JP2724203B2 - 粘性流体組成物 - Google Patents
粘性流体組成物Info
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- JP2724203B2 JP2724203B2 JP11754389A JP11754389A JP2724203B2 JP 2724203 B2 JP2724203 B2 JP 2724203B2 JP 11754389 A JP11754389 A JP 11754389A JP 11754389 A JP11754389 A JP 11754389A JP 2724203 B2 JP2724203 B2 JP 2724203B2
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- Japan
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- viscous fluid
- viscosity
- fluid composition
- present
- ethylene
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は粘性流体組成物、特には剪断型緩衝装置の粘
性流体組成物に関する。本発明の粘性流体組成物は耐震
または防震構造物(例えばビル等の建造物、橋梁、プラ
ント等)に含まれているエネルギー吸収装置としての粘
性ダンパとして特に有利に用いることができる。
性流体組成物に関する。本発明の粘性流体組成物は耐震
または防震構造物(例えばビル等の建造物、橋梁、プラ
ント等)に含まれているエネルギー吸収装置としての粘
性ダンパとして特に有利に用いることができる。
[従来の技術] 二枚の抵抗板間に存在する粘性流体組成物の剪断抵抗
力は、式 F=ηA(V/d)n (式中、Fは剪断抵抗力であり、ηは粘度であり、Aは
抵抗板の面積であり、Vは抵抗板の相対速度であり、d
は抵抗板間の隙間の距離であり、そしてnは定数であ
る) で示される。ここで、粘度η、抵抗板の面積Aおよび抵
抗板間の隙間の距離dを調整すると剪断抵抗力Fを向上
させることができる。しかし、抵抗板の面積Aおよび抵
抗板間の隙間の距離dは、装置設計上から一定の制限が
あるので、高い剪断抵抗力Fを得るには粘度ηの値を高
くすることが望ましい。また、粘度ηの値も、装置応答
性の面から、一般には、5,000〜400,000ポアズ(25℃)
が使用領域とされている。
力は、式 F=ηA(V/d)n (式中、Fは剪断抵抗力であり、ηは粘度であり、Aは
抵抗板の面積であり、Vは抵抗板の相対速度であり、d
は抵抗板間の隙間の距離であり、そしてnは定数であ
る) で示される。ここで、粘度η、抵抗板の面積Aおよび抵
抗板間の隙間の距離dを調整すると剪断抵抗力Fを向上
させることができる。しかし、抵抗板の面積Aおよび抵
抗板間の隙間の距離dは、装置設計上から一定の制限が
あるので、高い剪断抵抗力Fを得るには粘度ηの値を高
くすることが望ましい。また、粘度ηの値も、装置応答
性の面から、一般には、5,000〜400,000ポアズ(25℃)
が使用領域とされている。
[発明が解決しようとする課題] 従来、剪断型緩衝装置用の粘性流体としては、アスフ
ァルトやブタン系炭化水素等が用いられてきたが、これ
らは粘度−温度特性が劣り、そして低温下では弾性体的
挙動が大きくなると同時に抵抗板への付着性がなくな
り、粘性流体としての機能が失われる等の問題があっ
た。
ァルトやブタン系炭化水素等が用いられてきたが、これ
らは粘度−温度特性が劣り、そして低温下では弾性体的
挙動が大きくなると同時に抵抗板への付着性がなくな
り、粘性流体としての機能が失われる等の問題があっ
た。
従って、本発明の目的は、粘度−温度特性に優れ、低
温下でも付着性を維持する粘性流体組成物を提供するこ
とにある。
温下でも付着性を維持する粘性流体組成物を提供するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] 前記の課題は、本発明により、エチレン−プロピレン
コポリマーを含むことを特徴とする、剪断型緩衝装置用
粘性流体組成物によって解決することができる。
コポリマーを含むことを特徴とする、剪断型緩衝装置用
粘性流体組成物によって解決することができる。
本発明による粘性流体組成物は、(A)エチレン−プ
ロピレンコポリマー、および場合により(B)粘度調整
剤、更に場合により(C)添加剤から成る。
ロピレンコポリマー、および場合により(B)粘度調整
剤、更に場合により(C)添加剤から成る。
前記のコポリマー成分(A)としては、重量平均分子
量が1万〜30万、好ましくは3万〜20万のエチレン−プ
ロピレンコポリマーを用いることができる。エチレン−
プロピレンコポリマーはランダムコポリマーであって
も、ブロックコポリマーであってもよい。本発明で用い
ることのできるエチレン−プロピレンコポリマーの粘度
は、場合により共存する粘度調整剤(B)および添加剤
成分(C)によって、広範な値を有することができる
が、一般には、5,000〜200,000ポアズ(25℃)である。
エチレンとプロピレンとの組成比は特に限定はされない
が、エチレ10〜90モル%、およびプロピレン90〜10モル
%、特に好ましくは、エチレン20〜80モル%およびプロ
ピレン80〜20モル%からなるものが好ましい。
量が1万〜30万、好ましくは3万〜20万のエチレン−プ
ロピレンコポリマーを用いることができる。エチレン−
