JP2707196B2 - 温泉再生工法 - Google Patents

温泉再生工法

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JP2707196B2
JP2707196B2 JP5032058A JP3205893A JP2707196B2 JP 2707196 B2 JP2707196 B2 JP 2707196B2 JP 5032058 A JP5032058 A JP 5032058A JP 3205893 A JP3205893 A JP 3205893A JP 2707196 B2 JP2707196 B2 JP 2707196B2
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謙二 渡辺
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利根地下技術株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は温泉再生工法に係り、特
に既存の坑井を温泉井に再生するのに好適な温泉再生工
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、温泉を目的にした坑井は、地山
の掘削孔に、通常ほぼ500m程度の深さの各段ごと
に、同一口径のケーシングが接続され、地表に近い第1
段目から下段になるにしたがって口径が小さくなってい
る。一般の温泉井は、当初のボーリング調査などで目標
とした温泉脈が最下段になるようにして、2〜4段(2
〜3000m)で形成されている。上下の段のケーシン
グ連結部は、パッカー、管尻セメントなどで遮水され、
第1段目のケーシング外周部には、強度上の理由から、
地山との間にセメントを充填し、このフルホールセメン
トにより坑井の強度を保持するようになっている。
【0003】このように構築した坑井から温泉水を採取
するには、図7に示すように、ケーシング10内の目標
とした所定深度に、ケーシングカッター本体11をボー
リングロッド12を使用して設置し、地上の高圧ポンプ
(図示せず)を作動させ、ケーシングカッター内の通水
ラインをとおしてピストン13に圧力を加え、押し上げ
られたピストンでツース本体14を回転させてケーシン
グにツースを食い込ませる。次いで、ケーシングカッタ
ー本体を自重およびボーリングロッドの重量で押し下げ
てケーシングに縦方向の切り溝(ストレーナ15)を形
成すると、通常、高圧の温泉脈から温泉水が噴出する。
尚、温泉とは、温泉法第2条に記載されているように、
湯温25℃以上で、所定の物質を1種以上含有するもの
をいう。湯量は、日本の一般的な温泉で、少なくとも毎
分70〜100リットル程度は必要であると言われてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、温泉掘
削を目的としながら、以下の理由により、所期の目的を
達成できずに放置されている坑井が多数ある。 掘削完了後の清水によるケーシング壁の洗滌が不足
したため、掘削時に使用した泥水成分がケーシング壁に
固着し、有効なストレーナを形成できなかったり、ま
た、温泉脈の圧力が比較的低い場合はストレーナが目詰
まりし、必要な湯量を確保できない。 揚湯試験時、過大な揚湯量のため、ケーシング外周
部の地山崩壊などにより、ストレーナに目詰まりが生じ
ている。 掘削孔径とケーシング口径の設計ミスにより、ケー
シング外周と地山との間隔が狭くなり、ケーシング外周
の清水洗滌ができずに、そのため、ケーシングに穿孔し
ても有効な採取口にならなかった。 遮水のために行なう管尻セメントの施工ミスによ
り、温泉脈をセメントで塞いでしまったために生じる湯
量の不足。 掘削途中で補給水が逃げる異常逸水、或いは湧水等
が起こり、その部分をセメントで保孔するとき、セメン
トの打ち過ぎなどにより、温泉脈を閉塞してしまった。
【0005】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、温泉としての目的を達成できなかった既存
の坑井を、温泉井に再生することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の温泉再生工法は、温泉としての所定の目的を
達成していない既存の坑井に、この坑井の土質状況、孔
内検層結果に基づいて所定の温泉脈を推定し、前記坑井
のケーシング内の前記温泉脈の位置に、爆薬を略V字型
に成型して装填したジェットパーフォレータを設置し、
前記V字型の凹部を前記ケーシングの所定位置に向けて
爆発させ、この爆発力によって発生するジェットによ
