JP2713725B2 - エチレンジアミン化合物−鉄錯体 - Google Patents
エチレンジアミン化合物−鉄錯体Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエチレンジアミン化合物−鉄錯体に関し、詳
細には活性酸素消去作用を有するエチレンジアミン化合
物−鉄錯体ならびに該錯体を有効成分とする活性酸素消
去剤に関する。
細には活性酸素消去作用を有するエチレンジアミン化合
物−鉄錯体ならびに該錯体を有効成分とする活性酸素消
去剤に関する。
(従来の技術と問題点) 活性酸素(active oxygen)と呼ばれるものには、ス
ーパーオキサイドラジカル ヒドロキシルラジカル(・OH)、一重項酸素(1O2)お
よび過酸化水素(H2O2)の4種が包含され、これら活性
酸素は生体内の多くの酸化反応の中間代謝物として常時
産生されている。そして特にこれら活性酸素自体は、酸
化および還元の両作用を有する非常に反応性に富んだ活
性種であるため、脂質過酸化反応の促進や、核酸及び酵
素の変性等によって細胞の正常な機能維持に極めて有害
な作用を及ぼしたり、また放射線障害、炎症、癌などの
原因物質の1つとして、生体内において重要な役割を果
していることも知られている。
ーパーオキサイドラジカル ヒドロキシルラジカル(・OH)、一重項酸素(1O2)お
よび過酸化水素(H2O2)の4種が包含され、これら活性
酸素は生体内の多くの酸化反応の中間代謝物として常時
産生されている。そして特にこれら活性酸素自体は、酸
化および還元の両作用を有する非常に反応性に富んだ活
性種であるため、脂質過酸化反応の促進や、核酸及び酵
素の変性等によって細胞の正常な機能維持に極めて有害
な作用を及ぼしたり、また放射線障害、炎症、癌などの
原因物質の1つとして、生体内において重要な役割を果
していることも知られている。
上記の4種の活性酸素のなかでも、特にヒドロキシラ
ジカル(・OH)は、不安定で短い寿命であるにもかかわ
らず、その激しい反応性のため種々の毒性発現の原因物
質となっている。そして生体内におけるこのヒドロキシ
ラジカルの生成は、次式に示すFe−catalyzed Haber−W
eiss Reaction(鉄触媒ハーバーバイス反応)によるも
のと考えられている。
ジカル(・OH)は、不安定で短い寿命であるにもかかわ
らず、その激しい反応性のため種々の毒性発現の原因物
質となっている。そして生体内におけるこのヒドロキシ
ラジカルの生成は、次式に示すFe−catalyzed Haber−W
eiss Reaction(鉄触媒ハーバーバイス反応)によるも
のと考えられている。
ところで生体内から、上述の如き有害物質とされる活
性酸素種を除く方法としては、従来スーパーオキサイド
ラジカル の不均化を触媒するSOD(スーパーオキサイドジスムタ
ーゼ)酵素あるいはSOD様活性物質の検討が種々行なわ
れている(上記反応式)。そしてある種の化合物につ
いては、活性酸素種に起因する各種の症状、例えば炎症
性疾患(慢性リウマチ、膠原病など)、慢性型皮膚病、
動脈硬化症、薬物中毒症、放射線障害、紫外線障害(日
焼け)等に応用されてきてはいるが、安定性、製剤化の
面から種々の問題点を有しており、いまだ商品化に成功
しているものはない。
性酸素種を除く方法としては、従来スーパーオキサイド
ラジカル の不均化を触媒するSOD(スーパーオキサイドジスムタ
ーゼ)酵素あるいはSOD様活性物質の検討が種々行なわ
れている(上記反応式)。そしてある種の化合物につ
いては、活性酸素種に起因する各種の症状、例えば炎症
性疾患(慢性リウマチ、膠原病など)、慢性型皮膚病、
動脈硬化症、薬物中毒症、放射線障害、紫外線障害(日
焼け)等に応用されてきてはいるが、安定性、製剤化の
面から種々の問題点を有しており、いまだ商品化に成功
しているものはない。
そこで本発明者らは先に、生体内における活性酸素、
特に最強の反応性を有するヒドロキシラジカル(・OH)
の消去に役立つ物質を見出すことができれば、上述の各
疾患に対する有効な治療剤となり得るものと考え、該ヒ
ドロキシラジカルの消去系の開発に検討を加えた。
特に最強の反応性を有するヒドロキシラジカル(・OH)
の消去に役立つ物質を見出すことができれば、上述の各
疾患に対する有効な治療剤となり得るものと考え、該ヒ
ドロキシラジカルの消去系の開発に検討を加えた。
すなわち、一般に下式で示される無触媒−Harber−
Weiss反応: は非常に遅い反応であり、生体内においてはほとんど意
味をもたないものと考えられている。そこで生体防御の
観点からみれば、生体におけるヒドロキシラジカル(・
OH)生成の阻害は、前述のFe−catalyzed Harber−Weis
s反応を無触媒のHarber−Weiss反応とするべく鉄を除去
することにより達成できることになるという考え方に基
づくものである。
Weiss反応: は非常に遅い反応であり、生体内においてはほとんど意
味をもたないものと考えられている。そこで生体防御の
観点からみれば、生体におけるヒドロキシラジカル(・
