JP2709238B2 - 油圧式無段変速機のクラッチ機構 - Google Patents

油圧式無段変速機のクラッチ機構

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JP2709238B2
JP2709238B2 JP14039892A JP14039892A JP2709238B2 JP 2709238 B2 JP2709238 B2 JP 2709238B2 JP 14039892 A JP14039892 A JP 14039892A JP 14039892 A JP14039892 A JP 14039892A JP 2709238 B2 JP2709238 B2 JP 2709238B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜板式油圧ポンプと斜
板式油圧モータとを油圧閉回路を介して接続し、油圧モ
ータの斜板の傾斜角度の変更により油圧モータの容量を
可変としている油圧式無段変速機のクラッチ機構に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の油圧式無段変速機のクラッチ機
構の従来技術としては、特公昭61-23412号あるいは特開
昭61-207229 号などがあり、前者は、分配環支持軸の偏
心円筒部に前後進切り換え用の分配環を支持し、分配環
支持軸の中空穴に主クラッチ切り換え用の主スプール
を、軸方向摺動自在に嵌合し、主スプールを軸方向に移
動操作することにより、主クラッチを切り換える構造と
なっている。後者は、回転式スプールに半径方向の直線
状の短絡用油路を形成し、主スプールの回動により、主
クラッチをオン、オフする構造である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記前者の従来技術の
構造では、主スプールの軸方向の移動ストロークを確保
して、かつ、主スプール操作用の機構を、軸方向外方に
配置する必要があり、軸方向のコンパクト化が困難であ
る。後者の従来技術は、前後進切り換え機構は備えられ
ておらず、前進走行専用車両に適用されるクラッチ機構
であるが、もし、この従来技術を、主スプールの外周に
分配環支持軸を嵌合して、主スプールに対して分配環支
持軸を回動させることにより、シフト操作を行う構造に
適用した場合には、たとえば、中立位置でクラッチオフ
の状態としていても、前進あるいは後進位置へのシフト
行程の途中で、主クラッチが閉じられてクラッチオン状
態になり、場合によってはエンストを起こすおそれがあ
る。
【0004】
【発明の目的】本発明の目的は、前後進切り換え機構及
び主クラッチ機構の軸方向のコンパクト化、並びに、シ
フト操作途中におけるエンストを防止できるようにする
ことによるシフト操作性能の向上である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、斜板式の油圧
ポンプPと斜板式の油圧モータMとを油圧閉回路を介し
て接続し、油圧モータMの斜板19の傾斜角度の変更に
より油圧モータMの容量を可変とした油圧式無段変速機
において、回動自在な分配環支持軸25に取り付けられ
た油圧分配環29により、上記油圧閉回路の途中を、油
圧ポンプPの吸入用油路が連通する外方空間部24aと
吐出用油路が連通する内方空間部24bに区画し、分配
環支持軸25の回動により油圧分配環29を前進位置、
後進位置及び中立位置に切り換え自在とし、分配環支持
軸25の中空部に主クラッチ切り換え用の主スプール3
0を回動自在に嵌合し、主スプール30には内方空間部
24bに連通する短絡用の主クラッチ用油路115,1
16を形成し、分配環支持軸25には主スプール30の
外周面から外方空間部24aに到る主クラッチ用油路1
17を形成し、主スプール30の回動により、短絡用の
両主クラッチ用油路115,116,117を連通して
クラッチオフとなるようにし、主スプール30の分配環
支持軸25から外れた部分に、前記主クラッチ用油路1
15に連通するバイパス油路118を形成して、分配環
支持軸25の回動とは無関係に主スプール30のみの回
動により、バイパス油路118と油圧回路外部との間を
開閉するバイパス弁10を設け、主スプール30がクラ
ッチオフ位置にてバイパス弁10が開いてバイパス油路
118を油圧回路外部に連通し、主スプール30が半ク
ラッチ及びクラッチオン位置にてバイパス弁10が閉弁
するようにしている。
【0006】
【作用】前後進切り換えのシフト操作において、主スプ
ールをクラッチオフ位置にし、かつ、油圧分配環を中立
位置にしている場合には、内外の空間部が主クラッチに
より短絡されることにより、内方空間部の作動油の一部
は主クラッチ用油路を介して外方空間部に流出し、同時
に、バイパス弁は油圧閉回路外部、たとえば、ミッショ
ンケース内に解放していることにより、内方空間部の作
動油の他の一部はミッションケース内に排出され、これ
らにより、内方空間部が減圧され、クラッチオフ状態が
確保される。シフト操作として、分配環支持軸を回動す
ることにより、油圧分配環を、中立位置から前進位置あ
るいは後進位置まで回動する場合、シフト操作途中で、
