JP2717507B2 - 改良された圧力シールを有する流動床燃焼装置及び該装置を使用する燃焼方法 - Google Patents

改良された圧力シールを有する流動床燃焼装置及び該装置を使用する燃焼方法

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    • F23C2206/10—Circulating fluidised bed
    • F23C2206/103—Cooling recirculating particles

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は流動床燃焼装置及び方法
に関し、より詳細には、流動床の炉区域と分離区域との
間に改良された圧力シールを設けたかような装置及び方
法に関する。
【０００２】
【従来の技術】流動床燃焼装置はよく知られており、炉
区域を含み、該炉区域内において石炭等の化石燃料と石
炭の燃焼の結果として生じる硫黄の酸化物のための吸着
剤とを含む粒状材料の床中に空気を通して、床を流動化
し、比較的低い温度での燃料の燃焼を促進する。これら
の形式の燃焼装置は蒸気発生器中でしばしば使用され、
この蒸気発生器においては、流動床と熱交換関係におい
て水を通過させて、蒸気を発生させ、高燃焼効率及び燃
料融通性、高硫黄吸着、及び低窒素酸化物放出を許容す
る。
【０００３】これらの形式の装置の炉区域内において使
用される最も代表的な流動床は通称「バブリング」流動
床と呼ばれ、この流動床において、粒状材料の床は、比
較的高密度で、よく規定されたつまり分離した上表面を
有する。他に「循環」流動床を使用する装置もあり、こ
の流動床においては、流動床の密度は代表的なバブリン
グ流動床の床密度よりも低く、流動化空気速度はバブリ
ング床の空気速度以上であり、床中を通過する煙道ガス
は、ガスが実質的に微細な粒状固体で飽和される程度ま
で、かなりの量の微細粒状固体を同伴する。
【０００４】循環流動床は比較的高い内部及び外部固体
再循環を特徴とし、そのため燃料熱放出パターンに対し
て非感応性となり、よって温度変動が最小限となり、従
って硫黄放出を低レベルに安定化させる。外部固体再循
環は、炉区域の出口にサイクロン分離器を配置して、煙
道ガス及びこれに同伴される固体を流動床から受理する
ことによって達成される。固体は分離器内で煙道ガスか
ら分離され、煙道ガスは熱回収領域に通され、一方固体
は炉へと戻されて再循環する。この再循環により分離器
の効率が改良され、その結果として硫黄吸着剤の効率的
使用及び燃料滞留時間が増加することにより、吸着剤及
び燃料の消費が減少する。
【０００５】循環流動床装置においては、分離器と炉区
域との間に圧力シールを設けて、炉から分離器の出口へ
とガス及び同伴固体が直接逆流するのを防ぐことが大切
である。先行技術の装置では通称「Ｊバルブ」と呼ばれ
るものを使用しており、このＪバルブは、分離器から延
長する垂直ディップレッグ部分と、ディップレッグから
延長するＵ字型部分とを有し、圧力シールを創生する。
本出願人に譲渡された米国特許第５，０４０，４９２号
では、この形式の環境で使用されるＪバルブの使用を開
示している。この形式のＪバルブは、バルブのディップ
レッグ部分中の固体の高さが、炉と分離器とに渡る圧力
降下の量に直接対応するように設計されている。しかし
ながら、シャットダウン等の間、固体材料を装置から完
全に除去しなければならない場合、Ｊバルブの垂直部分
から固体を排出することは、不可能ではないにせよ、非
常に困難である。更に満足に操作するためには、これら
のＪバルブは、高価な追加のファンを要する比較的高い
流動化空気圧力を必要とする。