OH)生成の阻害は、前述のFe−catalyzed Harber−Weis
s反応を無触媒のHarber−Weiss反応とするべく鉄を除去
することにより達成できることになるという考え方に基
づくものである。
その結果、ある種のエチレンジアミン系化合物が生体
内において金属錯体、すなわちFe3+−キレート化合物を
形成することにより、前述のFe−catalyzed Harber−We
iss反応を阻害し、結果としてヒドロキシラジカルの生
成が阻害されることを確認し、これら化合物が有望な活
性酸素消去剤となることを新規に見出し、特許出願を完
了している(特願昭62−222005号)。
内において金属錯体、すなわちFe3+−キレート化合物を
形成することにより、前述のFe−catalyzed Harber−We
iss反応を阻害し、結果としてヒドロキシラジカルの生
成が阻害されることを確認し、これら化合物が有望な活
性酸素消去剤となることを新規に見出し、特許出願を完
了している(特願昭62−222005号)。
一方、活性酸素種の一種であるスーパーオキサイドラ
ジカル の除去方法としては、上記した如く該 の不均化を触媒するSOD酵素が知られている(上記反応
式)。この場合のSOD酵素は、その発生起源によりそ
れぞれ分子量の異なる銅、亜鉛−SOD(Cu,Zn−SOD)、
マンガン−SOD(Mn−SOD)あるいは鉄−SOD(Fe−SOD)
として存在し、いわゆる金属錯体の形態で捕捉されてい
る。したがって、先に本発明者らが提案したエチレンジ
アミン系化合物を金属錯体とした場合には、エチレンジ
アミン系化合物自体が有するヒドロキシラジカルの生成
阻害とは異なり、スーパーオキサイドラジカルを直接的
に不均化するSOD活性が存在するものと考えられる。
ジカル の除去方法としては、上記した如く該 の不均化を触媒するSOD酵素が知られている(上記反応
式)。この場合のSOD酵素は、その発生起源によりそ
れぞれ分子量の異なる銅、亜鉛−SOD(Cu,Zn−SOD)、
マンガン−SOD(Mn−SOD)あるいは鉄−SOD(Fe−SOD)
として存在し、いわゆる金属錯体の形態で捕捉されてい
る。したがって、先に本発明者らが提案したエチレンジ
アミン系化合物を金属錯体とした場合には、エチレンジ
アミン系化合物自体が有するヒドロキシラジカルの生成
阻害とは異なり、スーパーオキサイドラジカルを直接的
に不均化するSOD活性が存在するものと考えられる。
そこで本発明者らは、これらエチレンジアミン系化合
物について金属錯体、特に鉄錯体を生成させ、その各種
SOD特性を測定したところ、優れた効果を示すことを確
認し、その結果本発明を完成した。したがって本発明
は、活性酸素消去作用を有するエチレンジアミン系化合
物−鉄錯体を提供するものである。
物について金属錯体、特に鉄錯体を生成させ、その各種
SOD特性を測定したところ、優れた効果を示すことを確
認し、その結果本発明を完成した。したがって本発明
は、活性酸素消去作用を有するエチレンジアミン系化合
物−鉄錯体を提供するものである。
さらに本発明者らは、これらエチレンジアミン系化合
物−鉄錯体の実際の適用に際しDDS(ドラッグデリバリ
ーシステム:薬物送達システム)を応用し、これら化合
物を例えば脂肪小球子(リピッドマイクロスフェアー)
中に封入してやれば、所望の細胞部位、例えば炎症部位
にのみ選択的に移送され、その場で炎症の原因となる活
性酸素を消去し、有効な原因療法の確率が行ない得るも
のと考え検討を加え、その結果本発明を完成するに至っ
た。
物−鉄錯体の実際の適用に際しDDS(ドラッグデリバリ
ーシステム:薬物送達システム)を応用し、これら化合
物を例えば脂肪小球子(リピッドマイクロスフェアー)
中に封入してやれば、所望の細胞部位、例えば炎症部位
にのみ選択的に移送され、その場で炎症の原因となる活
性酸素を消去し、有効な原因療法の確率が行ない得るも
のと考え検討を加え、その結果本発明を完成するに至っ
た。
(発明の構成) すなわち本発明は、エチレンジアミン化合物−鉄錯体
に関し、具体的には次式: で示されるトリス[2−(2−ピリジルメチル)アミノ
エチル]アミン−鉄錯体、または で示されるN,N,N′,N′−テトラキス(2−ピリジルメ
チル)−1,2−エタンジアミン−鉄錯体を提供するもの
である。
に関し、具体的には次式: で示されるトリス[2−(2−ピリジルメチル)アミノ
エチル]アミン−鉄錯体、または で示されるN,N,N′,N′−テトラキス(2−ピリジルメ
チル)−1,2−エタンジアミン−鉄錯体を提供するもの
である。
また本発明は、上記各式で示されるエチレンジアミン
化合物−鉄錯体を有効成分として含有する活性酸素消去
剤を提供するものでもある。
化合物−鉄錯体を有効成分として含有する活性酸素消去
剤を提供するものでもある。
本発明で提供されるエチレンジアミン化合物−鉄錯体
は、それ自体文献未記載の新規錯体であり、これら化合
物が活性酸素消去機能を有していることは全く知られて
いなかったものである。
は、それ自体文献未記載の新規錯体であり、これら化合
