JP2727339B2 - 環境音響装置 - Google Patents

環境音響装置

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JP2727339B2
JP2727339B2 JP64000825A JP82589A JP2727339B2 JP 2727339 B2 JP2727339 B2 JP 2727339B2 JP 64000825 A JP64000825 A JP 64000825A JP 82589 A JP82589 A JP 82589A JP 2727339 B2 JP2727339 B2 JP 2727339B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は広く音響再生に関する。特に、本発明は改良
された聴取者聴感特性を持った複数チャネル音響再生装
置に関する。
左、及び右(及び、更に最適な形では、中央)音響チ
ャネルに加えて環境音響チャネル(過去においては、屡
々「アンビエンス」、又は「特殊効果」チャネルと言わ
れた)を含む環境音響再生装置は、今日映画館では比較
的一般化しており、消費者家庭では次第に一般化しつつ
ある。環境音響ホームビデオソフトウエア、主として映
画館で公開するための環境音響映画が続いてホームビデ
オフォーマット(つまり、ビデオカセット、及びビデオ
ディスク)に転換されたもの、が広く入手可能になった
ことが、このような環境音響装置を消費者家庭に急増さ
せる原動力となった。
ホームビデオフォーマットは、2チャネルのステレオ
音声トラックを具えているが、この2チャネルに、振
幅、及び位相マトリックス符号化によって左、中央、
右、及び環境の4チャネルの音響情報を、ホームビデオ
音声トラックの起源である2チャネルステレオ映画音声
トラックと通常同等の形で載せる。映画館で行われてい
るように、左、中央、右、及び環境チャネルは、通常、
「サラウンドサウンド(環境音響)」復号器と言われて
いるマトリックス復号器で消費者が復号し、復元、す
る。家庭環境では復号器は通常ビデオカセットプレー
ヤ、ビデオディスクプレーヤ、又はテレビジョン受像器
若しくはビデオモニタの本体、又は付属機器に組み込ま
れる。映画館環境では殆ど普遍的であるが、家庭装置で
は中央チャネルの再生は屡々省略される。その際、中央
スピーカの欠損を埋め合わせるために、映像中央チャネ
ルを左、及び右スピーカに供給する。
環境音響を装備した映画館は、前記の左、右、及び中
央チャネルの再生のために、劇場オーディトリアム正面
のスクリーンの後ろに適正に配置された少なくとも3組
のスピーカ装置を模範的に具えている。前記の環境チャ
ネルは、通常、劇場オーディトリアム正面以外に配置さ
れた多数のスピーカに供給される。
映画業界では大オーディトリアムの音響装置を標準化
された応答カーブ、又は「ハウスカーブ」に調整するこ
とが、推奨され、また共通の習慣になっている。現在の
映画館向けの標準的ハウスカーブは、国際標準化機構の
ISO 2969−1977(E)カーブXと称する勧告によるも
のである。映画音声トラック制作の最終段階で、音声ト
ラックは、スピーカを標準応答カーブに調整してある大
(映画館規模の)オーディトリアム(「ミキシング」及
び「ダビング」室)で殆どの場合モニタされるので、標
準応答カーブを使用することは重要である。勿論、これ
らの映画フィルムが同一の標準応答カーブに調整してあ
る大(映画館規模の)オーディトリアムで映写されるこ
とを予期して、このように行われるのである。その結
果、映画音声トラックは、スピーカ室内応答特性を標準
カーブに調整してある大(映画館規模の)オーディトリ
アムで再生することを考慮し、又はそのための補償を施
した組み込済みの等化を不可避的に抱え込んでいる。
前記の現行の標準カーブ、ISO 2969カーブXは、高
い周波数の減衰特性を持った重要なカーブである。カー
ブは、大(映画館規模の)オーディトリアムで行われた
主観的聴取試験の結果である。このカーブの論理的根拠
は、ロバート ビー シューレイン(Robert B.Schulei
n)の論文、「音響再生装置の原位置測定と等化」(“I
n Situ Measurement and Equalization of Sound Repro
duction Systems",J.Audio Eng.Soc.,April 1975,Vol.2
3,No.3,pp.178−186)に述べられている。シューレイン
は、高い周波数の減衰特性への要求は、拡散音場(つま
り、反射音、又は残響音)に対する自由音場(つまり、
直接音)の人間の頭部と両耳の回折効果に明白に起因す
ると説明している。大きなリスニングルームで離れた所
にあるスピーカは、もし同一の周波数応答特性を与えら
れているとしたら、近くにあるスピーカよりも高い周波
数でより大きな出力を持っているように聴取者には感じ
られる。このことは、離れた所にあるスピーカが発生す
る自由音場に対する拡散音場比が大きいことによる結果
であると考えられる。すなわち、聴取者に近い所にある
スピーカの発生する自由音場に対する拡散音場の比は、
問題にならない程小さいのである。
更に最近に至って、前記の理論的根拠は、音の強さと
色合い(音色)についての感知は聴管内の圧力とスペク
トルによって必ずしも決定しないとする仮説(「スタジ
オ用高級ヘッドフォンの周波数応答特性の標準化につい
て」〈“On the Standardization of the Frequency Re
sponse of High−Quality Studio Headphones",J.Audio
Eng.Soc.,December 1986,Vol.34,No.12,ppZ956−69
6〉)を唱えるガンサー セイル(Gunther Theile)に
よって進められた。セイルはこの仮説を、異なった場所
で聴感上の事象を比較する時には何時でも発生する「音
源定位効果」(“source location effect")、又は
「音圧強度発散」(“sound level loudness divergenc
e":“SLD")に関連付けて説明した。すなわち、離れた
所にあるスピーカと同一の聴感上の音の強さを与えるた
めには、より近い所にあるスピーカはより大きなレベル
の音(音圧)を鼓膜上では必要とする。
