが標的細胞内で新しい遺伝子生成物
を作りだすために機能した。
これらの特別な実施例に於て、特別な配位子が使われ
たがそれは肝臓細胞によって認識されるからである。し
かし多くの他の配位子が他の細胞例えば細胞上に異なる
レセプタの存在を基礎とする線維芽細胞又は細網内細胞
に対して遺伝子を標的化するために使われることがあ
る。この場合もまた我々の方法である水溶性と標的可能
性のために、斯かる方法はガラス器内ばかりでなく生体
内に於てもまた遺伝子の受け渡しに於て価値があるかも
知れない。
安定で長命な細胞型例えば肝細胞に遺伝子を標的化す
ることによって、生まれつきの代謝病例えば関節症、Le
sch−Nyhan病、Von Gierke氏病、Her氏病、Pompe病等
の原因である欠陥遺伝子を置換える可能性を生じさせ
る。
当業者によって理解され得るように、以上述べてきた
詳細な開示についての様々な修正、適用、変化が本発明
の内容から逸脱することなくなし得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は哺乳動物の細胞に外部遺伝子を導入するための
本発明の技術についての簡略化された図であり、新規な
受け渡し機構の水溶性複合体とコンジュゲートの形成を
概括的に示す。 第2図は、複合体内のDNA含有量を最大化するコンジュ
ゲートのDNAに対する比を測定するために使われたオー
トラジオグラフィーの写真である。 第3図は、複合体の移動性と複合体内のコンジュゲート
のDNAに対する比の間の関係を示すDNA試料の電気泳動に
よる移動の写真である。 第4図は、ある特有の配位子がその配位子の結合体又は
複合体が水溶性のままであるような方法でレセプタによ
って認識され且細胞によって内部化されることを示すオ
ートラジオグラフィーの写真である。 第5図は、「正常な」肝細胞における標的化された遺伝
子受け渡しを示すオートラジオグラフィー写真である。 第6A図は、人間の肝細胞(SK Hep1)での標的化された
遺伝子の受け渡しを証明する薄層クロマトグラフィーの
オートラジオグラフィー写真である。 第6B図は、人間の肝細胞(Hep G2)での標的化された
遺伝子の受け渡しを証明する薄層クロマトグラフィーの
オートラジオグラフィー写真である。 10……DNA,12……ポリカチオン,14……共有結合,16……
配位子,18……レセプタ,20……細胞
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 J.Biol.Chem.,Vol. 262,No.10(1987.Apr.5)P. 4429−4432 Hepatology,Vol.6, No.5(1986)P.1173

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】哺乳動物の細胞にポリヌクレオチドを導入
    するためのキャリアにして、ポリヌクレオチドを損傷し
    たり変質させることなくポリヌクレオチドと複合するこ
    とのできるポリヌクレオチド結合エイジェントに連鎖し
    細胞のレセプタと結合して該レセプタ内に取り入れられ
    る非蛋白質の配位子を有し、前記配位子はアシアロ糖蛋
    白質のレセプタに対して特異的であり炭水化物であるキ
    ャリア。
  2. 【請求項2】前記配位子はガラクトース及びラクトース
    よりなる群より選択されている請求項1のキャリア。
  3. 【請求項3】前記配位子は合成により製造されたもので
    ある請求項1又は2のいずれかのキャリア。
  4. 【請求項4】前記ポリヌクレオチド結合エイジェントは
    ポリカチオンである請求項1のキャリア。
  5. 【請求項5】更にポリヌクレオチド結合エイジェントと
    複合されたポリヌクレオチドを含む請求項1のキャリ
    ア。
  6. 【請求項6】ポリヌクレオチドを哺乳動物の細胞内へ導
    入する水溶性分子複合体にして、哺乳動物の細胞のレセ
    プタに結合し該レセプタにより内部に取り入れられる非
    蛋白質の、アシアロ糖蛋白質のレセプタに対して特異的
    であり、炭水化物である配位子に連結されたポリヌクレ
    オチドを含む複合体。
  7. 【請求項7】ポリヌクレオチドは遺伝子結合エイジェン
    トを介して前記配位子に連結されており、該遺伝子結合
    エイジェントはポリカチオンである請求項6の水溶性分
    子複合体。
  8. 【請求項8】ポリヌクレオチドは遺伝子結合エイジェン
    トを介して前記配位子に連結されており、該遺伝子結合
    エイジェントはポリリジンである請求項6の水溶性分子
    複合体。
  9. 【請求項9】前記配位子は合成により製造されたもので
    ある請求項6の水溶性分子複合体。
  10. 【請求項10】請求項6〜9のいずれかの水溶性分子複
    合体と薬剤として許容されたキャリアとの混合物。
JP63023633A 1987-04-22 1988-02-03 哺乳動物の細胞にポリヌクレオチドを導入するキャリア及び水溶性高分子複合体並びにその導入方法 Expired - Lifetime JP2731844B2 (ja)

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Hepatology,Vol.6,No.5(1986)P.1173
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