主クラッチは一時的に閉じて内外の空間部間を遮断する
ことになる。しかし、バイパス弁は、主スプールがクラ
ッチオフ位置にあることによりミッションケース内との
連通状態を保っているので、内方空間部の作動油の一部
はミッションケース内に流出し、内方空間部の油圧上昇
は抑制され、クラッチオンになるのが防止される。そし
て、前進位置あるいは後進位置までの回動を完了した時
点においても、主スプールがクラッチオフ位置にある限
りは、バイパス弁は、ミッションケース内との連通状態
を保っており、クラッチオフ状態が保たれる。前進位置
あるいは後進位置において、主スプールを回動してクラ
ッチ操作を行う場合、主スプールがクラッチオフ位置か
ら、たとえば半クラッチ位置まで回動すると、主クラッ
チが半閉じ状態になると同時に、バイパス弁は閉じ、こ
れにより、油圧モータへの動力伝達が始まる。さらに、
主スプールがクラッチオン位置まで回動すると、主クラ
ッチは完全に閉じて、内方空間部と外方空間部は、遮断
され、油圧モータへの通常の動力伝達が行われる。勿
論、バイパス弁は閉じたままである。
【0007】
【実施例】図1は、本発明を適用した油圧式無段変速機
の全体縦断面図(シフト部を除く)を示しており、理解
を容易にするために、軸方向の前後方向を図中に記載の
ように仮定している。
【0008】まず、全体のレイアウトを説明する。変速
用入力軸1の前端部は図示しないエンジンに連動連結さ
れており、入力軸1の外周には、前側から順に斜板式の
油圧モータ(アキシャル形プランジャモータ)Mと斜板
式の油圧ポンプ(アキシャル形プランジャポンプ)Pと
が前後方向(軸方向)に並ぶように直列配置されてい
る。さらに具体的には、前側から順に、モータ用斜板1
9、モータ用シリンダブロック4、ポンプ用斜板15及
びポンプ用シリンダブロック2が前後方向(軸方向)に
並ぶように直列配置され、ポンプ用シリンダブロック2
の半径方向外方にはこれを間隔をおいて覆う中間ドラム
5が配置され、該中間ドラム5と上記ポンプ用シリンダ
ブロック2の間に直結用油圧クラッチC2 が配置されて
いる。中間ドラム5及びポンプ用シリンダブロック2の
後側に、油圧閉回路を有するバルブボディ3が配置さ
れ、バルブボディ3の後側には、リヤカバー23が固着
されている。該リヤカバー23内には、リヤカバー23
内の空間部24を外方空間部24aと内方空間部24b
に区画する前後進切り換え用の油圧分配環29、これを
支持する分配環支持軸25及び主クラッチ切り換え用の
主スプール30等が配置されている。モータ用斜板19
の前上方には、モータ用斜板19の傾斜角度を制御し
て、自動変速制御を行う油圧アクチュエータA1 が配置
されている。
【0009】油圧ポンプPの概要を説明する。ポンプ用
シリンダブロック2は、その内周側が入力軸1の後端部
外周にスプライン嵌合しており、入力軸1と一体的に回
転する。ポンプ用シリンダブロック2には円周方向に等
間隔を置いて、奇数個、たとえば、5つの円筒穴71が
形成されており、各円筒穴71は入力軸1と平行に形成
されると共に、前方に向いて開口している。各円筒穴7
1には、それぞれ有底筒状のポンプ用プランジャ14が
軸方向摺動自在で前方へ突出可能に嵌合しており、各ポ
ンプ用プランジャ14の前端部には緩やかな球面形状部
14aが形成され、前側のポンプ用斜板15に当接して
いる。ポンプ用斜板15は、ポンプ用プランジャ14の
往復運動のガイドとなるものであり、スラスト軸受16
を介してモータ用シリンダブロック4の後端部斜面4a
に設置されている。各ポンプ用プランジャ14内にはこ
れを前方に付勢するコイルばね17が円筒穴後端面との
間に縮設されており、これにより、ポンプ用斜板15を
押さえてポンプ用斜板15の脱落を防止すると共に、ポ
ンプ用シリンダブロック2を後側のバルブボディ3に押
さえ付けて摺動シール面2bにおける低回転時のシール
性を向上させ、さらに、ポンプ用プランジャ14を前方
に付勢していることにより、自己吸引能力を油圧ポンプ
Pに付与している。
【0010】油圧モータMの概要を説明する。モータ用
シリンダブロック4は、中間ドラム5を介してバルブボ
ディ3に一体的に締結されると共に、その内周側が入力
軸1に対して環状油路101を隔てて回転自在に嵌合
し、ミッションケース22に軸受72等を介して支持さ
れている。モータ用シリンダブロック4には円周方向に
等間隔を置いて、奇数個、たとえば、9個の円筒穴73
が形成されており、該円筒穴73は、入力軸1と平行に
形成されると共に、前記油圧ポンプPの場合と同様に前
方に向いて開口している。各円筒穴73には、それぞれ
有底筒状のモータ用プランジャ18が軸方向摺動自在で
前方に突出可能に嵌合しており、各モータ用プランジャ
18の前端部には緩やかな球面形状部18aが形成さ
れ、前側のモータ用斜板19に当接している。モータ用
斜板19は、モータ用プランジャ18の往復運動のガイ
ドとなるものであり、転動体20を介して前側の斜板ホ
ルダー21に支持されている。各モータ用プランジャ1
8内にはこれを前方に付勢するコイルばね37が円筒穴
後端面との間に縮設されており、これにより、自己吸引
力を油圧モータMに付与している。
【0011】上記斜板ホルダー21は、入力軸1と直角
なトラニオン軸22aを介してミッションケース22に