物が活性酸素消去機能を有していることは全く知られて
いなかったものである。
(作用) 本発明で提供されるエチレンジアミン化合物−鉄錯体
はその化学式を下記の如く: 註:カッコ内は錯体の略号を表わす。
はその化学式を下記の如く: 註:カッコ内は錯体の略号を表わす。
示すことができるが、該錯体を構成するエチレンジアミ
ン化合物、すなわち、トリス[2−(2−ピリジルメチ
ル)アミノエチル]アミン(TPAA)およびN,N,N′,N′
−テトラキス(2−ピリジルメチル)−1,2−エタンジ
アミン(TPEN)はそれぞれ以下の構造式を有するもので
ある。
ン化合物、すなわち、トリス[2−(2−ピリジルメチ
ル)アミノエチル]アミン(TPAA)およびN,N,N′,N′
−テトラキス(2−ピリジルメチル)−1,2−エタンジ
アミン(TPEN)はそれぞれ以下の構造式を有するもので
ある。
そして、本発明で提供する鉄錯体、すなわちFe−TPAA
およびFe−TPENは、それぞれ1モルのエチレンジアミン
化合物中の窒素原子と鉄イオン1モルとが、キレート結
合を形成し、相当する1:1の錯体となっているものと確
認された(後記実施例参照)。
およびFe−TPENは、それぞれ1モルのエチレンジアミン
化合物中の窒素原子と鉄イオン1モルとが、キレート結
合を形成し、相当する1:1の錯体となっているものと確
認された(後記実施例参照)。
本発明はまたこれら錯体の少なくとも1種を有効成分
として含有する活性酸素消去剤を提供するものであり、
該消去剤はこれら錯体以外さらに本発明の目的を阻害し
ない限り任意の成分を含有することができる。
として含有する活性酸素消去剤を提供するものであり、
該消去剤はこれら錯体以外さらに本発明の目的を阻害し
ない限り任意の成分を含有することができる。
しかしながら活性酸素消去活性を考慮した場合、本発
明の製剤化にあってはDDSを応用したものが好ましく、
そのなかでも脂肪乳剤とするのが好ましい。例えば、こ
れら錯体を大豆油、ゴマ油、オリーブ油等の植物油に溶
解し、大豆リン脂質、卵黄リン脂質とともに水中油型の
マイクロエマルジョンを作成し、該エマルジョンを構成
するリピッドマイクロスフェアー中に封入した脂肪乳剤
とすることができる。
明の製剤化にあってはDDSを応用したものが好ましく、
そのなかでも脂肪乳剤とするのが好ましい。例えば、こ
れら錯体を大豆油、ゴマ油、オリーブ油等の植物油に溶
解し、大豆リン脂質、卵黄リン脂質とともに水中油型の
マイクロエマルジョンを作成し、該エマルジョンを構成
するリピッドマイクロスフェアー中に封入した脂肪乳剤
とすることができる。
(実施例) 次に本発明のエチレンジアミン化合物−鉄錯体の製造
例およびその活性酸素消去作用について説明する。
例およびその活性酸素消去作用について説明する。
実施例1:[Fe3+−TPAA]3Cl-の製造 (a)TPAAの製造 2−ピリジンカルボアルデヒド3当量およびトリス
(2−アミトエチル)アミン1当量を、アルゴンガス気
流下、モレキュラーシーブス存在下メタノール中で3.5
時間加熱、還流する。不溶物を除き、溶媒を留去する。
ついで残留物をメタノールに溶解し、これに水素化ホウ
素ナトリウムを少量ずつ加え撹拌する。反応終了後、溶
媒を留去し、エーテル抽出し、水洗、硫酸ナトリウム乾
燥後エーテルを留去するとTPAAが得られる。
(2−アミトエチル)アミン1当量を、アルゴンガス気
流下、モレキュラーシーブス存在下メタノール中で3.5
時間加熱、還流する。不溶物を除き、溶媒を留去する。
ついで残留物をメタノールに溶解し、これに水素化ホウ
素ナトリウムを少量ずつ加え撹拌する。反応終了後、溶
媒を留去し、エーテル抽出し、水洗、硫酸ナトリウム乾
燥後エーテルを留去するとTPAAが得られる。
Massスペクトル(m/e):420(M++1) NMRスペクトル(CDCl3)δ: 2.8(3H,s),2.95(12H,s),4.1(6H,s),7.0〜7.8(9
H,m),8.5(3H,d,d) (b)[Fe3+−TPAA]3Cl-の製造 上記(a)で製造されたTPAAを用い、塩化第二鉄との
間でメタノール溶媒中、錯体を形成させた。反応終了後
溶媒を留去し、黒色粉末状錯体を得た。錯体の形成は、
TPAAを0ミリモル(mM)より0.2mMおよびそれに対応す
る塩化第二鉄0.2mMより0mMまでを用い、それぞれの合計
が0.2mMとなるよう錯体を形成し、その580nmのUV吸収の
最大となる両者のモル比率を測定した。その結果、TPAA
0.1mMおよび塩化第二鉄0.1mMより形成される錯体[Fe3+
−TPAA]3Cl-が最大の吸光度を示し、1:1のモル比で安
定した錯体が製造された。
H,m),8.5(3H,d,d) (b)[Fe3+−TPAA]3Cl-の製造 上記(a)で製造されたTPAAを用い、塩化第二鉄との
間でメタノール溶媒中、錯体を形成させた。反応終了後
溶媒を留去し、黒色粉末状錯体を得た。錯体の形成は、
TPAAを0ミリモル(mM)より0.2mMおよびそれに対応す
る塩化第二鉄0.2mMより0mMまでを用い、それぞれの合計
