JP2727591B2 - 口付装置 - Google Patents

口付装置

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JP2727591B2
JP2727591B2 JP63262604A JP26260488A JP2727591B2 JP 2727591 B2 JP2727591 B2 JP 2727591B2 JP 63262604 A JP63262604 A JP 63262604A JP 26260488 A JP26260488 A JP 26260488A JP 2727591 B2 JP2727591 B2 JP 2727591B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、被加工材料をダイスで引抜加工するのに
先立ち、該材料における先端をダイスに抵抗なく通過さ
せ得る線径まで細く加工する装置であって、該装置を通
過する被加工材料の外周に切削具を回転させることによ
り、該材料を所望の線径まで切削加工すると共に、前記
切削具を切削加工中に被加工材料の中心に対して近接・
離間移動させ得る口付装置に関するものである。
従来技術 例えば、線材や棒材等の被加工材料を目的の寸法,形
状および機械的性質をもった線材,棒材等に加工する装
置として、ダイスを備えた引抜装置が一般に知られてい
る。この引抜装置の一例として、ダイスを着脱自在に配
設したダイスホルダと、該ダイスホルダの被加工材料の
下流側に配設した巻取装置とを備え、ダイスに挿通した
被加工材料を巻取装置で強制的に巻取るよう構成した伸
線機が好適に使用されている。
ところで、前記伸線機で被加工材料の引抜加工を行な
う際には、これに先立って供給装置から繰出された材料
の先端をダイスに挿通させた後に、該先端を巻取装置に
クランプさせる準備作業を必要とする。しかし、加工前
の被加工材料の線径は、ダイスにおける該材料の通過許
容寸法よりも大きく、このままの状態ではダイスに挿通
することができない。
このため、前記準備作業に先立って被加工材料の線径
を、ダイスに抵抗なく挿通し得る線径まで細くする加工
(一般に口付加工と云う)が行なわれる。従来この口付
加工は、鍛造装置に材料の先端を位置させ、線径を鍛造
により減少させることが一般に実施されている。
発明が解決しようとする課題 前記被加工材料において口付加工が施される長さは、
ダイスから巻取装置に至るまでの離間距離分だけが必要
とされる。このため、ダイスと巻取装置との間に、検査
装置や切断装置等の各種装置が介在すると、前記離間距
離は不可避的に長くなり、従って被加工材料の口付加工
を施す区間も必然的に長くなる。しかしながら、前述し
た鍛造による口付加工は速度が遅く、所要寸法長の口付
加工を施すのに多くの時間を要して非効率的となる欠点
があった。また、被加工材料のオーダ変更に伴い口付加
工寸法を変更する場合、前記鍛造装置によっては寸法変
更作業に迅速に対応し得ない難点も指摘される。
ところで、被加工材料は、コイルとして供給装置に装
填されてダイスに供給されるが、ラインの稼働を停止す
ることなく連続的に引抜加工を行なうために、供給中の
コイル後端部と、次に供給されるコイルの先端とをバッ
ト溶接等により圧接して接続するようになっている。こ
の接合部の表面には、前記圧接時に生ずるバリが存在し
て、被加工材料をダイスに通過させる際に、このバリが
ダイスに引掛かって円滑な引抜加工を阻害することが往
々にしてあるので、引抜加工前のバリ取り作業が予め必
要とされる。しかしこのバリ取り作業は、一般にグライ
ンダ等による研削となるため、バリ除去にムラがあった
り、材料表面が傷つけられる等の欠点がある。殊に後者
の場合は、これを看過してユーザー等の手許に供給され
ると、これに後加工を施して得た製品に品質上の欠陥を
内在するに至る重大な畏れが指摘される。
また、被加工材料を連続引抜加工する場合に、ダイス
を通過する材料に加わる大きな負荷により、強度的に劣
る接合部から破断することも懸念される。このときは、
ラインの全稼働が停止されたり、破断の際に生じる大き
な衝撃により、ダイスや巻取装置が損傷する等の問題も
内在している。
更に、高精度や高品質が要求される製品向けの材料に