プロピレンコポリマーはランダムコポリマーであって
も、ブロックコポリマーであってもよい。本発明で用い
ることのできるエチレン−プロピレンコポリマーの粘度
は、場合により共存する粘度調整剤(B)および添加剤
成分(C)によって、広範な値を有することができる
が、一般には、5,000〜200,000ポアズ(25℃)である。
エチレンとプロピレンとの組成比は特に限定はされない
が、エチレ10〜90モル%、およびプロピレン90〜10モル
%、特に好ましくは、エチレン20〜80モル%およびプロ
ピレン80〜20モル%からなるものが好ましい。
本発明の粘性流体組成物は、エチレン−プロピレンコ
ポリマーを好ましくは20〜100重量%、特には30〜60重
量%含有する。本発明の粘性流体組成物はエチレン−プ
ロピレンコポリマーだけからなることもでき、従って、
本明細書において粘性流体「組成物」とはエチレン−プ
ロピレンコポリマーだけからなる液体を含むものとして
用いる。エチレン−プロピレンコポリマーの含有量が20
重量%未満になると粘性流体組成物の粘度が小さくな
り、所定の剪断抵抗力を得るためには、緩衝装置を大型
にする必要があるので好ましくない。
ポリマーを好ましくは20〜100重量%、特には30〜60重
量%含有する。本発明の粘性流体組成物はエチレン−プ
ロピレンコポリマーだけからなることもでき、従って、
本明細書において粘性流体「組成物」とはエチレン−プ
ロピレンコポリマーだけからなる液体を含むものとして
用いる。エチレン−プロピレンコポリマーの含有量が20
重量%未満になると粘性流体組成物の粘度が小さくな
り、所定の剪断抵抗力を得るためには、緩衝装置を大型
にする必要があるので好ましくない。
本発明の粘性流体組成物においては、場合により粘度
調整剤(B)として、低くもり点(好ましくは−15℃以
下、さらに好ましくは−20℃以下、特には−30℃以下)
を有し、動粘度(40℃)が好ましくは10〜40、000cStの
物質を用いることができる。前記の粘度調整剤(B)と
しては、ロウ成分を含まない油性材料例えば鉱油(例え
ば深脱ロウ油)、あるいは合成油(例えば、ポリオレフ
ィン、ポリブテン、エチレン−α−オレフィンコポリマ
ー(数平均分子量5,000以下)、アルキルベンゼン等を
挙げることができる。粘度調整剤(B)として用いる物
質の動粘度(40℃)が10cSt未満であると引火点が低く
なるので好ましくない。また、40,000cStを越えると、
粘性流体組成物の粘度調整材料が困難になるので望まし
くない。本発明の粘性流体組成物においては、粘度調整
剤(B)を、好ましくは0〜80重量%、特には40〜70重
量%の量で配合する。配合量が80重量%を越えると、粘
性流体組成物の粘度を自由に調整することが困難にな
る。
調整剤(B)として、低くもり点(好ましくは−15℃以
下、さらに好ましくは−20℃以下、特には−30℃以下)
を有し、動粘度(40℃)が好ましくは10〜40、000cStの
物質を用いることができる。前記の粘度調整剤(B)と
しては、ロウ成分を含まない油性材料例えば鉱油(例え
ば深脱ロウ油)、あるいは合成油(例えば、ポリオレフ
ィン、ポリブテン、エチレン−α−オレフィンコポリマ
ー(数平均分子量5,000以下)、アルキルベンゼン等を
挙げることができる。粘度調整剤(B)として用いる物
質の動粘度(40℃)が10cSt未満であると引火点が低く
なるので好ましくない。また、40,000cStを越えると、
粘性流体組成物の粘度調整材料が困難になるので望まし
くない。本発明の粘性流体組成物においては、粘度調整
剤(B)を、好ましくは0〜80重量%、特には40〜70重
量%の量で配合する。配合量が80重量%を越えると、粘
性流体組成物の粘度を自由に調整することが困難にな
る。
本発明の粘性流体組成物には、場合により、添加剤成
分(C)を配合することができる。本発明の粘性流体組
成物においては、通常の石油製品、プラスチックおよび
ゴム等に通常用いられている添加剤を通常用いられてい
る目的で用いることができる。従って、例えば通常の酸
化防止剤、紫外線吸収剤、防錆剤等を配合して長期耐性
を向上させることができ、更に着色剤等を配合すること
もできる。
分(C)を配合することができる。本発明の粘性流体組
成物においては、通常の石油製品、プラスチックおよび
ゴム等に通常用いられている添加剤を通常用いられてい
る目的で用いることができる。従って、例えば通常の酸
化防止剤、紫外線吸収剤、防錆剤等を配合して長期耐性
を向上させることができ、更に着色剤等を配合すること
もできる。
[発明の効果] 本発明による粘性流体組成物は粘度(25℃)約5,000
〜400,000ポアズの範囲内で任意の粘度に容易に調整す
ることができ、優れた粘度−温度特性を有し、低温下
(例えば−30℃)でも流動性を失わずに粘性流体として
の挙動を示し、しかも低温下(例えば−30℃)でも抵抗
板への付着性を喪失することがない。
〜400,000ポアズの範囲内で任意の粘度に容易に調整す
ることができ、優れた粘度−温度特性を有し、低温下
(例えば−30℃)でも流動性を失わずに粘性流体として
の挙動を示し、しかも低温下(例えば−30℃)でも抵抗
板への付着性を喪失することがない。
本発明の粘性流体組成物は剪断型緩衝装置に用いるこ
とができる。剪断型緩衝装置とは、二枚の平行面の微小
な隙間に高粘性流体を充填しておき、この二枚の平行面
に相対運動が起きた際には、その高粘性流体の剪断作用
によって剪断抵抗力を発生させることにより、平行面の
一方の運動を減衰させることを目的とした装置である。
