JP2730490B2 - ノッキング検出装置 - Google Patents

ノッキング検出装置

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JP2730490B2
JP2730490B2 JP6221385A JP22138594A JP2730490B2 JP 2730490 B2 JP2730490 B2 JP 2730490B2 JP 6221385 A JP6221385 A JP 6221385A JP 22138594 A JP22138594 A JP 22138594A JP 2730490 B2 JP2730490 B2 JP 2730490B2
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vibration
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はノッキング検出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】エンジンにノッキングが発生すると特有
の共鳴周波数成分を持った振動が発生する。ノッキング
の発生の有無の検出は、振動センサによって検出される
エンジン振動から、ノッキングの発生による振動とノッ
キング以外で生ずるバックグランド振動とを分離判別す
ることによってなされる。すなわち、従来のノッキング
検出装置は、例えば特開昭58−45520 号公報に記載のよ
うに、エンジン振動から、8〜15KHzの範囲のなか
の特定の1又は2の共鳴周波数成分をあらかじめ定め、
その周波数に同調したバンドパスフィルターを用いて分
離し、所定レベルより大きくなったか否かの判定により
ノッキングの発生の有無を判定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、振動
センサの出力に含まれる特定の周波数成分のみを用いて
ノッキングの発生の有無の判定をしているために、バッ
クグランド振動が大きくなる高負荷高速運転時にバック
グランド振動の変動がノッキング発生による振動よりも
大きくなってしまう。このために、振動センサの出力か
らノッキング発生による振動とバックグランド振動とを
分離できなくなりノッキングの発生の有無の判定ができ
なかった。
【0004】本発明の目的は、高負荷高速運転時でもノ
ッキングの発生の有無の判定ができ、かつ微弱なノッキ
ングの発生の有無の判定ができるノッキング検出装置を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エンジンの
振動あるいはシリンダ内圧振動を検出してノッキングの
発生の有無を判定するノッキング検出装置において、エ
ンジンの振動あるいはシリンダ内圧を検出する振動セン
サと、前記振動センサの出力をディジタル信号に変換す
るA/D変換器と、前記A/D変換器によって変換され
たディジタル信号を周波数分析して複数の周波数成分を
求め、その求められた複数の周波数成分に対してエンジ
ン回転数に応じて定められる重み(ω)を乗じて得られた
複数の重み付け周波数成分に基づいてノッキングの有無
を判定する手段とを備えたことによって達成される。ま
た、エンジンの振動あるいはシリンダ内圧振動を検出し
てノッキングの発生の有無を判定するノッキング検出装
置において、エンジンの振動あるいはシリンダ内圧振動
を検出する振動センサと、前記振動センサの出力から複
数の共鳴周波数成分を求め、その求められた複数の共鳴
周波数成分に対してエンジン回転数に応じて定められる
重み(ω)を乗じて得られた複数の重み付け共鳴周波数成
分に基づいてノッキングの有無を判定する判定手段とを
備えることによって達成される。
【0006】
【作用】ディジタル周波数分析によって振動センサの出
力に含まれる少なくとも2つの周波数成分を求め、ノッ
キング発生の有無の判定をする。それによって、振動セ
ンサに含まれる少なくとも2つの周波数成分から複合的
にノッキング発生の有無の判定ができるので、バックグ
ランド振動が大きくなる高負荷高速運転時でも、ノッキ
ングの発生による振動とバックグランド振動の分離判別
ができ、ノッキング発生の有無の判定ができる。
【0007】
【実施例】まず始めに、本発明におけるノッキングの発
生の有無の判定の原理について説明する。エンジンの振
動には多くの振動成分が含まれている。例えば、ピスト
ンの摩擦,クランク軸の回転,弁の作動などによる振動
成分などである。さらに、これらの振動成分はエンジン
状態によって変化する。
【0008】エンジンにノッキングが発生すると、ノッ
キングに特有な振動が発生する。ノッキングの発生の有
無の判定は、振動センサが検出するエンジンの全体の振
動からノッキングに特有な振動を分離することによって