等価の音の強さに対して、自由直接音場の音圧レベル
は拡散音場の音圧レベルを超えることも認められてい
る。国際標準化機構のISO 2969−1975(E)で現在具
体化されている標準等化は、上記の各音場間の、感知さ
れる音の強さと、更に拡張して、周波数応答の変化に起
因する音色の違いを補償することを意図している。
このように、感知される音の強さと音色は、聴取者に
対して音場を発生する位置に依存するだけでなく、聴取
者に対する音場での拡散音場(反射音、又は残響音)対
自由音場(直接音)の相対比率にも拠るのである。
家庭の聴取環境と映画館の聴取環境の主要な違いはリ
スニングルームの相対的な大きさである。勿論、通常の
家庭のリスニングルームは遥かに小さい。家庭用音響装
置をそれによって調整できるような標準カーブは確立さ
れていないが、大オーディトリアムに適用できる高い周
波数を減衰するカーブは、上記の効果から、遥に小さな
家庭のリスニングルームには適用できない。
映画の音声トラックから移された音声トラックを持っ
たホームビデオソフトウエアと異なり、消費者向け録音
ソフトウエア媒体(すなわち、ビニールレコード、カセ
ットテープ、コンパクトディスク等)は、典型的な家庭
リスニングルーム環境に対する補償のための等化が為さ
れている。このような録音を行う際に、家庭で典型的に
用いるスピーカと同一、若しくは類似のスピーカを使用
する比較的小さい(家庭のリスニングルーム規模の)モ
ニタ室で、録音をモニタしていることがその原因であ
る。大オーディトリアム環境に比較して、現代の典型的
な家庭のリスニングルーム用のスピーカ装置、又は小さ
いスタジオ用のスピーカ装置の周波数応答特性は、事実
上「平坦」に設定することができ、特に前記の大オーデ
ィトリアム向けハウスカーブの減衰が適用されている高
い周波数領域について、これが言える。この違いの結果
として、ホームビデオソフトウエアに移された映画は、
家庭用装置で再生した時、高い周波数の音が強過ぎるこ
とになる。その結果、家庭用装置で再生される映画音声
トラックの音楽個所は「輝かしく」(“bright")響く
ことになる。これに加えて、その他の望ましくない効果
も生じる。つまり、衣擦れのような高い周波数に多くの
成分を持った音が強調され過ぎる「フォーリー」(“Fo
ley")音響効果である。また、家庭用装置が高い周波数
への感度を増したことによって、聴取者に聞かれること
を意図していない音声トラック編集上の細かい部分が屡
々露呈してしまう。例えば、台詞用のトラックを挿入し
たり削除したりすると音声トラックの雑音レベルが変化
する等である。これらと同様の問題は、小さなモニタ室
のように消費者向けのスピーカを具えた小さな聴取環境
で映画音声のトラックを再生する際には、勿論どのよう
な場合にも生じる。
この他にも、家庭用音響装置と映画館音響装置との間
の違いによって、家庭で映画館並の体験をできなくなる
ことが未だある。少なくともある種の高級映画館音響装
置では、左、右、及び中央チャネルについて大きな指向
性の大きな音場を与え、かつ環境音響について事実上無
指向性の音場を与えるスピーカを採用するのが慣用手段
である。このような配列は、指向性のある正面のスピー
カに拠って音の定位の感知を強め、同時にもう一方では
無指向性の環境スピーカに拠って周囲及び包囲の感知を
強める。
上記と対照的に、家庭用装置では極端な指向性もな
く、また、極端に無指向性でもない妥協的な音場を発生
するように設計された主(左、及び右チャネル)チャネ
ル用スピーカを用いるのが典型的である。家庭用の環境
チャネル用スピーカは、前記の主チャネル用スピーカを
小型化した物が普通であり、これらは類似の音場を発生
する。家庭用の環境では、主チャネル用及び環境チャネ
ル用スピーカの指向特性を適切に選択することについて
は僅かにしか注意されないか、若しくは全く注意が払わ
れない。
また、上に述べた高級映画館音響装置に関してさえ
も、前記の主チャネル用スピーカによる支配的な直接音
場、及び前記の環境チャネル用スピーカによる支配的な
拡散音場に起因する、主チャネルと環境チャネルの間に
聴取者が感知する音色の違いについては補償が為されて
いない。
更に、家庭用装置、及び前記の高級映画館音響装置に
関して、単一(モノフォニック)の環境チャネルを、複
数のスピーカ(家庭用では通常2個であり、家庭内リス
ニングルームの左後ろ、及び右後ろに配置される、ま
た、映画館では通常3個以上であり、側面、及び背面の
壁に配置される。)に加える。上記の結果、時に家庭環
境では、環境チャネルは中央線上に着席した聴取者にと
って、恰も聴取者の頭部の真ん中で響いているかのよう
に聞こえることになる。
本発明の見地は主として比較的小さなリスニングルー
ム、特に家庭内での環境音響装置を指向している。これ
に関し、本発明は、スペクトルの不均衡(つまり、音色
の変化)、特に室内スピーカ装置を高い周波数の減衰を
持った反応特性に調整してある大きなオーディトリアム
(映画館規模の)で再生するために等化してある記録済
みの音響素材を再生する際の、過剰な高い周波数のエネ
ルギーの不均衡の問題を解決する。好ましい実施例で
は、標準的ハウスカーブに調整された大きなオーディト
リアム(映画館規模の)での予定された再生のための不
可避的な高い周波数が増強されている、映画音声トラッ
クから移された録音について、感知されるスペクトル
バランスを「平坦な」応答に回復させるために、補正カ
ーブにより再等化する。このような再等化によって、記
録済みの音響素材について制作者が意図したスペクトル
分布(音色)を回復する。
小さなリスニングルーム(家庭用規模の)に関して、
更に本発明の見地は、前記左、及び右音響チャネルに応
答し、かつ、もしそれが用いられるなら前記中央音響チ
ャネルに応答して、指向性の音場をあまねく発生し、ま
た、前記環境音響チャネルに応答して、無指向性の音場
をあまねく発生することにある。
指向性の音場とは、リスニングルームでの聴取位置に
おいて、音場の自由な(つまり、直接の)成分が拡散成
分に対して支配的な音場である。無指向性の音場とは、
リスニングルームでの聴取位置において、音場の拡散成
分が自由な(つまり、直接の)成分に対して支配的な音
場である。音場の指向性は、少なくとも音場を発生する
単一、乃至複数のスピーカの「Q」(「Q」はスピーカ
の指向特性の度量)、スピーカの数、リスニングルーム
