JP2727287B2 - 調湿用建材の製法 - Google Patents

調湿用建材の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,室内および建築空間を
自然に調湿することができる調湿用建材の製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より,我が国の建築物は天然の木材
や土壁,紙等の自然に調湿機能をもつ材料を総合的に使
用することが行われてきた。このため,室内の湿度の調
整機能や結露の防止機能が備わっていた。
【0003】しかし近年の鉄筋コンクリート造建築物な
どは,調湿機能や結露の防止機能が十分ではなく,それ
を補う内装材においても気密性の高い新建材や塗膜材等
の発達により,湿気に対する様々な障害が生じている。
【0004】このようなことから,材質そのものに調湿
機能をもつ建材の研究がなされており,その一つにゼオ
ライトの水分の吸脱着性を利用したものがある。例えば
ゼオライトを利用した調湿建材として,1987年,6
月15日発行の鹿島建設技術研究所年報(寒河江・和
美),特開平3-93662 号公報および特開平3-109244号公
報に提案されたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のゼオライトを利
用した調湿建材は,セメントを用いて粒状ゼオライトを
固めたものである (場合によっては,補強材として繊維
を用いる)から,重量が重くなって取扱性が悪いうえ,
現場における加工作業が容易でなかった。
【0006】また粒状ゼオライトの周囲をセメントペー
ストが覆ってしまうことからゼオライト本来の吸放湿能
力が十分に発揮できなかった。加えて,セメント結合材
を用いることによるアルカリ分の飛散の問題もある。
【0007】本発明は,このような問題の解決を目的と
したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は,粒径が30μ
m 以下の微粉状ゼオライト,石灰および水からなる混練
物を所望形状に成形し,この成形品をオートクレーブ内
で130〜180℃の温度に保持してゼオライトと石灰
を水熱反応させる建材の製法であって,該水熱反応に消
費されない未反応ゼオライトが建材中に残存するように
混練物中のゼオライト配合量を調節することを特徴とす
る調湿用建材の製法を提供する。
【0009】ここで,微粉状ゼオライトの配合量は,石
灰(CaO)に対するゼオライト (ゼオライト中のSiO2) の
モル比(CaO/SiO2)が 0.7〜0.9 の範囲となるように調節
するのがよく,この混練物中には,石灰と微粉状ゼオラ
イト100重量部に対して,30重量部以下の水硬性硬
化材,5重量部以下の繊維および/または75重量部以
下の粒状ゼオライト(粒径:0.1〜10mm)が適宜配合さ
れ得る。
【0010】
【作用】ゼオライト粉末と石灰は水硬性がないのでこれ
らを水で混練したとしても硬化しない。だが,粒径が3
0μm 以下の微粉状ゼオライトと石灰を水の存在下で1
30℃以上のオートクレーブ処理を行えば水熱反応によ
って硬化することがわかった。
【0011】すなわち,粒径が30μm 以下の微粉状ゼ
オライト,石灰および水からなる混練物を所望形状に成
形し,この成形品をオートクレーブ内で130℃以上の
温度に保持すれば,ゼオライトと石灰が水熱反応によっ
て硬化し,形状が安定した成形体が得られる。
【0012】この水熱反応は,ゼオライトが微粉であれ
ばある程,良好に進行する。このためには粒径が30μ
m 以下にまで微粉砕したゼオライトを用いるのがよい。
石灰の微粉を該ゼオライトと共に必要量の水で混練し,
この混練物を型枠等を用いて所望形状の成形品とし,型
枠と共にまたは型枠から外してオートクレーブ内に装入
し,水熱反応を行わせる。
【0013】オートクレーブ内の温度が180℃を超え
ると10気圧を超える高圧になり,オートクレーブ装置
の設計上の負荷が大きくなると共に,硬化体の強度も低
下する傾向があり,180℃以下の温度でも十分に水熱
反応が進行するので,上限温度としては180℃でよ
い。しかし,この水熱反応を進行させるにはオートクレ
