JP2727975B2 - 手書き記号認識システム - Google Patents

手書き記号認識システム

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JP2727975B2
JP2727975B2 JP6211725A JP21172594A JP2727975B2 JP 2727975 B2 JP2727975 B2 JP 2727975B2 JP 6211725 A JP6211725 A JP 6211725A JP 21172594 A JP21172594 A JP 21172594A JP 2727975 B2 JP2727975 B2 JP 2727975B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手書き記号認識システ
ムに関し、たとえば、スタイラスペン(stylus
pen)を使用して編集記号を入力する手書き記号認識
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】スタイラスペンを使用して手書き編集記
号を入力する装置としては、例えば特開昭60−759
80号公報「オンライン手書き入力図形編集装置」が開
示されている。この「オライン手書き入力図形編集装
置」は図面上に表示されている種々の図形の中から編集
対象の図形セグメントを選択するために、編集対象図形
セグメント指定用の閉図形と、この閉図形の一部と交差
する第2の閉図形をスタイラスペンによって手書きで入
力し、これら2種の手書き入力図形を判別して、指定さ
れた図形セグメントに指定された編集内容を施すように
構成されている。
【0003】この「オンライン手書き入力図形編集装
置」で、手書き記号の形状を認識する部分は、編集操作
コマンド識別部に属する。この編集操作コマンド識別部
の動作を図10のフローチャートに示す。また、図11
はこの従来の装置における角度量子化を示す図、図12
は図11の問題点を示す図である。図10のC1〜C9
は各プログラムステップであり、前処理を行った後(ス
テップC1)、ステップC2において第i番目の座標点
を取り込む。ステップC3では、ペンダウン(スタイラ
スペンが手書きの平面に接触すること)信号が検知され
たか否かに基づいて、この入力座標が始点か否かを判定
する。
【0004】そして始点であれば、ステップC7にジャ
ンプし、全入力点の処理終了か否か、すなわち、ペンア
ップ(スタイラスペンが手書きの平面から離れること)
信号が検出されたか否かを判定する。ステップC3の判
定において、入力点が始点でないと判定されたときは、
前回入力点と今回入力点の各座標から図11(a)を基
準とした方向ベクトルを求める(ステップC4)。次の
ステップC5では、同一方向ベクトルが予定回数継続し
て現れたか否かを検知する。同一方向ベクトルが予定の
複数回継続されたときは、ステップC6へ進み、当該ベ
クトルを方向パターンとして認知しデータを作成する。
ステップC5の判定がnoであればステップC7へジャ
ンプする。ステップC7において、ペンアップ信号が検
出されず、全入力点の処理が済んでいないと判定された
ときは、ステップC8でiを1だけ増加してi+1と
し、ステップC2へ戻る。
【0005】そして、(i+1)番目の座標点を読み込
み、C3〜C7−C8−C2の処理を繰り返す。すなわ
ち、ステップC2〜C5−C6〜C2のループで入力図
形に対する方向パターンを作成する。この方向パターン
を、予め辞書に定義された方向パターンと照合し、その
中から一致するパターンを求め、これを編集操作コマン
ドとして出力する(ステップC9)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のオ
ンライン手書き入力図形編集装置における手書き記号認
識システムでは、以下のような問題点があった。すなわ
ち第1には、方向ベクトルの量子化が適切に行われない
場合があり、その際には正しい認識結果が得られないと
いう問題がある。例えば、図11(b)の方向6と方向
7の中間の方向を方向分類の境界線とすると、手書きに
