JP2724706B2 - 摺動部材の仕上げ加工方法 - Google Patents

摺動部材の仕上げ加工方法

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JP2724706B2 JP62037306A JP3730687A JP2724706B2 JP 2724706 B2 JP2724706 B2 JP 2724706B2 JP 62037306 A JP62037306 A JP 62037306A JP 3730687 A JP3730687 A JP 3730687A JP 2724706 B2 JP2724706 B2 JP 2724706B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、摺動部材の仕上げ加工方法に関し、より詳
しくは摺動面のスカッフの発生を防止し、そして耐摩耗
性を向上させる加工方法に関する。 (従来の技術) 高珪素アルミニウム合金またはアルミニウム合金やマ
グネシウム合金を母材とする繊維強化複合材料は、耐摩
耗性にすぐれた部材であるために、過酷な摺動条件に曝
される内燃機関のシリンダブロックやピストン等の摺動
部材に使用されることが多い。 しかし上記の摺動部材をシリンダブロック等として用
いた場合、アルミニウムまたはマグネシウム母材がピス
トンリングの摺動面に凝着または溶着して凸部を形成
し、この凸部がアブレッシブ作用でシリンダボア面を損
耗させるために、スカッフ損傷を生ずる。このため特願
昭61−61798号(特開昭62−218532号公報)、および特
公昭43−8173号公報は、上記の様な摺動部材よりなるシ
リンダブロックのボア面に通常のホーニング加工後、電
解研磨により表層のアルミニウムまたはマグネシウムを
除去して油だまりの役割を果たすために十分な大きさの
凹部を形成させ、スカッフの発生を防止することを開示
している。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記の電解研磨は、前処理として脱脂
を十分に行なわないと研磨できなかったり、処理ムラが
できたりする問題や、処理液が劣化しやすいために処理
液の品質管理が大変であり、さらにこの処理液の蒸気が
周囲の加工機械等をサビつかせるため、電解研磨のため
の独立した処理棟が必要となり、コストが嵩むなどの問
題がある。 また被処理物がシリンダブロックである場合、ボア面
以外の面が処理液により腐食されない様に、処理後の水
洗を十分に行なう必要があるが、大きなシリンダブロッ
クでは十分に水洗することが困難であり、しかもシリン
ダブロックには冷却水の入るウォータージャケットおよ
び潤滑油経路としての油穴が配置されているが、これら
から電解研磨の処理液や洗浄水の除去も難しい。 本発明はこの様な問題点を解決するためになされたも
のであり、その目的とするところは摺動部材の摺動面に
油だまりの役割をする凹部を電解研磨によらない方法で
形成してスカッフの発生を防止し、しかも耐摩耗性を向
上させる摺動部材の加工方法を提供することである。 (問題点を解決するための手段) 本発明の摺動部材の仕上げ加工方法は、高珪素アルミ
ニウム合金からなる摺動部材の表面に、該摺動部材中の
珪素粒子より硬度が低く、かつ母材より硬度が高いショ
ットを用いてショットブラスト仕上げを施すか、または
アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金を母材と
し、無機質繊維を含有する繊維強化複合材料からなる摺
動部材の表面に、該摺動部材中の無機質繊維より硬度が
低く、かつ母材より硬度が高いショットを用いてショッ
トブラスト仕上げを施すことにより、前記表面のアルミ
ニウムまたはマグネシウムを選択的に除去し珪素粒子ま
たは無機質繊維を表面から突出させ、突出した珪素粒子
または無機質繊維の間の表面に凹部を形成し、次いで前
記表面に機械的研磨を施すことにより、前記突出した珪
素粒子または無機質繊維表面の前記ショットブラスト仕
上げにより形成されたアルミニウムまたはマグネシウム
の塑性流動層を除去し、前記表面を平滑にすることを特
徴とする。 本発明において、ショットブラスト仕上げに使用する
ショット(研削粒)は、摺動部材中の珪素粒子または無
機質繊維よりビッカース硬度(Hv)が10%以上低く、母
