JP2711920B2 - 自己掘削式加圧測定装置 - Google Patents

自己掘削式加圧測定装置

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はボーリング孔壁を利用して地盤内間隙水の採
取、間隙水圧と透水係数の測定、地盤強度と変形係数の
測定を行なう装置に係わり、特に、削孔機構と測定機構
が同時に回転可能な装置に関する。
〔従来の技術〕
従来から用いられている地盤内間隙水の採取、間隙水
圧と透水係数の測定装置は、地盤に測定装置あるいはそ
の一部を貫入してして採水、測定する方法と、ボーリン
グ孔をパッカーしてボーリング孔上下の孔内水を遮断し
て孔壁に接触あるいは圧入しない状態で採水、測定する
方法とが一般に用いられている。
このうち孔壁を各圧して地盤の強度と変形特性を求め
る計測装置は、社団法人土質工学会発光の土質調査法に
も記載されているようにボーリング孔内横方向載荷試験
機として広く用いられている。従来の装置のうち、一般
に用いられているものはボーリング後に測定管を孔内に
挿入して載荷試験を行なうプレボーリング方式と、この
方法の欠点を改良するための装置として開発された、特
公昭58−57572号公報に開示された「ボーリング孔壁を
利用して土の強度と変形特性を測定する装置」に代表さ
れる掘削しながら測定管を圧入するセルフボーリング方
式とかある。後者はベアリングを介して中空測定管は非
回転で、中空部に内蔵したビットを回転して中掘りしな
がら測定管を所定の深度に圧入して載荷試験を行なう装
置である。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術のうち圧入型の採水、間隙水圧と透水係
数の測定装置は地盤が硬質になると貫入が困難で適用で
きなくなるのが欠点である。一方、ボーリング孔を利用
するパッカー方式は削孔時に使用する循環泥水が孔内に
あること、孔壁に泥水に用いているベントナイト等が浸
透しているため測定精度が悪く、洗浄すると孔壁が崩壊
するなどの欠点があった。
また従来技術のボーリング孔横方向載荷試験装置のう
ち、プレボーリング方式は削孔後測定管を所定の深度ま
で挿入する間に孔壁が崩壊することがあること、削孔時
に孔壁が循環流体等で乱れること、削孔により原地盤に
作用している地中応力の開放による乱れなどの欠点があ
る。そしてセルフボーリング方式は中掘りしながら測定
管を圧入するので孔壁の崩壊や循環泥水と応力開放によ
る乱れはなくなるが測定装置と試験方法が複雑で故障や
測定ミスなどの問題があるほか測定管圧入荷重が大きく
貫入装置が大型になること、大きな反力が必要であるこ
と等の欠点がある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記に鑑みて従来技術のうちの次の欠点を
改良したものである。
即ち従来技術の圧入型の採水、間隙水圧と透水係数を
測定する装置に関しての欠点であった硬質地盤への適用
を可能にし、パッカー方式に関しての欠点の孔内泥水の
影響と孔壁の崩壊等を除去し、さらにボーリング孔横方
向載荷試験装置においては、プレボーリング方式に関し
ての欠点であった孔壁崩壊を防止し、かつ削孔による孔
壁の乱れをより少なくし、セルフボーリング方式に関し
ての欠点であった大型の貫入掘削装置を小型にして特別
な反力を必要としないようにしたものである。そして本
発明は作業性、精度などの点で両者の中間に位置する装
置であり、また本発明装置は上記の地下水調査と孔内載
荷試験を同一深度において1回に出来ることを特徴とし
ている。
即ち本発明の要旨とするところは、半径方向内側に膨
張して孔壁に圧接する外幕を外周面に有する中空の二重
円筒状加圧室の下端部に掘削治具を接続し、上端部のヘ
ッドに回転するボーリングロッドを接続し、ロッド内を
流れる循環流体を掘削治具に導く循環流体用導管を加圧
室内側の中空部を貫通させて設け、削掘治具の先端部付