なされる。
【0009】図8(a)及び(b)は、ノッキングが発
生していない時の振動センサの出力及び、振動センサの
出力の周波数成分の解析結果を表わした図である。一
方、図8(c)及び(d)は、ノッキングが発生した時
の振動センサの出力及び振動センサの出力の周波数成分
の解析結果を表わした図である。
【0010】表1に示すように、シリンダの方向の次
数をn,方向の次数をmとしたときの共鳴振動モード
をρnmとすると、それに対応した共鳴周波数fnmが存在
する。
【0011】また、図8の(b)と(d)を比較すれば
分かるように、ノッキングが発生している場合は、ノッ
キングが発生していない場合に比して、各々の共鳴周波
数成分が大きくなっている。
【0012】
【表1】
【0013】図9を用いて、ノッキング判定指標を用い
たノッキング発生の有無の判定について説明する。な
お、原理動作の説明のために、共鳴周波数f10(6.3K
Hz)とf01(13.0KHz)の周波数成分を用いて説
明する。しかしながら、これに拘束されるものではな
く、任意の2以上の共鳴周波数成分を用いてノッキング
発生の有無の判定ができる。
【0014】振動センサはノッキング発生による振動と
バックグランド振動を含んだ振動を合成して検出する。
したがって、ノッキング判定指標Iは、ノッキングが発
生していないときはバックグランド振動で定められる指
標Ib となり、ノッキングが発生したときはバックグラ
ンド振動Ib とノッキングの発生による振動Ik を含ん
で定められる指標Iとなる。
【0015】上記ノッキング判定指標Iを主要な共鳴周
波数成分を用いて数式化すると下式となる。
【0016】 I=ω10P(f10)+ω20P(f20)+ω01P(f01)+ω10P(f10) +ω11P(f11) …(1) ここで、ωはエンジン回転数で定まる実数値をとる。ま
た、1か0かの2値をとることもできる。Pは各共鳴周
波数成分の振動強度(パワースペクトル)である。この
ように測定された周波数成分Pに重みωを乗じて得られ
た重み付け周波数成分に基づいて判定指標が求められ
る。
【0017】図9に示すようにバックグランド振動の共
鳴周波数成分によって示されるノック判定指標Ib とノ
ッキングの発生による振動の共鳴周波数成分によって示
される指標Ik は方向と大きさを異にしている。これは
人間による聴覚試験でも明らかなように、ノック無の場
合のエンジン音に対しノック有の場合は例えばカリカリ
等という音で聴き分けられるものであり、ノック有り無
しによって音色が異なるためである。
【0018】バックグランド振動にノッキングの発生に
よる振動が加わってくると、振動センサに含まれる
01,f10成分によるノック判定指標Iは図9(a)の
場合ではノック判定閾値I01を下回る領域に入り、また
同図(b)で閾値I02の外側に出ることによりノッキン
グ発生の有りを判定することができる。
【0019】なお、本明細書において、(1)式の右辺
の5つの項に限らず、振動センサの出力に含まれる複数
の共鳴周波数成分を複合的に用いたものをすべてノッキ
ング判定指標と定義する。
【0020】このように、ノッキング判定指標を用いる
とバックグランド振動に対してノッキングの発生による
特有な周波数成分の構成が考慮されるので、バックグラ
ンド振動が大きくなってもノッキング発生の有無が判定
できる。
【0021】また、本発明はエンジンの燃焼実験から得
られた以下に説明する知見に基づいている。すなわち、
第1は、ノッキング発生の共鳴振動はエンジンの型式
などによって定まる固有のものである。第2は、ノッキ
ングが発生すると各共鳴振動数の成分はそれぞれの強度
(パワースペクトル)を持つが、ノッキングにより発生
するエネルギーはこの強度(パワースペクトル)の総和
として把えられることも可能である。そして、第3は図
10に示すように燃焼サイクル毎に変動するエネルギー
及び共鳴振動数の成分の頻度分布は、ノッキングにより
発生するエネルギーに対して、非心分布で観測される。
【0022】ノッキングの発生の有無の判定の原理に続
き、具体的な構成について説明する。図1はシステム構
成図である。空気はエアクリーナー1の入口部より入
り、ダクト3,絞弁を有するスロットルボディ5,吸気
管6を通りエンジン7のシリンダ内に吸入される。吸入
空気量はダクト3に設けられた熱線式空気流量計2によ
って検出され、検出信号はコントロールユニット9に入
力される。
【0023】一方、燃料は図示していない燃料タンクか
らインジェクタ16を経て噴射され、吸入通路内で吸入
空気と混合されエンジン7のシリンダ内に供給される。
混合気はエンジン7で圧縮され、点火プラグ15により
着火され爆発後に排気管8から排出される。排気管8に
は排気センサ11が設けられており、検出信号はコント
ロールユニット9に入力される。