【０００６】これらの欠点を克服するために、分離器か
ら延長する垂直ディップレッグと、この垂直レッグの出
口を炉区域へと接続する垂直レッグとを含む「Ｌバル
ブ」が発明された。米国特許第４，７０９，６６２号に
は外部熱交換器の出口を炉の入口に接続するＬバルブが
開示される。このＬバルブは、固体材料が堆積して圧力
シールを提供する材料のヘッドを形成する垂直レッグを
有する。Ｌバルブは排出可能、つまりシャットダウン等
の間にバルブから固体を除去することができるという利
点を享受するが、これにも問題がないわけではない。例
えば、シール高さがバルブを渡っての圧力差に直接等し
くなく、バルブが炉からの背圧サージに非常に感応性が
ある。また、Ｌバルブ中の最低流動化空気圧力を維持す
るためには、通常追加のファンが必要となる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、炉と分離器との間に改良された圧力シールを有する
流動床燃焼装置及び方法を提供することにある。
【０００８】本発明の別の目的は、排出可能なバルブに
よって圧力シールが達成される上記の形式の流動床燃焼
装置及び方法を提供することにある。
【０００９】本発明の更に別の目的は、バルブが比較的
低い流動化空気圧力で操作し、追加のファンを必要とし
ない上記の形式の流動床燃焼装置及び方法を提供するこ
とにある。
【００１０】本発明の更に別の目的は、バルブが炉から
の背圧サージに比較的非感応性である上記の形式の流動
床燃焼装置及び方法を提供することにある。
【００１１】本発明の更に別の目的は、上記の形式の圧
力シールバルブを提供することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】これら及び他の目的を達
成するために、分離器が煙道ガスと炉内の流動床からの
同伴粒状材料との混合物を受理し、煙道ガスから粒状材
料を分離する流動床燃焼装置が提供される。圧力シール
バルブは、分離器から炉へと分離材料を通過させるため
に、分離器の出口を炉に接続する。バルブは排出可能で
あり、そのシール高さは装置を渡っての圧力降下に正比
例し、炉からの背圧サージを吸収する。
【００１３】以下、本発明の構成を列挙する。
【００１４】１．流動床燃焼装置であって、該装置は、
炉と、該炉内に可燃性粒状材料の流動床を確立するため
の手段と、煙道ガスと前記炉内の前記流動床からの同伴
粒状材料との混合物を受理し、該煙道ガスから該粒状材
料を分離するための分離手段と、前記分離粒状材料を受
理するために前記分離手段から延長する第一ダクト手段
と、該第一ダクト手段を前記炉へと接続する第二ダクト
手段とを含み、それにより前記粒状材料が前記第一ダク
ト手段中に堆積し、前記炉から前記分離手段への前記分
離粒状材料の逆流を防ぐための圧力シールが確立し、前
記装置はさらに、それぞれ前記炉からの圧力変動を低下
させ、前記第二ダクト手段中の分離粒状材料の流れを促
進するために、前記第二ダクト手段中に比較的濃密な流
動床と比較的希薄な流動床とを確立するための手段を含
む流動床燃焼装置。
【００１５】２．前記第一ダクト手段が実質的に垂直な
ダクトを含み、前記第二ダクト手段が実質的に水平なダ
クトを含む、上記１に記載の装置。
【００１６】３．前記第二ダクト手段中に前記比較的濃
密な流動床と前記比較的希薄な流動床とを確立するため
の前記手段が、前記第二ダクト手段の二つの部分内へと
空気を導入するための手段を含む、上記１又は２に記載
の装置。
【００１７】４．前記空気導入手段が、それぞれ二つの
異なる速度において前記第二ダクト手段の二つの部分内
へと空気を導入する、上記３に記載の装置。
【００１８】５．前記比較的濃密な流動床が、前記分離