ーブ内温度は少なくとも130℃以上が必要である。好
ましいオートクレーブ内温度範囲は150℃〜160℃
である。この水熱反応を行わせる条件は,通常のコンク
リート製品(例えばALC)のオートクレーブ養生装置
の稼動条件範囲内である。このため,本発明の建材の製
造にあたってはコンクリート製品用のオートクレーブ養
生装置をそのまま使用することができる。
【0014】使用するゼオライトは,粒径が30μm を
超えるような粒状のものでは石灰との反応性が悪くて安
定した成形体が得られない。このため,30μm 以下に
微粉砕したゼオライトを使用する必要がある。この微粉
状ゼオライトの全てが石灰との水熱反応に消費される
と,ゼオライト本来が有する水分の吸脱着性が失われ,
本発明で意図する湿分調整機能をもつ建材とはならな
い。したがって,混和した微粉状ゼオライトのうち一部
は未反応のまま硬化体中に残存するように配合量を調節
しておくのがよい。
【0015】他方,ゼオライトと石灰の水熱反応物を成
形品として利用するという点から見れば,ゼオライトと
石灰を硬化材とし,他の物質を成形品中に混和して本建
材の有用性を一層高めることができる。代表的な物質と
しては,粒状ゼオライト,水硬性硬化材,および繊維が
ある。
【0016】粒状ゼオライトは前記のように水熱反応に
対する反応性が悪いので,水分の吸脱着性を保持したま
ま硬化体中に残存し,このために,粒状ゼオライトを適
量配合すれば製品建材の調湿機能を一層高めることがで
きる。使用する粒状ゼオライトとしては粒径が0.1 〜10
mm, 好ましくは0.25〜3mmのものがよい。また配合量と
しては微粉状ゼオライトと石灰の合計100重量部に対
して0〜75重量部の範囲が好ましく,75重量部を超
えると硬化体の強度低下が免れない。
【0017】繊維を成形品中に混和すると製品建材の調
湿機能を損なうことなく強度を上昇させる作用を供する
と共に,マトリックスを多孔質にする作用も供する。こ
のため,微粉状ゼオライトおよび粒状ゼオライトの配合
量を増量しても繊維補強作用によって十分な製品強度を
維持することができる。また硬化体中に存在するゼオラ
イトも雰囲気空気と連通しやすくなり,ゼオライトが本
来有する吸放湿機能が向上する。
【0018】繊維としては例えばビニロン繊維(PVA
繊維), ポリプロピレン繊維, 植物繊維,カーボン繊維
等の短繊維(フイラメント)を用いるのがよい。繊維の
配合量としては,微粉状ゼオライトと石灰の混合物10
0重量部に対して0.7〜5重量部の範囲であればよい。
0.7 重量部未満では強度向上効果が小さく, 他方,5重
量部を超えて配合してもそれ程強度向上効果は期待でき
ない。なお,植物繊維はそれ自体が調湿効果を有するの
で有効な補強材である。
【0019】さらに,混練物中に適量の水硬性硬化材例
えば普通ポルトランドセメント, 白色セメント,高炉セ
メント,高炉スラグ微粉末セメント,セッコウ等を配合
すると,混練物を型枠内に打設して所望形状の成形品に
する場合に,型枠から脱型してオートクレーブ処理に供
することができるようになる。水硬性硬化材を配合しな
い場合には,混練物を型枠に打設しても,それだけでは
硬化しないので,型枠から外すと形状が崩れてしまう。
このため,型枠に打設したままでオートクレーブ処理に
供することになるが,水硬性硬化材を適量配合しておけ
ば形状保持の成形品が得られるので,型枠から外してオ
ートクレーブ処理に供することができる。水硬性硬化材
の配合量としては,微粉状ゼオライトと石灰の混合物1
00重量部に対して0〜30重量部の範囲であればよ
い。30重量部を超えて配合すると強度はそれほど増加
せずに逆にかさ比重が大きくなって建材としての性能を
妨げるようになる。
【0020】このように,混練物中に他の物質例えば粒
状ゼオライト,繊維,水硬性硬化材等を配合するか否か
を問わず, 微粉状ゼオライトの配合量は,石灰(CaO)に
対するゼオライト (ゼオライト中のSiO2) のモル比(CaO
/SiO2)が 0.7〜0.9 の範囲となるように調節するのがよ
い。ゼオライトの種類にもよるが,重量部で言えば,石
灰100重量部に対して微粉状ゼオライトほぼ100〜
300重量部,好ましくはほぼ130〜200重量部の