支持され、トラニオン軸心を回動中心として傾動自在と
なっており、自動変速制御用の前記油圧アクチュエータ
A1 によって入力軸心と直角な面に対する傾きが変化
し、それにより、モータ用プランジャ18のストローク
量を調整し、無段階にモータ容量を変化させることがで
きるようになっている。変速制御用の油圧アクチュエー
タA1 は、ミッションンケース22に一体に形成された
シリンダ36内に、球面状の摺動部を有するピストン3
5が摺動自在に嵌合しており、ピストン35は、シリン
ダ36の後端ばね受けリングとの間に縮設されたコイル
ばね81により、前方に付勢されている。上記ピストン
35には、ロッドが一体に形成されると共に、後方に突
出するロッドエンド34が連結されており、該ロッドエ
ンド34は、球継ぎ手機構を介してモータ用斜板ホルダ
ー21の上端部に連結されている。シリンダ36内の油
室82は、流量調節用の絞り39を介してミッションン
ケース22の壁内の油路120に連通している。該油路
120は、エンジンの回転数の二乗に比例して圧力が変
化するいわゆるガバナ油圧源に接続している。トラニオ
ン軸22aの位置は、図1のように、モータ回転軸心に
対して上記油圧アクチュエータ側とは反対側(図中下
側)に偏心すると共に、モータ用斜板19よりも後方に
設定されており、モータ負荷が大きくなってモータ用プ
ランジャ18内の作動油圧が上昇すると、モータ用プラ
ンジャ18により、モータ斜板19の傾斜を増加させ
て、変速比(減速比)を大きくするよう作動するように
構成されている。
【0012】油路構造について説明する。入力軸1の外
周に形成された環状油路101の前端部は、環状油室1
02を介して図示しないHSTチャージング用フィード
ポンプ等に接続され、オイルパン等から環状油室102
を介して環状油路101へと作動油が供給されるように
なっている。環状油路101の後端部には、入力軸1内
を通って直結用油圧クラッチC2 に至る直結用油圧クラ
ッチ冷却用油路103と、モータ用シリンダブロック4
内、中間ドラム5内及びバルブボディ3内を通って直結
用油圧クラッチC2 の作動油室105に至る直結用油圧
クラッチ作動油供給油路106と、図2のようにモータ
用シリンダブロック4内、中間ドラム5内及びバルブボ
ディ3内を通ってリヤカバー23内の外方空間部24a
に至るチャージング油路108が連通している。
【0013】上記チャージング油路108の外方空間部
24aへの出口部分には、外方空間部24aへと開弁す
るチェック弁74が設けられおり、該チェック弁74
は、バルブボディ3にバルブシート部75を設け、該シ
ート部75に着座する鋼球45を組み込んでいる。ま
た、このチェック弁74は、バルブボディ3の回転によ
り鋼球45に発生する遠心力が、鋼球45を後方(開弁
方向)に作用するように、バルブシート部75に傾きを
与えている。上記チャージング油路108には、内方空
間部24bに至る枝油路108aが形成されており、枝
油路108aの内方空間部24bへの出口には、内部空
間部24b方向に開弁するチェック弁77が設けられて
いる。該チェック弁77は、バルブシート46、圧縮コ
イルばね48、該圧縮コイルばね48の弾性力により上
記バルブシート46に着座する鋼球49及び押さえ棒4
7等から構成され、バルブボディ3の概略中心部に配置
されている。
【0014】上述のチャージング油路108部分から空
間部24に供給される作動油が、図1の油圧ポンプPを
経て油圧モータMに至り、再度空間部24まで戻る油路
の概要を説明する。油圧ポンプPに関して、バルブボデ
ィ3には、図1の上側に示すように吸入行程のポンプ用
円筒穴71と外方空間部24aとを連通して外方空間部
24aからポンプ用円筒穴71内に作動油を吸入するた
めのポンプ側吸入用油路110と、下側に示すように吐
出行程のポンプ用円筒穴71と内方空間部24bとを連
通してポンプ用円筒穴71から内方空間部24bに作動
油を吐出するためのポンプ側吐出用油路111とが形成
されている。油圧モータMに関して、バルブボディ3、
中間ドラム5及びモータ用シリンダブロック4には、各
モータ用円筒穴73に連通する9つのモータ側油路11
3が形成されており、これらモータ側油路113は空間
部24と各モータ用円筒穴73を連通しているが、モー
タ側油路113の後端ポートは回転軸心を中心とした同
一円周上に配列されており、モータ用シリンダブロック
4と一体に回転するバルブボディ3の回転により、図1
の下側に示すように膨張行程のモータ用円筒穴73は、
内方空間部24bに連通して内方空間部24bからモー
タ用円筒穴73内に作動油を圧入し、一方、上側に示す
ように排出行程のモータ用円筒穴73は、外方空間部2
4aに連通してモータ用円筒穴73から外方空間部24
aに作動油を排出するようになっている。
【0015】リヤカバー23内の構造を説明する。図3
において、リヤカバー23は前述のようにバルブボディ
3の後端面に一体的に締結され、バルブボディ3と一体
回転するようになっており、バルブボディ3の後端面と
リヤカバー23の内面の間で前記空間部24を形成して
いる。該空間部24内に配置されている油圧分配環支持
軸25は、入力軸1と概略同軸心に配置されると共に、