よっては図12のようにこの境界線上に手書き記号の線
が書かれる場合がある。手書きのための手振れによる雑
音により、図12の線を量子化すると、方向6と方向7
が不規則に交互に表れた後、方向5に移るという結果に
なる。このような方向ベクトルをそのまま図形認識に用
いることはできない。従来の装置では、同一の方向ベク
トルが予定の複数回連続して発生した場合に初めて方向
パターンとして辞書と比較する方法で対処しているが、
予定の複数回が小さな数値に設定されると、手振れによ
る雑音によってこの複数回に到達してしまう場合がしば
しば発生し、逆にこれが大きな数値に設定されると、本
来の方向パターンとして辞書と比較すべき部分が、この
複数回に到達しない可能性がある。
【0007】また、第2には手書きの記号が途中で中断
した場合の処理が問題となる。すなわち、スタイラスペ
ンの筆圧が下がるなどの理由で、入力データが一瞬途切
れた場合、従来の装置ではステップC7でペンアップと
判定し、使用者が1つの編集記号を入力したつもりであ
っても、装置は2つの編集記号の入力として認識し、誤
認識の原因となる。
【0008】また、第3には操作者が手書き記号の入力
中に何らかの理由で入力を取り止めたくなった場合に問
題が発生する。たとえば、誤った記号を入力し始めたと
操作者が気づいた場合、その時点で操作者がペンアップ
を行うと、その時点までに入力されたデータに基づい
て、全く操作者の予期しない別の記号に認識される可能
性がある。
【0009】さらに、第4には編集時の操作性の問題が
ある。すなわち従来の装置では、編集対象を指定する閉
図形と、編集を指示する手書き記号とを入力する2回の
操作が必要となる。
【0010】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたものであり、ベクトルの方向の量子化が適切に実
行され、入力が一瞬途切れた場合でもペンアップと誤判
断されることがなく、操作者に対して現在入力中の手書
き記号がいかなる記号にも認識されないことを通知する
手段を持ち、編集などの対象を指定するための、いわゆ
るホットスポットを抽出する手段を備えて、編集対象を
指定する閉図形を入力する必要のない手書き記号認識シ
ステムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる手書き記
号認識システムは、方向の量子化に際し隣接段階の2方
向の何れとも断定できない方向は、当該2方向の中間に
設けた補助方向に属するものとし、主方向と補助方向と
で方向パターンを構成し、この方向パターン中の補助方
向は、その前の主方向に関連して主方向に変換し、この
ようにして主方向だけの方向パターンを作成することと
した。
【0012】すなわち、本発明では、曲線の軌跡を当該
曲線上の点列の位置座標列として入力する入力手段、点
列の位置座標列を記憶する点列データ記憶手段、この点
列データ記憶手段に最初に記憶される点を最初の基準点
とし、基準点と基準点に相次いで入力される点を結ぶベ
クトルの長さが予め定めた閾値以上である点を次の基準
点として前の基準点に置き換え、このようにして順次決
定される基準点について隣接基準点を結ぶベクトルの方
向を算出する方向算出手段、この方向算出手段が算出し
た方向を、所定段階数の主方向と、隣接する主方向の中
間の所定角度範囲の補助方向とに量子化し、量子化した
方向を方向特徴として出力する方向特徴抽出手段、この
方向特徴抽出手段の出力のうち方向特徴が補助方向であ
るものは、直前のベクトルの方向の方向特徴により当該
方向特徴を主方向の方向特徴に変換し、変換後に同一主
方向の連続する部分を単一のベクトルとして合成する方
向遷移抽出手段、この方向遷移抽出手段で単一のベクト
ルとして抽出された各ベクトルに対し当該ベクトルの長
さと方向遷移抽出手段で抽出される全てのベクトルの長
さの合計に対する比率を求める方向遷移ベクトル長抽出
手段、方向遷移抽出手段で抽出された各ベクトルの角度
を決定する方向遷移ベクトル角度抽出手段、方向遷移抽
出手段が抽出した方向遷移のパターンと、方向遷移ベク
