JP2721839B2 - 磁気共鳴測定装置 - Google Patents

磁気共鳴測定装置

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JP2721839B2 JP62087107A JP8710787A JP2721839B2 JP 2721839 B2 JP2721839 B2 JP 2721839B2 JP 62087107 A JP62087107 A JP 62087107A JP 8710787 A JP8710787 A JP 8710787A JP 2721839 B2 JP2721839 B2 JP 2721839B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば電子スピン共鳴若しくは核磁気共鳴
等の磁気共鳴現象を利用して試料のスピン分布を測定
し、例えば材料解析、評価等に使用する磁気共鳴測定装
置に関する。 [従来の技術] 核磁気共鳴(NMR)を用いた二次元画像装置はすでに
実用化され、医学分野で広く利用されている。また電子
スピン共鳴(ESR)を用いた画像作成研究も試みられて
いる。しかし、これらの断層写真を得る磁気共鳴装置で
は、いずれも静磁場に四重極コイルをもちいて磁場勾配
を印加し、ラジオ(マイクロ波)周波数と共鳴する磁場
位置を移動させることによつて磁気共鳴の画像を得てき
た。電子スピン共鳴現象を利用した装置としては、例え
ば、『実験化学ガイドブツク』(275頁,日本化学学会
編,昭和59年発行)に記述されている。 [発明が解決しようとする問題点] 従つて、従来の磁気共鳴現象を利用した装置では、装
置が巨大化し高価なものであつた。即ち、上記従来の装
置では、巨大な電磁石を配置して磁気共鳴を起こさせて
いるために、観測されるものは吸収スペクトルの平均で
あり、得られる情報は空間分解能が悪いものである。空
間分解能を上げるためには、コンピユータによる解析の
支援を受けなくてはならず、結局と、空間分解能と装置
の小型化,低廉化は相反するものとなつている。 そこで、本発明は上記従来技術の欠点を解消するため
に提案されたものでその目的は、空間分解能が高く、し
かも装置は小型でありながら、磁気共鳴現象を利用して
物質を分析する磁気共鳴測定装置を提供するところにあ
る。 [問題点を解決するための手段] 上記課題を達成するための、本発明の、空洞共振器内
に置かれた試料のスピン分布を磁気共鳴を利用して測定
する磁気共鳴測定装置は、 電流を印加することにより微少局所磁場を発生させる
微小コイル素子と、 前記微小コイル素子に所定値の電流を印加する印加手
段と、 前記試料の任意位置の表面近傍の測定部位において上
記微小コイル素子を機械的に走査するために、前記試料
の周りに前記微小コイル素子を回転させるための第1の
アームとこの第1のアームを前記試料の長軸方向に移動
させる第2のアームとを有する走査手段と、 前記試料及び前記微小コイル素子をマイクロ波電磁場
で包む空洞共振器と、 上記電磁波を受信して共鳴吸収信号を検出する検出手
段、 とを有することを特徴とする。 [作用] 上記構成において、微小コイル素子は、操作手段の2
つのコイルにより、試料の回転方向と長軸方向とにおい
て、試料表面を二次元的に走査する。走査の過程で、微
小コイルは試料表面に微少局所磁場を発生させ、磁気共
鳴信号は、空洞共振器内で、共鳴吸収信号として検出さ
れる。 [実施例] 以下添付図面を参照しつつ本発明に係る実施例を詳細
に説明する。本発明はその性質上、核磁気共鳴(NM
R)、電子スピン共鳴(ESR)のいずれの磁気共鳴にも適
用できるものであるが、以下の実施例では電子スピン共
鳴現象を利用したものを説明する。 本実施例に係るESR測定装置では、医学上の分野では
病理組織内の不対電子の分布、鉱物学的には磁性鉱物の
分布、自然放射線により生じた格子欠陥の分布測定等に
利用され得る。 〈微少部位ESR測定装置の概略〉 第1図に本発明を適用したESR測定装置のブロツク構
成図を示す。この測定装置は、例えば人体等の巨大物の
磁気共鳴スペクトルの断層像(CT)を得ることを目的と
するのではなく、微小部分の磁気共鳴物質の分布を知る
ことにある。 周知のように一定の静磁場中では、ゼーマン効果によ