ラジアル軸受27、28を介してリヤカバー23に回転
自在に支持され、また、リヤカバー23の後側段部との
間にはスラスト軸受26が配置されており、これにより
回転を確保しながら軸方向後方への移動を規制してい
る。支持軸25の前端部には、支持軸心から偏心した円
筒部25aが一体に形成され、該偏心円筒部25aの外
周面に前記有底筒状の油圧分配環29が嵌合しており、
これにより、リヤカバー3内の空間部24を、前述のよ
うに分配環29の外方側の外方空間部24aと、内方側
の内方空間部24bとに区画している。油圧分配環29
の前端面は、内方空間部24bの作動油圧力によりバル
ブボディ3の後端面に押し出されることにより摺接して
おり、圧力により押し付け強さが自動的に変化すること
から、自己隙間補償機能を有している。また、支持軸2
5の回動により、図4に示すような前進位置Fと、中立
位置Nと、後進位置Rとの間で位置変更自在に切り換え
られるようになっている。
【0016】図3のIV−IV断面部分図を示す図4におい
て、線22'a は、前記トラニオン軸22aと平行で、
入力軸心を通る線であり、この線22'a と直角で入力
軸心を通る垂直線(以下、仮に「前後進分離線」と称す
る)L上に、モータ用プランジャ18の上死点(最収縮
点)U1 と下死点(最伸長点)U2 が存在している。X
1方向が前進回転(正回転)方向とすると、分配環29
の中立位置Nは、分配環29の中心が上記前後進分離線
L上を通り、かつ、最も上死点U1側に偏った位置に設
定されており、前進位置Fは、上記中立位置Nから支持
軸心回りにモータ前進回転方向X1側へと概略90°回
動した位置に設定され、後進位置Rは、中立位置Nから
支持軸心回りにモータ後進回転方向X2 へと概略90°
回動した位置に設定されている。
【0017】ポンプ側油路110、111のうち、外方
空間部24aに連通するポンプ側吸入用油路110は2
個形成され、それらの後端ポートは、上側の外方端部に
位置して、分配環29が前進位置F、中立位置Nあるい
は後進位置Rのいずれの状態でも、常に外方空間部24
aに連通している。内方空間部24bに連通するポンプ
側吐出用油路111は3個形成され、それらの後端ポー
トは、軸心近傍の下側部分に位置し、分配環29が前進
位置F、中立位置Nあるいは後進位置Rのいずれの状態
でも、常に内方空間部24bに連通している。
【0018】一方、9つのモータ側油路113の後端ポ
ートは、半径方向中間位置に、同一円周上等間隔で配列
されている。下死点U2 から前進回転方向X1 回りで上
死点U1 までの範囲(図中右側範囲)をW1 、上死点U
1 から前進回転方向X1 回りで下死点U2 までの範囲
(図中左側範囲)をW2 とすると、分配環29が前進位
置Fの場合は、範囲W1内のモータ側油路113が外方
空間部24aに連通し、範囲W2 内のモータ側油路11
3が内方空間部24bに連通する。すなわち、前進回転
時においては、範囲W1 内のモータ側油路113は排出
行程のモータ用円筒穴73に連通しており、範囲W2 内
のモータ側油路113は膨張行程のモータ用円筒穴73
に連通しており、油圧モータMを前進回転方向X1 に回
転する。 分配環29が中立位置Nの場合は、概ね線22'a より
も下死点U2 側の範囲内のモータ側油路113が外方空
間部24aに連通し、上死点U1 側の範囲内のモータ側
油路113が内方空間部24bに連通し、油圧モータM
は回転しない。分配環29が後進位置Rの場合は、範囲
W1内のモータ側油路113が内方空間部24bに連通
し、範囲W2 内のモータ側油路113が外方空間部24
aに連通する。すなわち、後進時においては、範囲W1
内のモータ側油路113は膨張行程のモータ用円筒穴7
3に連通しており、範囲W2 内のモータ側油路113は
排出行程のモータ用円筒穴73に連通しており、油圧モ
ータMを後進回転方向X2 に回転する。
【0019】分配環29の前端面(摺接面)には、内周
端側と外周端側にそれぞれ1対ずつ楔形の溝78a,7
8bが形成されている。各溝78a,78bの形成位置
は、分配環29が前進位置Fあるいは後進位置Rに位置
している時に、上死点U1 及び下死点U2 の近傍に位置
して、 上記両点U1 ,U2 に対して、内側と外側からそ
れぞれ突出するような位置に形成されている。 これによ
り、上死点U1 と下死点U2 を各モータ側油路113が
通過する時に、内外の一方の空間部から分配環29より
徐々に閉じられ、続いて他方の空間部に徐々に開口する
ようになっている。
【0020】図3において、油圧ポンプPと油圧モータ
Mとの間の作動油の流れを断続する主クラッチC1 の構
造を説明する。主クラッチ用スプール30は、支持軸2
5の内周孔内に、支持軸25に対して回動可能に嵌合す
ると共に、スラスト荷重用のボール31,32により、
軸方向の荷重に対してもスムースに回動できるように支
持されている。スプール30の前端部には、内方空間部
24bに開口してスプール軸心を後方へと延びる主クラ
ッチ用縦油路115と、該縦油路115の途中から半径
方向外方に延びる主クラッチ用油路116が形成され、
一方、支持軸25には、上記油路116と同一の軸方向
位置に、外方へと延びて外方空間部24aに開口する油