トル長抽出手段が決定した比率と、方向遷移ベクトル角
度抽出手段が決定した角度とに関し、各手書き記号に対
応して許容できる許容範囲を格納した特徴辞書記憶手
段、方向遷移のパターンと方向遷移ベクトル長抽出手段
が決定した比率と、方向遷移ベクトル角度抽出手段が決
定した角度により特徴辞書記憶手段を検索する特徴辞書
比較手段、を備えることにより角度の量子化を適切に行
うことにした。
【0013】また、入力手段は、ペンダウンを点列入力
の開始点とし、ペンアップを点列入力の終了点とする手
段と、ペンアップの時点と次のペンダウンの時点との間
が予め定める時間内であるときは同一手書き記号の連続
入力として処理する手段を備え、入力が一瞬途切れたと
きの誤動作を防止することとした。
【0014】また、特徴辞書比較手段は、点列の位置座
標列の入力中に、方向遷移のパターンにより特徴辞書記
憶手段を検索し、手書き記号の入力中に認識する候補が
無くなった場合に操作者に通知し、誤った記号を入力し
始めたと操作者が気付き入力を中断する場合に、操作者
が任意にペンを動かして何らかの記号に認識されないよ
うに入力する場合の補助手段とした。
【0015】さらに、特徴辞書記憶手段は、前記方向遷
移のパターンと、方向遷移ベクトル長抽出手段が決定し
た比率と、方向遷移ベクトル角度抽出手段が決定した角
度とに関し各手書き記号に対応した許容できる範囲に加
え、方向遷移抽出手段で単一のベクトルとして抽出され
た各ベクトルの端点を手書き記号による対象の指定のた
めの座標の抽出に使用するか否かの情報を備え、方向遷
移抽出手段で単一のベクトルとして抽出された各ベクト
ルと、特徴辞書記憶手段とを対比して座標を抽出する指
定対象座標抽出手段を備えることによって、編集などの
対象を指定するためのホットスポットを抽出することを
可能にしている。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面について説明す
る。図1は本発明の一実施例を示すブロック図であっ
て、本発明のシステムは入力装置1とデータ処理装置2
と、記憶装置3と出力装置4とから構成される。入力装
置1はタブレットやスタイラスペン(図示せず)などを
備え、スタイラスペンの軌跡を点列の座標値データとし
て入力する。また、データ処理装置2は、プログラム制
御によって動作し、入力装置1から入力されたデータの
処理を行う。記憶装置3は、データ処理装置2がデータ
処理を行うための途中のデータを記憶し、出力装置4
は、データ処理の結果を出力する。
【0017】データ処理装置2は、その機能で分類する
と、方向算出手段21、8方向特徴抽出手段22、4方
向遷移抽出手段23、4方向ベクトル長抽出手段24、
4方向ベクトル角度抽出手段25、特徴辞書比較手段2
6に分類される。また、記憶装置3は、点列データ記憶
手段31、ベクトル記憶手段32、特徴辞書記憶手段3
3により構成される。
【0018】図2は、図1の装置の動作を示すフローテ
ャートであり、A1〜A22は各処理ステップを示す。
以下、図1に示す実施例の動作を図2を参照して説明す
る。ステップA1でペンダウンが検出された時点から、
入力装置1は入力を開始し、ステップA11でペンアッ
プの継続が確認された時点で入力を終了する。最初に入
力される点の座標位置を最初の基準点とし(ステップA
2)、点列データ記憶手段31の基準点レジスタ(図示
せず)に格納する。
【0019】方向算出手段21では、この基準点の次に
入力される点について、基準点を始点とし当該点を終点
とするベクトルを生成し(ステップA3,A4)、この
ベクトルの長さが閾値以下の場合には当該点を間引きし
(ステップA5,A3)、このベクトルの長さが閾値以
上の場合にはこのベクトルをベクトル記憶手段32に記
憶した後、当該点の座標位置を次の基準点として基準点
レジスタに格納する(ステップA6)。このようにして
不必要な点は間引きされ、間引きされずに残った基準点
を結ぶベクトルのデータがベクトル記憶手段32に記憶
される。
【0020】図3は、8方向特徴抽出手段22の動作を
説明するための図で、ベクトル記憶手段32に記憶され