り磁気モーメントをもつ核、電子等はそのエネルギー準
位が分離する。外部から一定の波長を有する電磁波を加
えると、低エネルギー準位から高エネルギー準位へ、又
はその逆に遷移して、遷移間のエネルギー差に等しい電
磁波のエネルギーを吸収若しくは放出する。一般に、エ
ネルギー分離した核や電子の数はボルツマン分布に従う
から、低準位にあるものの数の方が多いために、全体と
しては、外部から加えられた電磁波のエネルギーの吸収
が観測される。この現象を磁気共鳴といい、電子スピン
によるESRはマイクロ波領域で起こり、核スピンによるN
MRは短波領域で起こる。特に、ESRは電子状態を知る上
で非常に有効で、不対電子が存在すると、電子スピンが
ゼロにならないので、ラジカル,遷移金属,多重項分子
等の常磁性物質や反磁性物質の励起三重項状態等に応用
される。 さて第1図に示したESR測定装置の構成を説明する
と、1はマイクロ波発生回路であり、この回路から発生
されたマイクロ波は導波路を通つて途中で分波され、一
方は空洞共振器5に、他方はアツテネータ2に向う。 空洞共振器5の内部にはESRの測定対象となる試料7
が所定の位置に置かれ(詳細は第2A図に示す)、この共
振器5内でマイクロ波のエネルギーの吸収がなされる。
ESRによるエネルギー吸収があるとマイクロ波の電力に
変化が表われる。このマイクロ波はアイソレータ11を通
り、平衡型(バランス型)ミキサー12に送られる。ミキ
サー12への他方のマイクロ波入力は、アツテネータ2に
より分波され、位相器4により位相調節されたマイクロ
波である。従つて、ミキサー12で混合されたマイクロ波
の電力変化は検波ダイオード13a,13bによつて検出され
る。 6a,6bは共振器5内に静磁場を与える電磁石である。
この電磁石6a,6bは励磁電源17からの、制御部18により
制御された掃引交流電流を流される。静磁場は変調コイ
ル20により磁場変調されている。ダイオード13a,13bに
より検波された信号は増幅器14で増幅される。更に、こ
の増幅された信号は、その磁場変調周波数成分(fm)が
位相検波回路15で除かれ、その直流成分のみが取り出さ
れた形のESR信号として、記録計22に記録される。この
記録計22では、前記制御部からの掃引信号(磁場強度
H)をX軸に、前記ESR信号をY軸にとつて出力する。
即ち、この記録計22には静磁場強度Hに対するESR信号
の強度特性が表示される。 本実施例では、更に、不対電子の二次元分布をCRT表
示器24に表示するために、ESR信号をA/D変換(第1図の
16)して、メモリ19に蓄える。このデジタルのESR信号
は後述する処理により、輝度変調回路23により輝度変調
されて、CRT表示器24に濃淡画像として表示される。こ
の画像の濃淡が不対電子の濃度に相当する。 不対電子の二次元分布を得るために本実施例では、試
料7に局所的な磁場異常を起こし、更にこの局所的な磁
場異常が起こされた位置を二次元的に送査移動して、二
次元的な各位置におけるESR信号を捕えようとする。上
記送査は制御部18によりコンピユータ制御されたスキヤ
ン機構10によりなされ、各送査位置における二次元位置
情報は、二次元CRT表示のために輝度変調回路23にも送
られる。 上述した局所的な磁場異常は微少なコイルを有するプ
ローブ8により生起される。この磁場異常の生起される
位置を二次元的に移動できれば、ESR信号の二次元変化
は捕えられる。本明細書では、この局所的磁場異常の移
動を、微少コイルの機械的な移動により実現した第一実
施例(第2A,2B図)と、複数の微少コイルを二次元アレ
ー状に並べ、この中から1つの微少コイルを選択し、こ
の選択を電気的に移動させる事により実現した第二実施
例(第5図,第6A,6B図)と、一巻きのコイルを複数個
同心円状に並べて、この中から1つのコイルを選択し
て、狭い領域ではあるが、平面的な二次元の磁場異常の
移動を実現した第三実施例(第9A〜9C図)という3つの
実施例を挙げている。 〈測定原理〉 第3A図〜第3D図を用いて、微少区域内の不対電子濃度
の測定方法を説明する。第1図装置で、プローブ8があ
る位置(例えば、円筒座標表示で(r00,z0))にあ
るとする。この状態で、コイル8には電流は流さないで