【0024】点火コイル13で発生した高電圧は分配器
14によって各気筒に分配され、点火プラグ15に供給
される。エンジンの回転状態はクランク角センサ12に
よって検出され、クランク角センサ12は1回転毎の絶
対位置を示すRef信号および当該絶対位置からの所定角
度移動した位置を示すPos信号を出力する。Ref信号及
びPos信号はコントロールユニット9に入力される。エ
ンジン7には振動を検出する振動センサ151が取りつ
けてあり、検出信号はコントロールユニット9に入力さ
れる。
【0025】コントロールユニット9は各センサからの
信号に基づいて燃料供給量及び点火時期等を演算し、イ
ンジェクタ16及び点火コイル13に制御信号を出力す
る。図2は、コントロールユニット9の詳細を示す図で
ある。コントロールユニット9はCPU20,A/D変
換器21,ROM22,入力I/O23,RAM24,DP
RAM25 ,出力I/Oの26およびバス37で構成される
制御用ブロック34、及び、CPU29,ポート27,
タイミング回路28,A/D変換器30,ROM31,
RAM32,クロック33,オペレーショナル回路3
8、およびバス36で構成されるノッキング検出用のブ
ロック35に分けられる。ここで、CPU20,CPU
29のデータの交換はデュアルポートRAMであるDPRA
M25を通じてなされる。
【0026】熱線式流量計2によって検出された吸入空
気量Qa はA/D変換器21によってディジタル値に変
換され、CPU20に取り込まれる。またクランク角セ
ンサ12によって検出されるRef信号及びPos信号は入
力I/O23を通じてCPU20に取り込まれる。CPU2
0はROM22に保持しているプログラムに従って演算
処理し、演算結果は出力I/O26から燃料噴射量を意
味する燃料噴射時間信号Ti ,点火時期信号θign とし
ての各々のアクチュエータに伝えられる。演算処理中の
必要なデータ保持はRAM24によってなされる。
【0027】一方、タイミング回路28は、オペレーシ
ョン回路38が上死点(Top DeadCenter)を示すTDC
信号を発生すると、CPU20がポート27に入力した
内容に従って、クロック33の発生する周期信号を分周
してサンプリング信号を発生する。サンプリング信号が
発生すると、A/D変換器30は振動センサ15の出力
信号をデイジタル値に変換する。
【0028】ノッキングを検出するための振動センサ
は、従来のものは図3(a)に示すように13KHz付
近で共振するが、本実施例では少なくとも18〜20K
Hzまでの共鳴周波数成分を得るために、図3(b)に
示すような18KHz以上で共振するものを用いる。
【0029】CPU29はROM31に保持しているプ
ログラムに従いサンプリングされたディジタル値をRA
M32に格納すると共に、格納したデータに基づいて周
波数分析し、ノッキングの発生の有無の判定をする。ノ
ッキングの発生の有無の判定結果はDPRAM25 を介してC
PU20に伝えられる。
【0030】CPU20は点火時期の演算動作を毎点火
サイクルについて図4(a)のフローチャートを用いて説
明する。このフローチャートの動作は一定時間周期、例
えば10msec毎に起動される。ステップ201で、RA
M24内に設定された所定のレジスタからエンジン回転
数N及び吸入空気量Qを読みこむ。ステップ202で、
単位回転数あたりの吸入空気量Q/Nを演算しさらにQ
/Nから燃料噴射時間幅Ti をもとめ、燃料供給のため
にROM22内に保持している図5に示すような基本点
火時期マップからステップ202で基本点火時期θ base
を求め、以後のステップにおいて用いる点火時期θ adv
として、ここで求めた基本点火時期 θ base の値を用い
る。ステップ203で、後述する図7のフローチャート
により判定したノックフラグ(knock flag)の内容によ
ってノッキングの発生の有無の判定をする。ノッキング
が発生していれば、ステップ213で点火時期θadv
ら所定の遅角量Δθret を減算する。なお、この減算に
よって点火時期が遅角(リタード)される。ステップ2
14で、RAM24中にあり、ノッキング発生により、
遅角させた点火時期を所定の回数例えば50と比較する
こと(ステップ205)でリカバーするペースを決定す
る。カウントデータAが50より大きくなっていれば、
ステップ207でカウントデータAを初期化してステッ
プ208に進む。
【0031】ここで、ステップ213における遅角量Δ
θret の演算は、高速回転時における急激なノッキング
の発生をおさえるため、図4(c)のフローチャートに
示すようにリタード量Δθret を回転数に基づいては可
変とする場合について説明する。すなわち、ステップ2
03でノッキング発生していれば、ステップ231でエ
ンジン回転数Nが所定の回転数N2 より大きいか否かを