手段に隣接して位置され、前記炉からの圧力変動を低下
させる、上記４に記載の装置。
【００１９】６．前記比較的希薄な流動床が、前記炉に
隣接して位置され、前記炉への粒状材料の前記流れを促
進する、上記４に記載の装置。
【００２０】７．前記空気導入手段が、前記炉に向かう
方向に増加する速度で、前記希薄な流動床中へと空気を
導入し、それにより前記他の部分内の前記希薄な床が前
記方向において更に希薄となって前記流れを促進する、
上記６に記載の装置。
【００２１】８．前記第二ダクト手段の少くとも一部の
断面積が、前記炉に向かう方向に増加して前記流れを促
進する、上記６に記載の装置。
【００２２】９．前記空気が前記第二ダクト手段の前記
二つの部分中の前記分離粒状材料を流動化する、上記３
に記載の装置。
【００２３】10．前記第二ダクト手段から前記分離粒状
材料を受理し、前記分離粒状材料から熱を除去し、前記
分離粒状材料を前記炉へと通過させるための、前記第二
ダクト手段と前記炉との間に延長する熱交換手段をさら
に含む、上記１に記載の装置。
【００２４】11．燃焼方法であって、該燃焼方法は、炉
内に可燃性粒状材料の流動床を確立する工程と、煙道ガ
スと同伴粒状材料との混合物を形成するために前記炉内
で前記粒状材料を燃焼させる工程と、前記混合物を前記
炉から通過させる工程と、前記煙道ガスから前記粒状材
料を分離する工程と、前記分離粒状材料を第一ダクト内
へと通過させる工程と、前記分離粒状材料を前記第一ダ
クトから第二ダクトへと通過させる工程と、分離粒状材
料を前記第二ダクトから前記炉へと通過させる工程とを
含み、前記第一ダクトは、前記炉からの前記分離粒状材
料の逆流を防ぐために、圧力シールを確立し、前記方法
は更に、それぞれ前記炉からの圧力変動を低下させ、前
記第二ダクト中の前記分離粒状材料の流れを促進するた
めに、前記第二ダクト中に比較的濃密な流動床と比較的
希薄な流動床とを確立する工程を含む燃焼方法。
【００２５】12．前記第一ダクトが実質的に垂直に延長
し、前記第二ダクトが実質的に水平に延長する、上記１
１に記載の方法。
【００２６】13．前記第二ダクト内に比較的濃密な流動
床と比較的希薄な流動床とを確立する前記工程が、前記
第二ダクトの二つの部分内へ空気を導入する工程を含
む、上記１１または１２に記載の方法。
【００２７】14．前記空気が二つの異なる速度で前記第
二ダクトの二つの部分内へと導入される、上記１３に記
載の方法。
【００２８】15．前記空気導入手段が、前記炉に向かう
方向に増加する速度で前記希薄な流動床中に空気を導入
し、それにより前記希薄な床が前記方向に向かってより
希薄になって、前記流れを促進する、上記１３に記載の
方法。
【００２９】16．前記第二ダクトの少くとも一部の断面
積が、前記炉へ向かう方向に増加し、前記流れを促進す
る、上記１５に記載の方法。
【００３０】17．前記空気が、前記ダクト中の前記分離
粒状材料を流動化する、上記１３に記載の方法。
【００３１】18．前記分離粒状材料を前記炉へと通過さ
せる工程の前に、前記分離粒状材料から熱を除去する工
程を更に含む、上記１１に記載の方法。
【００３２】
【実施例】蒸気発生のために使用される本発明の流動床
燃焼装置を図面に示す。この装置は、参照番号１０で一
般的に示される直立水冷炉を含み、該炉は、前壁１２、
後壁１４、及び二つの側壁１６ａ及び１６ｂ（図２）を
有する。炉１０の上方部分は屋根１８によって包囲さ
れ、下方部分はフロアー２０を含む。
【００３３】穿孔板つまり格子２２は炉１０の下方部分
を横切って延長し、且つフロアー２０に平行に延長し
て、空気プレナム２４を規定する。プレナム２４はダク
ト２６から空気を受理し、該ダクト２６は順に空気の源