(即ち、磁場異常を起こさないで)、静磁場の強度Hを
掃引変化させる。これは、励磁電源17の出力電流を制御
部18の制御することにより可能となる。このようにする
と、第3A図に示すように、試料7の全体にわたる不対電
子分布による平均的なESR信号が得られる。このとき、
信号中には試料全体のESRによるマイクロ波エネルギー
の吸収によるスペクトルが観測される。このときのスペ
クトル中のピークに対応する磁場強度をH0、ESR信号をS
0とする。 次に、コイル8を移動させないで、コイル8に直流電
流I0を流す。この状態で、同じように静磁場強度Hを掃
引して、ESR信号のスペクトルを得る(第3B図)。この
ときのスペクトルには、第3B図のようにもう1つのピー
クが表われるか又は、第3A図のピーク全体がシフトした
ようなピークシフトが表われる。そのピークの磁場強度
をH1、ESR信号をS1とする。この信号S1は、(r00,
z0)での不対電子の濃度を表わす信号である。更に、S1
/S0は全体濃度に対する上記位置での濃度比率を表わ
す。従つて、プローブ8を角度方向に(r01,z0)ま
で移動して、その点において、同じようにS0とS2とを測
定(第3C図,第3D図)し、このような測定を各座標軸に
対して繰り返すと、試料7の表面における不対電子の二
次元分布が得られる。試料が空間的なひろがりをもて
ば、コイルの移動は三次元的な移動となり、従つて試料
から得られたESR信号の表面分布は、不対電子の三次元
分布となる。 〈第一実施例〉 第2A図はスキヤン機構10を、プローブ8を円筒座標方
向(r,θ,z)に三次元的に移動させるような機構とした
ものである。試料7は、円筒上の石英製のサンプルホル
ダー34に納められている。このサンプルホルダー34の外
側に、コイル33を含むプローブ8が近接して置かれ、こ
のプローブ8のコイル33の位置はプローブアーム30によ
り、角度方向θ、高さ方向zに対して、例えばステツピ
ングモータ、或るいは超音波モータ等により自由に移動
可能である。35はプローブ8が外側に外れないようにす
るプローブガイドである。第2B図にコイル33と試料7の
位置関係を示す。試料とコイルとの間隔は20〜70μmが
適当であり、コイル直径は100〜200μm、コイルの線径
は50〜70μm、コイル巻数は3〜5Tとする。このような
条件で、電流I0は500〜1000mA、電圧は数Vがかけられ
る。石英のサンプルホルダー34の厚みにより、コイル33
と試料7との間隔が開くときはコイルに流れる電流を調
整して対処する。 コイルの幅を短くするためには、第8図のような巻き
方を用いるとよい。 本ESR測定装置では、試料表面の不対電子の分布を測
定することを目的とするから、第2A図の実施例で、r方
向にプローブ8を移動することは問題ではない。 尚、もし、コイルの代りに微少な永久磁石を使うとす
れば、0.1ガウス以上の磁力をもつことが必要である。 第4図は、第2A図のプローブとスキヤン機構を用いた
場合の制御部17の制御手順のフローチヤートを示す。こ
の制御手順では、rを一定にして、θとzを(θ1,z1
〜(θm,zm)と変化させながら、第3A図〜第3D図に示し
た手法に従つて(ステツプS1〜ステツプS9)、Smを測定
(ステツプS9)して、輝度変調回路23にSm/S0と(r0
m,zm)とを出力して、第7A図若しくは第7B図のような分
布像を描かせるものである。 第7A図は縦軸をZ軸に、横軸をθ軸にとつたときの分
布を展開したものである。第7B図は、Z軸上において、
いくつかの点をとり、その点を中心とした円筒状の分布
図である。 尚上記フローチヤートのステツプS7で、ピークシフト
は少しの範囲でしか起こらないことに鑑みて、静磁場H
の掃引の範囲をH0近傍に限定すると、測定効率が上が
る。 又、静磁場Hを掃引する代りに、コイルに流す電流を
交流として、局所磁場の強さを変化させ、その周波数成
分のみを増幅して検出するようにしてもよい。この点に
ついては後述する。 〈第二実施例〉 第一実施例はプローブ(コイル)を機械的に移動する
ものであつたが、第5A図に示された第二実施例では、二
次元のアレーコイルを用いて、電気的に1つのコイルを
選択して、局所磁場の送査を実現する場合の、アレーコ