判断する。所定の回転数N2 より小さい場合は、ステッ
プ232で、所定の遅角量Δθret1 を遅角量Δθret
とする。また、所定の回転数N2 より大きい場合はステ
ップ233でΔθret1 より大きなΔθret2 を遅角量
Δθret とすることによりノッキングを抑える適切な遅
角量とすることが可能である。
【0032】ステップ203でノッキングが発生してい
なければ、ステップ204で、カウントデータAを1つ
カウントアップする。カウントデータAはノッキング発
生により遅角された点火時期θadvを進角量Δθadvだけ
リカバーする時間になったかを判定するために用いられ
る。ステップ205で、カウントデータAが所定値50
に等くなったかを判断する。この図4(a)に示すフロー
は10msec毎に起動されるので、カウントデータAが5
0に等しくなるときは、カウントデータAが初期化され
てから0.5秒が経過したときであり、0.5秒経過毎に
リカバーされる。ステップ205で、カウントデータA
が50以下であればステップ206に進む。ステップ2
06で、点火時期θadvに所定の進角量Δθadv加算す
る。この加算により点火時期がリカバーされることにな
る。
【0033】また、ステップ206において適切な進角
変更量とし、急激なノッキングの発生をおさえる為図4
(b)のフローチャートに示すように、進角量Δθadv
を回転数に応じて可変としてもよい。すなわち、ステッ
プ205でA=50となった場合は、ステップ221で
エンジン回転数が所定の回転数N1 よりも大きいか否か
の判断がなされる。所定の回転数N1 よりも大きい場合
には、ステップ222で所定の進角量Δθadv1 を進角
値Δθadv とする。所定の回転N1 よりも大きくない場
合、ステップ223で、Δθadv1 よりも小さい進角量
Δθadv2 を進角値Δθadv として少しずつ進角の変更
をする。
【0034】この為、急激な進角変更によるノッキング
の発生は防ぐことができる。
【0035】このようにしてステップ208で基本点火
時期θbaseに上記のごとくして求めた点火時期θadv
加えることにより点火時期θignを演算する。ステップ
209で、エンジン回転数N及び単位回転数あたりの吸
入空気量Q/Nに応じて、最大進角値θresを求める。
最大進角値θresはROM31内に格納されている最大
進角値マップから読みだすことによってなされる。ステ
ップ210で点火時期θignが最大進角値θresを超えた
かを判断する。超えていなければステップ212に進む。
最大進角値θres を超えていると、進角しすぎているの
で、ステップ211で最大進角値θresを点火時期θign
とする。
【0036】又、ここで、202のステップを実行する
前に図4(d)のフローチャート図に示すように、回転
数N,吸入空気量Qを取り込んだ後に、振動センサの出
力に基づいて、振動センサの異常を判断することによ
り、振動センサの信頼性を向上する場合について説明す
る。なお、振動センサが異常であれば異常の処理をす
る。
【0037】ステップ201で回転数N及び吸入空気量
Qを取り込んだ後に、ステップ231でエンジン回転数N
が所定の回転数N3 より大きいか否かの判定をする。所
定の回転数N3 より小さければ、振動センサの出力が異
常検出できるほど大きくなっていないのでステップ20
2に進む。
【0038】ステップ231でエンジン回転数が所定の
回転数N1 よりも大きければ、ステップ232で振動セ
ンサが所定レベルKより大きいかを判定する。大きけれ
ば、振動センサは正常であると判断しステップ202に
進む。振動センサの出力が所定レベルより小さければ振
動センサは異常であると判断し、ステップ234で振動
センサの異常時のための点火時期を求める。ステップ2
34では回転数N及び単位回転あたりの吸入空気量に応
じた異常時の点火時期θirr をROM22内に格納され
ているマップから検索する。なお、検索された異常時点
火時期θirr は基本点火時期のマップに格納されている
値より充分遅角した値であり、ノッキングが発生しない
ようなものとなる。ステップ235で、θirr を基本点
火時期θbaseとし、ノッキング検出による点火時期の演
算をすることなくフローを終了する。
【0039】以上説明したごとく点火時期θign が設定
された後に、ステップ212でエンジン状態に応じて、
ディレイ時間td ,サンプリング点数nS ,分周比tS
をポート27に出力する。ステップ213でエンジン状
態に応じて主比較共鳴周波数fをDPRAM25 にセットしフ
ローを終了する。
【0040】なお、分周比tS によって振動センサの出
力のディジタル値のサンプリング周期が決まり、サンプ
リング点数nS によってサンプリング点数が決まる。
【0041】なお、サンプリング点数を32とし、サン