近から噴出した循環流体により発生する掘り屑を中空部
を通して排出する排出孔をヘッド部に設け、二重円筒状
加圧室内の流体を地上から加圧するための連結管を該加
圧室内部に連通したことを特徴とする自己掘削式加圧測
定装置に存する。そしてこのような装置は、循環流体を
掘削治具の先端部付近から噴出して、掘り屑を中空部を
通ってヘッド部の排出孔から排出しながらボーリングロ
ッドで装置全体を回転させ所定の深度まで地盤を掘孔
後、二重円筒状加圧室内の流体を該加圧室内部と連通す
る連結管を介して地上で加圧し、孔壁に加圧室外幕を圧
着して、放射状に地盤を加圧するものである。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を図面により説明する。
<実施例1> 第1図に示すように、本発明装置の加圧室(3)は中
空の二重円筒状で内側の関は鋼管でその外側に膨張性チ
ューブからなる外幕(7)を被せた気密性を有する加圧
室である。そして加圧室(3)の上端部にはヘッド
(2)が接続され、ボーリングロッド(1)とネジで接
続されている。さらに加圧室(3)に接続する連結管
(8)は地上に導かれており、これに圧力流体を送り込
むことにより外幕(7)を膨張させるものである。また
加圧室(3)の下端部には掘削治具(5)がネジで緊結
されており、掘削治具(5)とボーリングロッド(1)
は循環流体用導管(4)によって接続されている。
そして掘削治具(5)は加圧室(3)の端部外径より
5パーセントほど大きい径のシューとその中に一文字あ
るいは十字のッビットからなり、ビットは外周部のシュ
ー先端部より少し中に入ったところに剛結されている。
従って循環流体は加圧室の外側を通らずに中空部を通っ
て掘り屑と一緒に循環流体の排出孔(6)から排出され
る構成である。なお掘削治具は適用地盤によって交換可
能となっている。
この装置は図に示していない地上のボーリング機械で
循環流体を圧送しながらッロッドに回転力と押し圧をか
けると第1図に示す装置全体が回転しながら掘孔する。
そして削孔時には連結管(8)をボーリングロッド
(1)に仮止めし地上端を開放しておくことにより外幕
(7)は孔内泥水圧により最も外径の小さい状態になっ
ているため、回転掘削でも外幕(7)と孔壁間の摩擦は
ほとんどなくすることが出来るものである。
<実施例2> 本発明の他の装置を第2図に示す。第2図では装置中
央部の加圧室部分は実施例1と同じであるので省略して
ある。ボーリングロッド(1)はヘッド(2)を貫通し
て循環流体用導管(4)を介しビット(9)にネジで接
続され、スプリング受け座(10)はボーリングロッド
(1)に固定してあり、ヘッド(2)との間にはスプリ
ング(11)を設け、さらにボーリングロッド(1)は回
転伝達キイ(12)が固定されておりヘッド(2)の溝に
沿って上下出来るようになっている。
このような機構にすることにより削孔対象地盤が固く
なるとシュー(13)の貫入抵抗が大きくなるのでスプリ
ング(11)が圧縮し相対的にビット(9)がシュー(1
3)の先端に近くなるので貫入しやすくなる。従って地
盤の固さが変化しても第1図に示す掘削治具(5)を交
換することなく作業が可能となる利点を有する。そして
所定の深度まで削孔したら連結管(8)を通して流体を
加圧することにより加圧室外幕を膨らませることが出来
る。
<実施例3> また他の実施例を第3図に示す。この第3図では、ボ
ーリングロッド(1)とヘッド(2)、加圧室(3)、
ビット(9)、シュー(13)は第1図のように剛接され
ているものを示したが、第2図のようにビット(9)は
上下方向に相対移動する方式であってもよい。そしてこ
の装置では外幕(7)の一部に縦方向に長いスリット状
の穴をあけ、図に示していない外周と内側を不透水性の
薄い材料で覆ったフィルター(14)を外幕(7)に接着
し気密にしてある。このフィルター材としてはポーラス
ストーンやセラミックフィルター等を用いる。そして外
幕(7)が膨張しても気密性を保つために内側を不透水