が0.2mMとなるよう錯体を形成し、その580nmのUV吸収の
最大となる両者のモル比率を測定した。その結果、TPAA
0.1mMおよび塩化第二鉄0.1mMより形成される錯体[Fe3+
−TPAA]3Cl-が最大の吸光度を示し、1:1のモル比で安
定した錯体が製造された。
実施例2:[Fe2+−TPEN]SO4 -2の調整 (a)TPENの製造 2−クロロメチルピリジンおよびエチレンジアミンの
計算量をメタノール中室温下に5日間撹拌することによ
り、融点110℃の結晶として得た。
計算量をメタノール中室温下に5日間撹拌することによ
り、融点110℃の結晶として得た。
元素分析値:C26H28N6 計算値:C:73.55,H:6.65,N:19.80 実測値:C:73.81,H:6.66,N:19.77 Massスペクトル(m/e):424(M+),332,212 NMRスペクトル(CDCl3)δ: 2.9(4H,s),3.9(8H,s),7.0〜7.8(12H,m)8.5(4H,
d,d) (b)[Fe2+−TPEN]SO4 -2の製造 上記(a)で製造されたTPENをメタノール溶媒中、室
温下対応する量の硫酸第一鉄を加え、5分間撹拌し、反
応終了後、溶媒を留去後、黄色粉末状錯体を生成する。
すなわち上記(a)で得たTPENを0mMより1.0mMおよびそ
れに対応する硫酸第一鉄(FeSO4)を1.0mMより0mM用
い、それぞれの合計が1.0mMとなるよう錯体を形成し、
その416nmのUV吸収の最大となる両者のモル比率を測定
した。その結果、TPEN0.5mMおよびFeSO4 0.5mMより形成
される錯体が最大の吸光度を示し、1:1のモル比で安定
した錯体が製造された。
d,d) (b)[Fe2+−TPEN]SO4 -2の製造 上記(a)で製造されたTPENをメタノール溶媒中、室
温下対応する量の硫酸第一鉄を加え、5分間撹拌し、反
応終了後、溶媒を留去後、黄色粉末状錯体を生成する。
すなわち上記(a)で得たTPENを0mMより1.0mMおよびそ
れに対応する硫酸第一鉄(FeSO4)を1.0mMより0mM用
い、それぞれの合計が1.0mMとなるよう錯体を形成し、
その416nmのUV吸収の最大となる両者のモル比率を測定
した。その結果、TPEN0.5mMおよびFeSO4 0.5mMより形成
される錯体が最大の吸光度を示し、1:1のモル比で安定
した錯体が製造された。
実施例3: 前記実施例1および2で得たFe−TPAAおよびFe−TPEN
の、SOD不均化反応系における触媒速度定数を求めた。
の、SOD不均化反応系における触媒速度定数を求めた。
速度定数の測定は、回転ディスク電極装置を用いて行
われた。0.1Mトリス緩衝液(pH7.5)中、5×10-4Mトリ
フェニルホスフィンオキサイド存在下、飽和カロメル電
極(参照電極)に対し0〜−1.2Vまで、掃引し、その際
生じる電流値(i)を測定した。電極は水銀アマルガム
を用い、電極回転速度ω=94.25(rad・sec-1)、掃引
速度は50mV/secで行われた。Fe−TAPPあるいはFe−TPEN
が存在しない場合の電流値をid、ある濃度([試験化合
物])存在した場合の電流量をiとすると、次式が成り
立つ。
われた。0.1Mトリス緩衝液(pH7.5)中、5×10-4Mトリ
フェニルホスフィンオキサイド存在下、飽和カロメル電
極(参照電極)に対し0〜−1.2Vまで、掃引し、その際
生じる電流値(i)を測定した。電極は水銀アマルガム
を用い、電極回転速度ω=94.25(rad・sec-1)、掃引
速度は50mV/secで行われた。Fe−TAPPあるいはFe−TPEN
が存在しない場合の電流値をid、ある濃度([試験化合
物])存在した場合の電流量をiとすると、次式が成り
立つ。
A:定数,B:定数,κ:反応速度定数 ω:電極回転速度,動粘度:上記条件では30.1 得られた反応速度定数を表に示した。
実施例4:Fe−TPAAおよびFe−TPENのSOD活性 方法: 次の各溶液を作製する。
0.1mM EDTA含有の50mMリン酸緩衝液(pH7.8) (これを以下A液とする。) 0.1mMのチトクロームC含有A液 0.5mMのキサンチン含有A液 キサンチンオキシダーゼをA液で70倍希釈したXO液 セルにA液2700μl,チトクロームC含有液30μlおよ
びキサンチン含有液300μlを入れ、さらにXO液を550nm
での吸光度が1分間に0.02変化するように加え、更に下
記の各濃度を有する試験液を加え、550nmでの吸光度の
変化により、キサンチン−キサンチンンオキシダーゼ系
によるチトクロームC還元の阻害率を求めた。
びキサンチン含有液300μlを入れ、さらにXO液を550nm
での吸光度が1分間に0.02変化するように加え、更に下
記の各濃度を有する試験液を加え、550nmでの吸光度の
変化により、キサンチン−キサンチンンオキシダーゼ系
によるチトクロームC還元の阻害率を求めた。
試験化合物とその濃度: (1)Fe−TPAA:5,10,20および30μM (2)Fe−TPEN:0.25,0.5,1.0,2および3μM なお、いずれの場合も試験化合物を添加しないものを