ついては、前記材料同志の接合部は強度低下を来してい
るので、この部分を除去した状態でユーザーに出荷しな
ければならない。そこで、引抜加工が施された被加工材
料は、検査工程において光センサ等の検知手段により該
材料の接合部の検出がなされ、該部分の切断除去がなさ
れる。しかしながら、引抜加工が施された被加工材料に
おける接合部を正確に検出することは一般に困難であ
り、常に正確な検出を行ない得る手段が要望されてい
た。
発明の目的 この発明は、被加工材料の引抜加工を行なうのに先立
って該材料に施される口付加工等に内在している前記欠
点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたもので
あって、口付加工の加工効率を向上させると共に、被加
工材料の加工中に加工寸法を変更し得る口付装置を提供
することを目的とする。
課題を解決するための手段 前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため
本発明は、被加工材料を挿通可能な中心通孔が穿設さ
れ、装置本体に配設した駆動手段により回転される主軸
と、この主軸に一体回転可能に配設され、切削具を着脱
自在に配設した刃物台を被加工材料の中心方向に近接・
離間移動可能に配設した取付部材と、前記刃物台を被加
工材料の切削加工中に移動させる手段とからなり、前記
被加工材料を引抜加工するに先立って該材料を所要の形
状に切削加工する口付装置において、 前記主軸の外周に回転自在に外装され、装置本体に配
設した駆動手段で回転される大径歯車と、 この大径歯車の一側面に回転自在に枢支され、主軸の
外周に形成した外歯車に噛合する第1遊星歯車群と、 前記主軸の外周に回転自在に外装され、前記第1遊星
歯車群と噛合する第1従動歯車と、 装置本体に固定した固定部材における前記第1遊星歯
車群と対向する位置に回転自在に枢支され、前記第1従
動歯車と噛合する第2遊星歯車群と、 前記主軸の外周に回転自在に外装され、前記第2遊星
歯車群と噛合する第2従動歯車と、 この第2従動歯車に一体回転可能に配設され、前記刃
物台に配設した案内子が摺動自在に嵌合する螺旋状の案
内溝が形成された調節部材とから刃物台の移動手段を構
成し、 前記第1従動歯車の歯数は、主軸の外歯車および第2
従動歯車の歯数と異なるよう設定したことを特徴とす
る。
実施例 次に、本発明に係る口付装置につき、好適な実施例を
挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。第1図
は本発明に係る口付装置を示す全体側面図、第2図は第
1図の横断平面図である。
(口付装置の概略構成) 第1図に示す如く、基礎面に設置した基台10上に、被
加工材料11の送給方向と平行なガイドレール12が配設さ
れ、このガイドレール12に移動台車13が走行自在に載架
されている。そして、この移動台車13に口付装置14と、
被加工材料11の心出しを行なう案内装置15(後述)とが
配設されている。この口付装置14および案内装置15は、
被加工材料11の供給装置とダイス(何れも図示せず)と
の間に配設されており、供給装置から繰出された材料11
は口付装置14に挿通された後ダイスに送給される。
前記基台10にボールねじ(図示せず)が配設され、こ
のボールねじに移動台車の底面に突設したナット(図示
せず)が螺合している。従って、ボールねじを基台10に
配設したモータ16で駆動することによって、移動台車13
はガイドレール上を前進方向および後退方向に走行可能
である。
(口付装置におけるバイトの取付構造について) 第2図に示す如く、口付装置14の本体17には、被加工
材料11の送給方向と平行な主軸18が回転自在に配設さ
れ、この主軸18に被加工材料11の挿通を許容する中心通
孔18aが穿設されている。主軸18における長手方向の中
間外周に主外歯車18bが形成され、この主外歯車18bは装
置本体17に枢支された従動歯車68に噛合している。ま
た、装置本体17の上部に駆動モータ19が配設され、この
モータ19の出力軸に配設した駆動歯車20が従動歯車68に
噛合しており、従って駆動モータ19を駆動することによ
り、主軸18は所定方向に回転する(第5図参照)。