の規模と特性、リスニングルームに対するスピーカの組
み合わせ(リスニングルームに関しての置き方)の仕
方、及びリスニングルームでの聴取位置に依存する。例
えば、リスニングルームでの無指向性の音場を発生する
ように、「Q」の大きな(指向性の)複数のスピーカを
配分することもできる。また、同一の音響チャネルを発
生する複数のスピーカの指向性は、それらの相互の物理
的な関係、及び、それらに加える信号の振幅及と位相の
差による影響を受けることもあり得る。
本発明の見地それ自体は、特定のスピーカにも、それ
らが小さなリスニングルームに音響的に組み合わされた
状態には関せず、寧ろ、音場を発生するために必要な入
手可能な任意のスピーカ及び技術の組み合わせを用いた
小さなリスニングルーム(家庭用規模の)において、前
記主(左、右、及び時によって中央)チャネルと、前記
環境チャネルにそれぞれの直接、及び拡散音場を発生す
ることに関する。この本発明の見地では、音響的に聴取
者を包囲することと組み合わせた優れたステレオ音像お
よび細部は、前記主チャネルに直接音の音場をあまねく
発生し、また、前記環境チャネルに拡散音の音場をあま
ねく発生することによって、大きなオーディトリアム
(映画館規模の)で達成できるのみならず、小さなリス
ニングルーム(家庭用規模の)においても達成できるこ
とを認めている。この方法によって、家庭内での聴取体
験を映画館での聴取体験の質により近い形に作り直すこ
とができる。
本発明の更に深い見地によれば、前記主チャネルに直
接音の音場を発生し、また、前記環境チャネルに拡散音
の音場を発生することで創造される聴取印象は、直接音
音場と拡散音音場の間にある聴感上の音色の差を補償す
る等化を追加して行うことにより、あらゆる規模のリス
ニングルームについて更に改良できる。換言すると、主
チャネルと環境チャネルそれぞれについて前記の直接音
及び拡散音音場を用いることで得られる最大の利益は、
拡散音音場の再生を補償するために環境チャネルにおい
て適切な等化が環境チャネルに施されなければ達成でき
ない。前記の標準カーブISO 454は、前記の直接音及び
拡散音音場の間の聴感上の音の強さにおける周波数依存
差を補償することを意図しているが、この補正が環境音
響装置に適当であることは今まで認められていない。
本発明のさらに別な面によれば、聴取者の環境音響チ
ャネルについての印象は、室内の聴取位置において環境
音響チャネルの聴感上の相互相関を低減させることによ
り、あらゆる規模の室につき改良できる。多重環境音響
チャネル用スピーカ間で僅かの音の高さを転移させる技
術を用いてこれを達成することが望ましい。この方法
は、望ましくない副作用を生じないからである。本発明
のこの見地は、前述の前記主チャネルに直接音の音場を
発生し、また、前記環境チャネルに拡散音の音場を発生
することなしに用いることができるが、他方、本発明の
上述の多くの見地の組み合わせによって、音響心理学
上、より一層快い聴取体験を得る。上記の組み合わせに
は、直接音音場と拡散音音場の間にある聴取者の聴感上
の音色の差を補償するために環境チャネルを等化する、
本発明の前記の見地を包含することが望ましい。
第1図、及び第2図にそれぞれ本発明を実施した環境
音響再生装置を示す。第1図、及び第2図は同等である
が、以下に述べる理由から第2図が望ましい。すべての
仕様、及び図面を通して、同一の要素は全般的に同一の
参照番号を与えてある。類似の要素は同一の参照番号を
与えてあるが、プライム符号「′」で区別してある。
第1図、及び第2図の両者において、左チャネルは
L、中央チャネルはC、右チャネルはR、環境チャネル
はS、符号化されたマトリックスは周知の技術に従い、
左総合信号はLT、右総合信号はRTの符号が、それぞれ復
号及び等化装置2、及び2′に適用してある。複合及び
等化装置2、及び2′は何れも、与えられたLT、及びRT
信号でL、C、R、及びS信号を駆動することを意図す
るマトリックス復号器を含有する。このようなマトリッ
クス復号器は、屡々「環境音響復号器」(surround sou
nd decoder)と呼ばれるが、周知である。職業映画館
用、及び消費者用の様々な環境音響復号器は周知であ
る。例えば、最も単純な復号器は受動型マトリックスの
みを含有するのに対して、複雑な復号器はチャネル分離
を強化するために遅延線及び(又は)能動型回路を含有
する。これに加えて、マトリックス符号化した殆どの映
画音声トラックは、環境チャネルに雑音抑制符号化を用
いているので、多くの復号器は雑音抑制レベル伸長器を
含有する。マトリックス復号器4は上記の変形のすべて
を含有することを意図している。
第1図の実施例において、マトリックス復号器4への
対応するLT、及びRT入力ラインに再等化装置6を配置し
てあるのに対し、第2図の実施例においては、マトリッ
クス復号器4からのL、C、及びR出力ラインに再等化
装置6を配置してある。再等化装置6の機能については
以下に説明する。第1図、及び第2図の両実施例におい
て、直接音及び拡散音用等化装置8をマトリックス復号
器4からのS出力ラインに配置してある。直接音及び拡
散音用等化装置8の機能についても以下に説明する。
両実施例において、復号及び等化装置2からのL、
C、R、及びS出力は単数、又は複数の対応するスピー
カ10、12、14、及び16に供給する。家庭内の聴取環境で
は、中央チャネル用スピーカ12は屡々省略される。(幾
つかの家庭用途のマトリックス復号器は中央チャネル出
力を完全に省略している)。適切な増幅を必要に応じて
与えるが、単純化するためにここには示していない。
上述のように第1図、及び第2図の配列は、両者とも
少なくとも対応する単数、又は複数のスピーカに前記L
T、及びRT信号に符号化された前記の左、右、及び環境
(及び、随意の中央)音響チャネルの結合を準備する。
スピーカは、リスニングルーム内で左、右、及び環境
(及び随意の中央)音響チャネルに対応する音場を発生
するために、リスニングルーム内の動作位置に配置すべ
く意図されている。
前記LT、及びRT信号の相対的位相を前記マトリックス
復号器4の正常な動作のために正確に維持することが必
要なので、マトリックス復号器4はLT、及びRT入力信号
の振幅、及び位相関係に応答するものであるが、前記再
等化装置6(一種のフィルタ、後述)を第1図の実施例