配合割合とすればよい。この量比の微粉状ゼオライトと
石灰との混合によって水熱反応が有利に進行して強度も
十分なものとなり,また製品建材中に未反応の微分状ゼ
オライトが残存するようにもなる。
【0021】微粉状ゼオライト(場合によってはさらに
粒状ゼオライト)の使用にあたっては,予め活性化した
ものを使用するのがよく,これは,500℃以上の温度
に假焼したものであればよい。
【0022】混練に際しては,繊維を混合する場合には
水で濡らした繊維を添加して混練するのがよい。この場
合の混練は三次元方向に振動するラバーボールミキサー
を用いて行うのがよい。水の添加量は均一混練の成形品
が得られるような量であればよく,特に限定されるもの
ではないが,微粉状ゼオライトと石灰の合計量100重
量部に対してほぼ50〜150重量部とすればよい。
【0023】得られた混練物は所望の形状に成形される
が,最も代表的には内装材としてのパネル形状に成形す
る。そのさい,場合によってはプレス成形を行うことが
できる。特に繊維を配合した場合には,圧縮成形或いは
圧縮搾水成形する。そのさいの加圧力は5〜200kg/c
m2の範囲とすればよい。
【0024】加圧成形によって,成形品の表面が多孔質
とはならず,また粒状ゼオライトを潰すおそれがある場
合には,型の底面および/または上面に軟質な樹脂シー
トを設置してプレス成形すればよい。使用できる樹脂シ
ートとしては,ウレタン, シリコン, 合成ゴム等のシー
ト材が適切である。これによって,ゼオライト粒子を潰
すことなく,また成形体表面の凹凸を残し,調湿機能に
重要な比表面積を確保することができる。
【0025】このようにして本発明によると,ゼオライ
トが有する水分吸脱着性はもとより耐火性,断熱性,イ
オン交換作用,安全性等の特性がそのまま生かされた,
十分な強度をもつ硬化体としての調湿用建材が得られ
る。
【0026】すなわち,ゼオライトは空気中の水分を吸
着する性質と,吸着した水分が容易に脱着する性質を有
する。この吸放湿性質により雰囲気空気の相対湿度が上
昇した場合に吸湿し,低下した場合には放湿する作用を
供することになる。したがって,本発明の建材を用いる
と,室内の相対湿度の変動を抑制し安定化することがで
きる。
【0027】また,材料の表面温度が空気の露点以下と
なって結露が発生する条件下でも,ゼオライトのその高
い吸水性によって水滴化が防止され,結露の発生を防止
する作用を果たす。すなわち一般のコンクリート製品が
結露を発生する条件下でも,同じ環境で本発明の材料は
結露が発生しない。
【0028】さらに,本発明材料中のゼオライトは空気
中に飛散したアルカリ分を伴った水分を吸着することに
より,またゼオライトのイオン交換作用により,アルカ
リ環境を抑制する作用がある。このため,建造物のコン
クリートからのアルカリ分飛散についても,本発明材料
を使った空間ではアルカリ抑制作用が働く。
【0029】本発明に従う建材は, かさ比重が0.7〜
1.0と小さくまた曲げ強度が10〜60kg/cm2の物性を有す
る。したがって軽量で取扱い易い。また加工も容易であ
る。
【0030】
【実施例】
(1) 水熱反応試験 〔使用材料〕 石灰:硬焼き石灰粉 ゼオライト:仙台産ゼオライト(クリノブ・チロライ
ト) 二ツ井産ゼオライト(モルデナイト) 繊維:植物繊維(改良上白毛・麻すさ) 化学繊維(レーヨン・7d×10mm) セメント: (普通ポルトランドセメント)
【0031】〔配合〕ゼオライトをSiO2, 石灰をCaOと
してCaO/SiO2のモル比を 0.5〜1.1 の範囲で変化させた
各種の配合を行い, (ゼオライト+石灰)/水の比が8
0%となるように水を加えてミキサーで混練した。ゼオ
ライトはいずれも粒径が30μm 以下の微粉に粉砕した
ものを使用した。繊維を配合するときは予め繊維を混ぜ
た水を用いて混練した。セメントを添加するときは石灰
の重量に対して10〜30%の範囲で変化させた。
【0032】〔成形〕前記配合の各種混練物を40×4
0×160mmの成形品となる形状の型枠に打設し,打設
後1日静置したあち,セメントを配合しないものは型枠
をつけたままオートクレーブに装入し,セメントを配合