るベクトルの方向がこの8方向特徴抽出手段22により
主方向1,2,3,4及び補助方向5,6,7,8の8
段階に量子化される。ベクトルの方向が330°〜30
°の方向は主方向1とされ、ベクトルの方向が45°〜
135°の方向は主方向2とされ、ベクトルの方向が1
50°〜210°の方向は主方向3とされ、ベクトルの
方向が245°〜315°の方向は主方向4とされる。
どの主方向にも属さない方向として、30°〜45°,
135°〜140°,210°〜245°,315°〜
330°の方向が残るが、これらをそれぞれ補助方向
5,6,7,8とし、どの方向のベクトルもこの8方向
に分類される。以上、説明の便宜のために方向算出手段
21と8方向特徴抽出手段22との動作を分けて説明し
たが、方向を算出すると同時にその方向を量子化するこ
とができるので、方向算出手段21は8方向特徴抽出手
段22内に含ませることができる。
【0021】図3に示すように方向を分類すると、どち
らの主方向に属するかが不明瞭な方向は存在しなくな
る。主方向と補助方向の境界線の方向は、30°,45
°,135°,150°,210°,245°,315
°,330°の8方向であるが、補助方向は4方向遷移
抽出手段23により主方向に変換されるので、これらの
境界線上にあるベクトルは始めから主方向として、それ
ぞれ主方向1,2,2,3,3,4,4,1としておく
ことができる。
【0022】図4は、4方向遷移抽出手段23の動作を
説明するための図であり、また、図5はデータ処理装置
2における処理経過を説明するための図である。すなわ
ち、問題とするベクトルが補助方向にあるときは、その
前のベクトルの方向に従ってこれを主方向に変換し、始
点のベクトルにはその前のベクトルがないので、仮に、
方向5と方向8は方向1に、方向6と方向7は方向3に
変換するように定めておく。そして始点から順次変換し
て行くと「その前のベクトル」の方向は必ず主方向とな
っているので、始点以外は「前の4方向特徴」に応じて
「現地点の8方向特徴」を図4に示すルールに従い4方
向特徴に変換する。
【0023】図5(a)は、8方向特徴抽出手段22で
抽出した各ベクトルの8方向特徴の一例を示し、図5
(b)は、図5(a)の8方向特徴を図4のルールに従
って変換した結果を示す。4方向遷移抽出手段23は、
さらに図5(b)から図5(c)の方向遷移のパターン
を生成する。図5(c)では、図5(b)で同一方向特
徴の中間にある基準点は全部省略され、同一主方向の始
点とその終点とが連結されて新しいベクトルが生成され
る。これらのベクトルの方向遷移、個々のベクトルの長
さとその角度が、この手書き記号の特徴となる。
【0024】図2において、ステップA9のペンアップ
が一定時間継続するとステップA12へ移り、図5
(b)を図5(c)のように変換し、ステップA13で
は4方向ベクトル長抽出手段24により4方向遷移ベク
トルの長さを算出し、4方向ベクトル角度抽出手段25
によりその角度を算出する。ステップA14とA15で
は、4方向遷移ベクトルのうち相対的に短い4方向遷移
ベクトルは処理エラーによって発生したものと見てこれ
を除去し、4方向遷移ベクトルの再編成を行う。
【0025】図6は、特徴辞書記憶手段33の内容の一
部を示す説明図で、手書き図形の各カテゴリに対し、4
方向遷移、ベクトル長比、ベクトル角度を記憶する。但
し、ベクトル長比とは当該ベクトルの長さの当該記号を
構成する全てのベクトルの長さの総計に対する比率(%
表示)を言う。なお、ベクトル長比とベクトル角度とは
許容範囲で表す。
【0026】データ処理装置2が処理したデータは、特
徴辞書比較手段26により特徴辞書記憶手段33の内容
と比較されて手書き記号のカテゴリが決定される。図2
のステップA16で4方向遷移を辞書と比較する。図5
(c)に示す例では、4方向遷移が1,4,3,2,1
であり、これは図6のカテゴリ1と合致するのでステッ
プA17へ進むが、ステップA16の判定がno(候補
なし)であればステップA22へ進んで「認識結果な
し」を出力し「終わり」となる。
【0027】ステップA17では4方向遷移ベクトル長