主軸18の先端(被加工材料11の送給方向上流を指向す
る端部)に、主軸18の中心通孔18aと中心が一致する通
孔21aを穿設した取付部材21がボルト22を介して固定さ
れ、主軸18と一体的に回転するよう構成されている。こ
の取付部材21には、複数(実施例では3個)の刃物台23
が取付部材21の中心に向けて近接・離間可能に配設され
ている。すなわち、取付部材21の一側面には、第4図に
示す如く、中心角120゜間隔で3本のあり溝21b(図面に
は2本のみ示す)が放射状に穿設されており、このあり
溝21bに刃物台23に形成した「あり」23aが摺動自在に嵌
合されている。また、刃物台23には、刃先を取付部材21
の中心に指向させたバイト24が着脱自在に取付けられ、
主軸18を回転させることにより、主軸18の中心通孔18a
を通過する被加工材料11を切削するよう構成される。
なお前記主軸18の中心通孔18a内には、第2図に示す
如く、被加工材料11を着脱可能な複数の保持手段25が配
設され、該保持手段25は、前記バイト24で切削加工され
る被加工材料11を下流側で送給可能に保持して、該材料
11の中心が切削抵抗により移動するのを防止するべく機
能する。
(バイトの移動構造について) 前記取付部材21における刃物台23の取付側と反対側
に、後述する第2従動歯車43のボルト26を介して環状の
調節部材27が固定され、この調節部材27は取付部材21に
対して相対的に回転し得るよう構成されている。調節部
材27には、第4図に示す如く、取付部材21と対向する一
側面に、前記刃物台23の配設位置に対応して3本の案内
溝27aが穿設されている。この案内溝27aは、図面から明
らかな如く、一方の端部から他方の端部に向うにつれ
て、調節部材27の中心から離間する螺旋状に形成され
る。
前記取付部材21のあり溝21b中には、軸方向に貫通す
る通孔28が穿設され、前記刃物台23の背面に突設した案
内子29は、該通孔28を介して取付部材21の背面側に突出
している。そして、この案内子29が調節部材27の案内溝
27aに嵌合されて、刃物台23の取付部材21に対する半径
方向の位置決めがなされる。また、調節部材27を後述す
る移動手段により回転させて、取付部材21との相対的な
位相を変化させれば、前記案内子29は案内溝27aが移動
するのに伴って移動する。このとき、刃物台23は取付部
材21に対して半径方向にのみ移動可能に配設されている
ので、該刃物台23は案内溝27aの半径方向への変化量に
対応して半径方向へ摺動する。これにより、刃物台23に
着脱自在に配設したバイト24が半径方向に移動し、被加
工材料11の切削量を調節することができる。
(バイトの移動手段) 口付装置本体17の側部には、第3図および第5図に示
す如く、サーボモータ30が配設され、このモータ30の出
力軸30aに第1傘歯車31が配設されている。また、本体1
7におけるサーボモータ30の配設位置に近接した位置
に、主軸18と平行な回転軸32が回転自在に枢支され、こ
の回転軸32に前記第1傘歯車31と噛合する第2傘歯車33
が配設されている。該回転軸32における被加工材料11の
送給方向上流側の端部に、小径の歯車34が配設され、こ
の小径歯車34は、前記主軸18と同心的に配設されると共
に、主軸18に対して相対的に回転可能な大径の歯車35が
噛合している。
図に示すように、大径歯車35における被加工材料11の
送給方向上流を指向する一側に、環状部材36がボルト37
を介して固定され、この環状部材36に第1遊星歯車群38
を構成する4個の遊星歯車38aが回転自在に枢支されて
いる(第5図参照)。これらの遊星歯車38aは、前記主
軸18の外周に形成した外歯車18cと噛合しており、外遊
星歯車38は主軸18の回転に伴って回転する。すなわち、
第1遊星歯車群38は、大径歯車35および環状部材36を伴
って主軸18における外歯車18cの外周を公転すると共
に、各遊星歯車38自体は自転可能に構成されている。
前記第1遊星歯車群38と対向する位置には、第4図に
示す如く、環状の固定部材39がボルト40を介して装置本
体17に固定され、この固定部材39に第2遊星歯車群41を
構成する4個の遊星歯車41aが回動自在に枢支されてい