（図示せず）に接続される。複数の垂直ノズル２８は板
２２から上方に延長し、板の穿孔と整合して、プレナム
２４から炉区域１０内へと空気を分配する。
【００３４】炉１０内に粒状燃料材料を導入するため
に、前壁１２に隣接して供給器装置（図示せず）を設け
ることが理解される。石灰石等の粒状の吸着剤もまた同
様の態様にて炉１０内に導入することができる。粒状燃
料及び吸着剤材料は、プレナム２４からの空気が板２２
を通って上方に通過する際に流動化される。この空気
は、燃焼ガスを発生する燃料の燃焼を促進し、結果とし
て得られる燃焼ガスと空気との混合物（以下包括的に
「煙道ガス」と称する）は対流によって炉１０中を上昇
して、以下に説明するように粒状材料の一部を同伴す
る。
【００３５】炉１０に隣接してサイクロン分離器３０が
配置され、炉１０の後壁１４に設けられた出口開口１４
ａから、分離器３０の壁に設けられた入口開口３０ａへ
と、ダクト３２が延長する。このように分離器３０は炉
１０から煙道ガス及び同伴粒状材料を受理し、慣用の態
様にて操作して、分離器内に創生される遠心力によって
煙道ガスから粒状材料を分離する。
【００３６】分離器３０内の分離された煙道ガスは、実
質的に固体を含まず、分離器から垂直ダクト３４へと通
過し、該ダクトは分離された煙道ガスを受理するために
分離器内に延長する部分と、煙道ガスを更に処理するた
めに熱回収区域（図示せず）へと通過させるために分離
器から突出する部分とを有する。
【００３７】ホッパー区域３０ａは、分離器の下方部分
から延長し、炉区域１０のフロアー２０のレベルまで下
方に延長するディップレッグ３６に接続される。図１及
び図２に示されるように、ダクト４０は、ディップレッ
グ３６の下方部分を後壁１４の下方部分の開口１４ｂに
接続する。ダクト４０は、板２２の延長部分２２ａと、
炉後壁１４をディップレッグ３６の前壁３６ａに接続す
る板４１と、二つの側壁４１ａ及び４１ｂ（図２）とに
よって形成される。ダクト４０はこのようにディップレ
ッグ３６から炉１０へと分離固体を搬送し、且つ以下に
説明する態様にて炉からディップレッグ３６への固体の
逆流を防ぐように機能する。
【００３８】フロアー４２は、板２２の延長部分２２ａ
の下方に且つこれに平行に延長してプレナムを形成し、
このプレナムは、垂直隔壁４６によって二つの区域４４
ａと４４ｂとに分割される。プレナム区域４４ａ及び４
４ｂは、それぞれ二つのダクト４８ａ及び４８ｂから空
気を受理し、これら二つのダクトは、次に前述の空気源
へと接続される。複数の垂直ノズル５０が板延長部分２
２ａから上方に延長して、この板の穿孔と整合し、プレ
ナム区域４４ａ及び４４ｂからダクト４０内へと空気を
導入する。
【００３９】図４により良く示されるように、板４１
は、ディップレッグ３６の前壁３６ａから壁１４に向か
って下方に、更にこの壁に向かって上方に湾曲し、ダク
ト４０を二つの区域４０ａと４０ｂとに分割するくびれ
部を形成する。板４１の上方湾曲部分のために、ダクト
４０の断面積は、以下に説明する理由のために炉１０に
向かう方向に増加する。
【００４０】図２及び図３に示されるように、前壁１
２、後壁１４、側壁１６ａ及び１６ｂ、並びにディップ
レッグ３６（及び分離器３０）を規定する壁、及びダク
ト４０のすべては、複数の離隔管によって形成され、該
管は、その直径方向対向部分から延長する連続するフィ
ンを有し、慣用の態様にて気密膜を形成する。（管の直
径は、図２及び図３において表示の便宜上誇張してあ
る。）炉１０から粒状材料を排出するために、必要によ
りドレンパイプ等を板２２に関連させてもよいことが理
解される。また、蒸気ドラム（図示せず）を前述の種々
の水管壁の端部に配置される複数のヘッダーと共に設け
