JP2710071B2 - ガラス表面処理方法 - Google Patents

ガラス表面処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は重量%でPbOを25〜50%含有する鉛ガラスの
表面に反射防止層を形成するためのガラス表面処理方法
に関するものである。
[従来の技術] 従来よりガラス表面に反射防止処理を施す方法の一つ
に、ガラスを酸溶液に浸漬して処理する酸処理方法があ
る。ガラスを酸処理すると、ガラス中のNa+、K+、Pb2+
等の陽イオンが酸溶液中のH+と置き換わるイオン交換反
応が起こり、ガラス表面に水和珪酸層が形成される。ガ
ラス中から溶出した陽イオンは塩となってガラス表面に
付着し、保護膜を形成して前記イオン交換反応の進行を
妨害するため、通常これら塩類の溶解度の大きい硝酸溶
液を酸溶液として用いている。また水和珪酸層は不安定
であるために、加熱脱水して堅牢な無水珪酸層とし、経
時変化による層の劣化を防止している。
[発明が解決しょうとする問題点] 前記酸処理方法は処理コストが安価であり、しかも他
の方法では困難な大型のガラスブロックの反射防止処理
が可能である。
しかしながら放射線遮蔽に用いるようなPbOを重量%
で25〜50%含有する鉛ガラスに反射防止処理を施す場
合、従来の方法ではガラス表面に侵蝕むらが発生し、不
均質干渉色を呈するため良好な反射防止層を得ることが
困難であった。
またガラス表面にガラスの屈折率の平方根に近い値を
有する薄膜を1/4λ(λは波長を表す)の厚さにして形
成すると、波長λにおける反射率が低減することが知ら
れており、それゆえガラス表面に良好な反射防止層を形
成するためには、その厚さが1/4λとなるように処理条
件を設定する必要がある。しかしながら硝酸溶液を耐酸
性の劣る鉛ガラスに使用すると、最適な反射防止層の厚
さ1/4λを得ることのできる処理条件が極端に限定さ
れ、それゆえ工業的規模での処理条件の設定が難しくな
り、歩留まりが著しく悪くなる。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、PbOを重量
%で25〜50%含有する鉛ガラスの表面に、酸処理法を用
いて良好な反射防止層を歩留まりよく形成する方法を提
供することを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は上記目的を達成するために種々の研究を行
った結果、ガラスと酸との反応を適当な速度で進行させ
ると良好な反射防止層を歩留まりよく形成できることを
見い出し、本発明として提案するものである。
即ち、本発明のガラス表面処理方法は、重量%でPbO
を25〜50%含有する鉛ガラスの表面を60℃以上の弱酸溶
液で処理した後、水洗し、加熱脱水することによって反
射防止層を形成してなることを特徴とする。
また本発明においては弱酸溶液が酢酸溶液であること
が好ましい。
[作用] 本発明のガラス表面処理方法によれば、酸処理時に60
℃以上の酢酸溶液等の弱酸溶液を用いるために、重量%
でPbOを25〜50%含有する鉛ガラスに対して反応が緩や
かに、且つ均一に進行する。
酸処理による侵蝕むらの発生は、ガラス表面における
酸溶液のごくわずかな濃度差等によって反応速度に差違
が生じ、局部的に膜厚が変化することによるものである
と考えられる。本発明は60℃以上の弱酸溶液を用いるた
めに、硝酸を用いる場合に比べ、反応が緩やかに進行
し、ガラス表面において反応速度の差違を生じる可能性
が極めて小さく、それゆえ侵蝕むらを生じることがな
い。
またガラス表面においては、ガラスを酸溶液に浸漬す
る酸処理時はもとより、酸溶液槽より引き上げた後も、
表面に付着した酸の液滴あるいは洗浄水は空気中の水分
により反応が進行するために、水和珪酸層の厚さが変化
する。この反応は酸処理後のガラス表面を洗浄し、加熱
脱水して無水珪酸層を形成するまで続くため、反射防止
層の厚さが最終的に1/4λとなるように処理条件と、と
くに酸処理時間を設定することが重要である。本発明は
ガラスと酸溶液とが緩やかに反応する結果、工業的規模
での酸処理時間の設定が容易になる。このことは特に放
射線遮蔽ガラスのような大型の鉛ガラスブロックの処理
に対して有効である。即ちこのような大型の鉛ガラスブ
ロックの場合、酸溶液槽から引き上げて表面に無水珪酸
層を形成するまでの一連の作業にかなりの時間を擁する
が、反応が緩やかな速度で進行するため、反射防止層の
厚さの変化が小さく、それゆえ酸処理時間の設定が容易
になるのである。
なお、ガラスと酸溶液の反応速度が緩やかであること
が好ましいのは上述の通りであり、このことから極く薄