路117が形成されており、スプール30の回動によ
り、上記油路116,117同士を遮断、連通すること
により主クラッチC1 をオン、オフするのである。
【0021】図3のVIIIーVIII断面を示す図8におい
て、主スプール30内の半径方向の主クラッチ用油路1
16は十字形に形成されており、上下方向に延びる油路
部分の上下両端部には、それぞれスプール円周方向両側
に延びる拡張溝部116aが形成され、これによりクラ
ッチ切り替え時の衝撃を和らげるようになっている。支
持軸25内に形成された主クラッチ用油路117はスプ
ール軸心から半径方向外方へと延びる放射線上にあっ
て、支持軸25の偏心円筒部25aの偏心方向とは直角
方向に延びるように1対形成されており、両油路117
の内周側端部は、スプール30の外周面において互いに
概略180°の位相差で開口している。図8の(a),
(b),(c)はそれぞれ支持軸25を前進位置F、中
立位置N及び後進位置Rに回動した状態であって、いず
れも主クラッチオフ状態を示している。すなわち、主ク
ラッチオフ操作時おいては、十字形油路116は、傾斜
していない十字姿勢に保たれている。したがって、図8
の(a)の前進状態では、十字形油路116の上下の油
路部分に支持軸25の油路117が連通し、(b)の中
立状態では、十字形油路116のうち、左右の油路部分
に支持軸25の油路117が連通し、(c)の後進状態
では、十字形油路116の上下の油路部分に支持軸25
の油路117が連通している。すなわち、スプール30
の十字形油路116と支持軸25の油路117を組み合
わせた1つの機構のみで、前進、後進及び中立のいずれ
の状態においても、内方空間部24bと外方空間部24
aとを連通して短絡状態とし、主クラッチC1 をオフに
できるようにしてある。
【0022】本発明の要部として、上記主クラッチC1
には、上記十字形油路116及び油路117等に加え、
図3において、主スプール30がクラッチオフ位置の時
に、常に、ミッションケース22内へと、内方空間部2
4bの作動油を逃がすバイパス弁10が設けられてい
る。バイパス弁10は、上記縦油路115の延長部11
5aと、該延長部115aの後端から半径方向外方に延
びるバイパス用油路118と、該バイパス用油路118
と同一の軸方向位置に配置されてバイパス用油路118
を開閉する弁体11とから構成されている。弁体11内
には、上下両方向に垂直に延びて、それぞれ上下両端で
ミッションケース22内に開口するバイパス用油路11
9が形成されている。弁体11は、主スプール30の外
周面に、主スプール30の回動を許すように嵌合してい
るが、図7に示すように、上方に突出するフォーク部1
1aを一体に有し、該フォーク部11aが、ミッション
ケース22に形成されたディテント用ボス部22bに係
合しており、これにより、弁体11のミッションケース
22に対する回動を阻止している。主スプール30のバ
イパス用油路118は、直線状に形成されており、図7
の(a)に示すように、主スプール30がクラッチオフ
の回動位置のときには、垂直姿勢になって上記弁体11
のバイパス用油路119に連通する。一方、図7の
(b)に示すように、主スプール30が半クラッチの回
動位置のとき、および図7の(c)に示すように、主ス
プール30がクラッチオンの回動位置のときには、主ス
プール30のバイパス用油路118は、弁体11により
閉じられるようになっている。また、図3に示すよう
に、支持軸25の内周部には、高圧リリーフ弁33が設
けられており、内方空間部24bの圧力が設定値以上に
大きくなった時に、内方空間部24bから外方空間部2
4aへと油を逃がすようになっている。
【0023】油圧分配環支持軸25を、前進位置F、中
立位置N及び後進位置Rに切り換えるための前後進切り
換え用シフト機構を説明する。図3において、支持軸2
5の後端部にはギヤ部25bが一体に形成されており、
該ギヤ部25bは扇形のシフトギヤ60に噛み合い、該
シフトギヤ60は、その上端部が切り換え軸56に回動
自在に支持されると共に、中間部に上下方向に長い長孔
60aを有している。長孔60aには中間ギヤ58の偏
心円筒突起部58aが係合している。中間ギヤ58は、
ミッションンケース22に固着された支持ピン59に回
転自在に支承されており、駆動ギヤ57に噛み合ってい
る。駆動ギヤ57は、スプリングピン等により切り換え
軸56と一体化されており、切り換え軸56は、ミッシ
ョンケース22のボス部に回動自在に支持されると共に
ミッションケース22外に延び出し、操作レバー等の適
宜の操作部材に連動連結されている。すなわち、切り換
え軸56を外部から回動操作することにより、中間ギヤ
58を回動して、偏心円筒突起部58aにより長孔60
aを介してシフトギヤ60を切り換え軸56回りに揺動
させ、ギヤ25bを介して前記支持軸25を回動するよ
うになっている。
【0024】中間ギヤ58は、支持軸25の後端部に回
転自在に支承されたカムプレート61に噛み合ってい
る。該カムプレート61には前進、中立及び後進の各シ
フト位置を明確にするためのディテント溝61aが設け
られ、該ディテント溝61aにはロック用の鋼球61b
が係脱自在に噛み合っている。該鋼球61bは、ミッシ
ョンンケース22に形成されたボス部22bの孔22a