プリング周期25μsec ,26.4μsec 及び25.9μ
sec とした場合のDMRAM25 にセットし解析できる周波数
成分を表2に示す。
【0042】本表中の*を付す周波数のように、前述の
表1における主要な共鳴周波数と一致する周波数成分を
得るには、例えばf11=18.1KHz ならば、本表中
のようにサンプリングタイミングを25.9μsecとすれ
ばウェーブナンバ15に18.098KHzが得られ、
18.1KHzにおける正確な周波数分析が可能とな
る。
【0043】
【表2】
【0044】このように、サンプリング周期とサンプリ
ング点数によって、周波数解析の分解能が決まる。ステ
ップ215でセットされるtd ,tS ,nS はエンジン
の運転状態に応じて、ノッキングの発生の有無の判定に
必要となる共鳴周波数成分が得られるように決定され、
セットされる。
【0045】図6は、タイミング回路28及びその動作
図である。タイミング回路28はディレイカウンタ4
1,サンプルレートカウント42,サンプルカウンタ4
4,入力端子にインバータを備えたアンドゲート43よ
り構成される。TDC信号はディレイカウンタ41のセ
ット端子及びサンプルカウンタ44のセット端子に入力
される。また、クロック33の出力はディレイカウンタ
41のイネーブル端子及びアンドゲート43のインバー
タを備えた端子に入力される。アンドゲート43の出力
はサンプルレートカウンタ42のイネーブル端子に入力
される。サンプルレートカウンタ42のゼロ出力はサン
プルカウンタ44のイネーブル端子に入力される。また
サンプルレートカウンタ42自身のセット端子に入力さ
れ、さらに、サンプリング信号として出力される。サン
プリングカウンタ44のゼロ出力はアンドゲート43に
入力される。
【0046】CPU20からポート27にディレイ時間
d ,サンプリング数nS ,分周比tS が出力される
と、ディレイカウンタにtd がサンプルレートカウンタ
にtSが、サンプルカウンタにnS が、それぞれダウン
カウンタ4の初期値としてセットされる。なお、それぞ
れのカウンタはセット端子に信号が入力されるとゼロ端
子が1となり、イネーブル端子に信号が入力される毎に
カウントダウントし、カウントが零となるとゼロ端子出
力が零となる。
【0047】ディレイカウンタ41のセット端子にTD
C信号が入力されるとゼロ出力が1になり、クロック3
3の信号がイネーブル端子に入力される毎にカウンタが
順にダウンカウントしていく。TDC信号はクランク軸
の角度が上死点(トップデットカンター)に相当する角
度になったときに出力される信号で、クランク角センサ
の出力するRef信号及びPos信号からハードウェア又は
CPU20内のソフトウェアによって作られる。ディレ
イカウンタのダウンカウント値が零になるとディレイカ
ウンタのゼロ出力が零となり、アンドゲート43に1が
入力される。なお、この状態ではサンプルカウンタ44
はすでにTDC信号を受けているためにゼロ出力は1と
なっているので、クロック33の出力信号はそのままサ
ンプルレートカウンタ42のイネーブル端子に入力され
る。
【0048】サンプルレートカウンタ42はクロック信
号が発生する毎にカウントダウンし、カウント値が零と
なる毎にサンプリング信号を出力する。また、自身のセ
ット端子に信号を入力し再び s をカウント値とする。
ゼロ出力はサンプリングカウンタ44のイネーブル端子
に入力される。ダウンカウントしサンプルカウンタ44
のカウンタ値が零になるとゼロ出力が零になるとクロッ
ク信号がアンドゲートを通過できなくなりサンプリング
信号は出力されなくなる。
【0049】CPU29のノッキング発生の有無の判定
の演算処理の動作を図7のフローチャート図を用いて説
明する。このフローチャートの動作は相連続する爆発サ
イクルにおいて毎回実行され、TDC信号で開始される
所定回数nS 回のA/D変換の終了直後に起動される。
つまり振動センサ15の出力のディジタル値が所定個数
RAM32内のメモリに保持されたとき、すなわち、サ
ンプルカウンタ44のゼロ端子出力が1から零に立ち下
がったときに、CPU29に割込信号が出力され起動さ
れる。
【0050】まずステップ300で振動センサの測定デ
ータをFFTにより周波数分析する。分析するデータ
は、RAM32の所定メモリに保持されているサンプリ
ング値である。振動センサの出力に含まれている共鳴周
波数成分を解析するために、サンプリング値からFFT
手法(Fast Fourier Transform)を行う。なお、WFT
手法(Walshto Fourier Transform)を用いて周波解析
することもできる。
【0051】ステップ301で(1)式でノッキング判
定指標Iを計算する際に使用する共鳴周波数fを選択す
る。この選択方法は5つの共鳴周波数に対するパワース