る。また、主軸18に形成した外歯車18cに隣接して、該
主軸18に第1従動歯車42が回転自在に外装され、この第
1従動歯車42は、前記第1遊星歯車群38および第2遊星
歯車群41に共通的に噛合している(第3図参照)。更
に、第1従動歯車42に隣接して第2従動歯車43が主軸18
に回転自在に外装され、この第2従動歯車43は前記第2
遊星歯車群41と噛合している。
すなわち、前記サーボモータ30を駆動することによ
り、該モータ30の出力軸30aの回転は、第1傘歯車31→
第2傘歯車33→回転軸32→小径歯車34→大径歯車35→第
1遊星歯車群38→第1従動歯車42→第2遊星歯車群41→
第2従動歯車43に伝達される。第2遊星歯車群41は、一
定位置で自転のみを行ない、第1従動歯車42および第2
従動歯車43の外周を公転しない。従って、該第2従動歯
車43に配設した調節部材27は、前記取付部材27に対して
回転する。
なお、被加工材料11の切削加工のために主軸18を回転
駆動した場合には、該主軸18の回転は、外歯車18c→第
1遊星歯車群38→第1従動歯車42→第2遊星歯車群41→
第2従動歯車43に伝達される。このとき、前記大径歯車
35は主軸18の回りを回転しないので、該動力伝達系を介
して回転される調節部材27は、主軸18と一体的に回転す
る取付部材21と位相が変化することなく同一回転数で回
転する。
ここで、主軸18の外周に形成した外歯車18cの歯数と
第2従動歯車43との歯数を同一に設定すると共に、第1
従動歯車42の歯数のみを異なる歯数に設定してある。こ
れにより、主軸18の回転中に前記調節部材27を取付部材
21に対して相体的に回動させて位相を変化させることが
できる。なお、その作用については、後述する実施例の
作用の項で説明する。
(案内装置について) 前記口付装置14における被加工材料11の送給方向上流
側には、被加工材料11の中心を口付装置14における主軸
18の中心通孔18aの中心に一致させた状態で、材料11を
口付装置14に案内する案内装置15が配設されている。す
なわち、案内装置15の基部をなす支持フレーム45は、第
6図に示す如く、被加工材料11のパスラインに近接して
移動台車13に立設され、このフレーム45における材料の
パスラインを指向する一側面に、「あり」46が縦方向に
延在している。そしてこの「あり」46に、被加工材料11
のパスラインを挟んで上下に移動フレーム47,48が摺動
自在に配設されている。
下移動フレーム48の上部には、第7図に示す如く、被
加工材料11の送給方向に所定間隔離間して一対のVロー
ラ49,49が回転自在に枢支され、該Vローラ49のV溝49a
に被加工材料11が載置される。この下移動フレーム48の
下部には、前方および下方に開放する溝50が穿設され、
この溝50中に突部52が水平に突設されている。この突部
52には、垂直な回動軸53が軸方向への移動不能に枢支さ
れ、該回動軸53の突部52から上方に突出する上端に、後
述する歯車列を介して回転駆動される移動歯車54が回動
軸53と一体回転可能に配設されている。また、回動軸53
における突部52の下方に垂下する部位に雄ねじが螺刻さ
れ、この雄ねじ部53aが前記移動台車13に固定したナッ
ト55に螺挿される。従って、前記移動歯車54を回転させ
れば、雄ねじ部53aとナット55との協働作用下に、下移
動フレーム48は前記「あり」46に沿って昇降移動する。
すなわち、被加工材料11が載置されるVローラ49を昇
降移動させることにより、該材料11の中心を前記口付装
置14における主軸18の中心に一致させることができる。
下移動フレーム48の溝50には、後方(被加工材料11の
パスラインと対向する方向と逆方向)に開口する通孔50
aが穿設され、該通孔50aを介して移動歯車54が後方に突
出している。また、支持フレーム45の下方には、該通孔
50aに連通する通孔45aが穿設され、この通孔45a中に移
動歯車54と噛合する中間歯車56が回転自在に枢支されて
いる。なお中間歯車56は、図から明らかな如く、厚み寸
法が大きく設定されており、前記下移動フレーム48が昇
降移動しても、前記移動歯車54が中間歯車56から外れる
ことがないよう構成してある。
支持フレーム45の後部側には、第6図に示す如く、ギ