のように復号器4の前に配置することは、第2図の実施
例に示されているように復号器4の後ろの代替的位置に
配置することに比べて、望ましいことではない。これに
加えて、もし復号器4の前に再等化装置6を配置したと
すると、復号器4内にもし前記雑音抑制レベル伸長器を
用いた場合に、その正常な動作に影響する。以上のこと
から、第2図の配列が第1図の配列より望ましい。以下
に述べる再等化装置6の望ましい実施例では、再等化装
置6を第2図の実施例の仕方で復号器4の後ろに配置す
ることを仮定している。もし再等化装置6を第1図の実
施例の仕方でマトリックス復号器4の前に配置すると、
復号器4に含有されるかも知れない雑音抑制符号化に対
する影響を極小化するために、再等化装置6の周波数応
答特性を改良することが必要になるかもしれないし、ま
た、再等化装置6がLT、及びRT信号を処理するので、L
T、及びRT信号の振幅、及び位相のあらゆる相対的変移
を極小化するために、2個の再等化装置6(第1図の実
施例の)の諸特性を注意深く調和させることが必要にな
るかもしれない。
第3図は、前記国際標準規格ISO 2969−1977(E)
のカーブX公認の、12.5キロヘルツの周波数上限を超え
て20キロヘルツまで外挿したカーブXを示す。多くの映
画館、特に、高品質の環境音響装置を具えたダビングス
タジオ、その他の映画館では、拡張したX特性で調整す
るのが慣行になっている。拡張X特性は、事実上の(de
facto)業界標準である。前記X特性は、2キロヘルツ
から減衰を始め、10キロヘルツで7デシベル減衰する。
拡張カーブは、ダビングスタジオ用の現行の調整手順で
採用されている最高周波数、16キロヘルツで約9デシベ
ル減衰する。商用映画館は、これらはダビングスタジオ
より大きいが、このような大オーディトリアムでは約1
2.5キロヘルツ以上で高い周波数の空中での音響減衰が
要因となるので、Xカーブは12.5キロヘルツまでしか延
長していない。業界の多くの人は、前記Xカーブ、及び
特に上記拡張Xカーブは非常に高い周波数での減衰が大
き過ぎると考えている。Xカーブ、及び拡張Xカーブと
対照的に、現代の良質な消費者向け家庭用音響装置は、
特定のカーブに調整していないが、上記のような室内対
スピーカの高い周波数での減衰を示さない傾向にある。
Xカーブ、及び拡張Xカーブに比較して、現代の消費者
向け家庭用装置は高い周波数で比較的平坦な特性が与え
られている。
以上説明したように、映画音声トラックの制作におい
て、映画フィルムは前記の標準周波数応答特性に調整さ
れた映画館で映写されるという予期のもとに、音声トラ
ックを前記拡張Xカーブに調整された映画館で通常モニ
タする。その結果、映画音声トラックは、スピーカ室内
応答特性を標準カーブに調整してある映画館規模のオー
ディトリアムで再生することを考慮し、又はそのための
補償を施した組み込済みの等化を不可避的に抱え込んで
いる。しかしながら、以上に検討した理由により、等化
は家庭内の聴取環境での再生には適切ではない。つか
り、ホームビデオソフトウエアに移された映画の音声ト
ラックは、家庭用装置で再生した時、高い周波数の音の
エネルギーが強過ぎることになる。適当な音色は維持さ
れず、聴取されることを意図しなかった音声トラックの
細部が聞こえてしまう。
本発明の一つの見地に従い、小さなリスニングルーム
で再生した時に映画の音声トラックに不可避的に施され
ている等化を補償するために、補正カーブが与えられ
る。補正カーブは、経験的事実に基づいて市場で入手可
能な特製の試験用擬似人体を使用して引き出された。補
正カーブは、現代の良質な消費者向け家庭用室内スピー
カ音響装置に対する比較を行いつつ、拡張Xカーブに調
整した代表的な大オーディトリアムにおける定常状態3
分の1オクターブ音響レベルスペクトル(steady−stat
e one−third octave sound level spectra)を測定す
ることから引き出された差異カーブである。補正カーブ
は、第4図に、中心の実線の周波数応答カーブを中央に
持つクロスハッチした帯で示してある。補正帯は、10キ
ロヘルツまでプラス、又はマイナス1デシベル、応答特
性の変化に対して耳の感度が低い約10キロヘルツから20
キロヘルツまでプラス、又はマイナス2デシベルの補正
許容値を考慮している。実際には、特性平坦上である約
2キロヘルツ以下の部分に対する補正許容値は更に厳し
いかもしれない。補正帯の形状は、緩やかな勾配の応答
特性を持った低域フィルタの形である。すなわち、補正
は約4から5キロヘルツまで相対的に平坦で、それから
下がり始め、約10キロヘルツ超から再び平坦な方向へ戻
り始める。10キロヘルツで約3から5デシベルの減衰が
与えられる。第4図には前記の拡張Xカーブも参照に示
してある。上述のように、業界の多くの人は、Xカー
ブ、特に拡張カーブは非常に高い周波数での減衰が大き
過ぎると考えている。改良されたXカーブの標準が適用
され、実用されるような事態になれば、適正カーブへの
変更が評価されることになろう。
第4図の補正カーブ帯の実線の中心線に近似する伝達
特性を具えるために、第5図に示すような能動型フィル
タによって、フィルタ及び等化器を供給できる。フィル
タ及び等化器の適正な周波数応答特性は、シンプルリア
ルポール(simple real pole)と「ディップ」等化部
(“dip"equalizer section)の組み合わせにより得ら
れる。リアルポールは、15キロヘルツでマイナス3デシ
ベルの単純なRCフィルタで実現される。ディップ等化器
は殆ど平坦な応答特性を持った二次フィルタである。デ
ィップ等化器の伝達関数は、 である。コンプレックスポールペア(complex pole pai
r)とコンプレックスゼロペア(complex zero pair)は
同一の角周波数を持っているが、それらの角度は僅かに
異なり、最小の位相変位で周波数応答に望ましいディッ
プを与える。同様なディップ右半分の象限のゼロ軸上で
も得られるが、位相変位はオールパスフィルタ(allpas
s filter)の位相変移と近い、共振周波数で180度とな
ろう。フィルタ及び等化器のディップ部の媒介変数は、 f0=12.31kHz Q=0.81 γ=0.733 であり、ここでf0=2πωである。これらの媒介変数
のもう一つの解釈は、ポールQは0.81で、ゼロのQは0.