てもよく、これらは下降管、水管等と共に、前述の水管
壁を含む蒸気及び水の流れ回路を確立する。よって、こ
の流れ回路中に所定シーケンスで水を通し、水を蒸気に
転化して、炉１０内における粒状燃料材料の燃焼により
発生する熱によって蒸気を加熱する。
【００４１】操作において、粒状燃料材料及び粒状吸着
剤材料を炉１０内に導入する。外部源からの空気を、空
気が炉１０内の粒子を流動化するのに十分な量及び速度
でノズル２８中を通過するように、十分な圧力でプレナ
ム２４内に導入する。
【００４２】着火バーナー（図示せず）等を設けて燃料
材料を着火し、その後燃料材料は炉１０内の熱により自
己燃焼する。よって燃料粒子と吸着剤粒子との均一な混
合物が、燃焼及び反応の種々の段階において、炉１０内
に形成されるが、この混合物を以下「粒状材料」と称す
る。
【００４３】煙道ガスは炉１０中を上方に通過し、粒状
材料の一部を同伴つまり浄化する。炉１０の下方部分に
濃密床が形成され、上方部分に循環流動床が形成され
る、つまり粒状材料の実質的な同伴つまり浄化が達成さ
れる程度まで粒状材料が流動化されるように、炉１０内
に導入される粒状材料の量、及び炉の内部に導入される
空気の量が、粒状材料の寸法に従って確立される。よっ
て粒状材料の密度は、炉１０の下方部分においては比較
的高く、炉の長さに渡って高くなるとともに減少し、炉
の上方部分においては実質的に一定で比較的低い。この
技術は、本出願人に譲渡された米国特許第４，８０９，
６２３号及び第４，８０９，６２５号により詳細に開示
され、これらは参照によって本出願に組み込まれる。
【００４４】炉１０の上方部分内に通される煙道ガス
は、実質的に粒状材料で飽和され、後壁１４の上方部分
の出口開口１４ａ及びダクト３２内、そしてサイクロン
分離器３０の入口開口３０ａ内へと通過する。
【００４５】分離器３０において、煙道ガスから粒状材
料が分離され、該ガスは分離器３０からダクト３４を経
て熱回収領域等へ通過する。分離器３０からの分離粒状
材料は、ホッパー区域３０ａ中を下方に、そしてディッ
プレッグ３６内へと通過し、そこでディップレッグの下
方部分に堆積して、ダクト４０内へと通過する。ダクト
４８ａ及び４８ｂを経て、それぞれプレナム区域４４ａ
及び４４ｂ内へ、そしてダクト４０中のノズル５０へと
流動化空気が導入され、ダクト４０内の粒状材料を流動
化する。ダクト区域４０ａ内に比較的希薄な流動床が形
成され、ダクト区域４０ｂ内に比較的濃密な流動床が形
成され、ダクト４０のくびれ部が二つの床の間のバッフ
ルとして機能するように、プレナム区域４４ａ内へ導入
される空気の速度は、区域４４ｂ内に導入される空気の
速度よりも早い。更に、ダクト部分４０ａ中のノズル２
８からの空気排出速度は、ダクト部分４０ｂ中の比較的
濃密な床から炉１０に向かって速度が徐々に増加するよ
うに調節される。
【００４６】ディップレッグ３６中に堆積する粒状材料
のレベルによって圧力ヘッドが形成され、炉１０からダ
クト４０を通って分離器３０への粒状材料の逆流を防ぐ
のに十分な圧力シールが確立される。粒状材料の高さ
が、炉から分離器への圧力降下に対応し、これと共に変
化するように、設計がなされる。
【００４７】圧力シールより下流のダクト区域４０ａ中
の比較的希薄な床は、炉１０からの圧力パルスを吸収
し、摩擦損失を補って、ディップレッグ３６から炉１０
への粒状材料の流れを促進し、一方ダクト区域４０ｂ中
の比較的濃密な床は、圧力変動を低下させる。ダクト４
０の炉１０に向かって断面積が増加する部分は、より膨
張した固体／ガス混合物を収容し、ダクト区域４０ａ及
び４０ｂ中の床の高さは、炉１０中の濃密床の高さと実
質的に等しい。
【００４８】上述の流れ回路中に所定シーケンスで給水