ヤボックス69が配設され、このギヤボックス69の上部に
サーボモータ57が倒立配置されている。ギヤボックス内
には、駆動歯車60を配設した第1回動軸58が回転自在に
枢支され、この第1回動軸58とサーボモータ57の出力軸
57aとは、カップリング59を介して連結されている。ま
た、ギヤボックス69に、第1回転軸58と平行な第2回転
軸61が回転自在に枢支され、この第2回転軸61に配設し
た従動歯車62は前記駆動歯車60と噛合している。更に、
支持フレーム45に穿設した通孔45a中に、ギヤボックス6
9の突部69aが臨んでおり、この突部69aに前記中間歯車5
6が回転自在に枢支される。この中間歯車56は、従動歯
車62と前記移動歯車54とに共通的に噛合しており、従っ
て、前記サーボモータ57を駆動することにより、該歯車
列を介して移動歯車54が回転する。
なお、第2回転軸61には、第6図に示す如く、雄ねじ
部61aが形成されており、この雄ねじ部61aに支持部材63
が回転を規制された状態で螺合されている。そして支持
部材63におけるギヤボックス68から外方に突出する端部
に、ドック64が昇降調節自在に配設される。すなわち、
支持部材63は、第2回転軸61が回転するのに伴って昇降
移動し、支持フレーム45に配設した検出装置65でドック
64を検出して、下移動フレーム48の原点位置および昇降
限界位置を検出するべく機能する。
前記上移動フレーム47の下部には、第7図に示す如
く、前記下移動フレーム48の各Vローラ49に対向する位
置に、押えローラ66が回転自在に枢支されている。この
上移動フレーム47の上端に、支持フレーム45の上部に倒
立配置したシリンダ67のピストンロッド67aが固定さ
れ、シリンダ67を付勢することにより上移動フレーム47
は前記「あり」46に沿って昇降移動する。すなわち、V
ローラ49のV溝49aに載置されて中心が前記主軸18の中
心と一致した被加工材料11を、押えローラ66で押圧する
ことにより該材料は位置決めされる。
なお、本実施例では、案内装置15を口付装置14に対し
て固定的に配設してあるが、口付装置14に配設したバイ
ト24の交換やメンテナンス等の便宜を図るために、案内
装置15を口付装置14に対して近接・離間移動可能に構成
してもよい。
(実施例の作用) 次に、このように構成した実施例に係る口付装置の作
用につき説明する。当該口付装置14による被加工材料11
の口付加工を行なうのに先立ち、該口付装置14における
主軸18の中心と、被加工材料11の中心とを一致させる必
要がある。そこで、先ず前記案内装置15における下移動
フレーム48を、制御装置(図示せず)に入力された被加
工材料11の直径に基づいて昇降移動させ、該下移動フレ
ーム48におけるVローラ49を位置決めする。被加工材料
11が供給装置から繰出されて案内装置15におけるVロー
ラ49,49のV溝49a,49aに載置された状態で、前記シリン
ダ67を付勢して上移動フレーム47の下部に配設した押え
ローラ66,66を、被加工材料11に当接するまで下降させ
る。これにより被加工材料11は、第6図に示すように、
該材料11の中心が主軸18の中心と一致した状態で、Vロ
ーラ49,49と押えローラ66,66とで保持されつつ口付装置
14に送給される。
次に、口付装置14に装着した各バイト24を、被加工材
料11に施すべき口付加工の寸法に調節する。このとき主
軸18は回転していないので、前記サーボモータ30を駆動
させれば、第1傘歯車31および第2傘歯車33を介して回
転軸32が回転すると共に、回転軸32に配設した小径歯車
34を介して前記大径歯車35が主軸18の回りを回転する。
また大径歯車35に配設した第1遊星歯車群38は、該大径
歯車35が主軸18の外周を回転することにより、主軸18に
形成した外歯車18cの回りを公転しつつ自転を行なう。
第1遊星歯車群38が自転すれば、これと噛合する第1従
動歯車42が回転し、更に前記固定部材39に配設した第2
遊星歯車群41も自転する。
第2遊星歯車群41は前記調節部材27にボルト固定した
第2従動歯車43に噛合しているので、第2従動歯車43の
回動に伴って調節部材27は、停止している取付部材21に
対して回転する。これにより取付部材21と調節部材27と
