JP2729428B2 - 直読式パッシブモニター - Google Patents

直読式パッシブモニター

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JP2729428B2 JP35041391A JP35041391A JP2729428B2 JP 2729428 B2 JP2729428 B2 JP 2729428B2 JP 35041391 A JP35041391 A JP 35041391A JP 35041391 A JP35041391 A JP 35041391A JP 2729428 B2 JP2729428 B2 JP 2729428B2
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  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、硫化水素などの測定
に使用する直読式パッシブモニターに係り、従来の直読
式パッシブモニターよりも格段に感度と精度に優れた直
読式パッシブモニターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下、図面を参照して、大気汚染などの
調査に使用される従来のパッシブ法の検知管タイプのモ
ニターを説明する。図4は作業環境の硫化水素測定用モ
ニターの構成を示す断面図であり、ガラス管の検知管1
内には検知剤2が充填されている。この検知剤2は測定
するガスと定量的に反応して色調が変化する物質を、シ
リカゲルの粉末等の担体上に保持したものである。
【0003】被測定ガスは風除け膜4と反応が済んで着
色した検知剤の層3を拡散によって通過し、検知剤2に
達するようになっている。ここでガスは吸収され、同時
に検知剤2は着色する。後から入ってきたガスはこの着
色層3を拡散によつて通過し、未反応の検知剤2と反応
することになる。このようにして着色層3の長さが伸び
ていくので、この長さからガスの積算濃度を知ることが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
構成された従来の直読式パッシブモニターにおいては、
測定ガスは入口近くの既に反応を終え着色している検知
剤の部分、即ち着色層の部分を拡散によって通過し、ま
だ反応していない検知剤と反応し、着色する。従って、
ガスの吸収反応が進行し着色層が長くなると、拡散によ
って通過しなければならない距離が増加し、吸収量が低
下してくる。このためガスの濃度と着色層の長さの間に
は比例関係が成り立たないという欠点を有していた。ま
た、従来法では、ガスの拡散速度がガスと検知剤との反
応速度に比べて大きいために吸収反応が完結しないうち
に拡散が進行し、着色層の境界面が不鮮明になり、この
ため読み取り誤差が大きく感度も低かった。
【0005】この発明は、上記の欠点を除いてガスの濃
度に比例した応答と高感度の得られるパッシブモニター
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、コロイドま
たは高分子物質からなる耐拡散性の定量試薬を含むゲル
からなる定量層および吸収液からなる吸収液層の2層を
ガラス管内に形成し、測定ガスを導入してガス濃度を検
出するようにしたことを特徴とする直読式パッシブモニ
ターである。上記吸収液には測定ガスと反応してこれを
定量的に捕捉することのできる試薬が含まれている。ま
た、上記定量試薬には捕捉された物質と定量的に反応し
て耐拡散性の着色物質を生成する試薬が含まれている。
【0007】また、上記2層からなるパッシブモニター
にコロイドまたは高分子物質からなる耐拡散性の吸収試
薬を含むゲルからなる吸収層を加えた3層から構成した
直読式パッシブモニターである。
【0008】更に、吸収試薬としてコロイド状の銀ビス
ムチオール化合物、定量試薬としてコロイド状の酸化銀
を使用して硫化水素を検出するようした直読式パッシブ
モニターである。
【0009】
【作用】まず定量層と吸収液層の2層から構成されるパ
ッシブモニターについて説明する。定量層は従来の方法
における検知剤の層に対応するものであり、定量層が測
定ガスによって着色した部分の長さを目盛り付きの拡大
鏡によって読み取ることにより濃度を知ることができ
る。なお、吸収液層に対応するものは従来の方法には存
在していない。
【0010】以下は、更に詳しい説明である。吸収液層
には測定ガスと反応してこれを溶液中に捕捉することが
できる吸収試薬Aが含まれている。Aは拡散によって定
量層を通過して定量層入口に達し、ここで測定ガスXと
反応しこれを捕捉する。
