JP2728321B2 - 光環境解析装置及び光環境解析方法 - Google Patents

光環境解析装置及び光環境解析方法

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JP2728321B2
JP2728321B2 JP21070991A JP21070991A JP2728321B2 JP 2728321 B2 JP2728321 B2 JP 2728321B2 JP 21070991 A JP21070991 A JP 21070991A JP 21070991 A JP21070991 A JP 21070991A JP 2728321 B2 JP2728321 B2 JP 2728321B2
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宜弘 服部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は照明、採光などをシミュ
レートする光環境解析装置及び光環境解析方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】部屋の中に照明器具などを設置する場合
に、器具を実際に取り付ける前に、部屋の各部分におけ
る照度、輝度などの値を計算上求めて、光環境が定量的
に分かることが望まれている。このような解析をする場
合に光源からの直接光だけでなく、壁面などからの反射
光も考慮に入れる必要がある。
【0003】従来、ラジオシティ法という手法を用いる
ことによって、そのような反射光も考慮した計算が可能
となっている(「映像の質を漸進的に高めるラジオシテ
ィ・アルゴリズム」、マイケル・F・コーエン、日経CG 1988年1
1月号P.164-P174参照(from"A Progressive Refinement
Approach to Fast Radiosity Image Generation" Michael F.Cohen et al., Conputer Grap
hics ,vol.22,no.4,August 1988 (SIGGRAPH'88 Confere
nce Proceeding),pp.75-84)))。
【0004】この手法では、部屋の天井、側壁、床など
を多くの面に分割する。当然その中のある面に照明光源
が存在することになる。
【0005】そこで最初に、それら各面の中で、光を最
も放射する面、すなわち照明光源の存在する面に着目す
る。そして、その面より光を四方に放射させる。その放
射された光が各面に到達する割合を求める際に角関係、
面の大きさなどから、フォームファクター(formfactor)なるも
のを求める。その方法として、1点(所定光源面)から
線を射出して各面に到達した本数より計算する方法が考
えられる。このformfactorを計算する演算の流れを図9
に示す。図中ステップS1では、光線の発射角度を決定
する。ステップS2では、その発射角度に対応した発射
光強度を求める。ステップS3では、その発射角度より
光線の到達面を探す。ステップS4では、その到達面に
おける光線強度を計算する(そしてそれまでの光線強度
に加算する)。ステップS5では、その一点から放射さ
せる全規定本数が終了したかどうかを判定する。未だ発
射角度が残っていれば、その残る角度で光を射出し、上
述の演算を行う。全ての角度に発射し終わると、ステッ
プS6では、1点から全方向へ光を発射させた場合の、
各面におけるその1点からの光の強度を算出する。
【0006】次に、光源面以外の各面の中で、最も光り
強度の大きい面を探索する。そして、その最も光の強い
面を新たな光源とみなし、且つその面を完全拡散面とし
て、全方位に光を発射させ、上述のようにして、各面の
光の強度を増加させながら更に精密にしていく。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の考え
方では、壁、天井などすべての面が完全拡散面であると
みなしている。
【0008】しかしながら、実際の部屋では、鏡など鏡
面反射をする面があることが少なからずある。また、面
によっては拡散反射と鏡面反射の両成分があるような面
も考えられ、従来のやり方では、反射を考慮した光環境
を正確にはシミュレートできていなかった。
【0009】本発明は、このような従来の光環境解析装
置の課題を考慮し、鏡面反射を考慮した光環境解析装置
及び光環境解析方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、解析対象の環