い硝酸溶液で処理する方法も考えられるが、このような
希硝酸溶液を用いて工業的規模で反射防止処理を行う場
合、その濃度等の制御が極めて困難である。それゆえ本
発明は弱酸溶液を使用するのであるが、常温の弱酸溶液
をPbOを25〜50重量%含有する鉛ガラスに用いると処理
に極めて長い時間を要し、作業効率を著しく低下させる
ため、弱酸溶液を60℃以上にして酸処理時間の設定が困
難にならない程度に反応速度を上げる。
また本発明が弱酸溶液として酢酸溶液が好ましいとし
ているのは、安価で、且つ入手が容易であるとともに、
金属腐蝕作用が極めて小さく、酸溶液槽や処理するガラ
スの移送用金具(共に主としてステンレス製である)を
腐蝕させないため、金サビ等の液中浮遊物を発生させる
危険性がないことによる。このような理由から酢酸溶液
を用いるが、これ以外にもクエン酸溶液、シュウ酸溶
液、硝酸アンモニウム溶液等を使用することが可能であ
る。
[実施例] 以下本発明のガラス表面処理方法を実施例に基づき説
明する。
重量%でSiO2 45.5%、BaO 2%、PbO 35%、Na2O 3
%、K2O 13%、CeO2 1.5%のガラスになるように調合し
た原料バッチを石英ルツボに投入し、約1200℃で4時間
溶融した後、金型に流し込んで板状に成形した。次いで
徐冷した板状成形品を30×30×10mmの大きさに切り出
し、その両面を光学研磨して試料を得た。このようにし
て得られた試料を、放射性物質を取り扱う施設内部で通
常用いられるナトリウム光(589.3nm)近傍における反
射率を低減させるために以下のような反射防止処理を施
した。まず得られた試料を80℃、1/10規定度の酢酸溶液
あるいは60℃、1/10規定度の硝酸溶液に浸漬して酸処理
を施した。次にこの酸処理した試料を酸溶液と同温度の
水道水で十分にすすいだ後、表面に付いている水滴をふ
きとった。その後乾燥機を用いて110℃で24時間加熱し
た。
図面は、上記のようにして反射防止処理を施した試料
−面の550nmにおける全反射率と酸処理時間との関係を
示したものである。なお処理前の全反射率は5.5%であ
り、この全反射率の値が2%以下になる浸漬時間を最適
酸処理時間とした。
図面から酢酸溶液で処理した試料(a)の最適酸処理
時間は約10〜15時間であり、硝酸溶液で処理した試料
(b)のそれが0.75〜1時間であるのに対して時間的な
幅が広いことが明らかである。
また酢酸溶液に15時間浸漬した試料(a)と硝酸溶液
に1時間浸漬した試料(b)の表面状態を比較したとこ
ろ、硝酸溶液に浸漬した試料(b)の表面状態は侵蝕む
らによる不均質な干渉色が認められたのに対して、酢酸
溶液に浸漬した試料(a)には侵蝕むらは全く認められ
ず、表面は一般に濃紫色を呈した。ナトリウム光の1/4
の厚さに成膜した場合、反射光は黄緑色が最も干渉して
消光し、外観はその補色として紫色を呈することから、
酢酸溶液に浸漬した試料(a)は反射防止層の厚さがナ
トリウム光の1/4の厚さ相当であることがわかる。
これらの事実は本発明のガラス表面処理方法が、PbO
を25〜50%含有する鉛ガラスに対して、低い全反射率を
得る酸処理時間の幅が広いために処理条件の設定が容易
であり、また表面状態のよい反射防止層を形成するのに
適していることを示している。
なお、図面中の全反射率は波長550nmにおける値を示
したものであり、150φmm積分球付分光光度計を用いて
硫酸バリウムの白色拡散板を基準として測定した。
[効果] 以上のように本発明のガラス表面処理方法によれば、
PbOを重量%で25〜50%含有する鉛ガラスに対して、反
応が緩やかで均一に進み、処理条件の設定が容易である
ために、ガラス表面に良好な反射防止層を歩留まりよく
形成することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は、試料一面の550nmにおける全反射率と酸処理時
間との関係を示したグラフであり、図中の(a)は酢酸
溶液による処理、(b)は硝酸溶液による処理である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でPbOを25〜50%含有する鉛ガラス
    の表面を、60℃以上の弱酸溶液で処理した後、水洗し、
    加熱脱水することによって反射防止層を形成してなるこ
    とを特徴とするガラス表面処理方法。
  2. 【請求項2】弱酸溶液が酢酸溶液であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載のガラス表面処理方法。
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