イルの原理を示す。 第5A図では、間隔aでn本の微小導線を縦方向に並
べ、さらにこれらの導線を絶縁後、横方向にも間隔aで
n本の導線を並べた2次元局所磁場発生用のアレーコイ
ルである。i番目とi+1番目を短絡して、電流Iを流
す。常用にjとj+1番目を短絡して電流Iを流すと、
1つのコイルにより生じる短形内部の磁場をHcとする
と、正方形部分には2Hcが生じる。線iとi+1の間お
よびi+1とi+2の間には、Hc/2の逆方向の磁場が生
じる。 電流を増大させて、2Hcの磁場で磁気共鳴が起こるよ
うにするか、または均一な静磁場H0を印加しておき、H0
+2Hcが磁気共鳴磁場になるようにすると、局所位置
(i,j)でのみ磁気共鳴が起こる。電流の位置を次々と
変化させていくと、(i,j)を平面上で動かすことにな
り、第一実施例とおなじように、局所磁場の送査ができ
る。第5B図にこのようなアレー状のコイルを第1図装置
に適用して、試料(DPPH粉末)をコイルiとi+1間に
付着させたときの測定結果である。ESR信号は、コイル
iとi+1間の電流値と共に大きく移動するが、その他
の位置では変化しない。この測定例では、H0を共鳴磁場
から発し、H0+2Hcを共鳴磁場とすると、i,j点でのみES
R信号が観測された。 尚、線路iとi+1の間、並びに線路jとj+1の間
には、磁場強度H0+Hcが印加されることになるが、磁気
共鳴の線幅以内ならば問題にならない。ESR信号の線幅
が著しく広い場合は、上記線路iとi+1の間、並びに
線路jとj+1の間へのH0+Hc磁場印加による寄与を避
けるため、第5B図のようにHの値を示すとよい。尚、第
1図装置のように磁場変調(fm=100KHZ)をかけると、
同図のような微分形のESR信号が観測される。又更に、
第5B図に示すように、H0とH0+Hcに対する信号強度がほ
ぼ同じ場合は、H0+2ΔHが大きく変化するようにする
と、上記線路iとi+1の間、並びに線路jとj+1の
間へのH0+Hc磁場印加による影響を避けることができ
る。これらは、H0をセツトして、画像を見ながらHcを調
整してもよい。 第6A図,第6B図に、電気的に1つのコイルを選択する
方法を示す。50,51,52,53は同じドライバ回路である。
ドライバ回路50,52は線路に電流を供給し、回路51,53は
線路からの電流をアースに流す働きをする。60a〜60fと
61a〜61fはスイツチング回路であり、例えばトランジス
タ回路等から構成される。70a〜70f、71a〜71fはスイツ
チング回路の制御線である。線路j−1からjへ電流を
流す場合、スイツチング回路60aと60dを付勢すればよ
い。第6図のプローブで、第4図の制御手順を適用する
には、ステツプS2で、スキヤン機構に(r,θ,z)を出力
する代りに、(r,θ,z)の値をデコードして、選択信号
を発生させ、前記スイツチング回路を付勢すればよい。 尚、上記の回路の代りに、多端ロータリスイツチによ
つて電圧を印加してもよく、この場合、他方の端子はく
し状に短絡しておくとよい。 ところで、j列に電流を流す場合、i列はj列の配線
基盤上に絶縁体を載せた上で作成するので、試料までの
距離がその厚みだけ遠くなる。このため、j列の配線に
はその電流量をIより大きくし、交鎖する(i,j)の領
域は2倍のΔHになるように電流を調整する。 局所磁場を発生させるために、1〜10μmに微少加工
したコイルに働く力は、 μ(H0+Hc)I である。H0+Hcは0.3T前後とすると、微少部分に働く力
は F=μ・(H0+H)×I で、電流を6mA程度としても、 0.3mT×6mA=2X10-3N=0.2186×10-3Kg=0.2mg であり、蒸着やメツキによる導体付着でも構造的に充分
に耐え得る。 静磁場H0を付加せず、すべてをこのコイルで磁場を作
成する場合、I=0.2Aが必要になり、抵抗によつて生じ
る発熱の制御が必要となる。これは試料全体も含めて超
伝導体によりコイルを作成することで実現できる。この
ようにすると、 (0.06N=0.007Kg)=7g/m 程度の力を受けるが、コイルはこの力には充分耐え得
る。 ところで、メツシユ状コイルの影の部分(導線下の部
分)については、一度の磁場掃引では判らないが、試料