コントロールとして行なった。
コントロールとして行なった。
結果: 阻害率は下式より求めた。
各濃度における阻害率をプロットし、第1図(Fe−TP
AA)および第2図(Fe−TPEN)に示した。
AA)および第2図(Fe−TPEN)に示した。
その結果より明白な如く、試験化合物の低濃度におい
ては用量依存的に阻害率が一次関数の直線として記録さ
れ、該結果よりキサチン−キサンチンオキシダーゼ系に
よりチトクロームC還元を50%阻害する試験化合物の濃
度を求めると以下のとおりであった。
ては用量依存的に阻害率が一次関数の直線として記録さ
れ、該結果よりキサチン−キサンチンオキシダーゼ系に
よりチトクロームC還元を50%阻害する試験化合物の濃
度を求めると以下のとおりであった。
(1)Fe−TPAA:IC50=7.5μM (2)Fe−TPEN:IC50=0.8μM in vitroでSOD様活性を有する錯体は現在までCu錯体
を中心に十数種知られているが、このIC50値からFe−TP
AA,Fe−TPENが最強の活性をもつものの一つである事が
明らかとなった。
を中心に十数種知られているが、このIC50値からFe−TP
AA,Fe−TPENが最強の活性をもつものの一つである事が
明らかとなった。
実施例5:Fe−TPAAおよびFe−TPENのスーパーオキサイド
ラジカル不均化活性に対する血清アルブミンの影響: 一般に、金属錯体は生体中では、タンパクあるいは各
種イオンにより容易にその錯体構造が変化し、in vitro
でみられた活性がin vivoでは失われる事が多い、Fe−T
PAA,Fe−TPENが生体内でも有効にその活性酸素消去活性
を保持しうるか否か検討するため代表的タンパク質であ
る血清アルブミン存在下でのSOD活性を調べた。SOD活性
は前述のキサンチン−キサンチンオキシダーゼ−チトク
ロームC法により行なわれ、IC50を1ユニットとした。
ラジカル不均化活性に対する血清アルブミンの影響: 一般に、金属錯体は生体中では、タンパクあるいは各
種イオンにより容易にその錯体構造が変化し、in vitro
でみられた活性がin vivoでは失われる事が多い、Fe−T
PAA,Fe−TPENが生体内でも有効にその活性酸素消去活性
を保持しうるか否か検討するため代表的タンパク質であ
る血清アルブミン存在下でのSOD活性を調べた。SOD活性
は前述のキサンチン−キサンチンオキシダーゼ−チトク
ロームC法により行なわれ、IC50を1ユニットとした。
方法: 次の各溶液を作製する。
0.1mM EDTA含有の50mMリン酸緩衝液(pH7.8) (これを以下A液とする。) 0.1mMのチトクロームC含有A液 0.5mMのキサンチン含有A液 キサンチンオキシダーゼをA液で70倍希釈したXO液 牛血清アルブミン(100mg/ml) セルにA液2700μl、チトクロームC含有液30μlお
よびキサンチン含有液300μlを入れ、さらにXO液を550
nmでの吸光度が1分間に0.02変化するように加える。さ
らに試験化合物Fe−TPAA、あるいはFe−TPENを550nmで
の吸光度変化がない場合に比べ50%になるように、すな
わちIC50量だけ加えておく。このSOD活性が牛血清アル
ブミンより影響をうけるか否か、0.01,0.1,0.25,0.5お
よび1.0mg/mlの用量存在下で検討された。
よびキサンチン含有液300μlを入れ、さらにXO液を550
nmでの吸光度が1分間に0.02変化するように加える。さ
らに試験化合物Fe−TPAA、あるいはFe−TPENを550nmで
の吸光度変化がない場合に比べ50%になるように、すな
わちIC50量だけ加えておく。このSOD活性が牛血清アル
ブミンより影響をうけるか否か、0.01,0.1,0.25,0.5お
よび1.0mg/mlの用量存在下で検討された。
その結果、1mg/ml存在下でもFe−TPAA,Fe−TPENのSOD
活性は全く影響をうけず、一方従来より知られている代
表的SOD活性を有する錯体Cu(DIPS)2,Cu(salicylat
e)2は0.1mg/mlの牛血清アルブミンの存在で、活性を
失う事が明らかとなった。
活性は全く影響をうけず、一方従来より知られている代
表的SOD活性を有する錯体Cu(DIPS)2,Cu(salicylat
e)2は0.1mg/mlの牛血清アルブミンの存在で、活性を
失う事が明らかとなった。
その詳細を第3図に示した。
実施例6:パラコート毒性による大腸菌(E.coli)増殖阻
害に対するFe−TPAAおよびFe−TPENの影響 除草剤として広く使用されているパラコートは、 パラコートパラコートラジカル の酸化−還元反応によりスーパーオキサイドラジカルの
産生を促進する。パラコートにより産生されたスーパー
オキサイドラジカル は、さらにヒドロキシラジカル(・OH)を生成し、これ
が高い毒性を発現することが知られている。
害に対するFe−TPAAおよびFe−TPENの影響 除草剤として広く使用されているパラコートは、 パラコートパラコートラジカル の酸化−還元反応によりスーパーオキサイドラジカルの