比を算出し、ステップA18でこれを辞書のカテゴリ1
の欄の数字と比較する。図5(c)の例では、そのベク
トル長比は図6に示す範囲に入っているので、ステップ
A19へ進む。ステップA19では、4方向遷移ベクト
ル角度を算出し、ステップA20でこれを辞書のカテゴ
リ1の欄の数字と比較する。図5(c)の例では、ステ
ップA20の比較結果が候補ありとなり、ステップA2
1に進み、カテゴリ1が出力される。ステップA18,
A20における比較結果が「候補なし」である場合は、
いずれもステップA22に進み「認識結果なし」が出力
される。入力される図形が編集記号のようなときは、そ
の編集記号が認識されてその記号の意味するコマンドが
実行される。
【0028】また、本発明ではステップA10とA11
とを設けることによって、一瞬間入力が途絶えたことを
ペンアップと誤認識することがないようにしている。
【0029】図7は、本発明の他の実施例を示すブロッ
ク図で、データ処理装置5は図1のデータ処理装置2に
対応し、記憶装置6は図1の記憶装置3に対応し、出力
装置7は図1の出力装置4に対応する。また、特徴辞書
比較手段56は図1の特徴辞書比較手段25と対応し、
特徴辞書記憶手段63は図1の特徴辞書記憶手段33と
対応する。図1との顕著な相違点は、データ処理装置5
がホットスポット抽出手段57を備えている点である。
また図8は、図7に示すシステムの動作を示すフローチ
ャートで、B1〜B23は各ステップを示し、B1〜B
8は図2のA1〜A8の各ステップに相当し、B17〜
B22はA17〜A22に相当し、B12〜B14はA
9〜A11に相当し、B9はA12に、B10はA15
にそれぞれ相当する。
【0030】以下、図8を参照して図7に示す実施例の
動作を説明する。但し、図8において図1のステップに
相当する動作は同様な動作であるので重複した説明は省
略する。ステップB8までの処理で、4方向特徴が抽出
される。図2に示すステップA8ではペンにより手書き
記号が入力されている最中であり、A9,A10,A1
1でペンダウンであるか途中の休みであるかを検出する
が、これ以上の特徴抽出は行わず、この状態で特徴辞書
記憶手段33との比較は行っていない。然しながら、4
方向遷移を始点から終点まで全部採集しなくても、例え
ば、最初の2点の組み合わせだけで、そのような組み合
わせは特徴辞書に存在しないことを判定できる場合があ
る。
【0031】たとえば、最初の2点の4方向特徴の組み
合わせが1−3,2−4,3−1,4−2のような場
合、これが辞書に存在せず、入力者の誤動作によってこ
のような4方向遷移が発生したと判定して、この時点に
おいて機械側から入力者に対し「入力のやり直し」を勧
告することが望ましい。図8のフローチャートはこのよ
うな勧告を行うことができるようにしたもので、ステッ
プB8に続いてステップB9(ステップA12相当)と
ステップB10(ステップA15相当)を実行し、デー
タ入力の途中でステップB11で辞書63との比較を行
い、この時点で「候補なし」と判定されたときはステッ
プB15で認識結果キャンセルを出力する。この出力を
観察した入力者は誤入力をしたことに気が付きステップ
B1からやり直す。
【0032】また、ステップB11の判定が「候補あ
り」の場合には、ステップB12以下ステップB22ま
での動作は、図2のフローチャートで示す動作と同様な
動作が行われる。但し、図8のフローチャートではステ
ップB23のホットスポット抽出が行われる。このホッ
トスポットの抽出により、たとえば編集対象の存在位置
を知ることができる。
【0033】図9は、ホットスポットの抽出のため特徴
辞書記憶手段63に、図6に示す内容の他に付加すべき
内容を示す説明図で、4方向遷移の各ベクトルのうちホ
ットスポットとして抽出すべきベクトルにはフラグ(図
9では論理「1」で示す)を付けてある。ステップB2
1で認識結果を取得すると、ホットスポット抽出手段5
7は特徴辞書記憶手段63にフラグがセットされている
ベクトルの終点座標を読み出してホットスポットとして
出力する。このホットスポットの使用法は予め定められ
ており、入力操作者はこのホットスポットを使用して上