81/γである。
ディップ部は、第5図に示すように単一の演算増幅器
フィルタ段、及び6個の部品で実現される。フィルタ段
は帯域フィルタ通過信号を要求する伝達関数及び周波数
応答形状を与える1から事実上減算する。この回路位相
(circuit topology)、単一の演算増幅器双二次回路
(single operational amplifier biquadratic circuit
s)の一つの階層、はオールパスフィルタとして用いる
べく知られている。(Passive and Active Network Ana
lysis and Synthesis by Aram Budak,Houghton Mifflin
Company,Boston,1974,page 451)全フィルタのポー
ル、及びゼロの直角座標は以下のとおり(s面でこれら
の配置において単位は秒辺りラディアン[radians/se
c])、 リアルポール αrp=−9.4248×104 コンプレックスポール α+jβ=−4.7046×j5.9962×104 コンプレックスゼロ α±jβ=−3.4485×104±j6.7967×104 である。第6図にs面でのポール、及びゼロの配置を示
す。
下に示す望ましいコンポーネント値で実施する時、第
5図のフィルタ及び等化器回路の結果の周波数応答特性
は、下表のとおりである。周波数(ヘルツ) 応答特性(デシベル) 20 0 100 0 500 0 1,000 0 2,000 −0.2 3,150 −0.4 4,000 −0.7 5,000 −1.1 6,300 −1.8 8,000 −2.8 10,000 −4.2 12,500 −5.2 16,000 −5.4 20,000 −5.7 上に述べたように、約10キロヘルツまでプラス、又は
マイナス1デシベル、約10キロヘルツから20キロヘルツ
までプラス、又はマイナス2デシベルの許容偏差があ
る。第5図に示した回路の望ましい部品の定数は、下表
のとおりである。部品 5パーセント誤差 1パーセント誤差 R1 6k8 6k81 R2 18k 17k4 C1 1.2n 1.2n C2 1.2n 1.2n RA 2k2 2k00 RB 10k 10k0 RP 4k7 4k87 CP 2.2n 2.2n 第5図のフィルタ及び等化器回路は第2図の前記再等
化装置の実際的な実施例である。これ以外のフィルタ及
び等化器回路が本発明の技術の範囲内で可能である。
第1図、及び第2図の実施例を再び参照して、単数、
若しくは複数のスピーカ10、12(もし、用いられるな
ら)、及び14は、前記リスニングルームの聴取位置でリ
スニングルームの前記自由直接音場の成分が前記各音場
の拡散音場成分より優勢な左、中央(もし、用いられる
なら)、及び右チャネル音場をリスニングルームの動作
位置で発生するのに望ましい指向性のスピーカである。
単数、若しくは複数のスピーカ16は、リスニングルーム
の動作位置で、リスニングルームの聴取位置で各音場の
拡散音場成分がリスニングルーム自由直接音場の成分よ
り優勢な環境チャネル音場をリスニングルームの動作位
置で発生するために、無指向性のスピーカであることが
望ましい。環境チャネルを再現するための無指向性の音
場は様々な方法で達成できる。広い8の字放射パターン
を持つ双極型の2個以上のスピーカの相対的零方位を聴
取者に向けることが望ましい。零方位を持つ他の放射パ
ターンのスピーカを用いることもできる。もう一つの可
能性は、聴取者の周りに拡散する総合的な音場を作り出
すように指向性の低いスピーカを多数配置して使用する
ことである。このようにして、リスニングルームでの配
置、及びリスニングルームに関しての配向によって、指
向性のスピーカさえも優勢な拡散音場を作り出す能力を
持つことになる。
上に説明したような指向性のスピーカ、及び無指向性
のスピーカの音響的な恩恵を完全に得るためには、第1
図、及び第2図の実施例の配列に前記の随意の直接及び
拡散等化装置8を使用することが望ましい。このような
等化装置は、直接及び拡散音場の間にある聴取者が感知
する音色の違いを補償する。上に説明したような指向性
のスピーカ、及び無指向性のスピーカの使用は、大(映
画館規模の)オーディトリアムから小(家庭規模の)リ
スニングルームまでの両者に適用できる。大(映画館規
模の)オーディトリアムに適用するならば、勿論、前記
再等化装置6は必要ではない。
前記直接及び拡散等化装置8の望ましい実施例は、IS
O 454−1975(E)で述べられている差異データで定義
するカーブの逆向きを(0.3デシベル以内で)事実上満
足させる能動型フィルタ及び等化回路である。実際に
は、そのような限定的な許容値は必要ではない。標準の
差異データは、自由音場の音圧レベルが同一の音の大き
さについて拡散音場の音圧レベルを超える量を表にした
ものである。データは、下表のとおりである。周波数(ヘルツ) 差異(デシベル) 50 0 63 0 80 0 100 0 125 0 160 0 200 0.3 250 0.6 315 0.9 400 1.2 500 1.6 630 2.3 800 2.8 1,000 3.0 1,250 2.0 1,600 0 2,000 −1.4 2,500 −2.0 3,150 −1.9 4,000 −1.0 5,000 0.5 6,300 3.0 8,000 4.0 10,000 4.3 前に引用した論文においてセイルは、IS0 454が前述
のSLD効果を正当に考慮していないと示唆している。し
たがって、前記標準によって与えられる補償には幾許か
の誤差がある。IS0 454、又はその改良版は前記等化器
8を実際的に履行することに対する基盤を提供しなけれ
ばならないだろう。