材より50%以上ビッカース硬度が高いものであることが
好ましい。この様にショットは使用する摺動部材により
適宜選択されるが、例えば急冷凝固した鉄粉(組成:0.5
%C−1.5%Si−1.3%Ni−13.3%Cr−残部Fe,Hv200〜33
0)、珪石(Hv190)、燐灰石(Hv540)、正長石(Hv80
0)、高炭素Fe.Cr合金粉(組成:8.2%C−63%Cr−28.8
Fe,Hv500)、溶融石英(Hv1100)などが用いられる。 また本発明において使用する摺動部材は、 (1)珪素を約6ないし20重量%含有する高珪素アルミ
ニウム合金、例えば初晶珪素(Hv1000)を含有する過共
晶のアルミニウム合金からなるか、または (2)アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金を母
材とし、無機質繊維例えば酸化ジルコニウム繊維(Hv13
00)、アルミナ−シリカ繊維(Hv800)等を含有し、好
ましくは耐摩耗性向上のために珪素をさらに含有する繊
維強化複合材料からなる。 本発明の方法は、上記の様な摺動部材を所望の寸法
に、例えばボーリング加工やホーニング加工により加工
した後の仕上げ加工方法であり、まず前記摺動部材の表
面をその部材により適宜選択されるショットを使用し
て、乾式または湿式のいずれかのショットブラスト仕上
げにより表面からアルミニウムまたはマグネシウムを選
択的に除去する。これはショットと摺動部材の硬さの違
いを利用したものであり、これによりより硬い珪素粒子
または無機質繊維が表面から突出した状態となり、また
突出した珪素粒子または無機質繊維の間の母材の表面に
は油だまりとして適度な凹部が形成される。次いでこの
表面をホーニング加工等の機械的研磨により適度に平滑
にすると共に、突出した珪素粒子または無機質繊維表面
上にショットブラスト仕上げにより新たに形成されたア
ルミニウムまたはマグネシウムの極く薄い塑性流動層を
除去する。 (作 用) 本発明の摺動部材の仕上げ加工方法は、摺動部材の表
面をショットブラスト仕上げすることにより、珪素粒子
または無機質繊維が突出するため、摺動部材の母材が直
接相手材と接触する度合が低減され、また突出した粒子
または繊維の間の母材の表面には適度な凹部が形成され
るため、この凹部が油だまりとして作用し、摺動部材の
保油性が確保される。さらに機械的研磨により摺動部材
表面を適度に平滑にすると共にショットブラストにより
生じたスカッフ発生の原因となる塑性流動層が除去され
る。これらのことから本発明の仕上げ加工による摺動部
材の摺動面は、スカッフの発生が防止され、耐摩耗性の
すぐれたものとなる。 またショットブラスト仕上げにより、アルミニウムま
たはマグネシウムが除去されると共に、母材にショット
が当たることにより、母材が加工硬化し、摺動部材の耐
摩耗性をさらに向上させる。 (実施例) 本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 次に示す摺動部材a,b,cを用いて本発明の方法に従
い、その摺動面の仕上げ加工を行なった。 a. 過共晶アルミニウム−珪素合金 組成:Al−17% Si−4.5% Cu−0.5%Mg (A390合金、初晶珪素粒子のHv1000,母材のHv95) b. アルミニウム合金を母材とし、アルミナ−シリカ繊
維を含有する繊維強化複合材料 (AC8A・FRM,アルミナ−シリカ繊維のHv800,母材の
Hv85) c. マグネシウム合金を母材とし、アルミナ−シリカ繊
維を含有する繊維強化複合材料 (MD CIA〔Mg〕・FRM,母材のHv85) 上記のa,b,cの摺動部材をシリンダブロックに鋳造
し、シリンダ内表面をボーリング加工およびホーニング
加工し、シリンダ径を80mm表面あらさを1μm以下に仕
上げる。 次いでこの内表面に空気流で加速した燐灰石(Hv54
0)の微粒子をあてる。このショットブラスト仕上げに
より、表面のアルミニウムまたはマグネシウムが除去さ
れ、初晶珪素粒子およびアルミナ−シリカ繊維は突出
し、その間の母材表面には平均深さが1.0μm以上の凹
部が形成され、表面あらさは2ないし4μmとなる。こ
こでショットブラスト仕上げは乾式で行なったが湿式で
行なっても良い。 最後にホーニング加工を行ない、突出した珪素粒子ま