産生を促進する。パラコートにより産生されたスーパー
オキサイドラジカル は、さらにヒドロキシラジカル(・OH)を生成し、これ
が高い毒性を発現することが知られている。
したがって、パラコート毒性を阻害することは、結局
活性酸素の生成を阻害することになる。
活性酸素の生成を阻害することになる。
そこで、パラコート毒性により阻害されるE.coliの増
殖に本発明の化合物がどのような影響を及ぼすか観察し
た。
殖に本発明の化合物がどのような影響を及ぼすか観察し
た。
(a)Fe−TAPPの影響: 方法: 一夜培養したE.coli(109 cells/ml)600μlをボー
ゲルボナー培地(MgSO4・7H2O 0.2g,citric acid・H2O
2.0g,K2HPO4 10.0g,NaNH4HPO4・4H2O 3.5g,vitamin B12
1.0mg,グルコース5.0g,各1000ml中)20mlに加える。こ
の液に次表の濃度を有する各試験液を加え、37℃にて培
養を行い、経時的にE.coliの増殖を観察した。
ゲルボナー培地(MgSO4・7H2O 0.2g,citric acid・H2O
2.0g,K2HPO4 10.0g,NaNH4HPO4・4H2O 3.5g,vitamin B12
1.0mg,グルコース5.0g,各1000ml中)20mlに加える。こ
の液に次表の濃度を有する各試験液を加え、37℃にて培
養を行い、経時的にE.coliの増殖を観察した。
なお、E.coliの増殖は600nmによるUV吸収として行っ
た。
た。
結果: 1時間毎にその吸光度の変化を求め、15時間まで行な
い、縦軸に600nmにおける吸光度を対数で表わし、横軸
に時間をとり、第4図に示した。
い、縦軸に600nmにおける吸光度を対数で表わし、横軸
に時間をとり、第4図に示した。
その結果からも明白なごとく、Fe−TPAAはパラコート
毒性を顕著に阻害していることが判明する。
毒性を顕著に阻害していることが判明する。
(b)Fe−TPENの影響: 次の第3表に示す濃度の各試験液を使用する以外は上
記(a)と同様に行った。
記(a)と同様に行った。
結果: 1時間毎にその吸光度の変化を求め、7時間まで行
い、(a)と同様縦軸に吸光度を対数で表わし、第5図
に示した。
い、(a)と同様縦軸に吸光度を対数で表わし、第5図
に示した。
その結果からも明らかな如く、Fe−TPENは低濃度でパ
ラコート毒性を顕著にしていることが判明する。
ラコート毒性を顕著にしていることが判明する。
実施例7:パラコート毒性による大腸菌(E.coli)致死に
対するFe−TPAAおよびFe−TPENの影響 実施例6に記載した如く、パラコートより産生される
スーパーオキサイドラジカル はさらにヒドロキシラジカル(・OH)を生成し、これが
高い毒性を示す。したがって、パラコート毒性を阻害す
ることは、第一次的に産生されるスーパーオキサイドラ
ジカル の生成を阻害することになる。
対するFe−TPAAおよびFe−TPENの影響 実施例6に記載した如く、パラコートより産生される
スーパーオキサイドラジカル はさらにヒドロキシラジカル(・OH)を生成し、これが
高い毒性を示す。したがって、パラコート毒性を阻害す
ることは、第一次的に産生されるスーパーオキサイドラ
ジカル の生成を阻害することになる。
そこで本発明の化合物のパラコート毒性の阻害効果を
観察した。
観察した。
方法: 一夜培養したE.coli(109 cells/ml)100μlを、0.5
%グルコース含有1.0mMリン酸緩衝液(pH7.4)10mlに加
える。この液にPQ2+パラコート0.5mM,および試験化合物
として、Fe−TPAAは0.1mMならびに1.0mM,Fe−TPENは5.0
mMをそれぞれ加え、37℃で最大60分まで培養する。その
培養液から20分毎に計3回サンプリングし、大腸菌の生
菌数を測定する。
%グルコース含有1.0mMリン酸緩衝液(pH7.4)10mlに加
える。この液にPQ2+パラコート0.5mM,および試験化合物
として、Fe−TPAAは0.1mMならびに1.0mM,Fe−TPENは5.0
mMをそれぞれ加え、37℃で最大60分まで培養する。その
培養液から20分毎に計3回サンプリングし、大腸菌の生
菌数を測定する。
なお、大腸菌コロニー数を測定するプレートの培地
は、寒天2%,bactotrypton 1%,NaCl 4%のものを使用
した。
は、寒天2%,bactotrypton 1%,NaCl 4%のものを使用
した。
結果: 培養時間の経過に伴うE.coliの生存%をグラフ化し、
第6図にはFe−TPAAの結果を、そして第7図にはFe−TP
ENの結果を示した。
第6図にはFe−TPAAの結果を、そして第7図にはFe−TP
ENの結果を示した。
図中の結果からも明らかなとおり、本発明の錯体、Fe
−TPAAおよびFe−TPENはパラコート毒性を阻害している
ことが判明する。そのなかでもFe−TPAAおよびFe−TPEN
はパラコート毒性を阻害していることが判明する。その
なかでのFe−TPAAはFe−TPENに比較し、低濃度でパラコ