第7図にISO 454−1975(E)で定義するカーブの逆
向きを事実上満足させる直接及び拡散等化装置8の実施
例の回路図を示す。前記標準は10キロヘルツまでデータ
を与えていることに気付くだろう。標準的なマトリック
ス環境音響装置の環境チャネルの周波数応答特性は約7
キロヘルツまでに抑えられているので、これで十分であ
る。等化装置8は、全部で5個の演算増幅器を具えた4
つの部分を用いる。第2部分、これはRCのシングルポー
ルの低域フィルタ(25キロヘルツ)、及び緩衝器(演算
増幅器40)であるが、を除いて、諸部分はオールパスフ
ィルタに使用することで周知であると上に指摘した回路
位相である。第1部分は、演算増幅器38を含有してお
り、1キロヘルツでマイナス5.6デシベルの利得を持つ
ディップ等化器として機能する。第3部分は、演算増幅
器42、及び44を含有しており、部分を2.5キロヘルツで
9デシベルの利得を持つブースト等化器として機能させ
るべく逆相を与えるために演算増幅器42を用いる。最終
部分は、8キロヘルツでマイナス6デシベルの利得を持
つディップ等化器である。望ましい回路定数は、下表の
とおりである。
部品 定数 48 6k98 50 6k19 52 22n 54 22n 56 6k98 58 6k81 60 2.4k 62 2700p 64 6k81 66 30k1 68 4k99 70 10n 72 10n 74 6k81 76 10k 78 10k2 80 7k5 82 2n7 84 2n7 86 7k5 ここで、kはキロオーム、pはピコファラッド、nは
ナノファラッドを示す。
第7図の等化回路は、第1図、及び第2図の前記等化
装置8の一つの実施例である。本発明の技術の範囲内で
これ以外の多くのフィルタ及び等化回路が可能である。
第1図、及び第2図の実施例を変更することにおい
て、適切な反相関装置によって、モノフォニックの環境
音響チャネルを、第1、及び第2の環境音響用スピー
カ、若しくはスピーカ群に供給した際に、リスニングル
ームの聴取位置で、聴感上の相関が低い2つの環境チャ
ネル音場を与える2チャネルに、都合よく分割すること
もできる。単一のスピーカでこの2つの反相関の環境チ
ャネル音場の各々を発生することが望ましい。ここで各
音場を発生するためにそれぞれについて2個以上のスピ
ーカを用いると、左、右、及び中央チャネルの直接音場
の音色に対して拡散チャネルの音場の音色を調和させる
ことが難しくなるかもしれない。これは、それぞれの反
相関の環境チャネル音場を発生するのに2個以上のスピ
ーカを用いる場合に発生する、くし型フィルタ効果の結
果によるものかもしれない。
リスニングルームでの残響エネルギーに関する限り、
人間の官能の好みは両耳に聞こえる音が同様でないのを
好むことが以前から確証されている。マトリックス オ
ーディオの環境音響技術を用いた時に上記の非同様性を
得るために、モノーラル音声トラックのみしか符号化さ
れていないので、単純な符号化、及び復号化以上の付加
回路が必要である。原理的には、モノーラル信号源から
ステレオを合成するくし形フィルタのような、知られて
いる種々の技術をこの回路に用いることができる。しか
し、これらの回路の多くは聴感上望ましくない副作用を
もたらす。例えば、くし形フィルタは、注意深い聴取者
に識別可能な「フェージネス」(“phasiness")がはっ
きり聞こえることで悩まされる。
本発明の見地の実際的な実施例に用いている前記反相
関回路(デコリレーション)で周波数、又は音の高さを
小量転移すること、これは鋭敏な聴取者にも障害がない
ことで知られているが、が望ましい。音の高さ転移は、
例えば、転移の量が数ヘルツ程度と少なく容易にそれを
検知できないので、効果以外に、パブリックアドレス装
置でフィードバックの前の利得を増加させるために現今
用いられている。
「オーディオ リインフォースメント論文集(Soud R
einforcement,An Anthology,Audio Engineering Societ
y,1987,pp.B−6−B−9)に転載されているエイ ジ
ェイ プレスチジャコモ(A.J.Prestigiacomo)、及び
ディー ジェイ マクリーン(D.J.MacLean)による
「音響的フィードバックの安定性を改善するための周波
数転移装置」(“A Frequency Shifter for Improving
Acoustic Feedback Stability")という論文では、この
目的の変調復調回路で5ヘルツの転移を用いている。
周波数、又は音の高さ転移のため周知の技術の何を用
いても、周波数、又は音程を小量転移することは達成で
きる。プレスチジャコモ及びマクリーンの論文に記述さ
れていることに加えて、「オーディオ技術者ハンドブッ
ク−新オーディオ百科辞典」(The Handbook for Audio
Engineers,the New Audio Encyclopedia,Howard W.Sam
s&Co.First Ediotion,1987,page(626)に指摘されて
いるように、遅延で周波数転移を形作ることができる。
つまり、信号を或レート(原周波数)で記憶装置に書き
込み、異なったレート(転移周波数)で読み出すのであ
る。
環境チャネル信号は2つの通路に供給される。その中
の少なくとも1つの通路への信号が音の高さ転移装置で
処理される。周波数、又は音の高さの転移は、音を聴感
的に劣化させることなく反相関を行うに十分な程度に、
つまり、数ヘルツ程度に固定されるか、その転移の量が
少ないことが望ましい。更に複雑な配列もあるが、ここ
ではそれらは必要ではない。例えば、音の高さ転移を、
両通路に加えることもできるし、また、転移の片側の極
性が片側の通路で周波数を上げる方向に環境チャネル信