が導入されて循環し、給水は蒸気に転化され、蒸気は再
熱及び過熱される。
【００４９】図５の実施例は、図１−４の実施例の部品
のいくつかと同一の部品を含み、これらの部品は同一の
参照番号で示され、詳細には説明されない。図５の実施
例によれば、参照番号６０で一般的に示される外部熱交
換器は、炉１０とダクト４０との間に延長する。炉１０
の後壁１４の下方部分は、熱交換器６０の前壁を形成
し、壁６２がこの後壁部分と離隔関係において配置され
て熱交換器６０の後壁を形成する。水平屋根６３は壁１
４と６２とを接続し、炉１０のフロアー２０の延長部分
２０ａは熱交換器６０のフロアーを形成する。炉１０の
板２２もまた、参照番号２２ａで示されるように延長
し、フロアー延長部分２０ａと板延長部分２２ａとの間
にプレナム６４を形成する。プレナム６４はダクト６８
から空気を受理し、このダクト６８は次に外部空気源
（図示せず）に接続されるが、この源はプレナム２４並
びにプレナム区域４４ａ及び４４ｂに供給する源と同一
のものであってもよい。
【００５０】プレナム６４からの空気を熱交換器６０内
に分配するために、複数の垂直ノズル６８が板延長部分
２２ａから上方に延長し、板の穿孔と整合する。（ダク
ト４０の下方に延長するプレナム区域４４ａ及び４４ｂ
は、プレナム区域２４及び６４よりも高いレベルに位置
され、先の実施例におけるようにフロアー２０の延長部
分及び板２２の延長部によってではなく、別個の板区域
及びフロアー区域によって形成されることに留意される
べきである。）熱交換器６０の後壁６２の両端部の略中
間に開口６２ａが形成され、ダクト４０の出口端部と整
合する。後壁１４の下方部分には開口１４ｃが形成さ
れ、熱交換器６０の内部と炉１０の内部とを接続する。
【００５１】熱交換器６０内に導入される分離粒状材料
と熱交換関係において冷却流体を通過させるために、熱
交換器６０内に一つ以上の熱交換管群等（図示せず）を
設け、上記の流体回路に接続することができることが理
解される。熱交換器６０の詳細は、本出願人に譲渡され
た米国特許第５，０６９，１７０号、第５，０６９，１
７１号、及び第５，１４０，９５０号に開示され、これ
らは参照によって本明細書に組み込まれる。
【００５２】図５の実施例の操作は、ディップレッグ３
６からの分離粒状材料が上述の態様にてダクト４０中を
流れ、次に壁６２の開口６２ａを通って熱交換器６０の
内部に流入するという点以外は、図１−４の実施例のも
のと同様である。粒状材料は、熱交換器６０内で冷却さ
れる一方、最後に引用した三つの特許に開示されるよう
に、ノズル６８によって熱交換器６０の内部へと導入さ
れる空気によって流動化される。冷却された粒状材料は
次に開口１４ｃを通って炉１０内へと戻って流れる。開
口１４ｃ及び６２ａの位置は、炉区域１０内の濃密粒状
材料の高さが、熱交換器６０及びダクト４０内の材料の
高さと実質的に等しくなるようになっている。それ以外
は、図５の実施例の操作は図１−４のものと同一であ
る。
【００５３】本発明の二つの実施例の装置にはいくつか
の利点がある。例えば、ダクト４０及びディップレッグ
３６は炉から分離器への粒状材料の逆流を防ぐ非機械的
圧力シールを創生する。また、ダクト４０のくびれ部に
より、ダクト内に比較的濃密な床と比較的希薄な床とが
形成されて、それにより圧力シールが確立される一方、
ディップレッグから炉１０への粒状材料の流れが許容さ
れる。ダクト部分４０ａ中の比較的希薄な床中へ導入さ
れる空気速度の増加、並びに該ダクト部分の炉１０に向
かって増加する断面積により、炉１０への粒状材料の流
れが促進される。また、ダクト４０は排出可能であり、
創生されたバルブは炉からの背圧サージに対して感応性