記予め定められた座標位置を指定することができる。
【0034】以上説明した図7,図8に示す実施例と、
図1,図2に示す実施例との効果の主要な相違点を要約
すると、図8に示す実施例では入力操作の途中で入力操
作者に対し誤入力が行われたことを警告することがで
き、また、ホットスポット抽出手段57によりホットス
ポットを抽出して、予め定められた取り決めに従って所
定の意味を持つ座標位置を指定することができるという
相違がある。
【0035】なお、以上は、特別な実施例について本発
明を説明したが、本発明はここに説明した実施例により
限定されるものではない。たとえば、手書き図形の始点
と終点とを結ぶベクトルを算出し、このベクトルの許容
範囲を特徴辞書記憶手段33または特徴辞書記憶手段6
3に記憶する許容範囲と比較するステップを追加しても
良い。さらに、主方向4方向,補助方向4方向の実施例
について説明したが、たとえば主方向8方向、補助方向
8方向としても本発明を容易に実施することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、基
準点間のベクトル方向を量子化する場合に量子化の境界
線上で不具合が発生することがなく、入力が一瞬間途絶
えたことをペンアップと誤認識することを防止でき、手
書き記号の入力途中で、その手書き記号が辞書にないこ
とが判定されたときはこれを入力操作者に通知すること
ができ、ホットスポットを抽出することが可能な手書き
記号認識システムが得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムの動作を示すフローチャートで
ある。
【図3】図1の8方向特徴抽出手段の動作を説明する説
明図である。
【図4】図1の4方向特徴抽出手段の動作を説明する説
明図である。
【図5】図1のデータ処理装置の処理経過を示す説明図
である。
【図6】図1の特徴辞書記憶手段の内容の一部を示す説
明図である。
【図7】本発明の他の実施例を示すブロック図である。
【図8】図7のシステムの動作を示すフローチャートで
ある。
【図9】図7の特徴辞書記憶手段の内容の一部を示す説
明図である。
【図10】従来の装置の動作を示すフローチャートであ
る。
【図11】従来の装置の角度量子化を示す説明図であ
る。
【図12】従来の装置の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
1 入力装置 2 データ処理装置 3 記憶装置 4 出力装置 5 データ処理装置 6 記憶装置 7 出力装置 21 方向算出手段 22 8方向特徴抽出手段 23 4方向遷移抽出手段 24 4方向ベクトル長抽出手段 25 4方向ベクトル角度抽出手段 26 特徴辞書比較手段 31 点列データ記憶手段 32 ベクトル記憶手段 33 特徴辞書記憶手段 56 特徴辞書比較手段 57 ホットスポット抽出手段 63 特徴辞書記憶手段

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲線の軌跡を当該曲線上の点列の位置座
    標列として入力する入力手段、 前記点列の位置座標列を記憶する点列データ記憶手段、 前記点列データ記憶手段に最初に記憶される点を最初の
    基準点とし、基準点と基準点に相次いで入力される点を
    結ぶベクトルの長さが予め定めた閾値以上である点を次
    の基準点として前の基準点に置き換え、このようにして
    順次決定される基準点について隣接基準点を結ぶベクト
    ルの方向を算出する方向算出手段、 前記方向算出手段が算出した方向を、所定段階数の主方
    向と、隣接する主方向の中間の所定角度範囲の補助方向
    とに量子化し、量子化した方向を方向特徴として出力す
    る方向特徴抽出手段、 前記方向特徴抽出手段の出力のうち方向特徴が補助方向
    であるものは、直前のベクトルの方向の方向特徴により
    当該方向特徴を主方向の方向特徴に変換し、変換後に同
    一主方向の連続する部分を単一のベクトルとして合成す
    る方向遷移抽出手段、 前記方向遷移抽出手段で単一のベクトルとして抽出され