【0011】X+A=Y
【0012】ここにYは測定ガスXから生じた物質であ
る。定量層には定量試薬として物質Yと化学量論的に反
応する物質Bが含まれているので、物質Yは直ちに物質
Bと反応し、着色物質Zを生じることになる。
【0013】Y+B=Z
【0014】もし、残っている物質Yがあれば、物質Y
は未反応の定量試薬Bのところまで拡散していきそこで
反応する。このようにして着色物質Zによって着色層が
形成されるので、この長さを測ることによってガス濃度
を知ることができる。なお、着色層の境界を鮮明に保つ
ために、着色物質Zは耐拡散性でなければならない。ま
た、吸収液層には上記の機能の他にゲルに溶媒を補給し
てゲルが乾燥して収縮することを防ぐ働きもしている。
【0015】次に、上記の2層からなるパッシブモニタ
ーに更に吸収層を加えた3層で構成されるパッシブモニ
ターについて説明する。各層の関係は、図1に示す通り
である。上述した2層構成のパッシブモニターにおいて
は、測定ガスXから生成する物質Yを定量層で定量す
る。しかし、必ずしも物質Yが定量に便利な物質である
とは限らない。物質Yが不安定な物質であったり、物質
Yと定量的に反応する物質Bが見つからない場合があ
る。このような場合は新たに入口に吸収層を設け、ここ
で測定ガスXを吸収すると同時に定量に都合のよい物質
Y´に変換することが有効である。この場合の定量層の
働きについては上述した2層構成のパッシブモニターと
全く同じである。
【0016】従来の方法とこの発明の異なるところは次
の通りである。従来の方法では、ガスの吸収が起こる位
置は着色層の成長とともに後退していくのに対し、この
発明ではガスの吸収は常に定量層の入口(ゲルと空気の
境界)で起こるので、ガスを捕集する速さが濃度や時間
に依存せず常に一定となり、良好な直線的な応答が得ら
れることである。また、従来の方法では、着色層の成長
は担体粒子の隙間を測定ガスXが拡散で移動することに
依存している。然るにこの発明では、ガスが拡散するこ
とによって着色層が成長するわけではなく、ガスから2
次的に生成した物質Y(Y´)がゲルの中を拡散するこ
とに依存していることである。一般に、ゲルの中(液
層)の拡散速度は気層での拡散速度に比べて極めて小さ
いので、着色層の境界のボケを極めて少なくすることが
可能であり、これによって高い感度を得ることが可能で
ある。
【0017】
【実施例】以下、図面に基づいてこの発明の実施例を説
明する。図1は、モニターのカートリッジの構成を示す
拡大断面図である。即ち、内径2mmのガラス管11の
内部には、吸収層12,定量層13および吸収液層14
が形成されている。上記吸収層12および定量層13に
はゲルが吸収液層14には吸収液が充填されている。こ
のゲル中での分子の拡散速度は水中とほぼ同じであり、
拡散係数は10-5cm2 /秒のオーダーである。気相で
の拡散係数は10-1cm2 /秒のオーダーであるから、
今までより104 倍も遅くなったことになる。なお、こ
のガラス管11の底部には空気孔を有するキャップを設
けるようにしてもよい。
【0018】この実施例の硫化水素の測定用モニターで
は、銀イオンが硫化物イオンやビスムチオールと極めて
難溶な化合物を作ることを利用している。ガスの吸収反
応は次のとおりである。
【0019】H2 S=2H+ +S2-
【0020】2AgR+S2-=Ag2 S+2R- (R;
ビスムチオール)
【0021】定量層13では、Ag2 Oが吸収層12か
ら拡散してきたビスムチオールイオンと反応して再びA
gRを生じる。ここで生成されるAgRは紫色のコロイ
ドである。
【0022】次に、具体的な作成方法を説明する。ゲル
には電気泳動用のアガロースを2%の濃度で用いた。吸
収層12には吸収試薬としてコロイド状のAgRを用
い、定量層13にはコロイド状のAg2 Oを用いた。
【0023】次に、吸収層用フィルムの作成方法を説明
する。顕微鏡スライドガラス2枚を0.4mmの間隔で
対向させ、2%アガロースの熱溶液を流し込み、アガロ
ースのフィルムを作った。冷却してからこのフィルムを
テフロンシートの上に広げ、次の3種類の試薬溶液を順
にフィルム上に載せて浸透させた。液量はフィルム上に
表面張力で保持できる程度の量とした。溶液が拡散によ
って浸透するまで30分放置した後、傾けて溶液を流し
去り、残留した溶液を濾紙によってぬぐい去ってから次
の溶液を加えた。
【0024】0.1M硝酸銀水溶液
【0025】0.05M水酸化ナトリウム水溶液
【0026】0.05Mビスムチオール,0.1M水
酸化ナトリウム水溶液
【0027】最後に十分に水洗してから0.01M炭酸
ナトリウム水溶液中に保存した。
【0028】次に、定量層用酸化銀コロイドについて説