ではない。更に、ダクト区域４０ａ及び４０ｂにおいて
流動化速度を創生するために追加のファンを必要としな
い。
【００５４】他の改変、変更及び置換が前述の開示に意
図され、発明のいくつかの特徴が他の対応する特徴を使
用することなく用いられることがある。従って、添付請
求項は、広く、発明の範囲に合致した態様にて解釈され
ることが適当である。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明の装置の概略図である。
【図２】図２は図１の２−２線に沿った断面図である。
【図３】図３は図２の３−３線に沿った拡大断面図であ
る。
【図４】図４は図１の装置の一部拡大図である。
【図５】図５は本発明の別の実施態様を示す図１と同様
の図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−78805（ＪＰ，Ａ) 米国特許4165717（ＵＳ，Ａ) 米国特許4709663（ＵＳ，Ａ) 米国特許4860694（ＵＳ，Ａ) 米国特許5040492（ＵＳ，Ａ) 米国特許5347954（ＵＳ，Ａ)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 流動床燃焼装置であって、該装置は、炉
    と、当該炉内に可燃性粒状材料の流動床を確立するため
    の手段と、煙道ガスと前記炉の前記流動床からの同伴粒
    状材料との混合物を受理し、当該煙道ガスから前記粒状
    材料を分離するための分離手段と、分離した前記粒状材
    料を受理するために前記分離手段から延長する第一ダク
    ト手段と、当該第一ダクト手段を前記炉に接続する第二
    ダクト手段とを含み、それにより前記粒状材料が前記第
    一ダクト手段中に堆積し、前記炉から前記分離手段への
    前記分離粒状材料の逆流を防ぐための圧力シールが確立
    し、前記装置はさらにそれぞれ前記炉からの圧力変動を
    低下させ、前記第二ダクト手段中の分離粒状材料の流れ
    を促進するために、前記第二ダクト手段中に比較的濃密
    度な流動床と比較的希薄な流動床とを確立するための手
    段を含み、前記流れを促進し、より多くの膨張した固体
    と気体との混合物を堆積させるために、前記第二ダクト
    手段の少くとも一部は、前記炉の方向に向かってその断
    面積が増加した流動床燃焼装置。
  2. 【請求項２】 燃焼方法であって、該方法は、炉内に可
    燃性粒状材料の流動床を確立する工程と、煙道ガスと同
    伴粒状材料との混合物を形成するために前記炉内で前記
    粒状材料を燃焼させる工程と、前記混合物を前記炉から
    通過させる工程と、前記煙道ガスから前記粒状材料を分
    離する工程と、前記分離粒状材料を第一ダクト内へと通
    過させる工程と、前記分離粒状材料を前記第二ダクトか
    ら前記炉へと通過させる工程とを含み、前記第一ダクト
    は、前記炉からの前記分離粒状材料の逆流を防ぐため
    に、圧力シールを確立し、前記方法は更に、それぞれの
    前記炉からの圧力変動を低下させ、前記第二ダクト中の
    前記分離粒状材料の流れを促進するために、前記第二ダ
    クト中に比較的濃密な流動床と比較的希薄な流動床とを
    確立する工程と、前記炉の方向において前記希薄な流動
    床に導入される前記空気の速度を増加させて、前記流れ
    を促進するために前記方向において前記希薄な流動床が
    より希薄となるようにする工程とからなる燃焼方法。
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