たはアルミナ−シリカ繊維表面のアルミニウム合金また
はマグネシウム合金の塑性流動層を除去すると共にその
表面を平滑にし、母材表面からの突出を0.5ないし1.0μ
mに仕上げる。 この様にして得たシリンダブロックのシリンダ内表面
を、第1図に摺動部材aのものを、第2図にbおよびc
のものを示す。ともに初晶珪素粒子1またはアルミナ−
シリカ繊維4が母材表面2より0.5ないし1.0μm突出
し、その突出した間には平均1.0μm以上の深さを有す
る凹部3が形成されている。 次にこれらのシリンダブロックを実際にガソリンエン
ジンとして使用し、スカッフ防止性能および耐摩耗性を
調べた。スカッフ防止性能は高油温・ノッキング発生限
界近傍でのスカッフ発生の有無を検討し、耐摩耗性は60
00rpm、900時間にわたる高速耐久試験後のボア面の摩耗
量を測定することにより行った。下記表に比較例と共に
結果を示した。 これによると実施例の本発明によるものではa,b,c共
に従来の電解研磨を施したもの同様スカッフの発生が無
かったことを示す。これに対し、ホーニング加工のみの
ものは、ボア面の一部または全面にスカッフが発生し
た。またボア面の摩耗量は、電解研磨のものに比較し
て、本実施例のものでは約1/3ないし1/6に減少した。さ
らにこれを裏づける結果として、母材の硬さがショット
ブラスト仕上げを行なったものでは、行なわないものの
およそ2倍に上昇していることも解る。 (発明の効果) 本発明の摺動部材の仕上げ加工方法は、以上説明した
様に、摺動部材の表面をショットブラスト仕上げ、そし
て機械的研磨することによりスカッフの発生を防止し、
そして耐摩耗性を向上させるものである。このことか
ら、本発明の方法は、従来の電解研磨等の工程を必要と
せず、極めて容易な操作で、しかも低コストでの摺動部
材の仕上げ加工方法の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】 第1図および第2図は、本発明の方法により仕上げ加工
した摺動部材の内表面の断面を示す模式図であり、第1
図は高珪素アルミニウム合金からなる摺動部材の内表面
の断面を示し、そして第2図は繊維強化複合材料からな
る摺動部材の内表面の断面を示す。 図中、 1……初晶珪素粒子、2……母材表面 3……凹部 4……アルミナ−シリカ繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 不破 良雄 豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭49−58026(JP,A) 特公 昭43−8173(JP,B1)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.高珪素アルミニウム合金からなる摺動部材の表面
    に、該摺動部材中の珪素粒子より硬度が低く、かつ母材
    より硬度が高いショットを用いてショットブラスト仕上
    げを施すか、またはアルミニウム合金もしくはマグネシ
    ウム合金を母材とし、無機質繊維を含有する繊維強化複
    合材料からなる摺動部材の表面に、該摺動部材中の無機
    質繊維より硬度が低く、かつ母材より硬度が高いショッ
    トを用いてショットブラスト仕上げを施すことにより、
    前記表面のアルミニウムまたはマグネシウムを選択的に
    除去し珪素粒子または無機質繊維を表面から突出させ、
    突出した珪素粒子または無機質繊維の間の表面に凹部を
    形成し、次いで前記表面に機械的研磨を施すことによ
    り、前記突出した珪素粒子または無機質繊維表面の前記
    ショットブラスト仕上げにより形成されたアルミニウム
    またはマグネシウムの塑性流動層を除去し、前記表面を
    平滑にすることを特徴とする摺動部材の仕上げ加工方
    法。 2.ショットブラスト仕上げに使用するショットとし
    て、摺動部材中の珪素粒子または無機質繊維よりビッカ
    ース硬度が10%以上低く、母材より50%以上ビッカース
    硬度が高いものを用いることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の仕上げ加工方法。
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