り、ケーシング壁及び地中を穿孔して前記温泉脈から所
定の温泉水を採取することにより、既存の坑井を温泉井
に再生するものであって、前記坑井の下段の温泉脈から
上方の温泉脈へ前記ジェットパーフォレータを順次移動
させて所定の温泉水を採取することにより、既存の坑井
を温泉井に再生するものである
【0007】
【作用】上記構成によれば、既存の坑井の土質状況、或
いは、電気検層、温度検層等の孔内検層結果などから、
変化を解析することにより、例えば電位差から亀裂の有
無を、比抵抗から地質の硬軟を、また、温度の高低から
岩質や水温などを知ることができ、このようにして推定
した温泉脈の位置を目標に、ジェットパーフォレータに
よる爆発力でケーシングおよび地中を穿孔する。V字型
に成型した爆薬を爆発させると、爆発方向はV字型凹部
の軸心上で合成され、破壊力の大きいジェットを発生す
るので、例え固着したセメント等の障害物があっても、
ケーシングおよび地中を穿孔することができる。そのた
め、所定の温泉水の採取が可能となり、放置された古井
戸や、或いは温泉としての所期の目的が達成されていな
い坑井を温泉井として再生することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照して説
明する。図1は、温泉掘削を目的としながら、所期の目
的を達成できなかった坑井の一例を示す断面図である。
地表から第1段目には、フルホールセメント20により
第1段ケーシング21が固定され、第1段ケーシング2
1には、それより小径の第2段ケーシング22が連結さ
れ、第2段ケーシング22には、さらに小径の第3段ケ
ーシング23が連結されている。各段の連結部はパッカ
ー24や管尻セメント25により遮水されている。ま
た、最下段の第3段ケーシング23には当初の掘削時に
おけるストレーナ26の痕跡がある。通常、各段のケー
シングは500m程度あり、各段それぞれ同一口径のケ
ーシング単体が複数接続されている。
【0009】図1に示した4か所の温泉脈A、B、C、
Dは、当初の掘削時のデータ、或いは、土質状況、或い
は、電気検層、温度検層等の孔内検層結果などから、変
化を解析することにより、例えば電位差から亀裂の有無
を、比抵抗から地質の硬軟を、また、温度の高低から岩
質や水温などを推察し、これらの調査結果に基づいて推
定したものである。
【0010】温泉再生掘削の作業は、図1に示したよう
に、検層車27から、地表に組み立てた櫓28を介し
て、アーマードケーブル29の先端に取り付けたジェッ
トパーフォレータ30をケーシング孔内へ垂下して、温
泉脈の位置に設置する。次いで、アーマードケーブル2
9内の電線に通電することによって、カプセル31内の
主爆薬を爆発させてジェットを発生させ、ケーシングお
よび地中に貫通孔を形成する。
【0011】一般に、深い地中ほど高温で温泉脈である
可能性が大きいことから、まず、温泉脈Aの位置を目標
にして温泉再生掘削の作業を行う。温泉脈Aから所定の
温泉水が採取されなかった場合は、ジェットパーフォレ
ータ30を引上げ、温泉脈B、C、D、の順に、順次、
上記作業を行う。図2は、温泉脈Cを目標にしたときの
状態を示したもので、ジェットパーフォレータ30を温
泉脈Cの位置に設置している。尚、ジェットパーフォレ
ータの設置位置は、本実施例では、最下段から順次上段
に移動させているが、本発明は必ずしもこれに限定され
るものではなく、孔内検層結果などから、最適と判断さ
れた位置に設置すればよい。
【0012】ここで、ジェットパーフォレータ30につ
いて説明する。ジェットパーフォレータ30は、図3に
示すように、爆薬のカプセル31を多数装着したもの
で、アーマードケーブル29の先端に設けられたキャリ
ーと称する特殊な支持板に、カプセル31が爆発方向を
交互に180度変えて装着され、キャリー32の先端に
はウエイト33が設けられている。カプセル31には電
気雷管34が接続され、地上から爆発の操作を行うよう
になっている。
【0013】カプセル31は、図4に示すように、ガラ
ス又は金属のケース35の中に装填された主爆薬36
は、爆発方向がライナ37でV字型に形成されている。
さらに起爆薬38、導爆線39が設けられ、ガラス又は
金属のキャップ40が取り付けられている。
【0014】図5は、爆薬の爆発の状態を模式的に示し
たもので、図5(A)に示す起爆前のカプセル31の起
爆薬38を電気雷管34により爆発させると、図5
(B)に示すように1次衝撃波41が起こり、次いで図
5(C)に示すように、主爆薬による2次衝撃波42が
発生し、この2次衝撃波42はライナ37面にほぼ垂直
になるので、V字型の軸心で合成され、ジェット43が
発生する。このジェット43が、図5(D)、(E)に