    た各ベクトルに対し当該ベクトルの長さと前記方向遷移
    抽出手段で抽出される全てのベクトルの長さの合計に対
    する比率を求める方向遷移ベクトル長抽出手段、 前記方向遷移抽出手段で抽出された各ベクトルの角度を
    決定する方向遷移ベクトル角度抽出手段、 前記方向遷移抽出手段が抽出した方向遷移のパターン
    と、前記方向遷移ベクトル長抽出手段が決定した比率
    と、前記方向遷移ベクトル角度抽出手段が決定した角度
    とに関し、各手書き記号に対応した許容できる許容範囲
    を格納した特徴辞書記憶手段、 前記方向遷移のパターンと前記方向遷移ベクトル長抽出
    手段が決定した比率と、前記方向遷移ベクトル角度抽出
    手段が決定した角度により前記特徴辞書記憶手段を検索
    し、これらの各値が前記各手書き記号の何れかに対応す
    る前記許容範囲にある場合には当該手書き記号を出力
    し、何れの前記許容範囲にも対応しない場合にはその旨
    を前記曲線の入力者に通知する特徴辞書比較手段、 を備えた手書き記号認識システム。
  2. 【請求項2】 前記方向特徴抽出手段が量子化する主方
    向は、330°〜30°、45°〜135°、150°
    〜210°、225°〜315°の4段階であり、補助
    方向は、30°〜45°、135°〜150°、210
    °〜225°、315°〜330°の4段階であること
    を特徴とする請求項第1項記載の手書き記号認識システ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記入力手段は、ペンダウンを点列入力
    の開始点とし、ペンアップを点列入力の終了点とする手
    段と、前記ペンアップの時点と次のペンダウンの時点と
    の間が予め定める時間内であるときは同一手書き記号の
    連続入力として処理する手段を備えたことを特徴とする
    請求項第1項記載の手書き記号認識システム。
  4. 【請求項4】 前記方向遷移ベクトル長抽出手段は、前
    記点列データ記憶手段に最初に記憶された点と最後に記
    憶された点を結ぶベクトルの長さおよび前記方向遷移抽
    出手段で抽出される全てのベクトルの長さの合計に対す
    る比率をも決定することを特徴とする請求項第1項記載
    の手書き記号認識システム。
  5. 【請求項5】 前記方向遷移ベクトル角度抽出手段は、
    前記点列データ記憶手段に最初に記憶された点と最後に
    記憶された点を結ぶベクトルの角度をも決定することを
    特徴とする請求項第1項記載の手書き記号認識システ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記特徴辞書比較手段は、前記点列の位
    置座標列の入力中に、前記方向遷移のパターンにより前
    記特徴辞書記憶手段を検索し、この方向遷移のパターン
    が前記各手書き記号の何れにも対応しなくなった場合に
    は、その時点でその旨を前記曲線の入力者に通知する
    とを特徴とする請求項第1項記載の手書き記号認識シス
    テム。
  7. 【請求項7】 前記特徴辞書記憶手段は、前記方向遷移
    のパターンと、前記方向遷移ベクトル長抽出手段が決定
    した比率と、前記方向遷移ベクトル角度抽出手段が決定
    した角度とに関し各手書き記号に対応した許容できる範
    囲に加え、前記方向遷移抽出手段で単一のベクトルとし
    て抽出された各ベクトルの端点を手書き記号による対象
    の指定のための座標の抽出に使用するか否かの情報を備
    え、 前記方向遷移抽出手段で単一のベクトルとして抽出され
    た各ベクトルと、前記特徴辞書記憶手段とを対比して座
    標を抽出する指定対象座標(ホットスポット)抽出手段
    を備えたことを特徴とする請求項第1項記載の手書き記
    号認識システム。
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