の相対的な位相が変化することにより、刃物台23の案内
子29が案内溝27aの変位量だけ移動されて、各バイト24
の調節が行なわれる。
このようにバイト24の調節を行なった後、前記駆動モ
ータ19を駆動して主軸18を回転させれば、各バイト24は
主軸18と一体的に回転する。このとき、前記大径歯車35
は主軸18の回りを回転しないので、調節部材27は、前述
した動力伝達系を介して取付部材21との位相が変化する
ことなく同一回転数で回転している。そして該口付装置
14に、被加工材料11を送給すれば、被加工材料11は回転
するバイト24により切削されつつ送給される。なお、切
削された材料11の先端が所定長さだけ主軸18の中心通孔
18a中に進むと、該中心通孔18a中に配設した前記保持手
段25が作動されて材料11を送給可能に保持する。すなわ
ち、切削加工される被加工材料11は、その加工部位の上
流側では案内装置15に保持されると共に、下流側では保
持手段25に保持されるので、該材料11が切削抵抗により
中心位置が変動することがなく安定した切削加工を行な
い得る。
前記被加工材料11を所要の長さだけ切削すると、前述
した如く、口付装置14に配設したサーボモータ30を駆動
して、前記調節部材27を取付部材21に対して相対的に移
動させる。これにより、各バイト24を被加工材料11の中
心から離間する方向に移動させて、該材料11に半径方向
外方に開拡するテーパを形成して口付加工を完了する。
ここで、主軸18の回転中に調節部材27を、取付部材21
に対して相対位置を変化させる場合の詳細につき説明す
る。すなわち、主軸18が回転している場合には、ダイス
24を配設した取付部材21も一体的に回転している。ま
た、主軸18の外歯車18cに噛合する第1遊星歯車群38
は、公転することなく自転を行なって前記調節部材27を
取付部材21と同一回転数で回転させている。この状態か
ら前記サーボモータ30を駆動させると、大径歯車35が主
軸18の外周を回転し、これにより第1遊星歯車群38は、
主軸18における外歯車18cの回りを公転しつつ自転す
る。
このとき、主軸の外歯車18cと第1従動歯車42との歯
数を異ならせてあるので、第1遊星歯車群38が外歯車18
cの回りを公転することにより、第1遊星歯車群38と噛
合して回転する第1従動歯車42は、主軸18とは異なる回
転数で回転することになる。従って、第1従動歯車42と
第2遊星歯車群41を介して噛合する第2従動歯車43が、
主軸18と異なる回転数となる。これによりバイト24の刃
物台23を取付けた取付部材21に対して、前記調節部材27
が相対的に回転して、バイト24の刃物台23は半径方向に
移動する。
このように口付加工が施された被加工材料11は、当該
口付装置14の下流に配設されたダイスに挿通された後巻
取装置(何れも図示せず)に保持させる。そして該巻取
装置で被加工材料11を巻取ることにより、ダイスによる
引抜加工が行なわれる。このとき、口付装置14に装着し
た各バイト24の刃先は、当該口付装置14を通過する被加
工材料11に接触しない位置まで後退している。
次に、被加工材料11の接合部が口付装置14に到来する
のを検知すると、前記バイト24を半径方向内方に移動さ
せて、該接合部のバリ取りを行なう。このとき、該接合
部を後工程で除去する場合には、バイト24の移動量を大
きくして、当該接合部のみを該材料11の引抜加工後の直
径よりも細く切削する。これにより、引抜加工が施され
た材料において、接合部の検出を容易に行なうことがで
き、しかも該接合部をダイスに無負荷状態で通過させ得
るので破断するの防止することができる。
なお、被加工材料11における接合部等の中間位置での
切削加工は、引抜加工が行なわれている状態でなされる
が、この引抜加工は切削加工に比して高速で行なわれ
る。そこで、この場合には口付装置14および案内装置15
を配設した前記移動台車13を、ガイドレール12に沿って
移動させることにより切削加工に適切な速度を得ること
ができる。
このように本実施例に係る口付装置によれば、被加工
材料11の口付加工を効率的に行なうことができ、しかも
バイト24は被加工材料11の切削加工中に、該材料の中心
に対して近接・離間移動させ得る。従って、被加工材料