したものは型枠を外してオートクレーブに装入した。
【0033】〔オートクレーブ処理〕オートクレーブ内
の温度を130〜180℃の範囲の或る温度に一定に
し,いずれも5時間の処理を行った。オートクレーブ処
理後は,45℃で7日間乾燥させたうえ,JIS R 5201
(セメントの物理試験方法) に準じて強度試験に供し
た。
【0034】〔強度試験結果〕繊維およびセメントは無
配合で,オートクレーブ温度150℃とした場合の該モ
ル比と圧縮強度および曲げ強度の関係を図1に示した。
図1に見られるようにゼオライトの種類によって強度に
違いが生じているが,モル比 0.7〜0.9 の範囲で強度が
発現しており,水熱反応が良好に進行していることがわ
かる。
【0035】モル比=0.7 の一定とし, セメント添加量
を変化させたときのオートクレーブ温度150℃でのセ
メント添加量と圧縮強度および曲げ強度の関係を図2に
示した。図2より,セメントの添加量の増加に伴い強度
も大きくなる傾向が見られるが,これはの供試体の表面
には強度試験前の乾燥時に生じたヒビ割れが多数見られ
た。
【0036】モル比が 0.7,0.9で,繊維およびセメント
は無配合の場合のオートクレーブ温度と圧縮強度と曲げ
強度の関係を図3に示した。図3に見られるように,圧
縮強度はモル比 0.9が150℃,モル比 0.7が160℃
で最大を示し,曲げ強度はモル比 0.7,0.9とも150℃
で最大を示している。
【0037】モル比が 0.7で,ゼオライトの種類とセメ
ントの有無によるオートクレーブ温度と圧縮強度および
曲げ強度の関係を図4に示した。材料の種類を問わずオ
ートクレーブ温度を140〜160℃とすれば良好な強
度が得られることがわかる。
【0038】モル比が 0.7でオートクレーブ温度150
℃とした場合の繊維の種類による圧縮強度および曲げ強
度の関係を図5に示した。繊維を混入すれば無混入に比
べて強度が高くなり,植物繊維の方が曲げ強度の向上効
果が大きいことがわかる。
【0039】モル比が 0.7でオートクレーブ温度130
℃で,植物繊維の配合量を変えた場合の圧縮強度および
曲げ強度の関係を図6に示した。圧縮強度は繊維添加量
が1%を超えても増加が見られないが曲げ強度は添加量
の増加につれて大きくなることがわかる。
【0040】(2) 調湿機能試験 粒径が30μm 未満の微粉状ゼオライト40重量部,石
灰25重量部,粒径が0.25〜3mmの粒状ゼオライト32
重量部,ポリプロピレン繊維3重量部に水を加えてミキ
サーで混練し,厚さ15mmとなるように成形し,型枠の
ままオートクレーブ装置内に装入して150℃で5時間
の処理を行ない,厚さ15mmの建材を作製した。
【0041】得られた建材を,乾球温度20℃の一定
で,相対湿度24%に24時間と,相対湿度72%に2
4時間を交互に繰り返す人工気象室に置き,その重量変
化を経時的に測定した。その結果を図7に示した。
【0042】図7の上段は人工気象室の温度および湿度
の経時変化を示しており,下段は同時刻の建材の重量変
化を示している。なお,比較のために,ほぼ同量のゼオ
ライトを普通ポルトランドセメントを用いて水硬させた
建材パネル(セメント建材)と石膏ボードおよび市販の
調湿材と言われている人工木材についても,同様にして
重量変化を測定した結果を図7の下段に併せて示した。
【0043】図7の結果から,本発明建材は環境の湿度
変化に伴って水分を吸放湿する量が人工木材の約5倍を
示し,またセメントでゼオライトを固めたセメント建材
よりも優れた調湿機能を有することがわかる。
【0044】このため,本発明建材を用いた構成された
建築空間では,空間内の温度や相対湿度が変化する環境
変化が生じても,環境内の温湿度を安定化させる優れた
環境調整機能を備えていることがわかる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
空間の湿度を一定に維持する湿度調整機能に優れた建材
が提供できる。本建材はゼオライトと石灰との水熱反応
によって硬化したものであるから,軽量で取扱いやすく
加工も容易である。
【0046】そして本発明の建材は,ゼオライトが有す
る高い吸放湿性により室内および建築空間の調湿はもと