示すように増幅され、ケーシング及び地山に孔を開けた
り、或いはセメントなどの固着物を破壊する。
【0015】ジェットパーフォレータ30の貫通力は地
層の硬軟に左右されないので、硬い地層でも貫通力がす
ぐれ、また穿孔の際、セメントに入るひびが少ないとい
う特徴がある。また、キャリー32は穿孔する地層に応
じて長く接続し、カプセル31の数を多く装着し、1回
の孔内降下で長い区間を穿孔することができるようにな
っている。
【0016】次に、本実施例を既存の坑井に用いた実験
例を、図6の図表を参照して説明する。図6の図表の実
験例1に示すように、地質:粘板岩、深度:1,000
m、湯温:34℃、湯量:45リットル(L)/分、で
あった既存の坑井に、本実施例により、深度:750〜
780mの位置で、ピッチ:80cm、200発のジェ
ットパーフォレータレーションを実施した結果、湯温:
55.5℃、湯量:270L/分、泉質:アルカリ単純
泉、の温泉を採取することができた。
【0017】また、図6の図表の実験例2に示すよう
に、地質:花崗岩、深度:1,600m、湯温:28
℃、湯量:8L/分、であった既存の坑井に、本実施例
により、深度:1150〜1200mの位置で、ピッ
チ:50cm、400発のジェットパーフォレータレー
ションを実施した結果、湯温:39℃、湯量:72L/
分、泉質:弱塩基性単純泉、の温泉を採取することがで
きた。
【0018】また、図6の図表の実験例3に示すよう
に、地質:砂岩、深度:1,300m、湯温:33℃、
湯量:65L/分、であった既存の坑井に、本実施例に
より、深度:1025〜1095mの位置で、ピッチ:
80cm、300発のジェットパーフォレータレーショ
ンを実施した結果、湯温:62℃、湯量:170L/
分、泉質:アルカリ単純泉、の温泉を採取することがで
きた。
【0019】このように、本実施例によれば、ジェット
パーフォレータによる破壊力の大きいジェットにより、
固着したセメント等の障害物があっても、ケーシングお
よび地中を穿孔することができる。そのため、所定の温
泉水の採取が可能となり、新規掘削の場合に比較して、
5分の1ないし10分の1程度の費用で、放置された古
井戸や、坑井を温泉井として再生することができる。
【0020】
【発明の効果】上述のとおり本発明によれば、温泉とし
ての目的を達成できなかった既存の坑井を、容易に温泉
井に再生することができる。そのため、その経済的効果
も極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】本実施例のジェットパーフォレータの位置を変
えた場合の断面図である。
【図3】本実施例に用いたジェットパーフォレータを示
す側面図である。
【図4】本実施例に用いた爆薬カプセルの断面を示す説
明図である。
【図5】本実施例の爆薬カプセルの爆発状態を示す説明
図である。
【図6】本実施例の実験例を図表にまとめた図である。
【図7】従来の温泉掘削における穿孔方法を示す断面図
である。
【符号の説明】
10 ケーシング 11 ケーシングカッター本体 12 ボーリングロッド 13 ピストン 14 ツース本体 15 ストレーナ 20 フルホールセメント 21 第1段ケーシング 22 第2段ケーシング 23 第3段ケーシング 24 パッカー 25 管尻セメント 26 ストレーナ 27 検層車 28 櫓 29 アーマードケーブル 30 ジェットパーフォレータ 31 カプセル 32 キャリー 33 ウエイト 34 電気雷管 35 ケース 36 主爆薬 37 ライナ 38 起爆薬 39 導爆線 40 キャップ 41 1次衝撃波 42 2次衝撃波 43 ジェット

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温泉としての所定の目的を達成していな
    い既存の坑井に、この坑井の土質状況、孔内検層結果に
    基づいて所定の温泉脈を推定し、前記坑井のケーシング
    内の前記温泉脈の位置に、爆薬を略V字型に成型して装
    填したジェットパーフォレータを設置し、前記V字型の
    凹部を前記ケーシングの所定位置に向けて爆発させ、こ
    の爆発力によって発生するジェットにより、ケーシング
    壁及び地中を穿孔して前記温泉脈から所定の温泉水を採
    取することにより、既存の坑井を温泉井に再生する温泉
    再生工法において、前記坑井の下段の温泉脈から上方の
    温泉脈へ前記ジェットパーフォレータを順次移動させて
    所定の温泉水を採取することにより、既存の坑井を温泉
    井に再生することを特徴とする温泉再生工法。
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