または導線のいづれかを、マイクロメーターで移動さ
せ、再び磁場掃引することにより、全体の画像を得るこ
とができる。この場合、コンボルーシヨン法により各エ
レメントの不対電子濃度を計算機で計算する手法を用い
る。 〈局所磁場強度の強化〉 上記第一,第二実施例では、電流強度をかえることに
より、表面からの深さの分布も得ることができる。又、
より高分解能にするためには、導線の幅よりも狭い間隔
を持つて、コイルを作成する必要がある。このような回
路は、化学エツチング法や微少電気メツキ技術で簡単に
作成でき、導線部幅を広げることにより電気抵抗を減ら
し得るので、より高磁場を作ることができる。磁場をよ
り大きくし、周辺磁場を小さくするつためには、単にi,
i+1間を短絡し電流Iを流すだけでなく、第10図に示
すように、i−1,i+2間にはI/2,i−2,i+3間にはI/4
を流すようにすると、所定の計算によると、中心部のみ
に強い磁場を作成できる。 これは、第5A図のように単にi,i+1間に電流Iを流
した場合に比べて、近接部分の逆向磁場を補正するのみ
でなく、中心部分の磁場も1/6,1/20と増すのにも役立
つ。 〈コイルへの交流印加〉 第2図のプローブにおいて、微少コイルに例えば100K
Hzの交流を印加し、局所位置でのみ磁場変調を行うこと
も可能である。この場合は、静磁場Hは、線幅以上に大
きく掃引する必要はなくなる。このように局所磁場に交
流電流を印加して局所磁場位置を送査することは、不対
電子の濃度を示すESR信号を微分形で測定することにな
る。 この位置に対する微分形でのESR信号は、静磁場Hを
共鳴磁場に保つて掃引することなく、コイル23若しくは
強磁性体磁石(不図示)をθ軸方向又はz軸方向に、例
えばピエゾ素子等により振動させることによつても検出
できる。 〈第三実施例〉 第9A〜9C図は、コイル上に試料をのせて、コイルを移
動することなく試料表面の不対電子の濃度分布を得るた
めの、プローブ構成例である。第9A図はプローブの全体
図で、第9C図は、コイル100の詳細図で、第9B図は、試
料101をこのプローブで検査するときの様子を説明する
図である。コイル100は複数の巻線からなり、1つずつ
コイルを選択することで、二次元的な広がりでもつて、
試料を測定することができる。更に第9B図のようにすれ
ば、プローブを矢印102の方向に移動すれば、測定範囲
は更に広がる。尚、コイル100を支持する支持体103は熱
伝導の面でサフアイアを使用する。又、1本のコイルに
流す電流は0.1mAである。 このような局所磁場発生コイルや磁性体磁石は、マイ
クロ波等の電波の散乱による多少の電波の損失を避ける
ことができないが、技術的にも十分許容できることが実
施例から明確になつた。 [発明の効果] 以上説明したように本発明の磁気共鳴測定装置によれ
ば、「空洞共振器」内におかれた試料の表面に配置され
た微少コイル素子に電流を流すことにより、試料表面近
傍に微少局所磁場を発生させることにより、その磁場範
囲での磁気共鳴を測定することができる。更に、この微
少コイル素子を試料の回転方向と長軸方向とに走査する
アームにより二次元的に走査させることにより、小型で
ありながら、空間分解能が高い磁気共鳴信号を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明をESR測定に適用した場合の、実施例装
置の全体ブロツク図、 第2A図,第2B図はプローブの第一実施例の構成を示す
図、 第3A図〜第3D図は第1図装置のESR測定の原理を説明す
る図、 第4図は第1図装置の制御手順を示すフローチヤート、 第5A図はプローブの第二実施例の構成を示す図、 第5B図は第二実施例の装置を所定の試料に対して適用し
たときの観測結果を示す図、 第6A,6B図は上記第二実施例プローブのコイル選択動作
を説明する図、 第7A,7B図は、CRT表示装置への表示例を示す図、 第8図は第一実施例のプローブのコイルの他の変形例を
示す図、 第9A〜9C図はプローブの第三実施例の構成を示す図、 第10図はプローブの第二実施例において、磁場強度を上
げるための変形構成を示す図である。 図中、 1……マイクロ波発生回路、2……アツテネータ、3…
…導波路、4……位相器、5……空洞共振器、6a,6b…