ート毒性を阻害して、顕著な活性酸素消去作用を有して
いることが理解される。
−TPAAおよびFe−TPENはパラコート毒性を阻害している
ことが判明する。そのなかでもFe−TPAAおよびFe−TPEN
はパラコート毒性を阻害していることが判明する。その
なかでのFe−TPAAはFe−TPENに比較し、低濃度でパラコ
ート毒性を阻害して、顕著な活性酸素消去作用を有して
いることが理解される。
実施例8:パラコートによる大腸菌内SOD酵素誘導に与え
るFe−TPAAの影響 栄養に富んだ培地内でパラコート存在下、大腸菌を増
殖させると、パラコートにより生じるスーパーオキサイ
ドの毒性から生体を防御するため、大腸菌はスーパーオ
キサイドラジカル を消去するSODを誘導することが知られている。Fe−TPA
Aが細胞内でSOD様作用を発現しているとしたら、このSO
D誘導はおこらないもとの考えられる。以下にこの点に
ついて検討した。
るFe−TPAAの影響 栄養に富んだ培地内でパラコート存在下、大腸菌を増
殖させると、パラコートにより生じるスーパーオキサイ
ドの毒性から生体を防御するため、大腸菌はスーパーオ
キサイドラジカル を消去するSODを誘導することが知られている。Fe−TPA
Aが細胞内でSOD様作用を発現しているとしたら、このSO
D誘導はおこらないもとの考えられる。以下にこの点に
ついて検討した。
方法: 一夜培養したE.coli(109 cells/ml)600μlを前出
のボーゲルボナー培地にイースト抽出液を加えた培養液
20mlに加える。この液に次表の濃度を有する各試験液を
加え、37℃にて8時間培養した。培養後集菌し、50mMリ
ン酸緩衝液にて洗滌後、0.1mM EDTA含有50mMリン酸緩衝
液に懸濁する。超音波細胞破砕機によりcell ly−sate
を調製し、SOD活性をキサンチン−キサンチンオキシダ
ーゼ−チトクロームC法で測定する。
のボーゲルボナー培地にイースト抽出液を加えた培養液
20mlに加える。この液に次表の濃度を有する各試験液を
加え、37℃にて8時間培養した。培養後集菌し、50mMリ
ン酸緩衝液にて洗滌後、0.1mM EDTA含有50mMリン酸緩衝
液に懸濁する。超音波細胞破砕機によりcell ly−sate
を調製し、SOD活性をキサンチン−キサンチンオキシダ
ーゼ−チトクロームC法で測定する。
結果: PQ2+のみ存在する場合にはSODは約2倍の誘導がみら
れた。一方、Fe−TPAAが0.1〜1.0mM存在することにより
PQ2+によるSODの誘導はおこらず、その酵素レベルは通
常とほとんど変化がなかった。このことはFe−TPAAが大
腸菌細胞内でSOD酵素の代りとして機能している事を示
している。
れた。一方、Fe−TPAAが0.1〜1.0mM存在することにより
PQ2+によるSODの誘導はおこらず、その酵素レベルは通
常とほとんど変化がなかった。このことはFe−TPAAが大
腸菌細胞内でSOD酵素の代りとして機能している事を示
している。
製剤実施例:脂肪乳剤 日局大豆油20gにFe−TPAA 1gを加え、加温しながら溶
解する。これに精製大豆リン脂質2.4gおよびグリセリン
5gを加え、加温しながら激しく撹拌して溶解後、適当量
の蒸留水を加えてポリトンホモジナイザーで粗乳化液を
調製する。この粗乳化液をさらにマントン−ガワリン型
ホモジナイザーにより高圧乳化させた後、蒸留水を加え
て全量を200mlにすることにより極めて微細な脂肪乳剤
を得た。
解する。これに精製大豆リン脂質2.4gおよびグリセリン
5gを加え、加温しながら激しく撹拌して溶解後、適当量
の蒸留水を加えてポリトンホモジナイザーで粗乳化液を
調製する。この粗乳化液をさらにマントン−ガワリン型
ホモジナイザーにより高圧乳化させた後、蒸留水を加え
て全量を200mlにすることにより極めて微細な脂肪乳剤
を得た。
Fe−TPAAの含有量を変化させ、同様に脂肪乳剤を得
た。
た。
なお、Fe−TPENも同様に脂肪乳剤とすることができ
た。
た。
(効果) 以上の各記載からも明らかな如く、本発明のエチレン
ジアミン化合物−鉄錯体はin vitroならびにin vivoの
両試験において良好な活性酸素消去作用を有しているこ
とが判明し、各種疾患の治療に極めて有効なものである
ことが理解される。そして、該錯体を有効成分として含
有する活性酸素消去剤、例えばその具体的な製剤の一例
としての脂肪乳剤は、DDSを応用したものであって、医
療上利用価値が多大なものであるといえる。なお、製剤
化に際して、脂肪乳剤に限定されるものでなく、他の剤
形であっても良いことはいうまでもない。
ジアミン化合物−鉄錯体はin vitroならびにin vivoの
両試験において良好な活性酸素消去作用を有しているこ
とが判明し、各種疾患の治療に極めて有効なものである
ことが理解される。そして、該錯体を有効成分として含
有する活性酸素消去剤、例えばその具体的な製剤の一例
としての脂肪乳剤は、DDSを応用したものであって、医
療上利用価値が多大なものであるといえる。なお、製剤
化に際して、脂肪乳剤に限定されるものでなく、他の剤