内に嵌合すると共に、圧縮コイルばね65によりカムプ
レート61側へと付勢され、上記圧縮コイルばね65の
弾性力によりディテント溝61aに噛み合っている。
【0025】図5において、カムプレート61は、シフ
トの誤操作防止用及び中立位置にて主クラッチを開いて
ポンプとモータ間の動力伝達を遮断するための凸状のカ
ム部61bを有している。シフトギヤ60の左右両側に
は、シフトギヤ60の左右両側壁に対して所定の間隔を
置いて対向する後進時の位置決め用ストッパー87d
と、前進時の位置決め用ストッパー87cが配置されて
いる。両ストッパー87c,87dは、図示しないが突
出位置調節自在にミッションケース22等に取り付けら
れている。前進用位置決め用ストッパー87cは、前進
操作時に、シフトギヤ60が回動する方向H1側(図中
右側)に配置されており、シフトギヤ60の前進操作時
の最大振り幅を規制する。後進用位置決め用ストッパー
87dは、後進操作時に、シフトギヤ60が回動する方
向H2側(図中左側)に配置されており、シフトギヤ6
0の後進操作時の最大振り幅を規制する。
【0026】さらに、シフトギヤ60の長孔部60aの
中心線S1 と、中間ギヤ58の中心と円筒突起部58a
とを結ぶ線S2 の交叉角α°を、概略直角あるいはそれ
以下の角度に設定しており、これにより、前進位置ある
いは後進位置のシフトギヤ60が勝手に中立位置に戻ろ
うとするのを防止している。
【0027】主クラッチC1 の制御機構について説明す
る。図5において、主スプール30の後端部にはレバー
50が固着されており、該レバー50の自由端部に形成
された円筒形状の突起部50aが主クラッチ作動用アク
チュエータA2 のピストン51の先端溝部51aに係合
している。上記ピストン51は、ミッションケース22
と一体に形成されたシリンダ52内に、スプール軸心と
直角方向(左右方向)に移動自在に嵌合し、シリンダ5
2内を左側油室125と右側油室126とに区画すると
共に、圧縮コイルばね53により右側(クラッチオフ
側)に付勢されている。シリンダ52の下端には左側油
室125に連通する左側油孔127と右側油室126に
連通する右側油孔128が形成されている。両油孔12
7,128の下側には、これらに連通すると共にシリン
ダ52と平行に左右に延びる制御スプール嵌合孔88が
形成されており、該嵌合孔88内には、シリンダ52内
への作動油の流入方向を切り換えるための制御スプール
54が左右方向移動可能に嵌合している。スプール54
は外周に環状油路131を有すると共に、圧縮コイルば
ね55より右側に付勢されている。嵌合孔88の下端中
央部には常時上記環状油路131に連通する作動油流入
口132が形成されており、該作動油流入口132は、
前述の変速制御機構の場合と同様に、エンジンの回転数
の二乗に比例して圧力が変化するいわゆるガバナ油圧源
に接続し、上記圧力の作動油が供給される。したがっ
て、図5のようにスプール54の環状油路131が右側
油孔128に連通している状態においては、エンジン回
転数の上昇に対応(エンジン回転数の二乗に比例)して
シリンダ52の右側油室126内の作動油圧が上昇し、
コイルばね53に抗してピストン51を左方に押し出
し、レバー50を介して主スプール30を回動させ、半
クラッチからクラッチオン状態へと切り換える。
【0028】主クラッチ作動用のピストン51の左方に
は、図6に示すようにピストン51の動きを2段アクシ
ョン形にするためのダンパー機構90が配置されてい
る。該ダンパー機構90は、ピストン51の左端縁に対
して間隔を置いて左方から対向する移動片91と、該移
動片91の左方に圧縮コイルばね92を介して配置され
ると共にミッションケース22等に固定された固定ばね
受け93を有し、移動片91は圧縮コイルばね92によ
り右方のシート部94に着座している。すなわち、図6
の(a)のクラッチオフ状態(完全に減圧された状態)
から主クラッチを接続する場合、図6の(b)で示すよ
うに移動片91に当接する半減圧状態(半クラッチ状
態)までは急速に作動し、図6の(c)で示す完全締め
切り状態(クラッチオン状態)までは、圧縮コイルばね
92の抵抗により緩衝され、ゆるやかな動きとなる。
【0029】図5において、シフト操作機構とクラッチ
制御機構との間の関係について説明する。アクチュエー
タA2 のシリンダ52の上方には、主スプール30と同
一高さで左右に延びるピン挿通孔68が形成され、該挿
通孔68には左右方向に移動自在にピン62が挿通さ
れ、ピン62の左右端はそれぞれ挿入孔外に突出し、左
端部は、前記カムプレート61に当接している。ピン6
2の右端部の右方には、車両の主制動装置に連動するカ
ム軸64が配置されている。カム軸64は前側に凸部6
4aを一体に有すると共に、下側に切欠き平面部64b
を一体に有している。図5のカム軸64の状態はブレー
キオフ状態であり、ブレーキペダルを踏むことにより、
それに連動してカム軸64は矢印B方向に回動するよう
になっている。
【0030】シリンダ52の右方には支軸66を介して
アーム63が回動自在に支持されており、アーム63は
概略上下方向に延びると共に、サブアーム67を一体的
に有している。アーム63の上端部は、前記ピン62と