11の接合部のバリ取りを行な得ると共に、該材料11を任
意の直径に切削して、後工程での接合部の検出を容易化
し得る。また、強度的に劣る接合部をダイスに無負荷状
態で通過させることも可能である。
発明の効果 以上述べたように、本発明に係る口付装置によれば、
被加工材料に切削により口付加工を施し得ると共に、材
料加工中に切削具を材料の中心に対して近接・離間移動
させるよう構成したことにより、被加工材料に長い口付
加工を施す場合であっても極めて効率的になし得、しか
も口付加工の終端部をテーパ状に形成することができ
る。また、被加工材料のオーダ変更に伴なう口付加工の
寸法変更にも迅速に対応し得る。
更に、材料と材料との接合部に存在するバリは、送給
中の材料に対して切削具を近接させるだけで、確実にバ
リを除去することができ、しかも材料表面に傷等が付く
こともない。そして接合部を除去する必要のある場合
は、該接合部のみをダイスにおける材料の通過許容寸法
よりも小さく切削すれば、強度的に劣っている該接合部
をダイスに無負荷状態で通過させて、ダイスを通過する
材料に加わる大き負荷により接合部から破断するのを未
然に防止し得る。また、この場合には被加工材料がダイ
スを通過しても、当該接合部には引抜加工が施されない
ため、他の部分との見分けが容易となって検知手段によ
る検出を確実に行ない得る、等の有益な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る口付装置の好適な一実施例を示す
全体側面図、第2図は第1図に示す引抜装置の縦断平面
図、第3図は口付装置におけるバイトの移動手段を示す
一部切欠平面図、第4図はバイトの取付構造を示す要部
分解斜視図、第5図は第3図のV−V線方向から観察し
た口付装置の断面図、第6図は案内装置の縦断側面図、
第7図は第6図に示す案内装置を一部破断して示す正面
図である。 11……被加工材料、17……装置本体 18……主軸、18a……中心通孔 19……駆動モータ、21……取付部材 23……刃物台、24……バイト

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工材料(11)を挿通可能な中心通孔
    (18a)が穿設され、装置本体(17)に配設した駆動手
    段(19)により回転される主軸(18)と、この主軸(1
    8)に一体回転可能に配設され、切削具(24)を着脱自
    在に配設した刃物台(23)を被加工材料(11)の中心方
    向に近接・離間移動可能に配設した取付部材(21)と、
    前記刃物台(23)を被加工材料(11)の切削加工中に移
    動させる手段とからなり、前記被加工材料(11)を引抜
    加工するに先立って該材料(11)を所要の形状に切削加
    工する口付装置において、 前記主軸(18)の外周に回転自在に外装され、装置本体
    (17)に配設した駆動手段(30)で回転される大径歯車
    (35)と、 この大径歯車(35)の一側面に回転自在に枢支され、主
    軸(18)の外周に形成した外歯車(18c)に噛合する第
    1遊星歯車群(38)と、 前記主軸(18)の外周に回転自在に外装され、前記第1
    遊星歯車群(38)と噛合する第1従動歯車(42)と、 装置本体(17)に固定した固定部材(39)における前記
    第1遊星歯車群(38)と対向する位置に回転自在に枢支
    され、前記第1従動歯車(42)と噛合する第2遊星歯車
    群(41)と、 前記主軸(18)の外周に回転自在に外装され、前記第2
    遊星歯車群(41)と噛合する第2従動歯車(43)と、 この第2従動歯車(43)に一体回転可能に配設され、前
    記刃物台(23)に配設した案内子(29)が摺動自在に嵌
    合する螺旋状の案内溝(27a)が形成された調節部材(2
    7)とから刃物台(23)の移動手段を構成し、 前記第1従動歯車(42)の歯数は、主軸(18)の外歯車
    (18c)および第2従動歯車(43)の歯数と異なるよう
    設定した ことを特徴とする口付装置。
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