形であっても良いことはいうまでもない。
第1図および第2図は実施例4におけるそれぞれFe−TP
AAならびにFe−TPENの結果を示し、 第3図は実施例5の試験におけるFe−TPAAならびにFe−
TPENの効果を従来の化合物と対比し、示し、 第4図および第5図は実施例6における大腸菌の増殖に
対する本発明の錯体の結果を示し、 第6図および第7図は実施例7の大腸菌の生存率を示
し、 第8図は実施例3における試験の電流量の測定結果を示
す図である。
AAならびにFe−TPENの結果を示し、 第3図は実施例5の試験におけるFe−TPAAならびにFe−
TPENの効果を従来の化合物と対比し、示し、 第4図および第5図は実施例6における大腸菌の増殖に
対する本発明の錯体の結果を示し、 第6図および第7図は実施例7の大腸菌の生存率を示
し、 第8図は実施例3における試験の電流量の測定結果を示
す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】式: で示されるトリス[2−(2−ピリジルメチル)アミノ
エチル]アミン−鉄錯体。 - 【請求項2】式: で示されるトリス[2−(2−ピリジルメチル)アミノ
エチル]アミン−鉄錯体を有効成分として含有する活性
酸素消去剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63099322A JP2713725B2 (ja) | 1988-04-23 | 1988-04-23 | エチレンジアミン化合物−鉄錯体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63099322A JP2713725B2 (ja) | 1988-04-23 | 1988-04-23 | エチレンジアミン化合物−鉄錯体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01272568A JPH01272568A (ja) | 1989-10-31 |
JP2713725B2 true JP2713725B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=14244401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63099322A Expired - Lifetime JP2713725B2 (ja) | 1988-04-23 | 1988-04-23 | エチレンジアミン化合物−鉄錯体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2713725B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7504422B2 (en) | 2003-04-02 | 2009-03-17 | Taigen Biotechnology Co. Ltd. | Polyamine compounds |
ATE453386T1 (de) | 2003-04-02 | 2010-01-15 | Taigen Biotechnology Co Ltd | Polyamin-verbindungen zur behandlung von chemokin-rezeptor-vermittelten krankheiten |
US7501526B2 (en) | 2005-01-20 | 2009-03-10 | Taigen Biotechnology | Synthesis of polyamine compounds |
GB2563824A (en) * | 2017-06-19 | 2019-01-02 | Georg August Univ Gottingen Stiftung Oeffentlichen Rechts | Contrast agents for magnetic resonance imaging |
CN108129520A (zh) * | 2018-01-17 | 2018-06-08 | 南京理工大学 | N6型单核Fe(Ⅱ)自旋交叉配合物的β相同质多晶及其制备方法 |
CN108129521B (zh) * | 2018-01-17 | 2020-04-28 | 南京理工大学 | N6型单核Fe(Ⅱ)自旋交叉配合物的α相同质多晶及其制备方法 |
-
1988
- 1988-04-23 JP JP63099322A patent/JP2713725B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Acta Chem.Scand.,Ser.A,第A35巻、第8号、第575〜585頁 (1981年) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01272568A (ja) | 1989-10-31 |
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