明する。予め作って置いた4%アガロースゲルを0.5
g計り取り、0.28mlの水を加え加熱溶解した。こ
れにまず0.02mlの0.1M水酸化ナトリウム水溶
液を加え、次いで、0.1mlの0.01M硝酸銀水溶
液を加えた。ここで水酸化銀が生成するので、加熱して
酸化銀に変えた。透明に近い黄色のコロイド溶液が得ら
れた。これに0.1mlの0.1M炭酸ナトリウムを加
え、次ぎの操作のため60℃の温度に保温しておいた。
【0029】次に、カートリッジへのゲルの充填につい
て説明する。上記作成した吸収層用のフィルムを小さく
切ってテフロンシート上に広げ、濾紙で溶液を拭ってお
く。一方、長さ40mm,内径2mm,外径3mmのガ
ラス管を用意し、スポイトのように一端に小ゴム球を付
け、保温しておいた酸化銀コロイド溶液25μlを吸引
して取り、ゲルが固まらない内に溶液を吸入した方の口
をフィルムに押し付けた。固まってから持ち上げるとガ
ラス管で円形に切り取られたフィルムが定量層と一体に
なった物が得られた。最後にゴム球を外し、注射器を使
って80μlの0.01M炭酸ナトリウム水溶液をガラ
ス管に注入した。
【0030】各層の長さは、吸収層=0.4mm,定量
層=8mm,吸収液層=26mmであった。
【0031】図2にホルダーの断面図を示す。ガス導入
部は中央に内径2mmの小孔からなる拡散抵抗15を有
し、上記カートリッジ11を保持する内径3mmの孔を
有するポリテトラフロロエチレン(PTFE)製の蓋部
16と、これとねじ結合するポリ塩化ビニル製の本体1
7で構成される。上記蓋部16の小孔は拡散抵抗によっ
て測定ガスの量を制限する働きをしている。従って、小
孔の径を小さく長さを長くすることにより、高い濃度の
測定にも対応させることが可能である。
【0032】30から90ppbの硫化水素に4時間暴
露して、着色層の長さを0.1mmの目盛り付の拡大鏡
で0.05mmまで読み取った。この結果を図3のグラ
フに示す。0.1mmの最小目盛りに相当するドース
(濃度×時間)は、22ppb・hrである。因に、市
販品は最小目盛りは4mmで、相当するドースは100
00ppb・hrである。
【0033】なお、上記の例は、3層構成のものについ
て説明したが、これは定量層と吸収液層からなる2層構
成であってもよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明の直読式
パッシブモニターは、従来のモニターに比べて着色層の
境界が極めて鮮明となり、これにより高い感度が得られ
る。硫化水素の測定に適用したところ分解能は22pp
b・hrであり、これは従来のものに比べて百倍以上の
感度の向上である。また、従来のモニターでは濃度と着
色層の長さの間には比例関係が成り立っていなかっが、
この発明のモニターでは濃度に比例する応答が極めて正
確に得られ、作業環境のみならず一般環境濃度の測定が
できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の直読式パッシブモニターの
ゲルを充填したカートリッジの構成を示す断面図、
【図2】図1のカートリッジを収納するホルダーの構成
を示す断面図、
【図3】直読式パッシブモニターの検量線を示すグラ
フ、
【図4】従来の検知管タイプのモニターの構成を示す断
面図である。
【符号の説明】 11 ガラス管(カートリッジ) 12 吸収層(ゲル) 13 定量層(ゲル) 14 吸収液層 16 拡散抵抗を有する蓋体 17 カートリッジホルダー

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス管に耐拡散性の定量試薬を含むゲ
    ルからなる定量層と吸収液からなる吸収液層を形成し、
    上記定量層側から測定ガスを導入してガス濃度を検出す
    るようにしたことを特徴とする直読式パッシブモニタ
    ー。
  2. 【請求項2】 ガラス管に耐拡散性の吸収試薬を含むゲ
    ルからなる吸収層および耐拡散性の定量試薬を含むゲル
    からなる定量層と吸収液層を形成し、上記吸収液層から
    溶媒が供給されるように形成し、上記吸収層側から測定
    ガスを導入してガス濃度を検出するようにしたことを特
    徴とする直読式パッシブモニター。
  3. 【請求項3】 吸収試薬としてコロイド状の銀ビスムチ
    オール錯体を、定量試薬としてコロイド状の酸化銀を使
    用して硫化水素を検出するようにした請求項1および請
    求項2記載の直読式パッシブモニター。
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