性のシートで補強接着してある。このフィルター(14)
内側には穴があり地下水測定用フレキシブル管(15)が
接続してある。この管は他端が地下水測定用通水管(1
6)、水圧計(17)および電磁バルブ(18)を通って、
流体圧変換室(19)の下部に接続されている。流体圧変
換室(19)内の下部には水(20)が上部には気体(21)
が入っており、この気体部分は地下水測定用通気管(2
2)を介して図に示されていない地上の加圧装置に接続
されており、さらに流体圧変換室(19)内の水面の変化
量を計測するための差圧計(23)と差圧計用パイプ(2
4)が装着されている。
本装置を作動する場合は、掘削時には地上に導かれた
連結管(8)の圧力を孔内水圧より小さくして外幕
(7)が膨張しないようにし、フィルターとそれに接続
する管内に水を満たし、電磁バルブ(18)を閉め、図に
示していないボーリング機械で循環泥水を圧入しながら
ボーリングロッド(1)を介して第3図に示す装置全体
を回転圧入しながら削孔する。掘削完了後、連結管
(8)を介して加圧し加圧室(3)の外幕(7)を膨ら
ましながら、必要に応じて電磁バルブ用信号伝達ケーブ
ル(25)を用いて電磁バルブ(18)を開け、地下水測定
用通気管(22)を介して加圧することによりフィルター
(14)から水を噴出して孔壁を洗浄し、外幕(7)を孔
壁に圧着させる。そして間隙水圧を測定する場合には電
磁バルブを閉めて水圧計(17)による信号を水圧計用伝
達ケーブル(26)を介して地上で安定水圧を計測する。
また地盤の透水係数を測定する場合は電磁バルブ(1
8)を開け地下水測定用通気管(22)を介して加圧し、
差圧計(23)で水面の変動量から注水量で差圧計信号ケ
ーブル(27)を介して地上で測定することにより求める
ことが出来る。なお水面の変動量は他の方法でも測定す
ることが出来る。
また間隙水を採取する場合は流体圧変換室(19)内の
水(28)を全部フィルター(14)から放出してから孔壁
に圧着し、液体圧変換室(19)内の空気圧を少しづつ低
下させながら採水することが出来、採水終了後は電磁バ
ルブ(18)を閉めて地上に引き上げる。
<実施例4> 本発明のさらに他の実施例を第4図に示す。第4図で
はボーリングロッド(1)とヘッド(2)、加圧室
(3)、ビット(9)、シュー(13)は第1図のように
剛接させているものを示したが、第2図のようにビット
は上下方向に相対移動する方式でもよい。
この装置では流体圧変換室(19)は気体(21)と水
(20)が入っており、底部から連結管(8)により加圧
室(3)につながり、上部には加圧用気体連結管(28)
が接続されて地上に導かれている。また流体圧変換室
(19)の底部には水面の変化量を測定するための差圧計
(23)を取付け、差圧計用パイプ(24)により上部の気
体圧の差圧が測定できるようになっている。
この装置を運転する際には、削孔時に加圧用気体連結
管(28)の圧力を、外幕(7)に作用する孔内泥水圧よ
り小さくなるようにして、図に示していないボーリング
装置で循環流体を導管(4)を通して圧送しながらボー
リングロッド(1)に回転と押し圧を作用させて所定の
深さまで削孔する。その後、図に示していない気体加圧
計測装置により加圧用気体連結管(28)を介して流体圧
変換室(19)の気体圧を水圧に変換し、連結管(8)を
通して加圧室(3)に圧力を伝達する。そして外幕
(7)を膨張させて孔壁を加圧する。このとき孔壁の変
形量は加圧室(3)への注水量を液面計である差圧計
(23)で水面変化量として感知し、差圧用信号伝達ケー
ブル(26)により地上で計測することが出来る。
<実施例5> また他の実施例としては、第3図に示す差圧計(2
3)、電磁バルブ(23)および水圧計(17)や第4図に
示す差圧計(23)等の液面計や間隙水圧計用のケーブル
を第3図に示す地下水測定用通気管(22)や第4図に示
す加圧用気体連結管(28)の中に通してボーリングロッ
ドに沿わして地上に引きだす。削孔時にはボーリングロ