こうした剪断型緩衝装置は、例えば建築物等の構造物の
耐震または防震用として利用されている。
とができる。剪断型緩衝装置とは、二枚の平行面の微小
な隙間に高粘性流体を充填しておき、この二枚の平行面
に相対運動が起きた際には、その高粘性流体の剪断作用
によって剪断抵抗力を発生させることにより、平行面の
一方の運動を減衰させることを目的とした装置である。
こうした剪断型緩衝装置は、例えば建築物等の構造物の
耐震または防震用として利用されている。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、これらは本発明を限定するものではない。
が、これらは本発明を限定するものではない。
実施例1〜5並びに比較例1および2 以下の第1表に記載の成分からなる粘性流体組成物を
調製し、各種の物性を調べた。その結果も第1表に示
す。
調製し、各種の物性を調べた。その結果も第1表に示
す。
(1)粘度−温度特性 各組成物の40℃および100℃での粘度(単位:ポア
ズ)をB型粘度計(ブルックフィールド粘度計)で測定
した。
ズ)をB型粘度計(ブルックフィールド粘度計)で測定
した。
粘度−温度特性は、ASTM−Waltherの式 loglog(η−0.6)=A−BlogT [式中、ηは粘度(cSt)であり、Tは絶対温度(゜K)
であり、AおよびBは試料に固有の定数である) から評価することができる。ここで、定数Bの値が小さ
い程、粘度(η)の温度(T)に対する依存性が小さく
なり、粘度−温度特性が良好であることを意味する。本
発明による実施例1〜5の組成物はいずれも定数Bの値
がアスファルト(比較例1)の1/2〜1/3であり、粘度−
温度特性が著しく改善されていることが分かる。
であり、AおよびBは試料に固有の定数である) から評価することができる。ここで、定数Bの値が小さ
い程、粘度(η)の温度(T)に対する依存性が小さく
なり、粘度−温度特性が良好であることを意味する。本
発明による実施例1〜5の組成物はいずれも定数Bの値
がアスファルト(比較例1)の1/2〜1/3であり、粘度−
温度特性が著しく改善されていることが分かる。
(2)付着性 剪断型緩衝装置では粘性流体と抵抗板(通常、鋼製)
との付着性が重要特性となる。流体が低温下で著しく増
粘したり、弾性体に変化したり、結晶析出が見られる場
合は、付着性が失われるので、該装置用流体としての機
能を果たすことが困難になる。
との付着性が重要特性となる。流体が低温下で著しく増
粘したり、弾性体に変化したり、結晶析出が見られる場
合は、付着性が失われるので、該装置用流体としての機
能を果たすことが困難になる。
付着性は、鋼性容器(内径48mm、外径50mm、高さ50mm
で、蓋がない容器)に高さ30mmまで粘性流体を入れ、−
30℃で24時間静置した後、流体と容器壁面との間に5mm
×0.5mmのドライバを押入れ、この時の流体の付着状態
を観察して評価した。流体が壁面から剥離した場合を付
着性なしとし、剥離しない場合を付着性有りと評価し
た。本発明による実施例1〜5の組成物は、いずれも良
好な付着性を保持していた。
で、蓋がない容器)に高さ30mmまで粘性流体を入れ、−
30℃で24時間静置した後、流体と容器壁面との間に5mm
×0.5mmのドライバを押入れ、この時の流体の付着状態
を観察して評価した。流体が壁面から剥離した場合を付
着性なしとし、剥離しない場合を付着性有りと評価し
た。本発明による実施例1〜5の組成物は、いずれも良
好な付着性を保持していた。
Claims (1)
- 【請求項1】エチレン−プロピレンコポリマーを含むこ
とを特徴とする、剪断型緩衝装置用粘性流体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11754389A JP2724203B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 粘性流体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11754389A JP2724203B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 粘性流体組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02298573A JPH02298573A (ja) | 1990-12-10 |
JP2724203B2 true JP2724203B2 (ja) | 1998-03-09 |
Family
ID=14714404
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11754389A Expired - Lifetime JP2724203B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 粘性流体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2724203B2 (ja) |
-
1989
- 1989-05-12 JP JP11754389A patent/JP2724203B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02298573A (ja) | 1990-12-10 |
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