…電磁石、7……試料、8……プローブ、10……スキヤ
ン機構、11……アイソレータ、12……ミキサー、13a,13
b……検波ダイオード、14……増幅回路、15……検波回
路、16……A/D変換器、17……励磁電源、18……制御
部、19……メモリ、20……変調コイル、21……発振器、
22……記録計、23……輝度変調回路、24……CRT、30…
…プローブアーム、32……プローブホルダ、33……コイ
ル、34……サンプルホルダ、35……プローブガイド、4
0,41……アレー状コイル、50〜53……ドライバ回路、60
a〜60f,61a〜61f……スイツチング回路、70a〜70f,71a
〜71f……スイツチ制御信号、100……コイル、101……
試料、103……支持体である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.空洞共振器内に置かれた試料のスピン分布を磁気共
    鳴を利用して測定する磁気共鳴測定装置において、 電流を印加することにより微少局所磁場を発生させる微
    小コイル素子と、 前記微小コイル素子に所定値の電流を印加する印加手段
    と、 前記試料の任意位置の表面近傍の測定部位において上記
    微小コイル素子を機械的に走査するために、前記試料の
    周りに前記微小コイル素子を回転させるための第1のア
    ームとこの第1のアームを前記試料の長軸方向に移動さ
    せる第2のアームとを有する走査手段と、 前記試料及び前記微小コイル素子をマイクロ波電磁場で
    包む空洞共振器と、 上記電磁波を受信して共鳴吸収信号を検出する検出手段
    とを有する磁気共鳴測定装置。 2.前記磁気共鳴は、核磁気共鳴若しくは電子スピン共
    鳴である事を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    磁気共鳴測定装置。 3.前記マイクロ波電磁場に直交する静磁場を前記試料
    に印加する静磁場印加手段を更に含む事を特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載の磁気共鳴測定装置。 4.前記微小コイル素子は二次元アレー状に配置された
    複数のマトリクス状コイルと、該複数のマトリクス状コ
    イルに電流を流すコイル回路とを含み、該複数のマトリ
    クス状コイルは前記試料表面を蔽うように配置され、 前記配置手段は上記回路を電気的に選択して切替える選
    択切換回路を含み、該選択切換回路によるコイル回路の
    選択により、電気的な送査を実現する事を特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載の磁気共鳴測定装置。 5.前記微小コイル素子は、異なる半径を有する同心円
    状に形成された複数の単巻きのコイルを有し、 前記配置手段は前駆複数の単巻きコイルの1つを選択す
    ることにより、 任意の空間分解能を選択することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項に記載の磁気共鳴測定装置。 6.前記マトリクス状コイルは、所定の方向に配置され
    た第1の複数の線路と、前記所定の方向に直交する第2
    の複数の線路とを有し、 前記配置手段は、測定部位を囲む偶数本の第3の対の線
    路を前記第1の複数の線路から選択し、同じく、前記を
    囲む偶数本の第4の対の線路を前記第2の複数の線路か
    ら選択し、 前記印加手段は、前記第3の対の線路及び第4の対の線
    路には、前記測定部位から離れるほど少ない電流を流す
    ことを特徴とする特許請求の範囲第4項に記載の磁気共
    鳴測定装置。 7.前記印加手段は、前記第3の対の線路または第4の
    対の線路の前記測定部位に最も近い対の線路に電流Iを
    印加すると、前記測定部位からn本離間した対の線路に
    は、I/nの電流を印加することを特徴とする特許請求の
    範囲第6項に記載の磁気共鳴測定装置。
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