カム軸64の間に位置すると共に、左方にL形に折れ曲
がるストッパ部63dを一体に備え、また、上端部右側
には、段部63cを介して背面部63aが形成され、背
面部63aは前記カム軸64に対向している。アーム6
3の下端部は制御スプール54の右端縁に当接してい
る。サブアーム67は右上方へと延び、その上端平面部
がカム軸64の平面部64bに対向している。
【0031】上記アーム63により、スプール54の動
き、カム軸64の動き及びピン62の動きを規制する。
前記カム軸64の凸部64aは、ブレーキオフ状態で図
5のように左端に位置しており、この図5に示す前進位
置から中立位置へと切り換え軸56を矢印H2 方向に回
動しようとしても、アーム63の上端部背面部63aが
凸部64aと干渉していることにより、ピン62はアー
ム63側(右側)へは移動しない。したがって、カムプ
レート61のカム部61bの段部がピン62で係止され
た状態となり、カム61は矢印F方向には回動せず、中
立位置へは戻らない。
【0032】カムプレート61のカム部61bは、中立
位置において、ピン62を当接してこれを右方へ押し込
んでレバー63の上端部を右方に傾け、これによりスプ
ール54を左方へ押し込んで、作動油流入口132を左
側の油室125に連通させ、ピストン51を圧縮ばね5
3及び左側油室125の作動油圧により、右方へと押し
付ける。すなわち、中立時にはエンジン回転速度を上げ
ても、ピストン51は左方に移動せず、レバー50は回
動せず、常に減圧状態(クラッチオフ状態)を保つよう
になっている。
【0033】カム軸64とレバー63との関係におい
て、図5のブレーキオフ状態においては、上述のように
カム軸64の凸部64aがレバー63の背面部63aに
当接しているが、ブレーキペダルを踏んでカム軸64が
矢印B方向に回動することにより、凸部64aが背面部
63aから外れ、ピン62の係止状態を解除するように
なっている。すなわち、前進位置にシフトしている時に
は、ブレーキを踏まなければ中立位置あるいは後進位置
にシフトできないようになっている。
【0034】また、図5のような前進位置において、カ
ム軸64の下端平面部64bは、サブレバー67の上端
平面部に対向しているが、ブレーキを踏んでカム軸64
が矢印B方向に回動することにより、カム軸64の円筒
状外周面がサブレバー67を押し下げ、レバー63の下
端部を左方へと回動して、制御スプール54を左方に押
し、作動油流入口132を左側油室125に連通するよ
うになっている。それにより、左側油室125の作動油
圧とコイルばね53の合成力により、ピストン51は急
速に右方に移動し、主クラッチ弁は急速にオフに切り換
わる。
【0035】油圧式無段変速機全体の作動及び本発明に
関連する作動について説明する。入力軸1の回転により
ポンプ用シリンダブロック2を回転すると、吐出行程の
ポンプ用プランジャ14を収容する円筒穴71から、ポ
ンプ側吐出用油路111を通って内方空間部24bに高
圧の作動油が吐出され、該高圧作動油は、一部のモータ
側油路113を通って膨張行程のモータ用プランジャ1
8を収納する円筒穴73に圧入される。一方、排出行程
のモータ用プランジャ18を収納する円筒穴73から、
残りのモータ側油路113を通って外方空間部24aに
排出される作動油は、ポンプ側吸入用油路110を通っ
て吸入行程のポンプ用プランジャ14を有するポンプ用
円筒穴71に還流される。その間、吐出行程のポンプ用
プランジャ14がポンプ用斜板15を介してモータ用シ
リンダブロック4に与える反動トルクと、膨張行程のモ
ータ用プランジャ18がモータ用斜板19から受ける反
動トルクとの和によって、モータ用シリンダブロック4
は回転される。シフト操作において、図8の(b)に示
すように主スプール30をクラッチオフ位置にし、か
つ、油圧分配環29(分配環支持軸25)を中立位置に
している場合には、内外の空間部24a,24bが主ク
ラッチにより短絡されることにより、内方空間部24b
の作動油の一部は主クラッチ用油路116,117を介
して外方空間部24aに流出し、同時に、図7の(a)
に示すように、バイパス弁10は、ミッションケース2
2内に解放していることにより、内方空間部24bの作
動油の他の一部は、バイパス用油路118,119を通
ってミッションケース22内に排出され、これらによ
り、クラッチオフ状態が確保される。シフト操作とし
て、図8の(b)の中立位置から分配環支持軸25を回
動して、図8の(a)の前進位置あるいは図8の(c)
の後進位置まで回動する場合、シフト操作途中で、主ク
ラッチは一時的に閉じて内外の空間部24b,24a間
を遮断することになる。しかし、図7の(a)のように
バイパス弁10は、主スプール30がクラッチオフ位置
にあることにより、ミッションケース22内との連通状
態を保っている。これにより内方空間部24bの作動油
の一部は、バイパス用通路118,119を通ってミッ
ションケース22内に流出し、内方空間部24bの油圧
上昇は抑制され、シフト操作途中でクラッチオンになる
のが防止される。そして、前進位置あるいは後進位置ま
での回動を完了した時点においても、主スプール30が
クラッチオフ位置にある限りは、バイパス弁10は、ミ
ッションケース22内との連通状態を保っており、クラ