境空間を形成する面をいくつかの面に分割し、その分割
された各面の中から、光量に関する所定の基準に基づき
選ばれた所定面を光源とし、そこから所定の複数方向に
光を発射し、各光の到達する各面を探索し、その面に到
達する光量を演算し、さらに、前記各面の中から、所定
の基準に基づき選ばれた所定面の到達光量を光源とし
て、上述のようにして、各面における光量を演算し、こ
のようなことを繰り返すことによって、各面の最終的光
量を得る光環境解析装置において、前記光源からの、所
定の角度方向の光が到達する前記到達面を決める際、予
め鏡面と決められている面にその所定角度方向の光が到
達する場合は、その光はその鏡面で鏡面反射し、その反
射角度でもって新たに光が到達する面を、その光源から
の、前記所定の角度方向の光が到達する到達面とする光
到達面探索手段を備えた光環境解析装置である。
【0011】また、本発明は、光源、反射壁などの面を
分割した光環境を解析する領域において最も光を放射す
る量が多い面を探す放射最大光量探索ステップと、前記
放射最大光量探索ステップで得られた放射最大光量が予
め決められた規定値より大きいか否かを比較する放射最
大光量規定値判定ステップと、探索された面より他の各
面への到達光量を計算する各面への到達光量計算ステッ
プと、前記到達光量計算ステップで求められた光量を各
面にて、それまでに求められた光量に加算する各面の到
達光量加算ステップと、前記到達光量加算計算ステップ
で求められた光量にその到達面の拡散反射率を乗ずる放
射光量計算ステップとを備え、放射を行った面の放射光
量を0にし、再度前記放射最大光量面探索ステップに
て、計算された放射光量のなかで最も光を放射する量が
多い面を探し、以下同じ操作を繰り返すことによって計
算領域のすべての面の照度、反射光強度等を求め、前記
放射された光が各面へ到達する量を求め加算する際のス
テップでは、放射する光の発射角度を決める光線発射角
度決定ステップと、発射角度に対応した発射強度を算出
する発射強度算出ステップと、発射された光が到達する
面を探す到達面探索ステップと、到達面にて到達強度を
加算する到達強度加算ステップと、到達面が鏡面反射す
るかどうかを判定する到達面鏡面反射判定ステップと、
鏡面反射する場合、到達強度に鏡面反射率を乗じて鏡面
反射強度を算出する鏡面反射強度算出ステップと、到達
角度より反射角度を求める反射角度算出ステップとを有
し、前記到達面探索ステップでは、その反射した光の到
達面をも探索し、前記、到達強度加算ステップでは、前
記鏡面反射鏡度を利用して強度を求め、放射する光があ
らゆる方向に出されるように決めた規定本数を発射した
かを判定する規定本数判定ステップを実行する光環境解
析方法である。
【0012】
【作用】上記構成においては、放射された光の各面へ到
達する光量を求める場合に、鏡面を考慮して、従来より
精密な照度、輝度を算出する事が出来る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0014】図1は本発明の一実施例における光環境解
析方法の構成を示すフローチャートである。図2に示す
ような3次元空間を面分割し、面要素の中で最も光を放
射する面を探し(放射最大光量面探索部にて探す)(図
1のステップS1)、その面から光を発する。最初は光
源1がその面となる。光源が複数個ある場合は、最も明
るい光源が選ばれる。2は鏡面である。
【0015】次に、その光源からの各面への光の到達量
を求める(到達光量計算部で求める)(図1のステップ
S3)。図3のフローチャートにその到達量を求める動
作を示す。図4に示すように放射面より光を射出し、そ
れぞれの面に到達する割合を求める。
【0016】図3のステップS1の光の発射角度、及び
ステップS2発射強度は、図5に示すような半球上天頂
角と水平角を決めて発射される。図6のような半球上等
方になるように、図7に示すフローチャートで角度,強
度を求める。すなわち、まず天頂角の分割数Nを入力す
る(図7のステップS1)。Iを1からNまでとる値と
し、天頂角bが求まる(図7のステップS2)。次に、
水平角分割数Mを天頂角bに対応して整数値を与えられ
る(図7のステップS3)。Jを1からMまでとる値と
し水平角aがを求まる(図7のステップS4)。光の強
度はLambertの余弦則も考慮し、本数を整数値に切り上
げている分減少する値が求まる(発射強度算出部にて求
まる)(図7のステップS5)。このようにして天頂
角、水平角、発射強度が決まり、発射本数も決まる。
【0017】図3のステップS3の到達面探索は、図8
のフローチャートに示すように行われる。図5に示され