ッドと一緒にこれらの管類やケーブルも孔内で回転する
ことになる。
このように気体送気用管の中にケーブルを格納するこ
とにより回転時に孔壁との摩擦でケーブルが擦り切れる
のを防ぐと共に、孔内水圧による絶縁性の低下などを防
ぐ利点がある。
〔発明の効果〕
シュー外径より加圧室の外径を小さくし、各種の連結
管やケーブル類をボーリングロッドに沿わせて地上に引
きだし、これらの孔内に挿入してある掘削と測定装置全
てを回転しながら又は上下動させながら削孔し、その後
各種の測定を行なう本発明装置を開発したことにより、
作業工程が半分になって、能率が向上した。さらに孔内
挿入装置が全て回転するため、従来の装置のようにベア
リング等で回転部分と非回転部分とに分ける必要がなく
なったので機構が簡単になり故障も少なくなり、また従
来の装置は載荷試験用と地下水の関する測定は別々の装
置でしか行なうことが出来なかったが、本発明装置はこ
れらの測定を同時に行なうことができるようになった等
顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 第1図〜第4図はいずれも本発明の実施例を示すもので
それぞれ側断面図である。 1……ボーリングロッド 2……ヘッド 3……加圧室 4……循環流体用導管 5……掘削治具 6……排出孔 7……外幕 8……連結管 9……ビット 10……スプリング受け座 11……スプリング 12……回転伝達キイ 13……シュー 14……フィルター 15……地下水測定用フレキシブル管 16……地下水測定用通水管 17……水圧計 18……電磁バルプ 19……流体圧変換室 20……水 21……気体 22……地下水測定用通気管 23……差圧計 24……差圧計用パイプ 25……電磁バルプ用信号伝達ケーブル 26……水圧計用伝達ケーブル 27……差圧計信号ケーブル 28……加圧用気体連結管

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半径方向外側に膨張して孔壁に圧接する外
    幕を外周面に有する中空の二重円筒状加圧室の下端部に
    掘削治具を接続し、上端部のヘッドに回転するボーリン
    グロッドを接続し、ロッド内を流れる循環流体を掘削治
    具に導く循環流体用導管を加圧室内側の中空部を貫通さ
    せて設け、掘削治具の先端部付近から噴出した循環流体
    により発生する掘り屑を中空部を通して排出する排出孔
    をヘッド部に設け、二重円筒状加圧室内の流体を地上か
    ら加圧するための連結管を該加圧室内部に連通したこと
    を特徴とする自己掘削式加圧測定装置。
  2. 【請求項2】二重円筒状加圧室上端部のヘッドを貫通す
    るボーリングロッドがバネを介してベッドに押し力を伝
    達し、且つピンを介して回転力を伝達する請求項1記載
    の自己掘削式加圧測定装置。
  3. 【請求項3】二重円筒状加圧室の外幕の一部に貫通孔を
    設け、該貫通孔の内側と円筒状加圧室上部に取付けた流
    体圧変換室との間を水圧計と電磁バルブを設けた通水管
    で連結し、さらに該流体圧変換室と地上の気体加圧装置
    との間を通気管で連結した請求項1又は2記載の自己掘
    削式加圧測定装置。
  4. 【請求項4】液体で満たした二重円筒状加圧室とその上
    部に取付けた流体圧変換室の間を連結管で連結し、圧力
    室と地上の気体加圧装置との間を気体連結管で連結した
    請求項1又は2記載の自己掘削式加圧測定装置。
  5. 【請求項5】二重円筒状加圧室の上部に取付けた流体圧
    変換室と地上の気体加圧装置の間を連結する通気管もし
    くは気体連結管の中に各計測器用の信号伝達ケーブルや
    電磁バルブ用ケーブルを通した請求項3又は4記載の自
    己掘削式加圧測定装置。
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