ッチオフ状態が保たれる。前進位置あるいは後進位置に
おいて、主スプール30を回動してクラッチ操作を行う
場合、主スプール30が図6の(a)に示すクラッチオ
フ位置から、図6の(b)に示す半クラッチ位置まで回
動すると、主クラッチが半閉じ状態になると同時に、図
7の(b)に示すようにバイパス弁10は閉じ、これに
より、油圧モータへの動力伝達が始まる。さらに、図6
の(c)に示すように主スプール30がクラッチオン位
置まで回動すると、主クラッチは完全に閉じて、内方空
間部24bと外方空間部24a間は、遮断され、油圧モ
ータMへの通常の動力伝達が行われる。この時、図7の
(c)に示すように、バイパス弁10は閉じている。
【0036】
【別の実施例】(1)図示の実施例では、主スプール3
0内の主クラッチ用油路116を十字形としているが、
上記主クラッチ用油路116の形状を単直線状のものと
することもできる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、 (1)主クラッチ用の主スプールを、シフト機構の分配
環支持軸内に、回動自在に嵌合嵌合し、上記主スプール
の回動により、油圧閉回路内の内方空間部と外方空間部
との間を開閉して、主クラッチのオンオフ操作を行なう
ようにしているので、従来の特公昭61-23412号の主スプ
ールの軸方向の移動方式と比較して、軸方向のコンパク
ト化が達成できる。 (2)主スプールを上記のように回動式としながらも、
上記主スプールに、クラッチオフ位置では常に油圧閉回
路外に連通して、内方空間部の圧力を逃がすバイパス弁
を備えているので、たとえ、意図的にゆっくりとシフト
操作しても、中立位置から前進位置等へのシフト行程の
中間位置で、一旦クラッチオンになるのを防止すること
ができ、エンスト防止が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した油圧式無段変速機の全体縦
断面図である。
【図2】 図1と同じ油圧式無段変速機のチャージング
油路回路部分の縦断面拡大部分図である。
【図3】 図1のIII部分の拡大部分図であって、シフ
ト機構を含む部分の縦断面部分図である。
【図4】 図3のIV−IV断面図である。
【図5】 前進位置におけるクラッチ制御機構の断面拡
大図である。
【図6】 主クラッチの作動説明図である。
【図7】 主クラッチのバイパス弁の作動説明図であっ
て、図3のVII−VII断面相当図である。
【図8】 シフト機構と主クラッチの関係を示す説明図
であって、図3のVIII−VIII断面相当図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 ポンプ用シリンダブロック 4 モータ用シリンダブロック 10 バイパス弁 15 ポンプ用斜板 19 モータ用斜板 25 分配環支持軸 29 油圧分配環 30 主スプール 115 縦油路(主クラッチ用油路) 115a 延長部(バイパス用油路) 116 十字形油路(主クラッチ用油路) 117 油路(主スプール用油路) 118 バイパス用油路 119 バイパス用油路 P 斜板式油圧ポンプ M 斜板式油圧モータ C1 主クラッチ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜板式の油圧ポンプPと斜板式の油圧モ
    ータMとを油圧閉回路を介して接続し、油圧モータMの
    斜板19の傾斜角度の変更により油圧モータMの容量を
    可変とした油圧式無段変速機において、回動自在な分配
    環支持軸25に取り付けられた油圧分配環29により、
    上記油圧閉回路の途中を、油圧ポンプPの吸入用油路が
    連通する外方空間部24aと吐出用油路が連通する内方
    空間部24bに区画し、分配環支持軸25の回動により
    油圧分配環29を前進位置、後進位置及び中立位置に切
    り換え自在とし、分配環支持軸25の中空部に主クラッ
    チ切り換え用の主スプール30を回動自在に嵌合し、主
    スプール30には内方空間部24bに連通する短絡用の
    主クラッチ用油路115,116を形成し、分配環支持
    軸25には主スプール30の外周面から外方空間部24
    aに到る主クラッチ用油路117を形成し、主スプール
    30の回動により、短絡用の両主クラッチ用油路11
    5,116,117を連通してクラッチオフとなるよう
    にし、主スプール30の分配環支持軸25から外れた部
    分に、前記主クラッチ用油路115に連通するバイパス
    油路118を形成して、分配環支持軸25の回動とは無
    関係に主スプール30のみの回動により、バイパス油路
    118と油圧回路外部との間を開閉するバイパス弁10
    を設け、主スプール30がクラッチオフ位置にてバイパ
    ス弁10が開いてバイパス油路118を油圧回路外部に
    連通し、主スプール30が半クラッチ及びクラッチオン
    位置にてバイパス弁10が閉弁するようにしていること
    を特徴とする油圧式無段変速機のクラッチ機構。
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