た天頂角,水平角を直交座標系の3方向成分に変換する
(発射角度3方向成分変換部で行う)(ステップS
1)。次に、計算領域内で3方向それぞれに次のメッシ
ュの到達距離を算出する(3方向到達距離算出部で算出
する)(ステップS2)。次に、3方向到達距離算出ス
テップで求められた3方向の距離の最小距離を求める
(最短距離算出部で求める)(ステップS3)。次に、
最も近かったメッシュが固体面であるかどうかを判定す
る(面判定部で判定する)(ステップS4)。これによ
って、変換されたデータを発射本数分持ち,発射面が変
わっても座標を変えるだけで計算が簡単に行える。な
お、鏡面反射の場合は反射角度を求める際に、座標成分
であれば符号を変化させるだけでよい。
【0018】このようにして、光到達面を探索した後、
その面の到達強度を求める(到達強度加算部で求める)
(図3のステップS4)。
【0019】次に、その到達面が鏡面2かどうかを判定
する(到達面鏡面反射判定部で判定する)(図3のステ
ップS5)。すなわち、鏡面2の場合は、その面の鏡面
反射率から鏡面反射成分を求め(鏡面反射強度算出部で
求める)(図3のステップS6)、さらに、入射角より
反射角を求めて(反射角度算出部で求める)(図3のス
テップS7)、更にその反射した光の追跡を繰り返す
(図3のステップS3,S4,S5)。このような鏡面
反射を考慮して光の到達面を探索する機能は、光到達面
探索手段によって実現される。
【0020】鏡面反射のない面に到達した場合は追跡を
終了する(図3のステップS5)。そして、上記光源か
ら発射された光の規定本数かどうかを判定し(規定本数
判定部で判定する)(図3のステップS8)、規定本数
に達していない場合は、他の角度で光を発射し(図3の
ステップS1)、同様の光の追跡を行う。
【0021】規定本数に達した場合は、最後に、放射面
からEなる光の量が放射され、光の強度がトータルでF
であり、1面に到達する強度がGであるとき、到達光量
算出部において1面に到達する光の量がE×G/Fとし
て計算される(図3のステップS9)。
【0022】以上のような方法によって、所定の放射面
から各面へ光が到達する割合が求められ、面に到達する
光の量を加算する(図1のステップS4)。
【0023】この値に各面の拡散反射率を乗じた光量
が、その面を光源とする場合の放射する光の量になる
(図1のステップS5)。この面では、完全拡散面とみ
なされる。
【0024】そこで、図1のステップ1で、この値が最
大の面を探索し、同じ操作を繰り返して光を放射する。
このようにして図2のような計算量域内のすべての面の
照度,拡散する光の量がわかる。
【0025】なお、放射光源の光量が最も大きい面を探
索する場合、予め決められた規定値に到達しない面しか
残っていない場合は、そこで、シミュレーションは終了
する(図1のステップS2)。
【0026】なお、光の放射量が小さくなってきた場合
は、到達量を求めるための計算のための光の本数を減ら
してもよい。すなわち、誤差は小さいので計算が高速に
行えるメリットがある。
【0027】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、鏡面反射を考慮して、光環境の解析を正
確に行うことが出来るので、照明器具の開発、設置など
の設計に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光環境解析方法を示すフローチャート
である。
【図2】本発明の光環境解析方法の対象とする空間模式
図である。
【図3】本発明の各面への到達光量計算方法を示すフロ
ーチャートである。
【図4】本発明の光環境解析方法の対象とする空間模式
図である。
【図5】本発明の光の発射角度を説明するための空間模
式図である。
【図6】本発明の光の発射角度を説明するための空間模
式図である。
【図7】本発明の光の発射本数を説明するためのフロー
チャートである。
【図8】本発明の光の到達面を求めるためのフローチャ
ートである。
【図9】従来の光の到達面における光量を求めるための
フローチャートである。
【符号の説明】
1 光源 2 鏡面 図3のS3 到達面探索ステップ 図3のS5 到達面鏡面反射判定ステップ 図3のS6 鏡面反射強度算出ステップ 図3のS7 反射角度算出ステップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−301901(JP,A) 特開 昭51−19381(JP,A) 実開 昭50−152683(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 解析対象の環境空間を形成する面をいく