号を駆動し、もう一方の極性がもう一方の通路で周波数
を下げる方向に同信号を駆動するといった、相互補完的
な形で行うこともできる。その他の可能性として、遅延
線のクロックを変化させて音の高さを転移することもで
きる。環境チャネルのオーディオ信号の包絡線に従って
(音節時定数を持った環境チャネルオーディオ信号に続
く回路の制御の下に、このような回路はオーディオ振幅
圧縮器、及び伸長器で周知である)、転移を変化するこ
ともできる。
アナログ、又はディジタルの何れでも遅延処理ができ
るが、ディジタルのコストが低いことからディジタル処
理、特に比較的廉価な復号器が入手できる適応デルタ変
調(ADM)を推奨する。通常のパルス符号変調(PCM)も
使用できる。適応デルタ変調、パルス符号変調の何れを
用いても、遅延線から出力信号が合成されると信号ブロ
ックサンプル接合部で波形不連続(「スプライス」
〈“SPLICES"〉)を生じるが、適応デルタ変調の場合に
はエラーは単一ビットエラーなので、スプライスは聞こ
えない。パルス符号変調場合には、スプライスを聞き取
り難くするために、特別な信号処理が必要になりそうで
ある。上記に引用したオーディオ技術者ハンドブックに
よれば、幾つかの信号処理技術でスプライスを聞き取り
難くすることに成功したとのことである。
第8図を参照して、第1図、又は第2図のマトリック
ス復号器4(選択随意の前記等化器8を経由して)から
の前記環境出力は、信号処理通路にあるアンチエリアシ
ング(antialiasing)低域フィルタ102、及び信号制御
通路にある包絡線発生装置122に適用される前記反相関
回路に入力信号を与える。フィルタを通過した入力信号
は、その後アナログ−ディジタル変換器104(適応デル
タ変調が望ましい)、そのディジタル出力はそれぞれ左
環境出力、及び右環境出力を発生する2つの通路に適用
されるが、に適用される。「左」通路、及び「右」通路
の指定は随意であり、指定は逆にしても良い。両通路は
同一であり、ブロック遅延線106(114)、ディジタル−
アナログ変換器108(116)及び反イメージング低域フィ
ルタ110(118)を含有する。
前記クロック遅延線106、および114を変化することに
よって音の高さ変移を制御する制御信号は、固定される
か、若しくはスイッチ124の位置に従って変化する。こ
こにおいて、スイッチ124は、包絡線発生装置122、これ
は前記環境チャネルオーディオ信号の音節率に追随する
が、からの、若しくは可変抵抗器126と示してある固定
電源からの何れかの入力を超低周波電圧制御発生装置
(VCO)128に対して選択するものである。超低周波電圧
制御発生装置128は5ヘルツ以下といった非常に低い周
波数で動作する。超低周波電圧制御発生装置128の出力
は、前記の左環境通路で遅延線106を同期する高い周波
数用電圧制御発生装置130に直接供給され、前記の右環
境通路で遅延線114を同期する第2の高い周波数用電圧
制御発生装置134に適用するためにインバータ132によっ
て逆転される。低周波電圧制御発生装置128からの出力
がない時には、2つの高い周波数用電圧制御発生装置は
同一周波数に設定される(メガヘルツ領域で、正確な周
波数は遅延線で必要なクロックレート、それは選択した
デジタル標本化周波数に更に依存するするが、に依存す
る)。超低周波電圧制御発生装置128は高い周波数用電
圧制御発生装置を変調して相互補完的音の高さ転移を作
り出す。
これに替えて、マトリックス復号器からの環境出力を
処理なしで左環境スピーカ112、又は右環境スピーカ120
のどちらかに与えれるように、第8図の反相関装置を単
純化することもできる。もう一方の通路は、アンチエリ
アシング低域フィルタ102、アナログ−ディジタル変換
器104、遅延線106、ディジタル−アナログ変換器108、
反イメージング低域フィルタ110を含む周波数、又は音
の高さ転移、これは固定であるのが望ましいが、を経由
してもう一方のスピーカに与えられる。遅延線106は、
第8図に示すようにポテンショメータ126からの固定入
力を選択するスイッチ124で制御される。1チャネルだ
けでしか音の高さの転移を行わないこの一変形では、必
要な周波数転移の量は、第8図の実施例の各通路に与え
られる周波数転移の量の約2倍である。
前記通路の出力はそれぞれ、(適合する増幅器を通じ
て)単一(望ましいこととして)、又は1群の左スピー
カ112、及び単一(望ましいこととして)、又は1群の
右スピーカ120に適用される。スピーカは、通常、リス
ニングルームの聴取位置の左(側面、又は背面)、及び
聴取位置の右(側面、又は背面)に第1、及び第2の音
場を発生するように配列すべきである。前記反相関音響
チャネルには、優勢な拡散音場の発生に関する前述の技
術を適用することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の見地を実施した環境音響装置のブロ
ック図である。 第2図は、本発明の見地を実施した環境音響装置のブロ
ック図である。 第3図は、映画館で用いる室内スピーカ周波数応答特性
で、国際標準ISO 454−1975(E)のカーブXを20キロ
ヘルツまで外挿したカーブである。 第4図は、映画音声トラックに不可避的な大きな部屋用
の等化を、小さなリスニングルームで映画音声トラック
を再生する際に、本発明の見地に従って補償する補正カ
ーブである。 第5図は、第4図の補正カーブ実現するフィルタ及び等
化装置の実施例を示す回路図である。 第6図は、周波数領域における第5図のフィルタ及び等
化装置のs面上でのポール、及びゼロの位置を示す図面
である。 第7図は、本発明のもう一つの見地に従って環境チャネ