ペクトルP(f01),P(f20),P(f01),P(f30),P
(f11)のうちの最大のものからn個(n≦5)だけ選択
するものである。次に、ステップ302でノッキング判
定指標Iを計算する。
【0052】ノッキング判定指標Iは、これら選択され
たいつかのPによって(1)式に基づいて計算される。
例えば、P(f10)及びP(f01)が選択されたのなら
ば、指標Iの計算の様子は図9のようになる。
【0053】ここで(1)式におけるPの代わりにパワ
ースペクトルの平均値PAV 、即ちバックグランドレベル
で標準化した値を使用することができる。例えばP(f
10)の代わりにP(f10)/PAV(f10)を使用しても
よい。PAVは毎爆発で計算されるPの値から以下に示す
(2)式によって計算される。
【0054】 PAV=a・PAV+(1−a)・P …(2) ただしaはPAVの従来値の寄与率である。このPAVの更
新はノッキング有と判定されなかった場合に限り実行さ
、このPがバックグランドレベルとなる。なお、PAV
の初期値はROM31に予め設定され、読み出すことに
よって得られる。
【0055】ステップ303ではRAM32からエンジ
ン回転数Nと吸入空気量Qを読み出す。ステップ304
では、ROM31内に格納されたテーブルに基づいて、
エンジン回転数Nと吸入空気量Qから閾値I01又はI02
を選択する。
【0056】ノッキング判定指標IがI01またはI02
り大きければステップ305でノッキング発生と判断し
knock フラグを1とし、ノッキング判定指標Iが小さけ
ればノッキングが発生していないと判断しknock フラグ
を0とし、DPRAM25 に書き込むフローを終了する。
【0057】図7のルーチンは図4(a)のルーチンが
起動されるより以前に実行される。すなわち図4のルー
チンはある気筒の爆発工程の以前にその点火時期を定め
るプログラムであり、通常圧縮工程もしくは吸入工程で
実行されるが、図7のルーチンは爆発直後に実行される
ものである。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、2つの周波数成分から
ノッキング発生の有無の判定ができるので、バックグラ
ンド振動が大きくなる高負荷高速時でもノッキングの発
生の有無の判定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム図。
【図2】コントロールユニット図。
【図3】振動センサの特性を示す図。
【図4】点火時期の演算を示すフローチャート図。
【図5】基本点火時期マップ。
【図6】タイミング回路及びその動作図。
【図7】ノッキング判定の動作を示すフローチャート
図。
【図8】振動センサの出力信号と周波数分析結果図。
【図9】ノッキング判定指標を示す図。
【図10】ノッキング発生の頻度とノッキングの強度の
関係を示す図。
【符号の説明】
9…コントロールユニット、12…クランク角センサ、
28…タイミング回路、30…A/D変換器、33…ク
ロック、151…振動センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01M 15/00 G01M 15/00 A

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの振動あるいはシリンダ内圧振動
    を検出してノッキングの発生の有無を判定するノッキン
    グ検出装置において、 エンジンの振動あるいはシリンダ内圧振動を検出する振
    動センサと、 前記振動センサの出力をディジタル信号に変換するA/
    D変換器と、 前記A/D変換器によって変換されたディジタル信号を
    周波数分析して複数の周波数成分を求め、その求められ
    た複数の周波数成分に対してエンジン回転数に応じて定
    められる重み(ω)を乗じて得られた複数の重み付け周波
    数成分に基づいてノッキングの有無を判定する手段とを
    備えたことを特徴とするノッキング検出装置。
  2. 【請求項2】エンジンの振動あるいはシリンダ内圧振動
    を検出してノッキングの発生の有無を判定するノッキン
    グ検出装置において、 エンジンの振動あるいはシリンダ内圧振動を検出する振
    動センサと、 前記振動センサの出力から複数の共鳴周波数成分を求
    め、その求められた複数の共鳴周波数成分に対してエン
    ジン回転数に応じて定められる重み(ω)を乗じて得られ
    た複数の重み付け共鳴周波数成分に基づいてノッキング
    の有無を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする
    ノッキング検出装置。
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