より,結露を防止することができると共に,アルカリ分
抑制効果も有し,さらに耐火性,耐腐食性に優れ, 強
度, 寸法安定性, 耐久性を備えているので,調湿作用を
もつ恒久内装材として好適な材料である。特に美術品な
どの環境を一定に維持することが必要な空間を構成する
材料としも著しい効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維およびセメントは無配合でオートクレーブ
温度150℃とした場合のモル比(石灰と微粉状ゼオラ
イトのCaO/SiO2のモル比, 以下同じ) と圧縮強度および
曲げ強度の関係を示す図である。
【図2】モル比=0.7 の一定とし, セメント添加量を変
化させたときのオートクレーブ温度150℃でのセメン
ト添加量と圧縮強度および曲げ強度の関係を示す図であ
る。
【図3】モル比が0.7, 0.9で,繊維およびセメントは無
配合の場合のオートクレーブ温度と圧縮強度と曲げ強度
の関係を示す図である。
【図4】モル比が 0.7で,ゼオライトの種類とセメント
の有無によるオートクレーブ温度と圧縮強度および曲げ
強度の関係を示す図である。
【図5】モル比が 0.7でオートクレーブ温度150℃と
した場合の繊維の種類による圧縮強度および曲げ強度の
関係を示す図である。
【図6】モル比が 0.7でオートクレーブ温度130℃
で,植物繊維の配合量を変えた場合の圧縮強度および曲
げ強度の関係を示す図である。
【図7】乾球温度20℃の一定のもとで,相対湿度24
%に24時間と相対湿度72%に24時間を交互に繰り
返す人工気象室内に本発明建材と比較建材を設置したと
きの重量変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04B 1/64 E04B 1/64 D //(C04B 28/18 14:04 16:02) (72)発明者 寒河江 昭夫 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 丸山 則義 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 荒井 良延 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 平井 祥絵 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−93662(JP,A) 特開 昭54−144426(JP,A) 特開 昭57−57775(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径が30μm 以下の微粉状ゼオライ
    ト,石灰および水からなる混練物を所望の形状に成形
    し,この成形品をオートクレーブ内で130℃〜180
    ℃の温度に保持してゼオライトと石灰を水熱反応させる
    建材の製法であって,該水熱反応に消費されない未反応
    のゼオライトが製品建材中に残存するように混練物中の
    ゼオライト配合量を調節することを特徴とする調湿用建
    材の製法。
  2. 【請求項2】 微粉状ゼオライトの配合量は,石灰(Ca
    O)に対するゼオライト (ゼオライト中のSiO2) のモル比
    (CaO/SiO2)が 0.7〜0.9 の範囲となるように調節される
    請求項1に記載の調湿用建材の製法。
  3. 【請求項3】 混練物中には,石灰と微粉状ゼオライト
    100重量部に対して, 30重量部以下の水硬性硬化材
    が配合される請求項1または2に記載の調湿用建材の製
    法。
  4. 【請求項4】 混練物中には,石灰と微粉状ゼオライト
    100重量部に対して, 5重量部以下の繊維が配合され
    る請求項1,2または3に記載の調湿用建材の製法。
  5. 【請求項5】 混練物中には,石灰と微粉状ゼオライト
    100重量部に対して, 75重量部以下の粒状ゼオライ
    ト(粒径:0.1〜10mm)が配合される請求項1,2,3
    または4に記載の調湿用建材の製法。
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