ル用直接対拡散音場等化装置の望ましい実施例を示す回
路図である。 第8図は、本発明のもう一つの見地に従って、聴取位置
で低い聴感上の相関を持った音場を与える能力のある環
境音響チャネルで音の高さ転移によって2つの出力を駆
動するための配列を示すブロック図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−62801(JP,A) 特開 昭61−135298(JP,A) 特開 昭53−33601(JP,A) 特開 昭57−73600(JP,A) 特開 昭49−34315(JP,A)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】左、右及び環境音響チャネルを含む記録済
    多重音響チャネルを有する映画サウンドトラックを、家
    庭内のような小室で再生するための環境音響装置におい
    て、前記映画サウンドトラックが、標準映画劇場Xカー
    ブに調整されているスピーカ装置を備える室で再生する
    ために設定されたスペクトルバランスを有するものであ
    って、 前記小室に関して作動位置に配置されたとき、第1及び
    第2入力信号に応答して、該小室内の聴取位置で第1及
    び第2音場を発生させるためのスピーカ装置と、 前記左及び右音響チャネルを、前記第1及び第2入力信
    号として、前記スピーカ装置と結合するための装置であ
    って、前記スペクトルバランスを等化するために該左及
    び右音響チャネルの周波数応答を修正するための修正装
    置を含む結合装置と、 前記小室に関して作動位置に配置されたとき、第3入力
    信号に応答して、該小室内の聴取位置で第3音場を発生
    させるための補助スピーカ装置と、 前記環境音響チャネルを、前記第3入力信号として、前
    記補助スピーカ装置と結合する装置とから成り、 前記修正装置が低域フィルタの伝達特性を有する回路を
    含み、その応答特性が4乃至5kHzまで平坦である環境音
    響装置。
  2. 【請求項2】前記修正装置が低域フィルタの伝達特性を
    有する回路を含み、その応答特性が、4乃至5kHzまで平
    坦で、4乃至5kHz及び10kHz間でロールオフを示し、10k
    Hzを越えて平坦化し始めるような棚状応答を有する請求
    項1記載の環境音響装置。
  3. 【請求項3】前記応答特性が、10kHzまで±1dB及び10kH
    z乃至20kHz間で±2dBの許容誤差を条件とする下記数値
    を示す、請求項2記載の環境音響装置。 Hz dB 20 0 100 0 500 0 1k 0 2k −0.2 3k15 −0.4 4k −0.70 5k −1.1 6k3 −1.8 8k −2.8 10k −4.2 12k5 −5.2 16 −5.4 20k −5.7
  4. 【請求項4】前記補助スピーカが1以上の双極型スピー
    カを含む、請求項1記載の環境音響装置。
  5. 【請求項5】前記第1及び第2音場においてはそれぞれ
    直接音場成分が拡散音場成分に対して優勢で、前記第3
    音場においては拡散音場成分が直接音場成分に対して優
    勢である、請求項1記載の環境音響装置。
  6. 【請求項6】前記補助スピーカが1以上の双極型スピー
    カを含み、各双極型スピーカの各零方位の一方が概して
    前記小室内の聴取位置に向けられる、請求項1記載の環
    境音響装置。
  7. 【請求項7】前記環境音響チャネルを前記補助スピーカ
    装置と結合する前記装置が、該環境音響チャネル音場と
    他の音響チャネル音場との間において、聴取者が感知す
    る音色の差を補償するために、該環境音響チャネルスペ
    クトルバランスを変える装置を含む、請求項1記載の環
    境音響装置。
  8. 【請求項8】前記環境音響チャネルスペクトルバランス
    を変える装置が、小室において環境音響を再生するとき
    に櫛状フィルタ効果を低減させるための装置を含む、請
    求項7記載の環境音響装置。
  9. 【請求項9】前記スピーカ装置が同様に、前記小室に関
    して作動位置に配置されたとき、該小室内の聴取位置に
    おいて第4入力信号に応答して第4音場をも発生させ、
    中央音響チャネルを前記第4入力信号として該スピーカ
    装置と結合する装置が、前記スペクトルバランスを等化
    するために前記中央音響チャネルの周波数応答を修正す
    る装置を含む、該中央音響チャネルをも同様に再生する
    請求項1記載の環境音響装置。
  10. 【請求項10】前記補助スピーカ装置が、第1及び第2
    補助スピーカを含み、前記環境音響チャネルを結合する
    装置が、該環境音響チャネルから2つの音響チャネルを
    得る装置をさらに含み、前記小室に関して作動位置に配
    置された前記第1及び第2補助スピーカで再生すると
    き、前記2つの音響チャネルを得る装置が、該小室内の
    聴取位置において互いに低い聴感上の相互相関を有する
    第1及び第2環境音響音場を発生させ、該環境音響チャ
    ネルを結合する前記装置が該2つの音響チャネルを該第
    1及び第2補助スピーカと結合する、請求項1記載の環
    境音響装置。
  11. 【請求項11】前記環境音響チャネルから2つの音響チ
    ャネルを得る前記装置が、前記2つの音響チャネルの音
    の高さを相互に転移させる装置を含む、請求項10記載の
    環境音響装置。
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