    つかの面に分割し、その分割された各面の中から、光量
    に関する所定の基準に基づき選ばれた所定面を光源と
    し、そこから所定の複数方向に光を発射し、各光の到達
    する各面を探索し、その面に到達する光量を演算し、さ
    らに、前記各面の中から、所定の基準に基づき選ばれた
    所定面の到達光量を光源として、上述のようにして、各
    面における光量を演算し、このようなことを繰り返すこ
    とによって、各面の最終的光量を得る光環境解析装置に
    おいて、前記光源からの、所定の角度方向の光が到達す
    る前記到達面を決める際、予め鏡面と決められている面
    にその所定角度方向の光が到達する場合は、その光はそ
    の鏡面で鏡面反射し、その反射角度でもって新たに光が
    到達する面を、その光源からの、前記所定の角度方向の
    光が到達する到達面とする光到達面探索手段を備えたこ
    とを特徴とする光環境解析装置。
  2. 【請求項2】 光源、反射壁などの面を分割した光環境
    を解析する領域において最も光を放射する量が多い面を
    探す放射最大光量探索ステップと、前記放射最大光量探
    索ステップで得られた放射最大光量が予め決められた規
    定値より大きいか否かを比較する放射最大光量規定値判
    定ステップと、探索された面より他の各面への到達光量
    を計算する各面への到達光量計算ステップと、前記到達
    光量計算ステップで求められた光量を各面にて、それま
    でに求められた光量に加算する各面の到達光量加算ステ
    ップと、前記到達光量加算計算ステップで求められた光
    量にその到達面の拡散反射率を乗ずる放射光量計算ステ
    ップとを備え、放射を行った面の放射光量を0にし、再
    度前記放射最大光量面探索ステップにて、計算された放
    射光量のなかで最も光を放射する量が多い面を探し、以
    下同じ操作を繰り返すことによって計算領域のすべての
    面の照度、反射光強度等を求め、 前記放射された光が各面へ到達する量を求め加算する際
    のステップでは、放射する光の発射角度を決める光線発
    射角度決定ステップと、発射角度に対応した発射強度を
    算出する発射強度算出ステップと、発射された光が到達
    する面を探す到達面探索ステップと、到達面にて到達強
    度を加算する到達強度加算ステップと、到達面が鏡面反
    射するかどうかを判定する到達面鏡面反射判定ステップ
    と、鏡面反射する場合、到達強度に鏡面反射率を乗じて
    鏡面反射強度を算出する鏡面反射強度算出ステップと、
    到達角度より反射角度を求める反射角度算出ステップと
    を有し、前記到達面探索ステップでは、その反射した光
    の到達面をも探索し、前記、到達強度加算ステップで
    は、前記鏡面反射鏡度を利用して強度を求め、放射する
    光があらゆる方向に出されるように決めた規定本数を発
    射したかを判定する規定本数判定ステップを実行するこ
    とを特徴とする光環境解析方法。
  3. 【請求項3】 発射された光が到達する面を探す際に、
    決められた発射角度から直交座標の3方向の成分に変換
    する発射角度3方向成分変換ステップと、計算領域内で
    3方向それぞれに次のメッシュの到達距離を算出する3
    方向到達距離算出ステップと、前記3方向到達距離算出
    ステップで求められた3方向の距離の最小距離を求める
    最短距離算出ステップと、最も近かったメッシュが固体
    面であるかどうかを判定する面判定ステップを持つこと
    を特徴とする請求項2の光環境解析方法。
  4. 【請求項4】 発射角度を決める際に、全方向に均一に
    発射されるように半球上の球面を天頂角方向に等間隔に
    分割させ天頂角を決める天頂角算出ステップと、前記天
    頂角算出ステップで決定された天頂角に対応した水平角
    分割数算出ステップと、前記水平角分割数算出ステップ
    で決定された分割数に水平角を分割させ水平角を決める
    水平角算出ステップと、前記水平角算出ステップで決定
    された水平角に対応した強度を決める射出強度算出ステ
    ップと、前記天頂角算出ステップおよび前記水平角算出
    ステップで決められた天頂角と水平角の点へ、線を球の
    中心より発射させることを特徴とする請求項3の光環境
    解析方法。
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